JP3311299B2 - アスファルト用改質材およびこれを含むアスファルト組成物 - Google Patents

アスファルト用改質材およびこれを含むアスファルト組成物

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JP3311299B2 JP29955298A JP29955298A JP3311299B2 JP 3311299 B2 JP3311299 B2 JP 3311299B2 JP 29955298 A JP29955298 A JP 29955298A JP 29955298 A JP29955298 A JP 29955298A JP 3311299 B2 JP3311299 B2 JP 3311299B2
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    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舗装道路の耐久性
を向上させるアスファルト用改質材およびこれを含むア
スファルト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、交通量の増加や、大型車の増加に
伴い、例えばストレートアスファルトを用いた舗装道路
では、塑性流動によるわだち掘れが生じる等して充分な
耐久性が得られなくなってきている。それゆえ、交通量
の増加や、大型車の増加に対応すべく、舗装道路の耐久
性を向上させるために、耐流動性に優れた(わだち掘れ
が生じ難い)アスファルト組成物、或いは、該アスファ
ルト組成物と骨材とを含むアスファルト混合物が求めら
れている。
【0003】そこで、ストレートアスファルトが備える
各種機能を改善するために、該ストレートアスファルト
に改質材を添加してアスファルト組成物とすることが従
来より行われている。該改質材としては、例えば、スチ
レン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム、イソブチレン−イソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチ
レン−イソプレンゴム、天然ゴム、等のゴム;エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、アクリル樹脂、等の熱可塑性樹脂;スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共
重合体、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル
系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、等の熱
可塑性エラストマー;等が用いられている。これら改質
材は、ストレートアスファルトに対して、例えば外添で
8重量%程度添加されて使用されている。尚、従来のア
スファルト組成物は、例えば、改質アスファルトI型や
改質アスファルトII型等と称されている。また、熱可塑
性樹脂としては、廃プラスチック類や廃素材(産業廃棄
物)が利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の改質材を含むアスファルト組成物は、下記問題点を
有している。
【0005】改質材としてゴムを含むアスファルト組成
物は、耐流動性に劣っている。従って、該アスファルト
組成物を含むアスファルト混合物を用いた舗装道路は、
弾力性や粘性が付与され、割れ(クラック)や摩耗が防
止されるものの、夏期に軟化し易いので、わだち掘れが
生じ易い。
【0006】改質材として熱可塑性樹脂を含むアスファ
ルト組成物は、耐流動性に優れるものの、脆く、割れ易
い。従って、該アスファルト組成物を含むアスファルト
混合物を用いた舗装道路は、寒さに弱く、寒冷地での使
用に適さない。また、熱可塑性樹脂の軟化点は120℃
〜130℃程度であるから、該熱可塑性樹脂は、加熱溶
融しているストレートアスファルトに混合する際に変質
し易い。さらに、熱可塑性樹脂は紫外線に対して弱いの
で、該熱可塑性樹脂を含むアスファルト混合物を用いた
舗装道路は、道路表面に露出している部分の劣化が促進
され、固化脆化によってひび割れや欠けが生じ易い。
【0007】改質材として熱可塑性エラストマーを含む
アスファルト組成物は、耐流動性に或る程度優れるもの
の、該アスファルト組成物を含むアスファルト混合物を
用いた舗装道路の耐久性を充分に向上させるには至らな
い。
【0008】それゆえ、耐摩耗性や耐破壊性等の各種機
械的強度に優れると共に、耐流動性に優れたアスファル
ト組成物、つまり、舗装道路の耐久性を向上させること
ができるアスファルト組成物が求められている。また、
該アスファルト組成物を得るのに好適な改質材が求めら
れている。
【0009】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、舗装道路の耐久性を向上さ
せることができるアスファルト組成物、並びに、該アス
ファルト組成物を得るのに好適なアスファルト用改質材
を、安価に提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のア
スファルト用改質材は、上記の課題を解決するために、
舗装道路用のアスファルト組成物に含まれる改質材であ
って、粘度が、60℃で3.0×10 6 poise 〜1.2
×10 7 poise の範囲内、80℃で1.0×10 4 pois
e 〜5.0×10 4 poise の範囲内、100℃で1.0
×10 3 poise〜6.0×10 3 poise の範囲内であ
り、融解ピーク温度が100℃〜120℃の範囲内であ
り、溶融開始温度が90℃〜110℃の範囲内であり、
硬さが40HDD〜60HDDの範囲内であり、引張強
さが55kgf/cm 2 〜75kgf/cm 2 の範囲内
であり、曲げ強さが0.8kgf/mm 2 〜1.2kg
f/mm 2 の範囲内であり、曲げ弾性率が35kgf/
mm 2 〜55kgf/mm 2 の範囲内であり、破壊まで
の押込量が1.7mm〜1.9mmの範囲内であるワッ
クスを含むことを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明のアスファルト用改質
材は、上記の課題を解決するために、請求項1記載のア
スファルト用改質材において、上記ワックスが、原料物
質である合成樹脂と、燃料とからなる原料を燃焼用バス
