JP3317471B2 - コラーゲンゲルの処理方法 - Google Patents
コラーゲンゲルの処理方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として培養基材とし
て用いたコラーゲンゲルを、透過型電子顕微鏡で観察す
るための試料を調製する際の、エポキシ樹脂包埋過程な
どに用いるコラーゲンゲルの処理方法に関するものであ
る。
て用いたコラーゲンゲルを、透過型電子顕微鏡で観察す
るための試料を調製する際の、エポキシ樹脂包埋過程な
どに用いるコラーゲンゲルの処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、細胞の機能維持培養が盛んに行わ
れるようになり、その一つの手法として、コラーゲンゲ
ル上やコラーゲンゲル中での細胞の培養が行われるよう
になった。細胞の機能発現と細胞の微小レベルにおける
形態との相関をみる必要から、電子顕微鏡による観察が
行なわれる。
れるようになり、その一つの手法として、コラーゲンゲ
ル上やコラーゲンゲル中での細胞の培養が行われるよう
になった。細胞の機能発現と細胞の微小レベルにおける
形態との相関をみる必要から、電子顕微鏡による観察が
行なわれる。
【0003】一般に、細胞培養で用いるコラーゲンゲル
は水分含量が多く、また、非常に柔らかいため、電子顕
微鏡観察用の試料調製のためにエポキシ樹脂による包埋
を試みても、コラーゲンゲル中の脱水がうまくいかず、
エポキシ樹脂が硬化しなかったり、固定後に行う脱水処
理中にコラーゲンゲルの容積が減少し、細胞培養時のコ
ラーゲンゲルの構造を保持することは難しい。
は水分含量が多く、また、非常に柔らかいため、電子顕
微鏡観察用の試料調製のためにエポキシ樹脂による包埋
を試みても、コラーゲンゲル中の脱水がうまくいかず、
エポキシ樹脂が硬化しなかったり、固定後に行う脱水処
理中にコラーゲンゲルの容積が減少し、細胞培養時のコ
ラーゲンゲルの構造を保持することは難しい。
【0004】また、多少の水分が残っていても、コラー
ゲンゲル中にエポキシ樹脂が行き渡るように、水溶性の
エポキシ樹脂が市販されているが、樹脂を硬化させるた
めにはコラーゲンゲル中の水分を蒸発などにより除去す
る必要がある。水分が残っているとエポキシ樹脂が硬化
しないためエポキシ樹脂による包埋ができず、一方、コ
ラーゲンゲルが乾燥すると容積が減少し、コラーゲンゲ
ルの内部構造が変化してしまう問題がある。
ゲンゲル中にエポキシ樹脂が行き渡るように、水溶性の
エポキシ樹脂が市販されているが、樹脂を硬化させるた
めにはコラーゲンゲル中の水分を蒸発などにより除去す
る必要がある。水分が残っているとエポキシ樹脂が硬化
しないためエポキシ樹脂による包埋ができず、一方、コ
ラーゲンゲルが乾燥すると容積が減少し、コラーゲンゲ
ルの内部構造が変化してしまう問題がある。
【0005】コラーゲンをはじめとする細胞外マトリッ
クス上での培養では、細胞外マトリックスと細胞との相
互関係が重要であり、細胞外マトリックスから、酵素を
使用して細胞だけを取り出して電子顕微鏡観察をおこな
っても、細胞外マトリックスの細胞への影響を観察する
ことはできない。
クス上での培養では、細胞外マトリックスと細胞との相
互関係が重要であり、細胞外マトリックスから、酵素を
使用して細胞だけを取り出して電子顕微鏡観察をおこな
っても、細胞外マトリックスの細胞への影響を観察する
ことはできない。
【0006】コラーゲンの被膜に近い厚さのコラーゲン
ゲル層上で細胞培養した場合は、コラーゲンゲルからの
脱水は比較的容易であり、電子顕微鏡観察用の試料調製
におけるエポキシ包埋が可能である。しかし、ある程度
の厚みのあるコラーゲンゲル上での細胞の培養や、コラ
ーゲンゲル中に細胞を包埋しての培養の場合は、培養時
のコラーゲンゲルの構造を保持しながら、コラーゲンゲ
ルから脱水し、あるいはエポキシ樹脂などで包埋するこ
とはできず、電子顕微鏡による観察は難しかった。
ゲル層上で細胞培養した場合は、コラーゲンゲルからの
脱水は比較的容易であり、電子顕微鏡観察用の試料調製
におけるエポキシ包埋が可能である。しかし、ある程度
の厚みのあるコラーゲンゲル上での細胞の培養や、コラ
ーゲンゲル中に細胞を包埋しての培養の場合は、培養時
のコラーゲンゲルの構造を保持しながら、コラーゲンゲ
ルから脱水し、あるいはエポキシ樹脂などで包埋するこ
とはできず、電子顕微鏡による観察は難しかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コラーゲン
ゲル上もしくはコラーゲンゲル中での細胞培養におい
て、透過型電子顕微鏡で観察するための試料を調製する
際の、このような問題点を解決することを目的としたも
ので、コラーゲンゲルの内部構造を崩すことなく、コラ
