JP3319442B2 - Atmスイッチ - Google Patents

Atmスイッチ

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JP3319442B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はATMに代表される
セル(固定長パケット)のスイッチング技術に関し、特
に、本発明はATM交換機で用いる大規模かつ高スルー
プット特性を要求されるATMスイッチに利用する技術
に関する。より詳細には、セルベースの負荷分散を行っ
た場合にスイッチ内でセル順序保証を行いながらスイッ
チングする技術に関する。更に、セルの負荷分散を効率
的に行う技術に関する。
【0002】また、上記スイッチアーキテクチャを用い
てLSIの高速IO数が問題となる高速領域で大容量A
TMスイッチを実現する場合に、大容量ATMスイッチ
を構成する単一LSIの内部回路の使用効率を高め、所
要LSI数を最小限に抑えるATMスイッチハードウェ
ア構成技術に関する。本明細書では、基本スイッチはA
TMスイッチを構成する要素であり、単位スイッチは基
本スイッチを構成する要素として説明する。また、セル
を分解することにより生成されたセルをショートセルと
呼ぶことにする。
【0003】
【従来の技術】ATM(非同期転送モード)では、固定
長のセルをソフトウェアを介さずに簡略化されたプロト
コルを用いてハードウェアにより高速にスイッチングす
る。このためATM交換機に搭載されるATMスイッチ
には高速制御性、高速スイッチング能力が要求される。
したがって、収容回線が増え要求スイッチサイズが大き
くなると、単位スイッチサイズの拡張では対応できなく
なり、単位スイッチを相互に多段接続するマルチステー
ジスイッチ構成が必要となる。
【0004】この従来例を図1を参照して説明する。図
1は従来のマルチステージスイッチ構成によるATMス
イッチを示す図である。従来、図1に示すように単位ス
イッチを相互に3段に接続するクロスアーキテクチャが
マルチステージスイッチ構成でスイッチサイズを拡張す
る有効な手段として知られている。クロスアーキテクチ
ャにおけるルーティングアルゴリズムを分類すると以下
の二つのアルゴリズムが考えられる。1)コネクション
ベースのルーティング:同一のVC(Virtual connecti
on)を構成するセルはスイッチ内で同一の方路を通って
ルーティングされる。2)セルベースのルーティング:
同一のVCを構成するセルがスイッチ内で異なる方路を
通ってルーティングされる。
【0005】以下にこれらのルーティングアルゴリズム
を採用した場合に従来問題となっていた課題を説明する
ために、コネクションベースのルーティングを採用した
場合のセルルーティング例を図2に示し、セルベースの
ルーティングを採用した場合のセルルーティング例を図
3に示す。図2に示すように、コネクションベースのル
ーティングではATMスイッチ内に入力されたVCを構
成するセルは同一のスイッチングルートを通ってスイッ
チングされる。3ステージのクロスアーキテクチャでは
1段目の単位スイッチと2段目の単位スイッチで負荷分
散を行い、2段目の単位スイッチと3段目の単位スイッ
チでスイッチングを行う。
【0006】このためATMスイッチ内部でコネクショ
ンレベルの負荷分散を行い、2段目の単位スイッチの負
荷を均等に分散させる必要がある。このためには、同一
の3段目の単位スイッチを目指すコネクションに対して
2段目のどの単位スイッチを経由すればよいかを判断す
るなどの2段目の単位スイッチにおけるリソース管理を
行う必要がある。
【0007】このようなリソース管理が有効に実現でき
ない場合には2段目の単位スイッチにおける負荷バラン
スが崩れて、高負荷状態に陥る2段目の単位スイッチが
出現し、当該単位スイッチで継続的にリンクブロックが
発生しスイッチ内QoS(Quality of Service)が満足
できない状態が発生する。図2では単位スイッチOSW
#1を目指すコネクションのルーティングにおいて2段
目の単位スイッチの負荷バランスが崩れて、単位スイッ
チTSW#1が低負荷状態に、単位スイッチTSW#n
が高負荷状態に陥り、単位スイッチTSW#nの出力リ
ンクでセル廃棄が発生している例を示す。このような負
荷アンバランスを防止するためには、VC時間的変動を
考慮して、VCが多重されているリンクレベルでの統計
的振る舞いを予想し、確率的に負荷バランスを保証する
などの高機能なリソース管理を行う必要がある。この管
理方法には「各リンクの負荷状態をモニタし、リンクの
負荷状態を観測して観測された負荷情報をもとにコネク
ションのルートを決定する方法」や「コネクションの申
告パラメータをもとに2段目の単位スイッチの各出力リ
ンクの多重特性を計算してリンクの負荷状態を把握し、
この計算された負荷情報をもとにVCのルートを決定す
る方法」などが想定される。
【0008】しかしながら、本発明で想定している数十
Gbit/sを越える高速のリンクを多数備える大規模
なATMスイッチでは、上記リソース管理を採用してA
TMスイッチの使用効率を高める方法はATMスイッチ
全体におけるリソースマネジメントのコストが増大し有
効な手段とはなり得ない。すなわち、高速リンクを備え
る大規模スイッチにいては、スイッチ内に多重されるコ
ネクション数が膨大となるため、リンク負荷を観測す
る、もしくは、申告パラメータをもとに多重特性を計算
するというどちらの方式を採用しても、収容するコネク
ションのスイッチ内ルーティング経路を計算するアルゴ
リズムが複雑化してコスト的なメリットがない。また、
スイッチそのものよりもこのルート検索用のハードが複
雑化して実現性に困難を伴う。
【0009】また複雑なリソース管理を回避するため
に、ATMスイッチ内部を高速化して負荷バランスの失
敗を許容する方法も考えられるが、任意のスピードを備
えるVCを収容するためにはATMスイッチ内部のリン
ク速度をATMスイッチ入出力回線速度の3倍まで高速
化する必要があり、単位スイッチ間リンクを構成するの
に多大な困難を伴いコストエフェクティブな方法とはな
り得ない欠点がある。
【0010】図3に示すように、セルベースのルーティ
ングにおいてはセル毎にATMスイッチ内で異なるルー
ティング経路を取ることが可能であるのでVCの多重特
性を意識することなしにATMスイッチ内部の負荷分散
を実現できる。すなわち、図3に示すように、この方法
ではATMスイッチに入力したセルをATMスイッチ内
の分配網を用いてルーティング網の入力ポート毎に等確
率で振り分けることができればルーティング網で内部ブ
ロックが起こることを防止できる。
【0011】しかしながらセルベースのルーティングで
は同一のVCを構成するセルがATMスイッチ内でマル
チルートを通ってスイッチングされるため、異なるルー
トを経由するセルは、各ルートに配置されたバッファに
加わる負荷に依存した遅延時間を感じることになる。こ
のためルート毎にセル転送遅延時間が異なる可能性があ
りスイッチ出力においてセル順序逆転を発生させる可能
性がある。従って、セル順序を保証するための順序保証
を行う必要がある。
【0012】この順序保証を行う方式の例として、GIGA
BIT スイッチがある(Turner : DESIGN OF A GIGABIT AT
M SWITCH, IEEE INFOCOM'77)。この従来例を図4を参照
して説明する。これを実現するために、図4に示すよう
に、ATMスイッチに入力してくるATMセルに対して
タイムスタンプ部によりタイムスタンプを付与し、スイ
ッチングが行われ、出口でセルがバッファで待つことに
なる。セル順序保証部は、この出力部のバッファで並び
替えを行うことによりセル順序を保証する。図5に、バ
ッファで待つセルをソーティング範囲のセルとして表記
している。
【0013】しかしながら、上記の並べ替えを行うため
に、ATMスイッチ出力方路毎に大規模なソーティング
回路を設けてスイッチングされてきたセルを時刻情報順
に並び換えるソーティング操作が必要である。高速で大
規模なATMスイッチでは、多数のルーティング経路に
対するソーティングを高速に行う必要が生じるので、A
TMスイッチサイズが制限され、スイッチスケーラビリ
ティを確保できない問題がある。またシステム構築面か
ら考えても、スイッチ機能部に高速のスイッチングファ
ンクションと、出力方路毎にソーティングファンクショ
ンを別々に実現する必要があり経済的に問題がある。
【0014】更に、上記のスイッチ出力部配置型セル順
序保証方式には次のような問題点がある。図6は、スイ
ッチ内セル転送遅延分布のスイッチ内負荷依存性を示し
ている。グラフは横軸に遅延時間を、縦軸に遅延時間に
対応するセルの確率を示している。セル転送遅延分布は
スイッチ内の負荷が増大すると遅延時間無限大の方向に
分布がシフトする。これは遅延時間無限大で転送される
セルがある有限確率で存在することをあらわしている。
しかしながら、セル順序保証部を構成するセル順序保証
ソータで無限のウィンドウサイズを持ったソータでセル
順序ソーティングを行うことは物理的に不可能で、経済
性を考えると有限のソータで実現する必要がある。そこ
で、ある確率以下で到達するセルのセル順序保証は諦め
てソータのソーティング範囲を決めるウィンドウサイズ
△Tを確率的に決定する。従ってソーティング部のソー
タはこのようにして決定されたウィンドウサイズ△T内
でセル順序保証を行う。
【0015】しかしながら、スイッチ内の負荷状態によ
ってはこの有限長のウィンドウサイズを外れてセル順序
の早いセルが到着することがある。このような場合には
もはやこのソータではセル順序を保証することができな
い。これはスイッチング後、つまりセル順序逆転が発生
した後でセル順序保証を行うからである。つまりスイッ
チ出力部配置型のセル順序保証方式では100%セル順
序を保証できないという問題点がある。
【0016】更に、セル順序逆転を防止する方法として
最大遅延時間付加法("M.Collivignarelli et al.,Syst
em and Performance Design of the ATM Node UT-XC, "
IEEEISS'94 pp.613-618)が提案されている。この原理
ではスイッチに入力された全てのセルに対してあらかじ
め設定された最大遅延時間Dを付加することで、同一の
スイッチ内セル転送遅延時間を実現しセルの順序を保証
している。この原理では任意のセルのスイッチ出力での
スイッチング遅延をD1とすると、スイッチ出力でスイ
ッチングされたセルに対して新たに待ち時間D2=D−
D1の遅延を付加する。このような制御を用いて入力さ
れたセル全てに同一の遅延時間Dを課すことにより入力
セルのスイッチ内遅延時間を同一にしてセル順序保証を
行うものである。
【0017】しかしながら、最大遅延時間付加法では全
ての入力セルに予め設定された最悪の遅延時間Dを付加
させることになるのでATMスイッチ入力負荷が低い場
合にも全ての入力セルが最悪遅延を受けることになり、
遅延特性上問題がある。また、出力バッファ型の単位ス
イッチを基本単位とするATMスイッチにおいてスイッ
チ入力負荷0.9を許容した場合には絶対遅延時間を数
百のオーダで設定する必要があり最大遅延時間付加ブロ
ックのハードウェアが複雑化し実現可能性上問題があ
る。また、転送されたセルの遅延時間付加を正確に行う
ためにはATMスイッチ入出力部で各々のセルのスイッ
チング遅延時間を1セル単位で正確に測定する必要があ
り、このことが入出力部に配置されるセル遅延時間測定
回路、絶対遅延時間付加回路を複雑化してハードウェア
実現技術上問題となる。
【0018】次に、本発明を適用するような高速のスル
ープットを備えるATMスイッチでは膨大なスイッチ入
出力信号数の収容方法が問題となっている。図7はスイ
ッチサイズ16×16のATMスイッチの実現例を示す
図である。例えば、図7に示すようなスイッチサイズ1
6×16、スイッチスループット160Gbit/s
(ハイウェイスピード10Gbit/s:622Mbi
t/s×20で実現)のスループットを持つATMスイ
ッチを実現する場合には、ATMスイッチを実現するL
SIの高速入出力信号数が最大300pinに制限され
るとすると、ATMスイッチに高速信号を並列入力した
とき、最大4×2のLSIを実現できる((4+2)×
2×20=240、他制御信号50)。そのため、この
LSIを用いて160Gのクロスポイントスイッチを実
現するためには32個のチップを用意する必要がある。
【0019】図8はセルを空間的に分割して転送する場
合のLSI構成を示す図である。ビットスライスのテク
ニックを用いてセルを空間的に分割した場合には、図8
に示すように、1チップで160G/3のスループット
を実現できる(16×2×(20/3)≒230、他制
御信号50)。このため160Gを最小3チップで実現
できる。ビットスライスを用いた方法ではチップを中継
する高速信号ラインを排除できるのでチップ内に搭載し
たハードウェア論理を効率的に使用できる。
【0020】図9は並列入力のクロスポイントスイッチ
例を示す図であり、図10はビットスライスを用いたク
ロスポイントスイッチ例を示す図であるが、図9に示す
並列入力ではクロスポイントの中央に配置されたLSI
では、ATMスイッチに入力される高速入出力信号の
内、実際にスイッチングされる部分よりもそのLSIを
中継していく割合の方が高い。そのため高速信号入力の
ピンの中で中継用に使用されるハードウェアの割合の方
が高くなり、当該LSIでスイッチングのために使用さ
れるロジックの集積度は低いという問題点がある。
【0021】一方、図10に示すビットスライスを用い
た例では高速入出力信号の全入出力がスイッチングに利
用されるのでLSIに効率的なスイッチングロジックの
集積が可能となる。しかしながら、従来この方法でスイ
ッチサイズを大規模化する場合にはセル分割および合成
機能を備えた単位スイッチを一度構成し、これを基本構
成単位として多段に接続して大規模化を図っているた
め、このメリットを生かしきれていない。また、この方
法ではATMスイッチ内でセル分割および合成を繰り返
すためにセル分割および合成のオーバヘッド回路が増大
しハードウェアの増大、制御の複雑化を招き経済的なア
プローチではない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
背景に行われたものであって、多数のルーティング経路
に対するソーティングを行うことなく単位スイッチ毎に
自律分散的にセル順序保証を行うことができるATMス
イッチを提供することを目的とする。また、本発明は、
3段構成の単位スイッチを一つのATMスイッチブロッ
クとし、このATMスイッチブロックを増設することに
より大規模化することができるATMスイッチを提供す
ることを目的とする。
【0023】また、本発明は、高速領域でLSI入出力
信号数に制限がある場合でも経済的に大規模化を図るこ
とができるATMスイッチを提供することを目的とす
る。また、本発明は、セル転送遅延及びセル損失特性が
良いATMスイッチを提供することを目的とする。更
に、本発明は、スイッチ内で効率的にセルを負荷分散さ
せることができるATMスイッチを提供することを目的
とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のATMスイッチは、セルベースのスイッ
チアルゴリズムを採用しながらも、ATMスイッチ出力
に大規模なソーティング回路を必要とせず、マルチステ
ージ内の単位スイッチが分散的にセル順序保証を行いな
がら入力セルをスイッチングできる機能を備えているこ
とを主要な特徴とする。
【0025】このため各ステージに配置された単位スイ
ッチがスイッチ出力方路に対して階層的にセル順序保証
を行いながらスイッチングする機構を備えている点が従
来技術と大きく異なる。さらに単位スイッチ内の階層化
されたセル順序保証網をマルチステージ接続すればセル
順序保証機能を達成しながら無限にスイッチサイズを拡
張できる点が従来の技術と大きく異なる。このように単
一のスイッチングブロックを用いてマルチステージ環境
下でノンブロックスイッチを実現可能にしたことを最も
主要な特徴とする。
【0026】すなわち、本発明の第一の観点は、少なく
とも1つの単位スイッチを有するATMスイッチであ
り、前記単位スイッチは、入力されたセルのヘッダに書
込まれた時刻情報を参照しこの時刻情報の若い順に出力
