JP3307155B2 - 高周波フィルタの設計方法および高周波フィルタ - Google Patents

高周波フィルタの設計方法および高周波フィルタ

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秀憲 湯川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主としてVHF帯、
UHF帯、マイクロ波帯、およびミリ波帯で用いられる
高周波フィルタの広帯域化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図34〜35はS.Herbert, “ Microstr
ip Interdigital Filter Design ,”Microwave Journal
,pp.187-188, Nov.1990、あるいは、J.A.G.Malherbe,
“ Microwave Transmission Line Filters”, ARTECH H
OUSE, INC, pp.111-130, 1979.に示され従来の高周波フ
ィルタの設計手順を示す図であり、図34は設計フロ
ー、図35は原形低域通過フィルタの回路、図36はイ
ンタディジタル形帯域通過フィルタの等価回路である。
図35において、Ci’(i=1,3)およびLi’(i=2,4)は
原形低域通過フィルタの素子、G0’は電源インピーダ
ンス、G5’は負荷インピーダンス、gi (i=0,1,…,
5)はフィルタの伝達関数によって定まる係数である。
また、図36において、Li (i=1,…,4)は並列インダ
クタンス、Ji,i+1 (i,=1,2,3)はJインバータ、δ0
およびδ5はインピーダンス変成比である。LiおよびJ
i,i+1はθ=π/2となる周波数近傍で図36(b)お
よび(c)に示す分布定数線路の等価回路で表される。
【0003】次に設計手順について説明する。まず初め
に、所望の通過帯域幅、通過帯域内リップル、共振器の
段数、および、伝達関数として用いるチェビシェフ級数
の係数から原形低域通過フィルタの素子値を決定する.
次に、原形低域通過フィルタに対して周波数変換を行
い、さらに、Jインバータを導入して図36(a)に示
す帯域通過フィルタの等価回路に変換する。このときJ
インバータおよび並列インダクタンスを、図36(b),
(c)に示すように、フィルタの中心周波数近傍において
近似的に電気長θの先端短絡スタブを用いた分布定数形
等価回路に置き換える。従来のインタディジタル形帯域
通過フィルタの設計は、この分布定数形等価回路を用い
て行われる。
【0004】高周波フィルタは一般に分布定数線路の共
振器により構成され、図36の等価回路により周波数特
性を比較的精度よく計算できる。図36による従来の高
周波フィルタの反射特性は、中心周波数から離れた周波
数では図36(b),(c)の近似による誤差が大きくなるた
め、特に通過帯域が広い場合には図37に実線で示すよ
うに通過帯域端で反射損が大きくなる。
【0005】また、図38〜40は、R.E.Collin, “ F
oundations for Microwave Engineering ”, McGraw-Hi
ll, Inc, pp.639-642, 1979. 、あるいは、特開平6ー
216608に示された従来の別の高周波フィルタの設
計手順を示す図であり、図38は設計フロー、図39は
原形低域通過フィルタの回路、図40と図41は導波管
形帯域通過フィルタの等価回路である。図39におい
て、Ci’(i=1,3,…,11)およびLi’、(i=2,4,…,10)
は原形低域通過フィルタの素子、G0’は電源インピー
ダンス、G5’は負荷インピーダンス、gi 、(i=0,1,
…,12)はフィルタの伝達関数によって定まる係数であ
る。また、図40(a)において、Li (i=1,2,…,1
1)は直列インダクタンス、 Ci (i=1,2,…,11)は直
列キャパシタンス、Ki,i+1 (i,=1,2,3)はKインバー
タである。θ=πとなる周波数近傍において、Ki,j
は図40(b)に示す並列サセプタンスBi,jによって
表される。Bi,jはたとえば誘導性アイリスによって実
現される。また、LiとCiからなる直列共振回路は、電
気長θiの導波管回路で表される。
【0006】次に設計手順について説明する。まず初め
に、所望の通過帯域幅、通過帯域内リップル、共振器の
段数、および、伝達関数として用いるチェビシェフ関数
を級数展開したときの係数から原形低域通過フィルタの
素子値を決定する。次に、原形低域通過フィルタに対し
て周波数変換を行い、さらに、Kインバータを導入して
図40(a)に示す帯域通過フィルタの等価回路に変換
する。このとき、フィルタの中心周波数近傍において、
図40(a),(b)に示すようにKi,j を並列サセ
プタンスBi,jによって、また、LiとCiからなる直列
共振回路を電気長θiの導波管回路によって近似するこ
とにより、導波管形帯域通過フィルタを図41に示す分
布定数形等価回路で表わす。従来の導波管形帯域通過フ
ィルタの設計は、この分布定数形等価回路を用いて行わ
れる。
【0007】図41による従来の導波管形帯域通過フィ
ルタの反射特性は、図36のフィルタの場合と同様に中
心周波数から離れた周波数では図40(b),(c)の
近似による誤差が大きくなるため、特に通過帯域が広い
場合には図42に実線で示すように通過帯域端で反射損
が大きくなる。特に、導波管形帯域通過フィルタでは周
波数変化に対する導波管管内波長の分散性が大きく、周
波数変化に対する電気長変化の割合が大きいため、スト
リップ線路を用いたフィルタに比べて通過帯域端におけ
る反射特性の劣化が顕著になる。
【0008】さらに、図43、44は、R.E.Collin,
“ Foundations for Microwave Engineering ”, McGra
w-Hill, Inc, pp.343-360, 1979. に示された従来のイ
ンピーダンス変成器の設計手順を示す図であり、図43
は設計フロー、図44は等価回路である。図44におい
て、Zi (i=1,2,…,4)は分布定数線路の特性インピー
ダンス、Z0は入力線路の特性インピーダンス、ZL’は
出力線路の特性インピーダンス、θは分布定数線路の電
気長である。
【0009】次に、設計手順について説明する。まず初
めにインピーダンス変成器の段数を規定し、図44の等
価回路を用いてインピーダンス変成器の反射係数の式を
求める。各分布定数線路の電気長を等しく設定し、且
つ、隣接する分布定数線路間の接続面における反射が十
分小さいとすると、反射係数は三角関数を用いた多項式
に展開される。このとき、通過帯域内の反射係数は、通
過帯域幅、通過帯域内リップルの数と大きさを規定すれ
ば、チェビシェフ関数を用いて精度よく表される。チェ
ビシェフ関数は三角関数による展開が可能であり、これ
を図44の等価回路から求まる反射係数の多項式と比較
することによりインピーダンス変成器の各分布定数線路
の特性インピーダンスが求まる。このとき、分布定数線
路の線路長は中心周波数において電気長θがπ/2とな
るように設定する。
【0010】実際のインピーダンス変成器においては、
特性インピーダンスの異なる隣接分布定数線路間の接続
部において導体幅等の物理的なステップを生じるため、
この不連続によりサセプタンスを生じる。このサセプタ
ンスは分布定数線路の電気長を等価的に変化させる働き
があり、通常の設計ではこの電気長変化分を含めたトー
タルの電気長が設計中心周波数でπ/2となるように分
布定数線路の物理長を決定する。しかしながら、このサ
セプタンスによる電気長は分布定数線路の電気長と周波
数変化率が異なるため、不連続のサセプタンス分を含む
等価回路によるインピーダンス変成器の反射係数は、中
心周波数から離れた周波数ではチェビシェフ関数からず
れる。従って、図44による従来のインピーダンス変成
器の反射特性は、図36および図41のフィルタの場合
と同様に中心周波数から離れた周波数では図45に実線
で示すように通過帯域端で反射損が大きくなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の高周波フィルタ