ーゲンゲル全体をエポキシ樹脂で包埋することを可能に
する、コラーゲンゲルの処理方法を提供しようとするも
のである。
ゲル上もしくはコラーゲンゲル中での細胞培養におい
て、透過型電子顕微鏡で観察するための試料を調製する
際の、このような問題点を解決することを目的としたも
ので、コラーゲンゲルの内部構造を崩すことなく、コラ
ーゲンゲル全体をエポキシ樹脂で包埋することを可能に
する、コラーゲンゲルの処理方法を提供しようとするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者からは、関連す
る現象や原因について鋭意研究を進めた結果、細胞培養
時に使用する培地の成分が、コラーゲンや水との親和性
が高く、また、コラーゲンゲルの構造中の物質は交換が
起こり難いため、コラーゲンゲル中に培地の成分が貯留
し、これが脱水が難かしい原因であり、その結果、エポ
キシ樹脂が硬化し難くくなるとの知見を得た。さらに、
エポキシ樹脂の硬化が不十分なために、脱水過程におい
てコラーゲンゲルが収縮し、構造が変化するとの考えに
基づいて、コラーゲンゲル中に貯留した培地成分を除去
するための検討を行い、本発明を完成するに至った。
る現象や原因について鋭意研究を進めた結果、細胞培養
時に使用する培地の成分が、コラーゲンや水との親和性
が高く、また、コラーゲンゲルの構造中の物質は交換が
起こり難いため、コラーゲンゲル中に培地の成分が貯留
し、これが脱水が難かしい原因であり、その結果、エポ
キシ樹脂が硬化し難くくなるとの知見を得た。さらに、
エポキシ樹脂の硬化が不十分なために、脱水過程におい
てコラーゲンゲルが収縮し、構造が変化するとの考えに
基づいて、コラーゲンゲル中に貯留した培地成分を除去
するための検討を行い、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち本発明は、コラーゲンゲルに蛋白固定
化液を接触、反応させて架橋化させ、これに無機塩類の
水溶液を接触させてコラーゲンゲル中のゲル調製成分を
置換除去し、次に純水を接触させて前記無機塩類を置換
除去し、次いで、両親媒性有機溶剤と水との混合液に接
触させて水分を置換除去し、更にこの両親媒性有機溶剤
の比率を高めた水との混合液に接触させて水分の多い混
合液を置換除去し、最後に乾燥した両親媒性有機溶剤に
接触させて水分を置換除去することにより、脱水処理す
ることを特徴とするコラーゲンゲルの処理方法である。
化液を接触、反応させて架橋化させ、これに無機塩類の
水溶液を接触させてコラーゲンゲル中のゲル調製成分を
置換除去し、次に純水を接触させて前記無機塩類を置換
除去し、次いで、両親媒性有機溶剤と水との混合液に接
触させて水分を置換除去し、更にこの両親媒性有機溶剤
の比率を高めた水との混合液に接触させて水分の多い混
合液を置換除去し、最後に乾燥した両親媒性有機溶剤に
接触させて水分を置換除去することにより、脱水処理す
ることを特徴とするコラーゲンゲルの処理方法である。
【0010】さらには、酸性コラーゲン溶液に細胞培養
用の培地および中和液を加えて調製したコラーゲンゲル
を用いて細胞培養を行ない、培養液を除いた後、前記と
同様にして脱水処理するコラーゲンゲルの処理方法であ
り、また更に、この様にして脱水処理されたコラーゲン
ゲルを、プロピレンオキサイド中に浸漬して両親媒性有
機溶剤を置換した後、液状のエポキシ樹脂を注加して、
コラーゲンゲル構造中のプロピレンオキサイドを置換
し、加熱硬化させて、コラーゲンゲルをエポキシ樹脂中
に包埋することを特徴とする電子顕微鏡観察用試料の調
製方法である。
用の培地および中和液を加えて調製したコラーゲンゲル
を用いて細胞培養を行ない、培養液を除いた後、前記と
同様にして脱水処理するコラーゲンゲルの処理方法であ
り、また更に、この様にして脱水処理されたコラーゲン
ゲルを、プロピレンオキサイド中に浸漬して両親媒性有
機溶剤を置換した後、液状のエポキシ樹脂を注加して、
コラーゲンゲル構造中のプロピレンオキサイドを置換
し、加熱硬化させて、コラーゲンゲルをエポキシ樹脂中
に包埋することを特徴とする電子顕微鏡観察用試料の調
製方法である。
【0011】本発明は、コラーゲンゲル構造の内部と外
部の濃度差による溶液の拡散を利用したもので、コラー
ゲンゲル内部に外部の溶液が浸入し、逆にコラーゲンゲ
ル内部の溶液が外部の溶液中に拡散し、コラーゲンゲル
内部に貯留した培地などの溶液を追い出すようなかたち
で交換、即ち置換する。また、コラーゲンゲル構造内で
の移動を速やかに行わせる必要から、溶液の溶質として
は分子量が小さく、かつ溶液全体の電荷が中性であるこ
とが必要で、そのような溶質としては無機塩類を用いる
のが最も適する。しかしながら、最終的にはこれらの溶
質や水分も系外に除去してしまう必要から、上記の様