ケットに投入し、該燃料を燃焼させることで合成樹脂を
溶融させると共に、その一部を熱分解させることで低分
子化して液化し、それらの混合物である溶融物を酸欠状
態の触媒槽に滴下させることにより、溶融物における熱
分解されていない合成樹脂や熱分解の不充分な合成樹脂
を熱分解し、低分子化してワックス状物質を得る一方、
溶融状態となっているワックス状物質の一部が気化して
発生した可燃性の高熱ガスを上記燃焼用バスケットで燃
焼させることにより、燃焼用バスケット内の温度を所定
温度に制御するという方法によって得られるワックス状
物質であって、主成分が飽和鎖式炭化水素からなり、炭
素と水素との重量比(C/H)が5.839〜6.01
8であり、炭素および水素の合計の重量%が98.5%
〜100%であり、数平均分子量(Mn)が3.0×1
3 〜1.0×104 であり、重量平均分子量(Mw)
が1.0×104 〜5.0×104 であり、Mw/Mn
が1.0〜5.0であることを特徴としている。
【0012】上記の構成によれば、舗装道路の耐久性を
向上させることができるアスファルト組成物を得るのに
好適なアスファルト用改質材を、従来の改質材よりも安
価に提供することができる。
【0013】請求項3記載の発明のアスファルト組成物
は、上記の課題を解決するために、請求項1または2の
何れか1項に記載のアスファルト用改質材を含み、舗装
道路に用いられることを特徴としている。
【0014】上記の構成によれば、従来の改質材を含む
場合と比較して、アスファルト組成物を硬くすることが
でき、耐流動性を高くすることができる。それゆえ、舗
装道路の耐久性を向上させることができるアスファルト
組成物を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明にかかるアスファルト用改
質材(以下、単に改質材と記す)は、舗装道路用のアス
ファルト組成物に含まれる改質材であって、ワックスを
含んでなっている。また、本発明にかかるアスファルト
組成物は、ストレートアスファルト等のアスファルト
と、上記アスファルト用改質材とを含んでなっている。
さらに、アスファルト混合物は、上記アスファルト組成
物と、骨材等とを含んでなっている。
【0016】本発明にかかるワックス(ろう)として
は、後述する範囲内の各物性を有する、室温で固体また
は半固体であるワックスが好適であるが、以下に詳述す
るワックス状物質(合成ワックス)が最適である。
【0017】即ち、本発明にかかるワックス状物質は、
例えば、加熱溶融させた原料物質である合成樹脂を熱分
解反応させることにより得られる。上記の合成樹脂とし
ては、例えば、無架橋や低架橋、或いは高架橋のポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィンや
ポリスチレン樹脂等が挙げられる。また、上記の合成樹
脂は、熱分解反応させることによりワックス状物質を得
ることが可能な樹脂であれば、特に限定されるものでは
ない。例えば、ワックス状物質は、ポリエチレン樹脂や
ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂廃棄物から低コストで
製造可能である。つまり、ワックス状物質は、従来の改
質材よりも安価に提供することができる。尚、ワックス
状物質の製造方法については、後段で詳述する。
【0018】次に、本発明にかかるワックス状物質につ
いて、以下に説明する。先ず、ワックス状物質が備えて
いる諸物性等について述べる。ワックス状物質の元素分
析を、以下に示す方法により行った。また、ワックス状
物質の分子量および分子量分布を、以下に示す方法によ
り測定した。さらに、ワックス状物質が備えている諸物
性(物理的性質)を測定した。即ち、ワックス状物質の
融点および比重を、以下に示す方法により測定すると共
に、流れ試験、硬さ試験、引張試験、曲げ試験を、以下
に示す方法により行った。
【0019】〔元素分析〕炭素、水素、窒素および硫黄
の各重量%と、総クロム、カドミウムおよび鉛の各含有
量(μg/g)とを測定した。炭素、水素および窒素の
各重量%は、C,H,N計により測定した。硫黄の重量
%は、JIS K 2541に基づき、燃焼管式石英管
酸素法で燃焼後、比濁法により測定した。総クロム、カ
ドミウムおよび鉛の各含有量は、原子吸光法により測定
した。また、各測定は、試験室温19℃の条件下で行っ
た。その結果、炭素、水素、窒素および硫黄は、この順
に、84.5重量%、14.3重量%、0.2重量%、
0.02重量%未満であった。また、総クロム、カドミ
ウムおよび鉛の各含有量は、何れも検出限界以下(総ク
ロムは10μg/g以下、カドミウムは2μg/g以
下、鉛は5μg/g以下)であった。
【0020】〔分子量および分子量分布〕GPC法によ
り数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)とを
測定した。測定条件は、 カラム : AD80M/S 移動相 : o−ジクロロベンゼン 検出器 : IR (3.42μm) 温 度 : 140℃ 流 量 : 1.0ml/分 試料濃度: 2.0mg/ml また、測定は、試験室温22℃の条件下で行った。その
結果、数平均分子量は6.5×103 であり、重量平均
分子量は2.2×104 であり、分子量分布(Mw/M
n)は3.3であった。
【0021】〔融点〕JIS K 7122に基づき、
DSC法により融解ピーク温度 (℃) を測定した。試験
機は、セイコー電子工業株式会社製 DSS−220C
を使用した。測定条件は、 昇温速度: 10℃/分 また、測定は、試験室温21℃の条件下で行った。その
結果、融解ピーク温度は108℃であった。
【0022】〔比重〕JIS K 7112に基づき、
水中置換法により測定した。また、測定は、試験室温2
1℃の条件下で行った。その結果、比重は0.935で
あった。
【0023】〔流れ試験〕JIS K 7210に基づ
き、高化式フローテスターを使用して、粘度 (poise)
と、溶融開始温度 (℃) とを測定した。粘度は、40
℃,60℃,80℃,100℃における値を定温試験に
より測定した。測定条件は、 ダイ径 : 1mm 試験荷重: 10kgf〜500kgf 溶融開始温度は、昇温試験により測定した。測定条件
は、 ダイ径 : 1mm 試験荷重: 10kgf 昇温速度: 3℃/分 また、測定は、試験室温21℃の条件下で行った。その
結果、40℃,60℃,80℃,100℃における粘度
は、この順に、測定不能、6.6×106 poise 、2.