の設計方法および高周波フィルタは以上のようであるの
で、設計の中心周波数から離れた周波数においては物理
形状に対応した等価回路による反射特性が伝達関数から
求まる理想的な反射特性から劣化し、従って、広帯域に
わたって反射の小さな特性が得られないという問題点が
あった。
【0012】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、広帯域にわたって反射を小さく
できる設計法、およびこの設計法を用いて、広帯域にわ
たって反射の小さな高周波フィルタを得ることを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係わる高周
波フィルタの設計方法は、複数の伝送線路形共振器と、
上記共振器間を相互に結合させる共振器間結合手段と、
上記共振器と入出力線路とを相互に結合させる入出力結
合手段とを備えた高周波フィルタの設計方法において、
上記共振器の共振器長、上記共振器間結合手段の寸法、
および上記入出力結合手段の寸法を決定するパラメータ
の数以上の数だけ周波数を選択し、上記選択した周波数
において上記高周波フィルタの通過特性あるいは反射特
性が所望の値に近づくように上記共振器の共振器長、上
記共振器間結合手段の寸法、および上記入出力結合手段
の寸法を決定したものである。
【0014】また、第2の発明に係わる高周波フィルタ
の設計方法は、複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
間を相互に結合させる共振器間結合手段と、上記共振器
と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
備えた高周波フィルタの設計方法において、上記高周波
フィルタの通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の
関数としてのチェビシェフ関数の傾き零点を複数設定
し、上記複数の傾き零点に対応する周波数を反射零周波
数あるいは反射極大周波数として規定し、上記反射零周
波数あるいは上記反射極大周波数において反射が極小あ
るいは極大となるように上記共振器の共振器長、上記共
振器間結合手段の寸法、および上記入出力間結合手段の
寸法を決定したものである。
【0015】また、第3の発明に係わる高周波フィルタ
の設計方法は、複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
間を相互に結合させる共振器間結合手段と、上記共振器
と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
備えた高周波フィルタの設計方法において、上記高周波
フィルタの通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の
関数としてのチェビシェフ関数の零点を複数設定し、上
記複数の零点に対応する周波数を反射零周波数として規
定し、上記反射零周波数において反射が極小となるよう
に上記共振器の共振器長、上記共振器間結合手段の寸
法、および上記入出力間結合手段の寸法を決定したもの
である。
【0016】また、第4の発明に係わる高周波フィルタ
の設計方法は、複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
間を相互に結合させる共振器間結合手段と、上記共振器
と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
備えた高周波フィルタの設計方法において、上記高周波
フィルタの通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の
関数としてのチェビシェフ関数の零点を複数設定し、上
記複数の零点に対応する周波数を反射零周波数として規
定し、上記反射零周波数において反射が極小となるよう
に上記共振器の共振器長、上記共振器間結合手段の寸
法、および上記入出力間結合手段の寸法を決定し、上記
寸法を用いて得られる上記高周波フィルタの反射特性の
うち、理想的なチェビシェフ形フィルタの特性より反射
の大きな周波数を選び、上記反射の大きな周波数および
上記反射零周波数において反射が所定の大きさ以下とな
るように上記共振器の共振器長、上記共振器間結合手段
の寸法、および上記入出力間結合手段の寸法を決定した
ものである。
【0017】また、第5の発明に係わる高周波フィルタ
の設計方法は、複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
間を相互に結合させる共振器間結合手段と、上記共振器
と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
備えた高周波フィルタの設計方法において、上記高周波
フィルタの通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の
関数としてのチェビシェフ関数の極大点を複数設定し、
上記複数の極大点に対応する周波数を反射極大周波数と
して規定し、上記反射極大周波数において反射が所定の
極大値となるように上記共振器の共振器長、上記共振器
間結合手段の寸法、および上記入出力間結合手段の寸法
を決定したものである。
【0018】また、第6の発明に係わる高周波フィルタ
の設計方法は、複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
間を相互に結合させる共振器間結合手段と、上記共振器
と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
備えた高周波フィルタの設計方法において、上記高周波
フィルタの通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の
関数としてのチェビシェフ関数の極大点を複数設定し、
上記複数の極大点に対応する周波数を反射極大周波数と
して規定し、上記反射極大周波数において反射が所定の
極大値となるように上記共振器の共振器長、上記共振器
間結合手段の寸法、および上記入出力間結合手段の寸法
を決定し、上記寸法を用いて得られる上記高周波フィル
タの反射特性のうち、理想的なチェビシェフ形フィルタ
の特性より反射の大きな周波数を選び、上記反射の大き
な周波数および上記反射極大周波数において反射が所定
の大きさ以下となるように上記共振器の共振器長、上記
共振器間結合手段の寸法、および上記入出力間結合手段
の寸法を決定したものである。
【0019】また、第7の発明に係わる高周波フィルタ
の設計方法は、導波管から成る複数の空胴共振器と上記
空胴共振器相互の結合手段および入出力結合手段として
のサセプタンス素子とを備えた導波管形の高周波フィル
タの設計方法において、上記導波管形の高周波フィルタ
の通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としてのチ
ェビシェフ関数の零点を複数設定し、上記複数の零点の
上記管内波長に対応する周波数を反射零周波数として規
定し、上記反射零周波数において反射が極小となるよう
に上記共振器の共振器長、上記サセプタンス素子値、お
よび上記サセプタンス素子の寸法を決定したものであ
る。
【0020】また、第8の発明に係わる高周波フィルタ
の設計方法は、導波管から成る複数の空胴共振器と上記
空胴共振器相互の結合手段および入出力結合手段として
のサセプタンス素子とを備えた導波管形の高周波フィル
タの設計方法において、上記導波管形の高周波フィルタ
の通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としてのチ
ェビシェフ関数の零点を複数設定し、上記複数の零点の
上記管内波長に対応する周波数を反射零周波数として規
定し、上記反射零周波数において反射が極小となるよう
に上記共振器の共振器長、上記サセプタンス素子値、お
よび上記サセプタンス素子の寸法を決定し、上記寸法を
用いて得られる上記導波管形フィルタの反射特性のう
ち、理想的なチェビシェフ形フィルタの特性より反射の
