JP3317862B2 - Esrイメージング装置 - Google Patents

Esrイメージング装置

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JP3317862B2
JP3317862B2 JP29012296A JP29012296A JP3317862B2 JP 3317862 B2 JP3317862 B2 JP 3317862B2 JP 29012296 A JP29012296 A JP 29012296A JP 29012296 A JP29012296 A JP 29012296A JP 3317862 B2 JP3317862 B2 JP 3317862B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超微細構造による
複数本のスペクトルを持つラジカルを造影剤としてES
Rイメージングを行うESRイメージング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図8は磁場勾配を加えないで測定したニ
トロキシルラジカルTEMPOLのESR一次元スペク
トルの例を示す図、図9は不要成分消去方法を説明する
ための図、図10は重複成分分離方法を説明するための
図である。
【0003】磁場勾配を加えないで測定したニトロキシ
ルラジカルTEMPOLのESR一次元スペクトルの例
を示したのが図8であり、左側が低磁場、右側が高磁場
である。CW法ESRイメージングでは観測幅=磁場掃
引幅となり、サンプルポイントは、ESR信号をコンピ
ュータに取り込む時の測定ポイント数となる。ニトロキ
シルラジカルは、生体ESRイメージング測定を行う場
合に生体に投与するスピンラベル剤(造影剤)であり、
超微細相互作用などのために線幅が広く線形が複雑であ
る。これをそのまま、ESRイメージングすると、ES
Rスペクトルデータは、複数の成分が重なり合うため
に、再構成した画像に重なり合った成分がノイズ(アー
チファクト)となり画質が著しく悪化する。この問題
は、ESRイメージング特有の技術的な問題であり、E
SRイメージングがNMRイメージングのように医療診
断装置に発展しなかった要因の1つである。一方、この
問題を解決するために、多くの研究がなされている。そ
の中で、現在、既に使われていたり、考えられている技
法として、ESR画像信号を取り込んだ後の、画像再
構成処理の過程の中でスペクトルデータから不要なスペ
クトル成分を消去する不要成分消去方法、ESR画像
信号の取り込み時に、強い磁場勾配を加えて重複する信
号成分を分離する重複成分分離方法、からなる2種類の
方法がある。
【0004】3本線の超微細構造(hfs)を持つ図8
に示すニトロキシルラジカルTEMPOLにより従来の
不要成分消去方法及び重複成分分離方法について説明す
る。不要成分消去方法では、まず、3本のスペクトルの
線形が合同であるとして、重なり合わない端からの信号
を超微細結合定数ずらして差し引く処理を繰り返すこと
で分離する方法であり、以下のような左からの消去処
理、右からの消去処理、平均化処理、スペクトルの先鋭
化の後、画像再構成処理を行う。
【0005】左からの消去処理は、磁場勾配を加えずE
SRを測定して、超微細結合定数hNを前もって求めて
おき、磁場勾配を加えて得られた図9(A)に示すよう
なESRスペクトルの左端点(低磁場側)をH1、そこ
からhN離れた高磁場の位置をH2、2hN離れた高磁
場の位置をH3とする。そして、H2、H3における信
号強度からH1における信号強度を引算し、図9(B)
〜(D)に示すようにH1を1ステップずつ右方向へ移
動しながら同様の操作を行い、H1における信号強度
を、H2における消去処理した信号強度(H2)とす
る。右からの消去処理は、上記のような左からの消去処
理と同様の処理を右端(高磁場側)から行う方法であ
る。
【0006】平均化の処理は、上記右からの消去方法は
右方に、左からの消去方法は左方に、消去誤差が集積す
る傾向があるために、これらの2つの波形の平均を求め
中心波形を得る方法である。スペクトルの先鋭化は、磁
場勾配を加えESR微分スペクトルを積分スペクトルに
直し、右からの消去処理、左からの消去処理、平均化の
処理を実行した後の中心波形に対してさらにデコンボリ
ューション処理を行うものである。
【0007】また、重複成分分離方法では、観測幅(磁
場掃引幅)として図10(B)に示すようにスペクトル
A,B,Cの分離幅をカバーする広さにする。不要成分
消去方法を採用する場合に加える磁場勾配の強さによる
スペクトルの広がりは、図10(A)に示すようにな
り、このスペクトルは、強い磁場勾配にすることにより
図10(B)に示すように分離した状態になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図11は観測幅と半値
幅及び半値幅の磁場勾配による移動量の関係を示す図で
ある。従来の不要成分消去方法には、次のような問題が
ある。 .上記のように3本信号のスペクトルデータを取り込
んだ後に、コンピュータで消去処理した結果が図9
(D)のようになるため、消去したスペクトルの観測領
