JP3309796B2 - 核燃料再処理廃棄物の処理方法 - Google Patents
核燃料再処理廃棄物の処理方法Info
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Description
ュレックス溶媒抽出法による再処理の工程で発生する主
として溶媒洗浄廃液と溶媒抽出水性残液からなる核燃料
再処理廃棄物の処理に係わり、前記廃棄物をガラス固化
体より熱的に安定で、少量の燐酸ジルコニウム・ナトリ
ウムの結晶同構造体物質の形態とする場合に、廃棄物量
を極限まで減少させることに特徴のある核燃料再処理廃
棄物の処理方法に関する。
によって溶解し、ピュレックス溶媒抽出法により、硝酸
性溶解液からウランとプルトニウムを3ブチル燐酸を溶
媒として抽出し、ウランとプルトニウムを希硝酸水溶液
で逆抽出して燃料として再利用し、水性残液中の核分裂
生成物元素は廃棄物とする。
用した溶媒は炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムの水
溶液で洗浄して、核燃料溶解液に含まれる放射線の影響
で溶媒中に生成する燐酸性劣化生成物を除去してから繰
り返し使用する。燐酸性劣化生成物は溶媒相の核燃料物
質中の放射性核分裂生成物濃度を高めるからである。こ
の溶媒洗浄廃液にはナトリウム,燐酸成分とともに小量
の核燃料物質並びに核分裂生成物が含まれる。溶媒洗浄
廃液は、大部分の核分裂生成物を含む溶媒抽出水性残液
と合わせて、又は別々に濃縮廃液とされる。最終的に溶
媒洗浄廃液は溶媒抽出水性残液と合わせて核燃料再処理
高レベル廃棄物として処理される。
て安全に処分できる形態の高レベル廃棄物とするため、
核分裂生成物元素を環境に容易に拡散させないことが重
要であり、核分裂生成物元素を成分とするガラスを生成
して固化体とする方法が一般的であって世界的に広範な
開発が行われている。なかでも、硼硅酸ガラスを成分と
する方法が最も一般的であって、原子炉に装荷して燃焼
度が45,000MWD/MTU程度になったウラン燃
料の1トン当りにガラス固化体の重量は450kgにな
る。
にあり、一定の温度を越えると結晶化してガラスの特性
を失うため、中心温度が再結晶化温度を越えないように
管理する必要があり、特に、核分裂生成物核種の崩壊熱
の発生が著しい期間において注意深い管理が必要であっ
た。
素のうち特定の元素を選択的に含み、地質学的にガラス
質よりも高い安定性が確認されている鉱物の複数種で構
成される岩石を合成して、核分裂生成物を構成する元素
の大部分を固定化する方法が米国特許第54957号に
開示されている。この合成岩石はシンロックと呼ばれ、
一般的な宿主岩石の組成は、ジルコノライトCaZrT
i2O7,ホランダイトBaAl2Ti6O16,ペロヴスカ
イトCaTiO3 の三種のチタン酸塩鉱物からなる。高
レベル廃液の元素組成を鉱物結晶に取り込むために、各
組成元素成分を正確に調合して高レベル廃液又はその焼
成粉末と混合してセラミック手法によって目的の鉱物組
成からなる岩石の合成をおこなう。原子炉に装荷して燃
焼度が45,000 MWD/MTU程度になったウラン
燃料の1トン当りに合成岩石の重量は450kgになる。
の共存性に係わる問題を除くために、単一の鉱物種であ
る燐酸ジルコニウム・ナトリウム(NaZr2P3O12)を
核分裂生成物元素の宿主鉱物として固定化できる可能性
が、A single phase[NZP]ceramic radioactive waste
form, R. Roy, L. J. Yang, E. R. Vance, Scie
ntific Basis for Nuclear Waste Management, Elsevie
r SciencePublishing Co., Inc., Vol.6, p.15−21
(1983)(参考文献1)及びAnAlternative Conditi
oning Method for the Wastes from LWR Fuel
Reprocessing, Y. Hirose, et al., Proceedings for
the Global '97,Yokohama, October 5−10,19
97(参考文献2)に報告されている。燐酸ジルコニウ
ム・ナトリウムの特徴は空間群が
晶構造にあり、元素の置換に伴う電荷の不整合が結晶空
間内に補償元素を取り込むことによって整合できるた
め、結晶構造を保ったままで構成元素が他の元素と置換
する融通性が高い特徴がある。燐酸ジルコニウム・ナト
リウムの非常に低い溶解度と、著しく低い熱膨張係数に
よって、その結晶同構造体物質はセメント固化体より溶
解度が低く、ガラス固化体より熱的に安定な、高レベル
廃棄物の処分形態として評価されている。燐酸ジルコニ
ウム・ナトリウムと等しい結晶構造を有する固化体の重
量は原子炉に装荷して燃焼度が45,000 MWD/M
TU程度になったウラン燃料の1トン当りに硼珪酸ガラ
ス固化体の3分の一程度となる可能性が示されている
が、固化体量に及ぼすナトリウム量の定量的な影響につ
いて検討されていなかった。
廃棄物を硼珪酸ガラスとして固化する従来の方法におい
ては、ナトリウムが宿主であるガラスの成分であり、高
レベル廃棄物中に含まれるナトリウムが少ないほど多量