大きな周波数を選び、上記反射の大きな周波数および上
記反射零周波数において反射が所定の大きさ以下となる
ように上記共振器の共振器長、上記サセプタンス素子
値、および上記サセプタンス素子の寸法を決定したもの
である。
【0021】また、第9の発明に係わる高周波フィルタ
の設計方法は、導波管から成る複数の空胴共振器と上記
空胴共振器相互の結合手段および入出力結合手段として
のサセプタンス素子とを備えた導波管形の高周波フィル
タの設計方法において、上記導波管形の高周波フィルタ
の通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としてのチ
ェビシェフ関数の極大点を複数設定し、上記複数の極大
点の上記管内波長に対応する周波数を反射極大周波数と
して規定し、上記反射極大周波数において反射が所定の
極大値となるように上記共振器の共振器長、上記サセプ
タンス素子値、および上記サセプタンス素子の寸法を決
定したものである。
【0022】また、第10の発明に係わる高周波フィル
タの設計方法は、導波管から成る複数の空胴共振器と上
記空胴共振器相互の結合手段および入出力結合手段とし
てのサセプタンス素子とを備えた導波管形の高周波フィ
ルタの設計方法において、上記導波管形の高周波フィル
タの通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としての
チェビシェフ関数の極大点を複数設定し、上記複数の極
大点の上記管内波長に対応する周波数を反射極大周波数
として規定し、上記反射極大周波数において反射が所定
の極大値となるように上記共振器の共振器長、上記サセ
プタンス素子値、および上記サセプタンス素子の寸法を
決定し、上記寸法を用いて得られる上記導波管形フィル
タの反射特性のうち、理想的なチェビシェフ形フィルタ
の特性より反射の大きな周波数を選び、上記反射の大き
な周波数および上記反射極大周波数において反射が所定
の大きさ以下となるように上記共振器の共振器長、上記
サセプタンス素子値、および上記サセプタンス素子の寸
法を決定したものである。
【0023】また、第11の発明に係わる高周波フィル
タの設計方法は、請求項7〜10のいずれか1項に記載
の高周波フィルタの設計方法において、共振器の数を
N、フィルタの中心周波数における等価回路素子値から
決定されるi番目のサセプタンス素子のサセプタンス値
をB0iとしたとき、i番目のサセプタンス素子のサセプ
タンス値Biを次式で与えられる範囲に設定したもので
ある。 1<Bi/B0i<1.2 (1≦i≦0.2N, N≦i≦N+1) 0.8<Bi/B0i<1 (0.2N<i≦0.4N, 0.8N≦i<N) 0.9<Bi/B0i≦1 (0.4N<i<0.8N)
【0024】また、第12の発明に係わる高周波フィル
タは、請求項7〜11のいずれか1項に記載の高周波フ
ィルタの設計方法により構成された高周波フィルタであ
って、サセプタンス素子が誘導性アイリスあるいは誘導
性ポストであることを特徴とするものである。
【0025】
【作用】第1の発明においては、設計パラメータとして
の共振器の共振器長、共振器間結合手段の寸法、および
入出力結合手段の寸法を決定するパラメータの数以上の
数だけ周波数を選択し、上記選択した周波数において上
記高周波フィルタの通過特性あるいは反射特性が所望の
値に近づくように上記共振器の共振器長、上記共振器間
結合手段の寸法、および上記入出力結合手段の寸法を決
定するので、中心周波数のみでなく選択した上記周波数
の範囲内の複数の周波数を用いて上記パラメータの数以
上の条件式が設定され、最適化手法等により通過帯域が
広い場合でも所望の反射特性の得られる上記設計パラメ
ータの値を決定できる。
【0026】第2の発明においては、高周波フィルタの
通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の関数として
のチェビシェフ関数の傾き零点を複数設定し、上記複数
の傾き零点に対応する周波数を反射零周波数あるいは反
射極大周波数として規定し、上記反射零周波数あるいは
上記反射極大周波数において反射が極小あるいは極大と
なるように設計パラメータとしての共振器長、共振器間
結合手段の寸法、および入出力間結合手段の寸法を決定
するので、通過帯域端での反射の増加や反射零周波数の
ずれは少なく、最適化手法等により上記通過帯域内のす
べての周波数においてチェビシェフ関数による理想特性
に近い所望の反射特性の得られる上記設計パラメータの
値を決定できる。
【0027】第3の発明においては、高周波フィルタの
通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の関数として
のチェビシェフ関数の零点を複数設定し、上記複数の零
点に対応する周波数を反射零周波数として規定し、上記
反射零周波数において反射が極小となるように設計パラ
メータとしての共振器長、共振器間結合手段の寸法、お
よび入出力間結合手段の寸法を決定したので、最小限の
周波数を用いた最適化手法等により上記通過帯域内のす
べての周波数においてチェビシェフ関数による理想特性
に近い所望の反射特性の得られる上記設計パラメータの
値を決定できる。
【0028】第4の発明においては、高周波フィルタの
通過帯域内に共振器内の電波の周波数の関数としてのチ
ェビシェフ関数の零点を複数設定し、上記複数の零点に
対応する周波数を反射零周波数として規定し、上記反射
零周波数において反射が極小値となるように設計パラメ
ータとしての共振器長、共振器間結合手段の寸法、およ
び入出力間結合手段の寸法を決定し、上記寸法を用いて
得られる上記高周波フィルタの反射特性のうち、理想的
なチェビシェフ形フィルタの特性より反射の大きな周波
数を選び、上記反射の大きな周波数および上記反射零周
波数において反射が所定の大きさ以下となるように上記
共振器の共振器長、上記共振器間結合手段の寸法、およ
び上記入出力間結合手段の寸法を決定したので、複数回
の最適化がされ、最小限の周波数を用いた最適化手法等
により上記通過帯域内のすべての周波数においてチェビ
シェフ関数による理想特性に非常に近い所望の反射特性
の得られる上記設計パラメータの値を決定できる。
【0029】第5の発明においては、高周波フィルタの
通過帯域内に共振器内の電波の周波数の関数としてのチ
ェビシェフ関数の極大点を複数設定し、上記複数の極大
点に対応する周波数を反射極大周波数として規定し、上
記反射極大周波数において反射が所定の極大値となるよ
うに設計パラメータとしての共振器長、共振器間結合手
段の寸法、および入出力間結合手段の寸法を決定したの
で、最小限の周波数を用いた最適化手法等により上記通
過帯域内のすべての周波数においてチェビシェフ関数に
よる理想特性に近い所望の反射特性の得られる上記設計
パラメータの値を決定できる。
【0030】第6の発明においては、高周波フィルタの
通過帯域内に共振器内の電波の周波数の関数としてのチ
ェビシェフ関数の極大点を複数設定し、上記複数の極大
点に対応する周波数を反射極大周波数として規定し、上
記反射極大周波数において反射が所定の極大値となるよ
うに設計パラメータとしての共振器長、共振器間結合手
段の寸法、および入出力間結合手段の寸法を決定し、上
記寸法を用いて得られる上記高周波フィルタの反射特性
のうち、理想的なチェビシェフ形フィルタの特性より反
射の大きな周波数を選び、上記反射の大きな周波数およ
び上記反射極大周波数において反射が所定の大きさ以下
となるように上記共振器の共振器長、上記共振器間結合
手段の寸法、および上記入出力間結合手段の寸法を決定
したので、複数回の最適化がされ、最小限の周波数を用
いた最適化手法等により上記通過帯域内のすべての周波
数においてチェビシェフ関数による理想特性に非常に近
い所望の反射特性の得られる上記設計パラメータの値を
決定できる。
【0031】第7の発明においては、導波管形フィルタ
の通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としてのチ
ェビシェフ関数の零点を複数設定し、上記複数の零点の
上記管内波長に対応する周波数を反射零周波数として規
定し、上記反射零周波数において反射が極小となるよう
