JP3315352B2 - 自転車用変速動作装置及び自転車用変速切換装置 - Google Patents

自転車用変速動作装置及び自転車用変速切換装置

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JP3315352B2
JP3315352B2 JP23204697A JP23204697A JP3315352B2 JP 3315352 B2 JP3315352 B2 JP 3315352B2 JP 23204697 A JP23204697 A JP 23204697A JP 23204697 A JP23204697 A JP 23204697A JP 3315352 B2 JP3315352 B2 JP 3315352B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自転車用変速装置
に用いられる変速動作装置、特に、圧縮気体によって駆
動される変速動作装置に関する。また、本発明は前記変
速動作装置を含む自転車用変速切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自転車で上り坂を軽く登るためや平地を
高速で走るために、複数の変速段を有する変速装置が用
いられている。変速装置は、一般に、変速操作を行うた
めの変速操作部と、変速操作部にケーブルで連結された
変速機構とを有している。変速操作部は、たとえば揺動
する2本の変速レバーと、この変速レバーの操作により
ラチェット機構を介して回転するケーブル巻取部とを有
している。また、変速機構には外装式のものと内装式の
ものとがある。外装式の変速機構は、歯数が異なる複数
の並設されたスプロケットと、スプロケットの並設方
向、すなわちスプロケットの軸方向(以下、変速方向と
いう)に往復移動してチェーンをいずれか一つのスプロ
ケットに案内するためのディレーラとを有している。デ
ィレーラは、自転車のフレームに装着される装着部と、
装着部に対して移動して変速方向にチェーンを案内する
チェーン案内部とを有している。内装式のものは、後輪
ハブ内に設けられた変速比が異なる複数の伝達機構と、
ハブ軸方向またはハブ軸回りに往復移動して複数の伝達
機構のうちの一つを選択する操作体とを有している。
【0003】このような従来の変速装置では、一方の変
速レバーを操作することにより、ラチェット機構を介し
てケーブル巻取部が一方向に一変速段毎に回転させられ
る。これにより、ケーブル巻取部にケーブルが巻き取ら
れ、変速機構によりたとえば高速段から低速段への変速
が行われる。また、他方の変速レバーを操作することに
より、ラチェット機構が解除されてケーブル巻取部が他
方向に変速段毎に逆転させられる。これにより、ケーブ
ル巻取部に巻き取られたケーブルが繰り出され、変速機
構により逆方向への変速が行われる。
【0004】ところで、特に競技中においては、走行中
のライダーはペダルを踏むことに労力の大半を使用して
いる。このため、変速レバーの操作に要するライダーの
労力をいかに軽減するかが変速装置にとって重要な課題
である。変速レバーの操作に要するライダーの労力を軽
減するためには、変速レバーのストロークを短くすると
ともに操作力を低減する必要がある。しかし、この2つ
の要求は二律背反的なものであり、操作ストロークを短
くすると操作力が増加し、操作力を低減すると操作スト
ロークが長くなる。このため、変速レバーによりケーブ
ルを巻き取って変速する方式では、両方の要求を同時に
満たすのは困難である。
【0005】これを解決するものとして、電池から供給
される電力を利用してディレーラのチェーン案内部を移
動させる外装式の変速補助システムが知られている(特
開平5−338581号公報)。この変速補助システム
は変換機構と制御機構とインデックス機構とを備えてい
る。変換機構はチェーン案内部の内部に設けられたカム
等の部材を有している。変換機構は、チェーンにより回
転させられるプーリ等のチェーン案内部を構成する回転
部材の回転を変速方向の変位に、すなわち回転運動を直
線往復運動に変換するための機構である。制御機構は、
変換機構に連結されて往復移動する制御シャフトと、そ
れぞれのロッド先端が制御シャフトの両側面のいずれか
に係合する1対の電動ソレノイドとを有し、チェーン案
内部の変速方向を制御するための機構である。制御シャ
フトの両側面には、変速位置に対応して傾斜面と垂直面
とを有する凹所が形成されており、凹所において傾斜面
の位置が両側面で互いに逆側に形成されている。電動ソ
レノイドには、電池からハンドルバー等に装着された変
速操作用スイッチを介して電力が供給されており、変速
操作用スイッチにより電動ソレノイドは動作する。電動
ソレノイドが動作してロッド先端が凹所に係合される
と、制御シャフトとチェーン案内部とがいずれかの変速
方向に移動不能に係止される。インデックス機構は、制
御機構により変速方向が制御されて移動したチェーン案
内部を変速位置で保持するためのものであり、そこに
は、変速位置で保持したときに電動ソレノイドをオフす
るための相補型コンダクタが設けられている。
【0006】この変速補助システムでは、ペダルを回転
させると、チェーンにより回転部材が回転し、その回転
により制御シャフトが変速方向に往復動する。そして変
速操作用スイッチを操作すると、そのスイッチに応じた
電動ソレノイドが動作し、この電動ソレノイドのロッド
先端が制御シャフトのいずれかの側面の凹所に係合す
る。これにより、制御シャフトとともにプーリを含むチ
ェーン案内部が変速方向の一方向に移動し、インデック
ス機構により変速位置で保持される。インデックス機構
でチェーン案内部が保持されると、電動ソレノイドは後
退し、変速が終了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の変速補助シ
ステムでは、スイッチ操作により電動ソレノイドを動作
させて変速段を切り換えできるので、変速操作に要する
ライダーの労力は軽減される。しかし、電池を電源(駆
動源)として利用しているので、乾電池等の使い捨て形
の1次電池を用いると、電池が消耗する都度電池を交換
しなければならず、駆動源を確保するコストが高くな
る。また、ニッケル・カドミウム電池等の2次電池を用
いると、駆動源を確保するコストは低下するが、充電に
長時間を要するので電池が消耗すると充電が完了するま
で変速補助システムを動作させることができない。これ
を防止するためには、充電時間と電池の消耗時間とを考
慮して多くの電池を用意し、それを常に満充電状態に維
持しなければならず、電池(駆動源)のメンテナンスが
煩雑になる。
【0008】また、マウンテンバイクレース使用時や雨
天使用時に泥水等が電動ソレノイドや相補型コンダクタ
等の電気部品に付着すると、絶縁不良により電動ソレノ
イドが誤動作を起こすおそれがある。このため、使用環
境が限定される。また、特開昭59−199386号公
報、米国特許4,352,503号及び欧州特許12
0,571には、圧縮気体を用いて操作されるディレー
ラが開示されている。ここでは、気体のポンピング機構
が自転車乗車中の車輪の回転によって駆動されるように
なっている。そして、ポンピング機構は、高速走行時に
は気体が高ガス圧となり、低速走行時には低ガス圧とな
るように作動する。さらにガス圧はピストンに伝達され
ており、ピストンはディレーラのコントロールケーブル
に連結されている。したがって、ディレーラの位置はポ
ンピング機構により発生されたガス圧によって決定され
る。
【0009】このような装置の欠点は、ポンピング機構
が走行中において車輪や他の回転部材にドラグ(引きず
り)を引き起こし、したがってライダーの労力が増加す
ることである。さらに、ライダーがある特定の変速段を
選択したい場合、その変速段にするにはガス圧をどの程
度にするかを感覚的に知らなければならず、しかもディ
レーラが所望の変速段に到達する迄の時間、正確にバル
ブを操作することに集中しなければならない。したがっ
てライダーは気が散ってしまい、レース中等においては
問題が多い。
【0010】本発明の課題は、より広い環境で使用で
き、しかもメンテナンスを簡単にすることにある。本発
明の別の課題は、変速段の選択をすばやくかつ確実にす
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の一見地に係る自
転車用変速動作装置は、複数の変速段を有する自転車用
変速装置のディレーラを動作させるための装置であっ