のナトリウムを添加する必要があるため、ある程度のナ
トリウム量はガラス固化体の量に影響することはなく、
高レベル廃棄物中のナトリウム量について強い関心は払
われていなかった。
発生重量を低減できる核燃料再処理廃棄物の処理方法を
提供することにある。
にのみ依存する核分裂生成物からなる核燃料再処理高レ
ベル廃棄物を燐酸ジルコニウム・ナトリウムの結晶構造
を有する結晶構造体である鉱物質の固化体とする場合
に、固化体量が再処理工程で発生するナトリウムの量に
大きく依存する現象に基づいて行われた。
の同結晶構造体に関しては参考文献1に総説的に記載さ
れている。
ZPと略記する)は分子式がNaZr2P3O12(分子
量:490.34g)であり、結晶構造式は一般的に
[M′1][M″2][A2][B3]O12と表される。結
晶は、ZrO68 面体が、6個のPO44面体と酸素原
子を共有して結合し、各々のPO44面体が4個のZr
O68 面体と酸素原子を共有して結合して、基本構成単
位が(Zr2P3O12)-であるリボン構造を構成し、リボン
構造がPO44 面体で結合されて3次元構造を構成して
いる。リボン構造内に空孔M′があり、ナトリウムイオ
ンが配位する。隣接するリボン構造の間に別の空孔M″
があるが、NZPにおいては満たされていない。
れば原子価状態の異なるイオンによって置換され、A位
置がZr4+と同様にやや大きいイオン半径であれば原子
価状態の異なるイオンによって置換され、また、M′位
置がNa+ と同様にイオン半径が大きいアルカリ金属イ
オン又は当量のアルカリ土類金属のイオンで置換されて
も、原子価状態の異なるイオンによる置換が原子価を補
償するようにM″位置にアルカリ金属イオンが2分子以
内で配位してNZPの結晶構造は保存される。(組成元
素の一部が置換されてもNZPの結晶構造を保存してい
る結晶同構造体物質を[NZP]と略記する。) 結晶構造内の各位置を置換できる典型的な陽イオンの種
類は、イオンの大きさに依存しており、M′,M″位置
は最も大きい陽イオンが、B位置は最も小さい陽イオン
が、A位置は中間の大きさの陽イオンがそれぞれほぼ選
択的に置換する。
Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Zn2+,Cd2+,P
b2+ M″位置:Na+,Rb+,Cs+ A位置:Ti4+,Cr3+,Fe3+,Co2+,Ni2+,Y
3+,Zr2+,Tc4+,Ru4+,Rh3+,Pd3+,I
n3+,La3+,Ce4+,Pr3+,Nd3+,Pm3+,Sm
3+,Eu3+,Gd3+,U4+,Np4+,Pu4+,Am3+,
Cm3+ B位置:Al3+,Si4+,P5+,As5+,Se6+,Mo
6+,Sn4+,Sb5+,Te4+ などである。
量分のNaと置換する。M″位置ではA又はB位置に置
換したイオンの電荷を補償するため、当量文の1価のア
ルカリ金属が配位する。
物構成元素量の限界は、M′位置において、アルカリ金
属及びアルカリ土類金属陽イオンの1グラム等量以内、
A位置においてイオン半径が中程度の陽イオンの2グラ
ム原子以内、B位置においてイオン半径が小さい陽イオ
ンの3グラム原子以内である。さらに、A位置とB位置
において合計したイオンの価数が21グラム等量と23
グラム等量の間にあれば、M″位置に2グラム原子以内
のアルカリ金属イオンを高レベル廃棄物の成分として、
又は、添加成分として取り込んで補償することができ
る。参考文献2に、B位置において原子価が5価の燐イ
オンを原子価が4価の珪素イオンで置換してM″位置に
おけるアルカリ金属の配位を最大限度とすることが示さ
れている。請求項1の発明の技術的手段は、高レベル廃
棄物中のナトリウム量が多いと[NZP]の1分子当り
にM′位置、及びM″位置における元素の最大当量配位
数(3)が[NZP]固化体量の限界となり、高レベル
廃棄物中のナトリウム量が少なくなると[NZP]の1
分子当りにA位置における元素の最大配位数(2)が[N
ZP]固化体量の限界となり、さらに、高レベル廃棄物
中の燐量が多いとB位置における元素の最大配位数
(3)が[NZP]固化体量の限界となる現象に基づ
き、高レベル廃棄物を構成する溶媒洗浄廃液中のナトリ
ウム量を燐量に係わって制御することによる。
廃棄物の主要な元素組成が核燃料の燃焼度に依存して定
まることに基づき、請求項1の発明の効果が最大限とな
るために必要な高レベル廃棄物中におけるナトリウム量
の上限を燐の量に係わって、核燃料の燃焼度を45,0
00 MWD/MTUに規格化して与える。
廃液に含まれるナトリウムの除去方法が、一般に商品名
NASICONとして知られ、基本組成がNa3Zr2Si2PO
12である(或いは、Zrが異原子で置換された)ナトリ
ウムイオン選択伝導性セラミックを隔膜として行う電気
透析による。水溶液中のナトリウムのNASICON(或いは、
Zrが異原子で置換された)ナトリウムイオン選択伝導
性セラミックによる除去については、Ceramic Cleaner
s,Environmental Uses of Sodium Supre-IonicConducti
ng Ceramics,Davor Sutija,et al,The Electrochemica
l SocietyInterface,Winter 1996,Vol. 5,No.