に設計パラメータとしての共振器長、サセプタンス素子
値、およびサセプタンス素子の寸法を決定したので、電
気長の周波数変化の特に大きい導波管形フィルタに対し
ても、最小限の周波数を用いた最適化手法等により上記
通過帯域内のすべての周波数においてチェビシェフ関数
による理想特性に近い所望の反射特性の得られる上記設
計パラメータの値を決定できる。
【0032】第8の発明においては、導波管形フィルタ
の通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としてのチ
ェビシェフ関数の零点を複数設定し、上記複数の零点の
上記管内波長に対応する周波数を反射零周波数として規
定し、上記反射零周波数において反射が極小となるよう
に設計パラメータとしての共振器長、サセプタンス素子
値、およびサセプタンス素子の寸法を決定し、上記寸法
を用いて得られる上記導波管形フィルタの反射特性のう
ち、理想的なチェビシェフ形フィルタの特性より反射の
大きな周波数を選び、上記反射の大きな周波数および上
記反射零周波数において反射が所定の大きさ以下となる
ように上記共振器の共振器長、上記サセプタンス素子
値、および上記サセプタンス素子の寸法を決定したの
で、複数回の最適化がされ、電気長の周波数変化の特に
大きい導波管形フィルタに対しても、最小限の周波数を
用いた最適化手法等により上記通過帯域内のすべての周
波数においてチェビシェフ関数による理想特性に非常に
近い所望の反射特性の得られる上記設計パラメータの値
を決定できる。
【0033】第9の発明においては、導波管形フィルタ
の通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としてのチ
ェビシェフ関数の極大点を複数設定し、上記複数の極大
点の上記管内波長に対応する周波数を反射極大周波数と
して規定し、上記反射極大周波数において反射が所定の
極大値となるように設計パラメータとしての共振器長、
サセプタンス素子値、およびサセプタンス素子の寸法を
決定したので、電気長の周波数変化の特に大きい導波管
形フィルタに対しても、最小限の周波数を用いた最適化
手法等により上記通過帯域内のすべての周波数において
チェビシェフ関数による理想特性に近い所望の反射特性
の得られる上記設計パラメータの値を決定できる。
【0034】第10の発明においては、導波管形フィル
タの通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としての
チェビシェフ関数の極大点を複数設定し、上記複数の極
大点の上記管内波長に対応する周波数を反射極大周波数
として規定し、上記反射極大周波数において反射が所定
の極大値となるように設計パラメータとしての共振器
長、サセプタンス素子値、およびサセプタンス素子の寸
法を決定し、上記寸法を用いて得られる上記導波管形フ
ィルタの反射特性のうち、理想的なチェビシェフ形フィ
ルタの特性より反射の大きな周波数を選び、上記反射の
大きな周波数および上記反射極大周波数において反射が
所定の大きさ以下となるように上記共振器の共振器長、
上記サセプタンス素子値、および上記サセプタンス素子
の寸法を決定したので、複数回の最適化がされ、電気長
の周波数変化の特に大きい導波管形フィルタに対して
も、最小限の周波数を用いた最適化手法等により上記通
過帯域内のすべての周波数においてチェビシェフ関数に
よる理想特性に非常に近い所望の反射特性の得られる上
記設計パラメータの値を決定できる。
【0035】第11の発明においては、第7〜第10の
いずれかの発明における共振器の数をN、フィルタの中
心周波数における等価回路素子値から決定されるi番目
のサセプタンス素子のサセプタンス値をB0iとしたと
き、i番目のサセプタンス素子のサセプタンス値Bi
を、 1<Bi/B0i<1.2 (1≦i≦0.2N, N≦i≦N+1) 0.8<Bi/B0i<1 (0.2N<i≦0.4N, 0.8N≦i<N) 0.9<Bi/B0i≦1 (0.4N<i<0.8N) で与えられる範囲に設定したので、通過帯域が広い場合
でも上記通過帯域内のすべての周波数においてチェビシ
ェフ関数による理想特性に近い所望の反射特性が得られ
る。
【0036】第12の発明においては、第7〜第11の
いずれかの発明における高周波フィルタの設計方法によ
り構成され、サセプタンス素子として誘導性アイリスあ
るいは誘導性ポストを用いたので、上記誘導性アイリス
のアイリス幅あるいは上記誘導性ポストの数、直径、ま
たは、間隔を調整することで所望のサセプタンス値が容
易に得られ、かつ、耐電力性に優れたものが得られる。
【0037】
【実施例】実施例1. 図1はこの発明の一実施例を示す概略構成図、図2は内
導体パターンの形状を示す図であり、図において、1
a、1bは誘電体基板、2aは誘電体基板1aの一方の
面全面に導体膜を密着して形成された外導体、3、6、
および、7は誘電体基板1aの他方の面に導体膜を密着
して形成された内導体、9は誘電体基板1a、1b、外
導体2a、2b、および、内導体3を貫通する貫通孔の
内周面に外導体2a、2b、および、内導体3と連続す
る導体膜を密着して形成されるスルーホール、30は誘
電体基板1a、1bと外導体2a、2bと内導体3とで
構成されるストリップ線路共振器、60は誘電体基板1
a、1bと外導体2a、2bと内導体6とで構成される
ストリップ線路の入力線路、70は誘電体基板1a、1
bと外導体2a、2bと内導体7とで構成されるストリ
ップ線路の出力線路、P1は入力端、P2は出力端であ
る。誘電体基板1aと1bは、内導体3、6、および、
7を挟み込むように重ね合わされている。複数の内導体
3はそれぞれ長さが略1/4波長に設定されており、一
端がスルーホール9により外導体2a、2bに接続され
短絡されている。このため、共振器30は一端短絡他端
開放の1/4波長共振器となっている。複数の共振器3
0は全てが平行に配置され、隣接するもの同志は交互に
逆側の一端がスルーホール9によって短絡されている。
【0038】次に、動作について説明する。隣接する共
振器30は短絡端と開放端が対向するように配置されて
いるため、相互に電界により結合する。その結合量は内
導体3の間隔あるいは内導体3の幅によって調整され
る。
【0039】今、内導体3それぞれの長さが1/4波長
付近で所定長さに設定され、全ての共振器30が同一の
周波数、例えばf0で共振しているものとすれば、その
周波数f0では、共振状態にある共振器30は相互に強
く結合しており、入力線路60への入射波初段の共振器
30へ導かれ、隣接する共振器へ電界により結合するこ
とを繰り返して出力線路70より出力される。しかしな
がら、f0以外の周波数では、共振器30相互の結合は
非常に弱く、入力線路60への入射波はその電力のほと
んどが反射される。このように、図1および図2に示し
たストリップ線路フィルタは帯域通過フィルタとしての
機能を有する。
【0040】次に、設計手順のフローを図3について説
明する。まず、ステップ1において、原形低域通過フィ
ルタから変形され集中定数素子で構成された理想的なチ
ェビシェフ特性を有する帯域通過フィルタと図1のフィ
ルタの物理形状に応じて決定された分布定数形の等価回
路をフィルタの通過帯域の中心周波数において比較し、
設計パラメータとしての共振器間隔、共振器幅、およ
び、共振器長の初期設計を行う。ステップ1は図34〜
図36に示す従来の設計手順と同様である。このとき、
図1のフィルタにおいて隣接する2つの共振器のみを取
り出したペア共振器は、図4に示すような分布定数線路
から成る等価回路で表される。図4において10は電気
長θの先端短絡スタブの等価回路、11は電気長θの線
路の等価回路である。図4の等価回路を組み合わせて用
いることにより、図1のフィルタは図36に示すのと同
様の分布定数線路形等価回路で表される。
【0041】次に、ステップ2において、設計パラメー
タの数以上の周波数を選択し、図5に示すように、これ
らの周波数における挿入損あるいは反射損を規定する。
図5は、図1のフィルタの所望の通過および反射特性を
示す図であり、図において、f1〜f13は選択した周波
数である。規定する通過損と反射損のレベルを同様にす