3×104 poise 、3.0×103 poise であった。ま
た、溶融開始温度は97℃であった。
【0024】〔硬さ試験〕JIS K 7215に基づ
き、硬さ(HDD)を測定した。また、測定は、試験室
温21℃の条件下で行った。その結果、硬さは48HD
Dであった。
【0025】〔引張試験〕JIS K 7113に基づ
き、引張強さ(kgf/cm2 )を測定した。測定条件
は、 試験片 : 1号型 試験速度: 50mm/分 また、測定は、試験室温21℃の条件下で行った。その
結果、引張強さは66kgf/cm2 であった。
【0026】〔曲げ試験〕JIS K 7203に基づ
き、曲げ強さ(kgf/mm2 )と、曲げ弾性率(kg
f/mm2 )と、破壊までの押込量(mm)と、降伏ま
での押込量(mm)とを測定した。測定条件は、 試験片 : 80mm×10mm×2(t)mm 試験速度 : 1mm/分 支点間距離: 30mm また、測定は、試験室温21℃の条件下で行った。その
結果、曲げ強さは0.96kgf/mm2 であり、曲げ
弾性率は46kgf/mm2 であり、破壊までの押込量
は1.85mmであった。また、降伏までの押込量を測
定したところ、1.85mmの時点で試験片が破壊され
た。
【0027】上記の各測定結果について以下に考察す
る。先ず、元素分析、分子量および分子量分布の分析結
果について考える。飽和鎖式炭化水素(パラフィン系炭
化水素)の分子式は、Cn 2n+2で表される。炭素の原
子量は12.011、水素の原子量は1.00794で
あるから、炭素と水素との重量比(C/H)は、ほぼ
5.958となる。
【0028】ワックス状物質の重量比は5.909であ
る。また、炭素および水素の合計の重量%は98.8%
である。つまり、ワックス状物質は、その主成分が、飽
和鎖式炭化水素からなっていることが判る。さらに、ワ
ックス状物質は、数平均分子量が6.5×103 、重量
平均分子量が2.2×104 、Mw/Mnが3.3であ
る。
【0029】ワックス状物質は、組成、分子量および分
子量分布が異なると、物理的性質も異なる。また、ワッ
クス状物質は、各種飽和鎖式炭化水素の混合物であり、
その諸物性は、成分である炭化水素の複雑な結晶構造の
総合結果として現れる。従って、ワックス状物質が備え
る物性は、組成、分子量および分子量分布がそれぞれ微
妙に関連することにより発現されているものと思われ
る。
【0030】次に、融点、流れ試験、および硬さ試験の
測定結果について考える。ワックス状物質は、融解ピー
ク温度が108℃、溶融開始温度が97℃、硬さが48
HDD、粘度が60℃で6.6×106 poise 、80℃
で2.3×104 poise 、100℃で3.0×103 po
ise である(40℃における粘度は、ワックス状物質が
全く溶融しないために測定不能であった)。このため、
改質材であるワックス状物質を含むことにより、アスフ
ァルト組成物を含むアスファルト混合物は、高温(例え
ば夏季等)に曝されても軟化し難いので、耐流動性が高
く、わだち掘れが生じ難いことが判る。
【0031】次に、引張試験、および曲げ試験の試験結
果について考える。ワックス状物質は、引張強さが66
kgf/cm2 、曲げ強さが0.96kgf/mm2
曲げ弾性率が46kgf/mm2 、破壊までの押込量が
1.85mmである(降伏までの押込量は、1.85m
mの時点で試験片が破壊されたため、測定不能であっ
た)。このため、改質材であるワックス状物質を含むこ
とにより、アスファルト組成物を含むアスファルト混合
物は、例えば圧縮応力や引張応力等の種々の応力がかか
っても、表面に微小なひび割れが生じ難いことが判る。
【0032】以上の結果から明らかなように、上記のワ
ックス状物質は、舗装道路の耐久性を向上させることが
できるアスファルト組成物を得るのに好適な改質材であ
ることが判る。また、ワックス状物質は、アスファルト
と骨材とを混合する混合温度(150℃〜185℃)に
おいても安定であり、しかも、アスファルトや骨材との
相溶性、親和性に優れると共に、低温脆性に優れてい
る。本発明にかかる改質材は、上記ワックス状物質等の
ワックスを含んでなっている。尚、該ワックス状物質
は、無害である。
【0033】次に、本願発明者は、耐摩耗性や耐破壊性
等の各種機械的強度にさらに一層優れると共に、耐流動
性にさらに一層優れたアスファルト組成物を得るのに好
