JP3315701B2 - 探知機 - Google Patents

探知機

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JP3315701B2
JP3315701B2 JP52878895A JP52878895A JP3315701B2 JP 3315701 B2 JP3315701 B2 JP 3315701B2 JP 52878895 A JP52878895 A JP 52878895A JP 52878895 A JP52878895 A JP 52878895A JP 3315701 B2 JP3315701 B2 JP 3315701B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は導電性の物体の位置を突き止める探知機に関
する。より特定的には、本発明は埋込まれたケーブルま
たはパイプ等の地下にある導体の位置を突き止めるため
の探知機に関するが、これに限定されるわけではない。
従来技術の概要 近年多くの異なるユーティリティ(電気、ガス、電気
通信、等)に用いるための埋込まれたケーブルおよびパ
イプのネットワークが増加しているため、地面のどこを
掘削しても埋込まれたケーブルまたはパイプに近接して
いる可能性が高く、そのような掘削は、埋込まれたケー
ブルまたはパイプの位置を正確に知らなければその埋込
まれたケーブルまたはパイプを損傷したり妨げたりする
危険性を伴う。
特に、電話、ケーブルテレビ、等のための光ファイバ
通信システムの使用の成長により、掘削に関連する問題
がかなり増加している。そのような光ファイバ通信シス
テムは金属導体よりも遙に多くの通信容量を有するが、
光ファイバ通信システムの損傷または妨害から生じるコ
ストはかなりのものである。さらに、損傷が生じると、
光ファイバ接続を修復するのは金属接続を修復するより
も困難である。この理由のため、光ファイバ通信システ
ムの所有者および/または操作者は通常、適切な探知シ
ステムおよび視覚的な検査の両方によって光ファイバ接
続の位置を正確に判断することを要求する。実際には、
これは、ケーブルの職務上の検査ができるように最初の
掘削を行ない、その後にケーブルの付近でより広範囲の
掘削を行なう必要があることを意味する。さらに、光フ
ァイバ接続を検査することができるようにするための各
々の予備的な探知および掘削は光ファイバ接続の長さに
沿って繰返さなければならず、これはかなりの時間と労
力とを必要とする。
ある種類の従来の探知機は、手で持った受信機に組込
まれた適切なアンテナアセンブリによって導体中の信号
電流から交流場を検出する。光ファイバ接続は通常保護
の目的のために金属シースを有し、その金属シースに信
号を与えかつ検出することができるため、そのような構
成は光ファイバ接続に適用することができる。
そのような従来のシステムでは、使用者は受信機を持
ち、受信機が導体の存在を示すまでターゲット導体の付
近で繰返し測定を行なう。その後、上で言及した視覚的
な検査を行なうために、パイプ、ケーブルまたは光ファ
イバ接続が露出するまで、探知機によって判断された場
所を掘削する。
発明の概要 本発明の第1の局面では、探知機には、既知の間隔の
少なくとも2つのアンテナが設けられ、各アンテナは該
2つのアンテナの間隔の方向と、その方向に対して垂直
な、物体への方向との電磁場成分を測定することができ
る。さらに、電磁場を発生する導体に関する探知機の方
向および間隔を規定する座標情報を得るために、適切な
処理手段が設けられる。以下の説明では、アンテナの間
隔に対応する方向をX方向と称し、物体と交差する垂直
な方向をY方向と称す。したがって、本発明は、探知機
に関する物体のXおよびYの座標情報を得るものであ
る。
好ましくは、探知機は地面差込型プローブの形態であ
る。その場合、プローブが地面に入ると、アンテナは、
探知したい地下にある物体の導体からの電磁信号を検出
し、地下にある物体に関するプローブの位置を決定する
ことができる。このように、プローブを地下にある物体
の方に向かって地中に駆動することができ、使用者は、
物体からプローブまでの距離を表わす情報を得て、プロ
ーブが地下にある物体に力強く当たってこの物体を損傷
させるという危険性を伴わずにプローブを地下にある物
体の近くに持っていくことができる。
物体から探知機までの距離を決定するために、探知機
の間隔があけられた位置に少なくとも2つのアンテナを
設けなければならない。そうすると、該2つのアンテナ
によって検出される電磁場の差により、探知機から物体
までの距離を計算することができ、適切な情報を発生し
て操作者に与えることができる。用いる検知アンテナを
選択することにより探知機が地下の物体に接近するに従
ってより正確な測定を行なうことができるようにするた
め、好ましくは、3つ以上のアンテナが設けられる。こ
れは探知機が地面差込型プローブである場合に特に有用
であり、これにより、プローブが地下の物体の付近に接
近するに従って探知の精度が向上される。
少なくとも理論上では、探知機に関する物体の位置
は、2つのアンテナでの電磁場の評価によって、および
単純な三角法を用いた計算によって決定することができ
る。しかしながら、実際には、導体によって発生される
電磁場には、たとえばそれに隣接する他の導体の存在の
ため非対称が存在しやすく、したがって、処理手段には
そのような誤差のための適切な補償が与えられることが
好ましい。さらに、共通の中心のコイルを備えるアンテ
ナを有することが可能であるが、中心を変位させたコイ
ルを有することがより実用的であることが多く、この場
合も、これに対する適切な補償を与えなければならな
い。
各アンテナが2軸コイルを有することが可能である
が、3軸コイルを用いると、Y方向に関する物体の延在
方向の傾斜を決定することができるようにするさらなる
情報を得ることができるため、3軸コイルを設けること
が好ましい。
さらなる発展例では、探知機には、垂線に関する探知
機の傾斜、したがってX方向を決定できるようにする傾
斜検知手段が設けられる。さらに、処理手段はこの傾斜
情報を利用し、これにより、探知機の配向に関係なく、
探知機から物体までの垂直方向および水平方向の距離に
関して、物体の位置の決定を得ることができる。どの操
作者にとっても探知機を確実に完全に垂直に保持するこ
とは容易ではないため、このことは重要である。
本発明のこの局面は、そこから電磁信号が伝送され得
るいかなる導電性のある物体の探知にも適用できる。上
で述べたように、本発明は主に、埋込まれた光ファイバ
接続の金属シースに信号を与えかつそこから発生される
電磁場を検出することによる埋込まれた光ファイバ接続