て、作動体と、動作機構とを備えている。作動体は圧縮
気体により動作する。動作機構は、作動体の動作により
ディレーラを1又は複数変速段ずつ動作させるための機
構である。
【0012】この変速動作装置では、圧縮気体により作
動体が動作すると、その動作により動作機構がディレー
ラを1又は複数変速段ずつ動作させる。ここでは、圧縮
気体によりシリンダやアクチュエータ等の作動体が動作
して動作機構によりディレーラを動作させているので、
水がかかっても誤動作を起こしにくい。このため、使用
環境が限定されにくい。また、圧縮気体の圧力が下がっ
ても、空気入れやコンプレッサ等の圧縮手段により直ち
に圧縮気体を供給できるので、駆動源のメンテナンスが
容易である。さらに、動作機構によりディレーラが1又
は複数段ずつ動作させられるため、変速段の選択をすば
やくかつ確実に行うことができる。
【0013】また、前記の装置において、前記動作機構
は、ディレーラを1又は複数変速段毎に変速方向の一方
向に位置決めする第1位置決め機構と、ディレーラを1
又は複数変速段毎に一方向と逆の他方向に位置決めする
第2位置決め機構とを有する。この場合には、第1位置
決め機構と第2位置決め機構とを作動体により動作させ
ることで、一方向に変速する際にも、また他方向に変速
する際にも、1又は複数の変速段毎に簡単に位置決めで
きる。
【0014】さらに、前記の装置において、前記作動体
は、第1位置決め機構を動作させる第1気体圧シリンダ
と、第2位置決め機構を動作させる第2気体圧シリンダ
とを有する。この場合には、気体圧で動作する作動体の
なかでも変換効率が高いエアシリンダ等の気体圧シリン
ダを用いるので、コンパクトで効率がよい変換動作を実
現できる。
【0015】前記の装置において、例えば、前記動作機
構は、ディレーラに連結された制御部材を移動させるた
めの回転自在な回転体と、外周に位置決め用の複数の歯
を有し回転体とともに回転する位置決め体と、位置決め
体のそれぞれの歯に係止可能で位置決め体の回転位置を
保持する位置決め爪と、位置決め爪と歯の係止を解除す
るための解除部材と、回転体を初期位置側に付勢する付
勢部材とを有している。そして、前記第1位置決め機構
は前記位置決め体と前記位置決め爪とを含み、前記第2
位置決め機構は前記位置決め体と前記位置決め爪と前記
解除部材とを付勢部材とを含んでいる。
【0016】前記の装置において、例えば、前記作動体
は、位置決め体を一方向に回転させるための第1気体圧
シリンダと、解除部材を作動させるための第2気体圧シ
リンダとを有している。前記の装置において、例えば、
前記制御部材はコントロールケーブルであり、前記回転
体はコントロールケーブルを巻取り及び繰り出しするケ
ーブル巻取体である。この場合は、動作機構がケーブル
を介して遠隔操作可能にディレーラに連結されるので、
動作機構の取付位置が制限されず、ディレーラから離れ
た汚れにくい場所に動作機構を配置できる。
【0017】前記の装置において、例えば、前記動作機
構は、循環動作することで、ディレーラを変速方向の一
方向及び逆の他方向に位置決めする循環位置決め機構を
有する。この場合には、作動体により循環位置決め機構
を循環動作させることで、一方向の循環動作で2つの変
速方向において1又は複数の変速段毎に位置決めでき、
動作機構や作動体の構成が簡素になる。
【0018】前記の装置において、例えば、前記作動体
は、循環位置決め機構を動作させる気体圧シリンダを有
する。この場合には、気体圧で動作する作動体のなかで
も変換効率が高いエアシリンダ等の気体圧シリンダを用
いるので、コンパクトで効率がよい変換動作を実現でき
る。本発明の別の見地に係る自転車用変速切換装置は、
複数の変速段を有する自転車用変速装置に用いられる装
置であって、前記の自転車用変速動作装置と、ディレー
とを備えている。ディレーラは、変速段を切り換える
ための機構である
【0019】ここでは、前記装置に加え、ディレーラを
有しているので、自転車ヘの取り付けが容易になる。本
発明のさらに別の見地に係る自転車用変速切換装置は、
複数の変速段を有する自転車用変速装置に用いられる変
速切換装置であって、ディレーラと変速動作装置とを備
えている。ディレーラは、ベース部材と、チェーンを案
内するチェーン案内部と、チェーン案内部を支持する可
動部材と、可動部材がベース部材に対して相対移動が可
能なようにベース部材と可動部材とを連結する連結機構
とを有している。変速動作装置は、可動部材をベース部
材に対して圧縮ガスによって相対的に移動させるための
装置であり、可動部材を複数の位置で位置決めしかつ保
持するためのインデックス機構を有している。そして、
変速動作装置は、可動部材をベース部材に対して相対的
に第1方向に移動させるための第1ガスアクチュエータ
と、可動部材をベース部材に対して第1方向とは逆の第
2方向に相対的に移動させるための第2ガスアクチュエ
ータとを有している。
【0020】この場合は、ガスによりインデックス機構
を作動させて、変速段の選択をすばやくかつ確実に行う
ことができる。前記の装置において、例えば、前記連結
機構は、ベース部材及び可動部材に旋回自在に連結され
た第1リンク部材と、ベース部材及び可動部材に旋回自
在に連結された第2リンク部材とを有している。そし
て、第1リンク部材及び第2リンク部材はベース部材及
び可動部材とともに4節連結機構を構成している。
【0021】前記の装置において、例えば、ベース部材
に連結された第1端部及び可動部材に連結された第2端
部を有する第1リターンスプリングと、ベース部材に連
結された第1端部及び可動部材に連結された第2端部を
有する第2リターンスプリングとをさらに備えている。
前記の装置において、例えば、第1リターンスプリング
は第1リンク部材の一方側に配置されており、第2リタ
ーンスプリングは第1リンク部材の逆側に配置されてい
る。
【0022】前記の装置において、インデックス機構は
ベース部材内部に配置されている
【0023】前記の装置において、例えば、インデック
ス機構は制御部材と巻取り部材とラチェット・爪機構と
を有している。制御部材は連結機構に連結された第1端
部を有している。巻取り部材は制御部材の第2端部の引
き込み及び繰り出しを行う。ラチェット・爪機構は、巻
取り部材、第1ガスアクチュエータ及び第2ガスアクチ
ュエータに連結され、巻取り部材を選択された位置に移
動させかつその選択された位置に巻取り部材を保持す
る。
【0024】前記の装置において、例えば、第1ガスア
クチュエータは、ガス圧の供給及び排気に応じて往復動
する第1往復動部材を有し、第2ガスアクチュエータは
ガス圧の供給及び排気によって往復動する第2往復動部
材を有している。前記の装置において、例えば、ラチェ
ット・爪機構は、巻取り部材とともに移動するように連
結されたラチェットホイールと、ラチェットホイールを
選択された位置に駆動するための第1往復動部材に連結
された駆動爪と、ラチェットホイールを所定の位置に保
持しあるいは選択された位置からラチェットホイールを
解除する位置決め爪とを有している。
【0025】前記の装置において、例えば、制御部材は
コントロールケーブルであり、巻取り部材はコントロー
ルケーブルを巻き取りあるいは繰り出しするための巻取
りドラムである。前記の装置において、例えば、連結機
構は第1リンク部材と第2リンク部材とを有している。
第1リンク部材は、第1支持ピンを介してベース部材に
連結されるとともに、第2支持ピンを介して可動部材に
それぞれ旋回自在に連結されている。第2リンク部材
は、第3支持ピンを介してベース部材に、第4支持ピン
を介して可動部材にそれぞれ旋回自在に連結されてい
る。そして、第1リンク部材及び第2リンク部材はベー
ス部材及び可動部材とともに4節連結機構を構成してい
る。
【0026】前記の装置において、例えば、ラチェット
ホイール及び巻取りドラムは第1支持ピンの周りに回転
自在に設けられている。前記の装置において、例えば、
位置決め爪は第3支持ピンの周りに回転自在に設けられ
ている。前記の装置において、例えば、連結機構は、第
1リンク部材及び第2リンク部材の一方から延びる作動
アームを有し、制御部材の第1端部は作動アームに連結
されている。
【0027】前記の装置において、たとえば、制御部材
は第1リンク部材の中心線に一致するように配置されて
いる
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】本発明のさらに別の見地に係る自転車用変
速動作装置は、複数の変速段を有する自転車用変速装置