に、水と自由に混合できる両親媒性有機溶剤を用いて、
段階的に置換、脱水を行なう。
部の濃度差による溶液の拡散を利用したもので、コラー
ゲンゲル内部に外部の溶液が浸入し、逆にコラーゲンゲ
ル内部の溶液が外部の溶液中に拡散し、コラーゲンゲル
内部に貯留した培地などの溶液を追い出すようなかたち
で交換、即ち置換する。また、コラーゲンゲル構造内で
の移動を速やかに行わせる必要から、溶液の溶質として
は分子量が小さく、かつ溶液全体の電荷が中性であるこ
とが必要で、そのような溶質としては無機塩類を用いる
のが最も適する。しかしながら、最終的にはこれらの溶
質や水分も系外に除去してしまう必要から、上記の様
に、水と自由に混合できる両親媒性有機溶剤を用いて、
段階的に置換、脱水を行なう。
【0012】使用する無機塩類としては、金属イオンが
沈殿を生じないものであることが必要であり、また毒性
が低いことが望ましく、そのような金属としてはナトリ
ウムやカリウムが挙げられる。これらを総合的にみる
と、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムが使用する無機
塩類として適当である。また、コラーゲンゲルに接触さ
せる無機塩類の水溶液は、コラーゲンゲル内部に速やか
に浸入して、コラーゲンゲル内部に貯留しているゲル調
製成分等を外部に拡散させる役目をするものであるか
ら、濃度をなるべく高くし、濃度勾配をなるべく大きく
するのが効率が高く、従って飽和溶液を用いるのが好ま
しい。
沈殿を生じないものであることが必要であり、また毒性
が低いことが望ましく、そのような金属としてはナトリ
ウムやカリウムが挙げられる。これらを総合的にみる
と、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムが使用する無機
塩類として適当である。また、コラーゲンゲルに接触さ
せる無機塩類の水溶液は、コラーゲンゲル内部に速やか
に浸入して、コラーゲンゲル内部に貯留しているゲル調
製成分等を外部に拡散させる役目をするものであるか
ら、濃度をなるべく高くし、濃度勾配をなるべく大きく
するのが効率が高く、従って飽和溶液を用いるのが好ま
しい。
【0013】このように、高濃度の溶液を接触させるこ
とができる前提として、コラーゲンゲル、およびコラー
ゲンゲル中または上で培養された細胞蛋白が固定されて
いることが必要である。一般には、蛋白質中のアミノ基
やカルボキシル基と反応して架橋を起こすものが用いら
れ、そのような架橋剤として、グルタルアルデヒド、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、カルボジイミドなどが
挙げられるが、細胞中の蛋白の固定までを考慮すると、
グルタルアルデヒドが適当である。蛋白固定化液で固定
化処理をおこなう前に高濃度の無機塩類水溶液による処
理を行うと、コラーゲンゲルの構造が崩れ、また細胞の
形態も変化してしまう。
とができる前提として、コラーゲンゲル、およびコラー
ゲンゲル中または上で培養された細胞蛋白が固定されて
いることが必要である。一般には、蛋白質中のアミノ基
やカルボキシル基と反応して架橋を起こすものが用いら
れ、そのような架橋剤として、グルタルアルデヒド、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、カルボジイミドなどが
挙げられるが、細胞中の蛋白の固定までを考慮すると、
グルタルアルデヒドが適当である。蛋白固定化液で固定
化処理をおこなう前に高濃度の無機塩類水溶液による処
理を行うと、コラーゲンゲルの構造が崩れ、また細胞の
形態も変化してしまう。
【0014】コラーゲンゲル内部に貯留しているゲル調
製成分、あるいは培地と置換されるかたちでコラーゲン
ゲル中に浸入した無機塩類は、水と接触させることによ
り、容易にコラーゲンゲル外に置換除去することができ
る。そして更に、コラーゲンゲル中に入った水分を除去
するために、両親媒性の有機溶剤と水との混合液と接触
させる。
製成分、あるいは培地と置換されるかたちでコラーゲン
ゲル中に浸入した無機塩類は、水と接触させることによ
り、容易にコラーゲンゲル外に置換除去することができ
る。そして更に、コラーゲンゲル中に入った水分を除去
するために、両親媒性の有機溶剤と水との混合液と接触
させる。
【0015】コラーゲンゲル中の水分を完全に除去する
ためには、さらにこの両親媒性有機溶剤の比率を高めた
水との混合液に接触させて、水分の多い混合液を置換除
去する。このように両親媒性有機溶剤の比率を段階的に
高めて、コラーゲンゲル層の厚みにもよるが、混合液に
接触させる操作を2〜7回、好ましくは3〜5回繰り返
した後、最後に、水を混合しない乾燥した両親媒性有機
溶剤に接触させて、水分を十分に置換除去する。混合液