4,p.26−30に記載されている。請求項4の技術
的手段は、前記ナトリウムを除去した後に燐酸ブチルエ
ステルを含む溶媒洗浄廃液を高レベル廃棄物から燐酸ジ
ルコニウム・ナトリウムの結晶構造を有する結晶構造体
である鉱物質である固化体とするための燐酸化物供給源
の一部とするとともに、高レベル廃棄物酸化物に燐及び
珪素の酸化物を添加して[NZP]固化体を合成するに
際して過剰となる酸素の除去媒体として利用する。
の技術的手段によって回収されるナトリウムが溶媒洗浄
廃液に含まれる他の物質に汚染されにくいことに基づ
き、溶媒洗浄廃液の調製に利用する。
燃料再処理廃棄物の成分と、合成しようとする[NZ
P]廃棄物固化体の組成との関係に係わっている。表1
は再処理する使用済燃料ウラン1トン当りの核燃料再処
理高レベル廃棄物の構成元素の発生量組成である。
成分のうち[NZP]固化体のA位置を置換する元素の
量が多いことから、A位置を高レベル廃棄物成分で完全
に置換し、高レベル廃棄物成分のみでA位置の構造を構
成することが[NZP]固化体量を極限にまで低減する
手段となることによる。高レベル廃棄物中のナトリウム
量が多いと[NZP]の1分子当りにM′位置、及び
M″位置における元素の最大当量配位数(3)が[NZ
P]固化体量の限界となり、[NZP]の1分子当りに
A位置における元素の最大配位数(2)が満たされなく
なり、さらに、高レベル廃棄物中の燐量がある程度以上
に多いとB位置における元素の最大配位数(3)が[N
ZP]固化体量の限界となり、また、特にM″位置にお
けるナトリウムの配位数を補償しきれなくなるためにナ
トリウムの許容量が低下することになる。高レベル廃棄
物に対する燐とナトリウムの供給源である溶媒洗浄廃液
からナトリウムを除去して、燐の量に関連して定まるナ
トリウムの量の限界値とする。
含まれる核分裂生成物の組成と量は燃焼度に一義的に依
存し、一方、溶媒洗浄廃液の燐とナトリウム量は再処理
工程に依存して変動することから、燐とナトリウムの量
的制限を再処理する核燃料の燃焼度として45,000
MWD/MTUに規格化した使用済燃料ウラン1トン当
りの高レベル廃棄物に対して設定している。[NZP]
固化体のA位置を高レベル廃棄物組成元素で完全に置換
する条件を達成するためには、高レベル廃棄物の燐量が
100g-mol以下,150g-mol以下,200g-mol以
下において、それぞれ、ナトリウム量が200g-mol以
下,150g-mol以下,100g-mol以下である必要が
ある。燃焼度が27,000 MWD/MTUであれば、
使用済燃料ウラン1トン当りの高レベル廃棄物の主要構
成物質量が60%になるので、高レベル廃棄物中の燐及
びナトリウム量の限界値は燃焼度が45,000 MWD
/MTUの場合の60%に低下する。即ち、[NZP]
固化体のA位置を高レベル廃棄物組成元素で完全に置換
する条件を達成するためには、使用済燃料ウラン1トン
当りの高レベル廃棄物の燐量が60g-mol以下,90g
-mol以下,120g-mol以下において、それぞれ、ナト
リウム量が120g-mol以下,90g-mol以下,60g
-mol以下である必要がある。燐の量は溶媒洗浄廃液中の
溶媒劣化生成物量に由来するため、処理すべき核燃料の
燃焼度が同じでも冷却期間が短く、従って放射能強度が
高いほど溶媒洗浄廃液に含まれる溶媒の劣化生成物量が
増加し、従って、溶媒洗浄廃液に由来する燐の核分裂生
成物量に比較して量は核分裂生成物量に比較して増加す
る。一方、ナトリウム量は溶媒洗浄液の使用量に由来す
るため、核分裂生成物の量よりも処理すべき核燃料物質
量そのものに依存しており、燃焼度が低いほど溶媒洗浄
廃液に由来するナトリウム量は核分裂生成物量に比較し
て増加する。請求項2の発明の作用は、核分裂生成物の
成分と燐及びナトリウムの相対的な釣り合いに依存す
る。
廃棄物に含まれるナトリウムが実質的にすべて溶媒洗浄
廃液に由来しており、溶媒洗浄廃液には炭酸ナトリウ
ム,水酸化ナトリウム,硝酸ナトリウム,燐酸ブチルエ
ステル系溶媒劣化生成物類及び核燃料物質,核分裂生成
物からなる放射性物質を含んでいる。一般に、陽イオン
交換膜を使用して電気透析して陽イオンを含む水溶液か
ら陽イオンを分離することができる。しかし、化学的に
耐久性のある商品名Nafionで代表される弗素系重合体陽
イオン交換膜などは他の陽イオンを含む水溶液からナト
リウムイオンだけを選択して分離することはできない。
ナトリウムの分離に不純物の同伴を許したとしても、分
離回収した高濃度アルカリ液中に沈殿を生成する陽イオ
ンを不純物として含む場合にはイオン交換膜が容易に劣
化する問題があり、さらに、一般に重合体系イオン交換
膜は放射線の照射によって容易に劣化する欠点があっ
た。
たものを含む)ナトリウムイオン選択伝導性セラミック
は、直流電位の下でリチウムイオン,ナトリウムイオ
ン,カリウムイオンを同様に透過するが、ヒドロニウム
イオン(H2O+)及び銀イオン以外のすべての陽イオン
及び陰イオンを透過しない特性がある。この性質は、溶
媒洗浄廃液に含まれるすべてのイオンからナトリウムイ