のディレーラを動作させるための変速動作装置であっ
て、圧縮ガスに応じて移動する動作部材を有するガス作
動装置と、ディレーラを制御する制御部材を制御するた
めの制御部材コントローラと、作動部材及び制御部材コ
ントローラに連結され制御部材コントローラを複数の位
置で位置決めし保持するためのインデックス機構とを備
えている。そして、ガス作動装置は、ガス圧の供給及び
排気によって往復動する第1往復動部材を有する第1ガ
スアクチュエータと、ガス圧の供給及び排気によって往
復動する第2往復動部材を有する第2ガスアクチュエー
タとを有している。
【0032】前記自転車用変速動作装置において、例え
ば、前記インデックス機構は、巻取り部材と、ラチェッ
ト・爪機構とを有している。巻取り部材は、制御部材の
引き込み及び繰り出しを行うための部材であって、制御
部材コントローラを構成する。ラチェット・爪機構は、
巻取り部材を選択された位置に移動し、その選択された
位置に巻取り部材を保持する。
【0033】前記自転車用変速動作装置において、例え
ば、前記ラチェット・爪機構は、巻取り部材とともに回
転するように連結されたラチェットホイールと、第1往
復動部材に連結され選択された位置にラチェットホイー
ルを駆動するための駆動爪と、ラチェットホイールを選
択された位置に保持しかつその選択された位置からラチ
ェットホイールを解除するための位置決め爪とを備えて
いる。
【0034】前記自転車用変速動作装置において、例え
ば、前記制御部材はコントロールケーブルであり、前記
巻取り部材はコントロールケーブルを巻取り及び繰り出
しする巻取りドラムである
【0035】前記自転車用変速動作装置において、例え
ば、前記インデックス機構は、巻取り部材と、ラチェッ
ト・爪機構とを備えている。巻取り部材は、制御部材を
引き込み及び繰り出しする部材であって、制御部材コン
トローラを構成する。ラチェット・爪機構は、巻取り部
材、第1ガスアクチュエータ及び第2ガスアクチュエー
タに連結され、巻取り部材を選択された位置に移動し、
かつその選択された位置に巻取り部材を維持する。
【0036】
【発明の実施の形態】図1において、本発明の一実施形
態を採用したMTB型の自転車は、車体の骨格をなすダ
イヤモンド形のフレーム1を備えている。フレーム1
は、前三角及び後三角からなるフレーム体2と、フレー
ム体2の前部に斜め縦軸回りに回動自在に支持され下部
に2本のエア油圧式のサスペンション3aを備えたフロ
ントフォーク3とを有している。また、自転車は、フロ
ントフォーク3に連結されたハンドル部4と、フレーム
体2の下部に取り付けられ踏み力を駆動力に変換する駆
動部5と、フロントフォーク3の下端に着脱自在に装着
された前輪6と、フレーム体2の後部に着脱自在に装着
された後輪7と、前後のブレーキ装置8,9とをさらに
備えている。
【0037】フレーム体2は、図2に示すように、フロ
ントフォーク3を回動自在に支持するヘッド部10と、
クランク軸(図示せず)を回転自在に支持するためのハ
ンガー部11と、サドル(後述)を固定するためのサド
ル固定部12と、前記各部10〜12を連結するパイプ
フレーム部材13とを有している。これらの各部は、た
とえばアルミニウム、クロームモリブデン鋼又はチタン
合金等の材質からなる金属パイプを溶接して製造され
る。
【0038】パイプフレーム部材13は、下チューブ1
5と、上チューブ16と、シートチューブ17と、シー
トスティ18と、チェーンスティ19とを有している。
下チューブ15はヘッド部10から斜め下後方に延びて
おり、下チューブ15の後端にハンガー部11が設けら
れている。上チューブ16は下チューブ15の上方でヘ
ッド部10から後方に延びている。シートチューブ17
は上チューブ16の後端と下チューブ15の後端とを連
結している。シートチューブ17の上端の後部に筒状の
サドル固定部12が溶接固定されている。このサドル固
定部12に、図1に示すように、サドル29bを上端に
固定したシートポスト29aが上下位置を調節可能に固
定されている。シートスティ18は、上チューブ16の
後端から斜め下後方に2股に分かれて延びている。チェ
ーンスティ19は、ハンガー部11から後方に2股に分
かれて延びシートスティ18の後端に中実のリアフォー
クエンド19aを介して連結されている。
【0039】これらのパイプフレーム部材13は、その
内部が外部と気密に封止され、かつ隣合う相互のチュー
ブ内の空間が連通しており、たとえば、最大10kg/
cm2 未満程度の圧縮空気を貯蔵可能な気体充填部20
を構成している。ここで、下チューブ15と上チューブ
16の内部空間は、ヘッド部10の後側部分で連通して
おり、シートチューブ17と上チューブ16及び下チュ
ーブ15の内部空間は、シートチューブ17の上下端で
それぞれ連通している。また、上チューブ16とシート
スティ18の内部空間は、上チューブ16の後部に形成
された連通孔18aを介して連通しており、下チューブ
15とチェーンスティ19の内部空間はハンガー部11
の上部で連通している。
【0040】上チューブ16の上面には、気体充填部2
0に圧縮気体を充填するための気体充填口21と、内部
に貯蔵された圧縮気体を外部に供給するための2つの気
体供給口22,22とが設けられている。気体充填口2
1は、上チューブ16の後部に設けられている。気体充
填口21には、たとえば、米式タイヤバルブが装着され
ており、自転車用空気入れや自動車用空気入れにより圧
縮空気を容易に充填できる構造となっている。2つの気
体供給口22,22は、上チューブ16の前部に前後方
向に並設されており、一方の気体供給口22には、気体
充填部20内の元圧を表示して気体残量を表示するため
の圧力計23が、他方の気体供給口22には圧力計24
付の圧力調整式レギュレータ25がそれぞれ装着されて
いる。
【0041】また、上チューブ16からシートスティ1
8の下部にかけて、リング状の空気配管チューブ支持部
26が適宜の間隔で設けられている。さらに、シートス
ティ18の途中には後ブレーキ装置9を装着するための
台座27が、シートチューブ17の下端後部にはフロン
トディレーラ(後述)を装着するためのブラケット28
がそれぞれ形成されている。
【0042】図1に示すように、フロントフォーク3の
上部にはハンドル部4を構成するハンドルステム30が
固定されている。ハンドルステム30の上端には、左右
に延びるハンドルバー31が固定されている。ハンドル
バー31の両端にはエンドバー32が装着されている。
また、エンドバー32の内側にはグリップ(図示せず)
が装着されている。グリップの内側には、ブレーキレバ
ー33が取り付けられている。ブレーキレバー33の内
側には、フロントディレーラ38及びリアディレーラ3
9をそれぞれ変速操作するための1対の変速バルブ34
a,34bが取り付けられている。この変速バルブ34
a,34bは、レバーを有する常閉形の手動弁であり、
入側ポートと出側ポートと排気ポートとの3つのポート
を有している。変速バルブ34a,34bは、レバー操
作したときだけ入側ポートから出側ポートに空気を通
し、レバー操作していないときには、出側ポートから排
気ポートに空気を排出するものである。
【0043】また、変速バルブ34a,34bと同様な
1対の変速バルブ34c,34dが、両端のエンドバー
32の先端にも設けられている。なお、変速バルブ34
a,34cは、上り変速用のバルブであり、変速バルブ
34b,34dは、下り変速用のバルブである。ここ
で、上り変速とは、小さいスプロケットから大きいスプ
ロケットへの変速方向を示し、下り変速とは大きいスプ
ロケットから小さいスプロケットへの変速方向を示して
いる。これにより、上り坂等でエンドバー32を握った
状態でも、エンドバー32から手を離すことなくフロン
トディレーラ38及びリアディレーラ39の変速動作を
行える。
【0044】駆動部5は、ハンガ部11に設けられた
ギヤクランク部35と、後輪7のフリーハブに取り付け
られた小ギヤ部36と、ギヤクランク部35と小ギヤ部
36との間に架け渡されたチェーン37と、変速段切換
用のフロントディレーラ38及びリアディレーラ39
と、前後の変速動作装置40f,40rとを有してい
る。前側の変速動作装置40fは、コントロールケーブ
ル4(図4)を介してフロントディレーラ38に連結
され、フロントディレーラ38をクランク軸方向に1変
速段ずつ往復移動させるための装置である。後側の変速
動作装置40rは、コントロールケーブル49(図3)
を介してリアディレーラ39と連結され、リアディレー