方路へのスイッチングを行う手段をそれぞれ備える。こ
れにより、前述したセルベースのスイッチアルゴリズム
における各単位スイッチが自律分散的にセル順序保証を
行うことができる。さらに、この単位スイッチを相互に
接続して構成されるATMスイッチ全体についてもセル
順序を保証することができる。したがって、このATM
スイッチをさらに多数接続して得られる大規模なATM
スイッチについても同様に、セル順序を保証することが
できる。
【0027】このように、単位スイッチ毎に自律分散的
に行われるセル順序保証により、大規模なATMスイッ
チを構成する場合でも、別にソーティングを行うための
装置を設ける必要がなく、大規模なATMスイッチを簡
単かつ安価に構成することができる。前記スイッチング
を行う手段は、前記入力回線および前記出力回線が相互
に交叉するクロスポイントを備え、このクロスポイント
は、前記入力回線に到来するセルを一時蓄積する第一の
バッファと、他のクロスポイントから到来するセルを一
時蓄積する第二のバッファと、この第二のバッファと前
記第一のバッファの先頭セルについてそれぞれその時刻
情報を比較しこの時刻情報の若い方のセルを出力方路へ
送出する手段とを備えることとしてもよい。
【0028】このように、各クロスポイント毎に時刻情
報の比較を行うことにより、セル順序の保証を実現する
ことができる。前記入力回線をグループに分類し、前記
第一のバッファは、当該グループ内の入力回線に到来す
るセルをそれぞれ一時蓄積する手段と、この一時蓄積す
る手段に蓄積されたセルの時刻情報についてその最も若
い時刻情報と前記第二のバッファの先頭セルの時刻情報
とを比較しこの時刻情報の若い方のセルを出力方路へ送
出する手段とを備える構成とすることもできる。
【0029】このように、入力回線をグループに分類
し、このグループ内の入力回線に到来するセル間であら
かじめ時刻情報の若いものを選択しておき、その上で第
二のバッファの先頭セルの時刻情報との比較を行うこと
により、クロスポイントにおける時刻情報比較回数を低
減させることができるため、セルの転送遅延時間を短縮
することができる。
【0030】前記ATMスイッチ入力に到来するセルに
前記時刻情報としての到来時刻情報を付加する手段を備
える構成とすることにより、ATMスイッチの各単位ス
イッチで共通に用いることができる時刻情報をセルに付
加することができる。この付加する手段は、例えば、A
TMスイッチの入力前段に設ければよい。あるいは、単
位スイッチが遅延時間カウンタを備え、各単位スイッチ
で遅延時間を加算し、該加算された遅延時間を前記時刻
情報として用いるように構成してもよい。遅延時間が長
いセルは、先に単位スイッチに入力されたセルであるか
ら時刻情報が若いセルとして扱うことができる。
【0031】本発明の第二の観点は、前記ATMスイッ
チを複数備え、このATMスイッチが相互に接続された
大規模ATMスイッチである。このように、前記ATM
スイッチを一つのATMスイッチブロックとしてこのA
TMスイッチブロックを複数相互に接続することによ
り、大規模なATMスイッチを構成することができる。
この場合にも、セル順序保証は各単位スイッチが自律分
散的に行っているため、別にソーティングを行うための
装置を設ける必要はない。
【0032】本発明の第三の観点は、入回線を複数のグ
ループに分類しこのグループ内でセルに付与されたタイ
ムスタンプを比較する手段と、この比較する手段の比較
結果にしたがって最も若いタイムスタンプを有するセル
を選択する手段とを備えたセル選択手段により構成され
る単位スイッチを備え、この単位スイッチのi(iは自
然数)段目のセル選択手段は、i−1段目のセル選択手
段の出回線を入回線とするところにある。
【0033】また、前記単位スイッチを含む基本スイッ
チが複数並列に配置された構成とし、一つのセルを複数
のショートセルに分割する手段と、この分割する手段に
より分割された複数のショートセルを複数並列に配置さ
れた前記基本スイッチに転送する手段と、この基本スイ
ッチを介して転送された前記ショートセルを元のセルに
合成する手段とを備え、到来するセルに第一のタイムス
タンプを付与する手段と、このセルを分割して得られた
ショートセルに第二のタイムスタンプを付与する手段と
を備え、この第一のタイムスタンプにしたがって前記基
本スイッチ内のショートセル順序保証制御を実行する手
段を備え、前記第二のタイムスタンプにしたがって前記
合成する手段内のセル順序保証制御を実行する手段を備
える構成とすることもできる。前記分割する手段は、前
記一つのセルのペイロードを複数に分割し、それぞれ分
割されたペイロードのオーバヘッドを書き直す手段を含
むこととすることもできる。
【0034】このように、ATMスイッチの入出力にそ
れぞれセル分割および合成を行う手段を設け、ATMス
イッチ内では分割されたショートセルを用いてルーティ
ングを行う複数の基本スイッチを並列に設けることによ
り、所要LSI数最小の構成でATMスイッチサイズを
拡張することができる。また、ルーティング網内の基本
スイッチとセルを合成する手段のソータが連携してセル
順序保証を行うことにより、スイッチ規模に制限される
ことのないセル順序保証動作を実現し、スイッチサイズ
にスケーラビリティのあるスイッチアーキテクチャを提
供することができる。
【0035】本発明の第四の観点は、一つのセルを複数
のショートセルに分解する手段と、この分解する手段に
より分解された複数のショートセルをそれぞれ並列に転
送する複数の基本スイッチと、この基本スイッチを介し
て転送された前記ショートセルを元のセルに合成する手
段とを備え、前記複数の基本スイッチの出力ショートセ
ル数をそれぞれ計数する手段と、この計数する手段の計
数値が等しい複数の出力ショートセルのビット情報の内
容をそれぞれ比較する手段とを備え、前記合成する手段
は、この比較手段の比較結果にしたがって前記ビット情
報の内容が等しいときにこの複数のショートセルを元の
セルに合成する手段を含むATMスイッチである。
【0036】このように、複数の基本スイッチから出力
されるショートセル数を計数することにより、合成する
ショートセル候補を特定することができる。さらに、そ
れらのショートセルのビット情報の内容をそれぞれ比較
することにより確実に、正しい組合せのショートセル同
士か否かを確認することができる。比較するビット情報
の内容としては、例えば、ショートセルの入力および出
力ポートの宛先ビットを参照することができる。
【0037】あるいは、前記計数する手段に代えて前記
複数の基本スイッチの推定遅延時間tを求める手段を備
え、前記比較する手段に代えて前記複数の基本スイッチ
から遅延時間t±τ内に出力されたショートセルについ
てそのビット情報の内容をそれぞれ比較する手段を備え
てもよい。このように、複数の基本スイッチからほば等
しい遅延時間により出力されたショートセルであれば、
合成するショートセル候補を特定することができる。さ
らに、それらのショートセルのビット情報の内容をそれ
ぞれ比較することにより確実に、正しい組合せのショー
トセル同士か否かを確認することができる。
【0038】このとき、前記推定遅延時間tを求める手
段は、前記基本スイッチに入力される所定セルの入力時
刻とこのセルが前記基本スイッチから出力される出力時
刻とを比較することにより前記推定遅延時間tを求める
手段を含むことが望ましい。また、前記基本スイッチ
は、一つの単位スイッチにより構成される場合と、縦続
に多段接続された単位スイッチにより構成される場合と
がある。縦続に多段接続された単位スイッチにより構成
される場合には、比較する前記ビット情報の内容とし
て、ルーティングビットを参照することもできる。
【0039】本発明の第5の観点は、少なくとも1つの
単位スイッチを有するATMスイッチであり、前記単位
スイッチは、出力回線毎に出力バッファ部を備え、各出
力バッファ部は、入力回線毎に出力バッファを備え、該
出力バッファにはタイムソータ部が接続され、該タイム
ソータ部は各出力バッファに格納された先頭セルのうち
時刻情報が最小のセルを前記出力回線へ出力するように
構成される。
【0040】このような構成によっても、各単位スイッ
チでセル順序が保証される。本発明の第6の観点は、複
数の単位スイッチからなる段が複数段接続されたATM
スイッチであって、1段目の単位スイッチにセル分配部
を備え、該セル分配部は、前記ATMスイッチ内におけ
るルートの負荷が平滑化するようにセルのルーティング
経路を決定するよう構成される。
【0041】このような構成にすることによって、多段
構成のATMスイッチ内のルートトラヒックを均一化で
きる。前記セル分配部は、セルが到着すると、該セルの
宛先グループを判別し、セル分配履歴表を参照して、前
記宛先グループに対応するセル分配履歴中のルートのう
ち一定時間内で転送したセル数が最小のルートを前記ル
ーティング経路として決定するようにすることもでき
る。
【0042】本発明の他の特徴および機能は添付の図面
を用いて発明の実施の形態の説明において詳細に説明さ
れる。
【0043】
【発明の実施の形態】まず、スイッチ内のセル順序保証
を行うための、本発明の第1実施例の概要を説明する。
図11に本発明の第1実施例のATMスイッチの要部ブ
ロック構成図を示す。図11に示すように、このATM
スイッチは、m本の入力回線およびm本の出力回線を備
えたm個の1段目の単位スイッチISW#1〜ISW#
mと、m本の入力回線およびm本の出力回線を備えたm
個の2段目の単位スイッチTSW♯1〜TSW#mと、
m本の入力回線およびm本の出力回線を備えたm個の3
段目の単位スイッチOSW#1〜OSW#mとを備え、
この1段目、2段目、3段目の各単位スイッチISW#
1〜ISW#m、TSW#1〜TSW#m、OSW♯1
〜OSW#mが相互に接続されたm×m入力m×m出力
のATMスイッチである。
【0044】単位スイッチISW#1〜ISW#m、T
SW#1〜TSW#m、OSW#1〜OSW#mは、入
力されたセルのヘッダに書込まれた時刻情報(タイムス
タンプ)を参照しこの時刻情報(タイムスタンプ)の若
い順に出力方路へのスイッチングを行う。ここでは、1
段目、2段目、3段目の各単位スイッチの個数は同じく
m個として説明するが、1段目をm本の入力回線および
n本の出力回線を備えたm個の単位スイッチとし、2段
目をm本の入力回線およびm本の出力回線を備えたn個
の単位スイッチとし、3段目をn本の入力回線およびm
本の出力回線を備えたm個の単位スイッチとしてATM
スイッチを構成することもできる。ただし、m、nは自
然数であり、本発明実施例ではm=nである。
【0045】単位スイッチISW#1〜ISW#m、T
SW#1〜TSW#m、OSW#1〜OSW#mは、図
14を用いて後述するように、前記入力回線および前記
出力回線が相互に交叉するクロスポイントXを備え、こ
のクロスポイントXは、前記入力回線に到来するセルを
一時蓄積する第一のバッファであるクロスポイントバッ
ファBcと、他のクロスポイントXから到来するセルを
一時蓄積する第二のバッファである中継バッファBt
と、この中継バッファBtとクロスポイントバッファB
cの先頭セルについてそれぞれその時刻情報を比較しこ
の時刻情報の若い方のセルを出力方路へ送出する手段で
あるセル送出制御回路CNTLとを備える。
【0046】また、図19に示す構成とすることもで
き、その場合、前記入力回線をグループに分類し、当該
グループ内の入力回線に到来するセルをそれぞれ一時蓄
積する手段であるバッファb1〜bkと、このバッファ
b1〜bkに蓄積されたセルの時刻情報についてその最
も若い時刻情報と中継バッファBtの先頭セルの時刻情
報とを比較しこの時刻情報の若い方のセルを出力方路へ
送出する。
【0047】更に、図20示すような構成とすることも
でき、その場合、当該グループ内の入力回線に到来する
セルをそれぞれ一時蓄積する手段として当該グループ内
の入力回線に共通のクロスポイントバッファBckを備
えている。次に、本発明第1実施例を図11ないし図1
7を参照して詳細に説明する。図11に示すようにセル
順序保証網を備える各単位スイッチISW♯1〜ISW
#m、TSW#1〜TSW#m、OSW#1〜OSW#
mはセルのヘッダに書込まれたタイムスタンプ情報(セ
ルのスイッチへの到着時刻を表す)を参照して、各単位
スイッチの出力方路に接続される集線網内でセルを集線
するときにタイムスタンプの値の小さい順にセルを集線
する。なお、タイムスタンプは、図12に示すように、
ATMスイッチの入力前段に設けられたタイムスタンプ
付加部TSにて付与することができる。図11では3段
目の単位スイッチOSW#1ではタイムスタンプT1の
セルがまず出力されて次にT2、T3の順にセルが出力
される。本発明ではこの単位スイッチがマルチステージ
下で階層的に接続されているのでATMスイッチ全体で
任意の出力方路に対してセルの順序を並び換えることが
可能である。このように、マルチステージ環境でセル順
序を保証できる。
【0048】本発明のATMスイッチはセルベースのル
ーティングを行っているのでATMスイッチに入力され
たセルはVCに関係無くランダムに2段目の単位スイッ
チTSW#1〜TSW#mに分配され、2段目の単位ス
イッチTSW#1〜TSW#mの負荷分散が実行され
る。なお、このセル分配方法については後述する。この
ときマルチステージを構成する単位スイッチISW#1
〜ISW#m、TSW#1〜TSW♯m、OSW#1〜
OSW♯mは各入力ポートから入力されるセルの時刻情
報を比較してこの時刻情報の若い順に出力ポートにセル
を階層的にスイッチングする階層的なセル順序保証網を
搭載している。
【0049】さらに3段のクロス構造で相互接続された
マルチステージスイッチにおいて、前段の各単位スイッ
チのセル順序保証網の出力ポートが後段の各単位スイッ
チのセル順序保証網の入力ポートに相互接続され、より
大規模なセル順序保証網の階層化構造を実現している。
このような階層化された多段セル順序保証網を構成する
ために1段目の単位スイッチISW♯1〜ISW#mで
負荷分散のために2段目の単位スイッチTSW♯1〜T
SW♯mに分配されたセルはスイッチングされる過程で
各単位スイッチTSW♯1〜TSW#mに搭載されたセ
ル順序保証網でセル順序を保証されながらスイッチング
されていく。このとき任意の出力方路に対して階層化さ
れたセル順序保証網が構成されており、セル順序を保証
しながら集線されていくので、マルチステージのスイッ
チ出力では結局セルの順番が保証されてスイッチングが
行われていく。
【0050】図13に本発明第1実施例における単位ス
イッチの階層化セル順序保証網トポロジーを示す。この
図の例では、入力回線#1〜#Nに入力されたセルが入
力回線間でセル順序保証を行いながら出力回線#Jまで
スイッチングされていく場合を示している。この場合に
は出力回線#JまでにスイッチングされるまでにN−1
ステップのセル順序保証が行われる。ここでは概要を説
明し、詳細を次に説明する。図13を実現する単位スイ
ッチの要部ブロック構成を図14 に示す。なお、図14
は単位スイッチをクロスポイントバッファ型スイッチで
実現した場合の例を示している。図14内の入力回線#
1〜#Nが図13の入力回線#1〜#Nに対応してい
る。それぞれN本の入力回線はスイッチのクロスポイン
トを介して出力回線#Jに接続されている。図14に示
すように任意の入力回線と出力回線のクロスする場所に
は、出力回線へのスイッチ機能を実現するアドレスフィ
ルタ:AFとクロスポイントバッファBc、そのクロス
ポイントXの上流から出力回線#Jを目指すセルを格納
する中継バッファBtが配置されており、その両者のバ
ッファにはセレクタ:SELが接続されていて、二つの
バッファ内の先頭セルのうちいずれかのセルを下流のク
ロスポイントに配置された中継バッファへスイッチング
する。このときどちらのバッファからセルをスイッチン
グするかを決定するのが同じくクロスポイント内に配置
されたセル送出制御回路CNTLである。このCNTL
は両バッファ内の先頭セルのオーバヘッドに書き込まれ
たタイムスタンプ情報を収集し、この情報をもとに下記
のセル選択則に従ってセルを選択する。
【0051】選択規則1:クロスポイントバッファまた
は中継バッファ内の先頭セルのタイプが等しい場合、タ
イムスタンプ値の小さい(先にスイッチに到着した)セ
ルを選択。タイムスタンプ値が等しい場合には、上流か
ら数えてk番目のクロスポイントではクロスポイントバ