オンのみを選択的に分離できることを意味している。ま
た、ナトリウムイオン透過性に対して放射線の照射は実
質的に影響がない。燐酸ジルコニウムなどの無機イオン
交換体も放射線照射の影響がないが、NASICON のような
ナトリウムイオン選択性がなく、セシウム,ストロンチ
ウムなどのアルカリ金属,アルカリ土類金属放射性イオ
ンを透過してしまう。従って、NASICON の適用によっ
て、放射性の溶媒洗浄廃液のナトリウム除去処理が始め
て可能になった。
去した後の溶媒洗浄廃液には燐酸ブチルエステル類が含
まれており[NZP]固化体を合成するための燐の供給
源の一部として利用できるが、少なくとも燐のグラム分
子濃度に等しいブチル基が存在していると考えられ、1
グラム分子のブチル基は12.5 グラム分子の酸素を還
元して4グラム分子の炭酸ガスと4.5 グラム分子の水
とすることに基づき、高レベル廃棄物の酸化物形態から
に[NZP]固化体転換する際に過剰となる酸素を効果
的に除去して[NZP]固化体の合成を容易とするため
に、燐酸ブチルエステルのブチル基を還元剤として利用
する。
とする電気透析で回収される水酸化ナトリウムに溶媒洗
浄材として再利用を妨げる不純物を含まず、また、重合
体イオン交換膜と異なり中性の水を透過しないので回収
される水酸化ナトリウムの濃度は目的に応じて広い範囲
で制御できる。回収した水酸化ナトリウムを新しい溶媒
洗浄液を調製する試薬の一部として再利用すれば、二次
廃棄物を発生することがなく、必要な試薬も節約でき
る。
施例である核燃料再処理廃棄物の処理方法を図1を用い
て以下に説明する。図1は燃焼度が45,000 MWD
/MTUの核燃料1トンの高レベル廃棄物の燐量が50
g-mol,100g-mol,150g-mol,200g-mol
である場合に、線1,3,5,7は高レベル廃棄物組成
の酸化物重量をそれぞれ示し、線2,4,6,8は固化
体重量が最少となるように組成を最適化した[NZP]
固化体の重量(kg/MTU)をそれぞれ示してあり、そ
れぞれに及ぼす高レベル廃棄物中のナトリウム量(g-m
ol)の影響を示している。
度が45,000 MWD/MTUの核燃料1トンの処理
によって発生する高レベル廃棄物に含まれる燐は50g
-molであり、ナトリウム量は500g-molであった。こ
の高レベル廃棄物に187.1g-mol のジルコニウム酸
化物(ZrO2),387.4g-mol の硅素酸化物(S
iO2)及び127.3g-molの燐酸化物(PO2.5)を
添加して、既知の方法で組成が、 [M2.766][Zr0.892A1.108][P0.607Si1.847
B0.546]O12(分子量=619g) である、[NZP]固化体を製作した。固化体重量は1
29.82kg であった。ここで、組成式中で、MはM′
及びM″位置に配位する高レベル廃棄物組成元素類を示
し、AはA位置でジルコニウムと置換する高レベル廃棄
物組成元素類を示し、BはB位置で燐と置換する高レベ
ル廃棄物組成元素類をそれぞれ集合的に示す。Zr,
P,Siはそれぞれ[NZP]を合成するために添加し
たジルコニウム,燐,硅素などの元素を示す。
ナトリウム当量として3.00 に達して飽和しており、
A位置において2分子のジルコニウムのうち1.1 分子
しか置換されていない。
度が45,000 MWD/MTUの核燃料1トンの処理
によって発生する高レベル廃棄物に含まれる燐は50g
-molであり、ナトリウム量は500g-molであった。溶
媒洗浄廃液のナトリウムを除去して、高レベル廃棄物に
含まれるナトリウム量を400g-mol乃至300g-mol
に低減し、ジルコニウム酸化物(ZrO2),硅素酸化
物(SiO2)及び燐酸化物(PO2.5)を添加して、具
体例1−1と同様に既知の方法で組成と重量が、 Na400g-mol:[M2.722][Zr0.683A1.317][P
0.530Si1.821B0.649]O12(分子量=636g)11
2.15kg Na300g-mol:[M2.657][Zr0.376A1.624][P0.419Si
1.781B0.800]O12(分子量=660g)94.46kg である[NZP]固化体を製作した。具体例1−1と比
較して、ナトリウム量が低減するに従い[NZP]固化
体重量は低減しているが、何れの場合にもA位置におけ
る置換は不十分であって、さらにナトリウム量を低減す
れば[NZP]固化体重量が低減する可能性がある。
度が45,000 MWD/MTUの核燃料1トンの処理
によって発生する高レベル廃棄物に含まれる燐は50g
-molであり、ナトリウム量は500g-molであった。溶
媒洗浄廃液のナトリウムを除去して、高レベル廃棄物に
含まれるナトリウム量を200g-molに低減し、2.4
g-mol の燐酸化物(PO2.5)と254.9g-mol の硅
素酸化物(SiO2)を添加して既知の方法で、具体例
1−1と同様に既知の方法で組成が [M2.412][A2.00][P0.452Si1.563B0.985]O
12(分子量=687g) である[NZP]固化体を製作した。固化体重量は7