ラ39をハブ軸方向に1変速段ずつ往復移動させるため
の装置である。
【0045】ギヤクランク部35は、先端にペダル41
が取り付けられた右ギヤクランク42及び左クランク
(図示せず)を有している。右ギヤクランク42と左ク
ランクとはクランク軸により連結されている。クランク
軸は、ハンガ部11に装着されたボトムブラケット
(図示せず)に回転自在に支持されている。右ギヤクラ
ンク42には、歯数が異なるたとえば3枚のギヤ板がク
ランク軸方向に並べて装着されている。小ギヤ部36に
は、歯数が異なるたとえば8枚の小ギヤがハブ軸方向に
並べて装着されている。
【0046】フロントディレーラ38は、図4に示すよ
うに、チェーン37をギヤ板の並設方向に案内するため
の1対の羽根板からなるチェーン案内部43と、フレー
ム1に対してチェーン案内部43をギヤ板並設方向に移
動自在に支持するためのリンク機構44とを有してい
る。リンク機構44は、シートチューブ17に固定され
ており、チェーン案内部43を下り変速側に移動させる
ようにスプリング(図示せず)により付勢されている。
【0047】リアディレーラ39は、図3に示すよう
に、チェーン37に張力を付与しつつチェーン37を小
ギアの並設方向に案内する2つのプーリを有するチェー
ン案内部45と、フレーム1に対してチェーン案内部4
5を小ギヤ並設方向に移動自在に支持するためのリンク
機構46とを有している。リンク機構46は、リアフォ
ークエンド19aにネジで固定されており、チェーン案
内部45を下り変速側へ移動させるようにスプリング4
7により付勢されている。
【0048】変速動作装置40f,40rは同様な構造
であり、ここでは、変速動作装置40rを例に説明す
る。変速動作装置40rは、エア作動式のものであり、
図3に示すように、2つのエアシリンダ(作動体)5
0,51と、エアシリンダ50,51により動作しリア
ディレーラ39を動作させるための動作機構52とを有
している。
【0049】エアシリンダ50,51は、それぞれ内部
にリターンスプリングを有する単動形のシリンダであ
り、圧縮空気が供給口50a,51aにそれぞれ供給さ
れると、所定ストローク前進し、供給が終わると元に戻
る。動作機構52は、図5〜図9に示すように、エアシ
リンダ50に連結され揺動する位置決めアーム53と、
エアシリンダ51に連結され揺動する解除アーム54
と、それぞれケース60内に収納されたケーブル巻取部
55及びケーブル繰出部56とを有している。ケーブル
巻取部55は、位置決めアーム53の揺動により1変速
段分ずつ一方向に回転し、コントロールケーブル49の
インナーケーブル49aを巻き取るためのものである。
ケーブル繰出部56は、解除アーム54の揺動により1
変速段ずつ他方向に回転し、コントロールケーブル49
のインナーケーブル49aをて繰り出すためのものであ
る。
【0050】ケーブル巻取部55は、送りラチェット5
7と、送りラチェット57と一体に回動する位置決めラ
チェット58と、位置決めラチェット58と一体で回動
するケーブル巻取体59とを有している。これらのラチ
ェット57,58及びケーブル巻取体59は、ケース6
0に固定された回動軸61に一体で回動自在に支持され
ており、ケース60に一端が固定された渦巻きバネ62
により図6及び図8の反時計回り(ケーブル繰出方向)
に付勢されている。
【0051】送りラチェット57の外周部には、図6
(A)に示すように、たとえば、30枚のラチェット歯
57aが等間隔に形成されている。このラチェット歯5
7aに噛み合う送り爪53aが位置決めアーム53に揺
動自在に設けられている。この送り爪53aは、ラチェ
ット歯57a側に付勢されている。ここでは、エアシリ
ンダ50を1ストローク動作させると、図6(B)に示
すように、位置決めアーム53が揺動し、送り爪53a
が送りラチェット57をラチェット歯57a1歯分時計
回りに回転させ、ケーブル巻取体59を12度回転させ
る。
【0052】位置決めラチェット58の外周部には、図
8に示すように、たとえば、15枚のラチェット歯58
aが等間隔に形成されている。このラチェット歯58a
に噛み合う位置決め爪63a,63bが、位置決めラチ
ェット58の外方に周方向に60度の間隔を隔てて配置
されている。この位置決め爪63a,63bは、ケース
60に揺動自在に支持されており、ラチェット歯58a
側に付勢されている。この位置決め爪63a,63bの
先端がラチェット歯58aに噛み合い、位置決めラチェ
ット58の回動位置を保持する。位置決め爪63a,6
3bは、いずれか一方が位置決めラチェット58を保持
している間、他方を保持しない。つまり、位置決め爪6
3a,63bは、交互に位置決めラチェット58を保持
する。なお、位置決め爪63a,63bは、送りラチェ
ット57を跨いで後述する解除カム66(図9)の外側
にも延びている。
【0053】以上のような位置決めラチェット58及び
位置決め爪63a,63b(循環位置決め機構)によっ
て、ディレーラを変速方向の一方向において各変速段毎
に位置決めする第1位置決め機構と、他方向において各
変速段毎に位置決めする第2位置決め機構とが構成され
ている。ケーブル繰出部56は、図5に示すように、送
りラチェット65と、送りラチェット65と一体に回動
する解除カム66とを有している。これらのラチェット
65及び解除カム66は、ケース60に固定された回動
軸61に一体で回動自在に支持されている。
【0054】送りラチェット65の外周部には、図7
(A)に示すように、たとえば、18枚のラチェット歯
65aが等間隔で形成されている。このラチェット歯6
5aに噛み合う送り爪54aが解除アーム54に揺動自
在に設けられている。この送り爪54aは、ラチェット
歯65a側に付勢されている。ここでは、エアシリンダ
51を1ストローク動作させると、図7(B)に示すよ
うに、解除アーム54が揺動し、送り爪54aが送りラ
チェット65をラチェット歯65a1歯分時計回りに回
転させ、解除カム66を20度回転させる。
【0055】解除カム66の外周部には、図9に示すよ
うに、たとえば、9枚のカム歯66aが等間隔に形成さ
れている。このカム歯66aには、位置決めラチェット
58を保持している一方の位置決め爪63a又は63b
が当接している。このため、解除カム66が回転する
と、保持している位置決め爪63a又は63bが外方に
揺動し、位置決めラチェット58の保持状態が直ちに解
除される。なお、送り爪53aは解除カム66の外周部
にも延びており、解除カム66の回転により位置決め爪
63a又は63bと同時に外方に揺動する。これらの爪
が揺動すると、位置決めラチェット58が渦巻きバネ6
2の付勢力によりケーブル繰出方向に直ちに回転する。
このため、ケーブル繰出方向への変速が瞬時に行われ
る。
【0056】それぞれのエアシリンダ50,51と気体
充填部20との間には、図3及び図4に示すように、空
気制御部70f,70rが配置されている。空気制御部
70f,70rは同一構成であるので、空気制御部70
rについて説明する。空気制御部70rは、前述した4
つの変速バルブ34a〜34dと、変速バルブ34a,
34cの出側ポートと変速バルブ34b,34dの出側
ポートとにそれぞれ一括接続されたシャトル弁71a,
71bとを有している。4つの変速バルブ34a〜34
dは、前述したようにそれぞれ操作レバーを有する常時
閉の3ポートの手動弁であり、レバーを操作すると入側
ポートと出側ポートとが連通し、その間のみ空気が通過
する。また、レバーを離すと元に戻り出側ポートと排気
ポートとが連通し、出側ポート以降の配管の空気が抜け
る。
【0057】変速バルブ34a〜34dの入側ポートは
レギュレータ25に一括接続されており、排気ポートは
外部に開放されている。シャトル弁71a(又は71
b)は、変速バルブ34a,34c(又は34b,34
d)の一方が操作されたとき、他方の変速バルブ34
c,34aから空気が漏れないように設けられており、
いずれか一方の変速バルブ34a,34c(又は34
b,34d)の操作を選択するために設けられている。
シャトル弁71a,71bの出側ポートは、エアシリン
ダ50,51の供給口50a,51aにそれぞれ接続さ
れている。なお、各バルブ及びシリンダはエアチューブ
により接続されている。
【0058】次に、気体充填部20に貯蔵された圧縮空
気による自転車のリアディレーラ39の変速動作につい
て説明する。自転車を使用する前に、気体充填部20に
圧縮空気を充填する。この際には、たとえば、ガソリン
