JP3318566B2 - イオンエンジン - Google Patents
イオンエンジンInfo
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Description
造物に搭載されるイオンエンジンに関する。
道制御、南北位置保持、推進などにイオンエンジンが用
いられている。
型イオンエンジンの主要部は通常、図4に示すように構
成されている。すなわち、図中1は円筒状に形成された
金属材製のシールドケースを示している。このシールド
ケース1の周壁には小孔2が多数形成されている。そし
てシールドケース1内には金属材で有底筒状に形成され
た放電容器3が同心的に配置されている。この放電容器
3の開口部はスクリーン電極板4と加速電極板5とから
なる加速電極によって蓋されている。これらの電極板
4,5には、それぞれ数千個のイオンビーム通過孔6が
同軸的に形成されている。放電容器3の底壁中央部には
小径の開口部7が形成されており、この開口部7は筒体
8を介してガス導入系9に通じている。そして、筒体8
内には主陰極となるホローカソード10が配置されてい
る。また、放電容器3の内壁面にはN極とS極とを交互
に内側に位置させるように環状の磁石11が複数固定さ
れている。
10に対して放電容器3が陽極電位に保たれる。スクリ
ーン電極板4には放電容器3の電位に対しては負、シー
ルドケース1の電位に対しては正の電位が与えられる。
また、加速電極板5にはシールドケース1に対して負の
電位が与えられる。
ノンガス)がガス導入系9からホローカソード10内を
通って放電容器3内に導入されると、ホローカソード1
0と放電容器3との間に放電が生起され、ホローカソー
ド10から放出された電子が加速される。この電子が放
電容器3内のXeガスに衝突し、放電容器3内に電離プ
ラズマが生成される。この電離プラズマは、磁石11の
作るカスプ磁場によって放電容器3の内周面から離れた
領域に、いわゆる閉じ込められる。
5とによって、電離プラズマからXe+ イオンが引き出
され、1keV程度の運動エネルギが与えられてイオン
ビーム通過孔6から宇宙空間に放出される。この放出に
伴う反力が推力となる。中和器12は放出されたXe+
イオンビームと同じ量の電子eを宇宙空間に放出して中
和し、人工衛星などの宇宙構造物が帯電するのを防止す
る。
電容器3の壁面から電離プラズマを遠ざけ、これによっ
て放電容器3の壁面を介しての損失を小さくするように
したイオンエンジンでは、磁石11を如何に冷却するか
が問題となる。すなわち、イオンエンジンに用いられて
いる磁石11は、通常Sm−Co材で形成されている。
この材料で形成された磁石は、250℃以上になると急
激に減磁する。したがって、電離プラズマの閉じ込め作
用を良好に発揮させるには、磁石11を冷却し、250
℃以下に保つ必要がある。
容器3の外表面に熱輻射率の高いアルミナ溶射層13を
設け、このアルミナ溶射層13からシールドケース1に
設けられた小孔2を通して放射状に熱を放射させて放電
容器3を冷却し、これによって磁石11の温度上昇を防
止するようにしている。また、イオンエンジンを宇宙空
間で使用すると、太陽光にさらされるが、アルミナ溶射
層13を可視光線に対する吸収率の低い白色とし、これ
によって太陽光による磁石11の温度上昇を防止してい
る。
来のイオンエンジンにあっては次のような問題があっ
た。すなわち、イオンエンジンを作動させた場合、放電
によって放電容器3から、またイオンビームによって加
速電極板5から、それぞれの構成材がスパッタされ、微
細な粒子となってイオンエンジンの周辺に飛散する。こ
の微細な粒子は、イオンビームまたは中和器13からの
電子によってイオン化され、荷電粒子となってイオンエ
ンジン周辺を浮遊する。このうち負に帯電した粒子の一
部は、放電容器3がシールドケース1に対して正の電位
に保たれているために放電容器3にひきつけられ、放電
容器3の外表面に形成された高熱輻射率のアルミナ溶射
層13の表面に付着する。
経過にしたがい放電容器3の外表面に形成されたアルミ
ナ溶射層13の表面が荷電粒子の付着によって徐々に黒
く変色してゆく。
せた場合、アルミナ溶射層13の可視光線に対する吸収
率が高くなり、太陽熱を吸収して磁石11が温度上昇す
る。このため、磁石11を250℃未満に保つことが困
難となり、放電容器3の壁面を介しての損失が大きくな
