JP3325956B2 - 光学異方素子および光学異方素子を用いた液晶表示素子 - Google Patents
光学異方素子および光学異方素子を用いた液晶表示素子Info
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- G02F2413/15—Indexing scheme related to G02F1/13363, i.e. to birefringent elements, e.g. for optical compensation, characterised by the number, position, orientation or value of the compensation plates with twisted orientation, e.g. comprising helically oriented LC-molecules or a plurality of twisted birefringent sublayers
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- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
Description
調特性及び表示色の視角特性の改良された光学異方素子
および液晶表示素子に関する。
プパソコン等のOA機器の表示装置の主流であるCRT
は、薄型軽量、低消費電力という大きな利点をもった液
晶表示素子に変換されてきている。現在普及している液
晶表示素子(以下LCDと称す)の多くは、ねじれネマ
ティック液晶を用いている。このような液晶を用いた表
示方式としては、複屈折モードと旋光モードとの2つの
方式に大別できる。
配列のねじれ角90°以上ねじれたもので、急崚な電気
光学特性をもつ為、能動素子(薄膜トランジスタやダイ
オード)が無くても単純なマトリクス状の電極構造でも
時分割駆動により大容量の表示が得られる。しかし、応
答速度が遅く(数百ミリ秒)、諧調表示が困難という欠
点を持ち、能動素子を用いた液晶表示素子(TFT−L
CDやMIM−LCDなど)の表示性能を越えるまでに
はいたらない。
晶分子の配列状態がほぼ90°ねじれた旋光モードの表
示方式(TN型液晶表示素子)が用いられている。この
表示方式は、応答速度が速く(数+ミリ秒)、容易に白
黒表示が得られ、高い表示コントラストを示すことから
他の方式のLCDと比較して最も有力な方式である。し
かし、ねじれネマティック液晶を用いている為に、表示
方式の原理上、見る方向によって表示色や表示コントラ
ストが変化するといった視角特性上の問題があり、CR
Tの表示性能を越えるまでにはいたらない。
58923号公報などに見られるように、一対の偏光板
とTN液晶セルの間に、位相差フィルムを配置すること
によって視野角を拡大しようとする方法が提案されてい
る。
は、液晶セルの表面に対して、垂直な方向に位相差がほ
ぼゼロのものであり、真正面からはなんら光学的な作用
を及ぼさず、傾けたときに位相差が発現し、液晶セルで
発現する位相差を補償しようというものである。しか
し、これらの方法によってもLCDの視野角はまだ不十
分であり、更なる改良が望まれている。特に、車載用
や、CRTの代替として考えた場合には、現状の視野角
では全く対応できないのが実状である。
4−366809号公報では、光学軸が傾いたカイラル
ネマチック液晶を含む液晶セルを位相差フィルムとして
用いて視野角を改良する方法を提案しているが、2層液
晶方式となり、コストが高く、軽量化が困難であるとい
う問題点があった。さらに、特開平5−80323号公
報に、光学軸が液晶セルに対して傾斜している位相差フ
ィルムを用いる方法が提案されているが、一軸性のポリ
カーボネートを斜めにスライスして用いるため、大面積
の位相差フィルムを低コストで得難いという問題点があ
った。
向とに異なる屈折率を有することは一般に知られてい
る。この様な屈折率の異方性を示す液晶分子にある偏光
が入射すると、その偏光は液晶分子の角度に依存して偏
光状態が変化する。ねじれネマティック液晶は、液晶セ
ルの厚み方向に液晶分子の配列がねじれた構造を有して
いるが、液晶セル中を透過する光は、このねじれた配列
の液晶分子の個々の液晶分子の向きによって逐次偏光し
て伝搬する。従って、液晶セルに対し光が垂直に入射し
た場合と斜めに入射した場合とでは、液晶セル中を伝搬
する光の偏光状態は異なり、その結果、見る方向によっ
て表示のパターンが全く見えなくなったりするという現