スタンド等で自動車のタイヤに空気を入れるコンプレッ
サに接続された米式タイヤバルブ用のアダプタを空気充
填口21に装着する。そして、たとえば、5〜8kg/
cm2 程度の圧縮空気を気体充填部20内に充填する。
そして、レギュレータ25により2kg/cm2 程度に
供給圧力を調節する。なお、圧力計23の圧力がたとえ
ば2kg/cm2 に下がり供給圧力と同等になると、気
充填部20から圧縮気体が出力されない。したがっ
て、この場合には、自転車用手動ポンプやコンプレッサ
を用いて再度圧縮空気を気体充填部20に充填する必要
がある。しかし、この空気充填に要する時間は、数秒か
ら数分程度の短かい時間である。
【0059】リアディレーラ39を高速段から低速段
(上り変速)に変速する際には、変速バルブ34a又は
34cのレバーを1回操作する。変速バルブ34a又は
34cが1回操作されると、レバーが操作されている
間、レギュレータ25により2kg/cm2 程度に調圧
された圧縮空気が変速バルブ34a又は34c、シャト
ル弁71aを介してエアシリンダ50に供給される。こ
のとき、シャトル弁71aの内部の弁体72aは圧縮空
気により空気供給側と逆側に押され、逆側の変速バルブ
34c又は34aの出側ポートに圧縮空気が逆流しない
ようになる。
【0060】エアシリンダ50に空気が供給されると、
エアシリンダ50のシリンダロッドが所定ストローク前
進し、位置決めアーム53を一定角度揺動させる。図6
に示すように、送り爪53aはラチェット歯57aに噛
み合っているので、位置決めアーム53が一定角度揺動
すると、送りラチェット57は例えば12度時計回りに
回転される。これに伴い、位置決めラチェット58及び
ケーブル巻取体59も一体で回転する。位置決めラチェ
ット58が12度回転すると、図8に示すように、回転
前に位置決め爪63aで保持されている場合にはそれに
よる保持が解除され、位置決め爪63bで保持される。
この12度の回転によりコントロールケーブル49のイ
ンナーケーブル49aが図3の矢印A方向に引っ張ら
れ、リアディレーラ39が一変速段低速側に移動する。
そして、レバーの操作が解除されると、出側ポートと排
気ポートとが連通してエアシリンダ50内部の空気の圧
力が抜け、そのシリンダロッドがスプリングにより元に
戻る。これにより位置決めアーム53も元の位置に戻
る。このとき、位置決めアーム53が戻っても、位置決
め爪63a又は63bにより位置決めラチェット58が
保持されているので、ケーブル巻取体59は回転後の位
置に保持される。
【0061】一方、リアディレーラ39を低速段から高
速段(下り変速)に変速する際には、変速バルブ34b
又は34dのレバーを1回操作する。変速バルブ34b
又は34dが1回操作されると、レバーが操作されてい
る間、圧縮空気が変速バルブ34b又は34d、シャト
ル弁71bを介してエアシリンダ51に供給される。こ
のとき、シャトル弁71bの内部の弁体72bは圧縮空
気により空気供給側と逆側に押され、逆側の変速バルブ
34d又は34bの出側ポートに圧縮空気が逆流しない
ようになる。
【0062】エアシリンダ51に空気が供給されると、
エアシリンダ51のシリンダロッドが所定ストローク前
進し、解除アーム54を一定角度揺動させる。図7に示
すように、送り爪54aがラチェット歯65aと噛み合
っているので、送りラチェット65は例えば20度時計
回りに回転される。この結果、解除カム66も一体で回
転する。解除カム66が20度回転すると、図10
(A)に示すように、回転前に位置決め爪63aで位置
決めラチェット58が保持されている場合には、解除カ
ム66が位置決め爪63aを蹴って外方に揺動させ、位
置決め爪63aによる位置決めラチェット58の保持が
解除される(図10(B))。また、送り爪53aも解
除カム66により外方に揺動し、送り爪53aも解除さ
れる。この結果、それらの爪が揺動すると、位置決めラ
チェット58が渦巻きバネ62の付勢力により図10反
時計回りに直ちに逆転する。そして、図10(C)に示
すように、下側の位置決め爪63bがラチェット歯58
aに噛み合うと、位置決めラチェット58が位置決め爪
63bに保持される。この結果、ケーブル巻取体59が
一変速段分逆転し、コントロールケーブル49のインナ
ーケーブル49aが図3の矢印B方向に繰り出され、リ
アディレーラ39が一変速段高速側に移動する。
【0063】フロントディレーラ38も同様な手順で変
速するがその説明は省略する。このように、ディレーラ
38,39をコントロールケーブル49を介してエア作
動式の変速動作装置40f,40rで動作させているの
で、変速動作装置40f,40rの取付位置が制限され
ない。また、圧縮気体により動作する作動体(エアシリ
ンダ50,51)により動作機構を動作させて変速して
いるので、電池を電源に用いる電動作動体を用いる場合
に比べて駆動源のメンテナンスが容易である。しかも、
泥道走行時や雨天走行時にエアシリンダ50,51や動
作機構52が水に濡れても、誤動作するおそれが少な
い。
【0064】〔他の実施形態〕 (a) ディレーラ39をコントロールケーブル49を
介して動作させる構成に代えて、図11に示すように、
動作機構52で直接リアディレーラ39aを動作させて
もよい。ここでは、フレーム体2を圧縮気体源として用
いる代わりにレギュレータ81付の高圧ガスボンベ80
を圧縮気体源として用いている。高圧ガスボンベ80に
は、たとえば、60kg/cm2 程度の圧力の液化炭酸
ガスが貯蔵されている。リアディレーラ39aは、チェ
ーン案内部45aと、フレームに対してチェーン案内部
45aを小ギヤ並設方向に移動自在に支持するためのリ
ンク機構46aとを有している。リンク機構46aは、
下り変速側へ移動させるようにスプリング47rにより
付勢されている。このリンク機構46aのリンク軸は、
動作機構52により位置決めされながら回動する。これ
により、リンク機構46aがチェーン案内部45aを1
変速段ずつギヤ並設方向に移動させる。このように、動
作機構52をリアディレィラ39aに直接取り付けるこ
とで、コントロールケーブルの伸びの調整を行う必要が
なくなり、変速調整が容易になる。
【0065】(b) 外装式の変速機構に代えて、図1
2に示すように、内装式の変速機構にも本発明を適用で
きる。ここで、内装式の変速機構が内蔵された後輪ハブ
90は、ハブ軸91内を軸方向に往復移動する操作軸9
2により4段変速可能である。この操作軸92は、変速
動作装置93により往復移動させられる。変速動作装置
93は、動作機構94と、動作機構94を動作させるた
めのエアシリンダ95とを有している。動作機構94
は、エアシリンダ95に連結され揺動する位置決めアー
ム96と、位置決めアーム96の揺動により1変速段ず
つ一方向に回転する送りラチェット97と、送りラチェ
ット97と一体で回転する位置決めラチェット98と、
これらを固定する回転軸99とを有している。位置決め
アーム96と、送りラチェット97と、位置決めラチェ
ット98の構成は前述したものと同様であり、説明を省
略する。
【0066】回転軸99は、操作軸92に嵌め込まれて
操作軸92を軸方向移動自在に支持する。回転軸99の
操作軸92はめ込み部分の外周面には、交差する螺旋溝
99aが形成されている。操作軸92の端部には螺旋溝
99aに係合する係合部材92aが装着されている。こ
の係合部材92aが螺旋溝99aに係合することで、回
転軸99が1変速段ずつ一方向に回転すると、操作軸9
2が1変速段ずつ軸方向に移動する。そして、4変速段
分移動すると移動端に達し、その後は1変速段ずつ逆方
向に戻る。つまり、操作軸92は、回転軸99が一方向
に回転すると、往復それぞれ3回移動して、変速機構を
変速する。この場合には、1つのエアシリンダで上下の
変速操作を行えるので、変速動作装置の構成が簡素にな
る。
【0067】(c) 内装式の変速機構においても、動
作機構からコントロールケーブルを介して変速機構を動
作させてもよく、2つのエアシリンダにより位置決めと
位置決め解除とを行って変速動作させてもよい。 (d) 図13〜15は、リアディレーラ及びそれを駆
動する変速動作装置の側面図、背面図及び底面図であ
る。変速動作装置を含むリアディレーラ、すなわち変速
切換装置100は、ベース部材104と、ガイドプーリ
116及びテンションプーリ120を有するチェーン案
内部112を支持する可動部材108と、可動部材10
8がベース部材104に対して相対的に移動可能なよう
にベース部材104を可動部材108に連結する連結機