適な、ワックス状物質の各物性の範囲について鋭意検討
した。その結果、アスファルト組成物の物理的性質に対
して、上記のどの物性が大きく関わっているのかは明ら
かではないが、ワックス状物質の各物性が以下に示す範
囲内であれば、良好なアスファルト組成物が得られるこ
とが判った。
【0034】即ち、炭素と水素との重量比(C/H)
は、5.839〜6.018の範囲内であることが好ま
しい。炭素および水素の合計の重量%は、98.5%〜
100%の範囲内であることが好ましい。数平均分子量
(Mn)は、3.0×103 〜1.0×104 の範囲内
であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)は、
1.0×104 〜5.0×104 の範囲内であることが
好ましく、Mw/Mnは、1.0〜5.0の範囲内であ
ることが好ましい。融解ピーク温度は、100℃〜12
0℃の範囲内であることが好ましい。粘度は、60℃で
3.0×106 poise 〜1.2×107 poise の範囲
内、80℃で1.0×104 poise 〜5.0×104 po
ise の範囲内、100℃で1.0×103 poise 〜6.
0×103 poise の範囲内であることが好ましく、溶融
開始温度は、90℃〜110℃の範囲内であることが好
ましい。硬さは、40HDD〜60HDDの範囲内であ
ることが好ましい。引張強さは、55kgf/cm2
75kgf/cm2 の範囲内であることが好ましい。曲
げ強さは、0.8kgf/mm2 〜1.2kgf/mm
2の範囲内であることが好ましく、曲げ弾性率は、35
kgf/mm2 〜55kgf/mm2 の範囲内であるこ
とが好ましい。破壊までの押込量は、1.7mm〜1.
9mmの範囲内であることが好ましい。また、弾性は、
殆ど備えていない方が好ましい。尚、ワックス状物質の
各物性が以上に示す範囲外であれば、良好なアスファル
ト組成物を得ることができない。
【0035】次に、上記ワックス状物質の製造方法につ
いて、一例を挙げて以下に説明する。ワックス状物質の
製造装置は、図1に示すように、ワックス状物質Cを受
け溜める受溜用タンク1を備えている。この受溜用タン
ク1は、支脚1a…によって支持されている。受溜用タ
ンク1のタンク上端開口部1bには、筒状の燃焼用バス
ケット2が一体的に載架して固設されている。そして、
燃焼用バスケット2の側壁には、無数の空気導入孔2b
…が穿設されている。また、燃焼用バスケット2の上端
開口部2cは、開放状態となっている。上記燃焼用バス
ケット2内の下部には、燃焼用バスケット2の下端開口
部2aを上方から塞ぐようにして、凸状の原料受け皿で
あるロストル3が設置されている。ロストル3には多数
のロストル孔部3a…が穿設されている。そして、ロス
トル3上に原料A(後述する)が載置される。
【0036】また、燃焼用バスケット2の下部には、上
記の下端開口部2aを下方から塞ぐようにして、閉塞し
た箱状の触媒槽4が取り付けられている。触媒槽4は、
その全壁が網目状部4aを有している。上記の触媒槽4
内には、溶融物B(後述する)の熱分解反応を促進する
触媒、例えば白金や銅等の金属からなる線状触媒4bが
充填されている。そして、上記の溶融物Bは、線状触媒
4b間を通過する。
【0037】燃焼用バスケット2の外周には、燃焼用バ
スケット2に供給すべき空気量を調節するために、筒状
のエアーバランサー5が設置されている。このエアーバ
ランサー5は、燃焼用バスケット2から所定の間隔を置
いて設置されている。また、エアーバランサー5の下部
には、空気を導入するための開口部5aが設けられてい
る。上記のエアーバランサー5の上部は開放状態となっ
ている。
【0038】また、受溜用タンク1と燃焼用バスケット
2との間には、図示しない連通管が複数設置されてい
る。これら連通管は、受溜用タンク1にて発生するガス
を燃焼用バスケット2に送り出すためのポンプ(図示せ
ず)に接続されている。
【0039】そして、受溜用タンク1の内底部には、溶
融しているワックス状物質Cの温度を上昇させるため
に、パイプ状のヒーター6が設置されている。ヒーター
6は、ワックス状物質Cを電気加熱若しくは高周波加熱
する。また、受溜用タンク1の内部には、ワックス状物
質Cの温度を検出するバイメタルや熱電対等の温度セン
サ7が設置されている。ヒーター6は、制御手段8によ
り、ON/OFF制御若しくは比例制御される。制御手
