JP3325039B2 - 皮膚刺激緩和組成物およびこれを含有する経皮外用剤 - Google Patents

皮膚刺激緩和組成物およびこれを含有する経皮外用剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は皮膚刺激緩和組成物と
これを含有する経皮外用剤に関するものである。さらに
詳しくは皮膚刺激性の低減,緩和作用並びに薬理活性物
質の吸収促進作用を有する新規組成物と経皮外用剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より,医薬品の投与方法として,経
口投与や注射による投与が広く実施されているが,胃腸
障害,ショック等の副作用のあることが問題になってい
る。このため,近年では,医薬品による副作用の軽減の
ため,薬物の経皮投与が可能な外用製剤の研究がなされ
てきている。しかしながら,現状においては,外用製剤
による投与の場合には,十分な経皮吸収性が得られない
ことが多い。
【0003】外用製剤による投与において薬物がその治
療効果を最大限に発揮するためには,その薬剤が基材中
から皮膚の内部に速やかに移行して患部に到達すること
が必要である。そのため,外用製剤において基材中に分
散または溶解している薬物の経皮吸収性を高めるために
これまでにも種々の工夫がなされてきている。例えば特
開昭61−249934号公報に開示されているように
2種類またはそれ以上の種類の溶媒を混合したり,特開
昭62−238261号公報にあるアザシクロアルカン
誘導体の様な経皮吸収促進剤を添加したりする方法が提
案されている。しかしながら,その多くは強力な溶剤と
しての性格や経皮吸収促進剤自体の強い皮膚刺激性によ
って,一般の適用や使用法が制限されるなどの欠点があ
る。そこでこれらの問題点を解決すべく種々の試みとし
て,例えば特開昭58−4721号公報,特開昭60−
56911号公報,特開昭60−23312号公報に見
られるように特定の化学物質を皮膚刺激軽減のために添
加する研究が盛んに実施され,例えば近年では,特開平
1−299212号公報の非ステロイド系抗炎症剤を配
合する方法,特開平1−299217号公報のアズレン
誘導体を配合する方法,特開昭63−211241号公
報のグリセリンを含有する組成物による手法,特開平2
−96514号公報の代謝調節剤として2−フェニル−
1−エタノール,3−フェニル−1−プロパノールを添
加する方法等が提案されている。しかしながら,その実
用性についてはいまだに問題が残されている。
【0004】一方,クエン酸トリアルキル,特にクエン
酸トリエチルは,皮膚及び頭髪への使用感に優れ皮膚毒
性も低いため,特開昭58−180417号公報,特開
昭64−19012号公報,特開昭64−66107号
公報に見られるように広く化粧品の基剤として用いら
れ,さらに香料の皮膚への透過を減少させることで香料
の皮膚刺激を低減させることができることも知られてい
る。(J.Soc.Cosmet.Chem.Japa
n,1985)
【0005】しかしながら,医薬品への応用は限られて
おり,特開平1−113055号公報,特開平1−11
3056号公報,特開平2−184622号公報,特開
平2−237917号公報に見られるように可塑剤ある
いは軟化剤としての添加や米国特許第4515810号
明細書に見られるようにプロスタグランジンの安定溶剤
として利用されているに過ぎない。わずかに米国特許第
4666926号明細書,特開昭63−126832号
公報および米国特許第4814173号明細書に経皮吸
収促進投与組成物として用いられることが開示されてい
るが,米国特許第4666926号明細書では薬物が限
定されており,また,いずれの場合もその皮膚刺激性に
ついては一切説明していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、外用剤につ
いての様々な工夫や提案がなされ,経皮外用剤が今日広
く繁用されている製剤のひとつであって重篤な副作用に
関してはほとんど知られていないにもかかわらず,その
半面皮膚に対する刺激等の副作用発現はむしろ増加の一
途をたどっており,なんら解決されていないのが現状で
ある。この発明は,以上の通りの事情に鑑みてなされた
ものであり,従来の外用剤,それらの処方上の欠点を解
消し,特定の基材処方でもって刺激性の低減および緩