による接触の回数は、あまり多くしても効率が悪く、ま
た、少ないと十分な効果が得られない。尚、両親媒性の
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、アセトン
などが使用できる。
ためには、さらにこの両親媒性有機溶剤の比率を高めた
水との混合液に接触させて、水分の多い混合液を置換除
去する。このように両親媒性有機溶剤の比率を段階的に
高めて、コラーゲンゲル層の厚みにもよるが、混合液に
接触させる操作を2〜7回、好ましくは3〜5回繰り返
した後、最後に、水を混合しない乾燥した両親媒性有機
溶剤に接触させて、水分を十分に置換除去する。混合液
による接触の回数は、あまり多くしても効率が悪く、ま
た、少ないと十分な効果が得られない。尚、両親媒性の
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、アセトン
などが使用できる。
【0016】次に、本発明のコラーゲンゲルの処理方法
の手順について、細胞培養後の透過型電子顕微鏡で観察
をするための試料調製の際の、コラーゲンゲルの処理お
よびエポキシ樹脂による包埋について具体的に述べる。
の手順について、細胞培養後の透過型電子顕微鏡で観察
をするための試料調製の際の、コラーゲンゲルの処理お
よびエポキシ樹脂による包埋について具体的に述べる。
【0017】先ず、酸性コラーゲン溶液とゲル調製成分
および中和液からなるコラーゲンゲル形成溶液を調製
し、プレートやシャーレのウェル中に分注し、37℃で
加温してコラーゲンゲルを形成させる。使用するプレー
トとしては、電子顕微鏡で観察を行うためには大きなサ
ンプルの必要がないこと、およびゲルの取り扱い上の観
点から24ウェルプレートが適当である。また、ゲル調
製成分としては、細胞培養用の培地を使用してもよい。
および中和液からなるコラーゲンゲル形成溶液を調製
し、プレートやシャーレのウェル中に分注し、37℃で
加温してコラーゲンゲルを形成させる。使用するプレー
トとしては、電子顕微鏡で観察を行うためには大きなサ
ンプルの必要がないこと、およびゲルの取り扱い上の観
点から24ウェルプレートが適当である。また、ゲル調
製成分としては、細胞培養用の培地を使用してもよい。
【0018】次に、プレートウェル中に形成させたコラ
ーゲンゲル上に、培地中に細胞を浮遊させた細胞浮遊液
を播種して培養を行うか、または、上記のコラーゲンゲ
ル形成液中に、細胞を浮遊させたコラーゲンゲル包埋培
養用細胞浮遊液を分注し、37℃で加温して細胞を包埋
したコラーゲンゲルを形成させたのち、培地を加えて培
養を行う。このときゲル形成用のゲル調製成分には培地
を用いるのが好ましい。
ーゲンゲル上に、培地中に細胞を浮遊させた細胞浮遊液
を播種して培養を行うか、または、上記のコラーゲンゲ
ル形成液中に、細胞を浮遊させたコラーゲンゲル包埋培
養用細胞浮遊液を分注し、37℃で加温して細胞を包埋
したコラーゲンゲルを形成させたのち、培地を加えて培
養を行う。このときゲル形成用のゲル調製成分には培地
を用いるのが好ましい。
【0019】細胞の培養を行った後、培地をピペットな
どで吸引除去し、蛋白固定化液を分注して静置すること
により、細胞およびコラーゲンゲルを架橋化させ固定す
る。蛋白の固定化液には一般にpH7.4に調製された
グルタルアルデヒド水溶液を用いる。固定化が終了した
ら、蛋白固定化液を吸引除去し、必要に応じてオスミウ
ム酸などにより染色を行なった後、無機塩類飽和水溶液
を分注する。この際用いる無機塩類としては、上述した
とおり、塩化ナトリウムなどが適当である。塩化ナトリ
ウム飽和水溶液を分注し数時間静置する。塩化ナトリウ
ム飽和水溶液は、コラーゲンゲルの容積の2倍以上分注
することが望ましい。この操作により、コラーゲンゲル
中に貯留した培地成分は容易にコラーゲンゲル外に除去
され、塩化ナトリウム溶液と置換される。
どで吸引除去し、蛋白固定化液を分注して静置すること
により、細胞およびコラーゲンゲルを架橋化させ固定す
る。蛋白の固定化液には一般にpH7.4に調製された
グルタルアルデヒド水溶液を用いる。固定化が終了した
ら、蛋白固定化液を吸引除去し、必要に応じてオスミウ
ム酸などにより染色を行なった後、無機塩類飽和水溶液
を分注する。この際用いる無機塩類としては、上述した
とおり、塩化ナトリウムなどが適当である。塩化ナトリ
ウム飽和水溶液を分注し数時間静置する。塩化ナトリウ
ム飽和水溶液は、コラーゲンゲルの容積の2倍以上分注
することが望ましい。この操作により、コラーゲンゲル
中に貯留した培地成分は容易にコラーゲンゲル外に除去
され、塩化ナトリウム溶液と置換される。
【0020】続いて、塩化ナトリウム溶液をピペットな
どで吸引除去し、純水を加えて静置する。この過程で