ッファと中継バッファを1:k−1の比で確率的に選択
し、選択されたバッファからセルをスイッチングする。
【0052】選択規則2:クロスポイントバッファまた
は中継バッファ内の先頭セルのタイプが異なる場合、タ
イムスタンプ値の小さい(先にスイッチに到着した)セ
ルを選択。タイムスタンプ値が等しい場合には、有効セ
ル(ダミーセルでない)が格納されているバッファより
セルをスイッチングする。以上説明したセル選択規則に
従って各コントローラはセルを選択スイッチングする。
したがって図13に示すように、基本スイッチにセルが
入力されると、セルは宛先毎にスイッチングされ、同時
にタイムスタンプの比較に基づく出力制御によりセル順
序を保証しながらスイッチングされる。図13の例では
入力回線#1のクロスポイントバッファの先頭にはタイ
ムスタンプT2のセルが格納されていて、中継バッファ
の先頭にはタイムスタンプT1のセルが格納されていて
クロスポイント部でタイムスタンプ比較が実行されて、
タイムスタンプが若いT1を持つ中継バッファが選択さ
れてセルを出力方路#Jへスイッチングしている例を示
している。このように入力回線がN回線ある場合にN−
1の階層化されたセル順序保証網でセル順序が階層的に
保証されて出力方路では100%セル順序が保証され
る。
【0053】また、図13に示すセル順序保証網の構成
において、あるクロスポイントにおいてタイムスタンプ
を分配するセルが到着しない場合には、スイッチ内で現
到着時刻に入力回線から到着するセルが無いことを積極
的に伝達する手法が必要となる。このため、例えばスイ
ッチ入力回線部に搭載された、タイムスタンプ付与部で
スイッチに入力セルが無いとダミーのセルを発生してダ
ミーセルに当該時刻のタイムスタンプを付与するように
することができる。これによってこの時間にセル到着が
無いことをスイッチに伝達可能となる。単位スイッチで
は到着セルがあると、到着セルの宛先以外にはセルのタ
イムスタンプをコピーしてダミーセルを生成してタイム
スタンプ情報を出力ポートに伝達する。このような操作
を行うことにより全ての出力ポートに到達する入力回線
のサービス時間を伝達することが可能となる。しかしな
がら、スイッチ内でこのようなダミーセルを発生させて
しまうと、スイッチ内の負荷増大を招き、セル転送遅延
時間、セルロス、スループットなどのスイッチング特性
を劣化させてしまう。このような状況を排除するため
に、ダミーセルの上書きを許容する。
【0054】入力回線に新たに有効なセルが到着した場
合にはダミーセルが上書きされ、あらたにダミーセルが
到着した場合でも到着ダミーセルにより上書きされる。
このような操作を実行しても入力回線で到着するタイム
スタンプ情報は必ず順序が保証されているので、入力回
線のサービス対象時刻が乱されることはない。次に、上
述の単位スイッチの構成および動作をより詳細に説明す
る。図14に示すように、第1実施例の単位スイッチ
は、各クロスポイントXはアドレスフィルタAF、クロ
スポイントバッファBc、中継バッファBt、セル送出
制御回路CNTL、セレクタSELより構成されてお
り、これらの基本ブロックにより構成されるクロスポイ
ントXが出力方路にタンデムに接続される形態をとって
いる。
【0055】単位スイッチに入力されたセルはそのヘッ
ダ内のルーティングビットにより出力ポートに対応した
アドレスフィルタAFにより抽出され出力方路に対応し
たクロスポイントバッファBcに格納される。各クロス
ポイントXに配置された中継バッファBt、クロスポイ
ントバッファBcではセルがバッファリングされている
とき、セル送出制御回路CNTLにセル送出リクエスト
(ReQ)を送付する。
【0056】セル送出リクエストを受信したセル送出制
御回路CNTLは下流のクロスポイントXに配置された
中継バッファBtからセル送出不許可信号(NACK)
を受信していないときに限って以下のセル送出選択アル
ゴリズムにしたがってセルを選択し、クロスポイントバ
ッファBc、中継バッファBtいずれかにセル送出許可
信号(ACK)を送付し、対応するバッファの出力信号
が下流の中継バッファBtに接続するようにセレクタS
ELを切替える。
【0057】ACK信号を受信したバッファはその先頭
に格納されたセルを下流のクロスポイントに配置された
中継バッファBtに送出する。この過程で下流の中継バ
ッファBtが一杯のときにはセル送出不許可信号(NA
CK)をセル送出制御回路CNTLに送付し、上流から
のセル送出を停止させる。なお、図14に示すアドレス
フィルタAFでは、従来、自己のアドレスを有するセル
を取り込み、他のアドレスを有するセルは廃棄する処理
を行うが、本発明実施例では、アドレスフィルタAF
は、他のアドレスを有するセルについては廃棄するとき
に、そのセルに付加されているタイムスタンプ情報を取
り込み、このタイムスタンプ情報を付加したダミーセル
を生成する。このダミーセルはクロスポイントバッファ
Bcに蓄積される。このダミーセルは送出制御に用いら
れる。
【0058】各クロスポイントXに配置されたセル送出
制御回路CNTLにおけるセル送出アルゴリズムを図1
5および図16を用いて以下に説明する。各セル送出制
御回路CNTLのセル送出制御アルゴリズムはセル送出
制御回路CNTLの配置されるクロスポイントXの位置
により、二つのフローがあり、1)最上流クロスポイン
トと2)それ以外によって下記のように動作する。
【0059】図15に示すように、最上流のクロスポイ
ントXにおいては中継バッファBtにセルが到着するこ
とはないのでクロスポイントバッファBcにバッファリ
ングされているセルの状況に応じてセル送出制御回路C
NTLが動作する。まず始めにクロスポイントバッファ
BcからReQ信号が到達しているときには、先頭セル
の中身をチェックし(S1)、セルが有効セルかダミー
セルの場合には(S2)、セレクタ信号を制御してクロ
スポイントバッファBcの先頭セルを選択し(S3)、
その先頭セルを下流の中継バッファBtに送出させる。
【0060】ここでいうダミーセルはダミーセル記載の
時刻にセル到着が無かったことを下流のセル送出制御回
路CNTLに通知するために送出するセルのことであ
る。クロスポイントバッファBcにセルがバッファリン
グされていないときには(S4)、現時刻において到着
セルが存在しないので、それを下流のセル送出制御回路
CNTLに通知するために現時刻を記載したダミーセル
の送出をクロスポイントバッファBcに指示し、このダ
ミーセルを下流の中継バッファBtに送出させる(S
5)。このダミーセルを送出することで下流のセル送出
制御回路CNTLにおけるセル順序比較を効率的に動作
させることが可能となる。
【0061】次にK番目(K≠0、最上流クロスポイン
ト以外)のクロスポイントXに配置されたセル送出制御
回路CNTLのセル選択アルゴリズムを図16を用いて
説明する。まず始めにセル送出制御回路CNTLはクロ
スポイントバッファBcおよび中継バッファBtからの
ReQ信号により各バッファ内のセルのバッファリング
状況を確認する(S11)。クロスポイントバッファB
cまたは中継バッファBtに送出セルが存在しないとき
には(S13)、セル順序比較無しにセル送出を行うと
セル順序逆転を生じる危険性が存在するために、それぞ
れのバッファにNACK信号を返してセル送出を停止さ
せる(S14)。クロスポイントバッファBcおよび中
継バッファBtに転送セルがバッファリングされ(S1
2)、各バッファからReQ信号が伝達されているとき
には各バッファ内にバッファリングされているセルの種
類にしたがって次の4つのケースに分類されセル選択制
御アルゴリズムが動作する。
【0062】Case1:クロスポイントバッファB
c、中継バッファBt両方に有効セルがバッファリング
されている場合(S15)。 Case2:クロスポイントバッファBcに有効セル、
中継バッファBtにダミーセルがバッファリングされて
いる場合(S16)。 Case3:クロスポイントバッファBcにダミーセ
ル、中継バッファBtに有効セルがバッファリングされ
ている場合(S17)。
【0063】Case4:クロスポイントバッファB
c、中継バッファBtの両方にダミーセルがバッファリ
ングされている場合(S18)。 セル送出制御回路CNTLはこれらの4つのケースを分
類して以下に示す制御アルゴリズムにしたがって送出セ
ルが格納されているバッファを選択する。それぞれのケ
ースの場合にまず始めに両バッファの先頭にバッファリ
ングされたセルの時刻情報の比較を行う(S19、S2
0、S21、S22)。以下の説明ではクロスポイント
バッファBc内にバッファリングされているセルの時刻
情報をTc、中継バッファBt内にバッファリングされ
ているセルの時刻情報をTtの記号で表して制御アルゴ
リズムを説明する。
【0064】まず始めにCase1−1 Tc<Ttの
とき(S23)、この場合はセル送出制御回路CNTL
はクロスポイントバッファBcにACKを返し、クロス
ポイントバッファBcを選択するようにセレクタSEL
を制御する(S35)。Case1−2 Tc>Ttの
とき(S24)、この場合はセル送出制御回路CNTL
は中継バッファBtにACKを返し、中継バッファBt
を選択するようにセレクタSELを制御する(S3
6)。Case1−3 Tc=Ttのとき(S25)、
この場合はセル送出制御回路CNTLはクロスポイント
バッファBc、中継バッファBtに1:K−1の重み付
けを行い確率的にサービスすべきバッファを選択しAC
Kを返しセレクタSELを制御する(S37)。ここで
中継バッファBtにK−1の重みを付与する理由はK番
目のクロスポイントの中継バッファBtには上流のK−
1個のクロスポイントバッファBcからの送出セルが中
継されてきており、各クロスポイントバッファBc間で
出力方路にセルを送出するときに公平性を保つためであ
る。
【0065】次にCase2−1 Tc<Ttのとき
(S26)、この場合はセル送出制御回路CNTLはク
ロスポイントバッファBcにACKを返し、クロスポイ
ントバッファBcを選択するようにセレクタSELを制
御する(S38)。Case2−2 Tc>Ttのとき
(S27)、この場合はセル送出制御回路CNTLは中
継バッファBtにACKを返し、中継バッファBtを選
択するようにセレクタSELを制御する(S39)。C
ase2−3 Tc=Ttのとき(S28)、この場合
にはクロスポイントバッファBcにバッファリングされ
ているのが有効セルで中継バッファBtにバッファリン
グされているのがダミーセルであるため、クロスポイン
トバッファBcの方が優先度が高いことを考慮してセル
送出制御回路CNTLはクロスポイントバッファBcに
ACKを返し、クロスポイントバッファBcが選択され
るようにセレクタSELを制御する(S40)。
【0066】Case3−1 Tc<Ttのとき(S2
9)、この場合はセル送出制御回路CNTLはクロスポ
イントバッファBcにACKを返し、クロスポイントバ
ッファBcを選択するようにセレクタSELを制御する
(S41)。Case3−2Tc>Ttのとき(S3
0)、この場合はセル送出制御回路CNTLは中継バッ
ファBtにACKを返し、中継バッファBtを選択する
ようにセレクタSELを制御する(S42)。Case
3−3 Tc=Ttのとき(S31)、この場合にはク
ロスポイントバッファBcにバッファリングされている
のがダミーセルで中継バッファBtにバッファリングさ
れているのが有効セルであるため、中継バッファBtの
方が優先度が高いことを考慮してセル送出制御回路CN
TLは中継バッファBtにACKを返し、中継バッファ
Btが選択されるようにセレクタSELを制御する(S
43)。
【0067】最後にCase4の場合でクロスポイント
バッファBc、中継バッファBtともにダミーセルをバ
ッファリングしている場合である。この場合にはセル送
出制御回路CNTLはCase1の場合と同一の制御ア
ルゴリズムで動作する。つまりCase4−1 Tc<
Ttのとき(S32)、この場合はセル送出制御回路C
NTLはクロスポイントバッファBcにACKを返し、
クロスポイントバッファBcを選択するようにセレクタ
SELを制御する(S44)。Case4−2Tc>T
tのとき(S33)、この場合はセル送出制御回路CN
TLは中継バッファBtにACKを返し、中継バッファ
Btを選択するようにセレクタSELを制御する(S4
5)。Case4−3 Tc=Ttのとき(S34)、
この場合はセル送出制御回路CNTLはクロスポイント
バッファBc、中継バッファBtに1:K−1の重み付
けを行い確率的にサービスすべきバッファを選択しAC
Kを返しセレタクSELを制御する(S46)。
【0068】上記セル選択制御アルゴリズムを用いて上
流のクロスポイントXからセルを中継バッファBtに送
出する過程、前段の単位スイッチから次段の単位スイッ
チのクロスポイントXにセルを送出する過程において
は、時刻情報を下流のセル送出制御回路CNTLに通知
するために送出されるダミーセルがATMスイッチ内の
負荷を増大させて余分なセル転送遅延時間の増加を招く
可能性が存在する。そのため図17に示すように各クロ
スポイントバッファBc、中継バッファBtにダミーセ
ルがバッファリングされている場合には新規に到着した
セルがダミーセルに上書きされる。このようにすること
で効率的な時刻情報比較が可能になるとともにダミーセ
ルによる余分なセル転送遅延時間の増加を最小限に抑え
ることが可能となっている。
【0069】単位スイッチにおいて以上に説明したよう
な制御アルゴリズムを用いてセルをスイッチングするの
で図13に示すように単位スイッチの各出力ポートに向
かうセルは階層的にセル順序保証されながらスイッチン
グされていく。さらに図11に示すように本発明のマル
チステージATMスイッチでは、この階層的なセル順序
保証網を備えた単位スイッチがATMスイッチ全体で多
段のセル順序保証網を形成するように階層的に相互接続
されるのでATMスイッチ全体としても任意の出力ポー
トに対してセル順序保証しながらのスイッチングが可能
となっている。
【0070】本発明第1実施例の変形例を図18および
図19を参照して説明する。図18は本発明第1実施例
の変形例のセル順情報保証の原理を説明するための図で
ある。図19はスイッチの構成を示している。本実施例
は、k本ずつ入力回線をグルーピングしてスイッチング
を実現した例である。図13の例と異なる点は、アドレ
スフィルタ・クロスポイントバッファの数とセレクタが
k+1の中からセルを送出するバッファを選択できる点
である。
【0071】この例ではまず始めにk個のクロスポイン
トバッファの先頭セルのタイムスタンプ情報が調べられ
て、その中で一番タイムスタンプの小さいセルを格納し
ているバッファが、このクロスポイントにおける代表ク
ロスポイントバッファとなり、このバッファ内のセルと
中継バッファ内のセルのタイムスタンプ情報が先に記述
したセル選択規則に従って選択される。したがって、こ
の順序保証網のトポロジーは図18に示すようになる。
【0072】この例ではクロスポイントバッファBcの
k個のバッファb1〜bkの先頭セルの時刻情報の一番
若い時刻情報と中継バッファBtの時刻情報とを比較す
ることで、同一単位スイッチサイズを実現する上でセル
順序保証網の階層化段数を1/kに削減する効果があ
る。このような単位スイッチを採用すればセル順序保証
用の階層化段数を削減できるのでセル転送遅延時間特性
の優れるATMスイッチを実現することが可能である。
その他の制御は本発明第一実施例の場合と同一である。
【0073】図20は上述した単位スイッチのk個のバ
ッファb1〜bkを一つのクロスポイントバッファBc
kにより共有化した例である。このようなアーキテクチ
ャが実現できれば、k個のグルーピングされた入力に対
してバッファを共有化できるため、クロスポイントバッ
ファサイズを削減できる。セル送出制御回路CNTLに
おける制御は既に説明したとおりである。
【0074】ここで、本発明のセル順序を階層的に保証
したATMスイッチにおけるセル転送遅延時間特性はA
TMスイッチ入力負荷に大きく依存し、その特性は出力
バッファ型スイッチと同一の特性を示す。このためAT
Mスイッチ入力負荷を1.0に漸近させると急激にセル
転送遅延時間が発散するので、ATMスイッチ運用上問
題がある。このためATMスイッチ内部を高速化してみ
かけ上、ATMスイッチ入力負荷を低減させることが望
ましい。高速化のファクタはみかけ上の入力負荷を0.