9.81kg であり、固化体密度は5g/cm3 であった。
廃棄物成分によって完全に置換され、ジルコニウムを添
加する必要はなかった。M′,M″位置の配位数は具体
例1−1や具体例1−2より少なくなっているが、B位
置の燐は高レベル廃棄物成分と添加した硅素で殆ど完全
に置換されており、この点からナトリウム量の限界にあ
ると考えられる。[NZP]固化体量は具体例1−1と
比較して50.01 kg低減し、低減量はナトリウム量が
500g-molと200g-molの間でナトリウムの除去量
にほぼ比例しており、相当するナトリウム酸化物(Na2
O)量に係わる比例常数は5.38である。
度が45,000 MWD/MTUの核燃料1トンの処理
によって発生する高レベル廃棄物に含まれる燐は50g
-molであり、ナトリウム量は500g-molであった。溶
媒洗浄廃液のナトリウムをさらに除去して、高レベル廃
棄物に含まれるナトリウム量を20g-molに低減し、1
82.5g-molの燐酸化物(PO2.5)と1.7g-mol の
硅素酸化物(SiO2)を添加して、具体例1−1と同
様に既知の方法で組成が、 [M0.862][A2.00][P2.001Si0.014B0.985]O
12(分子量=656g) である[NZP]固化体を製作した。固化体重量は7
6.17kgであった。
廃棄物成分によって完全に置換され、ジルコニウムを添
加する必要はなかった。M′,M″位置の配位数は具体
例1−2よりさらに少なくなり、B位置は硅素による置
換必要量が非常に少なくなったために具体例1−2と等
しい高レベル廃棄物成分の置換にも拘わらず、燐の添加
量が増加した。M′,M″位置におけるナトリウム量が
20g-mol以下になると、A位置における低い電荷を補
償することができず、従って[NZP]固化体重量とし
て76.17kg が低減限界である。[NZP]固化体量
は具体例1−3と比較して3.64kg 低減し、低減量は
ナトリウム量が200g-molと20g-mol の間でナト
リウムの除去量に比例しており、相当するナトリウム酸
化物量に係わる比例常数は0.65である。
る、燐量が50g-molの高レベル廃棄物に含まれるナト
リウム量を500g-molから200g-molに低減してナ
トリウム酸化物(Na2O)とし9.3kg低減することに
より、[NZP]固化体の重量を50kg低減して、80
kgとすることができた。高レベル廃棄物(酸化物)重量
は[NZP]固化体の重量の90%を占め、ほぼ究極的
な減量が達成された。
は5g/cm3 であり、核燃料1トンの処理によって発生
する高レベル廃棄物の80kgの[NZP]固化体の体積
は16リットルにすぎず、硼珪酸ガラス固化体の体積と
比較して10分の一程度となった。
高レベル廃棄物に含まれるナトリウム量を200g-mol
から20g-molにまで低減してナトリウム酸化物(Na2
O)とし5.58kg低減も、[NZP]固化体の重量は
3.02kgしか低減せず、ナトリウム量を200g-mol
以下に低減する効果が少ないことが判った。
高レベル廃棄物のナトリウム量を20g-mol以下として
も [NZP]固化体重量は76.79kg 以下にならな
いことが判った。
である核燃料再処理廃棄物の処理方法を図1を用いて以
下に説明する。図1は燃焼度が45,000 MWD/M
TUの核燃料1トンの高レベル廃棄物の燐量が50g-m
ol,100g-mol,150g-mol,200g-molである
場合に、線1,3,5,7は高レベル廃棄物組成の酸化
物重量をそれぞれ示し、線2,4,6,8は固化体重量
が最少となるように組成を最適化した[NZP]固化体
の重量(kg/MTU)をそれぞれ示してあり、それぞれ
に及ぼす高レベル廃棄物中のナトリウム量(g-mol)の
影響を示している。
WD/MTUの核燃料1トン当りに燐の量が50g-mol
,100g-mol,150g-mol,200g-molの溶媒
洗浄廃液についてナトリウムを500g-mol乃至50g
-molに調整し、固化体重量が最少となるように適量の燐
及び硅素の酸化物を添加して[NZP]固化体を製作し
た。
に依存して[NZP]固化体及び固化体量は、 Na50g-mol:[M1.120][A2.00][P1.743Si
0.272B0.985]O12(分子量=661g)76.79kg Na100g-mol:[M1.551][A2.00][P1.313S
i0.702B0.985]O12(分子量=670g)77.80k
g Na150g-mol:[M1.981][A2.00][P0.883S
i1.133B0.985]O12(分子量=678g)78.89k
g Na200g-mol:[M2.412][A2.00][P0.452S
i1.563B0.985]O12(分子量=687g)79.81k
g Na300g-mol:[M2.657][Zr0.376A1.624][P
0.419Si1.781B0.800]O12(分子量=660g)94.4
6kg Na400g-mol:[M2.722][Zr0.683A1.317][P
0.530Si1.821B0.649]O12(分子量=636g)112.