域が無駄となっている。このことは、取り込みサンプリ
ングポイントに対して画像再構成時のデジタル分解能が
少なくなり、再構成されたイメージ画像の分解能が著し
く低下する。
【0009】.画像の分解能を上げるためには、図1
1(A)に示すようにニトロキシラジカル3本スペクト
ルの半値幅ΔH1/2 は広いため、磁場勾配をさらに強く
加える必要がある。一方、磁場勾配を強くするとスペク
トルの移動距離も増えるため、観測幅(磁場掃引幅)を
広げる必要もあり、装置を設計する上で複雑になり、開
発・生産コストも増大する。観測幅(磁場掃引幅)を広
げないと、図11(B)に示すように磁場勾配を加えた
時のスペクトルデータαmax*δzが観測幅からはみ
出すことになり、消去法はさらに複雑になる。また、画
像再構成演算誤差が多く画像にならないことになる。
【0010】.取り込み時に受信されるESR信号
は、生体内の動き、装置の変動、サンプル濃度でノイズ
と信号の比が悪く、これらの要因からスペクトルデータ
は、必ずしも3本が合同な形でないために、処理誤差が
多くなり消え残りがアーチィファクトとなる。
【0011】.不要スペクトル消去後に、スペクトル
のラインシェープをよくするために、ディコンボリュー
ション処理が行われるが、スペクトルデータにノイズが
多く混入していたり、ベースライン変動のあるデータの
処理では、大きな疑似信号(ゴースト信号)が現れ、画
像再構成のためのスペクトルデータの意味を持たなくな
る。つまり、信頼のおける画像ではなくなる。
【0012】.スペクトルデータより多くの処理系を
経て画像再構成されるために、測定物のラジカル分布の
存在しか判断できない画像となる。
【0013】.コンピュータが行う画像再構成演算処
理の作業の流れ中で行うため、画像再構成演算に掛かる
時間が遅くなる。
【0014】また、重複成分分離方法には、以下のよう
な問題がある。 .強い磁場勾配を発生させるための磁場勾配コイルや
勾配電源を準備する必要がある。
【0015】.図10に示すようにA,B,Cのスペ
クトルが分離できる磁場掃引コイルや磁場掃引電源、又
は高速掃引ができる静磁場電磁石を準備する必要があ
る。
【0016】.画像再構成処理で必要とするスペクト
ルデータは図11のA,B,Cのいずれかであるが、E
SR画像信号を取り込む場合は、図10のA,B,Cの
スペクトルデータをカバーする観測幅を指定したサンプ
リングポイントでサンプリングするために再構成画像の
分解能は、取り込み時サンプリングポイントで決まり、
結果的にサンプリング効率が悪くなる。
【0017】.やの対応には、磁場勾配や磁場掃
引の技術開発がさらに難しくなり、生産コストの増大に
つながる。
【0018】以上のように不要成分消去方法では、画質
の向上にあまり有効な技法でないことが装置開発の過程
で証明され、また、重複成分分離方法では、強力で安定
な磁場勾配を発生するシステムが要求されるというよう
に、それぞれに多くの問題を有している。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するものであって、ESR画像信号の取り込み時に、
ニトロキシルラジカルの不要な信号成分を受信しない
で、必要な信号のみを受信した後に、2次元・3次元投
影再構成によるESRイメージングを行えるようにする
ものである。
【0020】そのために本発明は、超微細構造による複
数本のスペクトルを持つラジカルを造影剤としてESR
イメージングを行うESRイメージング装置において、
前記複数本のうちの1本のスペクトルの信号のみを受信
するように観測幅を調整すると共に当該信号が観測中心
にくるように静磁場オフセットを調整してESRイメー
ジングを行うようにしたことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は本発明に係るESRイメ
ージング方法の実施の形態を示す図、図2は本発明に係
るESRイメージング方法の操作手順を説明するための
図、図3は観測幅と観測中心の設定を説明するための図
である。
【0022】磁場勾配を加えない時のニトロキシラジカ
ルのESR信号3本スペクトルは、図1Aに示すように
微分波形で、スペクトル間隔hNが1.37mT、A,
B,C各スペクトル線幅sHが0.16mT、ニトロキ
シラジカル試料の線幅sTが3.87mTとなる。これ
に対し、ESRイメージング方法では、磁場勾配を加え
ない時のニトロキシラジカルのESR信号3本スペクト
ルA,B,Cのどれか1本の信号を用いて画像化すれば
よい。そこで、本発明では、測定条件を観測幅(ラピッ
ドコイルによる掃引幅)sW=10.5mT、取り込み
のサンプリングポイントsP=512で設定された図1
Aに示すニトロキシラジカルのESR信号3本スペクト
ルに対し、図1Bに示すようにA信号の観測幅sTNの
範囲を設定し、メッシュで示したB,Cの信号は観測幅
から外して取り込まないようにすることによって、A信
号でイメージングする。
【0023】そのため図2に示すように、まず、磁場勾
配を加えないスペクトルを取る(ステップS11)。次
に、静磁場オフセットを操作し、観測中心にA信号がく
るように静磁場オフセットを設定する(ステップS1
2)。つまり、図3Aに示すように観測幅sTN=2.