の探知に関するが、本発明はこの応用分野に限定される
わけではない。
上述のように、3つ以上のアンテナを備える探知機で
は、探知機が物体に接近するに従ってより正確な測定を
行なうことが可能となるため、3つ以上のアンテナを備
える探知機が好ましい。探知機に関する物体の位置はい
ずれのアンテナ対によっても決定することができるた
め、探知機と物体との距離に依存してアンテナ対の選択
を変えることが可能である。アンテナ対のこの切換は、
それが自動的に行なわれる場合、本発明の第2の独立し
た局面を表わす。
上述のように、本発明の探知機は、探知される物体の
相対位置だけではなく、物体の延びる方向の、Y方向に
関する傾斜角も決定することができるようにする3軸ア
ンテナを有していてもよい。その結果、探知機の現在の
位置から離れてはいるが近接した位置にある物体によっ
て発生される磁場を予測することが可能になる。その後
探知機をその場所に動かし、場が測定されると、測定さ
れた場と予測された場との一致により、測定の信頼レベ
ルの尺度が与えられる。この動作は、探知機を予め定め
られた横方向の変位まで動かすことによって行なわれて
もよい。しかしながら、垂線に関する探知機の傾斜を変
えることによって同様の効果を達成することができる。
そのような傾斜の変更は傾斜センサによって測定するこ
とができるため、傾斜センサが傾斜のいかなる変化をも
判断し得るため探知機を予め定められた分だけ動かす必
要はなくなる。これにより、操作者は物体の探知の信頼
度の測定を行なうために単に垂線に関する探知機の角度
を変えるだけでよくなるため、操作者に必要な動作が簡
略化される。したがって、この探知機を動かすことによ
る信頼測定を得るための方法は、本発明の第3の独立し
た局面を表わす。
探知機が地面差込型プローブである場合、通常、プロ
ーブは、操作者によって地下にある物体のおおよその位
置に駆動される穴あけデバイスである。操作者にはプロ
ーブのヒップと地下の物体との間の距離に関する情報が
与えられるため、アンテナからの情報を用いて、探知機
はプローブのヒップを地下の物体に近接させることがで
き、プローブの動きを適切に制御することができる。
プローブは、残りのプローブをそこから取りはずすこ
とができる外部シースを有していてもよい。その場合、
シースとともにプローブは、埋込まれた物体に達するま
で地面に挿入され、その後、残りのプローブは検査また
はメインテナンスのためのアクセスを可能にするために
シースから取りはずされる。たとえば、地下にある物体
に関する視覚的な情報を与えるためにシースに内視鏡を
挿入してもよい。シースは、その後のアクセスのためま
たはマーカとして同じ場所に残されてもよい。
代替的には、一旦プローブが地下の物体に近づけられ
かつ地面から抜き取られるとプローブによって残された
空間に挿入される内視鏡または他の検査手段によって地
下の物体を視覚的に検査することが可能となるため、プ
ローブは穴を残す。
プローブが穴あけデバイスである場合、アンテナから
の情報は穴あけ力を制御するために用いられ得る。たと
えば、プローブが地下の物体から遠く離れているとき、
プローブが地下の物体の方にすばやく移動するように穴
あけ力は大きくてもよい。プローブが地下の物体に近づ
くにつれ、この地下の物体にプローブが力強く当たるこ
とを防ぐために、プローブが地下の物体のすぐ傍に達し
たときに穴あけ力が最小になるように穴あけ力は低減さ
れ得る。
上で議論した本発明の局面では、アンテナは物体から
の信号を検出する。通常、信号は別個の送信機からその
物体の導体に与えられる。しかしながら、そのようなシ
ステムを地面差込型プローブを用いた地下の物体の探知
に適用する場合、プローブが地面に入るときに当たる可
能性がある他の物体が存在し得るという危険性がある。
非金属の物体に関しては、そのような物体と接触すると
または接触する直前にプローブの動きを停止させること
ができるようにするためにたとえばレーダまたは加速度
計のような他の検知手段を設けることによってこの問題
を解決することができる。このような他の検知手段は、
固体の物体に関する特定の検知および/または探知のタ
スクのために用いることもできる。しかしながら、地下
にある物体が導体である場合、プローブが送信機をその
中に有することが可能であり、この送信機は、地下にあ
る物体にさらなる信号を引き起こす信号を送り、このさ
らなる信号はその後検出され得る。これは、たとえば、
調査したい敷地に異なる導体の密なネットワークがある
場合に有用であろう。
代替的には、プローブは、たとえば50Hzまたは60Hzの
幹線電力または無線信号のような、地下の物体に既に存
在する信号に基づいてこの物体を検出しかつ探知しても
よい。
さらなる発展例では、物体は、予め定められた信号を
送ることができる1つ以上のデバイスをその上に有して
いてもよい。そのような送信機はそれ自体たとえば畜産
学から既知であり、そこでは、そのような送信機はRFID
システムと呼ばれる。探知機にはそのようなデバイスを
検出するための手段が設けられ、したがって、物体のさ
らなる識別を達成することができる。
本発明では、物体と探知機との間の空間関係が決定さ
れる。したがって、本発明を用いれば、たとえばその周
波数を変える可聴信号ではなく、その空間関係を示す視
覚的なディスプレイを生成することが可能となる。した
がって、そのような視覚的なディスプレイの生成は、本
発明の第4の局面である。
この第4の局面では、たとえば地面差込型プローブの
ような探知機の操作者は、探知機の動きを制御するため
に視覚的なディスプレイを用いることができる。探知機
がたとえばドリルのような地面差込型プローブである場
合、使用者は、ディスプレイを変更し、ドリルが地下に
ある物体に接近するようにドリルの移動方向を変えるこ
とができる。したがって、使用者は、ドリルのターゲッ
トを常に確実に地下の物体の方に向けることができる。
使用者には間隔を示す視覚的なディスプレイが与えられ
るため(さらに、プローブが物体に接近するとそのディ
スプレイの倍率を変えることができ得るため)、使用者
は、物体のすぐ近くでプローブの動きを停止させること
ができるであろう。しかしながら、上述のように、不慮
に物体に損傷を引き起こす危険性を低減するために、本
発明の第2の局面に従ってプローブの移動速度の自動制
御があることが好ましい。
この第4の局面の視覚的なディスプレイは、好ましく
は、使用者の垂直な照準線でプローブと地下にある物体
との空間関係を示すヘッドアップディスプレイである。
これは、使用者がそのディスプレイを見ながら同時にプ
ローブの動きも見ることができるという利点を有する。
実際には、そのようなヘッドアップディスプレイは他