は、培地に代ってコラーゲンゲル中に入った塩化ナトリ
ウムが今度は水と置換されてコラーゲンゲル外に除去さ
れる。更に純水を吸引除去し、エタノールと水の混合液
を分注して静置する操作を、段階的にエタノール濃度を
高めた水との混合液を用いて順次に繰り返すことによ
り、コラーゲンゲルおよび細胞中の水分を置換し除去す
る。この過程で、コラーゲンゲル中に残留している塩化
ナトリウムは完全に除去され、また、水分の量も段階的
に減少して行く。そして最後に、水を加えない100%
エタノールで同様に処理することにより、コラーゲンゲ
ル中の水分量が0に近い所まで脱水を行なう。
どで吸引除去し、純水を加えて静置する。この過程で
は、培地に代ってコラーゲンゲル中に入った塩化ナトリ
ウムが今度は水と置換されてコラーゲンゲル外に除去さ
れる。更に純水を吸引除去し、エタノールと水の混合液
を分注して静置する操作を、段階的にエタノール濃度を
高めた水との混合液を用いて順次に繰り返すことによ
り、コラーゲンゲルおよび細胞中の水分を置換し除去す
る。この過程で、コラーゲンゲル中に残留している塩化
ナトリウムは完全に除去され、また、水分の量も段階的
に減少して行く。そして最後に、水を加えない100%
エタノールで同様に処理することにより、コラーゲンゲ
ル中の水分量が0に近い所まで脱水を行なう。
【0021】塩化ナトリウム等の無機塩類水溶液による
処理を行わなければ、コラーゲンゲル中に残留している
糖分などの培地成分が除去できないため、エタノールで
処理を行なうと、コラーゲンゲルの構造が変化して、コ
ラーゲンゲルの体積が減少する。これは、エタノールと
接触させたとき、コラーゲンゲル中の水分がエタノール
側に奪われるが、エタノールとの置換ではないため、コ
ラーゲンゲルの構造中に空隙が生じて収縮するものと推
測される。しかし、このエタノール処理によっても、コ
ラーゲンゲル中の水分を完全に除去することはできな
い。
処理を行わなければ、コラーゲンゲル中に残留している
糖分などの培地成分が除去できないため、エタノールで
処理を行なうと、コラーゲンゲルの構造が変化して、コ
ラーゲンゲルの体積が減少する。これは、エタノールと
接触させたとき、コラーゲンゲル中の水分がエタノール
側に奪われるが、エタノールとの置換ではないため、コ
ラーゲンゲルの構造中に空隙が生じて収縮するものと推
測される。しかし、このエタノール処理によっても、コ
ラーゲンゲル中の水分を完全に除去することはできな
い。
【0022】次に、このようにして十分に脱水を行なっ
たコラーゲンゲルを、エポキシ樹脂により包埋する。先
ず、脱水処理したコラーゲンゲルを、ピンセットなどで
耐溶剤性のある容器に移し、プロピレンオキサイドを注
いで静置し、コラーゲンゲル中のエタノールをプロピレ
ンオキサイドで置換する。その後、液状のエポキシ樹脂
を流し込み静置して、コラーゲンゲルの構造中にエポキ
シ樹脂を滲透させた後、加温してエポキシ樹脂を硬化さ
せ、エポキシ樹脂包埋が終了する。
たコラーゲンゲルを、エポキシ樹脂により包埋する。先
ず、脱水処理したコラーゲンゲルを、ピンセットなどで
耐溶剤性のある容器に移し、プロピレンオキサイドを注
いで静置し、コラーゲンゲル中のエタノールをプロピレ
ンオキサイドで置換する。その後、液状のエポキシ樹脂
を流し込み静置して、コラーゲンゲルの構造中にエポキ
シ樹脂を滲透させた後、加温してエポキシ樹脂を硬化さ
せ、エポキシ樹脂包埋が終了する。
【0023】最後に、ミクロトームにより切片を切り出
し、電子顕微鏡観察用試料とする。完全に硬化したエポ
キシ樹脂包埋コラーゲンゲルは、切片切り出しが可能
で、電子顕微鏡での観察において、コラーゲンゲルの構
造を良好に保持している。
し、電子顕微鏡観察用試料とする。完全に硬化したエポ
キシ樹脂包埋コラーゲンゲルは、切片切り出しが可能
で、電子顕微鏡での観察において、コラーゲンゲルの構
造を良好に保持している。
【0024】
【実施例】次に、実施例と比較例により本発明を具体的
に説明する。 〔実施例1〕0.3%酸可溶化コラーゲンI型溶液と1
0倍濃度のL−15培地、および中和液を8:1:1の
割合で混合し、コラーゲンゲル形成用溶液を調製して、
24穴プレート(住友ベークライト製MS−8024
0)の各ウェル中に分注し、37℃で加温して、厚さ3
mmのコラーゲンゲル層を形成させる。次に、各ウェル中
にL−15培地を1ml/ウェルづつ分注し、37℃のC
O2インキュベーター中で17時間静置した後、L−1
5培地を除去し、2%グルタルアルデヒド溶液を1ml/
ウェルの割合で分注し、4℃で1時間静置し架橋固定化
をおこなった。ウェル中のグルタルアルデヒド溶液を除
去したのち、飽和食塩水を1ml/ウェルの割合で分注
し、室温で2時間静置したのち、飽和食塩水を除き、純
水を1ml/ウェルづつ分注し、室温で30分放置した。