8程度まで低減できればよいので1.2〜1.3倍の値
で充分である。
【0075】本発明第1実施例の単位スイッチで時刻情
報を比較するときには、ATMスイッチ全体でユニバー
サルなタイムスタンプを付与し、ATMスイッチ全体で
ユニバーサルなタイムスタンプを用いて時刻情報を比較
している。このように、ユニバーサルにタイムスタンプ
を付与する場合にはマルチステージスイッチ入力段に完
全に同期したタイムスタンプを付与するために同期回路
としてのタイムスタンプ付与部TSを備えてその同期カ
ウンタの値を時刻情報として到着セルのオーバーヘッド
にタイムスタンプ情報として書込み、その後、このタイ
ムスタンプは各ステージに配置された単位スイッチで更
新されることなしに、タイムスタンプの値をもとに時刻
情報を判断されセル順序保証が実現される。
【0076】図21に示すように、各単位スイッチ内で
独立した遅延時間カウンタDCNTを備えて各単位スイ
ッチで遅延時間を加算して加算された遅延時間情報をも
とに時刻情報を比較するように構成することもできる。
各ステージに配置された単位スイッチにセルが入力され
てからクロスポイントXのセル送出制御回路CNTLで
時刻情報の比較が行われるまで遅延時間が積み上げら
れ、この積み上げられた遅延時間をもとにセル送出制御
回路CNTLがセル順序保証を行う。すなわち、遅延時
間が大きいセルは、遅延時間が小さいセルと比較すると
より早い時刻に単位スイッチに入力されたセルであるこ
とがわかる。したがって、この遅延時間からセル到着時
間を逆算することにより、前述したタイムスタンプによ
る時刻情報の情報と同様に本発明のセル順序保証を行う
ことができる。
【0077】このように、本発明第1実施例によれば、
セル順序逆転を保証しながら入力トラヒックをセルバイ
セルでルーティングできるので、マルチステージスイッ
チ内トラヒックの分散が可能となり、内部高速化のテク
ニックを用いることなしに、スイッチをノンブロック化
できる。図22に本発明ATMスイッチのセル転送遅延
時間特性を計算機シミュレーションにより評価した結果
を示す。横軸に入力負荷をとり縦軸に平均セル転送遅延
時間をとる。このグラフに示したようにセル転送遅延時
間はスイッチ入力負荷が1.0に漸近するにつれて発散
する。この傾向は出力バッファ型スイッチと同一のもの
であり、本発明ATMスイッチがスループット1.0を
達成できるスイッチアーキテクチャであることを示して
いる。
【0078】さらに、セルバイセルのルーティングに起
因するセル順序逆転を階層化されたセル順序保証網を用
いて、順序保証しながらスイッチングできることを主要
な特徴としている。この動作に伴うペナルティは時刻情
報比較に伴うセル順序保証階層網の階層段数に依存する
セル転送遅延時間の増加だけである。このため、スイッ
チ出力ポート毎にセル順序保証用のソーティング回路を
新たに搭載することなしにセル順序保証が実現できる。
【0079】さらに本発明第1実施例によれば、階層化
されたセル順序保証網を備える単位スイッチを実現し、
単位スイッチの入出力ポートを相互接続することで大規
模な階層化セル順序保証網を実現することが可能である
ので、スイッチスケーラビリティに富むアーキテクチャ
である。結果として、コストエフェクティブな大規模化
スイッチが実現可能でネットワーク効率を向上させるこ
とができるようになる。
【0080】以上説明したように、本発明によれば、多
数のルーティング経路に対するソーティングを行うこと
なく単位スイッチ毎に自律分散的にセル順序保証を行う
ことができる。3段構成の単位スイッチを一つのATM
スイッチブロックとし、このATMスイッチブロックを
増設することによりATMスイッチを大規模化すること
ができる。
【0081】次に本発明の第2の実施例を説明する。ま
ず、第2の実施例の概要について説明する。本発明の第
2の実施例は、前述した階層型セル順序保証網とは異な
った方式の階層型セル順序保証網の例である。図23に
本発明第2実施例の単位スイッチの要部ブロック構成図
を示す。図23に示すように、このATMスイッチは、
入回線を複数のグループに分類しこのグループ内でセル
に付与されたタイムスタンプを比較する手段であるコン
トローラ12−1および12−2と、コントローラ12
−1および12−2の比較結果にしたがって最も若いタ
イムスタンプを有するセルを選択する手段であるセレク
タ9および11とを備えたセル選択手段により構成され
る単位スイッチEを備え、単位スイッチEのセレクタ9
の出回線は出力バッファ10の入回線とする。
【0082】図24に示すように、本発明実施例のAT
Mスイッチは、図23に示す単位スイッチEを含む基本
スイッチP1およびP2が並列に配置される。このAT
Mスイッチは、一つのセルを複数のショートセルに分割
する手段で分割された複数のショ―トセルを並列に配置
された基本スイッチP1およびP2に転送する手段であ
るセル分割部SA1〜SA4と、この基本スイッチP1
およびP2を介して転送された前記ショートセルを元の
セルに合成する手段であるセル合成部SR1〜SR4と
を備え、セル分割部SA1〜SA4は、到来するセルに
第一のタイムスタンプを付与し、このセルを分割して得
られたショートセルに第二のタイムスタンプを付与す
る。
【0083】基本スイッチP1およびP2は、この第一
のタイムスタンプにしたがって基本スイッチ内のショー
トセル順序保証制御を実行する。また、セル合成部SR
1〜SR4は、前記第一のタイムスタンプにしたがって
セル順序保証制御を実行する。また、セル分割部SA1
〜SA4は、図26に示すように、前記一つのセルのペ
イロードを複数に分割し、それぞれ分割されたペイロー
ドのオーバヘッドを書き直す。
【0084】本発明第2実施例では、二つの基本スイッ
チP1およびP2により構成されたATMスイッチを例
にとり説明するが、この説明は、n(nは自然数)個の
基本スイッチP1〜Pnにより構成されたATMスイッ
チについても拡張して適用することができる。また、セ
ル分割部SA1〜SA4およびセル合成部SR1〜SR
4についてもm個(mは自然数)に拡張して適用するこ
とができる。すなわち、本発明第2実施例のATMスイ
ッチは、スイッチサイズにスケーラビリティのあるスイ
ッチアーキテクチャを実現することができる。さらに、
基本スイッチP1およびP2の構成についても3段構成
に限定するものではない。
【0085】以下、本発明の第2の実施例について詳細
に説明する。図24に示すように、本発明のATMスイ
ッチはセル分割部SA1〜SA4、基本スイッチP1お
よびP2、セル合成部SR1〜SR4から構成される。
セル分割部SA1〜SA4は、セルのショートセルへの
分割およびショートセルの分配およびタイムスタンプ付
与の機能を分担し、基本スイッチP1およびP2はそれ
ぞれセルベースルーティングとタイムスタンプ情報をも
とにしたセル順序保証動作の機能を分担し、セル合成部
SR1〜SR4ではショートセル合成とセル順序ソーテ
ィングの機能を分担している。
【0086】なお、本発明実施例では入力されたセルは
2面の基本スイッチP1およびP2でスイッチングされ
る2個のショートセルに分割され、基本スイッチP1お
よびP2は2個のそれぞれ3段接続された単位スイッチ
により構成される。次にATMスイッチに入力されたセ
ルのスイッチング過程を時系列的に説明する。スイッチ
に入力されたセルは、まず始めにセル分割部SA1〜S
A4に入力される。このセル分割部SA1〜SA4では
入力されたセルを空間的に分割しセルを伝送する並列信
号数の少ないショートセルを生成する。図25および図
26に16ハイウェイの並列伝送を仮定した場合の64
バイト長のスイッチ内セルフォーマットおよびショート
セルフォーマットの例をそれぞれ示す。この例ではショ
ートセルに分割するときに、もともと16ビットの32
ワードで構成されていたセルを、ビット方向に2分割し
て8ビット、32ワードのショートセルを実現してい
る。
【0087】このようなショートセルフォーマットを採
用し、基本スイッチP1およびP2を分割しているため
に、基本スイッチP1およびP2に入力される高速の信
号数を削滅できるので分割された基本スイッチP1およ
びP2内で必要となるLSI数を最小限に抑えることが
可能となっている。セル分割部SA1〜SA4ではショ
ートセルの分割と同時にショートセルを各基本スイッチ
P1およびP2にセルベースで負荷分散して分配する。
このため、セル分割部SA1〜SA4ではショートセル
のオーバヘッドにスイッチ分配用のルーティングビット
RB′およびRB”をサイクリックに付与する。このと
き、本来のルーティングビットRBの情報もルーティン
グビットRB′およびRB"と共に書込まれており、こ
のルーティングビットRBはスイッチ内のスイッチング
用に使用され、RB′、RB" はスイッチ内の中継ルー
トを決定するために使用される。
【0088】図27に、入力されたセルが2つの基本ス
イッチP1およびP2に分割され、分割されたショート
セルが各基本スイッチP1およびP2の単位スイッチ2
段目にサイクリックに分配される様子を示す。また、図
28に、2段目割当周期表を示す。この例では、セル分
割部SA1は時間T1〜T4の周期でルーティングビッ
トをS1→S2→S3→S4までショートセルにサイク
リックに付与する。
【0089】さらにセル分割部SA2は同一周期中にS
2→S3→S4→S1のルーティングビットを、セル分
割部SA3はS3→S4→S1→S2のルーティングビ
ットを、セル分割部SA4はS4→S1→S2→S3の
ルーティングビットをサイクリックに付与していくので
基本スイッチP1およびP2間で同一の負荷特性で単位
スイッチ2段目にトラヒックを分散できる。このため分
割された2つのショートセルは2つの基本スイッチP1
およびP2で同一のスイッチング動作、セル転送遅延を
付加されて基本スイッチP1およびP2の出力に到着す
ることになる。なお、他のセル分配方法について後述し
ている。
【0090】分配されたショートセルはセル順序逆転を
補償するために各基本スイッチP1またはP2で分散的
にセル順序保証を行いながらスイッチングされていく必
要がある。このため各セル分割部SA1〜SA4ではセ
ル順序を識別するためにショートセルのオーバヘッドに
タイムスタンプTを付与する。図29に本発明実施例の
セル分割部の要部ブロック構成を示す。セル分割部では
入力インタフェース5を介して入力セルを位相調整しな
がら取込み、ショートセル分割部1に転送する。ショー
トセル分割部1では、もともとのスイッチ内ルーティン
グビットRBを参照し、どの単位スイッチ2段目を通過
するかを識別するセル分配用のルーティングビットR
B′およびRB" を付与する。これと同時に、入力セル
のセル順序を識別するタイムスタンプTが付される。そ
の後分割されたショートセルは出力バッファ21 および
2 に蓄積され、位相調整を行った後に、各々の基本ス
イッチP1およびP2に出力される。なお、ショートセ
ルに付与されるタイムスタンプTおよびルーティングビ
ットRB′およびRB" に関する情報は制御部3からシ
ョートセル分割部1に供給される。また、カウンタ4は
他のセル分割部との同期を確立する。
【0091】次に基本スイッチP1およびP2に入力さ
れたショートセルのスイッチング動作例を示す。図30
に、各々の基本スイッチP1およびP2におけるセル順
序保証網の構成を示す。図30に示すように各基本スイ
ッチP1およびP2は階層化されたセル順序保証網によ
り構築されている。第2の実施例におけるセル順序保証
網ではセルをスイッチングすると同時に入力ポート間で
セル順序を保証しながらトーナメントにセルを集線して
いく機能を備えている。このためスイッチネットワーク
全体でセル順序保証をトーナメントに行うことが可能と
なるのでセル順序保証を行いながらのスイッチングが可
能となっている。
【0092】図31はセル順序保証階層網を示す図であ
る。図31に示すように、本発明ATMスイッチでは入
力されたセルをセルに書き込まれたタイムスタンプTを
もとにしてスイッチ出力に集線していく。図31の例で
は出回線#Jにセル順序を保証しながらスイッチングし
ていく例を示している。図31に示すセル順序保証階層
網に対応する単位スイッチの構成は、前に簡単に説明し
た図23に示した通りである。同図に示すように、各単
位スイッチEはアドレスフィルタ7、出力バッファ8お
よび10、出力バッファ8および10を集線するセレタ
タ9および11、セレクタ9および11を制御するコン
トローラ12−1および12−2から構成されている。
各基本スイッチP1およびP2に入力されたセルはその
宛先情報によりスイッチングされ、セル順序を保証する
集線網に入力されバッファリングされながら任意の出力
ポートに集線されていく構成となっている。
【0093】次に基本スイッチP1およびP2に入力さ
れたセルのスイッチング動作と基本スイッチブロックの
ハードウェア動作を説明する。基本スイッチP1および
P2に入力したセルは各基本スイッチP1およびP2の
出力に対応したアドレスフィルタ7によって取り込まれ
出力バッファ8にバッファリングされる。この出力バッ
ファ8は入力回線毎にグルーピングされてセレクタ9に
接続されており、グル−プ内の一つの出力バッファ8内
のセルが以下のアルゴリズムにより選択され集線され
る。
【0094】出力バッファ8内に送出セルが存在すると
きには各出力バッファ8はセレクタ9に接続されたコン
トローラ12−1にセル送出要求とセルのオーバヘッド
に書込まれたタイムスタンプTを通知する。この情報を
受けたコントローラ12−1はセル送出要求を持つ出力
バッファ8の中から一番スイッチ入力時刻の若いタイム
スタンプTを待つセルを収納している出力バッファ8を
選択し、セレクタ12−1を制御して当該セルを集線網
の次ステージに送出する。
【0095】この繰作を階層的に繰り返すことで異なる
基本スイッチP1およびP2の入力から到着したセル間
の順序保証を行い基本スイッチP1およびP2の出力に
セルを送出する。このような基本スイッチP1およびP
2が階層的に相互接続されているのでスイッチトータル
でセル順序保証を行いながらのスイッチングが可能とな
っている。
【0096】このようなセル順序保証を行うためには各
基本スイッチP1およびP2が完全にセル同期して順序
保証を行うことが望ましい。しかしながら基本スイッチ
論理チャネルスピードが増大する大規模スイッチでは1
セル時間が短くなる。このため全基本スイッチP1およ
びP2間でセル同期をとることがハードウェア実現上困
難となる。
【0097】このような場合には図32に示すようにタ
イムスタンプtをグルーピングして基本スイッチ用とセ
ル合成部用の二つのタイムスタンプTおよびtを用意す
る。すなわち、基本スイッチP1およびP2内で用いる
タイムスタンプTとセル合成部SR1〜SR4で用いる
タイムスタンプtとを階層化して付与し、基本スイッチ
P1およびP2内で用いるタイムスタンプTによって基
本スイッチP1およびP2内でセル順序保証制御を実行
し、それにより転送されたショートセルに対してセル合
成部SR1〜SR4にてセルを合成するときに、ショー
トセルが誤って合成されることのないようにタイムスタ
ンプtによりセル順序保証制御を実行する。
【0098】この例では、基本スイッチP1およびP2
の内部ではc個のセルをグルーピング化して同一の基本
スイッチ内タイムスタンプT1〜T3を付与している。
このようなグルーピングを行うので基本スイッチP1お
よびP2間のカウンタ同期が簡略化でき、セル順序保証
に用いるハードウェアが削減できる。セル合成部では同
一の基本スイッチ内タイムスタンプTを持つ出力セル間
でセル順序逆転が生じている可能性があるので、セルの
オーバヘッドに書込まれたもう一つのスイッチ出力ソー
タ用のタイムスタンプtを用いてセル順序逆転を補償す
る。この例ではソータ用タイムスタンプt1〜tcを用
いてウィンドウサイズWのより粒度の細かいセル時間を
単位としたソーティングを行いセル順序保証を行う。
【0099】本発明のATMスイッチでは、この二つの
セル順序保証機能を用いて完全なセル順序保証を実現す
る。また本発明のATMスイッチでは基本スイッチP1
およびP2間で同一のセル分配、セル順序保証動作を実
現しているため各基本スイッチP1およびP2に分配さ
れるショートセルは同一のセル転送遅延時間をもって基
本スイッチP1およびP2の出力に到着する。
【0100】このためセル合成部では各基本スイッチP
1およびP2間のジッタを補正するだけでセルを再生で
きる。図33に、セル合成部の要部ブロック構成を示
す。セル合成部に入力されたショートセルは基本スイッ
チP1およびP2間のジッタを吸収するためにインタフ
ェース161 および162 で位相調整される。ここで前
述したタイムスタンプtによるソートが行われる。その
後、入力バッファ131および132 に一時蓄積され、
ショートセル合成部14でセルの合成が実行され後段の
絶対遅延付与バッファ15にバッファリングされる。バ
ッファリングされたセルの中で出力ソータ用のタイムス
タンプtを用いてウィンドウサイズWのソーティングを
行いセルの順序を保証しながらセルを出力インタフェー
ス17を介して出力方路に送出する。なお、絶対遅延付
与バッファ15におけるソートは、従来例で説明した最
大遅延時間付加法により行われる。
【0101】本発明第2実施例におけるATMスイッチ
では、このような連携したセル順序保証動作とショート
セル単位のマルチステージスイッチ構成を用いることで
スイッチサイズに依存しないセル順序保証動作とハード
ウェア最小アーキテクチャに基づくノンブロックマルチ
ステージATMスイッチを実現できる。図34に、本発
明の16×16の4分割されたショートセルをスイッチ
ングする単位スイッチを相互接続した4つの基本スイッ
チを用いて構成したスイッチサイズ256×256のA
TMスイッチ実現例を示す。この例からも本発明によれ
ばシンプルな構成でスイッチ規模が拡大できることがわ
かる。
【0102】また、本発明第2実施例で示したATMス
イッチを基本スイッチとして用い、さらに、階層的なA
TMスイッチを構成することもできる。この場合には、
セルに付与されるタイムスタンプも各階層で用いる複数
種類が付与される。以上説明したように、本発明第2実
施例によれば、スイッチ規模に制限されることのないセ
ル順序保証動作を実現することができる。また、スイッ
チサイズにスケーラビリティのあるスイッチアーキテク
チャを実現することができる。さらに、高速領域でLS
I入出力信号数に制限がある場合でも経済的に大規模化
を図ることができる。
【0103】第2の実施例では、セル合成部に入力され
たショートセルは基本スイッチP1およびP2間のジッ
タを吸収するためにインタフェース161 および162
にて位相調整が行われていたが、各基本スイッチにおけ
る遅延ジッタの影響を回避をするより優れた構成につい
て、第3の実施例として、次に説明する。ここで、理論
の上では、ROXANNE交換機(Martin de Prycker
: Asynchronous Transfer Mode Solution for Broadba
nd ISDN, Ellis Horwood )で用いられている遅延均等
化方式ををそのまま基本スイッチに適用することも考え
られるが、ATMスイッチを構成する多数の基本スイッ
チのそれぞれが所定の最大遅延までショートセルを待た
せてから出力を行う遅延均等化制御を行ったとすれば、
ATMスイッチ全体の累積遅延時間は膨大なものとなる
ので、そのような制御は困難である。