段8は、上記の温度センサ7からの信号に基づいて、ワ
ックス状物質Cを所定温度に保つようにヒーター6を制
御する。
【0040】次に、上記構成の製造装置を用いたワック
ス状物質Cの製造方法について説明する。先ず、原料物
質である合成樹脂と、高架橋のポリエチレン樹脂やポリ
プロピレン樹脂である燃料とからなる原料Aを、燃焼用
バスケット2内に所定量投入する。次に、燃料に着火し
て燃焼させることで、合成樹脂を溶融させると共に、そ
の一部を熱分解させることで、低分子化して液化する。
そして、それらの混合物である溶融物Bをロストル孔部
3a…から滴下させ、触媒槽4の線状触媒4b間を通過
させて、受溜用タンク1に滴下させる。
【0041】このとき、触媒槽4内および受溜用タンク
1内の酸素は、溶融物Bと反応して速やかに消費され
る。このため、触媒槽4内および受溜用タンク1内は酸
欠状態となる。これにより、溶融物Bにおける熱分解さ
れていない樹脂や熱分解の不充分な樹脂は、主に触媒槽
4内で酸欠状態で熱分解し、低分子化してワックス状物
質Cとなる。ワックス状物質Cは、溶融状態で受溜用タ
ンク1に溜められる。
【0042】溶融状態となっているワックス状物質C
は、ヒーター6によって加熱されると共に、温度センサ
7および制御手段8によって制御されることにより、そ
の溶融温度が所定温度に維持される。従って、上記のワ
ックス状物質Cは、酸欠状態となっており、かつ、溶融
温度が安定しているため、ワックス状物質Cの一部が気
化した可燃性のエチレンガス等の高熱ガスGを安定的に
発生する。尚、ワックス状物質Cの溶融温度は、約60
0℃となるように設定すればよい。
【0043】このように発生量が制御された高熱ガスG
は、触媒槽4およびロストル3を通って上昇することに
より、若しくは図示しない連通管およびポンプを介し
て、前記原料Aの燃焼場所である燃焼用バスケット2に
達する。そして、高熱ガスGは、各空気導入孔2b…か
ら導入される空気と混合されて燃焼する。このため、燃
焼用バスケット2内の温度は、所定温度に制御される。
これにより、燃焼用バスケット2に継続的に投入される
原料Aの溶融・分解が持続する。尚、燃焼用バスケット
2における内部温度としては、1100℃程度が望まし
い。また、ワックス状物質Cから、高熱ガスGと共に微
粒子状カーボンも生成するが、生成した微粒子状カーボ
ンは、燃焼用バスケット2内で全て燃焼される。このた
め、燃焼用バスケット2内にカーボン煤が付着すること
はない。従って、ワックス状物質Cにカーボン煤が混入
することはない。
【0044】以上の方法により、本発明にかかる改質材
であるワックス状物質が製造される。勿論、ワックス状
物質の製造装置および製造方法は、上記例示の製造装置
および製造方法に限定されるものではない。即ち、本発
明にかかるワックス状物質は、上記例示の方法によって
製造されるものに限定されない。つまり、ワックス状物
質は、舗装道路の耐久性を向上させることができるアス
ファルト組成物を得るのに好適であるという作用・効果
を奏するものであれば、どのように製造されていてもよ
い。
【0045】本発明にかかるアスファルトとしては、例
えば、ストレートアスファルト(石油アスファルト)、
改質アスファルト、天然アスファルト等が挙げられる
が、ストレートアスファルトが特に好ましい。上記のス
トレートアスファルトは、原油を常圧蒸留装置または減
圧蒸留装置を用いて蒸留し、軽質分を除去して得られる
瀝青物質である。上記の改質アスファルトとしては、例
えば、加熱したストレートアスファルトに軽度のブロー
イング操作を行って感温性を改善し、かつ、60℃にお
ける粘度を高めた改質アスファルト、或いは、従来の改
質材を含む改質アスファルトI型や改質アスファルトII
型等が挙げられる。
【0046】本発明にかかるアスファルト組成物の製造
方法、つまり、上記のアスファルトに、改質材であるワ
ックスを混合する方法は、特に限定されるものではな
く、従来の改質材をアスファルトに混合する方法、即
ち、従来より実施されている混合方法を採用することが
できる。従って、ワックスは、アスファルト組成物を含
むアスファルト混合物を用いた舗装工事が実施される時
点で、該アスファルトに混合されていればよい。また、
混合温度は、150℃〜185℃程度が好適であるが、
特に限定されるものではない。さらに、混合時における
ワックスの形態は、粉体状、粒子状の何れの形態であっ