の種類の探知機に適用されてもよく、したがって、本発
明の第5の独立した局面である。
調査したい敷地に複数個の隣接する物体があることが
よくある。たとえば、異なるユーティリティのケーブル
が同じような経路を辿らなければならない場合、地面差
込型プローブの操作者は特定の敷地の地下にあるすべて
の物体の存在を知らなければならないことが多い。すべ
ての地下の物体が同じ電磁信号を発生する場合、探知機
のアンテナは単に、発生された複合場を記録するだけで
あろう。しかしながら、異なる地下の物体に、たとえば
異なる周波数の信号のような異なる信号が与えられる
と、探知機は受け取った信号の適切な変調により、異な
る物体を識別することができる。したがって、適切な分
析により、地下の物体の各々から探知機までの距離を判
断することができ、さらに、各々の地下の物体をディス
プレイ上に表示することができる。したがって、操作者
には、その敷地の地下にあるすべての物体の位置を示す
情報が与えられる。これは、たとえば、地面差込型プロ
ーブが確実に特に問題の物体にのみ接近し地下の他の物
体を避けるという点で重要である。探知機に関する物体
の位置がわかっているため操作者にはこれらの物体の関
連する位置を示す視覚的なディスプレイが与えられるた
め、操作者は地面差込型プローブを地下にある1つの物
体に近づけながらその敷地の地下にある他の物体と接触
しないようにすることができる。
常に実用的であるわけではないが、地下にある物体に
異なる信号を与えることに対する代替例として、敷地の
地下にある各物体が、地下の特定の物体を識別する符号
化された信号を発生する上述のような活性マーカを保持
していれば、これらの物体を区別することができる。そ
の場合、探知機がその敷地の地下にある物体の数を識別
する情報を検出することができるため、探知機は受け取
った信号を異なる物体に対応する異なる成分に分解する
ことができる。
上述のように、地面差込型プローブは地下にある物体
に向かって地中に駆動される。地面が非常に柔らかい場
合、これは単に使用者が地面差込型プローブに力を加え
るだけで行なうことができるが、好ましくは、機械的な
駆動が与えられる。
本発明の第6の局面に従えば、その駆動は反対方向に
回転する質量によって与えられる。2つの質量が旋回点
のまわりで角速度で駆動されると、2つの質量間の位相
によっておよび質量自体によって決定される正味の力が
旋回点に存在するであろう。これらの質量およびその間
の位相を適切に構成することにより、時間平均がゼロで
あっても、下方向の力の大きさがいかなる上方向の力よ
りも大きくなるように力の変動を構成することができ
る。差込型プローブが移動するためには地面との摩擦に
打ち勝たなければならないことを考慮すると、これらの
力は、下方向の力が地面差込型プローブを地中に駆動す
るのに十分である一方、上方向の力は地面差込型プロー
ブを下方向の力と同じ程度上方向に駆動するのに十分に
は摩擦に打ち勝たず、そのため、正味の動きは下方向の
動きである。同様に、質量の回転の位相を変えることに
よって、上方向の力の大きさが下方向の力の大きさより
も大きくなるようにシステムを再構成することができ、
その結果、地面差込型プローブは地面の外に駆動され
る。好ましくは、2つのそのような質量対は横方向の力
を相殺するために用いられる。
図面の簡単な説明 次に、添付の図面を参照して本発明の例示的な実施の
形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に従った地面差込型プローブと地下に
ある物体との間の関係を示す概略側面図である。
図2は、図1の地面差込型プローブに対応する上面図
である。
図3は、図1の地面差込型プローブと地下にある2つ
の物体との間の関係の測定を示す概略図である。
図4は、地下にある物体に関する図1の地面差込型プ
ローブの動きを示す図である。
図5Aは、図1の地面差込型プローブの実用的な実施の
形態を示す図である。
図5Bは、該実施の形態のハンドルをより詳細に示す図
である。
図5Cは、図5Aの実施の形態のアンテナのコイルの構成
をより詳細に示す図である。
図6は、図1の地面差込型プローブとともに用いるた
めの信号処理システムを示す図である。
図7は、本発明を実施する探知機の詳細な実施の形態
の概略図である。
図8〜図10は、図7の実施の形態の工具ヘッドを示す
図であり、図8は横断面図であり、図9は断面図であ
り、図10は部分的に断面図になった側面図である。
図11aおよび図11bは、図8〜図10の工具ヘッドの偏心
器での質量の動きを示す図である。
図12は、図8〜図10の工具ヘッドで達成される加速特
性を示すグラフである。
図13は、図7の探知機のヘッドアップディスプレイに
よって生成されるディスプレイの概略図である。
図14は、本発明の別の実施の形態である携帯用探知機
を示す図である。
図15は、図14の実施の形態の探知機およびディスプレ
イユニットをより詳細に示す図である。
図16は、図15のディスプレイユニットによって生成さ
れる典型的なディスプレイを示す図である。
詳細な説明 上で説明したように、上で議論した本発明の種々の局
面は探知機と物体との間の距離の検出に基づくものであ
る。本発明は特に地面差込型プローブと地下にある物体
との間の距離の検出に関するものであるが、これに限定
されるわけではない。次に、そのような検出の根底にあ
る基本的な原理を図1〜図4を参照して議論する。
まず最初に図1を参照して、地面差込型プローブ24は
3つのアンテナ21、22、23を有する。これらのアンテナ
は、地下にある電流を運ぶ導体のような物体26で発生さ
れる電磁場を検出する。そのような放射を検出すること
ができるアンテナの構造はそれ自体既知であり、ここで
はこれ以上議論しない。
これらのアンテナのうちの1つである21は地面差込型
プローブ24の先端からある距離または既知の距離だけ離
して配置され、他の2つの検出器22および23はそれぞれ
第1のアンテナ21から地面差込型プローブ24に沿って既
知の間隔S1およびS2で配置される。地面差込型プローブ
24は、アンテナ21〜23が検出した信号が処理されるよう
に、これらのアンテナが既知の間隔および一定の配向を
確実に有するようにする。
地面差込型プローブ24が地下にある物体26に近い地面
中に移動され、その物体がAC信号を運んでいる場合、ア
ンテナ21および22によって電磁場が検出され、それによ
って、位置ベクトルV1、V2を計算することができ、地下
にある物体26から地面差込型プローブ24までの距離をた
とえばXおよびYの位置座標に関して決定することがで
きる。そのような計算は、プローブ24を介してアンテナ