るため、通過帯域の周波数f2〜f10では反射損、通過
帯域外の周波数f1およびf11〜f13では通過損をそれ
ぞれ規定している。
【0042】最後に、ステップ3において、上記分布定
数線路形等価回路によるフィルタの特性計算を行い、周
波数f2〜f10における反射損の値と、周波数f1および
f11〜f13における挿入損が所望の値となるように、等
価回路のパラメータを最適化する。最適化により得られ
たパラメータから共振器間隔、共振器幅、および、共振
器長が求まる。
【0043】以上のように、図3の設計手順による実施
例は、通過帯域内の複数の周波数において反射損を所望
の値に規定しているため、通過帯域が広い場合でも通過
帯域端での反射の増加は少なく、通過帯域全体に渡って
良好な特性が得られる。
【0044】また、周波数をパラメータの数以上選択し
ているため関係式がパラメータの数以上得られ、最適化
の際に、等価回路による特性計算結果が所望の特性に近
づく可能性が高い。
【0045】実施例2. 図6は、この発明の他の実施例の設計手順を示すフロー
であり、ステップ2において、通過帯域内にチェビシェ
フ特性の反射零および極大周波数を選択し、図7に示す
ように、これらの周波数における反射損を規定した場合
である。図7は、図1のフィルタの所望の反射特性を示
す図であり、図において、f1、f3、f5、および、f7
は反射零周波数であり、次の第2式で与えられる。
【0046】
【数1】
【0047】また、f2、f4、および、f6は反射極大
周波数であり、次の第3式で与えられる。
【0048】
【数2】
【0049】このように、図6の設計手順による実施例
は、通過帯域内の全ての反射零周波数を規定しているた
め、通過帯域が広い場合でも通過帯域端での反射の増加
や反射零周波数のずれは少なく、通過帯域全体に渡って
チェビシェフ関数による理想的な反射特性が得られる。
【0050】なお、反射零および極大周波数の数はパラ
メータの総数より少ないため、全てのパラメータを最適
化の際の変数として指定できないが、例えば、共振器間
隔のみを変数に指定し、他のパラメータにつては共振器
間隔の変化により各共振器の共振周波数と特性インピー
ダンスが変化しないように共振器長と共振器幅を補正す
ることで、良好な反射特性を実現できる。
【0051】従って、図6の設計手順による実施例は、
図3の場合と同様に、広帯域なストリップ線路フィルタ
を得ることができる他に、少数の周波数に対して反射損
を規定するだけで反射特性の良好なものが得られるとい
う利点を有する。
【0052】実施例3. 図8は、この発明の他の実施例の設計手順を示すフロー
であり、ステップ2において、通過帯域内にチェビシェ
フ特性の反射零周波数を選択し、図9に示すように、こ
れらの周波数における反射損を規定した場合である。図
9は図1のフィルタの所望の反射特性であり、図におい
て、f1、f3、f5、および、f7は反射零周波数であ
り、図7の場合と同様に第2式で与えられる。
【0053】このように、図8の設計手順による実施例
は、通過帯域内の全ての反射零周波数を規定しているた
め、通過帯域が広い場合でも通過帯域端での反射の増加
や反射零周波数のずれは少なく、通過帯域全体に渡って
チェビシェフ関数による理想的な反射特性が得られる。
【0054】なお、反射零周波数の数は共振器の数と同
一となるため、全てのパラメータを最適化の際の変数と
して指定できないが、共振器間隔のみを変数に指定し、
他のパラメータにつては共振器間隔の変化により各共振
器の共振周波数と特性インピーダンスが変化しないよう
に共振器長と共振器幅を補正することで、良好な反射特
性を実現できる。
【0055】従って、図8の設計手順による実施例は、
図3の場合と同様に、広帯域なストリップ線路フィルタ
を得ることができる他に、さらに少数の周波数に対して
反射損を規定するだけで反射特性の良好なものが得られ
るという利点を有する。
【0056】実施例4. 図10は、この発明の他の実施例の設計手順を示すフロ
ーであり、ステップ2において、通過帯域内にチェビシ
ェフ特性の反射極大周波数を選択し、図11に示すよう
に、これらの周波数における反射損を規定した場合であ
る。図11は図1のフィルタの所望の反射特性であり、
図において、f2、f4、および、f6は反射極大周波数
であり、図7の場合と同様に式(2)で与えられる。
【0057】このように、図10の設計手順による実施
例は、通過帯域内の全ての反射極大周波数を規定してい
るため、通過帯域が広い場合でも通過帯域端での反射の
増加や反射極大周波数のずれは少なく、通過帯域全体に
渡ってチェビシェフ関数による理想的な反射特性に近い
特性が得られる。ただし、この場合、最適化によって得
られた等価回路パラメータを用いた反射特性は、図11
に示すように規定した極大値より大きな最大値を持つこ
とがあり、注意を要する。
【0058】なお、反射極大周波数の数は共振器の数よ
り1少ないため、全てのパラメータを最適化の際の変数
として指定できないが、共振器間隔のみを変数に指定
し、他のパラメータにつては共振器間隔の変化により各
共振器の共振周波数と特性インピーダンスが変化しない
ように共振器長と共振器幅を補正することで、良好な反
射特性を実現できる。
【0059】従って、図10の設計手順による実施例
は、図3の場合と同様に、広帯域なストリップ線路フィ
ルタを得ることができる他に、最小限の数の周波数に対
して反射損を規定するだけで反射特性の良好なものが得
られるという利点を有する。
【0060】実施例5. 図12は、この発明の他の実施例の設計手順を示すフロ
ーであり、図10の実施例に対して、さらに、ステップ
4において、ステップ3までで得られた反射特性を理想
的なチェビシェフ特性の反射特性と比較し、理想特性よ
り反射の大きな周波数を選択し、この周波数ににおける
反射損を新たな拘束条件とした場合である。新たな周波
数は例えば図13のf8、およびf9のように与えられ
る。
【0061】ステップ5において、f2、f4、f6、f
8、および、f9の反射損を拘束条件として、再び最適化
い、得られたパラメータから共振器間隔、共振器幅、お
よび、共振器長を求める。
【0062】このように、図12の設計手順による実施
例は、通過帯域内の全ての反射極大周波数を規定してい
るため、通過帯域が広い場合でも通過帯域端での反射の
増加や反射極大周波数のずれは少なく、さらに、複数回
の最適化を行うため、通過帯域全体に渡ってチェビシェ
フ関数による理想的な反射特性が得られる。
【0063】なお、反射極大周波数の数は共振器の数よ
り1少ないため、全てのパラメータを最適化の際の変数
として指定できないが、共振器間隔のみを変数に指定
し、他のパラメータにつては共振器間隔の変化により各
共振器の共振周波数と特性インピーダンスが変化しない
ように共振器長と共振器幅を補正することで、良好な反
射特性を実現できる。
【0064】従って、図12の設計手順による実施例
は、図3の場合と同様に、広帯域なストリップ線路フィ
ルタを得ることができる他に、少ないの数の周波数に対
して反射損を規定するだけで反射特性の良好なものが得
られるという利点を有する。
【0065】なお、上記実施例の説明においては、ステ
ップ2において、通過帯域内にチェビシェフ特性の反射
極大周波数を選択する場合について示したが、ステップ
2において、通過帯域内にチェビシェフ特性の反射零周
波数を選択しても同様に通過帯域全体に渡ってチェビシ
ェフ関数による理想的な反射特性が得られる。
【0066】実施例6. 図14はこの発明の他の実施例を示す概略構成図であ
り、図において、12は方形導波管、13は誘導性アイ
リス、14は両端を誘導性アイリス13によって仕切ら
れた空胴共振器、P1は入力端、P2は出力端である。
空胴共振器14は両端が略短絡の1/2波長共振器とな
っている。
【0067】次に、動作について説明する。隣接する空
胴共振器14は誘導性アイリス13を介して相互に結合
し、結合量は誘導性アイリス13の大きさによって調整
される。
【0068】今、空胴共振器14それぞれの長さが1/
2波長付近で所定長さに設定され、全ての空胴共振器1
4が同一の周波数、例えばf0で共振しているものとす