【0104】まず、第3の実施例の概要を説明する。図
35は本発明第3実施例のATMスイッチ網の要部ブロ
ック構成図である。同図に示すように、本発明第3実施
例のATMスイッチ網は、一つのセルを複数のショート
セルに分解する手段であるATMセル分解部20と、こ
のATMセル分解部20により分解された複数のショー
トセルをそれぞれ並列に転送する複数の基本スイッチ4
0 〜40N-1 と、この基本スイッチ400 〜40N-1
を介して転送された前記ショートセルを元のセルに合成
する手段であるATMセル合成部30とを備え、複数の
基本スイッチ400 〜40N-1 の出力ショートセル数を
それぞれ計数する手段であるカウンタ500 〜50N-1
と、このカウンタ500 〜50N-1 の計数値が等しい複
数の出力ショートセルのビット情報の内容をそれぞれ比
較する手段である比較部60とを備え、ATMセル合成
部30は、比較部60の比較結果にしたがってこのビッ
ト情報の内容が等しいときにこの複数のショートセルを
元のセルに合成するところにある。
【0105】また、図44は本発明第3実施例の変形例
のATMスイッチ網の要部ブロック構成図を示し、同図
に示すように、この実施例では、本発明第3実施例のカ
ウンタ500 〜50N-1 に代えて複数の基本スイッチ4
0 〜40N-1 の推定遅延時間tを求める手段である遅
延時間推定部62を備え、さらに、本発明第3実施例の
比較部60に代えて複数の基本スイッチ400 〜40
N-1 から遅延時間t±τ内に出力されたショートセルに
ついてそのビット情報の内容をそれぞれ比較する手段で
ある比較部64を備え、遅延時間推定部62は、基本ス
イッチ400 〜40N-1 に入力される所定セルであるタ
イミングセルの入力時刻とこのセルが基本スイッチ40
0 〜40N-1 から出力される出力時刻とを比較すること
により前記推定遅延時間tを求める。また、遅延時間推
定部62は、タイミングセルを周期的に送出する。
【0106】次に、本発明第3の実施例が適用されるA
TMスイッチを図36ないし図40を参照して説明す
る。図36に2面の基本スイッチを介してショートセル
を転送する構成のATMスイッチを示す。図36の例で
は、0系、1系の2面の基本スイッチ400 および40
1 を持ち、その前段にATMセル分解部20、その後段
にATMセル合成部30を持つ。ATMセル分解部20
とATMセル合成部30は同期しており、絶対的な時間
をもつことと仮定する。セルがあるATMセル分解部2
0に到着すると、まず、タイムスタンプが付与される。
さらに、宛先ビットを付与される。本実施例における、
分解されたショートセルフォーマットの一例を図38に
示す。分解されたショートセルのフォーマットは空きセ
ル、有効セル、タイミングセルを区別するビットを持
ち、複数面の内、どの面を利用するかを区別するビット
を持ち、出力先の宛先のポート番号および入力ポート番
号を記述するビットを持ち、分解されたショートセルが
同時に複数の基本スイッチへ送出される時間を書込むタ
イムスタンプを記述するビットを持ち、複数の基本スイ
ッチの場合には、セルのペイロードを複数個割った分を
記述するビットを持つ。図38の場合には、基本スイッ
チは2面なので、セルのペイロードの半分を持つことに
なる。分解されたショートセルは同時に0系、1系の基
本スイッチ400 および401 に送信され、基本スイッ
チ400 および401 から出力されたショートセルはA
TMセル合成部30により合成される。
【0107】また、図37にN面の基本スイッチを介し
てショートセルを転送する構成のATMスイッチを示
す。図37の例では、0系、1系、‥・、N−1系のN
面(N:自然数)の基本スイッチ400 〜40N-1 を持
ち、その前段にATMセル分解部20、その後段にAT
Mセル合成部30を持つ。ATMセル分解部20とAT
Mセル合成部30は同期しており、絶対的な時間を持つ
ことと仮定する。他の動作は図36の例と同様である。
【0108】また、図39に示すように、基本スイッチ
が多段接続された単位スイッチにより構成することも可
能である。まず、ATMセル分解部20により分解され
たショートセルは3段スイッチの分配網を通過する。分
配網ではルーティング網に入力されるショートセルを各
ポート別に等確率に分配することにより、ショートセル
をランダムに分配する。そのため、同一なVPI、VC
Iのショートセルであっても別のルートを経由すること
になる。この場合のセルの順序保証についてはこれまで
に説明した方法を含む種々の方法を使用することができ
る。
【0109】次に、分解されたショートセルはルーティ
ング網を通過する。ルーティング網から出力されたショ
ートセルはATMセル合成部30によりセルに合成され
る。この場合のショートセルのフォーマット例を図40
に示す。図38に示したフォーマット例と比較するとル
ーティングビットが追加されていることがわかる。この
ように、基本スイッチ400 〜40N-1 は、図36およ
び図37に示したように、一つの単位スイッチにより構
成される場合と、図39に示したように、縦続に多段接
続された単位スイッチにより構成される場合とがある。
【0110】縦続に多段接続された単位スイッチにより
構成される場合には、ATMセル合成部30は、合成し
ようとする複数のショートセルのルーティングビットが
等しいときにこの複数のショートセルを元のセルに合成
することもできる。次に、第3の実施例を図35、図4
1および図42を参照して詳細に説明する。
【0111】本発明第3実施例は、図36に示したAT
Mスイッチ構成に本発明を適用する例である。図36の
ATMスイッチ構成では、既に説明したように、0系、
1系の2面の基本スイッチ400 および401 を持ち、
その前段にATMセル分解部20、その後段にATMセ
ル合成部30を持つ。ATMセル分解部20とATMセ
ル合成部30は同期しており、絶対的な時間をもつこと
と仮定する。したがって、図35に示す要部ブロック構
成図では、基本スイッチ400 および401 、カウンタ
500 および501 を有する構成になる。動作は次の通
りである。
【0112】セルがあるATMセル分解部20に到着す
ると、まず、タイムスタンプが付与される。さらに、宛
先ビットを付与される。分解されたショートセルのフォ
ーマットの一例は図38に示したとおりである。分解さ
れたショートセルのフォーマットは空きセル、有効セ
ル、タイミングセルを区別するビットを持ち、複数面の
内、どの面を利用するかを区別するビットを持ち、出力
先の宛先のポート番号および入力ポート番号を記述する
ビットを持ち、分解されたショートセルが同時に複数の
基本スイッチへ送出される時間を書込むタイムスタンプ
を記述するビットを持ち、複数の基本スイッチの場合に
は、セルのペイロードを複数個割った分を記述するビッ
トを持つ。図38の場合には、2面の基本スイッチ40
0 および401 なので、セルのペイロードの半分を持つ
ことになる。
【0113】次に、分解されたショートセルは同時に0
系、1系の基本スイッチ400 および401 に送信され
る。この基本スイッチ400 および401 はノンブロッ
クスイッチであり、この分解されたセルの動作は0系と
1系で全く同じ動作を行うが、ATMセル合成部30に
セルが到着の際に到着時間が変動することが十分考えら
れる。このセル到着時間の変動揺らぎを押さえるために
図41および図42に示すアルゴリズムを用いる。以
下、図42に示すフローチャートを参照してアルゴリズ
ムを説明する。
【0114】まず、図35に示すカウンタ500 および
501 に、分解されたショートセルが到着した場合に
は、そのショートセルが0系から到着した場合はカウン
タ10の計数値CTL0を加算する。つまりCTL0=
1である(初期値はCTL=0)。また、ショートセル
が1系から到着した場合にはカウンタ11の計数値CT
L1を加算する。つまりCTL1=1である(初期値は
CTL1=0)(S1)。
【0115】カウンタ500 および501 の計数値CT
LOおよびCTL1が同じ値になったとき(CTLO=
CTL1)(S2)、それぞれの分解されたショートセ
ルのソースビットを比較する(S3)。それぞれ分解さ
れたショートセルのソースビットが同じとき、それぞれ
の分解されたショートセルは元々同じセルであるとわか
り(S4)、これら分解されたショートセルを元のセル
に合成する(S5)。
【0116】また、計数値が同じ場合で(CTL0=C
TL1)、それぞれの分解されたショートセルのソース
ビットを比較したときそれぞれ分解されたセルのソース
ビットが同じではないときには、分解されたショートセ
ルを0系、1系それぞれタイムスタンプを元にソート機
能で並び替える(S6、S7)。その後、再び、それぞ
れの分解されたショートセルのソースビットを比較す
る。その比較結果が同じときはセルを合成し、違う場合
は再びショートセルを読込む。
【0117】ここで、ソート機能を複数回使用した場合
においても、セル合成ができないときには、それらのシ
ョートセルは異常セルと判定する(S8)。ここで、こ
の一連の動作を行うことで、分解されたショートセルの
到着時間の違いを吸収でき、連続して到着してくるショ
ートセルの到着時間変動を吸収することにより、分解さ
れたショートセルが合成され、ATMスイッチから出て
いくセルはジッタが全くないようにできる。
【0118】また、カウンタ500 および501 の計数
値CTL0およびCTL1が同じ値にならないとき(C
TL0≠CTL1)(S2)、計数値CTL0と計数値
CTL1との差分の絶対値を閾値と比較し(S9)、こ
の差分の絶対値が閾値を越えたときは、計数値CTL0
と計数値CTL1とを比較して計数値が大きい方のカウ
ンタ500 および501 を停止させる(S10)。停止
させたカウンタ500および501 の系から新たに到着
したセルは待ちセルとしてセルを待機させる。また、そ
れ以外の系から新たに到着したセルは該当するカウンタ
500 および501 により計数する(S11)。このと
き、ステップS1では、未だカウントされていない待ち
セルがある場合には、まず、待ちセルから計数を始め
る。このようにして、セル到着がずれた場合には、これ
を補正することができる。
【0119】次に本発明第3実施例の変形例を図43を
参照して説明する。図43はその動作を示すフローチャ
ートである。この場合には、図37に示したように、0
系、1系、・‥、N−1(N:自然数)系のN面の基本
スイッチ400 〜40N-1 を持ち、その前段にATMセ
ル分解部20、その後段にATMセル合成部30を持
つ。ATMセル分解部20とATMセル合成部30は同
期しており、絶対的な時間をもつことと仮定する。各基
本スイッチ400 〜40N-1 にはショートセル到着遅延
のジッタがある。
【0120】本実施例で用いるアルゴリズムは、図43
に示すとおりである。本発明第3実施例で説明したアル
ゴリズムとの相違は、基本スイッチの面数が異なるだけ
である。このことから、複数面の基本スイッチ400
40N-1 を持つようなときでも、分解されたセルの到着
時間の違いを吸収でき、かつ、連続して到着してくるセ
ルの到着時間変動も吸収しつつ分解されたショートセル
が合成され、ATMスイッチから出ていくセルはジッタ
が全くないようにできる。
【0121】図39に示した3段スイッチを基本スイッ
チとして用いることもできる。既に説明したとおり、A
TMセル分解部20により分解されたショートセルは分
配網を通過する。分配網ではルーティング網に入力され
るショートセルを各ポート別に等確率にするため、ショ
ートセルをランダムに分配する。そのため、同一なVP
I、VCIのショートセルであっても別のルートを経由
することになる。次に、分解されたショートセルはルー
ティング網を通過する。ルーティング網に入力されるト
ラヒックは分配網でランダムに分配されるので、ルーテ
ィング網内では重度の輻輳は生じない。しかし、軽度の
輻輳は生じるので、別ルートを経由し同一VPI、VC
Iのショートセルは異なる遅延を受けることになる。そ
のため、ルーティング網ではショートセルの順序逆転が
発生することがあり、また、ショートセル到着の際に到
着時間が変動することが十分考えられる。その場合にも
本発明第3実施例と同様の方式でジッタを吸収すること
ができる。このとき、ソースビットとルーティングビッ
トの2種類のビットを用いることができる。この場合の
ショートセルのフォーマットは図40に示したとおりで
ある。
【0122】本発明第3実施例は図44ないし図47に
示す構成とすることも可能である。図45は本実施例の
動作を示すフローチャートである。図46はショートセ
ル変動許容を説明するための図である。図47はショー
トセル変動許容を詳細に説明するための図である。本発
明第四実施例では、タイミングセルを用いてショートセ
ル到着時間の変動揺らぎを抑える。ここでは、図36に
示したように、2面の基本スイッチ400 および401
を備える構成について説明する。
【0123】まず、このアルゴリズムを図45および図
47に示す。また、ショートセル変動許容のメカニズム
を図46に示す。図45に示すように、タイミングセル
を送出し(S21)、タイミングセルが到着した時間を
元に各ショートセルの推定到着時刻(TA)を求める。
0系、1系の基本スイッチ400 および401 の各出力
ポートに同時にタイミングセルを転送する。このタイミ
ングセルがATMセル分解部20に到着する時間をそれ
ぞれ、T0、T1とする。これらのタイミングセルの経
路は同じルーティングビットを持っているので、全く同
じ経路を通過し、かつ同じ時間で到着するはずである。
万が一、T0とT1が等しくない場合には再度タイミン
グセルを転送する。T0とT1が等しい場合には、ショ
ートセル推定到着時間TAT=T0=T1(初期値)と
する。最小ショートセル到着時間間隔TはATM回線の
速度から決定することができる。
【0124】次に、0系および1系の基本スイッチ40
0 および401 から出力され、ATMセル合成部30に
到着した分解されたショートセルの到着時刻T0、T1
を観測する(S22、S23)。ここで、T0およびT
1はショートセル推定到着時間TATと等しいとき(S
24)、0系、1系のソースビットを比較する(S2
5)。同じ場合にはTAT=T0またはTAT=T1と
してショートセルを送出する(S26)。
【0125】また、TAT<T0またはTAT<T1の
とき(S27)、つまり分解されたショートセルのどち
らか一方もしくは両方が、ショートセル到着推定時刻よ
り遅い場合でかつ、0系、1系の分解されたショートセ
ルのソースビットが同じとき(S28)、新たな基準時
刻として、ショートセルの到着時間を計算しなおす(S
29)。ここでは、TAT=max(T0、T1)+T
とする。すなわち、分解されたショートセルの到着時間
の遅い方にあわせて基準時間を設定する。
【0126】また、実際のショートセル到着がショート
セル到着推定時刻より、ショートセル変動許容時間τを
越えて早いとき(S31、S32)、異常ショートセル
と判定する(S33)。また、実際のショートセル到着
がショートセル変動許容時間内でショートセル到着推定
時間より早いとき、かつ、0系、1系の分解されたショ
ートセルのルーティングビットが同じとき(S34)、
TAT(t=i+1)=TAT(t=i)+T(tは時
間を表し、iは任意)とする(S35)。
【0127】正常ショートセルと判定した後(S30、
S36)、再度、ショートセル到着を観測し(S22、
S23)、これまで説明した手順を繰り返すことで、分
解されたショートセルの到着時間の違いを吸収でき、連
続して到着してくるショートセルの到着時間変動を吸収
することにより、分解されたショートセルが合成され、
ATMスイッチから出ていくセルはジッタが全くないよ
うにできる。また、周期的にタイミングセルを送出し、
ショートセル推定到着時間(初期値)を周期的に与える
ことで、絶対時間の信頼度が高まる効果がある。
【0128】図46に、ショートセル変動許容のメカニ
ズムを示す。τを補償可能なショートセル揺らぎ時間と
して推定ショートセル到着時間TAT±τの範囲内に到
着したショートセル同士を互いに合成すべきショートセ
ル候補とする。図47に、図45に示すフローチャート
の各ステップS24、S27、S31、S32における
最小ショートセル到着時間T、補償可能なショートセル
揺らぎ時間τ、推定ショートセル到着時間TATの関係
を示す。
【0129】以上説明したように、本発明第3実施例に
よれば、セルを複数のショートセルに分割して転送する
方式における各基本スイッチの遅延ジッタの影響を排除
することができる。また、遅延を増大させることなく各
基本スイッチの遅延ジッタの影響を排除することができ
る。次に、これまでに説明していない階層化セル順序保
証網について第4の実施例として説明する。
【0130】図48に示すように、第4の実施例におけ
る単位スイッチは出力バッファ型スイッチを基本として
おり、各出力バッファ部には入力ポート別の出力バッフ
ァが論理的に配置されている。物理的には共通バッファ
を使用しても良く制限はない。この入力別の出力バッフ
ァ前段にはアドレスフィルタAFが搭載されていて出力
ポートとセル宛先が一致した場合のみセルをバッファに
格納する。さらにN個の入力ポート別の出力バッファの
後段にはタイムソータ部TSが接続されていて、このタ
イムソータ部が各々の出力バッファ部の先頭セルよりタ
イムスタンプ情報を抽出して後述するセル順序保証アル
ゴリズムによってセルの順序保証を行いながらスイッチ
ングを行う。
【0131】図49、50、51は第4の実施例におけ
る単位スイッチの動作を説明するための図である。図4
9に示すように、スイッチに有効セル(ダミーセルでな
い、ユーザ情報を載せたセル)が到着すると、有効セル
はすべての出力ポートに対してマルチキャストされる。
マルチキャストされたセルは各々の出力ポートに備えら
れたアドレスフィルタに取り込まれて、セルの宛先が出
力ポートと一致するときには有効セルとして格納され
る。一致しない場合にはタイムスタンプ情報のみが抽出
されてダミーセルとして格納される。この操作により有
効セルより入力ポートのサービス対象時刻をすべての出
力ポートに伝達できる。
【0132】また、図50に示すように、スイッチにダ
ミーセルが到着すると、ダミーセルはすべての出力ポー
トに対してマルチキャストされる。マルチキャストされ
たセルは各々の出力ポートに備えられるアドレスフィル
タに取り込まれる。アドレスフィルタはダミーセルを取
り込むとタイムスタンプ情報を保持してダミーセルとし
てバッファに格納される。この操作によりダミーセルに
より入力ポートのサービス対象時刻をすべての出力ポー
トに伝達できる。
【0133】続いて、図51に示すように、入力ポート
別の出力バッファにセルが取り込まれると各バッファ後
段に接続されたタイムスタンプソータがセル順序を保証
しながらセルを出力ポートにスイッチングする。入力ポ
ート別の出力バッファの先頭に格納されたセルよりタイ
ムスタンプとセルタイプ(有効セル、ダミーセルの区
別)を抽出してタイムスタンプソータに通知する。
【0134】図52はセル選択動作を示すフローチャー
トである。このフローチャートに基づき説明を行う。タ
イムスタンプとセルタイプの情報が通知されるとタイム
スタンプソータはタイムスタンプが一番小さいセルを検
索する(S1)。次に、タイムスタンプ最小のセル数が
1かそれ以上かを調べ(S2)、1個のときは検索され