21〜23に接続される適切なプロセッサ25によって行なわ
れ得る。
したがって、 Bがアンテナ21で検出された場の合計であり、 Tがアンテナ22で検出された場の合計であり、 Bhがアンテナ21での場の水平方向の成分であり、 Thがアンテナ22での場の水平方向の成分であり、 Bvがアンテナ22での場の垂直方向の成分であるとする
と、 XおよびYの位置座標は以下の式で表わされる。
XおよびYの座標を計算することができるため、ベク
トルV1およびV2の位置を計算することができる。これら
の式は1つの導体という単純な場合に当てはまるもので
あり、例示的に示されるものである。
さらに、アンテナ21〜23の各々が3軸直交アンテナシ
ステムに基づく場合、地下にある導体26に関する地面差
込型プローブ24の平面回転の角度θを得るために、図2
に示すような第3の配向ベクトルV3を得ることも可能で
ある。したがって、XおよびY座標と角度θを知ること
によって、使用者に、地下にある物体26から地面差込型
プローブ24まで、特にその先端までの距離を示す情報を
与えることができる。そうすれば、使用者は、その距離
を縮めるように、たとえば、地面差込型プローブ24の先
端を地下にある物体26の間近に持っていくように、地面
差込型プローブ24の動きを方向づけることができる。
上述の説明から、地面差込型プローブ24の先端と地下
にある物体26との距離を判断するためにはアンテナは21
および22の2つしか必要でないことがわかる。しかしな
がら、地面差込型プローブ24の先端が地下にある物体に
接近すると、その距離の判断に図3に示すような第3の
アンテナ23を用いることが可能である。地下にある物体
26からプローブ24の先端までの距離が小さいとき、第1
および第3のアンテナ21および23によって行なわれる測
定により、その距離のより正確な測定値が得られる。
さらに、図3は、アンテナ23はプローブの先端が地下
にある物体26に近いときにしか用いられないため、プロ
ーブ24の先端が地下にある物体26に接近すると、たとえ
ば物体27のような、電磁場を発生する他の物の影響が低
減されることも示している。アンテナと地下にある物体
との距離に対するアンテナ間の距離の比率が変わると、
物体27を地下にある所望の物体26ではないとして識別す
ることができるようにする物体27からの信号の相対的な
効果が低減される。さらに、地下にある物体26に対する
既知の接近により、間隔がより広くあけられたアンテナ
のみを用いる場合に比べてより信頼性高く信号電流の方
向および振幅を決定できるようになる。
上で述べたように、プロセッサ25は、地下にある物体
26からプローブ24の先端までの距離を判断する。したが
って、プローブ24の配向の角度が変わっても、この変化
が地下にある物体26からプローブ24の先端までの距離に
影響を及ぼさないはずである。したがって、地面差込型
プローブ24が図4の位置AからBに角度φだけ旋回され
ても、地下にある物体26の位置の測定値は変化しないは
ずである。同様に、プローブ24が横方向に、たとえば、
図4に示す位置Cに動かされる場合、位置AからCへの
横方向の移動はプローブ24に関する物体26の位置の変化
に対応する。すなわち、物体26はその絶対位置を維持す
るはずである。
得られる位置情報の精度を妨げる1つの可能な要素
は、真の垂線からの探知機軸の傾斜である。これには、
それを用いて探知機データの適切な補償によりターゲッ
ト物体の真の位置を計算することができる、垂直方向の
引力軸からの角度のずれに対応する電気データを与える
何らかの適切な設計の2軸傾斜センサを組込むことによ
って対処することができる。
図1および図4を参照して説明したような探知機シス
テムの実用に関する制限は、この探知機システムが共通
の中心および垂直軸を有するアンテナアレイを用いるこ
とである。これは直交コイルに共通な球形コアを用いて
も実用化するのは困難であり、別個のソレノイドコイル
およびコア、または他の種類の対応する磁場センサアレ
イでも、高精度で共通の中心を達成することは不可能で
ある。したがって、アンテナのコイルの中心からのずれ
に対する数学的な補償を組込むことが好ましい。
マルチアンテナ探知機からの位置データの精度に対す
る別の制限は、磁場の摂動である。したがって、探知の
精度を向上するためまたは得られたデータの信頼レベル
を確立するために、検知された場の摂動に対する数学的
な補償を組込むことが望ましい。
アンテナのコイルの中心からのずれおよび場の摂動を
考慮に入れるために必要な数学的補償を組込むと、Xお
よびYを決定するための上で言及した式を用いることが
できないことになる。その代わりに、以下に説明するよ
うなより複雑な式が必要となる。図1を参照し、さら
に、地面差込型プローブ24が角度φだけ傾斜していると
すると、以下の式が得られる。
そうすると、アンテナ21からケーブルまでの角度αお
よびアンテナ22からケーブルまでの角度βを規定するこ
とができる。さらに、アンテナ22の垂直方向のコイルの
場は以下の式で表わされ、 ここでIはケーブル電流である。
同様に、アンテナ22のコイルのうちの水平方向のコイ
ルの一方の場は、以下の式で表わされ、 この第1の水平方向のコイルに垂直な、アンテナ22の他
方の水平方向のコイルの場は、以下の式で表わされる。
同様に、アンテナ21の垂直方向のコイルの場は、以下
の式で表わされる。
アンテナ21の水平方向のコイルのうちの一方のコイル
の場は、以下の式で表わされ、 アンテナ21の水平方向のコイルの他方のコイルの場
は、以下の式で表わされる。
アンテナ21および22によって測定される信号は場に直
接関係するため、それらの信号をケーブル位置の計算に
直接用いることができる。
したがって、アンテナ22での場の合計Tは以下の式で
表わされ、 アンテナ21での場の合計は以下の式で表わされる。
V1は2次方程式の解であり、したがって、以下の2つ
の可能な解がある。
解V1 (1)およびV2 (2)のうちのいずれを選択するかは、
アンテナ22での水平方向の場の符号に依存する。
ゆえに、 2つの水平方向のコイルの軸が交差しない場合、上述
の計算を補正する必要がある。
2つのアンテナ21および22での1方向の水平方向の場
の和H2を以下のように規定する。
H2=B2+T2 同様に、2つのアンテナ21および22での該方向に垂直
な方向の水平方向の場の和H3を以下のように規定する。
H3=B3+T3 この場合、θはH2とH3との比のアークタンジェントで
ある。
2つのコイルの軸が距離dだけ変位されていれば、以
下の式に示すようにXに対する補正が必要である。
Xcorr=X+dsinθ これらの差はプローブの傾斜に関して補正され、下方