れば、その周波数f0では、共振状態にある空胴共振器
14は相互に強く結合しており、入力端P1への入射波
は初段の空胴共振器14へ導かれ、隣接する共振器へ主
として磁界により結合することを繰り返して出力端P2
より出力される。しかしながら、f0以外の周波数で
は、空胴共振器14相互の結合は非常に弱く、入力端P
1への入射波はその電力のほとんどが反射される。この
ように、図14に示した導波管形フィルタは帯域通過フ
ィルタとしての機能を有する。
【0069】次に、設計手順のフローを図15について
説明する。まず、ステップ1において、原形低域通過フ
ィルタから変形され集中定数素子で構成された理想的な
チェビシェフ特性を有する帯域通過フィルタと図14の
フィルタの物理形状に応じて決定された分布定数形の等
価回路をフィルタの通過帯域の中心周波数において比較
し、設計パラメータとしての共振器長、および、誘導性
アイリスのサセプタンス値の初期設計を行う。ステップ
1は図38〜図41に示す従来の設計手順と同様であ
る。このとき、図14のフィルタにおける誘導性アイリ
ス13の等価回路は、図16に示すような並列サセプタ
ンスBaによって表される。ここで、並列サセプタンス
Baは誘導性アイリスの間隔dおよび導波管管内波長の
関数となる。なお、誘導性ポストの等価回路は図17に
示すようになり、誘導性アイリスの代わりに用いること
が可能である。図16の関係を用いると、図14のフィ
ルタは図41の分布定数形等価回路で表される。
【0070】次に、ステップ2において、図18に示す
ように通過帯域内に導波管管内波長の関数としてのチェ
ビシェフ関数の零点を設定し、上記複数の零点の上記管
内波長に対応する周波数を反射零周波数として規定し、
これらの周波数における反射損を規定する。図18に実
線で示す特性は図14のフィルタの所望の反射特性であ
る。図において、f1〜f11は反射零周波数であり、対
応する導波管管内波長λgpは次の第4式で与えられる。
【0071】
【数3】
【0072】ここで、ω´/ω´は原形低域通過フ
ィルタの反射零周波数、λg0は中心周波数における管内
波長、λg1およびλg2はそれぞれ通過帯域下限および上
限における管内波長である。
【0073】最後に、ステップ3において、上記分布定
数線路形等価回路によるフィルタの特性計算を行い、周
波数f1〜f11における反射損の値が所望の値となるよ
うに、等価回路のパラメータを最適化する。最適化によ
り得られたパラメータから空胴共振器長および誘導性ア
イリスの寸法が求まる。このとき最適化により得られた
i番目の誘導性アイリスのサセプタンス値Biは、初期
設計におけるサセプタンス値をB0i、共振器の段数をN
とすると、次の第1式の範囲で求まる。
【0074】 1<Bi/B0i<1.2 (1≦i≦0.2N, N≦i≦N+1) 0.8<Bi/B0i<1 (0.2N<i≦0.4N, 0.8N≦i<N) 0.9<Bi/B0i≦1 (0.4N<i<0.8N)
【0075】このように、図15の設計手順による実施
例は、通過帯域内の全ての反射零周波数を規定している
ため、通過帯域が広い場合でも通過帯域端での反射の増
加や反射零周波数のずれは少なく、通過帯域全体に渡っ
てチェビシェフ関数による理想的な反射特性が得られ
る。
【0076】なお、反射零周波数の数は共振器の数と同
一となるため、全てのパラメータを最適化の際の変数と
して指定できないが、例えば、誘導性アイリス13のサ
セプタンス値のみを変数に指定し、他のパラメータにつ
いては誘導性アイリス13のサセプタンス値の変化によ
り各共振器の共振周波数が変化しないように共振器長を
補正することで、良好な反射特性を実現できる。
【0077】従って、図15の設計手順による実施例
は、広帯域な導波管形フィルタを得ることができ、さら
に少数の周波数に対して反射損を規定するだけで反射特
性の良好なものが得られるという利点を有する。
【0078】また、上記実施例6を実施例5に適用して
再度の最適化を行なうこともでき、最小限の周波数を用
いた最適化手法等により上記通過帯域内のすべての周波
数においてチェビシェフ関数による理想特性に非常に近
い所望の反射特性の得られる上記設計パラメータの値を
決定できる。
【0079】実施例7. 図19は、この発明の他の実施例の設計手順を示すフロ
ーであり、ステップ2において、通過帯域内に初期設計
による特性から反射極大周波数を選択し、図20に示す
ように、これらの周波数における反射損を規定した場合
である。、図20において、f1〜f6は選択した反射極
大周波数であり、実線は、f1〜f6における反射損を規
定して最適化を行った後の反射特性である。初期設計か
ら得られた波線の特性に比べ、反射特性が大きく改善さ
れている。
【0080】このように、図19の設計手順による実施
例は、通過帯域内の複数の周波数で反射極大値を規定し
ているため、通過帯域が広い場合でも通過帯域端での反
射の増加は少なく、通過帯域全体に渡って所望の反射損
が得られる。ただし、この場合、最適化によって得られ
た等価回路パラメータを用いた反射特性は、規定した極
大値より大きな最大値を持つことがあり、この場合は実
施例5に示したのと同様の最適化を行う必要がある。
【0081】なお、反射極大周波数の数は最大でも共振
器の数より1少ないため、全てのパラメータを最適化の
際の変数として指定できないが、例えば、誘導性アイリ
ス13のサセプタンス値のみを変数に指定し、他のパラ
メータについては誘導性アイリス13のサセプタンス値
の変化により各共振器の共振周波数が変化しないように
共振器長を補正することで、良好な反射特性を実現でき
る。
【0082】従って、図19の設計手順による実施例
は、図15の場合と同様に、広帯域な導波管形フィルタ
を得ることができる他に、最小限の数の周波数に対して
反射損を規定するだけで反射特性の良好なものが得られ
るという利点を有する。
【0083】実施例8. 図21はこの発明の他の実施例を示す概略構成図であ
り、図において、1は誘電体基板、2は誘電体基板1の
一方の面全面に導体膜を密着して形成された外導体、1
5は誘電体基板1の他方の面に導体膜を密着して形成さ
れたストリップ導体、16は誘電体基板1、外導体2、
および、内導体15から成るマイクロストリップ線路、
17はマイクロストリップ線路16の一部を構成する1
/4波長線路、P1は入力端、P2は出力端である。こ
こで、4つの1/4波長線路17は出力端P2側に近い
ものほど線路幅が広く設定されている。
【0084】次に、動作について説明する。1/4波長
線路17は出力端P2側に近いものほど線路幅が広く設
定されているため、隣接するもの同士の接続面には線路
幅の不連続が存在する。この不連続では、不連続の大き
さに応じた反射が生じる。
【0085】今、全ての1/4波長線路17の線路長が
所定の周波数f0において1/4波長となるように設定
されているものとすると、入力端P1から入射した周波
数f0の電波は最初の不連続で一部反射する。最初の不
連続を通過した電波は2番目の1/4波長線路17を通
って2番目の不連続で一部がまた反射する。しかし、1
/4波長線路17の線路長がf0において1/4波長に
設定されているため、2番目の不連続で反射した反射波
は、1番目の不連続に戻った時には1番目の不連続で最
初に反射した反射波に比べて位相が180度すなわち1
/2波長分遅れる。従って、これら2つの反射波はお互
いに打ち消し合い、不連続の相対的な大きさを調整すれ
ば入力端P1へは全く戻って行かなくできる。3番目以
降の不連続についても同様の原理により相互の反射を打
ち消すことが可能であるため、線路幅が狭くインピーダ
ンスの高い入力端P1からの入射は、周波数がf0の場
合にはほとんど反射せず、線路幅が広くインピーダンス
の低い出力端P2から取り出される。このように、図2
1に示したストリップ線路はインピーダンス変成器とし
ての機能を有する。
【0086】次に、設計手順のフローを図22について
説明する。まず、ステップ1において、1/4波長線路
間の不連続によるサセプタンスの周波数特性を考慮しな
い従来の設計手順に従って、設計パラメータとしての1
/4波長線路の線路長および特性インピーダンスの初期
設計を行う。ステップ1は図43、図44に示す従来の