この後、エタノール濃度50%、70%、90%、95
%の脱水液(エタノールと水の混合液)を順次に加えて
処理し、更に100%のエタノールを加えて十分に脱水
処理し、エポキシ樹脂包埋試験に供した。
に説明する。 〔実施例1〕0.3%酸可溶化コラーゲンI型溶液と1
0倍濃度のL−15培地、および中和液を8:1:1の
割合で混合し、コラーゲンゲル形成用溶液を調製して、
24穴プレート(住友ベークライト製MS−8024
0)の各ウェル中に分注し、37℃で加温して、厚さ3
mmのコラーゲンゲル層を形成させる。次に、各ウェル中
にL−15培地を1ml/ウェルづつ分注し、37℃のC
O2インキュベーター中で17時間静置した後、L−1
5培地を除去し、2%グルタルアルデヒド溶液を1ml/
ウェルの割合で分注し、4℃で1時間静置し架橋固定化
をおこなった。ウェル中のグルタルアルデヒド溶液を除
去したのち、飽和食塩水を1ml/ウェルの割合で分注
し、室温で2時間静置したのち、飽和食塩水を除き、純
水を1ml/ウェルづつ分注し、室温で30分放置した。
この後、エタノール濃度50%、70%、90%、95
%の脱水液(エタノールと水の混合液)を順次に加えて
処理し、更に100%のエタノールを加えて十分に脱水
処理し、エポキシ樹脂包埋試験に供した。
【0025】〔実施例2〕実施例1と同じ24穴プレー
トを使用し、0.3%酸可溶化コラーゲンI型溶液と1
0倍濃度のL−15培地、および中和液を8:1:1の
割合で混合したコラーゲンゲル溶液に、ラットから採取
した肝細胞を混合した細胞浮遊液を、各ウェル中に分注
して、ラットの肝細胞を包埋したコラーゲンゲル形成し
た。次に、ウェル中に10%牛胎児血清およびホルモン
類を含有したL−15培地を1ml/ウェルづつ分注し、
37℃のCO2インキュベーター中で1週間培養した
後、培地を除去し、2%グルタルアルデヒド溶液を1ml
/ウェルの割合で分注し、4℃で1時間静置し架橋固定
化をおこなった。続いて、実施例1と同じ手順で脱水処
理を行ない、エポキシ樹脂包埋試験および透過型電子顕
微鏡による形態観察試験に供した。
トを使用し、0.3%酸可溶化コラーゲンI型溶液と1
0倍濃度のL−15培地、および中和液を8:1:1の
割合で混合したコラーゲンゲル溶液に、ラットから採取
した肝細胞を混合した細胞浮遊液を、各ウェル中に分注
して、ラットの肝細胞を包埋したコラーゲンゲル形成し
た。次に、ウェル中に10%牛胎児血清およびホルモン
類を含有したL−15培地を1ml/ウェルづつ分注し、
37℃のCO2インキュベーター中で1週間培養した
後、培地を除去し、2%グルタルアルデヒド溶液を1ml
/ウェルの割合で分注し、4℃で1時間静置し架橋固定
化をおこなった。続いて、実施例1と同じ手順で脱水処
理を行ない、エポキシ樹脂包埋試験および透過型電子顕
微鏡による形態観察試験に供した。
【0026】〔比較例1〕実施例1と同様にしてコラー
ゲンゲル層を形成させ、グルタルアルデヒドで架橋固定
化した後、飽和食塩水による処理は行わず直ちに、1ml
/ウェルの純水を各ウェルに分注し、以下、実施例1と
同じ手順で脱水処理を行なって、得られたコラーゲンゲ
ルをエポキシ樹脂包埋試験に供した。
ゲンゲル層を形成させ、グルタルアルデヒドで架橋固定
化した後、飽和食塩水による処理は行わず直ちに、1ml
/ウェルの純水を各ウェルに分注し、以下、実施例1と
同じ手順で脱水処理を行なって、得られたコラーゲンゲ
ルをエポキシ樹脂包埋試験に供した。
【0027】〔比較例2〕実施例2と同様にして、ラッ
トから採取した肝細胞を混合したコラーゲンゲルを形成
させ、グルタルアルデヒドで架橋固定化した後、飽和食
塩水による処理は行わず直ちに、1ml/ウェルの純水を
各ウェルに分注し、以下、実施例1と同じ手順で脱水処
理を行ない、得られたコラーゲンゲルをエポキシ樹脂包
埋試験および透過型電子顕微鏡による観察試験に供し
た。
トから採取した肝細胞を混合したコラーゲンゲルを形成
させ、グルタルアルデヒドで架橋固定化した後、飽和食
塩水による処理は行わず直ちに、1ml/ウェルの純水を
各ウェルに分注し、以下、実施例1と同じ手順で脱水処
理を行ない、得られたコラーゲンゲルをエポキシ樹脂包
埋試験および透過型電子顕微鏡による観察試験に供し
た。
【0028】〔エポキシ樹脂包埋試験〕実施例1および
2、比較例1および2で得られたコラーゲンゲルを、ポ
リエチレン製の容器に移し、プロピレンオキサイドを注
いで室温で1時間静置し、コラーゲンゲル中のエタノー
ルの置換をおこなった。続いて、包埋用エポキシ樹脂を
流し込み、室温で12時間なじませ、コラーゲンゲルの
構造中に滲透させたのち、35℃で12時間、60℃で
24時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させた。エポキシ