るという問題があった。
ンエンジンでは、イオンエンジンを長時間に亘って作動
させた場合に、高熱輻射率層の表面が黒く変色し、可視
光線に対する吸収率が高くなって、カスプ磁界を形成す
るための磁石の温度を許容限界値以下に抑えることが困
難であった。
作動させた場合でも、磁石の温度を許容限界値以下に抑
えることができるイオンエンジンを提供することを目的
としている。
に、本発明は、小孔を複数備えたシールドケースと、こ
のシールドケース内に配設された放電容器と、この放電
容器に接続されて上記放電容器内に作動ガスを導入する
ガス導入系と、このガス導入系によって導かれた作動ガ
スを電離させて前記放電容器内にプラズマを生成する手
段と、前記放電容器に取り付けられて上記放電容器の内
壁から離れた領域に前記プラズマを位置させるためのカ
スプ磁場を形成する複数の磁石と、前記プラズマ中のイ
オンを取り出し加速して前記放電容器の外部へ送り出す
加速電極と、前記放電容器の外表面に設けられた高熱輻
射率層とを備えたイオンエンジンにおいて、前記放電容
器と前記シールドケースとの間に、前記シールドケース
に対して負の電位を与えられた荷電粒子防止部材を備え
ている。
る。
した粒子が放電容器の外表面に向けて進行しようとして
も負の電位を与えられた荷電粒子防止部材の存在によっ
て反発力を受け、放電容器の外表面に設けられた高熱輻
射率層に付着することはない。したがって、イオンエン
ジンを長時間作動させた場合でも、高熱輻射率層の表面
を白色に保つことができ、可視光線に対する吸収率増加
を防止できるので磁石の温度を許容限界値以下に抑える
ことが可能となる。
る。
ンエンジンを一部切欠した斜視図が示されている。この
図では、図4と同一機能部分に同一符号が付されてい
る。したがって、重複する部分の詳しい説明は省略す
る。この実施例に係るイオンエンジンが従来のイオンエ
ンジンと異なる点は、放電容器3とシールドケース1と
の間に荷電粒子防止部材を設けたことにある。
状の荷電粒子防止網20が放電容器3と同心的に配置さ
れている。この荷電粒子防止網20はシールドケース1
に対して負の電位に保たれている。
の周辺に存在する負に帯電した粒子が放電容器3側に進
もうとしても負の電位に保たれた荷電粒子防止網20の
存在によって反発力を受け、これらがアルミナ溶射層1
3に付着するようなことはない。このため、長時間イオ
ンエンジンを作動させても、アルミナ溶射層13は白色
に保たれる。したがって、アルミナ溶射層13の可視光
線に対する吸収率を低い状態に維持でき、この結果、太
陽熱によって磁石11の温度が上昇するのを防止でき
る。
は、荷電粒子防止網20の網目およびシールドケース1
に設けられた小孔2を通して放射される。したがって、
荷電粒子防止網20の存在によって、放電容器3の冷却
が損なわれるようなことはない。
ンエンジンを一部切欠した斜視図が示されている。この
図では、図1と同一機能部分に同一符号が付されてい
る。したがって、重複する部分の詳しい説明は省略す
る。
れた荷電粒子防止板30を放電容器3とシールドケース
1との間に配置している。この荷電粒子防止板30の周
壁には孔31が多数形成されている。この荷電粒子防止
板30はシールドケース1に対して負の電位に保たれて
いる。。
効果が得られる。また、アルミナ溶射層13からの輻射
熱は孔31およびシールドケース1に設けられた小孔2
を通して放射される。したがって、荷電粒子防止板30
の存在によって、放電容器3の冷却が損なわれるような
ことはない。
ンエンジンを一部切欠した斜視図が示されている。この
図においても、図2と同一機能部分に同一符号が付され
ている。したがって、重複する部分の詳しい説明は省略
する。
電粒子防止板40が設けられており、荷電粒子防止板4
0の端部が加速電極板5に接続されている。この荷電粒
子防止板40の周壁には孔41が多数形成されている。
例と同様の効果が得られるとともに、加速電極板5およ
び荷電粒子防止板30の電位をシールドケース1に対し
て負に保つための電源を格別に設ける必要がないため、
装置の構成を単純化できる。
れるものではない。すなわち、上述した実施例では推進
剤としてXeガスを使用しているが、Xeガスに限定さ
れるものではない。加速電極も二枚のものを使用してい
るが、二枚に限定されない。また、上述した実施例では
本発明を電子衝撃型のイオンエンジンに適用したもので