74mTとし、サンプリングポイントsP=512の中
心にA信号がくるようにする。そして、図3Bに示すよ
うにスペクトルデータがこの設定した観測幅からはみだ
さない強さの磁場勾配を加え(ステップS13)、この
スペクトルデータにより画像化する(ステップS1
4)。
【0024】次に、本発明に係るESRイメージング方
法を実現する画像化装置について説明する。図4は核磁
気共鳴・電子スピン共鳴両用イメージング装置の構成例
を示す図であり、1はホストコンピュータ、2はイメー
ジ制御用マイクロプロセッサ&パルスシーケンサ、3は
ESRスペクトロメータ、4はNMRスペクトロメー
タ、5はデバイダ、6はNMR・ESR検出器、7はN
MRヘッドアンプ、8はフィールド制御部、9はNMR
・ESR両用電磁石、10はカラーモニタ、11はカラ
ープリンタ、12は磁場勾配アンプ制御部、13−1〜
13−4は磁場勾配アンプ、14−1はX軸勾配コイ
ル、14−2はY軸勾配コイル、14−3はZ軸勾配コ
イル、14−4は磁場掃引コイルを示す。
【0025】図4において、ホストコンピュータ1は、
MRI−ESRイメージング測定と画像処理をするMR
I−ESRイメージング測定制御用のメインコンピュー
ターである。カラーモニタ10は、測定操作、処理画像
表示、カラーとグレースケール表示を行うものであり、
カラープリンター11は、画像をカラー印刷出力するも
のである。
【0026】イメージ制御用マイクロプロセッサ&パル
スシーケンサ2は、測定時のホストコンピュータ1との
情報交換やNMRスペクトロメータ3、ESRスペクト
ロメータ4、フィールド制御部8、磁場勾配アンプ制御
部12の制御、測定データの送受信を行うものであり、
パルスシーケンサによりMRI測定パルスシーケンス、
ESRイメージング測定シーケンスを発生してバスライ
ンを介しNMRスペクトロメータ3、ESRスペクトロ
メータ4を制御する。そのため、DAC制御部やDAC
(デジタル−アナログ コンバータ)、ADC(アナロ
グ−デジタルコンバータ)、ROM(リード オンリ
メモリ)、RAM(ランダム アクセス メモリ)を有
している。デバイダ5は、パルスシーケンサより供給さ
れる切り換え信号に基づき、内部リレーによりESRイ
メージング又はMRIの切り換えを行うものである。
【0027】DAC制御部では、測定時にシーケンスの
流れにそって勾配磁場強度、選択励起、静磁場等の制御
データをデジタル信号でDACに送る。DAC出力チャ
ンネル数として、磁場勾配用では磁場掃引(R)軸、X
軸、Y軸、Z軸の静磁場制御に2チャンネル、選択励起
の合計7個の出力チャンネルを有する。勾配用DAC
は、R、X、Y、Zの各軸のデジタル信号をアナログ波
形に変換して磁場勾配アンプ制御部12に送り、選択励
起パルス用DACは、MRI用励起パルス波形を作って
NMRスペクトロメータ3に送ることにより、NMRス
ペクトロメータ3のオシレータでRF(ラジオ)波とミ
キシングしてRF選択励起パルスをつくる。ADCは、
MRI−ESRイメージングの測定アナログ信号をデジ
タルに変換してイメージ制御用マイクロプロセッサに取
り込む。また、ROMには、磁場補正関数、SINC関
数、その他の関数データを格納し、RAMには、測定用
プログラムや測定データ、測定シーケンスを格納する。
【0028】フィールド制御部8は、NMR・ESR共
用電磁石9により静磁場の発生、その強度の制御を行っ
たり、イメージ制御用マイクロプロセッサからの指示に
基づきNMR・ESR共用電磁石9により発生する共鳴
磁場の切り換えを行うものである。切り換えモードとし
ては、スィープ方式とステップ方式がある。さらに、ホ
ストコンピュータ1から前もって静磁場のひずみを補正
計算し、最適化したファイル情報をイメージ制御用マイ
クロプロセッサに送り、フィールド制御部8で磁場強度
を測定に最もよい状態に制御する。
【0029】通常のイメージング測定では、ESRイメ
ージング共鳴磁場で一時とめて1画面のESRイメージ
ングの測定を行い、その測定終了後にMRI共鳴磁場ま