のセンサ21からケーブル26までの垂直方向の距離Dと、
下方のセンサ21からケーブル26までの水平方向の距離H
とが以下の式で与えられる。
D=XcosΦ+YsinΦ H=XsinΦ+YcosΦ 図5A〜図5Cは、本発明の1つの実施の形態である地面
差込型プローブの実用的な実施の形態をより詳細に示し
ている。
本実施の形態では、アンテナ150A、150Bおよび150Cの
間の間隔が固定されるように、管状ハウジング160内に
3つのアンテナ150A、150Bおよび150Cが含まれる。した
がって、これらのアンテナは図1〜図4のアンテナ21〜
23に対応する。
各アンテナ150A、150B、150Cは、互いに約90゜の公称
水平方向のコイル151および152と、公称上垂直方向のコ
イル153とを有する。コイル151、152および153が地面差
込型プローブのような径の小さい管状ハウジング160に
組込むために設計される場合、これらのコイルの長さ対
直径の比は必然的に低くなり、そのため、寸法が僅かに
変動すると、真の垂線からかなり離れることになる。さ
らに、各アンテナ150A、150B、150Cの個々のコイルが互
いに垂直方向に離れていることは、測定の3つの軸が共
通の中心にないことを意味するが、これらの3つのアン
テナ間の垂直方向の間隔は、支持構造154によって非常
に正確に制御することができる。この支持構造は典型的
には硬いプラスチックからなり、図5Cに詳細に示すよう
にコイルを収容するために、適切に配置されたスロット
を組込む。支持構造154は外部管状ハウジング160内にし
っかりと取付けられる。このチューブは、地上で携帯用
探知機として用いられる場合ハンドル156を有していて
もよく、穴あけの応用では地面差込型チューブであって
もよい。管状ハウジング160は電気的相互接続157(図5B
参照)を備え、必要に応じて、回路板と、たとえば158
およびたとえば159の傾斜センサのような他の検知手段
を組込むこともできる。
図5の検知手段158として用いることができるであろ
う1つの可能なセンサは、トランスポンダタイプのマー
カにインタロゲート(質問)するように設計されるセン
サである。そのようなマーカの技術はそれ自体既知であ
り、センサはマーカを識別する方法でマーカにインタロ
ゲートする。マーカは、特定の搬送周波数に調整された
トランスポンダを組込む。さらに、探知機中のセンサ15
8は、調整されたピックアップコイルを用いて、トラン
スポンダにおいて誘導により変換されるエネルギをトラ
ンスポンダに伝達し、マーカの返送回路に電力を与え
る。返送回路の出力は搬送周波数であるが、マーカを、
したがってマーカが取付けられる物体を識別するデータ
を復号化するためにマーカ内の適切な手段によって変調
される。この変調は、センサ158の受信回路によって復
号化される。一旦マーカが識別されると、以下により詳
細に説明するように適切なディスプレイが生成され得
る。
図1〜図4のプローブ24が横方向に動かされるかまた
は旋回されても地下にある物体26の位置の測定値は変化
しないはずであることは上で述べた。これにより、地下
にある物体26の探知の信用度を容易に測定することがで
きるようになる。図4を参照して、位置Aで地下にある
物体26の位置を測定し、その後地下差込型プローブ24を
既知の量だけ位置Cに動かすとする。探知機の処理手段
が位置Aと位置Cとの横方向の距離を知っていれば、位
置Aでの測定値により位置Cでの測定結果の予測をする
ことができるはずである。物体26の位置が変わらず、位
置Aと位置Cとの距離がわかっているため、位置Cでア
ンテナ21および22によって測定される場は予測可能であ
る。したがって、プローブ24が位置Cに動かされ測定が
行なわれると、位置Cでの実際の測定値と位置Aでの測
定値から予測した測定値とを比較することができる。こ
れらの測定値が一致すると、物体26は正確に探知されて
おり、高い信頼度がある。しかしながら、Cでの予測測
定値とその位置での実際の測定値との間にかなりの差が
あれば、物体26の探知の精度は疑問であり、信頼度は低
い。この手順では、位置Aと位置Cとの横方向の距離が
わかっていなければならない。したがって、地面差込型
プローブ24の使用者は、プローブ24をその既知の量だけ
動かさなければならない。これは不便であるか、または
実用的に行なうことは困難であろう。しかしながら、プ
ローブ24を図4の位置Aから位置Bに角度φだけ旋回さ
せることによって同様の効果を達成することができる。
再び、位置Aで測定が行なわれるとすると、その角度が
わかっていれば、位置Bで行なわれる測定結果を予測す
ることが可能である。さらに、図5を参照して説明した
傾斜センサを用いることによって角度を測定することが
可能であり、その角度の測定値を予測に適用することが
できる。したがって、傾斜センサによって傾斜角を独立
して測定することができるため、使用者がプローブ24を
既知の量だけ動かす必要はなくなる。したがって、使用
者が位置Aで物体26の位置を判断し、プローブ24をいず
れかの適切な量φだけ傾斜させると、処理手段は測定さ
れた傾斜角φに基づいて予測測定値を計算し、それと同
時に、傾斜角φでの実際の測定値を決定する。これによ
り、実際の測定値と予測測定値とを比較することがで
き、測定の信頼度の尺度が与えられる。
図6は、アンテナ21〜23の各々における信号処理シス
テムを示している。対応するアンテナ21〜23からの信号
IPは、増幅器30およびローパスフィルタ31を介してアナ
ログ/ディジタルコンバータ32に通過する。ローパスフ
ィルタ31は信号中の不必要な周波数を取除き、その結
果、アナログ/ディジタルコンバータ32によって発生さ
れる信号がディジタル信号プロセッサ33に通過して振幅
および位相信号が発生される。図6は、ディジタル信号
プロセッサ33を、増幅器30の利得を制御するために用い
ることができることも示している。このようにしてアン
テナ21〜23の各々から発生される振幅および位相信号
は、プローブ24と地下にある物体26との関係を規定する
X、Yおよびφの測定値を計算するマイクロプロセッサ
34に通過し、適切な記録システム35にストアされ得るお
よび/またはディスプレイ36(たとえば、ヘッドアップ
ディスプレイ)を生成するために用いられ得る。
本発明の別の実施の形態を図7に示している。この実
施の形態では、地面差込型プローブは、工具ヘッド41か
ら駆動される穴あけバー40である。穴あけバー40は上で
説明したアンテナ21〜23を含むが、これらのアンテナは
穴あけバー40内に含まれるため、図7では見えない。工
具ヘッド41はベースステーション42および電力線43を介