15kg Na500g-mol:[M2.766][Zr0.892A1.108][P
0.607Si1.847B0.546]O12(分子量=619g)129.
82kg 燐量が100g-molの場合に、ナトリウム量に依存して
[NZP]固化体及び固化体量は、 Na50g-mol:[M1.120][A2.00][P1.312Si
0.273B1.415]O12(分子量=661g)76.79kg Na100g-mol:[M1.551][A2.00][P0.882S
i0.703B1.415]O12(分子量=670g)77.80k
g Na150g-mol:[M1.981][A2.00][P0.451S
i1.134B1.415]O12(分子量=678g)78.89k
g Na200g-mol:[M2.412][A2.00][P0.021S
i1.564B1.415]O12(分子量=687g)79.81k
g Na300g-mol:[M2.657][Zr0.376A1.624][P
0.069Si1.782B1.149]O12(分子量=660g)94.
46kg Na400g-mol:[M2.722][Zr0.683A1.317][P
0.244Si1.824B0.932]O12(分子量=636g)11
2.15kg Na500g-mol:[M2.766][Zr0.683A1.108][P
0.367Si1.849B0.784]O12 (分子量=619g)12
9.82kg 具体例1にも示した燐量が50g-molの場合と本具体例
における燐量が100g-molの場合では、[NZP]を
合成するために添加する燐と硅素の量が異なるが、[N
ZP]の分子量と固化体量は燐量に無関係にナトリウム
量のみに依存していることがわかった。また、いずれの
場合にも、ナトリウム量が200g-molを越えて多くな
るとA位置における完全な置換が与えられなくなる。
WD/MTUの核燃料1トン当りに燐の量が150g-m
ol及び200g-molの溶媒洗浄廃液についてそれぞれナ
トリウムを500g-mol 乃至50g-molに調製して、
燐及び硅素の酸化物を添加して[NZP]固化体を製作
した。
量に依存して[NZP]固化体及び固化体量は下記のよ
うになった。
[P0.883Si0.271B1.846]O12(分子量=661
g)76.79kg Na100g-mol:[M1.551][A2.00][P0.453S
i0.701B1.846]O12(分子量=670g)77.80k
g Na150g-mol:[M1.981][A2.00][P0.022S
i1.132B1.846]O12(分子量=678g)78.89k
g Na200g-mol:[M2.188][Zr0.185A1.815][Si
1.325B1.675]O12(分子量=667g)85.38kg Na300g-mol:[M2.487][Zr0.480A1.520][Si
1.597B1.403]O12(分子量=648g)99.07kg Na400g-mol:[M2.697][Zr0.695A1.305][Si
1.796B1.204]O12(分子量=634g)112.92kg Na500g-mol:[M2.766][Zr0.892A1.022][P
0.129Si1.849B1.022]O12 (分子量=619g)129.
82kg 燐量が200g-molの場合に、ナトリウム量に依存して
[NZP]固化体及び固化体量は下記のようになった。
[P0.469Si0.255B2.276]O12(分子量=661
g)76.80kg Na100g-mol:[M1.551][A2.00][P0.021S
i0.703B2.276]O12(分子量=670g)77.80k
g Na150g-mol:[M1.783][Zr0.20A1.80][P
0.034Si0.917B2.049]O12(分子量=658g)84.
87kg Na200g-mol:[M1.990][Zr0.35A1.65][P
0.008Si0.114B1.878]O12(分子量=649g)91.