構124と、ベース部材104に対して可動部材108
を相対移動させるための圧縮ガスによって作動する変速
動作装置130とを有している。
【0068】連結機構124は、図15〜図17に示す
ように、第1リンク部材134と第2リンク部材138
とを有している。第1リンク部材134は、支持ピン1
01を介してベース部材104に旋回自在に連結され、
さらに支持ピン102を介して可動部材108に旋回自
在に連結されている。第2リンク部材138は、図17
に示すように、支持ピン103及び軸受230を介して
ベース部材104に旋回自在に連結され、さらに支持ピ
ン105(図16)を介して可動部材108に旋回自在
に連結されている。また、作動アーム137が第2リン
ク部材138に対してほぼ垂直に延びており、低速側調
整ネジ135が第2リンク部材138に設けられてい
る。第1リンク部材134と第2リンク部材138とは
ベース部材104及び可動部材108とともに4節の連
結機構を構成している。第2リンク部材138の一方側
には第1リターンスプリング139(図13)が設けら
れており、この一端140はベース部材104に連結さ
れ、他端141は可動部材108に連結されている。ま
た、第2リンク部材138の他方側には第2リターンス
プリング142が設けられており、この一端143はベ
ース部材104に連結され、他端144は可動部材10
8に連結されている。これらのリターンスプリング13
9,142は可動部材108を下り変速方向、すなわち
一般的には自転車後輪から横方向外側に付勢している。
【0069】変速動作装置130は、下り変速用のガス
アクチュエータ150と、上り変速用のガスアクチュエ
ータ154と、インデックス機構158とを有してい
る。図3に示すエアシリンダ50,51と同様に、両ガ
スアクチュエータ150,154はそれぞれ内部にリタ
ーンスプリングを有する単動型である。図23に示すよ
うに、下り変速用ガスアクチュエータ150はガス圧の
連続的な供給及び排気によって往復動する第1往復動部
材162を有している。さらに詳しくは、圧縮ガスがガ
スアクチュエータ150に供給されると、往復動部材1
62は所定のストローク突出する。また圧縮ガスが排気
されると、往復動部材162は初期位置に戻る。動作中
においては、下り変速用ガスアクチュエータ150は可
動部材108をベース部材104に対して相対的に下り
変速方向に移動させる。
【0070】同様に、図18に示すように、上り変速用
ガスアクチュエータ154はガス圧の連続的な供給及び
排気によって往復動する第2往復動部材166を有して
いる。そして、圧縮ガスがガスアクチュエータ154に
供給されると、往復動部材166は所定のストローク突
出する。また圧縮ガスが排気されると、往復動部材16
6は初期位置に戻る。動作中においては、上り変速用ガ
スアクチュエータ154は可動部材108をベース部材
104に対して相対的に上り変速方向に移動させる。
【0071】インデックス機構158は、後車輪に支持
されたスプロケットに対して可動部材108を複数の位
置に位置決めしかつ保持するために、下り変速用ガスア
クチュエータ150、上り変速用ガスアクチュエータ1
54及び連結機構124に連結されている。また、この
インデックス機構158は、リアディレーラを含む変速
切換装置100の全体サイズを小型化するために、図1
7に示すように、ベース部材ブラケット172,174
間のベース部材104内に設けられている。
【0072】さらに詳細に説明すると、図16及び図1
7に示すように、インデックス機構158は、制御部材
180と、巻取り部材188と、ラチェット・爪機構1
96とを有している。制御部材180は、ケーブルであ
り、その第1端部184は作動アーム137を介して連
結機構124に連結されている。巻取り部材188は、
支持ピン101の回りに回転自在に支持された巻取りド
ラムであり、制御部材(ケーブル)180の第2端部1
92の巻き上げ及び繰り出しを行うためのものである。
ラチェット・爪機構196は、巻取り部材188、下り
変速用ガスアクチュエータ150及び上り変速用ガスア
クチュエータ154に連結されており、巻取り部材18
8を選択された位置に移動させるとともにその位置で保
持するためのものである。
【0073】リンク機構を構成する軸を磨耗させたり、
効率を低下させる有害な曲げ力を避けるために、制御部
材180はリンク部材134の中心線にほぼ一致するよ
うに配置されている。このような構成により、2つのリ
ターンスプリング139,142の各構成部材に対する
スプリング力をバランスさせている。本装置のデザイン
によっては、各構成部材に対する力をよりバランスさせ
るために、2つのリターンスプリング139,142の
バネ常数を変えてもよい。
【0074】ラチェットホイール200は巻取り部材1
88と一体回転するように巻取り部材188の軸201
の回りに装着されている。ラチェットホイール200の
各歯215間の間隔は、各歯が1つのスプロケットの位
置に対応するように設定されている。解除カム202
は、解除カムアーム203(図23参照)を介して下り
変速用ガスアクチュエータ150の往復動部材162に
連結されており、さらに解除カム202が巻取り部材1
88に対して相対回転可能なように巻取り部材188の
軸201の回りに装着されている。駆動爪204は、ラ
チェットホイール200を選択位置に駆動するために、
駆動爪アーム208(図18)を介して上り変速用ガス
アクチュエータ154の往復動部材166に連結されて
いる。駆動爪204は軸211(図17)の回りに回転
自在に支持されており、軸211は駆動爪アーム208
に支持されている。爪スプリング213は、駆動爪20
4と駆動爪アーム208との間に設けられており、駆動
爪204の爪214がラチェットホイール200の歯2
15の1つに係止するように駆動爪204を付勢してい
る。位置決め爪212は、支持ピン103の回りに回転
自在に設けられており、ラチェットホイール200を選
択された位置に保持し、また選択された位置からの解除
を選択的に行っている。この位置決め爪212は爪21
8,220を有している。位置決め爪212とリンク部
材138との間には、図16において位置決め爪212
を時計回りに付勢するための爪スプリング224が設け
られている。位置決め爪212は解除カム202のカム
面22に噛み合うカムフォロアアーム228を有して
いる。カムフォロアアーム228の機能については後述
する。
【0075】図18〜図22は上り変速操作におけるイ
ンデックス機構158の動作を示している。まず、位置
決め爪212の爪220がラチェットホイール200の
歯215Aに係止することによって、ラチェットホイー
ル200はある位置で保持されている。
【0076】圧縮ガスが上り変速用ガスアクチュエータ
154に供給されると、往復動部材166(図18)は
右に移動し、これにより駆動爪アーム208が時計回り
に回転させられる。そして、駆動爪204の爪214が
ラチェットホイール200の歯215Bを押し、これに
よりラチェットホイール200は時計回りに回転する。
このような動作によって、制御部材180は巻取り部材
188の回りに巻き上げられ、制御部材180は作動ア
ーム137を引っ張り、これにより可動部材108が上
り変速方向に移動させられる。ラチェットホイール20
0が回転すると、ラチェットホイール200の歯215
Cが位置決め爪212の爪220を押し、位置決め爪2
12を図19において反時計回りに回転させる。ラチェ
ットホイール200が時計回りに回転し続けると、位置
決め爪212の爪220はラチェットホイール200の
歯215Cの先端を超え、歯215Cの左側の凹部に移
動する。この状態を図20に示している。
【0077】圧縮ガスが上り変速用ガスアクチュエータ
154から排気されると、往復動部材166は左に移動
する。これにより、駆動爪204は図21において反時
計回りに回転させられる。ラチェットホイール200は
この時点では反時計回りに回転しない。なぜなら位置決
め爪212の爪220とラチェットホイール200の歯
215Cとが係止し、その位置を保持しているからであ
る。この結果、駆動爪204の爪214はラチェットホ
イール200の歯215Dの先端を乗り越え、歯215
Dの左側に移動する。駆動爪204はこの時点ではホー
ムポジションに位置しており、このようにして上り方向
の1段の変速が終了する。
【0078】図23〜図27は下り変速操作におけるイ
ンデックス機構158の動作を示している。ここで、ま