して電力を受け取り、ベースステーション42はそれ自身
の電源を含んでいるかまたは別個の電源44から電力を供
給される。この別個の電源44は図7の実施の形態では乗
物に搭載されており、そのため、システム全体を運搬す
ることができる。ベースステーション42は上で説明した
プロセッサ25も含み、このプロセッサは使用者のベルト
に付けられたパック46にも接続される線45を介して、穴
あけバー40のアンテナから信号を受け取る。このように
して、プロセッサは線45およびパック46を介してヘッド
アップディスプレイ47に信号を送ることができ、使用者
は、地下にある物体から穴あけバー40の先端までの距離
の即座の視覚的表示を得ることができる。
地下にある物体に関する穴あけバー40の動きのより永
久的な記録を与えるために、ベースユニット42には、ア
ンテナから得られるデータをストアするための適切なメ
モリが備えられてもよい。他の電磁場源があるという警
告または穴あけバー40が地下にある物体に非常に近接し
ているという警告を与えるようにシステムを構成して
も、これらの警告はベースユニット42に送られ、線45お
よびパック46を介して使用者用のイヤホン48に送られる
ことができる。
次に、図8〜図10を参照して、工具ヘッド41による穴
あけバー40への電力供給について説明する。
図8の断面図は、穴あけバー40が、コレット50によっ
て、工具ヘッド41のケーシング52にしっかりと固定され
る中空のシャフト51に押しつけられることを示してい
る。ハンドル53は、捩じりアセンブリ54を介してケーシ
ング52に弾力的に取付けられる。図8では、ハンドル53
および捩じりアセンブリ54の左側を断面図で示してお
り、ハンドル53および捩じりアセンブリ54の右側に関し
てはその外部から見た図を示している。捩じりアセンブ
リ54は、穴あけヘッド41から使用者に伝わる振動を低減
する。使用者が穴あけバーの動作を制御することができ
るようにするために、好ましくは、ハンドル53の一方に
隣接して制御スイッチ55が設けられる。
工具ヘッド41を平面図で示している図9からわかるよ
うに、スイッチ55は、ワイヤ56を介して、モータ58を制
御する制御ユニット57に接続される。モータ58は図10の
側面図にも示されており、図10は、モータ58用の別個の
ケーシング59および直角のギアボックス60を示してい
る。このギアボックス60は、ギアトレイン62によって1
対の反対方向に回転するシャフト63に結合されるシャフ
ト61にモータ58を接続する。これらの軸63の各々は偏心
器64にしっかりと結合され、空動きにより同調偏心器65
にしっかりと結合される。空動きを用いる目的は、モー
タの方向に応じて穴あけバー40を下方向または上方向に
駆動するように工具ヘッド41のケーシング52を振動させ
るために、偏心器の回転の正味の効果を変えることであ
る。
次に、図11a、11bおよび12を参照して駆動システムの
原理を説明する。
まず、質量m1およびm2がそれぞれの軸P1およびP2のま
わりで同じ角速度ωであるが反対方向に回転される、図
11aに示される場合について考える。この場合、シヌソ
イド的(正弦曲線的)に変化する、軸P1およびP2で支持
ゾーン上で発生される正味の力fがある。
次に、それぞれ軸P1およびP2のまわりで角速度ω
反対方向に回転する2つのさらなる質量m3およびm4があ
る場合を考える。この場合、図11bに示されるように、
ここでもシヌソイドである力f2が発生される。正味の力
は質量および角速度に依存し、これは質量の回転位相を
決定する。
力f1およびf2がともにシヌソイドであるため、サイク
ル全体での正味の力がゼロであることは明らかである。
したがって、一見したところでは、地面差込型プローブ
は動かないであろう。しかしながら、これは、地面と地
面差込型プローブとの間の摩擦を考慮にいれておらず、
いかなる動きが起こる前にもこの摩擦に打ち勝たなけれ
ばならない。さらに、最大の力を上方向または下方向の
いずれかにすることが可能であり、そうすれば最大の力
は他の力よりも大きい分だけ摩擦に打ち勝つことができ
るため、地面差込型プローブに正味の動きが与えられる
であろう。
本発明のこの実施の形態では、軸P1およびP2はシャフ
ト63に対応し、質量m3およびm4が等しいのと同様に、質
量m1およびm2は等しい。さらに、質量m3およびm4がより
小さいとすると、ωはωの2倍である。
さらに、サイクル中に、質量m1およびm3が同時に点P1
の真上にあり同様に質量m2およびm4が同時に点P2の真上
にあるポイントが存在するように質量間の位相が選択さ
れるとする。その場合に結果として得られる加速プロフ
ァイルを図12の実線で示している。図12は、サイクル全
体の時間平均の加速はゼロであるが、上方向の加速がサ
イクルのどの時点の下方向の加速よりも大きい最大値を
有することを示している。さらに、地面差込型プローブ
と地面との間に生じるであろう摩擦を考慮に入れなけれ
ばならない。図12のxの正味の加速がその摩擦に打ち勝
つ必要があるとする。その場合、上方向の加速が摩擦抵
抗に打ち勝つのに十分であることが図12からわかり、そ
のため、地面差込型プローブは上方向に移動する。しか
しながら、下方向の加速は摩擦に打ち勝つのに十分では
なく、したがって、地面差込型プローブの正味の動きが
存在する。同様に、質量m1およびm3が点P1の真下に整列
されかつ質量m2およびm4が点P2の真下に整列されるよう
に質量の位相を構成することによって、正味の加速は図
12の点線に対応するようになる。下方向の加速は摩擦力
に打ち勝ちそれによって地面差込型プローブに動きを与
える一方、上方向の動きは摩擦に打ち勝たないことを容
易に認識することができる。
したがって、質量間の位相を適切に制御することによ
り、回転する質量の効果およびそれらの質量の摩擦力と
の相互作用によって地面差込型プローブの上方向または
下方向の動きを達成することができる。
再び図7を参照して、ヘッドアップディスプレイ47
は、地下にある物体上の地面差込型プローブの相対位置
の視覚的ディスプレイを与える。このヘッドアップディ
スプレイの構造は、半透明の球形ミラーからの光がコリ
メートされしたがって見る人によって少し離れたものと
して認識されるようにこの球形ミラー上に像が投影され
る、フレーザーナッシュ・テクノロジー・リミテッド
(Fraser−Nash Technology Limited)製造のディスプ
レイに対応するものであってもよい。
本発明で生成され得るディスプレイを図13に示してい
る。このディスプレイは3つのウィンドウ80、81および
82を有する。ウィンドウ81は、ウィンドウ80に現われ
る、地面差込型プローブの先端付近の画像を拡大したも