和,さらには吸収促進効果をも実現することのできる新
しい組成物とこれを用いた外用剤を提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の問題点
を解決するものとして,クエン酸トリアルキルと水と多
価アルコールを配合することにより薬効成分の高い経皮
吸収性と非常に低い皮膚刺激性を実現することを特徴と
する皮膚外用剤に有用な組成物を提供するものである。
すなわち,この発明の発明者らは,上記した通りの問題
点を解決すべく種々の組成物を鋭意検討した結果,クエ
ン酸トリアルキルと水と多価アルコールをある特定の割
合いで配合することにより上記欠点を克服し得ることを
見出だし,本発明を完成した。
【0008】以下具体的に本発明を説明する。本発明に
用いられるクエン酸トリアルキルは,そのアルキル基が
ブチル,イソプロピル,エチル,メチルであればいずれ
を問わないが,常温で液体であり皮膚への使用感が良い
クエン酸トリエチルが好ましい。クエン酸トリアルキル
は組成物全体量100重量%に対し1〜50%,好まし
くは5〜30%配合される。さらに好ましい配合割合は
組み合わせられる多価アルコールの種類により異なった
ものとなる。
【0009】本発明に用いられる多価アルコールとして
は、たとえばエチレングリコール(1、2−エタンジオ
ール)、プロピレングリコール(1、2−プロパンジオ
ール)、1、3−プロパンジオール、1、2−ブタンジ
オール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオ
ール、2、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオ
ールなどの炭素数2〜5程度の低級アルカンジオールや
グリセリンなどの炭素数3〜6の低級アルカントリオー
ルがあげられる。なかでもプロピレングリコールおよび
1、3−ブタンジオールが好ましい。これらの多価アル
コールは組成物全体量100重量%に対し1〜70%,
好ましくは20〜50%配合される。さらに好ましい配
合割合はアルコールの種類によって各々異なる。
【0010】本発明に用いられる水は,精製水,食塩水
およびpHの調節等に用いられる緩衝液のうちいずれで
あっても良い。これらの水は組成物全体量100重量%
に対し1〜90%,好ましくは30〜70%配合され
る。さらに好ましい配合割合は組み合わせられる多価ア
ルコールの種類によって各々異なる。
【0011】本発明に用いられる吸収促進作用物質はジ
メチルスルホキシドおよびその誘導体,脂肪族カルボン
酸,脂肪族アルコール,脂肪族カルボン酸のアルコール
エステル又はエーテル,アザシクロアルカン誘導体およ
びAzone類似構造物,ピロリドン誘導体,テルペン
系化合物,芳香族系有機酸,芳香族アルコールおよびそ
れらのエステル類であればいずれをとはない。脂肪族カ
ルボン酸,脂肪族アルコール,脂肪族カルボン酸のアル
コールエステル又はエーテル,芳香族系有機酸,芳香族
アルコールおよびそれらのエステルは飽和,不飽和のい
ずれでも良く,又,環状,直鎖状,分枝状のいずれでも
良い。テルペン系化合物はモノテルペン,セスキテルペ
ン系化合物が好ましい。具体的には1−〔2−(デシル
チオ)エチル〕アザシクロペンタン−2−オン,1−n
−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン,カプリル
酸,カプリン酸,カプロン酸,セバシン酸ジエチル,オ
レイン酸,オレイン酸オレイル,リノール酸,ミリスチ
ン酸,テルピネオール,ボルネオロール,d−リモネ
ン,ブチルヒドロキシアニソール,クロルクレゾール,
パルミチン酸セチル,ケイ皮酸メチル,ゲラニオール,
チモール,オイゲノール,サリチル酸,セスキオレイン
酸ソルビタン,ラウリル酸メチル,モノステアリン酸ポ
リエチレングリコール,オレイルアルコール,ミリスチ
ルアルコール,l−メントール,dl−カンフル,イソ
オイゲノール,イソボルネオロール,ネロール,シトロ
ネロール,リナロール,ロジノール,サフロール,イソ
サフロール,ピネン,カンフェノン,メントン,サイメ
ン,N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドン,ユーカ
リプトール,N,N−ジエチル−m−トリアミド,N−