ずラチェットホイール200は、位置決め爪212の爪
220がラチェットホイール200の歯215Aに噛み
合うことによって、ある位置で保持されていると仮定す
る。
【0079】このような状態で圧縮ガスが下り変速用ガ
スアクチュエータ150に供給されると、図23に示す
ように、往復動部材162が右に移動する。これにより
解除カムアーム203が時計回りに回転させられる。解
除カムアーム203は解除カム202に連結されている
ので、解除カム202は時計回りに回転する。図24に
示すように、解除カム202の時計回りの回転によって
解除カム202のカム面250が駆動爪204の爪21
4を押圧し、これにより駆動爪204が反時計回りに回
転し、かつ爪214がラチェットホイール200の歯2
15に噛み合うのを防止している。同時に、解除カム2
02のカム面22はカムフォロワアーム228を押圧
し、位置決め爪212を反時計回りに回転させる。これ
により、位置決め爪212の爪220はラチェットホイ
ール200の歯215Aの側面を乗り上げ、爪218は
ラチェットホイール200の歯215Eと歯215Fと
の間に入り込む。解除カム202がさらに時計回りに回
転すると、爪220がラチェットホイール20の歯2
15Aの先端を乗り越えるまで位置決め爪212の反時
計回りの回転が生じ、爪218はラチェットホイール2
00の歯215Eと歯215Fとの間の底部に位置する
こととなる。この状態を図25に示している。爪220
がラチェットホイール200の歯215Aの先端を乗り
越えると、ラチェットホイール200は直ちにリターン
スプリング139,142の付勢力によって反時計回り
に回転を始め、巻取り部材188から制御部材180が
繰り出される。ラチェットホイール200の回転は図2
6に示されるように、ラチェットホイール200の歯2
15Fが位置決め爪212の爪218に当たると停止す
る。
【0080】圧縮ガスが下り変速用ガスアクチュエータ
150から排気されると、往復動部材162は左に移動
し、解除カム202は図27に示されるように反時計回
りに回転させられる。これにより、解除カム202のカ
ム面250は、駆動爪204の爪214がホームポジシ
ョンに戻ることを許容する。また、解除カム202のカ
ム面22は位置決め爪212が爪スプリング224の
付勢力によって時計回りに回転することを許容する。そ
して、位置決め爪212の爪218はラチェットホイー
ル200の歯215Fの側面を昇っていき、同時に爪2
20はラチェットホイールの歯215Aと歯215Gと
の間に入り込む。爪218がラチェットホイール200
の歯215Fの先端を乗り越えると、ラチェットホイー
ル200は再び爪スプリング224の付勢力によって反
時計回りに回転を始める。そして、位置決め爪212の
爪220がラチェットホイール200の歯215Gの底
部に当接するまで巻取り部材188から制御部材180
が繰り出される。ラチェットホイール200すなわち巻
取り部材188は、位置決め爪212の爪220とラチ
ェットホイール200の歯215Gとが噛み合うことに
よってこの位置で保持され、これにより下り変速方向へ
の1段の変速操作が終了する。
【0081】
【発明の効果】本発明に係る自転車用変速動作装置及び
自転車用変速切換装置では、圧縮気体によりシリンダや
アクチュエータ等の作動体が動作して動作機構により変
速段切換機構を動作させているので、水がかかっても誤
動作を起こしにくい。このため、使用環境が限定されに
くい。また、圧縮気体の圧力が下がっても、空気入れや
コンプレッサ等の圧縮手段により直ちに圧縮気体を供給
でき、駆動源のメンテナンスが容易である。さらに、動
作機構によりディレーラが1又は複数段ずつ動作させら
れるため、変速段の選択をすばやくかつ確実に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用された自転車の側面
図。
【図2】フレームの一部切欠き側面図。
【図3】リアディレーラの変速機構の空気回路図。
【図4】フロントディレーラの変速機構の空気回路図。
【図5】動作機構の断面図。
【図6】送りラチェットの正面図。
【図7】送りラチェットの正面図。
【図8】位置決めラチェットの正面図。
【図9】解除カムの正面図。
【図10】解除時の動作を示す図。
【図11】他の実施形態の図3に相当する図。
【図12】他の実施形態による変速機構の一部切欠き側
面図。
【図13】他の実施形態による変速動作装置を含む変速
切換装置の側面図。
【図14】図13に示した装置の背面図。
【図15】図13に示した装置の底面図。
【図16】図13に示した装置の部分断面図。
【図17】図16に示した装置のXVII−XVII断面図。
【図18】前記装置の上り変速操作用のインデックス機
構の部分断面図。
【図19】前記インデックス機構の上り変速操作を説明
するための図。
【図20】前記インデックス機構の上り変速操作を説明
するための図。
【図21】前記インデックス機構の上り変速操作を説明
するための図。
【図22】前記インデックス機構の上り変速操作を説明
するための図。
【図23】前記装置の下り変速操作用のインデックス機
構の部分断面図。
【図24】前記インデックス機構の下り変速操作を説明
するための図。
【図25】前記インデックス機構の下り変速操作を説明
するための図。
【図26】前記インデックス機構の下り変速操作を説明
するための図。
【図27】前記インデックス機構の下り変速操作を説明
するための図。
【符号の説明】
38 フロントディレーラ 39 リアディレーラ 40,93,130 変速動作装置 50,51,95 エアシリンダ 52,52,94 動作機構 53,96 位置決めアーム 54 解除アーム 55 ケーブル巻取部 56 ケーブル繰出部 58 位置決めラチェット 63a,63b 位置決め爪 66 解除カム 90 後輪ハブ 92 操作軸 100 変速切換装置 104 ベース部材 108 可動部材 112 チェーン案内部 124 連結機構 134 第1リンク部材 138 第2リンク部材 139,142 リターンスプリング 150,154 ガスアクチュエータ 158 インデックス機構 162,166 往復動部材 180 制御部材(ケーブル) 188 巻取り部材(巻取りドラム) 196 ラチェット・爪機構 200 ラチェットホイール 202 解除カム 204 駆動爪 212 位置決め爪

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の変速段を有する自転車用変速装置の
    ディレーラを動作させるための変速動作装置であって、 圧縮気体により動作する作動体と、 前記作動体の動作により前記ディレーラを1又は複数変
    速段ずつ動作させるための動作機構とを備え、前記動作機構は、前記ディレーラを1又は複数変速段毎
    に変速方向の一方向に位置決めする第1位置決め機構
    と、前記ディレーラを1又は複数変速段毎に前記一方向
    と逆の他方向に位置決めする第2位置決め機構とを有
    し、 前記作動体は、前記第1位置決め機構を動作させる第1
    気体圧シリンダと、前記第2位置決め機構を動作させる
    第2気体圧シリンダとを有する、 自転車用変速動作装置。
  2. 【請求項2】前記動作機構は、前記ディレーラに連結さ
    れた制御部材を移動させるための回転自在な回転体と、
    外周に位置決め用の複数の歯を有し前記回転体とともに
    回転する位置決め体と、前記位置決め体のそれぞれの歯
    に係止可能で前記位置決め体の回転位置を保持する位置
    決め爪と、前記位置決め爪と前記歯の係止を解除するた
    めの解除部材と、前記回転体を初期位置側に付勢する付
    勢部材とを有し、 前記第1位置決め機構は前記位置決め体と前記位置決め
    爪とを含み、 前記第2位置決め機構は前記位置決め体と前記位置決め
    爪と前記解除部材とを付勢部材とを含んでいる、 請求項に記載の自転車用変速動作装置。
  3. 【請求項3】前記作動体は、前記位置決め体を一方向に
    回転させるための第1気体圧シリンダと、前記解除部材
    を作動させるための第2気体圧シリンダとを有する、請
    求項に記載の自転車用変速動作装置。
  4. 【請求項4】前記制御部材はコントロールケーブルであ
    り、 前記回転体は前記コントロールケーブルを巻取り及び繰
    り出しするケーブル巻取体である、 請求項に記載の自転車用変速動作装置。
  5. 【請求項5】前記動作機構は、循環動作することで、前