で静磁場をスィープしてMRIの測定を行う。また、M
RI/ESRイメージングの同時測定では、ESRイメ
ージング共鳴磁場で一時とめて1プロジェクション(射
影スペクトル)測定を行い、その測定終了後にMRI共
鳴磁場までスィープしてMRIの1プロジェクション測
定を行い、これを繰り返すことによって測定を行う。
【0030】磁場勾配アンプ制御部12は、エディーカ
レント防止回路や勾配電源自動遮断回路、磁場勾配コイ
ル加熱防止回路を有し、イメージ制御用マイクロプロセ
ッサ&パルスシーケンサ2から供給される磁場勾配波形
の整形を行って、その出力を勾配電源である磁場勾配ア
ンプ13−1〜13−4に送る。X軸勾配コイル14−
1、Y軸勾配コイル14−2、Z軸勾配コイル14−3
は、x、y、z磁場勾配を発生するコイルであり、磁場
掃引コイル14−4は、CW法MRI−CW法ESRイ
メージング両用に設けられる掃引空芯コイルである。
【0031】図5はNMR/ESR検出部(プローブ)
の構成例を示す図、図6はMRI/ESRイメージング
の測定部の構成例を示す図であり、21はNMRプロー
ブボビン、22はNMR検出コイル、23はESRキャ
ビティボビン、24はESR検出コイル、25はデバイ
ダ、26はNMRヘッドアンプ、27は被測定物体、3
1はNMR/ESRプローブ、32はシムコイル、33
は3軸勾配コイル、34は磁場掃引コイル、35はNM
R/ESR共用電磁石を示す。
【0032】NMR/ESR検出部は、図5に示すよう
にNMRプローブボビン21の中にESRキャビティボ
ビン23を配置して外側をMRIコイル検出部、内側を
ESRイメージングコイル検出部で構成し、リングレゾ
ネータ型コイルからなるESR検出コイル24の外側に
ソレノイド型コイルからなるNMR検出コイル22を巻
いたものである。NMR検出コイル22及びESR検出
コイル24は、デバイダ5に接続され、パルスシーケン
サより供給される切り換え信号に基づきデバイダ5の内
部リレーによりESRイメージング又はMRIに切り換
えを行う。通常は、被測定物体27を図のように検出部
内に導入してESRイメージング/MRI両用で画像観
測を行うが、高感度が必要な場合には、被測定物体27
をセットした状態で、いずれかのコイルを外に引き出す
機構を設けると、被測定物体27をそのままにして相互
の干渉をなくすことができ、高感度画像を得ることがで
きる。
【0033】磁場の発生部は、図6に示すように静磁場
発生用の電磁石として設けたNMR/ESR共用電磁石
35のギャップの両側にCW法MRI−CW法ESRイ
メージング両用に空芯の磁場掃引コイル34を配置し、
さらにこの磁場掃引コイル34の内側に3軸の勾配磁場
コイルを配置している。CW法MRI−CW法ESRイ
メージング両用に空心の磁場掃引コイル34を採用する
ことにより、CW法でも静磁場の高速掃引が可能となる
ので、CW測定を高速に行うことができる。
【0034】上記のように構成したMRI/ESRイメ
ージング両用装置は、MRI、ESRイメージングそれ
ぞれの特徴を有する画像を表示するだけでなく、被測定
物質の関心部位を同時測定した画像を同時表示すること
ができる。したがって、MRIとESRイメージング相
互の化学情報が画像として得られる従来にない装置が実
現できる。また、イメージング画像からNMRとESR
スペクトルを取り出すことができ、更に測定の際に勾配
磁場をかけなければ分解能の良いスペクトルも得られ
る。
【0035】したがって、上記MRI/ESRイメージ
ング両用装置では、被測定試料にスピン標識物質(造影
剤)を投与して関心領域をMRIとESRイメージング
で同時にイメージング測定できる。例えば生体In vivo
測定の場合について説明すると、ESRイメージングで
は関心領域の造影剤濃度分布や化学反応の生成、減衰を
時間経過をイメージング(空間分布)測定するのに対
し、MRIでは同じ関心領域の1H、または19Fの濃
度分布、T1、T2緩和、流速等をイメージング測定で
きる。したがって、これらのイメージング測定からNM