アルキルモルホリン,グリセロールモノオレエート,l
−ノネン,p−メンタン,α−テルピネン,n−ブチル
シクロヘキサン,t−ブチルシクロヘキサン,ジペンテ
ン,ピナン,エチルシクロヘキサン,ビフェニール,n
−ブチルベンゼン,ミルセン,メチルシクロペンタジエ
ンダイマー,シス−1,3−ジメチルシクロヘキサン,
ジシクロヘキシル,ジメチルナフタレン,p−シメン,
ジシクロペンタジエン,1,5−シクロオクタジエン,
シクロオクタン,イソオクタン,1−フェニル−1−シ
クロヘキサン,1−ドデゼン,ジメチルスルホキシドな
どが挙げられるが,1−〔2−(デシルチオ)エチル〕
アザシクロペンタン−2−オン,1−n−ドデシルアザ
シクロヘプタン−2−オン,カプリル酸,カプリン酸,
カプロン酸,セバシン酸ジエチル,オレイン酸,リノー
ル酸,テルピネオール,ボルネオロール,d−リモネ
ン,ブチルヒドロキシアニソール,クロルクレゾール,
パルミチン酸セチル,ケイ皮酸メチル,ゲラニオール,
チモール,オイゲノール,サリチル酸,セスキオレイン
酸ソルビタン,ラウリル酸メチル,モノステアリン酸ポ
リエチレングリコール,オレイルアルコール,ミリスチ
ルアルコール,l−メントール,カンフルなどが好まし
い。吸収促進作用物質は組成物全体量100重量%に対
し0.1〜10%,好ましくは1〜5%配合される。
【0012】本発明外用組成物に含有される薬理活性物
質は,経皮吸収される薬物であれば特に限定はないが,
全身麻酔剤,催眠・鎮静剤,抗しゃっかん剤,解熱鎮痛
消炎剤,興奮剤,覚醒剤,精神神経用剤,局所麻酔剤,
骨格筋弛緩剤,自立神経用剤,鎮けい剤,抗パーキンソ
ン剤,眼科用剤,耳鼻科用剤,抗ヒスタミン剤,強心
剤,血圧降下剤,血管収縮剤,冠血管拡張剤,末梢血管
拡張剤,循環器官用剤,呼吸促進剤,鎮咳去たん剤,消
化性かいよう治療剤,利胆剤,整腸剤,甲状腺・抗甲状
腺ホルモン剤,麻薬,蛋白同化ステロイド剤,副腎皮質
ホルモン剤,男性ホルモン剤,卵胞黄体ホルモン剤,泌
尿生殖器およびこう門用剤,鎮痛・鎮痒・収斂・消炎
剤,寄生性皮膚疾患用剤,皮膚軟化剤,腐蝕剤,ビタミ
ン剤,血液凝固阻止剤,習慣性中毒用剤,痛風治療剤,
酵素製剤,糖尿病薬等が用いられ,なかでも催眠・鎮静
剤,解熱消炎鎮痛剤,精神神経用剤,局所麻酔剤,骨格
筋弛緩剤,自立神経用剤,鎮けい剤,抗パーキンソン
剤,抗ヒスタミン剤,強心剤,血圧降下剤,血管収縮
剤,冠血管拡張剤,末梢血管拡張剤,利胆剤,抗甲状腺
ホルモン剤,麻薬,副腎皮質ホルモン剤,卵胞黄体ホル
モン剤,寄生性皮膚疾患用剤,痛風治療剤,糖尿病薬等
が好ましい。さらにこれらの薬物が水溶性であることが
好ましく,しかもその薬物が酸性である場合は組成物の
pHを7〜8,その薬物が塩基性の場合には組成物のp
Hを4〜5に調製することが好ましい。これらの薬物
は,単独あるいは2種以上の混合系で使用しても良く,
必要に応じて紫外線吸収剤,抗酸化剤,防腐剤を加えて
も良い。紫外線吸収剤としては,公知のP−アミノ安息
香酸誘導体,アントラニル酸誘導体,サリチル酸誘導
体,クマリン誘導体,アミノ酸系化合物,ベンゾトリア
ゾール誘導体,テトラゾール誘導体,イミダゾリン誘導
体,ピリミジン誘導体,ジオキサン誘導体,フラン誘導
体,ピロン誘導体,カンファー誘導体,核酸誘導体,ア
ラントイン誘導体,ニコチン酸誘導体,シコニンあるい
はビタミンB6 誘導体等が挙げられるが,特にベンゾフ
ェノン誘導体,例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン誘導体が用いられる。抗酸化剤としては,
例えばアスコルビン酸,ステアリン酸エステル,アスコ
ルビン酸ナトリウム,トコフェロール(α−トコフェロ
ール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,δ−
トコフェロール等のd体,l体,dl体)およびこれら
のエステル誘導体,ノルジヒドログアセレチン酸,ジブ
チルヒドロキシトルエン,ブチルヒドロキシアニソー
ル,tert−ブチルヒドロキノン没食子酸エステル
(エチル,プロピル,イソアミル等のエステル),1−
オキソ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン等及び
その他の抗酸化剤が挙げられる。防腐剤としては,安息
香酸,安息香酸ナトリウム,パラオキシ安息香酸エチ