    記ディレーラを変速方向の一方向及び逆の他方向に位置
    決めする循環位置決め機構を有する、請求項1に記載の
    自転車用変速動作装置。
  6. 【請求項6】前記作動体は、前記循環位置決め機構を動
    作させる気体圧シリンダを有する、請求項に記載の自
    転車用変速動作装置。
  7. 【請求項7】複数の変速段を有する自転車用変速装置に
    用いられる変速切換装置であって、請求項1から6に記載の自転車用変速動作装置と、 前記変速段を切り換えるためのディレーラと 備えた自転車用変速切換装置。
  8. 【請求項8】複数の変速段を有する自転車用変速装置に
    用いられる変速切換装置であって、 ベース部材と、チェーンを案内するチェーン案内部と、
    前記チェーン案内部を支持する可動部材と、前記可動部
    材が前記ベース部材に対して相対移動が可能なように前
    記ベース部材と可動部材とを連結する連結機構とを有す
    るディレーラと、 前記可動部材を前記ベース部材に対して圧縮ガスによっ
    て相対的に移動させるための変速動作装置とを備え、 前記変速動作装置は前記可動部材を複数の位置で位置決
    めしかつ保持するためのインデックス機構を有し 前記変速動作装置は、前記可動部材を前記ベース部材に
    対して相対的に第1方向に移動させるための第1ガスア
    クチュエータと、前記可動部材を前記ベース部材に対し
    て前記第1方向とは逆の第2方向に相対的に移動させる
    ための第2ガスアクチュエータとを有している、 自転車用変速切換装置。
  9. 【請求項9】前記連結機構は、前記ベース部材及び可動
    部材に旋回自在に連結された第1リンク部材と、前記ベ
    ース部材及び可動部材に旋回自在に連結された第2リン
    ク部材とを有し、 前記第1リンク部材及び第2リンク部材は前記ベース部
    材及び可動部材とともに4節連結機構を構成している、 請求項に記載の自転車用変速切換装置。
  10. 【請求項10】前記ベース部材に連結された第1端部及
    び前記可動部材に連結された第2端部を有する第1リタ
    ーンスプリングと、 前記ベース部材に連結された第1端部及び前記可動部材
    に連結された第2端部を有する第2リターンスプリング
    とをさらに備えた、請求項に記載の自転車用変速切換
    装置。
  11. 【請求項11】前記第1リターンスプリングは前記第1
    リンク部材の一方側に配置されており、前記第2リター
    ンスプリングは前記第1リンク部材の逆側に配置されて
    いる、請求項10に記載の自転車用変速切換装置。
  12. 【請求項12】前記インデックス機構は前記ベース部材
    内部に配置されている、請求項から11のいずれかに
    記載の自転車用変速切換装置。
  13. 【請求項13】前記インデックス機構は、 前記連結機構に連結された第1端部を有する制御部材
    と、 前記制御部材の第2端部の引き込み及び繰り出しを行う
    ための巻取り部材と、 前記巻取り部材、前記第1ガスアクチュエータ及び前記
    第2ガスアクチュエータに連結され、前記巻取り部材を
    選択された位置に移動させかつその選択された位置に前
    記巻取り部材を保持するためのラチェット・爪機構と、 を有している請求項に記載の自転車用変速切換装置。
  14. 【請求項14】前記第1ガスアクチュエータは、ガス圧
    の供給及び排気に応じて往復動する第1往復動部材を有
    し、前記第2ガスアクチュエータはガス圧の供給及び排
    気によって往復動する第2往復動部材を有している、請
    求項1に記載の自転車用変速切換装置。
  15. 【請求項15】前記ラチェット・爪機構は、 前記巻取り部材とともに移動するように連結されたラチ
    ェットホイールと、 前記ラチェットホイールを選択された位置に駆動するた
    めの、前記第1往復動部材に連結された駆動爪と、 前記ラチェットホイールを所定の位置に保持し、あるい
    は前記選択された位置から前記ラチェットホイールを解
    除する位置決め爪と、 を有している請求項14に記載の自転車用変速切換装
    置。
  16. 【請求項16】前記制御部材はコントロールケーブルで
    あり、前記巻取り部材は前記コントロールケーブルを巻
    き取りあるいは繰り出しするための巻取りドラムであ
    る、請求項15に記載の自転車用変速切換装置。
  17. 【請求項17】前記連結機構は、 第1支持ピンを介して前記ベース部材に連結されるとと
    もに、第2支持ピンを介して前記可動部材にそれぞれ旋
    回自在に連結された第1リンク部材と、 第3支持ピンを介して前記ベース部材に、第4支持ピン
    を介して前記可動部材にそれぞれ旋回自在に連結された
    第2リンク部材とを有し、 前記第1リンク部材及び第2リンク部材は前記ベース部
    材及び可動部材とともに4節連結機構を構成している、 請求項16に記載の自転車用変速切換装置。
  18. 【請求項18】前記ラチェットホイール及び巻取りドラ
    ムは前記第1支持ピンの周りに回転自在に設けられてい
    る、請求項17に記載の自転車用変速切換装置。
  19. 【請求項19】前記位置決め爪は前記第3支持ピンの周
    りに回転自在に設けられている、請求項18に記載の自
    転車用変速切換装置。
  20. 【請求項20】前記連結機構は、前記第1リンク部材及
    び第2リンク部材の一方から延びる作動アームを有し、 前記制御部材の第1端部は前記作動アームに連結されて
    いる、請求項19に記載の自転車用変速切換装置。
  21. 【請求項21】前記制御部材は前記第1リンク部材の中
    心線に一致するように配置されている、請求項20に記
    載の自転車用変速切換装置。
  22. 【請求項22】複数の変速段を有する自転車用変速装置
    のディレーラを動作させるための変速動作装置であっ
    て、 圧縮ガスに応じて移動する動作部材を有するガス作動装
    置と、 前記ディレーラを制御する制御部材を制御するための制
    御部材コントローラと、 前記作動部材及び制御部材コントローラに連結され、前
    記制御部材コントローラを複数の位置で位置決めし保持
    するためのインデックス機構とを備え、前記ガス作動装置は、 ガス圧の供給及び排気によって往復動する第1往復動部
    材を有する第1ガスアクチュエータと、 ガス圧の供給及び排気によって往復動する第2往復動部
    材を有する第2ガスアクチュエータとを有している、 自転車用変速動作装置。
  23. 【請求項23】前記インデックス機構は、 前記制御部材の引き込み及び繰り出しを行うための部材
    であって、前記制御部材コントローラを構成する巻取り
    部材と、 前記巻取り部材を選択された位置に移動し、その選択さ
    れた位置に前記巻取り部材を保持するためのラチェット
    ・爪機構と、 を備えている請求項22に記載の自転車用変速動作装
    置。
  24. 【請求項24】前記ラチェット・爪機構は、 前記巻取り部材とともに回転するように連結されたラチ
    ェットホイールと、 第1往復動部材に連結され、選択された位置に前記ラチ
    ェットホイールを駆動するための駆動爪と、 前記ラチェットホイールを選択された位置に保持しかつ
    その選択された位置から前記ラチェットホイールを解除
    するための位置決め爪と、 を備えている請求項23に記載の自転車用変速動作装
    置。
  25. 【請求項25】前記制御部材はコントロールケーブルで
    あり、 前記巻取り部材は前記コントロールケーブルを巻取り及
    び繰り出しする巻取りドラムである、請求項24に記載
    の自転車用変速動作装置。
  26. 【請求項26】前記インデックス機構は、 前記制御部材を引き込み及び繰り出しする部材であっ
    て、前記制御部材コントローラを構成する巻取り部材
    と、 前記巻取り部材、第1ガスアクチュエータ及び第2ガス
    アクチュエータに連結され、前記巻取り部材を選択され
    た位置に移動し、かつその選択された位置に前記巻取り
    部材を維持するためのラチェット・爪機構と、 を有している請求項22に記載の自転車用変速動作装
    置。
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