RとESR相互の空間情報が観察できる。
【0036】以上のように、ESR検出コイルの外側に
NMR検出コイルを巻き、静磁場強度をESR用共鳴強
度とNMR用共鳴強度に切り換えることにより、ESR
イメージングとMRIの測定を行うようにしたので、造
影剤を被測定物に投与して、プロトン(その他の核)、
T1、T2、濃度のMRIと造影剤濃度のESRイメー
ジング画像を同時表示し、造影剤反応関心部位の緩和時
間の変化等を画像で観察でき、また関心部位の正確な位
置情報を得ることができる。
【0037】しかも、静磁場発生用の磁場が切り換えら
れる電磁石のギャップの両側に空芯の磁場掃引コイルを
配置したので、静磁場補正を最適化し、静磁場が安定し
た状態でMRIとESRイメージングの共鳴磁場を切り
換え、ほぼ同時測定を行うことができる。
【0038】また、MRIのスペクトロメータは、観測
周波数発信器(OBS OSC)でCWとパルスに切り
換えることにより、CW法MRIとパルスFT法MRI
の両方の方法で測定でき、生体、溶液、固体の物質のM
RI測定ができるため、ESRイメージングと両用イメ
ージング装置の応用分野を更に拡大することができる。
さらに、CW法MRI及びCW法ESRイメージング測
定に両用の空心磁場掃引コイルを採用することにより、
安定した共鳴静磁場で高速掃引測定が可能になり、造影
剤反応と緩和時間の時間変化を同時イメージング測定で
きる。特に、ESRイメージングでは従来の測定時間に
比べ2桁短縮することができる。CW法MRI法も同様
である。なおパルスFT法MRI法は、CW法に比べ高
速かつ高感度で測定できることは周知である。このよう
な測定時間短縮からESRイメージングの3次元観測が
可能になり、スライスができ、3次元ESRイメージン
グと3次元MRIの同時表示もできるようになる。その
他、ESRイメージングとCW法MRIの測定と画像再
構成に関する手段、特にESRイメージングの複数スペ
クトルによる画像の悪化を防ぐ手段として利用すること
ができる。
【0039】勿論、本発明では、このようなMRI/E
SRイメージング両用装置を用いて画像化するだけでな
く、従来より使用されているESRイメージング装置で
もよいことはいうまでもない。
【0040】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上
記実施の形態では、A,B,C信号のうちA信号でイメ
ージングする例を説明したが、勿論、B,C信号でも、
A信号と同じ観測幅によりイメージングすることができ
る。また、生体内に投与した2種類のニトロキシラジカ
ルのESRイメージ画像を同時に得ることもできる。図
7は2種類のニトロキシラジカルのESRイメージ画像
を同時に得る例を説明するための図であり、その概要を
以下に説明する。ニトロキシラジカルは、A−B−C間
隔が一定であり、はじめに図3で説明したように観測幅
を決めておけば、静磁場オフセットでA−B−Cと順々
に選んでイメージングすることにより、3個の画像が測
定できる。但しこの場合、1種類の造影剤であるため、
A,B,Cの1個で画像化すればよいことは先に説明し
た。そこで、更に高磁場側に別の種類のD,Eがあった
とすると、静磁場オフセットを操作して、A−D,A−
E,B−D,B−E,C−D,C−Eのいずれかの組み
合わせの信号を既に説明した手順と同様にイメージング
測定することにより、生体内投与した2種類のニトロキ
シラジカルイメージ画像を同時に得ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、次のような効果がある。
【0042】.ESRイメージングにおいて、ニトロ
キシラジカルのTEMPOLのような線幅の広い複雑な
線形を持つ物質試料を測定対象とする場合でも、スペク
トル間隔hNに十分な距離があり、なおかつスペクトル
線幅sHが狭ければ、さらに高分解能ESR画像が得ら
れるので、今後、ESRイメージングやNMRイメージ
ングの造影剤の研究開発に役立つとともに、被測定体に