たセルをサービス対象セルとして出力ポートヘスイッチ
ングする(S3)。最小タイムスタンプセルが2個以上
検索された場合には、その中で有効セルが何個存在する
のかが調べられる(S4)。有効セルが一つもみつから
ない場合にはダミーセルをランダムに決定する(S
5)。有効セルが複数見つかった場合には、有効セルが
格納されるバッファのうち最長のキュー長を持つバッフ
ァに格納される有効セルが選択される(S6)。以上の
アルゴリズムが各出力ポートで独立に動作することによ
り、単位スイッチ100%セル順序保証が行われスイッ
チングが可能となる。
【0135】これまで、主にスイッチ内のセル順序を保
証するための構成について説明してきた。スイッチをノ
ンブロック化するためはスイッチ内でセル分配すること
が必要であることは従来の技術で説明した。第2の実施
例でもセルをサイクリックに分配する例について説明し
たが、以下、セル分配についてより優れた特性をもつ方
法について第5の実施例として説明する。
【0136】図53は本発明におけるスイッチ内のセル
分配の概念について説明するための図である。同図に示
すように、n×nの単位スイッチをn個並べて、多段ス
イッチを構成する場合を例にとり説明する。スイッチ内
でブロッキングが発生しないように理想的にセルの分配
を行うためには、n×nの入力すべてのセル宛先を考慮
したスケジューリングアルゴリズムが必要となる。しか
しながらn×nの入力回線すべてについてセルの宛先を
考慮したスケジューリングを行うことは大規模スイッチ
においてスケーラビリティ上問題がある。従って、本発
明第5実施例では、セル分配アルゴリズムをn個の入力
スイッチに分散的に搭載することを提案している。この
ような分散配置を行うことによって、n×nの単位スイ
ッチ内に閉じたセル分配が実行できるのでスイッチのス
ケーラビリティを確保でき、大規模スイッチが実現でき
る。
【0137】次に分配アルゴリズムの動作を説明する。
図53の例では3段目スイッチに出力負荷Lのトラヒッ
クが集中している。このトラヒックは1段目スイッチか
ら到着しておりスイッチ1段目の上から数えて一番目の
単位スイッチからk1L、k2L、……knLとk1:
k2:…:knの割合で分配されている(k1+k2+
…+kn=1)。このとき各1段目単位スイッチに搭載
された分配アルゴリズムは各スイッチに入力されてセル
の宛先を分散的に考慮して、スイッチ内(nの2段目ス
イッチ)で当該スイッチに到達するトラヒツクが1/n
で分配されるようにセル毎にスイッチ内ルートをn個の
候補の中から選択する。なお、nはスイッチ2段目のス
イッチ数であり、同一の出力スイッチに到達するのにn
個の異なる2段目スイッチを中継することができる。
【0138】図54に示すように、このようなルート選
択を行うことによって、スイッチ2段目に到達する負荷
の合計は (k1L+k2L+…+KnL)/n=L/n(∵k1
+k2+…+kn=1) となる。この結果よりわかるように、入力側の単位スイ
ッチが同一出力宛先宛てのトラヒックをセル毎に1/n
分配できれば、スイッチ2段目では出力負荷を均等に1
/n分割(L/n)できる。
【0139】図55に示すように、ここでLはスイッチ
出力負荷なので最大値はn×1.0となる。したがって
各リンクに分配される最大分配負荷ρは1.0以下とな
る。これによってスイッチ内の任意の出力リンクヘの負
荷集中を排除可能となり、スイッチをノンブロック化で
きる。図56は、上述したセル分配アルゴリズムをスイ
ッチ内で実現する方法を説明するための図である。ま
た、図59はそのアルゴリズムを示すフローチャートで
あり、このフローチャートに沿って説明を行う。
【0140】図57に示すように、このアルゴリズム
は、一段目の単位スイッチの前に備えられたセル分配部
により実行される。図56に示すように、スイッチにセ
ルが到着する(S1)とスイッチ内のセル分配部ではセ
ルの宛先グループを判定する(S2)。ここで宛先グル
ープはスイッチ3段目の出力スイッチを表す。従って、
グループは出力スイッチ数分管理されており、N×Nの
スイッチをN個、3段に並べた多段スイッチの場合には
N個のグループが存在する。例えば出力方路1〜Nのセ
ルはグループ1に、出力方路N+1、2Nまでのセルは
グループ2に、以下、グループNまでN個ずつにグルー
ピングされる。図56に示す例では出力方路2のセルが
到着した場合をあらわしており。この場合グループ1に
グルーピングされる。
【0141】宛先グループが判定されると、スイッチ内
でどのルートを経由してセルを転送するかを決定する。
このルート決定のために、本発明のセル分配方式では、
各入力スイッチ部に搭載されるセル分配部が分散して保
持しているセル分配履歴表を参照する(S3)。このセ
ル分配履歴表を図58に示す。このセル分配履歴表は、
当該スイッチが、ある一定時間内(ウィンドウサイズ
内)にグループ別にどのルートを用いてセルを転送した
かを情報として保持している。この表の例では同一グル
ープ内で、R1〜Rnまでの値が、そのルートを使用し
て一定時間内にセルを転送したそのセル数を表してい
る。このとき分配履歴表では△Fという値も保持してい
る。△FはR1〜Rn内の数字内の最大値と最小値の差
をあらわしている。この差が大きいほど、ルート間で転
送するセルの負荷が平滑化されていないことをあらわし
ているので、ルート決定時には履歴表内で△Fが各グル
ープ内で最小となるようにセル転送ルートを決定する
(S4)。
【0142】次に、セルの転送ルート決定方法を具体的
に説明する。前述のように、まず、セル分配部ではN入
力のうち、セル到着がある入力回線のグループ宛先を判
別する。つぎに△Fの大きいグループよりルートを決定
していく。例えば図の例ではG1の△F=2が最大値で
あるとするとG1の宛先セルより決定する。次に、R1
〜Rnを検索して最小値を持つルートをセル転送ルート
として決定する。この図の例ではR2が0という最小値
を持っているので選択する。この操作を順々に繰り返し
てセル転送ルートを決定する。この過程で、同一のグル
ープ宛先が複数存在する場合には、異なるグループの宛
先がすべて決定された後で、転送ルートに選択されてい
ないルート内で最小の値を持つルートを用いてセルを転
送する。この操作によってスイッチ1段目スイッチの出
力ポートには同時到着を排除して全ての入力セルは1セ
ル時間で1段目スイッチを転送されることとする。さら
にルート決定時に複数の最小ルートを検出する場合には
検出されたルートを同確率で選択する。
【0143】この過程でルートが決定されるたびに履歴
表の値を1つずつ更新する(S5)。また履歴表全体の
値はスライディングウィンドウを用いて管理されていて
スイッチ内の遅延時間を考慮したウィンドウ幅でリセッ
トされながら更新される(例えば、ウィンドウ幅10
0、ステップ幅20とすると0〜100の履歴、20〜
120の履歴というように更新される)。
【0144】以上、全体の動作をまとめると次のように
なる。スイッチにセルが到着すると、セル分配部ではセ
ルの宛先から宛先グループを検索する。次にセル分配履
歴表を参照して、先に述べたアルゴリズムによりスイッ
チ内ルーティング経路を決定し、セル分配履歴表を更新
する。この操作を繰り返し行うことによりスイッチをノ
ンブロック化できる。
【0145】この方式は、前述したセルをサイクリック
に分配する方法よりも優れており、図60にそれを示
す。図60はダイナミックにセル分配を行う第5の実施
例の方法を用いた場合のシミュレーション結果を示す。
横軸にシミュレーション時間を、縦軸に各単位スイッチ
の任意の出力ポートに分配される分配負荷を示す。到着
セルのスイッチ内転送ルートを周期的に振り分けるサイ
クリックセル転送方式と提案のダイナミックセル転送方
式を比較した。入力トラヒックをT=50000セル時
間まではランダムに宛先分布をもつトラヒックを入力し
て、T=50000セル時間以降は一定の宛先周期分布
をもつトラヒックを入力した。サイクリックセル転送方
式では入力トラヒックの宛先分布とルート転送振り分け
周期に強い相関があると、分配される宛先分布が平滑化
されず、一定の出力ポートに負荷集中が発生しブロッキ
ングを引き起こすが、ダイナミックセル分配では到着セ
ルのトラヒックパタンに左右されることなしに、ノンブ
ロック化が実現できる。
【0146】ここで述べたセル分配法と、これまでに説
明した階層化セル順序保証網を組み合わせることでスイ
ッチング特性に優れるノンブロックなマルチステージセ
ルスイッチを実現できる。図61は、第4の実施例のセ
ル順序保証網(一括型セル順序保証網)による単位スイ
ッチと、上記のセル分配部を備えたスイッチ例を示して
いる。スイッチはタイムスタンプコントローラ700
70N-1 、セル分配部720 〜72N-1 、第4の実施例
によるセル順序保証網搭載基本スイッチ740 〜74
3(N-1)から構成される。
【0147】タイムスタンプコントローラ700 〜70
N-1 はセルにスイッチ到着時刻を付与し、セル到着が無
い場合にはダミーセルを生成する。セル分配部720
72 N-1 は第5実施例で説明したダイナミックセル分配
アルゴリズムによりセル毎ににスイッチ内転送ルートを
決定する。基本スイッチ740 〜743(N-1)はスイッチ
出力部で各入力からの到達セルのセル順序を一括して保
証する。次にこのスイッチの動作をより詳細に説明す
る。
【0148】スイッチにセルが到着するとタイムスタン
プコントローラ700 〜70N-1 が到着時刻をセルのオ
ーバヘッドに格納する。セル到着が無い場合には現時刻
をセルオーバヘッドに格納したダミーセルを発生する。
セル到着時刻を格納するために各タイムスタンプコント
ローラ700 〜70N-1 は全同期していて、1セル時間
を単位としてタイムスタンプを更新する。
【0149】この例では、スイッチは3段スイッチ、各
単位スイッチは出力バッファ型、出力バッファ部には入
力ポート毎に出力バッファを備えている。前述したよう
に出力バッファはタイムスタンプソータ(TS)に接続
され、TSは出力バッファの先頭セルのタイムスタンプ
情報を比較して出力セルを選択する。このスイッチにお
ける単位スイッチの動作は第4の実施例で説明した通り
である。
【0150】図62は図61に示すスイッチにおける単
位スイッチのハードウェア構成例を示す図である。同図
に示すように、本スイッチは入力インタフェース760
〜76N-1 、MUX78、中央メモリ80、DMUX8
2、出力インタフェース84 0 〜84N-1 、メモリ書き
込み管理部86、メモリ読み出し管理部88、スイッチ
/セル順序制御部90、ルート制御部92、タイムスタ
ンプ制御部94から構成される。
【0151】入力インタフェース760 〜76N-1 は入
力セルの位相調整を行い、また、ルーティングビット及
びタイムスタンプの抽出を行う。MUX78はセルの多
重を行い、中央メモリ80にセルが書き込まれて、読み
出される。書き込み読み出しの制御はメモリ書き込み管
理部86、メモリ読み出し管理部88により行われる。
読み出されたデータはDMUX82で多重分離され、出
力インタフェース84 0 〜84N-1 にて位相調整、、ル
ーティングビット及びタイムスタンプ挿入がなされて出
力される。
【0152】スイッチ/セル順序制御部90はタイムス
タンプ情報に基いた階層型セル順序保証を行い、ルート
制御部92は前述したセル分配アルゴリズムに基づき処
理を行う。また、タイムスタンプ制御部94は、スイッ
チ1段目に配置された場合、各セルにタイムスタンプを
付与し、送出セルがない場合にはタイムスタンプを付与
したダミーセルを送出するよう制御を行う。
【0153】図63は、図62に示す単位スイッチから
多段スイッチを構成した場合の図である。図63に示す
ように、各単位スイッチは図62に示したものと同一で
あり、モード切り替えによって、1段目のルート制御モ
ード及び2、3段目のスイッチ/セル順序制御モードを
選択することができる。また、各1段目の単位スイッチ
には、タイムスタンプを同期して付与できるように基準
クロックが付与される。
【0154】図64は提案する一括セル順序保証型スイ
ッチにおけるセル転送遅延時間特性のシミュレーション
結果を示す。横軸にセル転送遅延時間と縦軸に当該遅延
時間をもつ確率を示している。シミュレーション結果よ
りわかるようにダイナミックセル分配アルゴリズムを搭
載したスイッチの方が遅延特性に優れる。またタイムス
タンプ分配アルゴリズムにより優れたセル転送遅延時間
特性を実現できることがわかる。
【0155】図65は提案する一括セル順序保証型スイ
ッチに要求されるバッファ量のシミュレーション結果を
示してある。横軸に単位スイッチサイズを縦軸に単位ス
イッチ当たりに要求されるバッファ量をあらわしてい
る。スイッチには平均0.95の入力負荷がかかってい
てセル損率10e-12 を満足するのに必要なバッファ量
をもとめている。シミュレーションの結果より、本発明
によって優れたセル転送遅延時間特性を実現できるので
バッファ量を大幅に削減できることがわかる。
【0156】図66は提案する一括セル順序保証網搭載
スイッチの平均セル転送遅延時間特性を示している。横
軸にスイッチ入力平均負荷、縦軸に平均セル転送遅延時
間を示す。シミュレーション結果より提案するスイッチ
はセル順序保証機能をスイッチ内に内在させているにも
関わらず理想的な出力バッファ型スイッチと同等のスイ
ッチング特性を実現できる。
【0157】ところで、以上説明した各種の階層型セル
順序保証網においては、セルに付与されたタイムスタン
プ情報を基にセル順序比較を行う。しかしながらスイッ
チを有限のコストで実現しようと考えた場合、無限長の
タイムスタンプを用意することは不可能なので、十分に
長いタイムスタンプを用意することで前記方式を実現す
る必要がある。しかしながら、有限長のタイムスタンプ
では、タイムスタンプが1回転して、新しい周期のタイ
ムスタンプとなるときに入力バッファ毎のバッファで同
一の周期のタイムスタンプであるのか、異なる周期のタ
イムスタンプであるのかを判断することができず、タイ
ムスタンプの比較動作が正しく動作しないことがある。
図67はその問題点を示しており、この例では(b)に
示す1 番上のバッファのみが古い周期のタイムスタンプ
で、残り全てが新しい周期のタイムスタンプの場合の例
を示しているが、その周期の違いをタイムスタンプソー
タが認識できないので、新しいタイムスタンプ周期の2
のセルが16のセルを追い越して選択されてしまう。こ
のような原因により正しく動作しない。
【0158】そこで、図68に示すように、タイムスタ
ンプ情報の周期の境界を識別するために、階層型のタイ
ムスタンプを導入する。この方式を第6の実施例として
以下に説明する。第6の実施例においては、周期的に繰
り返す連続した有限長のタイムスタンプと同一の周期内
のセルであることを識別する周期フラグを導入する。タ
イムスタンプの周期はタイムスタンプフラグによって区
別する。タイムスタンプソータがこのフラグ情報を入力
ポート別の出力バッファ毎に管理することによってタイ
ムスタンプの周期の境界が到来したとしても正しくセル
順序保証が可能となる。
【0159】次に、このタイムスタンプフラグを用いて
セル順序を保証する動作を図69のフローチャートを用
いて説明する。タイムスタンプソータでは入力ポート別
出力バッファの先頭セルのタイムスタンプフラグをチェ
ックする(S1)。このとき、タイムスタンプソータは
現時点でサービス対象となるタイムスタンプフラグ情報
をタイムスタンプソータフラグとして保持する。例え
ば、タイムスタンプソータフラグが1の場合には出力バ
ッファ部のタイムスタンプフラグ1のセルを対象にして
タイムスタンプ比較を行い、フラグが0の場合にはタイ
ムスタンプフラグ0のセルを対象にタイムスタンプ比較
を行う。
【0160】次に全てのタイムスタンプフラグが同一か
どうかを判断する(S2)。タイムスタンプフラグが一
致しないセルがある場合には、バッファ内に現時点では
サービス対象でない次の周期でサービスするセルと現時
点でサービス対象のタイムスタンプフラグのセルがバッ
ファに混在して残っていることを示している。そこでソ
ータが保持するタイムスタンプフラグと一致するタイム
スタンプフラグを保持するセルの中からタイムスタンプ
が一番小さいセルを選択しスイッチングする(S3)。
全てのタイムスタンプが一致する場合には、次のステッ
プに進んで一致しているタイムスタンプフラグとタイム
スタンプフラグソータの比較を行う(S4)。この両者
が一致しない場合にはサービス対象セルが全てのスイッ
チングが終了して、全てのバッファに次の周期のセルが
到着したことを示しているから、ソータのタイムスタン
プソータフラグを更新してサービス対象のセルを次の周
期にセットする(S5)と同時にタイムスタンプ情報の
一番小さいセルをスイッチングする(S6)。タイムス
タンプフラグとタイムスタンプソータフラグが一致して
いる場合には、全てのバッファにサービス対象と同一の
フラグを持つセルが到着している場合を示すからタイム
スタンプが一番小さいセルをスイッチングする(S
6)。図70にタイムスタンプの具体例を示す。
【0161】しかしながら前述の階層型の有限長のタイ
ムスタンプを利用してもタイムスタンプ比較が正しく動
作しないことがある。まず始めに、図71に示すよう
に、低負荷時の場合に、ある出力ポートに有効セルが到
着しない状況が頻発するとダミーセルが発生し続けるが
これが有限長の周期を超えて継続すると同一周期内のセ
ルが上書きされ続けてタイムスタンプ周期の境界が消滅
してしまうことによりタイムスタンプソータが正しいタ
イムスタンプの境界を識別できなくなりセル順序比較が
正しく動作しなくなる。
【0162】別の問題点としては、図72に示すよう
に、任意の出力ポートで高負荷状態が継続してバッファ
が溢れつづけるとバッファ内にセルが格納されないの
で、同一の周期のセルが継続して廃棄されてこの継続時
間が有限長の周期より長い場合にはやはりタイムスタン
プソータに正しくタイムスタンプの境界情報を通知でき
なくなるのでソータにおけるタイムスタンプ比較動作が
正しく動作しない状況が起こり得る。
【0163】そこでバッファ内でセル上書き動作による
境界消滅対策として図73、74に示すような制御を導
入する。これはバッファ内でセルの上書きを行う場合に
は同一周期内のセルをすくなくとも一つ必ずバッファ内
に残す制御である。例えば、図73に示すように、ダミ
ーセルが継続して到着して上書きが継続する場合には有
限長タイムスタンプの最後尾のダミーセルを上書き禁止
にしてバッファ内に残す。また、図74に示すように、
同一周期内の有効セルが一つでもバッファ内に格納され
た場合には有効セルは上書きされないので通常の制御と
同一で最後尾のダミーセルの上書きも許容する。
【0164】バッファ溢れによるタイムスタンプ境界消
滅対策としては、図75に示すように、バッファフル状
態ではバッファの先頭セルよりセルを廃棄することによ
りセルをバッファ内に格納して境界情報をバッファに格
納する。しかしながら、バッファの先頭セルからセル廃
葉を継続するとタイムスタンプソータと同一のフラグ情
報を持つセル(現サービス対象のセル)を廃棄しつづけ
ると境界情報が廃嚢されるので、図76に示すように、
タイムスタンプソータは廃棄によって周期が一巡したバ
ッファからのセル選択を禁止する。このような操作を用
いることによって有限長のタイムスタンプを用いても優
れたスイッチング特性を保持するノンブロックスイッチ
を実現できる。
【0165】図77は前記アルゴリズムをすべて搭載し