のである。ウィンドウ80および81の各々は、地面差込型
プローブの画像83、地面に対応する領域84、および地下
にある物体の画像85を表示する。これにより、使用者
は、地下にある物体の画像85に対する地面差込型プロー
ブの画像83の接近状態を見ることができ、したがって、
地面差込型プローブ24を地下にある物体26に向かって地
面の中に確実に適切に動かすように、地面差込型プロー
ブ24の動きを制御することができる。したがって、使用
者は、地面差込型プローブ24と地下にある物体26との距
離に対応する画像をその直接の照準線で見ることができ
る。ウィンドウ80の画像はアンテナ21および22を用いて
生成することができ、ウィンドウ81の画像はアンテナ21
および23を用いて生成することができる。
ウィンドウ82は、地面差込型プローブの長手方向の軸
に関する画像85の平面図を与える第1の領域86を有し、
地面差込型プローブ24と地下にある物体26との距離に関
する数値データも与える。
傾斜センサからの情報は図13に示すディスプレイの生
成に用いられ得るため、地面に対応する図13中の領域84
が水平な表面を有するようにするためには、プローブが
傾斜センサを含むようにすることが有用である。プロー
ブが水平な位置に維持されない場合、画像83を領域84に
関して傾斜させるために傾斜センサからの情報を用いる
ことができる。これは、使用者にプローブが傾斜してい
るという警告を与えるためだけではなく、物体の真上の
地表面にアクセスすることが困難であるためプローブを
傾けて物体に接近させる必要がある場合に使用者がプロ
ーブを操縦できるようにするためにも有用であろう。そ
のような傾斜センサがなければ、使用者はプローブを垂
直に維持しなければならないが、これは、たとえばプロ
ーブ自体の上のアルコール水準器によって達成すること
ができる。しかしながら、その場合、図13に示すディス
プレイはプローブの傾斜に応答せず、したがって、プロ
ーブ自体が垂直でなくても地表面に対応する領域84の境
界は常に画像83に対して垂直になるであろう。これは、
画像83の画像85への接近状態に対応する、プローブの物
体への接近状態のディスプレイには影響を及ぼさない
が、図13のディスプレイではその真の位置への案内には
あまり役に立たないであろう。
地面差込型プローブを地下にあるケーブルの方に向か
って地中に駆動する場合に生じ得る1つの問題は、他の
ユーティリティのケーブルのような地下にある他の物体
がすぐ近くにある可能性があることである。すべての物
体が電磁信号を発生していれば、地面差込型プローブの
アンテナにより検出される、結果として得られる信号は
検出される複合信号に対応し、それにより、問題の地下
の物体の位置の不正確な測定値を与える。測定値が誤っ
ていることは、地面差込型プローブを予め定められた距
離だけ動かすことによって、または、上述のように、地
面差込型プローブを傾斜させ、物体の予測位置と測定位
置とを比較することによって検出することができる。し
かしながら、操作者には地下にある物体の位置が正確に
突き止められていないことはわかるが、操作者はその物
体の位置を正確に突き止めることができないであろう。
ところが、調査したい敷地の地下にある物体の各々が異
なる周波数の交流電流を有していれば、地下にある物体
の各々によって発生される電磁信号も同様に異なる周波
数であり、したがって、探知機での変調によりこれらの
電磁信号を分解することができる。したがって、操作者
が、適切な電源によって、調査したい敷地の地下にある
物体の各々に異なる周波数の交流電流を与えると、探知
機は、探知機と地下にある各物体との距離をXおよびY
座標に関して決定することができる。さらに、地下にあ
るすべての物体の探知機に関する位置がわかるため、こ
れらの物体の互いに関する位置もわかる。したがって、
図13に示すディスプレイは、地下にある1つ以上の物体
を表示し得る。そのような地下にある第2の物体の画像
を87で示している。したがって、調査したい敷地の地下
にある物体の各々に異なる信号を与えることによって、
地面差込型プローブの操作者には、その敷地にあるすべ
ての物体の位置を示すディスプレイが与えられ得、その
ため、地下にある問題の物体に接近しかつ他のすべての
物体を避けるように地面差込型プローブを制御すること
ができる。
別の代替例として、地下にある物体の各々は活性マー
カを有していてもよい。そのような活性マーカはそれ自
体既知であり、特定の搬送周波数に調整されたトランス
ポンダを有する。トランスポンダがその搬送周波数の信
号を受け取ると、エネルギは調整されたピックアップコ
イルで誘導によって変換され、トランスポンダの返送回
路に電力を供給して出力を発生し、その出力は搬送周波
数で周波数変調され、そのため、トランスポンダは、活
性マーカを、したがって、この活性マーカが付いている
物体を識別する復号化データを有する。敷地の地下にあ
る物体の各々がそのような活性マーカを有し、各活性マ
ーカが異なる搬送周波数に調整される場合、たとえば探
知機自体によって発生される搬送周波数の信号の入力に
よって活性マーカ自体を識別するために、どの物体の活
性マーカもトリガすることができる。したがって、探知
機はその敷地の地下にある物体を識別することができ、
これにより、図13に類似した視覚的ディスプレイを生成
できるようになる。
図7〜図13の実施の形態では地面差込型プローブを構
成するのに穴あけバーを用いたが、本発明はそのような
穴あけバーを用いることに限定されるわけではなく、ブ
レードのような他の地面差込型プローブを用いてもよ
い。さらに、モータにより駆動されるシステムによって
地面差込型プローブを駆動することを示したが、打ち込
むまたは振動する動作を起こすために、空気、液圧、ま
たは電気の構成のような他の駆動構成を用いてもよい。
穴あけバーは、その地面への差込みを予め定められた深
さに制限するために機械的なストップを有していてもよ
い。この穴あけバーはまた、特に地面が柔らかいとき
に、土が崩れるのを防ぎかつ視覚的なアクセスを維持す
るために、スリーブを取付けるための手段を有していて
もよい。実際には、差込む敷地から物質を取除いて地下
の物体のすぐ傍の物質の細かい層をなくすために、適切
な真空抽出手段60(図7参照)が設けられてもよい。
図14は、図7の穴あけプローブの代替例である携帯用
探知機の使用を示している。これは、一般に図5の実施
の形態に対応する探知機141と、典型的には肩および/
またはウエストのストラップによって支持される信号処
理およびディスプレイユニット142とを含み、図15にこ
れらを別々に示している。
図16は、ディスプレイユニット142によるディスプレ