適合した造影剤の開発により医療用診断装置として応用
できる。
【0043】.イメージングに必要な信号のみをシン
グルスペクトルとして画像再構成できるため、不要スペ
クトルデータの消去処理やディコンボリューションの処
理を必要としなくなり、画像再構成演算のプログラム作
成がシンプルになり、高速で画像化できるようになる。
【0044】.消去処理やディコンボリューションの
処理を必要としないため、消去誤差や処理ノイズが発生
せず、高品質の画像が得られ、画像空間分布の強度差も
正確に読み取れる。
【0045】.ESR画像信号の取り込み時に設定す
る観測幅(掃引幅)や磁場勾配強度は、勾配を加えてい
ないスペクトル間の距離hNと測定スペクトルの半値幅
sHで決まり、測定試料の大きさにより理論的な代数計
算で決まる。そのため、無駄がなく、画像再構成処理に
おいても取り込み時のサンプリングポイントそのままで
画像化できるので、分解能のよい画像が得られる。
【0046】.ESR画像信号の取り込み時の掃引幅
や磁場勾配を大きくとる必要がなく、ESR画像信号の
感度低下があまり起こらない。
【0047】.画像データが高分解能であるため、再
構成画像の強度分布や位置情報が正確である。
【0048】.測定の拡張として2種類の造影剤の分
離画像が同様な操作で得られる。
【0049】.従来のESRスペクトルデータを処理
した空間イメージングの問題点を解決した、高速で、高
分解能のESRスピン空間分布のイメージングができ
る。
【0050】.従来考えられている、を組み合わ
せることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るESRイメージング方法の実施
の形態を示す図である。
【図2】 本発明に係るESRイメージング方法の操作
手順を説明するための図である。
【図3】 観測幅と観測中心の設定を説明するための図
である。
【図4】 核磁気共鳴・電子スピン共鳴両用イメージン
グ装置の構成例を示す図である。
【図5】 NMR/ESR検出部(プローブ)の構成例
を示す図である。
【図6】 MRI/ESRイメージングの測定部の構成
例を示す図である。
【図7】 2種類のニトロキシラジカルのESRイメー
ジ画像を同時に得る例を説明するための図である。
【図8】 磁場勾配を加えないで測定したニトロキシル
ラジカルTEMPOLのESR一次元スペクトルの例を
示す図である。
【図9】 不要成分消去方法を説明するための図であ
る。
【図10】 重複成分分離方法を説明するための図であ
る。
【図11】 観測幅と半値幅及び半値幅の磁場勾配によ
る移動量の関係を示す図である。
【符号の説明】
1…ホストコンピュータ、2…イメージ制御用マイクロ
プロセッサ&パルスシーケンサ、3…ESRスペクトロ
メータ、4…NMRスペクトロメータ、5…デバイダ、
6…NMR・ESR検出器、7…NMRヘッドアンプ、
8…フィールド制御部、9…NMR・ESR両用電磁
石、10…カラーモニタ、11…カラープリンタ、12
…磁場勾配アンプ制御部、13−1〜13−4…磁場勾
配アンプ、14−1…X軸勾配コイル、14−2…Y軸
勾配コイル、14−3…Z軸勾配コイル、14−4…磁
場掃引コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 G01N 24/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超微細構造による複数本のスペクトルを
    持つラジカルを造影剤としてESRイメージングを行う
    ESRイメージング装置において、前記複数本のうちの
    1本のスペクトルの信号のみを受信するように観測幅を
    調整すると共に当該信号が観測中心にくるように静磁場
    オフセットを調整してESRイメージングを行うように
    したことを特徴とするESRイメージング装置。
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