樹脂の硬化状況、および、コラーゲンゲルの厚みの変化
(グルタルアルデヒドによる固定化直後の厚みを100
とした、エポキシ樹脂包埋操作終了後の厚み)を調べ
た。結果は表1に示した通り。
2、比較例1および2で得られたコラーゲンゲルを、ポ
リエチレン製の容器に移し、プロピレンオキサイドを注
いで室温で1時間静置し、コラーゲンゲル中のエタノー
ルの置換をおこなった。続いて、包埋用エポキシ樹脂を
流し込み、室温で12時間なじませ、コラーゲンゲルの
構造中に滲透させたのち、35℃で12時間、60℃で
24時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させた。エポキシ
樹脂の硬化状況、および、コラーゲンゲルの厚みの変化
(グルタルアルデヒドによる固定化直後の厚みを100
とした、エポキシ樹脂包埋操作終了後の厚み)を調べ
た。結果は表1に示した通り。
【0029】〔透過型電子顕微鏡による形態の観察試
験〕実施例2および比較例2においてエポキシ樹脂包埋
をおこなったコラーゲンゲルについて、ミクロトームに
よる切片切り出しの可否、および電子顕微鏡による細胞
の形態観察の可否を調べた。結果を表1に示した。
験〕実施例2および比較例2においてエポキシ樹脂包埋
をおこなったコラーゲンゲルについて、ミクロトームに
よる切片切り出しの可否、および電子顕微鏡による細胞
の形態観察の可否を調べた。結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果から、グルタルアルデヒドで架
橋固定化した後、飽和食塩水による処理を行なうことに
より、エポキシ樹脂包埋時の樹脂の硬化が完全になるの
で、ミクロトームによる切片の切り出しが可能で、コラ
ーゲンゲルの構造の変化を生じないため、コラーゲンゲ
ル中の細胞の形態が維持されていて、本発明によるコラ
ーゲンゲルの処理方法が有効であることが分かる。
橋固定化した後、飽和食塩水による処理を行なうことに
より、エポキシ樹脂包埋時の樹脂の硬化が完全になるの
で、ミクロトームによる切片の切り出しが可能で、コラ
ーゲンゲルの構造の変化を生じないため、コラーゲンゲ
ル中の細胞の形態が維持されていて、本発明によるコラ
ーゲンゲルの処理方法が有効であることが分かる。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、コラーゲンゲル
中に含まれる、ゲル調製成分や細胞培養用の培地など除
去され難い物質が置換、除去されるので、その後の脱水
がスムーズでかつ十分に行なわれ、その結果、脱水工程
でコラーゲンゲルの構造、形態の変化を生じることな
く、また、エポキシ樹脂包埋時には樹脂が完全に硬化す
るので、ミクロトームによる透過型電子顕微鏡観察用の
切片の切り出しが可能になり、また、細胞培養時におけ
る細胞形態の電子顕微鏡観察が可能になる。
中に含まれる、ゲル調製成分や細胞培養用の培地など除
去され難い物質が置換、除去されるので、その後の脱水
がスムーズでかつ十分に行なわれ、その結果、脱水工程
でコラーゲンゲルの構造、形態の変化を生じることな
く、また、エポキシ樹脂包埋時には樹脂が完全に硬化す
るので、ミクロトームによる透過型電子顕微鏡観察用の
切片の切り出しが可能になり、また、細胞培養時におけ
る細胞形態の電子顕微鏡観察が可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 1/28 C08L 89:00 // C08L 63:00 G01N 1/28 U 89:00 F C12N 5/00 E (56)参考文献 特開 平8−283667(JP,A) 特開 平7−278524(JP,A) 特開 昭63−255201(JP,A) 特開 平1−105159(JP,A) 特開 昭47−38046(JP,A) 実開 昭64−55(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09H 5/00 C08J 3/00 - 3/28 G01N 1/28 CA(STN)
Claims (8)
- 【請求項1】 コラーゲンゲルに蛋白固定化液を接触、
反応させて架橋化させ、これに無機塩類の水溶液を接触
させてコラーゲンゲル中のゲル調製成分を置換除去し、
次に純水を接触させて前記無機塩類を置換除去し、次い
で、両親媒性有機溶剤と水との混合液に接触させて水分
を置換除去し、更にこの両親媒性有機溶剤の比率を高め
た水との混合液に接触させて水分の多い混合液を置換除
去し、最後に乾燥した両親媒性有機溶剤に接触させて水
分を置換除去することにより、脱水処理することを特徴
とするコラーゲンゲルの処理方法。 - 【請求項2】 酸性コラーゲン溶液に細胞培養用の培地
および中和液を加えて調製したコラーゲンゲルを用いて