象として現れ、実用上好ましくない。
ラストを低下させずに、表示コントラスト、階調特性及
び表示色の視角特性の改善された光学異方素子および液
晶表示素子を提供するものである。
により達成された。 (1)光学的に負の一軸性または一軸性に近い二軸性を
示す薄膜の積層体からなり、該積層体のすべての薄膜の
光学軸が積層体表面に対して法線方向から5゜〜90゜
の範囲内で傾いていて、かつ該積層体の両面の光学軸の
方向が異なるねじれ構造(但し、ねじれ角は360゜以
下である)を有し、さらに632.8nmの光における
レターデーションが−50nm〜−1000nmの範囲
にあることを特徴とする光学異方素子。 (2)積層体の両面の光学軸の方向が異なるねじれ構造
のねじれ角が180゜以下であることを特徴とする
(1)に記載の光学異方素子。 (3)632.8nmの光におけるレターデーションが
−50nm〜−600nmの範囲にあることを特徴とす
る(1)又は(2)に記載の光学異方素子。 (4)該積層体のすべての薄膜の光学軸が積層体表面に
対して法線方向から10゜〜80゜の範囲内で傾いてい
ることを特徴とする(1)乃至(3)のうちのいずれか
に記載の光学異方素子。 (5)2枚の電極基板間に液晶を挟持してなる液晶セル
と、その両側に配置された2枚の偏光素子からなる液晶
表示素子において、2枚の偏光素子の間に(1)乃至
(4)のうちのいずれかに記載の光学異方素子を少なく
とも1枚用いたことを特徴とする液晶表示素子。 (6)該液晶セルがほぼ90゜のねじれ角を有するTN
型液晶を用いていることを特徴とする(5)に記載の液
晶表示素子。
例にとり本発明の作用を説明する。図1、図2は、液晶
セルにしきい値電圧以上の電圧を印加した場合の液晶セ
ル中を伝搬する光の偏光状態を示したものであり、電圧
無印加時では明状態を示すものである。図1は、液晶セ
ルに光が垂直に入射した場合の光の偏光状態を示した図
である。自然光L0が偏光軸PAをもつ偏光板Aに垂直
に入射したとき、偏光板Aを透過した光は、直線偏光L
1となる。
を印加した時の液晶分子の配列状態を、概略的に1つの
液晶分子モデルで示したものである。液晶セル中の液晶
分子LCの分子長軸が光の進路と平行な場合、入射面
(光の進路に垂直な面内)での屈折率の差が生じないの
で、液晶セル中を伝搬する常光と異常光の位相差が生じ
ず直線偏光L1は液晶セルを透過すると直線偏光のまま
伝搬する。偏光板Bの偏光軸PBを偏光板Aの偏光軸P
Aと垂直に設定すると、液晶セルを透過した光L2は偏
光板を透過することができず暗状態となる。
合の光の偏光状態を示した図である。入射光の自然光L
0が斜めに入射した場合、偏光板Aを透過した偏光光L
1はほぼ直線偏光になる。(実際の場合、偏光板の特性
により楕円偏光になる)。この場合、液晶の屈折率異方
性により液晶セルの入射面において屈折率の差が生じ、
液晶セルを透過する光L2は楕円偏光して偏光板Bを透
過してしまう。この様な斜方入射における光の透過は、
コントラストの低下を招き好ましくない。
トラストの低下を防ぎ、視角特性を改善し、同時に、正
面のコントラストを改善しようとするものである。
を大幅に向上できたことについては以下のように推定し
ている。TN−LCDの多くは、ノーマルーホワイトモ
ードが採用されている。このモードにおいて、視角を大
きくすることに伴って、黒表示部からの光の透過率が著
しく増大し、結果としてコントラストの急激な低下を招
いていることになる。黒表示は電圧印加時の状態である
が、この時には、TNセルは、光学軸が、セルの表面に
対する法線方向から若干傾いた正の一軸性光学異方体と
みなすことができる。このわずかな光軸の傾斜によって
真正面でも複屈折が生じるだけではなく、セルの上下方
向すなわち主視角方向で視野角の著しい非対称性が生
じ、上下どちらか一方または両方向の視野角が著しく損
なわれることになる。これは実際の現象と一致してい
る。
る法線方向から傾いている場合、光学軸が法線方向にあ
る光学異方体では、その補償が不十分であることが予想
される。また、液晶セルが正の光学異方体と見なせるの
であれば、それを補償するためには図3に示したように
負の一軸性光学異方体を用いるのが適している。また、
液晶セル中の液晶はねじれ配向しているために、本発明
に用いる光学異方素子もねじれ構造を有していることが
好ましい。このような理由から、本発明における光学軸
が法線方向から傾いた負の一軸性の積層体からなる光学
異方体によって大幅に視野角特性が改善されたものと推
定する。
性、または、一軸性に近い二軸性の光学異方体の積層体