た一括セル順序保証網搭載多段スイッチの平均セル転送
遅延時間特性を示す。前記アルゴリズムによってタイム
スタンプ6ビット[ 2^6(64セル)] で理想的な出
力バッファ型スイッチと同一のスイッチング特性を実現
できる。図78は同じく遅延分布のシミュレーション結
果を表す。6ビット以上のタイムスタンプでやはり理想
的なセル転送遅延特性を実現できる。
【0166】図79は所要バッファを計算したシミュレ
ーション結果である。同じくタイムスタンプが6ビット
以上で理想的な所要バッファ(最小構成)を実現でき
る。これまでに説明したスイッチはATM交換機以外の
装置にも適用可能である。図80は本発明のスイッチを
ルータに適用した場合の構成を示す。同図に示すよう
に、このルータは、回線終端部96、97、ルート検索
/転送処理部98、99、セルスイッチ部100、IP
プロトコル処理部102、制御部104より構成され
る。動作は次の通りである。
【0167】ネットワークからパケットが到着すると、
回線終端されたIPアドレスによりルート検索され、ス
イッチ内には固定長セルとして分配される。その後、ハ
ードウェアルーティングされ、出力ポートに送られて、
パケット組み立てが行われて、ネットワークに転送され
る。IPプロトコルパケットはIPプロトコル処理部に
転送されてルーティングテーブル作成などの処理を行い
その結果をルート検索/転送処理部に内部バスを用いて
通知する。
【0168】本発明は上記の実施例に限定されず、特許
請求の範囲内で種々の変更・応用が可能である。例え
ば、上記の実施例は主にATMを例にとっているが、A
TM以外のどのようなセルに対しても本発明は適用可能
である。
【0169】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、多数の
ルーティング経路に対するソーティングを行うことなく
単位スイッチ毎に自律分散的にセル順序保証を行うこと
ができるATMスイッチを提供することができ、3段構
成の単位スイッチを一つのATMスイッチブロックと
し、このATMスイッチブロックを増設することにより
大規模ATMスイッチを提供することができる。
【0170】また、本発明によれば、スイッチ内で効率
的にセルを負荷分散させることができ、セル転送遅延及
びセル損失特性が優れたATMスイッチを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のマルチステージスイッチ構成によるAT
Mスイッチを示す図である。
【図2】コネクションベースのルーティングを採用した
場合のセルルーティング例を示す図である。
【図3】セルベースのルーティングを採用した場合のセ
ルルーティング例を示す図である。
【図4】従来の技術においてセル順序保証を行う構成の
一例を示す図である。
【図5】図4に示す構成においてセルのソーティング範
囲を示す図である。
【図6】スイッチ内セル転送遅延分布を示す図である。
【図7】スイッチサイズ16×16のATMスイッチの
実現例を示す図である。
【図8】セルを空間的に分割して転送する場合のLSI
構成を示す図である。
【図9】並列入力のクロスポイントスイッチ例を示す図
である。
【図10】ビットスライスを用いたクロスポイントスイ
ッチ例を示す図である。
【図11】本発明第1実施例のATMスイッチの要部ブ
ロック構成図である。
【図12】タイムスタンプ付加部を示す図である。
【図13】本発明第1実施例のセル順序保証の原理を説
明するための図である。
【図14】本発明第1実施例の単位スイッチの要部ブロ
ック構成図である。
【図15】最上流のクロスポイントにおけるセル選択則
を示すフローチャートである。
【図16】最上流以外のクロスポイントにおけるセル選
択則を示すフローチャートである。
【図17】有効セルのダミーセル上書き状況を説明する
ための図である。
【図18】本発明第1実施例における他の例のセル順序
保証の原理を説明するための図である。
【図19】本発明第1実施例における他の例の単位スイ
ッチの要部ブロック構成図である。
【図20】共通バッファを使用した場合の単位スイッチ
の要部ブロック構成図である。
【図21】遅延時間カウンタを示す図である。
【図22】本発明ATMスイッチのセル転送遅延時間特
性を計算機シミュレーションにより評価した結果を示す
図である。
【図23】本発明第2実施例の単位スイッチの要部ブロ
ック構成図を示す図である。
【図24】本発明第2実施例のATMスイッチの全体構
成を示す概念図である。
【図25】16ハイウェイの並列伝送を仮定した場合の
64バイト長のスイッチ内ATMセルフォーマットの例
を示す図である。
【図26】16ハイウェイの並列伝送を仮定した場合の
64バイト長のショートセルフォーマットの例を示す図
である。
【図27】分割されたショートセルが各基本スイッチの
スイッチ2段目にサイクリックに分配される様子を示す
図である。
【図28】2段目割当周期表を示す図である。
【図29】本発明第2実施例のセル分割部の要部ブロッ
ク構成を示す図である。
【図30】各々の基本スイッチにおけるセル順序保証網
の構成を示す図である。
【図31】本発明第2実施例のセル順序保証階層網の概
念を示す図である。
【図32】二重のタイムスタンプによるセル順序保証を
説明するための図である。
【図33】セル合成部の要部ブロック構成を示す図であ
る。
【図34】本発明の16×16の4分割されたショート
セルをスイッチングする単位スイッチを相互接続した4
つの基本スイッチを用いて構成したスイッチサイズ25
6×256のATMスイッチ実現例を示す図である。
【図35】本発明第3実施例のATMスイッチ網の要部
ブロック構成図である。
【図36】2面の基本スイッチを介してショートセルを
転送する構成のATMスイッチを示す図である。
【図37】N面の基本スイッチを介してショートセルを
転送する構成のATMスイッチを示す図である。
【図38】2面の基本スイッチを介してショートセルを
転送する場合のセルのフォーマット例を示す図である。
【図39】単位スイッチが多段接続された基本スイッチ
を介してショートセルを転送する構成のATMスイッチ
を示す図である。
【図40】単位スイッチが多段接続された基本スイッチ
を介してショートセルを転送する場合のセルフォーマッ
ト例を示す図である。
【図41】本発明第3実施例のジッタ補償を説明するた
めの図である。
【図42】本発明第3実施例の動作を示すフローチャー
トである。
【図43】本発明第3実施例の他の例の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図44】本発明第3実施例の一例のATMスイッチ網
の要部ブロック構成図である。
【図45】図44に示す構成の動作を示すフローチャー
トである。
【図46】ショートセル変動許容を説明するための図で
ある。
【図47】ショートセル変動許容を詳細に説明するため
の図である。
【図48】本発明第4実施例の単位スイッチの構成を示
す図である。
【図49】本発明第4実施例の単位スイッチの動作を説
明するための図である。
【図50】本発明第4実施例の単位スイッチの動作を説
明するための図である。
【図51】出力バッファ部分を示す図である。
【図52】セル選択の方法を示すフローチャートであ
る。
【図53】スイッチ内のセル分配を説明するための図で
ある。
【図54】スイッチ内のセル分配を説明するための図で
ある。
【図55】スイッチ内のセル分配を説明するための図で
ある。
【図56】本発明第5実施例におけるセル分配の動作を
説明するための図である。
【図57】本発明第5実施例におけるセル分配部を示す
図である。
【図58】セル分配履歴表を示す図である。
【図59】本発明第5実施例におけるセル分配の動作を
示すフローチャートである。
【図60】本発明第5実施例におけるセル分配のシミュ
レーション結果を示す図である。
【図61】本発明のセル分配部を搭載したATMスイッ
チの一例を示す図である。
【図62】本発明による単位スイッチのハードウェア構
成の一例を示す図である。
【図63】図62に示す単位スイッチを多段に接続して
構成したスイッチを示す図である。
【図64】本発明のATMスイッチにおけるセル転送遅
延時間特性のシミュレーション結果を示す図である。
【図65】本発明のATMスイッチにおけるバッファ量
のシミュレーション結果を示す図である。
【図66】本発明のATMスイッチにおける平均セル転
送遅延時間特性を示す図である。
【図67】有限長タイムスタンプの問題点を説明するた
めの図である。
【図68】本発明第6実施例を示す図である。
【図69】本発明第6実施例におけるセル選択方法を示
すフローチャートである。
【図70】本発明第6実施例におけるタイムスタンプを
示す図である。
【図71】有限長タイムスタンプの低負荷時の問題点を
説明するための図である。
【図72】有限長タイムスタンプの高負荷時の問題点を
説明するための図である。
【図73】ダミーセルの上書き制御を説明するための図
である。
【図74】ダミーセルの上書き制御を説明するための図
である。
【図75】バッファあふれ時のセル廃棄制御を説明する
ための図である。
【図76】バッファあふれ時のセル廃棄制御を説明する
ための図である。
【図77】本発明のタイムスタンプ制御方法を使用した
場合のATMスイッチにおける平均セル転送遅延時間特
性を示す図である。
【図78】遅延分布のシミュレーション結果を示す図で
ある。
【図79】所要バッファを計算したシミュレーション結
果を示す図である。
【図80】本発明のスイッチを搭載したルータの構成図
である。
【符号の説明】
1 ショートセル分割部 21 、22 出力バッファ 3 制御部 4 カウンタ 5 入力インタフェース 61 、62 出力インタフェース 7 アドレスフィルタ 8、10 出力バッファ 9、11 セレタタ 12−1、12−2 コントローラ SA1〜4 セル分割部 SR1〜4 セル合成部 131 、132 入力バッファ 14 ショートセル合成部 15 絶対遅延付与バッファ 161 、162 入力インタフェース 17 出力インタフェース 18 制御部 19 カウンタ 20 ATMセル分解部 30 ATMセル合成部 400 〜40N-1 基本スイッチ 500 〜50N-1 カウンタ 60、64 比較部 62 遅延時間推定部 700 〜70N-1 タイムスタンプコントローラ 720 〜72N-1 セル分配部 740 〜743(N-1) セル順序保証網搭載基本スイッチ 760 〜76N-1 入力インタフェース 78 MUX 80 中央メモリ 82 DMUX 840 〜84N-1 出力インタフェース 86 メモリ書き込み管理部 88 メモリ読み出し管理部 90 スイッチ/セル順序制御部 92 ルート制御部 94 タイムスタンプ制御部 96、97 回線終端部 98、99 ルート検索/転送処理部 100 セルスイッチ部 102 IPプロトコル処理部 104 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 英司 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 山中 直明 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−77984(JP,A) 特開 平5−207062(JP,A) 1998信学全大B−6−19 1998信学全大B−6−41 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/56

Claims (39)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの単位スイッチを有する
    ATMスイッチにおいて、 前記単位スイッチは、入力されたセルのヘッダに書込ま
    れた時刻情報を参照しこの時刻情報の若い順に出力方路
    へのスイッチングを行う手段をそれぞれ備え、 前記スイッチングを行う手段は、入力回線および出力回
    線が相互に交叉する複数のクロスポイントを備え、各ク
    ロスポイントは階層を構成し、 クロスポイントは、 前記入力回線から到来するセルを抽出するアドレスフィ
    ルタと、抽出されたセルを一時蓄積する第一のバッファ
    と、他のクロスポイントから到来するセルを一時蓄積す
    る第二のバッファと、この第二のバッファと前記第一の
    バッファの先頭セルについてそれぞれその時刻情報を比
    較しこの時刻情報の若い方のセルを他のクロスポイント
    又は出力方路へ送出する手段とを備えたことを特徴とす
    るATMスイッチ。
  2. 【請求項2】 前記アドレスフィルタは、自己のアドレ
    スを有するセルを有効セルとして取り込み、他のアドレ
    スを有するセルについては該セルの時刻情報を付加した
    ダミーセルを生成し、該有効セル又はダミーセルを前記
    第一のバッファに蓄積し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が等しく、時刻情報も等しい場合には、k
    (kは自然数)番目のクロスポイントにおいて第一のバ
    ッファと第二のバッファの先頭セルを1対k−1の比の
    確率で選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ送出
    し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が異なり、時刻情報が等しい場合には、前記
    有効セルを選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ
    送出する請求項1に記載のATMスイッチ。
  3. 【請求項3】 1段目の単位スイッチと、2段目の単位
    スイッチと、3段目の単位スイッチとを備え、この1段
    目、2段目、3段目の各単位スイッチが相互に接続され
    たATMスイッチにおいて、 前記単位スイッチは、入力されたセルのヘッダに書込ま
    れた時刻情報を参照しこの時刻情報の若い順に出力方路
    へのスイッチングを行う手段をそれぞれ備え、 前記スイッチングを行う手段は、入力回線および出力回
    線が相互に交叉するクロスポイントを備え、各クロスポ
    イントは階層を構成し、 クロスポイントは、 前記入力回線から到来するセルを抽出するアドレスフィ
    ルタと、抽出されたセルを一時蓄積する第一のバッファ
    と、他のクロスポイントから到来するセルを一時蓄積す
    る第二のバッファと、この第二のバッファと前記第一の
    バッファの先頭セルについてそれぞれその時刻情報を比
    較しこの時刻情報の若い方のセルを他のクロスポイント
    又は出力方路へ送出する手段とを備えたことを特徴とす
    るATMスイッチ。
  4. 【請求項4】 前記アドレスフィルタは、自己のアドレ
    スを有するセルを有効セルとして取り込み、他のアドレ
    スを有するセルについては該セルの時刻情報を付加した
    ダミーセルを生成し、該有効セル又はダミーセルを前記
    第一のバッファに蓄積し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が等しく、時刻情報も等しい場合には、k
    (kは自然数)番目のクロスポイントにおいて第一のバ
    ッファと第二のバッファの先頭セルを1対k−1の比の
    確率で選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ送出
    し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が異なり、時刻情報が等しい場合には、前記
    有効セルを選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ
    送出する請求項3に記載のATMスイッチ。
  5. 【請求項5】 前記入力回線をグループに分類し、前記
    第一のバッファは、当該グループ内の入力回線に到来す
    るセルをそれぞれ一時蓄積し、この蓄積されたセルの時
    刻情報についてその最も若い時刻情報と前記第二のバッ
    ファの先頭セルの時刻情報とを比較しこの時刻情報の若
    い方のセルを他のクロスポイント又は出力方路へ送出す
    る請求項1記載のATMスイッチ。
  6. 【請求項6】 到来するセルに前記時刻情報としての到
    来時刻情報を付加する手段を更に備え、 前記付加する手段は、前記ATMスイッチに入力セルが
    ない場合にダミーセルを発生し、その時刻の時刻情報を
    付与し、 前記単位スイッチは、 到着したセルの宛先以外の出力回線に向けて、該セルの
    時刻情報を保持したダミーセルもしくは該到着したセル
    をコピーして転送し、ダミーセルが到着セルによって上
    書きされることを許容する請求項1に記載のATMスイ
    ッチ。
  7. 【請求項7】 前記時刻情報は所定の周期で繰り返す値
    であり、前記付加する手段は前記時刻情報とともに前記
    周期を識別するフラグを前記セルに付加し、前記単位ス
    イッチは該フラグを参照して、前記周期を識別する請求
    項6に記載のATMスイッチ。
  8. 【請求項8】 前記単位スイッチは遅延時間カウンタを
    備え、各単位スイッチで遅延時間を加算し、該加算され
    た遅延時間を前記時刻情報として用いる請求項1記載の
    ATMスイッチ。
  9. 【請求項9】 少なくとも1つの単位スイッチを有する
    ATMスイッチを複数備え、このATMスイッチが相互
    に接続された大規模ATMスイッチであって、 前記単位スイッチは、入力されたセルのヘッダに書込ま
    れた時刻情報を参照しこの時刻情報の若い順に出力方路
    へのスイッチングを行う手段をそれぞれ備え、 前記スイッチングを行う手段は、入力回線および出力回
    線が相互に交叉するクロスポイントを備え、各クロスポ
    イントは階層を構成し、 クロスポイントは、 前記入力回線から到来するセルを抽出するアドレスフィ
    ルタと、抽出されたセルを一時蓄積する第一のバッファ
    と、他のクロスポイントから到来するセルを一時蓄積す
    る第二のバッファと、この第二のバッファと前記第一の
    バッファの先頭セルについてそれぞれその時刻情報を比
    較しこの時刻情報の若い方のセルを他のクロスポイント
    又は出力方路へ送出する手段とを備えたことを特徴とす
    るATMスイッチ。
  10. 【請求項10】 前記アドレスフィルタは、自己のアド
    レスを有するセルを有効セルとして取り込み、他のアド
    レスを有するセルについては該セルの時刻情報を付加し
    たダミーセルを生成し、該有効セル又はダミーセルを前
    記第一のバッファに蓄積し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が等しく、時刻情報も等しい場合には、k
    (kは自然数)番目のクロスポイントにおいて第一のバ
    ッファと第二のバッファの先頭セルを1対k−1の比の
    確率で選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ送出