細胞培養を行った後、培養液を除いて蛋白固定化液を接
触、反応させて架橋化させ、これに無機塩類の水溶液を
接触させてコラーゲンゲル中のゲル調製成分を置換除去
し、次に純水を接触させて前記無機塩類を置換除去し、
次いで、両親媒性有機溶剤と水との混合液に接触させて
水分を置換除去し、更にこの両親媒性有機溶剤の比率を
高めた水との混合液に接触させて水分の多い混合液を置
換除去し、最後に乾燥した両親媒性有機溶剤に接触させ
て水分を置換除去することにより、脱水処理することを
特徴とするコラーゲンゲルの処理方法。 - 【請求項3】 蛋白固定化液がグルタルアルデヒド水溶
液であることを特徴とする、請求項(1)もしくは請求
項(2)記載のコラーゲンゲルの処理方法。 - 【請求項4】 無機塩類の水溶液が飽和溶液であること
を特徴とする、請求項(1)もしくは請求項(2)記載
のコラーゲンゲルの処理方法。 - 【請求項5】 無機塩類が、塩化ナトリウムもしくは塩
化カリウムであることを特徴とする、請求項(1)、請
求項(2)、請求項(4)のいずれかに記載のコラーゲ
ンゲルの処理方法。 - 【請求項6】 両親媒性有機溶剤と水との混合液に接触
させて水分を置換除去する操作を、両親媒性有機溶剤の
比率を段階的に高めて、2〜7回繰り返すことを特徴と
する、請求項(1)もしくは請求項(2)記載のコラー
ゲンゲルの処理方法。 - 【請求項7】 両親媒性有機溶剤が、メタノール、エタ
ノール、アセトンの中から選ばれた1つであることを特
徴とする、請求項(1)、請求項(2)、請求項(6)
のいずれかに記載のコラーゲンゲルの処理方法。 - 【請求項8】 請求項(2)ないし請求項(7)のいず
れかに記載された方法で処理されたコラーゲンゲルを、
プロピレンオキサイド中に浸漬して両親媒性有機溶剤を
置換した後、液状のエポキシ樹脂を注加して、コラーゲ
ンゲル構造中のプロピレンオキサイドを置換し、加熱硬
化させて、コラーゲンゲルをエポキシ樹脂中に包埋する
ことを特徴とする電子顕微鏡観察用試料の調製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08247795A JP3317471B2 (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | コラーゲンゲルの処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08247795A JP3317471B2 (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | コラーゲンゲルの処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08283666A JPH08283666A (ja) | 1996-10-29 |
JP3317471B2 true JP3317471B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=13775603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08247795A Expired - Fee Related JP3317471B2 (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | コラーゲンゲルの処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3317471B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4523805B2 (ja) * | 2004-07-13 | 2010-08-11 | 中部キレスト株式会社 | 水中微量元素の蛍光x線分析方法、該方法に用いるカラムおよびシステム |
ES2555978T3 (es) * | 2009-02-02 | 2016-01-12 | Toyobo Co., Ltd. | Tubo inductor de la regeneración nerviosa |
-
1995
- 1995-04-07 JP JP08247795A patent/JP3317471B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08283666A (ja) | 1996-10-29 |
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Date | Code | Title | Description |
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