ル,パラオキシ安息香酸プロピル,パラオキシ安息香酸
ブチル等が用いられる。
【0013】紫外線吸収剤は組成物全体量100重量%
に対し,0.01〜5%,好ましくは0.1〜1%配合
される。抗酸化剤も組成物全体量100重量%に対し,
0.01〜5%,好ましくは0.1〜1%配合され,防
腐剤は,組成物全体量100重量%に対し0.01〜5
%,好ましくは0.05〜1%配合される。
【0014】以上詳述したごとく,この発明は経皮吸収
性の薬理活性物質を有効成分として含有することがで
き,これにクエン酸トリアルキルと水と多価アルコール
をある特定の割合いで配合することを特徴とし,薬効物
質の高い皮膚透過性と非常に低い皮膚刺激性を両立する
ものである。さらに必要に応じて吸収促進作用物質,紫
外線吸収剤,抗酸化剤,防腐剤をも配合することがる。
剤型としては,例えばゲル剤,ゲル・クリーム剤,リザ
ーバー型貼付剤,貼付剤等が考えられる。ここで前述の
外用製剤の各々について本願発明の処方例を示す。
【0015】まず始めにゲル基剤について述べる。ゲル
基剤は本願発明の特徴であるクエン酸トリメチル、クエ
ン酸トリエチル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸
トリブチルのいずれかと公知のゲル基剤である多価アル
コール、水、ゲル化剤(例えばカルボキシビニル重合
体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ポリビニルアルコール等)、及び中和剤(例え
ばトリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、
水酸化ナトリウム等)、界面活性剤(例えばセスキオレ
イン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノオ
レイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モ
ノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリエチレ
ングリコール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル等)、吸収促進剤
(例えばアザシクロアルカン誘導体)から選択された基
剤を適宜配合し、必要に応じ抗酸化剤、紫外線吸収剤、
防腐剤を配合し、薬理活性物質を配合することで本願発
明のゲル剤を得ることができる。
【0016】次にゲル剤の製造例を1つ述べ参考に供す
る。 薬理活性物質 適量 クエン酸トリアルキル類 30重量%以下 水 55重量%以下 多価アルコール類 40重量%以下 ゲル化剤 5重量%以下 吸収促進剤 5重量%以下 以上を秤量し、先ず水をゲル化剤に入れて膨潤させ、一
方薬理活性物質を溶解剤適量に溶解若しくは懸濁し、更
にこれを多価アルコール類(例えば1、3−ブチレング
リコール、プロピレングリコール)とクエン酸トリアル
キルの混合物に溶解させ、水をゲル化剤で膨潤させたも
のに加えて中和剤を添加しpHが4〜8になるよう調整
し、本願発明のゲル剤を得る。尚、この製造例は1例に
しかすぎず公知又は類似の方法及び処方により製造しう
ることは言う迄もない。又各配合量も特に限定されるも
のではない。
【0017】次にゲル・クリーム剤について述べる。ク
リーム基剤は本願発明の特徴であるクエン酸トリメチ
ル,クエン酸トリエチル,クエン酸トリイソプロピル、
クエン酸トリブチルのいずれかと公知のクリーム基剤、
例えば白色ワセリン,流動パラフィン,高級脂肪酸エス
テル類(例えばミリスチン酸エステル、パルミチン酸エ
ステル、セバシン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、イソ
オクタン酸セチル等)、多価アルコール(例えば1、3
−ブチレングリコール、プロピレングリコール等)、乳
化剤(例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、
脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル等)、吸収促進剤(例えばアザシクロアルカン誘導
体),ゲル化剤(例えばカルボキシビニル重合体、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