    し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が異なり、時刻情報が等しい場合には、前記
    有効セルを選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ
    送出する請求項9に記載のATMスイッチ。
  11. 【請求項11】 少なくとも1つの単位スイッチを有す
    るATMスイッチにおいて、 前記単位スイッチにおいて、入力回線を複数のグループ
    に分類し、該単位スイッチは、このグループ内でセル
    に付与された時刻情報を比較、この比較の結果にした
    がって最も若い時刻情報を有するセルを選択するセル選
    手段を複数段備え、 この単位スイッチのi(iは2以上の自然数)段目のセ
    ル選択手段は、i−1段目のセル選択手段の出回線を入
    回線とすることを特徴とするATMスイッチ。
  12. 【請求項12】 前記単位スイッチを含む基本スイッチ
    が複数並列に配置された請求項11記載のATMスイッ
    チ。
  13. 【請求項13】 一つのセルを複数のショートセルに分
    割する手段と、この分割する手段により分割された複数
    のショートセルを複数並列に配置された前記基本スイッ
    チに転送する手段と、この基本スイッチを介して転送さ
    れた前記ショートセルを元のセルに合成する手段とを備
    え、 到来するセルに第一の時刻情報を付与する手段と、この
    セルを分割して得られたショートセルに第二の時刻情報
    を付与する手段とを備え、 この第一の時刻情報にしたがって前記基本スイッチ内の
    ショートセル順序保証制御を実行する手段を備え、 前記第二の時刻情報にしたがって前記合成する手段内の
    セル順序保証制御を実行する手段を備えた請求項12記
    載のATMスイッチ。
  14. 【請求項14】 前記分割する手段は、前記一つのセル
    のペイロードを複数に分割し、それぞれ分割されたペイ
    ロードのオーバヘッドを書き直す手段を含む請求項13
    記載のATMスイッチ。
  15. 【請求項15】 前記複数の基本スイッチの出力ショー
    トセル数をそれぞれ計数する手段と、この計数する手段
    の計数値が等しい複数の出力ショートセルのビット情報
    の内容をそれぞれ比較する手段とを更に備え、 前記合成する手段は、この比較する手段の比較結果にし
    たがって前記ビット情報の内容が等しい複数のショート
    セルを元のセルに合成する手段を含むことを特徴とする
    請求項13に記載のATMスイッチ。
  16. 【請求項16】 前記計数する手段に代えて前記複数の
    基本スイッチの推定遅延時間tを求める手段を備え、 前記比較する手段に代えて前記複数の基本スイッチから
    遅延時間t±τ内に出力されたショートセルについてそ
    のビット情報の内容をそれぞれ比較する手段を備えた請
    求項15記載のATMスイッチ。
  17. 【請求項17】 前記推定遅延時間tを求める手段は、
    前記基本スイッチに入力される所定セルの入力時刻とこ
    のセルが前記基本スイッチから出力される出力時刻とを
    比較することにより前記推定遅延時間tを求める手段を
    含む請求項16記載のATMスイッチ。
  18. 【請求項18】 少なくとも1つの単位スイッチを有す
    るATMスイッチにおいて、 前記単位スイッチは、出力回線毎に出力バッファ部を備
    え、 各出力バッファ部は、入力回線毎に出力バッファを備
    え、該出力バッファにはタイムソータ部が接続され、前記出力バッファの前段にアドレスフィルタを備え、 該アドレスフィルタは前記入力回線から到着したセルの
    宛先が当該出力回線と一致する場合に該セルを有効セル
    として前記出力バッファに格納し、一致しない場合には
    時刻情報のみを抽出してダミーセルとして格納し、 前記タイムソータ部は各出力バッファに格納された先頭
    セルのうち時刻情報が最小のセルを前記出力回線へ出力
    することを特徴とするATMスイッチ。
  19. 【請求項19】 前記単位スイッチにダミーセルが到着
    すると、 該ダミーセルは全ての出力バッファに格納される 請求項
    18に記載のATMスイッチ。
  20. 【請求項20】 前記ATMスイッチは、 セルに時刻情報を付与する手段を有し、 該手段は、到着セルがない場合にはダミーセルを発生す
    請求項18に記載のATMスイッチ。
  21. 【請求項21】 前記時刻情報は所定の周期で繰り返す
    値であり、前記付加する手段は前記時刻情報とともに前
    記周期を識別するフラグを前記セルに付加し、前記単位
    スイッチは該フラグを参照して、前記周期を識別する請
    求項18に記載のATMスイッチ。
  22. 【請求項22】 複数の単位スイッチからなる段が複数
    段接続されたATMスイッチにおいて、 1段目の単位スイッチにセル分配部を備え、 該セル分配部は、 所定の時間内にセルの宛先グループ別にどのルートを用
    いてセルを転送したかの情報を有するセル分配履歴表を
    有し、 セルが到着すると、該セルの宛先グループを判別し、セ
    ル分配履歴表を参照して、前記宛先グループに対応する
    セル分配履歴中のルートのうち一定時間内で転送したセ
    ル数が最小のルートを前記ルーティング経路として決定
    し、ルーティング経路が決定されるたびに履歴表を更新
    し、 前記ATMスイッチ内におけるルートの負荷が平滑化す
    るようにセルのルーティング経路を決定することを特徴
    とする ATMスイッチ。
  23. 【請求項23】 複数の単位スイッチからなる段が複数
    段接続されたATMスイッチにおいて、前記単位スイッチは、入力されたセルのヘッダに書込ま
    れた時刻情報を参照しこの時刻情報の若い順に出力方路
    へのスイッチングを行う手段をそれぞれ備え、 1段目の単位スイッチはセル分配部を備え、 該セル分配部は、 所定の時間内にセルの宛先グループ別にどのルートを用
    いてセルを転送したかの情報を有するセル分配履歴表を
    有し、 セルが到着すると、該セルの宛先グループを判別し、セ
    ル分配履歴表を参照して、前記宛先グループに対応する
    セル分配履歴中のルートのうち一定時間内で転送したセ
    ル数が最小のルートを前記ルーティング経路として決定
    し、ルーティング経路が決定されるたびに履歴表を更新
    し、 前記ATMスイッチ内におけるルートの負荷が平滑化す
    るようにセルのルーティング経路を決定することを特徴
    とするATMスイッチ。
  24. 【請求項24】 少なくとも1つの単位スイッチを有す
    るセルスイッチにおいて、 前記単位スイッチは、入力されたセルのヘッダに書込ま
    れた時刻情報を参照しこの時刻情報の若い順に出力方路
    へのスイッチングを行う手段をそれぞれ備え、 前記スイッチングを行う手段は、入力回線および出力回
    線が相互に交叉するクロスポイントを備え、各クロスポ
    イントは階層を構成し、 該各クロスポイントは、 前記入力回線から到来するセルを抽出するアドレスフィ
    ルタと、抽出されたセルを一時蓄積する第一のバッファ
    と、他のクロスポイントから到来するセルを一時蓄積す
    る第二のバッファと、この第二のバッファと前記第一の
    バッファの先頭セルについてそれぞれその時刻情報を比
    較しこの時刻情報の若い方のセルを他のクロスポイント
    又は出力方路へ送出する手段とを備えたことを特徴とす
    るセルスイッチ
  25. 【請求項25】 前記アドレスフィルタは、自己のアド
    レスを有するセルを有効セルとして取り込み、他のアド
    レスを有するセルについては該セルの時刻情報を付加し
    たダミーセルを生成し、該有効セル又はダミーセルを前
    記第一のバッファに蓄積し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が等しく、時刻情報も等しい場合には、k
    (kは自然数)番目のクロスポイントにおいて第一のバ
    ッファと第二のバッファの先頭セルを1対k−1の比の
    確率で選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ送出
    し、前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が異なり、 時刻情報が等しい場合には、前記
    有効セルを選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ
    送出する請求項24に記載の セルスイッチ。
  26. 【請求項26】 少なくとも1つの単位スイッチを有す
    るセルスイッチを複数備え、このセルスイッチが相互に
    接続された大規模セルスイッチであって、 前記単位スイッチは、入力されたセルのヘッダに書込ま
    れた時刻情報を参照しこの時刻情報の若い順に出力方路
    へのスイッチングを行う手段をそれぞれ備え、 前記スイッチングを行う手段は、入力回線および出力回
    線が相互に交叉するクロスポイントを備え、各クロスポ
    イントは階層を構成し、 該各クロスポイントは、 前記入力回線から到来するセルを抽出するアドレスフィ
    ルタと、抽出されたセルを一時蓄積する第一のバッファ
    と、他のクロスポイントから到来するセルを一時蓄積す
    る第二のバッファと、この第二のバッファと前記第一の
    バッファの先頭セルについてそれぞれその時刻情報を比
    較しこの時刻情報の若い方のセルを他のクロスポイント
    又は出力方路へ送出する手段とを備えたことを特徴とす
    大規模セルスイッチ。
  27. 【請求項27】 前記アドレスフィルタは、自己のアド
    レスを有するセルを有効セルとして取り込み、他のアド
    レスを有するセルについては該セルの時刻情報を付加し
    たダミーセルを生成し、該有効セル又はダミーセルを前
    記第一のバッファに蓄積し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が等しく、時刻情報も等しい場合には、k
    (kは自然数)番目のクロスポイントにおいて第一のバ
    ッファと第二のバッファの先頭セルを1対k−1の比の
    確率で選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ送出
    し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が異なり、時刻情報が等しい場合には、前記
    有効セルを選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ
    送出する請求項26に記載の 大規模セルスイッチ。
  28. 【請求項28】 少なくとも1つの単位スイッチを有す
    るセルスイッチにおいて、 前記単位スイッチは、入力回線を複数のグループに分類
    、該単位スイッチは このグループ内でセルに付与
    された時刻情報を比較、この比較の結果にしたがって
    最も若い時刻情報を有するセルを選択するセル選択手段
    複数段備え、この単位スイッチのi(iは2以上の自然数)段目のセ
    ル選択手段は、i−1段目のセル選択手段の出回線を入
    回線とすることを特徴とする セルスイッチ。
  29. 【請求項29】 前記単位スイッチを含む基本スイッチ
    が複数並列に配置された請求項28記載のセルスイッ
    チ。
  30. 【請求項30】 一つのセルを複数のショートセルに分
    割する手段と、この分割する手段により分割された複数
    のショートセルを複数並列に配置された前記基本スイッ
    チに転送する手段と、この基本スイッチを介して転送さ
    れた前記ショートセルを元のセルに合成する手段とを備
    え、 到来するセルに第一の時刻情報を付与する手段と、この
    セルを分割して得られたショートセルに第二の時刻情報
    を付与する手段とを備え、 この第一の時刻情報にしたがって前記基本スイッチ内の
    ショートセル順序保証制御を実行する手段を備え、 前記第二の時刻情報にしたがって前記合成する手段内の
    セル順序保証制御を実行する手段を備えた請求項29記
    載の セルスイッチ。
  31. 【請求項31】 前記複数の基本スイッチの出力ショー
    トセル数をそれぞれ計数する手段と、この計数する手段
    の計数値が等しい複数の出力ショートセルのビット情報
    の内容をそれぞれ比較する手段とを更に備え、 前記合成する手段は、この比較する手段の比較結果にし
    たがって前記ビット情報の内容が等しい複数のショート
    セルを元のセルに合成する手段を含むことを特徴とする
    請求項30に記載のセルスイッチ。
  32. 【請求項32】 少なくとも1つの単位スイッチを有す
    るセルスイッチにおいて、 前記単位スイッチは、出力回線毎に出力バッファ部を備
    え、 各出力バッファ部は、入力回線毎に出力バッファを備
    え、該出力バッファにはタイムソータ部が接続され、 前記出力バッファの前段にアドレスフィルタを備え、 該アドレスフィルタは前記入力回線から到着したセルの
    宛先が当該出力回線と 一致する場合に該セルを有効セル
    として前記出力バッファに格納し、一致しない場合には
    時刻情報のみを抽出してダミーセルとして格納し、 該タイムソータ部は各出力バッファに格納された先頭セ
    ルのうち時刻情報が最小のセルを前記出力回線へ出力す
    ることを特徴とする セルスイッチ。
  33. 【請求項33】 複数の単位スイッチからなる段が複数
    段接続されたセルスイッチにおいて、 1段目の単位スイッチにセル分配部を備え、 該セル分配部は、 所定の時間内にセルの宛先グループ別にどのルートを用
    いてセルを転送したかの情報を有するセル分配履歴表を
    有し、 セルが到着すると、該セルの宛先グループを判別し、セ
    ル分配履歴表を参照して、前記宛先グループに対応する
    セル分配履歴中のルートのうち一定時間内で転送したセ
    ル数が最小のルートを前記ルーティング経路として決定
    し、ルーティング経路が決定されるたびに履歴表を更新
    し、 前記セルスイッチ内におけるルートの負荷が平滑化する
    ようにセルのルーティング経路を決定することを特徴と
    する セルスイッチ。
  34. 【請求項34】 複数の単位スイッチからなる段が複数
    段接続されたセルスイッチにおいて、前記単位スイッチは、入力されたセルのヘッダに書込ま
    れた時刻情報を参照しこの時刻情報の若い順に出力方路
    へのスイッチングを行う手段をそれぞれ備え、 1段目の単位スイッチはセル分配部を備え、 該セル分配部は、 所定の時間内にセルの宛先グループ別にどのルートを用
    いてセルを転送したかの情報を有するセル分配履歴表を
    有し、 セルが到着すると、該セルの宛先グループを判別し、セ
    ル分配履歴表を参照して、前記宛先グループに対応する
    セル分配履歴中のルートのうち一定時間内で転送したセ
    ル数が最小のルートを前記ルーティング経路として決定
    し、ルーティング経路が決定されるたびに履歴表を更新
    し、 前記セルスイッチ内におけるルートの負荷が平滑化する
    ようにセルのルーティング経路を決定することを特徴と
    するセルスイッチ。
  35. 【請求項35】 セルを入力し、該セルのヘッダ情報に
    基き、該セルを所定の出力回線に出力する単位スイッチ
    において、 入力されたセルのヘッダに書込まれた時刻情報を参照し
    この時刻情報の若い順に出力回線へのスイッチングを行
    う手段を備え、 前記スイッチングを行う手段は、入力回線および出力回
    線が相互に交叉するクロスポイントを備え、各クロスポ
    イントは階層を構成し、 該各クロスポイントは、 前記入力回線から到来するセルを抽出するアドレスフィ
    ルタと、抽出されたセルを一時蓄積する第一のバッファ
    と、他のクロスポイントから到来するセルを一時蓄積す
    る第二のバッファと、この第二のバッファと前記第一の
    バッファの先頭セルについてそれぞれその時刻情報を比
    較しこの時刻情報の若い方のセルを他のクロスポイント
    又は出力回線へ送出する手段とを備えたことを特徴とす
    る単位スイッチ
  36. 【請求項36】 前記アドレスフィルタは、自己のアド
    レスを有するセルを有効セルとして取り込み、他のアド
    レスを有するセルについては該セルの時刻情報を付加し
    たダミーセルを生成し、該有効セル又はダミーセルを前
    記第一のバッファに蓄積し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が等しく、時刻情報も等しい場合には、k
    (kは自然数)番目のクロスポイントにおいて第一のバ
    ッファと第二のバッファの先頭セルを1対k−1の比の
    確率で選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ送出
    し、 前記第一のバッファと前記第二のバッファにおける先頭
    セルの種類が異なり、時刻情報が等しい場合には、前記
    有効セルを選択し、他のクロスポイント又は出力方路へ
    送出する請求項35に記載の 単位スイッチ。
  37. 【請求項37】 セルを入力し、該セルのヘッダ情報に
    基き、該セルを所定の出力回線に出力する単位スイッチ
    において、 入力回線を複数のグループに分類し、該単位スイッチ
    は、この各グループ内でセルに付与された時刻情報を比
    較し、この比較の結果にしたがって最も若い時刻 情報を
    有するセルを選択するセル選択手段を複数段備え、 このスイッチのi(iは2以上の自然数)段目のセル選
    択手段は、i−1段目のセル選択手段の出回線を入回線
    とすることを特徴とする 単位スイッチ。
  38. 【請求項38】 セルを入力し、該セルのヘッダ情報に
    基き、該セルを所定の出力回線に出力する単位スイッチ
    において、出力回線毎に出力バッファ部を備え、 各出力バッファ部は、入力回線毎に出力バッファを備
    え、該出力バッファにはタイムソータ部が接続され、 前記出力バッファの前段にアドレスフィルタを備え、 該アドレスフィルタは前記入力回線から到着したセルの
    宛先が当該出力回線と一致する場合に該セルを有効セル
    として前記出力バッファに格納し、一致しない場合には
    時刻情報のみを抽出してダミーセルとして格納し、 該タイムソータ部は各出力バッファに格納された先頭セ
    ルのうち時刻情報が最小のセルを前記出力回線へ出力
    ることを特徴とする単位スイッチ。
  39. 【請求項39】 前記単位スイッチにダミーセルが到着
    すると、 該ダミーセルは全ての出力バッファに格納される請求項
    38に記載の 単位スイッチ。
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