てもよい。本発明にかかるアスファルト組成物は、上記
ワックス等の改質材と、アスファルトとを含んでなって
いる。
【0047】そして、ワックスの添加量が多くなるほ
ど、アスファルト組成物の、針入度(25℃)は低く
なり、硬くなる、軟化点は高くなる、伸度(7℃,
15℃、延性)は低くなる、フラース脆化点は高くな
り、脆くなる、タフネス−テナシティ試験において、
タフネス値(25℃)は高くなり、粘着力は低くなる、
また、テナシティ値(25℃)は低くなる、粘度(6
0℃)並びに高温動粘度(150℃,180℃)は高く
なる。また、ワックスの添加量が多くなるほど、アスフ
ァルト組成物を用いたアスファルト混合物の、マーシ
ャル安定度は高くなる、フロー値は低くなり、撓み性
は小さくなる、ホイールトラッキングは高くなり、耐
流動性が高くなる。従って、ワックスの添加量は、アス
ファルト組成物に付与すべき諸物性に応じて、最適な量
となるように適宜設定すればよいが、例えば、アスファ
ルトがストレートアスファルトである場合には、該スト
レートアスファルト100部に対して、1部〜15部
(即ち、外添で1重量%〜15重量%)程度がより好適
であり、1部〜10部(同、1重量%〜10重量%)程
度がさらに好適であり、5部(同、5重量%)程度が最
適である。
【0048】本発明にかかる骨材としては、具体的に
は、例えば、砕石、玉砕、砂利、砂、ゴム、木屑、鋼鉄
スラグ、再生骨材、或いは、硬質骨材、明色骨材、着色
骨材等が挙げられるが、特に限定されるものではなく、
従来よりアスファルト混合物に使用されている各種骨材
を採用することができる。
【0049】本発明にかかるアスファルト混合物の製造
方法、つまり、上記のアスファルト組成物に、骨材等を
混合する方法は、特に限定されるものではなく、従来よ
り実施されている混合方法を採用することができる。従
って、アスファルト混合物は、舗装工事が実施される時
点で、形成されていればよい。また、混合温度は、15
0℃〜185℃程度が好適であるが、特に限定されるも
のではない。本発明にかかるアスファルト混合物は、上
記アスファルト組成物と、骨材とを含んでなっている。
アスファルト混合物におけるアスファルト組成物と骨材
との配合割合は、特に限定されるものではない。
【0050】尚、アスファルト混合物は、上記アスファ
ルト組成物および骨材を含むと共に、必要に応じて、石
粉や消石灰、セメント、回収ダスト、フライアッシュ等
のフィラーをさらに含んでいてもよい。該フィラーとし
ては、従来よりアスファルト混合物に使用されている各
種フィラーを採用することができる。また、アスファル
ト混合物は、必要に応じて、剥離防止剤や繊維質補強
材、凍結遅延材、吸油性材、再生用添加剤等の添加剤を
さらに含んでいてもよい。該添加剤としては、従来より
アスファルト混合物に使用されている各種添加剤を採用
することができる。アスファルト混合物における上記フ
ィラーおよび添加剤の配合割合は、特に限定されるもの
ではない。
【0051】以上のように、本発明にかかる改質材は、
ワックス状物質等のワックスを含んでなっている。ま
た、以上のように、本発明にかかるアスファルト組成物
は、アスファルトと、上記改質材とを含んでなってい
る。さらに、以上のように、本発明にかかるアスファル
ト混合物は、上記アスファルト組成物と、骨材等とを含
んでなっている。
【0052】上記の構成によれば、舗装道路の耐久性を
向上させることができるアスファルト組成物を得るのに
好適な改質材を、従来の改質材よりも安価に提供するこ
とができる。また、上記の構成によれば、従来の改質材
を含む場合と比較して、アスファルト組成物を硬くする
ことができ、耐流動性を高くすることができる。それゆ
え、耐流動性に優れているので、塑性流動によるわだち
掘れが生じ難く、舗装道路の耐久性を向上させることが
できるアスファルト組成物を提供することができる。
【0053】本発明にかかる改質材が添加されたアスフ
ァルト組成物やアスファルト混合物の使用場所は、特に
限定されるものではない。また、アスファルト混合物を
用いた舗装道路を施工するための工法や機械等は、特に
限定されるものではなく、従来より実施されている各種
工法や機械等を採用することができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるもの
ではない。尚、各種物性値の測定方法(試験方法)は、
舗装試験法便覧に記載の方法に準じて実施した。