設計手順と同様である。このとき、図21のインピーダ
ンス変成器において隣接する2つの1/4波長線路17
間の不連続は、図23に示すような並列サセプタンスで
表される。図23においてB12は不連続による並列サセ
プタンス、Z1、Z2は両端の1/4波長線路17の特性
インピーダンスである。図23の等価回路を組み合わせ
て用いることにより、図21のフィルタは図44に示す
のと同様の等価回路で表される。
【0087】次に、ステップ2において、設計パラメー
タの数以上の周波数を選択し、図5に示すように、これ
らの周波数における挿入損あるいは反射損を規定する。
図24は、図21のインピーダンス変成器の所望の通過
および反射特性を示す図であり、図において、f1〜f1
3は選択した周波数である。ここでは、挿入損より周波
数特性の大きな反射損を規定している。
【0088】最後に、ステップ3において、上記等価回
路によるフィルタの特性計算を行い、周波数f1〜f13
における反射損の値が所望の値となるように、等価回路
のパラメータである1/4波長線路の電気長および特性
インピーダンスを最適化する。最適化により得られたパ
ラメータから、1/4波長線路の線路長および線路幅を
求める。
【0089】以上のように、図22の設計手順による図
21の実施例は、通過帯域内の複数の周波数において反
射損を所望の値に規定しているため、通過帯域が広い場
合でも通過帯域端での反射の増加は少なく、通過帯域全
体に渡って良好な特性が得られる。
【0090】また、周波数をパラメータの数以上選択し
ているため関係式がパラメータの数以上得られ、最適化
の際に、等価回路による特性計算結果が所望の特性に近
づく可能性が高い。
【0091】実施例9. 図25は、この発明の他の実施例の設計手順を示すフロ
ーであり、ステップ2において、通過帯域内にチェビシ
ェフ特性の反射零および極大周波数を選択し、図26に
示すように、これらの周波数における反射損を規定した
場合である。図26は、図21のインピーダンス変成器
の所望の反射特性と、規定する周波数および反射損を示
す図である。図において、f1、f3、f5、および、f7
は反射零周波数、f2、f4、および、f6は反射極大周
波数であり、従来の場合と同様に求められる。
【0092】このように、図25の設計手順による実施
例は、通過帯域内の全ての反射零および極大周波数を規
定しているため、通過帯域が広い場合でも通過帯域端で
の反射の増加は少なく、通過帯域全体に渡ってチェビシ
ェフ関数による理想的な反射特性が得られる。
【0093】なお、反射零および極大周波数の数はパラ
メータの総数より少ないため、全てのパラメータを最適
化の際の変数として指定できないが、例えば、1/4波
長線路17の特性インピーダンスのみを変数に指定し、
特性インピーダンスの変化に対応して、不連続すなわち
並列サセプタンス間の位相差が変化しないように、1/
4波長線路17の電気長を従属的に補正することで、良
好な反射特性を実現できる。
【0094】従って、図25の設計手順による実施例
は、図22の場合と同様に、広帯域なストリップ線路形
インピーダンス変成器を得ることができる他に、少数の
周波数に対して反射損を規定するだけで反射特性の良好
なものが得られるという利点を有する。
【0095】実施例10. 図27は、この発明の他の実施例の設計手順を示すフロ
ーであり、ステップ2において、通過帯域内にチェビシ
ェフ特性の反射零周波数を選択し、図28に示すよう
に、これらの周波数における反射損を規定した場合であ
る。図28は図21のインピーダンス変成器の所望の反
射特性と、規定する周波数および反射損を示す図であ
る。図において、f1、f3、f5、および、f7は反射零
周波数であり、従来の場合と同様に求められる。
【0096】このように、図27の設計手順による実施
例は、通過帯域内の全ての反射零周波数を規定している
ため、通過帯域が広い場合でも通過帯域端での反射の増
加や反射零周波数のずれは少なく、通過帯域全体に渡っ
てチェビシェフ関数による理想的な反射特性が得られ
る。
【0097】なお、反射零周波数の数は1/4波長線路
の数と同一となるため、全てのパラメータを最適化の際
の変数として指定できないが、例えば、1/4波長線路
17の特性インピーダンスのみを変数に指定し、特性イ
ンピーダンスの変化に対応して、不連続すなわち並列サ
セプタンス間の位相差が変化しないように、1/4波長
線路17の電気長を従属的に補正することで、良好な反
射特性を実現できる。
【0098】従って、図27の設計手順による実施例
は、図25の場合と同様に、広帯域なストリップ線路形
インピーダンス変成器を得ることができる他に、さらに
少数の周波数に対して反射損を規定するだけで反射特性
の良好なものが得られるという利点を有する。
【0099】実施例11. 図29は、この発明の他の実施例の設計手順を示すフロ
ーであり、ステップ2において、通過帯域内にチェビシ
ェフ特性の反射極大周波数を選択し、図30に示すよう
に、これらの周波数における反射損を規定した場合であ
る。図29は図21のインピーダンス変成器の所望の反
射特性と、規定する周波数および反射損を示す図であ
る。図において、f2、f4、および、f6は反射零周波
数であり、従来の場合と同様に求められる。
【0100】このように、図29の設計手順による実施
例は、通過帯域内の全ての反射極大周波数を規定してい
るため、通過帯域が広い場合でも通過帯域端での反射の
増加や反射極大周波数のずれは少なく、通過帯域全体に
渡ってチェビシェフ関数による理想的な反射特性に近い
特性が得られる。ただし、この場合、最適化によって得
られた等価回路パラメータを用いた反射特性は、図30
に示すように規定した極大値より大きな最大値を持つこ
とがあり、注意を要する。
【0101】なお、反射極大周波数の数は1/4波長線
路の数より1少ないため、全てのパラメータを最適化の
際の変数として指定できないが、例えば、1/4波長線
路17の特性インピーダンスのみを変数に指定し、特性
インピーダンスの変化に対応して、不連続すなわち並列
サセプタンス間の位相差が変化しないように、1/4波
長線路17の電気長を従属的に補正することで、良好な
反射特性を実現できる。
【0102】従って、図29の設計手順による実施例
は、図25の場合と同様に、広帯域なストリップ線路形
インピーダンス変成器を得ることができる他に、最小限
の数の周波数に対して反射損を規定するだけで反射特性
の良好なものが得られるという利点を有する。
【0103】実施例12. 図31は、この発明の他の実施例の設計手順を示すフロ
ーであり、図29の実施例に対して、さらに、ステップ
4において、ステップ3までで得られた反射特性を理想
的なチェビシェフ特性の反射特性と比較し、理想特性よ
り反射の大きな周波数を選択し、この周波数における反
射損を新たな拘束条件とした場合である。新たな周波数
は例えば図32のf8、およびf9のように与えられる。
【0104】ステップ5において、f2、f4、f6、f
8、および、f9の反射損を拘束条件として、再び最適化
し、得られたパラメータから1/4波長線路の線路長お
よび線路幅を求める。
【0105】このように、図31の設計手順による実施
例は、通過帯域内の全ての反射極大周波数を規定してい
るため、通過帯域が広い場合でも通過帯域端での反射の
増加や反射極大周波数のずれは少なく、さらに、複数回
の最適化を行うため、通過帯域全体に渡ってチェビシェ
フ関数による理想的な反射特性が特性が得られる。
【0106】なお、反射極大周波数の数は1/4波長線
路の数より1少ないため、全てのパラメータを最適化の
際の変数として指定できないが、例えば、1/4波長線
路17の特性インピーダンスのみを変数に指定し、特性
インピーダンスの変化に対応して、不連続すなわち並列
サセプタンス間の位相差が変化しないように、1/4波
長線路17の電気長を従属的に補正することで、良好な
反射特性を実現できる。
【0107】従って、図31の設計手順による実施例
は、図25の場合と同様に、広帯域なストリップ線路形
インピーダンス変成器を得ることができる他に、少ない
数の周波数に対して反射損を規定するだけで反射特性の