イの典型的な形態を示しており、地面および探知機の縦
断面図を、ターゲットラインと探知機との距離に関する
位置データとともに示している。
以上、地下にある物体への探知機の主な適用例を説明
したが、たとえば案内ケーブルを追跡するために、地面
または地上に延びた導体に探知機を同様に適用してもよ
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クーパー,グラハム・ロイ イギリス、ビィ・エイ・14 9・エス・ エックス ウィルトシャー、トローブリ ッジ、メリディアン・ウォーク、9 (56)参考文献 特開 昭59−163586(JP,A) 特開 平3−186786(JP,A) 実開 昭64−34584(JP,U) 実開 平2−128584(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 3/10 G01S 13/88 G01V 3/00 G01V 3/06

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2つのアンテナ(21、22、23)
    を予め定められた間隔(51、52)で有する地面差込型プ
    ローブを含み、前記アンテナ(21、22、23)は物体(2
    6)の導体からの電磁信号を検出するように構成される
    探知機であって、 前記探知機は、電気信号を分析して、前記アンテナの間
    隔の方向(X)と前記方向を横切る方向(Y)に関して
    前記探知機(24)と前記物体(26)との距離を決定する
    分析手段(25)と、 前記地面差込型プローブ(24)と前記物体(26)との距
    離に依存して前記地面差込型プローブ(24)の穴あけ力
    を制御する手段とを備え、 前記分析手段(25)は、前記探知機と前記物体(26)と
    の間の距離を決定する際に前記電磁信号の摂動または非
    対称を補償するように構成されることを特徴とする探知
    機。
  2. 【請求項2】前記地面差込型プローブ(24)は外部シー
    ス(160)を有し、前記地面差込型プローブの残りは前
    記シースから取外し可能である、請求項1に記載の探知
    機。
  3. 【請求項3】3つのアンテナ(21、22、23)を備える、
    請求項1または2のいずれかに記載の探知機。
  4. 【請求項4】前記分析手段(25)は、前記探知機と前記
    物体との間の距離が予め定められた値よりも大きい場合
    には前記3つのアンテナのうちの第1および第2のアン
    テナによって検出される電磁信号を分析し、前記探知機
    と前記物体との距離が前記予め定められた値未満である
    場合には前記3つのアンテナのうちの前記第1のアンテ
    ナおよび第3のアンテナからの電磁信号を分析するよう
    に構成される、請求項3に記載の探知機。
  5. 【請求項5】前記地下にある物体の前記導体に信号を誘
    導する送信機を備える、請求項1ないし請求項4のいず
    れかに記載の探知機。
  6. 【請求項6】前記電磁信号に基づいて、前記プローブと
    前記物体(26)との空間関係を示すディスプレイを生成
    する手段を備える、請求項1ないし請求項5のいずれか
    に記載の探知機。
  7. 【請求項7】前記分析手段(25)は、前記探知機と物体
    との間の異なる距離に対応する、前記アンテナによって
    検出可能な電磁信号を予測するように構成される、請求
    項1ないし請求項6のいずれかに記載の探知機。
  8. 【請求項8】傾斜センサをさらに備える、請求項1ない
    し請求項7のいずれかに記載の探知機。
  9. 【請求項9】前記アンテナ(21、22、23)の各々は少な
    くとも2つの互いに直交するコイル(151、152、153)
    を含む、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の探
    知機。
  10. 【請求項10】前記アンテナ(21、22、23)の各々は3
    つの互いに垂直なコイルを含む、請求項9に記載の探知
    機。
  11. 【請求項11】前記コイルの軸は交差する、請求項9ま
    たは10に記載の探知機。
  12. 【請求項12】前記コイルの軸は交差せず、前記分析手
    段(25)は、前記探知機と前記物体(26)との間の距離
    を決定する際に前記コイル(151、152、153)の相対変
    位を補償するように構成される、請求項9または10に記
    載の探知機。
  13. 【請求項13】請求項1ないし請求項12のいずれかに記
    載の探知機と、物体との組合せであって、前記物体は前
    記導体を形成する少なくとも1つの活性マーカを有し、
    前記活性マーカは符号化された信号を発生するように構
    成され、前記探知機は、前記符号化された信号をトリガ
    するために前記活性マーカへの入力信号を発生する手段
    と、前記活性マーカからの前記符号化された信号を検出
    する手段とを有する、組合せ。
  14. 【請求項14】少なくとも2つのアンテナ(21、22、2
    3)を有する探知機を用いて物体(26)の位置を突き止
    める方法であって、 前記探知機が第1の位置にあるとき、前記アンテナ(2
    1、22、23)を用いて前記物体(26)の導体からの電磁
    信号を検出するステップと、 前記探知機を前記第1の位置から第2の位置に動かすス
    テップと、 前記探知機が前記第2の位置にあるとき、前記アンテナ
    (21、22、23)を用いて前記物体(26)の前記導体から
    の前記電磁信号を検出するステップとを含み、 前記方法は、 前記探知機が前記第2の位置にあるとき前記アンテナ
    (21、22、23)によって検出可能な前記物体(26)の前
    記導体からの前記電磁信号は、前記第1の位置で検出さ
    れる前記電磁信号に基づいて予測され、 前記予測された電磁信号と、前記探知機が前記第2の位
    置にあるときに検出される前記電磁信号とが比較される
    ことを特徴とする、方法。
  15. 【請求項15】前記探知機は前記第1の位置から前記第
    2の位置に傾斜され、前記傾斜は傾斜センサにより測定
    され、前記測定された傾斜は前記第2の位置にある前記
    探知機によって検出可能な電磁信号の予測に用いられ
    る、請求項14に記載の方法。
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