である。光学的に負の一軸性であるとは、複屈折を生じ
ない方向である光学軸が1つしかなく、その光学軸方向
の屈折率が光学軸と直交した方向の屈折率より小さいも
のをいう。二軸性とは光学軸が2つあるものを指す。本
発明における一軸性に近い二軸性とは、2つの光学軸の
なす角が40°以下である二軸性をいう。
の屈折率を模式的に示した図を図4に示す。本発明にお
ける光学異方素子の光学軸は積層体表面の法線方向から
5°〜90°傾いていることが好ましい。更には10°
〜80°傾いていることが好ましい。また、TN型液晶
表示素子のおいては、5°〜40°傾いていることが好
ましい。
向が異なる薄膜の積層体からなる。ここでいう積層体と
は、光学軸の方向が同一である薄膜を2枚以上積層した
ものである。ここでは、ねじれ構造を有したコレステリ
ック液晶などのように連続的に光学軸の方向が変化した
無限枚の薄膜を積層したものと見なせるものも積層体に
含まれる。
れ角は360°以下であることが好ましい。また、TN
型液晶表示素子においては、180°以下であることが
好ましい。更には、液晶セルにおける液晶のねじれ角と
ほぼ等しいか、または液晶のねじれ角より小さいことが
好ましい。例えば、ねじれ角が240°であるSTN型
液晶セルにおいては、240°以下、ねじれ角が90°
であるTN型液晶セルにおいては、90°以下であるこ
とが好ましい。
長632.8nmの光に対する光学異方素子の主屈折率
をna、nb、nc(nb=nc)とし、光学異方素子
の厚さをdとしたとき、(na−nb)×dである。
nmの光におけるレターデーションは−50nm〜−1
000nmであることが好ましい。更には、−100n
m〜−900nmであることが好ましい。また、TN型
液晶表示素子においては、−50nm〜−600nmで
あることが好ましい。
フィルム、板状物、または、他の支持体上の塗布膜とし
て提供される。該光学異方素子の光の透過率は80%以
上が好ましく、90%以上が更に好ましい。
高分子素材は特に制限はないが、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファ
イド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホ
ン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、
ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合
体、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、、ポリメチ
ルメタクリレート、日本ゼオン製のポリオレフィン系素
材である商品名ゼオネックス280等、また、二元系、
三元系、各種重合体、グラフト共重合体、ブレンド物な
ど好適に利用される。また、正または負の固有複屈折を
有する低分子液晶を高分子マトリックス中に分散したシ
ートなどを使用しても構わない。
て、光異性化物質を用いてもよい。光異性化物質とは、
光により立体異性化または構造異性化を起こすものであ
り、好ましくは、別の波長の光または熱によってその逆
異性化を起こすものである。これらの化合物の例として
は、アゾベンゼン系化合物、ベンズアルドキシム系化合
物、アゾメチン系化合物、スチルベン系化合物、スピロ
ピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、フルギド
系化合物、ジアリールエステン系化合物、ケイ皮酸系化
合物、レチナール系化合物、ヘミチオインジゴ系化合物
等が挙げられる。これらの光異性化物質はモノマーでも
ポリマーでもよく、ポリマーの場合、光異性化基が主鎖
中にあっても側鎖中にあってもよい。
て、液晶性化合物または液晶形成能を有する化合物を用
いてもよい。
性化物質(下記の化合物、m=50%、n=50%)を
メチレンクロライドに溶解し、2重量%溶液とした。該
溶液をドクターブレードでガラス板上に塗設し、厚さ2
μmのフィルムを得た。該フィルムを加熱しながら直線
偏光を照射し、光異性化物質を配向させた。このフィル
ムを角度を10°ずつずらして8枚積層し、本発明の光
学異方素子を得た。
光での主屈折率は、na=1.630、nb=nc=
1.610であった。したがって、632.8nmにお
けるレターデーション値は−320nmである。また、
nbはフィルム面と平行であり、naとフィルム法線方
向とのなす角は25°、光学軸のねじれ角は80°であ
った。
のネマチック液晶が90゜の捻れ角で、かつ、厚さ4.