あるが、高周波型やマイクロ波型のイオンエンジンにも
同様に適用できる。さらに、本発明は、本発明の要旨を
逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
イオンエンジンを長時間作動させた場合でも、放電容器
の外表面に設けられている高熱輻射率層の可視光線に対
する吸収率増加を防止でき、この結果として磁石の温度
を許容限界値以下に抑えることが可能となる。
一部切欠して示す斜視図。
一部切欠して示す斜視図。
一部切欠して示す斜視図。
図。
電容器、 4…スクリーン電極板、
5…加速電極板、 9…ガス導入系、
10…主陰極用ホローカソード、 11…磁石、12
…中和器、 13…アルミナ溶射
層、20…荷電粒子防止網、 30,40…
荷電粒子防止板、31,41…孔。
Claims (4)
- 【請求項1】小孔を複数備えたシールドケースと、この
シールドケース内に配設された放電容器と、この放電容
器に接続されて上記放電容器内に作動ガスを導入するガ
ス導入系と、このガス導入系によって導かれた作動ガス
を電離させて前記放電容器内にプラズマを生成する手段
と、前記放電容器に取り付けられて上記放電容器の壁面
から離れた領域に前記プラズマを位置させるためのカス
プ磁場を形成する複数の磁石と、前記プラズマ中のイオ
ンを取り出し加速して前記放電容器の外部へ送り出す加
速電極と、前記放電容器の外表面に設けられた高熱輻射
率層とを備えたイオンエンジンにおいて、 前記放電容器と前記シールドケースとの間に、上記シー
ルドケースに対して負電位に保たれた荷電粒子防止部材
が設けられていることを特徴とするイオンエンジン。 - 【請求項2】前記荷電粒子防止部材は、金属線によって
網状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載
のイオンエンジン。 - 【請求項3】前記荷電粒子防止部材は、孔を有する金属
板によって形成されていることを特徴とする請求項1に
記載のイオンエンジン。 - 【請求項4】前記荷電粒子防止部材は、前記加速電極を
構成する電極板のうちの前記シールドケースより負電位
に保たれたものに接続されていることを特徴とする請求
項1、2または3に記載のイオンエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03579193A JP3318566B2 (ja) | 1993-02-24 | 1993-02-24 | イオンエンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03579193A JP3318566B2 (ja) | 1993-02-24 | 1993-02-24 | イオンエンジン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06249131A JPH06249131A (ja) | 1994-09-06 |
JP3318566B2 true JP3318566B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=12451746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03579193A Expired - Lifetime JP3318566B2 (ja) | 1993-02-24 | 1993-02-24 | イオンエンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3318566B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10130464B4 (de) * | 2001-06-23 | 2010-09-16 | Thales Electron Devices Gmbh | Plasmabeschleuniger-Anordnung |
-
1993
- 1993-02-24 JP JP03579193A patent/JP3318566B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06249131A (ja) | 1994-09-06 |
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