等)、及び中和剤(例えばトリエタノールアミン、ジイ
ソプロパノールアミン、水酸化ナトリウム等)から選択
された基剤を選択し、適宜配合し、必要に応じ抗酸化
剤、紫外線吸収剤、防腐剤を配合し薬理活性物質を配合
することで本願発明のゲル・クリーム剤を得ることがで
きる。
【0018】次にゲル・クリーム剤の製造例を1つ述べ
参考に供する。 薬理活性物質 適量 クエン酸トリアルキル類 20重量%以下 高級脂肪酸エステル 25重量%以下 防腐剤 0.5重量%以下 乳化剤 5重量%以下 高級アルコール 15重量%以下 水 50重量%以下 多価アルコール 20重量%以下 吸収促進剤 5重量%以下 ゲル化剤 5重量%以下 以上を秤量し、先ず高級脂肪酸エステル、クエン酸トリ
アルキル、高級アルコール、乳化剤および吸収促進剤を
混合し、50℃〜100℃に加熱融解した後、予め加熱
した水に防腐剤,多価アルコールおよび薬理活性物質を
溶解若しくは懸濁したものを加え、その後50℃に冷却
しゲル化剤を添加し充分分散させた後,中和剤を加えp
H4〜8に調製して本願発明のゲル・クリーム剤を得る
ことができる。尚この製造例は1例にしかすぎず公知又
は類似の方法及び処方により製造しうることは言う迄も
ない。又各配合量もこれに限定されるものではない。
【0019】次にリザーバー型貼付剤について述べる。
このリザーバー型貼付剤に用いられるリザーバー部の組
成は、薬理活性物質と前記ゲル剤、ゲル・クリーム剤等
の組成を用いることができる。又、ここで用いられる制
御膜である多孔膜あるいは高分子膜は、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメタアクリル酸エステ
ル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニルアルコー
ル−エチレン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩
化ビニル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン性共重合体ガム、エチレン−メタアクリル
酸あるいはエチレン−アクリル酸共重合体が用いられ
る。支持体は例えばポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリアクリル、ポリウレタン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、布、不織布などが用いられ
るが、支持体リザーバー部、多孔膜あるいは高分子膜を
介して皮膚に接触する面に粘着層がある場合となにもな
い場合があるが、粘着層を設ける場合には粘着層の組成
は薬理活性物質を含んだ貼付剤組成によって構成され
る。但し粘着層のない場合は、放出面である多孔膜ある
いは高分子膜の外側に薬理活性物質を含まない貼付剤の
基剤による粘着層を設けて本発明の製剤を得ることがで
きる。尚、これらの製造方法は従来公知の方法で充分で
ある。
【0020】最後に貼付剤について述べる。本願発明の
貼付剤は本願発明の特徴であるクエン酸トリメチル、ク
エン酸トリエチル、クエン酸トリイソプロピル、クエン
酸トリブチルのいずれか30重量%以下と多価アルコー
ル(例えば1、3−ブタンジオール、プロピレングリコ
ール)10〜80重量%,水5〜40重量%、イオン性
不飽和単量体1〜40重量%,メタアクリレート2〜3
0重量%,架橋成分0.05〜1%に吸収促進剤(例え
ばアザシクロアルカン誘導体等)および薬理活性物質を
加え、更に必要により紫外線吸収剤を0.01〜5重量
%、必要に応じ抗酸化剤0.01〜5重量%、防腐剤
0.01〜5重量%を配合し,重合開始剤の存在下おい
て重合架橋して本願発明の貼付剤を得ることができる。
尚、上記処方例及び製造例は単なる1例であり、当然類
似の処方で本願発明の貼付剤を得ることができる。
【0021】
【実施例】以下に前述した本願発明の効果をさらに詳細
に説明するために実施例を示すが,本発明はこれにより
限定されるものではない。 実施例1 下記の組成1および2の溶液においてヘアレスマウスの
摘出皮膚を用い,InVitroでの薬効成分の皮膚透
過性を下記表1の薬物を用いて測定し,あわせてその薬
物溶液の皮膚刺激性試験をDraiz法に準じて行なっ