40kg Na300g-mol:[M2.291][Zr0.60A1.40]
[Si1.398B1.593]O12(分子量=634g)10
5.23kg Na400g-mol:[M2.521][Zr0.78A1.22]
[Si1.611B1.389]O12(分子量=624g)11
8.75kg Na500g-mol:[M2.697][Zr0.92A1.08]
[Si1.771B1.229]O12(分子量=615g)13
2.37kg 燐量が150g-molと200g-molでは、[NZP]を
合成するために添加する燐と硅素の量が異なるが、前者
ではナトリウムが200g-molまで、後者ではナトリウ
ムが150g-molまで、[NZP]の分子量と固化体量
はより燐量が少ない場合と同様に燐量に無関係にナトリ
ウム量のみに依存していることがわかった。燐量が15
0g-molと燐量が200g-molの場合、ナトリウム量が
それぞれ150g-mol及び100g-molを越えて多くな
るとA位置における完全な置換が与えられなくなる。A
位置における完全な置換が与えられている限りにおい
て、[NZP]固化体の分子量と固化体量は燐の量に無
関係にナトリウムの量にのみ依存して定まることがわか
った。
の燐の量が100g-molにおいては50g-molの場合と
同様に、[NZP]固化体重量を低減させるために必要
なナトリウム量の限界値は200g-molであることが判
った。
の燐の量が150g-molの場合に、[NZP]固化体重
量を低減させるために必要なナトリウム量の限界値は1
50g-molであることが判った。
の燐の量が200g-molの場合に、[NZP]固化体重
量を低減させるために必要なナトリウム量の限界値は1
00g-molであることが判った。
完全に置換された[NZP]固化体の重量は燐の量に拘
らず、ナトリウム量にのみ依存することが判った。
である核燃料再処理廃棄物の処理方法を図2を用いて以
下に説明する。図2溶媒洗浄廃液からナトリウムを電気
透析的に除去する装置である。1は容器、2はナトリウ
ム選択透過性の組成がNa3Zr2Si2PO12であるNASICO
N の高密度燒結体を底付き円筒状に加工した隔膜、3は
チタンメッシュに白金を鍍金した円筒形で隔膜の外周に
配置される陽極、4はチタンメッシュに白金を鍍金した
円筒形で隔膜の内周に配置される陰極、5は溶媒洗浄廃
液を含む陽極室液、6は水酸化ナトリウムを含む陰極室
液、7はナトリウムを含む溶媒洗浄廃液の流入口、8は
ナトリウムの濃度が減少した陽極室液の出口、9は水の
入り口、10は水酸化ナトリウム水溶液の出口である。
/MTUの核燃料1トン当たりの再処理において発生し
た放射能濃度の高い溶媒洗浄廃液は、炭酸ナトリウム
(Na2CO3 100g-mol)10.6kg,重炭酸ナトリ
ウム(NaHCO3 120g-mol)10.1kg,硝酸ナ
トリウム(NaNO3 100g-mol)8.5kg,燐酸ブチ
ルエステル類ナトリウム塩(R−PO4 50g-mol)1
0.5kgなどを含む水溶液で、容積は1000リットルであ
った。全ナトリウム量は500g-molであった。
7から、容器1に0.5 リットル毎分の速度で供給さ
れ、陽極3と陰極4の間に直流電圧を負荷し、直径が1
0cm、高さが63.7cm(有効表面積:2000cm2)の
隔膜2を介して480アンペアの直流電流を流した。陽
極からは炭酸ガスを発生し、陰極から水素ガスを発生し
た。陽極室液5に含まれるナトリウムイオンは0.15
g-mol 毎分の割合で隔膜2を透過して陰極室液6に移
行した。1分子のナトリウムイオンが隔膜2を透過する
際に約1分子のヒドロニウムイオン(H2O+)が副次的
に隔膜2を通過してナトリウム移行の電流効率が50%
になった。陽極室液出口8からナトリウムの60%が除
去された陽極液が連続的に流出した。水の入り口9か
ら、水を25cc毎分の速度で陰極室液に添加し、水酸化
ナトリウム出口10から、濃度が6g-mol/l の水酸
化ナトリウム水溶液が25cc毎分の速度で流出した。陽
極室液から陰極室液に移行した0.15g-mol 毎分のヒ
ドロニウムイオンはナトリウムイオンから水酸化ナトリ
ウムを生成し、水素ガスを生成するために消費された。
ナトリウムを除去した後の溶媒洗浄廃液においては、炭
酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムが失われたが、燐酸ブ
チルエステルナトリウムと硝酸ナトリウムには変化がな
く、液性は弱い酸性であった。隔膜を構成するセラミッ
ク円筒に残存する微細な空隙を通して、回収された水酸
化ナトリウム水溶液に含まれた放射能は、溶媒洗浄廃液
に含まれた放射能のうち0.1% であり、溶媒洗浄液を
調製するために十分な純度であった。
の条件に適合してナトリウムを除去する具体的な方法が
与えられた。
溶媒洗浄液の調製に利用するために十分な純度であっ
た。
である核燃料再処理廃棄物の処理方法を以下に説明す
る。
g-molのナトリウムを含む溶媒洗浄廃液から電気透析的
に300g-molのナトリウムを除去した後溶媒洗浄廃液
を濃縮し、さらに加熱処理して燐酸ブチルエステルを熱
分解してブチル基成分を除去し、燐酸をナトリウム塩と
してから燃焼度が45,000 MWD/MTUで1トン
の核燃料の再処理で生成する溶媒抽出水性残液の濃縮液
と混合し、さらに52.5g-mol の燐の酸化物(PO
2.5)と181.6g-molの珪素の酸化物(SiO2)を添
加して乾燥粉体化し、圧粉成形後に大気中で1200℃
において焼結して[NZP]固化体を合成した。焼結前
の混合物は1分子当たりに13.0g-mol の酸素を含ん
でおり最終的に化学量論的な12.0g-mol の酸素組成
に到達するまでに12時間の高温加熱処理が必要であっ
た。
0g-mol のナトリウムを含む溶媒洗浄廃液から電気透
析的に300g-molのナトリウムを除去した後、溶媒洗
浄廃液を濃縮し、ブチル基として50g-molに相当する
燐酸ブチルエステルを残したままで、燃焼度が45,0
00 MWD/MTUで1トンの核燃料の再処理で生成
する溶媒抽出水性残液の濃縮液と混合し、さらに52.