5μmのギャップサイズで挟み込まれた液晶セルと該偏
光素子の間に、上記の光学異方素子を装着した場合と装
着しない場合で、大塚電子製LCD−5000にて0V
/5Vの(白/黒)コントラスト10基準の全方位の視
野角を測定した。その結果を等コントラスト曲線として
図5、6に示す。
特性に優れていることがわかる。
特性が改善され、視認性にすぐれる高品位表示の液晶表
示素子を提供することができる。また、本発明をTFT
やMIMなどの3端子、2端子素子を用いたアクティブ
マトリクス液晶表示素子に応用しても優れた効果が得ら
れることは言うまでもない。
垂直に光が入射する場合の光の透過状態を説明する図で
ある。
斜めに光が入射する場合の光の透過状態を説明する図で
ある。
した模式図である。
屈折率を説明する図である。
子のコントラスト10基準の全方位の視野角を説明する
図である。
のコントラスト10基準の全方位の視野角を説明する図
である。
L1…偏光板Aを通過した直線偏光、L2…TN型液晶
セルを通過した偏光(主に楕円偏光)、LC…TN型液
晶セル内の液晶を説明したもの
Claims (6)
- 【請求項1】 光学的に負の一軸性または一軸性に近い
二軸性を示す薄膜の積層体からなり、該積層体のすべて
の薄膜の光学軸が積層体表面に対して法線方向から5゜
〜90゜の範囲内で傾いていて、かつ該積層体の両面の
光学軸の方向が異なるねじれ構造(但し、ねじれ角は3
60゜以下である)を有し、さらに632.8nmの光
におけるレターデーションが−50nm〜−1000n
mの範囲にあることを特徴とする光学異方素子。 - 【請求項2】 積層体の両面の光学軸の方向が異なるね
じれ構造のねじれ角が180゜以下であることを特徴と
する請求項1に記載の光学異方素子。 - 【請求項3】 632.8nmの光におけるレターデー
ションが−50nm〜−600nmの範囲にあることを
特徴とする請求項1もしくは2に記載の光学異方素子。 - 【請求項4】 該積層体のすべての薄膜の光学軸が積層
体表面に対して法線方向から10゜〜80゜の範囲内で
傾いていることを特徴とする請求項1乃至3のうちのい
ずれかの項に記載の光学異方素子。 - 【請求項5】 2枚の電極基板間に液晶を挟持してなる
液晶セルと、その両側に配置された2枚の偏光素子から
なる液晶表示素子において、2枚の偏光素子の間に請求
項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の光学異方素子
を少なくとも1枚用いたことを特徴とする液晶表示素
子。 - 【請求項6】 該液晶セルがほぼ90゜のねじれ角を有
するTN型液晶を用いていることを特徴とする請求項5
に記載の液晶表示素子。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP15391293A JP3325956B2 (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 光学異方素子および光学異方素子を用いた液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15391293A JP3325956B2 (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 光学異方素子および光学異方素子を用いた液晶表示素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0713021A JPH0713021A (ja) | 1995-01-17 |
JP3325956B2 true JP3325956B2 (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=15572824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15391293A Expired - Fee Related JP3325956B2 (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 光学異方素子および光学異方素子を用いた液晶表示素子 |
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JP (1) | JP3325956B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6540940B1 (en) | 1999-08-23 | 2003-04-01 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Orientation layer containing (meth) acrylic copolymer having hydrophobic repeating units |
-
1993
- 1993-06-24 JP JP15391293A patent/JP3325956B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
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