た。薬物の皮膚透過性は8時間目までの最大Flux
(最大薬物透過速度μg/cm/h)で,皮膚刺激性は
PII(皮膚刺激指数)で比較した。 組成1 水/1、3−BG/クエン酸トリエチル=50
/40/10(V/V):1−n−ドデシルアザシクロ
ヘプタン−2−オン=95:5(W/W) 組成2 水/1、3−BG=60/40(V/V):1
−n−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン=95:
5(W/W) 結果は表1に示した通りで,組成1および2において薬
物の皮膚透過性に関しては大きな変化を認めないが,組
成1において吸収促進剤(この場合はアザシクロアルカ
ン誘導体)によると思われる皮膚刺激性が著しく低下し
ていることが明らかである。
【0022】
【表1】
【0023】実施例2 表2の組成の溶液においてヘアレスマウスの摘出皮膚を
用い,In vitroでの薬効成分の皮膚透過性を塩
酸モルヒネ懸濁液を用いて測定し,あわせて溶液の皮膚
刺激性をDraiz法に準じて試験した。結果は表2に
示した通りである。薬物の皮膚透過性の比較は8時間目
まで行なった皮膚透過試験より求めた最大Flux(最
大薬物透過速度)で行なった。クエン酸トリアルキル
(この場合はクエン酸トリエチル)と吸収促進剤の併用
により従来と同等かもしくは高い薬物の皮膚透過性と従
来より遥かに低い皮膚刺激性を両立している。幾つかの
例においては透過率の低下が認められるがこれはクエン
酸トリエチルの配合量がこの実施例では一定であるため
である。しかし,この場合においてさえ透過率の低下よ
りも遥かに大きな皮膚刺激性の低減が認められる。
【0024】
【表2】各種組成における薬物の皮膚透過性と皮膚刺激
【0025】実施例3〜6(比較例3〜6) 下記実施例3〜6および比較例3〜6について下記の通
り実験を行なった。体重約3kgの日本白色家兎の背部を
剃毛し,実施例3および比較例3の試料(モルヒネ塩酸
塩含量30mg)を背部皮膚に塗布し,濾紙にて塗布面を
覆いテープにて濾紙を固定した。塗布後0,1,2,
3,6時間後に採血を行ないモルヒネ含量を測定した。
実施例3〜6および比較例3〜6の皮膚刺激性はDra
iz法に準じて評価した。
【0026】 実施例3 ゲル剤 モルヒネ塩酸塩 5 アザシクロアルカン誘導体 3 カルボキシビニルポリマー 1 プロピレングリコール 30 クエン酸トリエチル 20 精製水 39.4 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 0.5 ジイソプロパノールアミン 1.1 100(重量%) カルボキシビニールポリマー1部を精製水23部に膨潤
させ,これにプロピレングリコール30部,クエン酸ト
リエチル20部,モルヒネ塩酸塩5部,および2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン0.5部を混合し
た溶液を加え攪はんした。次にアザシクロアルカン誘導
体3部とジイソプロパノールアミン1.1部を精製水1
6.4部に溶解したものを加え,全体が均一になるまで
充分に攪はんしてゲル剤を得た。
【0027】比較例3 ゲル剤 実施例3においてクエン酸トリエチルをプロピレングリ
コールに置き換えた他は同様とした。
【0028】 実施例4 ゲル・クリーム剤 シルバーサルファダイアジン 5 テルピネオール 3 白色ワセリン 5 セタノール 4 流動パラフィン 3 クエン酸トリエチル 15 パラオキシ安息香酸メチル 0.2 カルボキシビニールポリマー 2 ジイソプロパノールアミン 1 パラオキシエチレンパラオキシプロピレンセチルエーテル 2 1、3−ブチレングリコール 20 精製水 39.8 100(重量%) 白色ワセリン,セタノール,流動パラフィン,クエン酸
トリエチル,テルピネオール,パラオキシエチレンパラ
オキシプロピレンセチルエーテル,を混合,加熱溶解し
た後,予め加熱した精製水にパラオキシ安息香酸メチル
と1、3−ブチレングリコールとシルバーサルファダイ
アジンを溶解,分散させたものを加え,その後冷却して
50℃にし,カルボキシビニルポリマーを添加し充分分
散させた後,ジイソプロパノールアミンを加えpHを4
〜8に調製してゲル・クリームを得た。
【0029】比較例4 ゲル・クリーム 実施例4においてクエン酸トリエチルを精製水に置き換