5g-molの燐の酸化物(PO2.5)と181.6g-molの珪素
の酸化物(SiO2)を添加して乾燥粉体化し、圧粉成形
後に大気中で1200℃において焼結して[NZP]固
化体を合成した。焼結前の混合物は1分子当たりに1
3.0g-mol の酸素を含んでおり最終的に化学量論的な
12g-mol の酸素組成に到達するまでに6時間の高温
加熱処理で十分であった。
液のブチル基を除去してから溶媒抽出水性残液と混合し
て高レベル廃棄物とし、[NZP]固化体とした場合に
比較して、より短い加熱時間により化学量論的な酸素組
成を有する[NZP]固化体を合成することができた。
である核燃料再処理廃棄物の処理方法を以下に説明す
る。
生する溶媒洗浄廃液の容積は1000リットルで、50
0g-molのナトリウムを含んでいた。高レベル廃棄物の
[NZP]固化体量を低減するために溶媒洗浄廃液から
300g-molのナトリウムをNASICON セラミック円筒を
隔膜として電気透析的に分離して、水酸化ナトリウムと
して12kgを含む濃度が6Mの水酸化ナトリウム水溶液
の50リットルを回収した。若し水酸化ナトリウムを硝
酸で中和して硝酸ナトリウムとすれば25.5kg に増量
し、さらにセメント固化処理して廃棄しようとすれば少
なくとも50kgになる。しかし、回収された水酸化ナト
リウムは新しく1トンの核燃料を処理するための溶媒洗
浄液を調製するために必要な500g-molのナトリウム
試薬の一部として利用したために、処理に伴う二次廃棄
物の発生はなく、新しい試薬の60%が節約できた。
を処理するための溶媒洗浄液を調製するために使用され
たため、二次廃棄物とされることなく、新しい溶媒洗浄
液の調製試薬の60%が節約できた。
高レベル廃棄物を構成する溶媒洗浄廃液中のナトリウム
量に相当するナトリウム酸化物(Na2O)として9.3
kg低減することによって、高レベル廃棄物の[NZP]
固化体重量を50kg低減することができた。
棄物中の燐の量に係わり、[NZP]固化体重量を低減す
る効果をもたらすために必要にして十分なナトリウム量
の限界が与えられた。必要にして十分なナトリウム量の
限界を越えて、ナトリウム酸化物(Na2O)としてさ
らに5.58kg低減しても、高レベル廃棄物の[NZP]固
化体重量をさらに3.83kg低減するにすぎなかった。
組成,放射能条件に適応するナトリウムの除去方法を提
供できた。
を除去した後の溶媒洗浄廃液に含まれる燐を[NZP]
固化体合成の燐供給源の一部とするだけでなく、燐酸ブ
チルエステルを過剰酸素を還元して除去する媒体とし
て、[NZP]固化体合成を容易にした。
液から回収された水酸化ナトリウム水溶液を新たな溶媒
洗浄液の調製に利用して、処理に伴う二次廃棄物が発生
せず、新しい試薬が節約できる。
Claims (5)
- 【請求項1】燐とナトリウムを含む溶媒洗浄廃液に含ま
れる前記ナトリウムを除去して、前記溶媒洗浄廃液と核
分裂生成物を含む溶媒抽出水性残液とからなる核燃料再
処理高レベル廃棄物に含まれる前記ナトリウムの量を前
記燐の量に応じて定まる程度まで低減し、その後、前記
核燃料再処理高レベル廃棄物に燐酸化物と珪素酸化物を
添加して、空間群が 【外1】 の記号で示される対称性を有する3次元結晶構造を有す
る燐酸ジルコニウム・ナトリウム(NaZr2P3O12)
の結晶構造を有する結晶構造体である鉱物質の固化体と
することを特徴とする核燃料再処理廃棄物の処理方法。 - 【請求項2】燃焼度として45,000 MWD/MTU
に規格化した使用済燃料ウラン1トン当りの前記高レベ
ル廃棄物中の前記燐量が100g−mol以下,150g
−mol以下,200g−mol以下の場合に、それぞれ前記
ナトリウム量が200g−mol以下,150g−mol以
下,100g−mol以下である請求項1の核燃料再処理
廃棄物の処理方法。 - 【請求項3】前記溶媒洗浄廃液に含まれる前記ナトリウ
ムの除去は、燐酸ジルコニウム・ナトリウムの燐を部分
的に珪素で置換して合成されるナトリウムイオン選択伝
導性の物質を隔膜として前記溶媒洗浄廃液の構成物質か
らナトリウムイオンのみを選択的に電気透析除去して行
う請求項1の核燃料再処理廃棄物の処理方法。 - 【請求項4】前記ナトリウムを除去した後の、水溶性燐
酸ブチルエステルを含む前記溶媒洗浄廃液が前記燐酸ジ
ルコニウム・ナトリウム(NaZr2P3O12)の結晶構
造を有する結晶構造体である安定な鉱物質の前記固化体
の合成に利用される請求項1の核燃料再処理廃棄物の処
理方法。 - 【請求項5】前記溶媒洗浄廃液から分離されたナトリウ
ムを再び溶媒洗浄液の調製に利用する請求項3の核燃料
再処理廃棄物の処理方法。
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JP04486698A JP3309796B2 (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | 核燃料再処理廃棄物の処理方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11242095A JPH11242095A (ja) | 1999-09-07 |
JP3309796B2 true JP3309796B2 (ja) | 2002-07-29 |
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-
1998
- 1998-02-26 JP JP04486698A patent/JP3309796B2/ja not_active Expired - Fee Related
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