【0055】〔アスファルト組成物の製造方法〕ストレ
ートアスファルトに所定量の前記ワックス状物質を、突
沸しないように注意しながら少量ずつ添加し、160℃
〜165℃で90分間、撹拌・混合することによって、
アスファルト組成物を製造した。上記ワックス状物質の
添加量は、ストレートアスファルト9000gに対し
て、90g,270g,450g,900g,1350
g,1800g(即ち、外添で1重量%,3重量%,5
重量%,10重量%,15重量%,20重量%)とし
た。このとき、アスファルト組成物に泡が生じていない
(脱泡されている)ことを確認した。針入度試験により
測定したストレートアスファルトの針入度(25℃,1
/10mm)は、60〜80(1/10mm)であっ
た。
【0056】〔ワックス状物質の分散状況および溶解時
間〕ワックス状物質の分散状況は、上記アスファルト組
成物の製造時に、目視にて観察し、完全に分散している
場合を「良好」であると評価した。また、ワックス状物
質をストレートアスファルトに添加した時点から、完全
に溶解したことが目視にて確認された時点までの時間を
以て、ワックス状物質の溶解時間とした。結果を表1に
示す。
【0057】表1の結果から明らかなように、ワックス
状物質は、ストレートアスファルトに対する分散性が良
好であり、しかも、溶解時間が数分程度と比較的短時間
であり、溶解性に優れていることが判った。
【0058】〔アスファルト組成物の貯蔵安定性〕アス
ファルト組成物の貯蔵安定性は、上記製造直後のアスフ
ァルト組成物を容量350mlのアルミニウム缶に入れ
た後、該缶を170℃に温度設定されたオーブンに静置
貯蔵し、アスファルト組成物が分解したことを目視にて
確認するまでの日数を測定することによって評価した。
最大貯蔵日数は、7日間とした。結果を表1に示す。
【0059】表1の結果から明らかなように、ワックス
状物質の添加量が外添で1重量%並びに3重量%である
アスファルト組成物は、貯蔵安定性に優れていることが
判った。尚、アスファルト組成物は、所定の方法で測定
した薄膜加熱質量変化率(%)、薄膜加熱針入度残留率
(%)、および蒸発後の針入度比にも優れていた。
【0060】次に、上記のアスファルト組成物を用いて
所定の方法により、アスファルト混合物としての密粒度
アスファルト混合物を製造し、マーシャル安定度、フロ
ー値、および動的安定度(DS)を測定した。該密粒度
アスファルト混合物におけるアスファルトの含有量は、
5.9重量%とし、骨材の最大粒径は、13mmとし
た。また、混合温度を152℃〜157℃、突固め温度
を140℃〜145℃、マーシャル突固め回数を両面5
0回とした。
【0061】上記のマーシャル安定度(kN)は、アス
ファルト混合物の配合設計を行うための物性値であり、
マーシャル安定度試験により測定した。一般に、ストレ
ートアスファルトや改質アスファルトI型、改質アスフ
ァルトII型においては、マーシャル安定度が4.9kN
以上(500kgf以上)であれば、アスファルト混合
物は安定であると評価される。また、フロー値が20〜
40(1/100cm)の範囲内であれば、アスファル
ト混合物は良好であると評価される。結果を表1に示
す。表1の結果から明らかなように、上記アスファルト
組成物を用いたアスファルト混合物は、マーシャル安定
度およびフロー値に優れていることが判った。
【0062】上記の動的安定度(DS)(回/mm)
は、アスファルト混合物の耐流動性を評価する物性値で
あり、ホイールトラッキング試験により測定した。結果
を表1に示す。表1の結果から明らかなように、上記ア
スファルト組成物を用いたアスファルト混合物は、動的
安定度に優れており、従って、耐流動性に優れているこ
とが判った。
【0063】
【表1】
【0064】尚、ストレートアスファルトの品質規格、
改質アスファルトI型およびII型の標準的性状は、アス
ファルト舗装要綱(社団法人 日本道路協会編集・発
行;平成9年7月10日 改訂版第14刷発行)に記載
の品質規格、性状(スペック)を用いた。従って、上記
の各種物性値は、上記要綱に記載の基準値と比較して評
価した。
【0065】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のアスファルト用
改質材は、以上のように、舗装道路用のアスファルト組
成物に含まれる改質材であって、粘度が、60℃で3.