えた他は同様とした。
【0030】実施例5 リザーバー型貼付剤 1)支持体 ポリエステル系フィルム 2)薬物貯蔵層 実施例3の組成物 3)微多孔膜 シュラガード 4)粘着層 アクリル系粘着剤(支持体周辺
部) 1〜4で構成され,下図に示すように剥離紙を微多孔粘
着層面にあてがい積層物を作成した。
【0031】比較例5 リザーバー型貼付剤 実施例5の薬物貯蔵層中を比較例3の組成物で置き換え
た他は同様とした。
【0032】実施例6 貼付剤 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン15部を
2−ヒドロキシエチルメタクリレート2400部に溶解
し,さらにテトラエチレングリコールジメタクリレート
35部を添加し溶解させた。別に5%食塩水1900
部,スルホプロピルメタクリレートカリウム塩600部
を加温溶解し,さらにグリセリン2000部,1、3−
ブチレングリコール2000部,クエン酸トリエチル1
100部,ケトプロフェン110部,D−リモネン30
0部を添加して均一な溶液を得た。さらに前記両液を混
合脱泡し,均一な溶液を得た。この液を液のまわりへの
流出を防止するために枠を設けた厚さ50μmの水平に
保たれたPETフィルム上に,厚さが300μmになる
ように流し込んだ。このものを窒素雰囲気に保ちなが
ら,30Wのケミカルランプの15cm下におき,紫外線
を5分間照射した後,硬化した表面を離型処理したPE
Tフィルムで覆って貼付剤とした。
【0033】比較例6 貼付剤 実施例6においてクエン酸トリエチルを1、3−ブチレ
ングリコールに置き換えた他は同様とした。結果は表3
および表4に示した通りである。モルヒネ塩酸塩の血中
への移行は実施例と比較例において有意な差は認められ
ないが,実施例において皮膚に対する刺激が有意に軽減
している。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】この発明のクエン酸トリアルキル,水,
多価アルコールよりなる組成物,また,これらの組成物
に薬理活性物質あるいは薬理活性物質と吸収促進作用物
質を配合した外用組成物は良好な経皮吸収作用を有する
とともに,従来よりの問題点であった皮膚刺激性を著し
く低下並びに緩和させる。そのため,非常に安全性が高
く,かつ薬効を十分に発揮する各種製剤からなる経皮外
用製剤とすることができ,医薬産業上特に有用なものと
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−38525(JP,A) 特開 平2−62817(JP,A) 特開 平2−140167(JP,A) 特開 昭64−19012(JP,A) 国際公開92/16237(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 47/14 A61K 9/00 A61K 9/06 A61K 9/70 405 A61K 47/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体量100重量%に対し、クエン酸トリ
    アルキル1〜50%、多価アルコール1〜70%、水1
    〜90%及び薬理活性物質0.001〜20%を含有す
    ることを特徴とする経皮外用剤。
  2. 【請求項2】クエン酸トリアルキルの配合量が全体量1
    00重量%に対し5〜30%である請求項1に記載の経
    皮外用剤。
  3. 【請求項3】多価アルコールの配合量が全体量100重
    量%に対し20〜50%である請求項1又は2に記載の
    経皮外用剤。
  4. 【請求項4】クエン酸トリアルキルのアルキルが、メチ
    ル、エチル、イソプロピル又はブチルである請求項1〜
    3の何れかに記載の経皮外用剤。
  5. 【請求項5】クエン酸トリアルキルがクエン酸トリエチ
    ルである請求項1〜3の何れかに記載の経皮外用剤。
  6. 【請求項6】更に、経皮吸収促進作用を含有する請求項
    1〜5の何れかに記載の経皮外用剤。
  7. 【請求項7】経皮吸収促進作用物質の配合量が全体量1
    00重量%に対し0.1〜10%である請求項6に記載
    の経皮外用剤。
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