0×10 6 poise 〜1.2×10 7 poise の範囲内、8
0℃で1.0×10 4 poise 〜5.0×10 4 poise の
範囲内、100℃で1.0×10 3 poise 〜6.0×1
3 poise の範囲内であり、融解ピーク温度が100℃
〜120℃の範囲内であり、溶融開始温度が90℃〜1
10℃の範囲内であり、硬さが40HDD〜60HDD
の範囲内であり、引張強さが55kgf/cm 2 〜75
kgf/cm 2 の範囲内であり、曲げ強さが0.8kg
f/mm 2 〜1.2kgf/mm 2 の範囲内であり、曲
げ弾性率が35kgf/mm 2 〜55kgf/mm 2
範囲内であり、破壊までの押込量が1.7mm〜1.9
mmの範囲内であるワックスを含む構成である。
【0066】本発明の請求項2記載のアスファルト用改
質材は、以上のように、上記ワックスが、原料物質であ
る合成樹脂と、燃料とからなる原料を燃焼用バスケット
に投入し、該燃料を燃焼させることで合成樹脂を溶融さ
せると共に、その一部を熱分解させることで低分子化し
て液化し、それらの混合物である溶融物を酸欠状態の触
媒槽に滴下させることにより、溶融物における熱分解さ
れていない合成樹脂や熱分解の不充分な合成樹脂を熱分
解し、低分子化してワックス状物質を得る一方、溶融状
態となっているワックス状物質の一部が気化して発生し
た可燃性の高熱ガスを上記燃焼用バスケットで燃焼させ
ることにより、燃焼用バスケット内の温度を所定温度に
制御するという方法によって得られるワックス状物質で
あって、主成分が飽和鎖式炭化水素からなり、炭素と水
素との重量比(C/H)が5.839〜6.018であ
り、炭素および水素の合計の重量%が98.5%〜10
0%であり、数平均分子量(Mn)が3.0×103
1.0×104 であり、重量平均分子量(Mw)が1.
0×104 〜5.0×104 であり、Mw/Mnが1.
0〜5.0である構成である。
【0067】これにより、舗装道路の耐久性を向上させ
ることができるアスファルト組成物を得るのに好適なア
スファルト用改質材を、従来の改質材よりも安価に提供
することができるという効果を奏する。
【0068】本発明の請求項3記載のアスファルト組成
物は、以上のように、請求項1または2の何れか1項に
記載のアスファルト用改質材を含み、舗装道路に用いら
れる構成である。
【0069】これにより、従来の改質材を含む場合と比
較して、アスファルト組成物を硬くすることができ、耐
流動性を高くすることができる。それゆえ、舗装道路の
耐久性を向上させることができるアスファルト組成物を
提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるワックス状物質を製造するのに
好適な製造装置の一例を示す概略の断面図である。
【符号の説明】 1 受溜用タンク 2 燃焼用バスケット 3 ロストル 4 触媒槽 5 エアーバランサー A 原料 B 溶融物 C ワックス状物質(ワックス)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−357(JP,A) 特開 昭62−153347(JP,A) 特開 平7−251237(JP,A) 特開 平10−128747(JP,A) 特開 昭55−108457(JP,A) 特開 昭48−73424(JP,A) 特開 平10−130422(JP,A) 特開 平7−286124(JP,A) 特開 平10−71450(JP,A) 特開 平5−84742(JP,A) 特開 平4−216868(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 95/00 C08J 11/00 - 11/28 C10G 1/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】舗装道路用のアスファルト組成物に含まれ
    る改質材であって、 粘度が、60℃で3.0×10 6 poise 〜1.2×10
    7 poise の範囲内、80℃で1.0×10 4 poise 〜
    5.0×10 4 poise の範囲内、100℃で1.0×1
    3 poise 〜6.0×10 3 poise の範囲内であり、 融解ピーク温度が100℃〜120℃の範囲内であり、 溶融開始温度が90℃〜110℃の範囲内であり、 硬さが40HDD〜60HDDの範囲内であり、 引張強さが55kgf/cm 2 〜75kgf/cm 2
    範囲内であり、 曲げ強さが0.8kgf/mm 2 〜1.2kgf/mm
    2 の範囲内であり、 曲げ弾性率が35kgf/mm 2 〜55kgf/mm 2
    の範囲内であり、 破壊までの押込量が1.7mm〜1.9mmの範囲内で
    ある ワックスを含むことを特徴とするアスファルト用改
    質材。
  2. 【請求項2】上記ワックスが、原料物質である合成樹脂
    と、燃料とからなる原料を燃焼用バスケットに投入し、
    該燃料を燃焼させることで合成樹脂を溶融させると共
    に、その一部を熱分解させることで低分子化して液化
    し、それらの混合物である溶融物を酸欠状態の触媒槽に
    滴下させることにより、溶融物における熱分解されてい
    ない合成樹脂や熱分解の不充分な合成樹脂を熱分解し、
    低分子化してワックス状物質を得る一方、溶融状態とな
    っているワックス状物質の一部が気化して発生した可燃
    性の高熱ガスを上記燃焼用バスケットで燃焼させること
    により、燃焼用バスケット内の温度を所定温度に制御す
    るという方法によって得られるワックス状物質であっ
    て、主成分が飽和鎖式炭化水素からなり、炭素と水素と
    の重量比(C/H)が5.839〜6.018であり、
    炭素および水素の合計の重量%が98.5%〜100%
    であり、数平均分子量(Mn)が3.0×103 〜1.
    0×104 であり、重量平均分子量(Mw)が1.0×
    104 〜5.0×104 であり、Mw/Mnが1.0〜
    5.0であることを特徴とする請求項1記載のアスファ
    ルト用改質材。
  3. 【請求項3】請求項1または2の何れか1項に記載のア
    スファルト用改質材を含み、舗装道路に用いられること
    を特徴とするアスファルト組成物。
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