良好なものが得られるという利点を有する。
【0108】実施例13. 図33は、この発明の他の実施例の概略構成図であり、
方形導波管によるインピーダンス変成器を示す図であ
る。図において、18は方形導波管、19は1/4波長
導波管、P1は入力端、P2は出力端である。4つの1
/4波長導波管19は出力端P2側に近いものほど高さ
が高く設定されている。
【0109】次に、動作について説明する。1/4波長
導波管19は出力端P2側に近いものほど導波管高さが
高く設定されているため、隣接するもの同士の接続面に
は導波管高さの不連続が存在する。この不連続では、不
連続の大きさに応じた反射が生じる。
【0110】今、全ての1/4波長導波管19の長さが
所定の周波数f0において管内波長で1/4波長となる
ように設定されているものとすると、入力端P1から入
射した周波数f0の電波は最初の不連続で一部反射す
る。最初の不連続を通過した電波は2番目の1/4波長
導波管19を通って2番目の不連続で一部がまた反射す
る。しかし、1/4波長導波管19の線路長がf0にお
いて1/4波長に設定されているため、2番目の不連続
で反射した反射波は、1番目の不連続に戻った時には1
番目の不連続で最初に反射した反射波に比べて位相が1
80度すなわち1/2波長分遅れる。従って、これら2
つの反射波はお互いに打ち消し合い、不連続の相対的な
大きさを調整すれば入力端P1へは全く戻って行かなく
できる。3番目以降の不連続についても同様の原理によ
り相互の反射を打ち消すことが可能であるため、導波管
高さが低くインピーダンスの低い入力端P1からの入射
は、周波数がf0の場合にはほとんど反射せず、導波管
高さが高くインピーダンスの高い出力端P2から取り出
される。このように、図33に示した導波管回路はイン
ピーダンス変成器としての機能を有する。
【0111】一般に、導波管の管内波長は周波数に対し
て分散性を有するため、導波管の電気長は管内波長の逆
数には比例するが、周波数には比例しない。図33のイ
ンピーダンス変成器においても、理想反射特性として用
いるチェビシェフ関数は管内波長の関数として考える必
要がある。
【0112】図21に係わる実施例8〜12におけるチ
ェビシェフ関数の傾き零の周波数の代わりにチェビシェ
フ関数の傾き零の管内波長を用いることにより、図33
のインピーダンス変成器は実施例8〜12に示したもの
と同様の設計手順が適用可能であり、広帯域なものを実
現できる。
【0113】なお、実施例1〜7で示した高周波フィル
タは共振器の数が4段あるいは11段の場合について示
したが、1〜3段、5〜10段、あるいは12段以上で
あってもよく、実施例と同様の利点および効果を奏す
る。
【0114】また、実施例8〜13で示したインピーダ
ンス変成器は1/4波長線路あるいは導波管の数が4段
の場合について示したが、1〜3段あるいは5段以上で
あってもよく、実施例と同様の利点および効果を奏す
る。
【0115】さらに、以上の実施例では、伝達関数とし
てチェビシェフ関数を用いる場合について示したが、例
えばベッセル関数や楕円関数等、通過帯域内に複数の零
点あるいは極大、極小点を設定できる関数であれば、同
様に本発明の高周波フィルタあるいはインピーダンス変
成器に用いた設計手順を適用できることはいうまでもな
い。
【0116】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、中心周波数のみでなく選択した周波数の範囲内の複
数の周波数を用いて設計パラメータの数以上の条件式が
設定され、最適化手法等により通過帯域が広い場合でも
所望の反射特性の得られる上記設計パラメータの値を決
定でき、広帯域に亙って反射の小さい高周波フィルタが
得られる効果がある。
【0117】また、請求項2の発明によれば、最適化手
法等により通過帯域内のすべての周波数においてチェビ
シェフ関数による理想特性に近い所望の反射特性の得ら
れる設計パラメータの値を決定でき、広帯域に亙って反
射の小さい高周波フィルタが得られる効果がある。
【0118】また、請求項3の発明によれば、最小限の
周波数を用いた最適化手法等により通過帯域内のすべて
の周波数においてチェビシェフ関数による理想特性に近
い所望の反射特性の得られる設計パラメータの値を決定
でき、広帯域に亙って反射の小さい高周波フィルタが得
られる効果がある。
【0119】また、請求項4の発明によれば、最小限の
周波数を用いた最適化手法等により複数回の最適化がさ
れ、通過帯域内のすべての周波数においてチェビシェフ
関数による理想特性に非常に近い所望の反射特性の得ら
れる設計パラメータの値を決定でき、広帯域に亙って反
射の小さい高周波フィルタが得られる効果がある。
【0120】また、請求項5の発明によれば、最小限の
周波数を用いた最適化手法等により通過帯域内のすべて
の周波数においてチェビシェフ関数による理想特性に非
常に近い所望の反射特性の得られる設計パラメータの値
を決定でき、広帯域に亙って反射の小さい高周波フィル
タが得られる効果がある。
【0121】また、請求項6の発明によれば、最小限の
周波数を用いた最適化手法等により通過帯域内のすべて
の周波数においてチェビシェフ関数による理想特性に非
常に近い所望の反射特性の得られる設計パラメータの値
を決定でき、広帯域に亙って反射の小さい高周波フィル
タが得られる効果がある。
【0122】また、請求項7の発明によれば、電気長の
周波数変化の特に大きい導波管形フィルタに対しても、
最小限の周波数を用いた最適化手法等により通過帯域内
のすべての周波数においてチェビシェフ関数による理想
特性に近い所望の反射特性の得られる設計パラメータの
値を決定できるので、広帯域に亙って反射の小さい高周
波フィルタが得られる効果がある。
【0123】また、請求項8の発明によれば、電気長の
周波数変化の特に大きい導波管形フィルタに対しても、
最小限の周波数を用いた最適化手法等により複数回の最
適化がされ、通過帯域内のすべての周波数においてチェ
ビシェフ関数による理想特性に非常に近い所望の反射特
性の得られる設計パラメータの値を決定でき、広帯域に
亙って反射の小さい高周波フィルタが得られる効果があ
る。
【0124】また、請求項9の発明によれば、電気長の
周波数変化の特に大きい導波管形フィルタに対しても、
最小限の周波数を用いた最適化手法等により通過帯域内
のすべての周波数においてチェビシェフ関数による理想
特性に近い所望の反射特性の得られる設計パラメータの
値を決定でき、広帯域に亙って反射の小さい高周波フィ
ルタが得られる効果がある。
【0125】また、請求項10の発明によれば、電気長
の周波数変化の特に大きい導波管形フィルタに対して
も、最小限の周波数を用いた最適化手法等により複数回
の最適化がされ、通過帯域内のすべての周波数において
チェビシェフ関数による理想特性に非常に近い所望の反
射特性の得られる設計パラメータの値を決定できるの
で、広帯域に亙って反射の小さい高周波フィルタが得ら
れる効果がある。
【0126】また、請求項11の発明によれば、通過帯
域が広い場合でも上記通過帯域内のすべての周波数にお
いてチェビシェフ関数による理想特性に近い所望の反射
特性が得られるので、広帯域に亙って反射の小さい高周
波フィルタが得られる効果がある。
【0127】また、請求項12の発明によれば、サセプ
タンス素子として誘導性アイリスあるいは誘導性ポスト
を用いたので、上記誘導性アイリスのアイリス幅あるい
は上記誘導性ポストの数、直径、または、間隔を調整す
ることで所望のサセプタンス値が容易に得られ、かつ、
耐電力性に優れたものが得られるので、広帯域に亙って
反射の小さい高周波フィルタが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による高周波フィルタを
示す概略構成図である。
【図2】 この発明の実施例1による高周波フィルタの
内導体パターンを示す図である。
【図3】 この発明の実施例1による高周波フィルタの
設計手順を示す図である。
【図4】 この発明の実施例1による高周波フィルタの
共振器の等価回路を示す図である。
【図5】 この発明の実施例1による高周波フィルタの
特性を示す図である。
【図6】 この発明の実施例2による高周波フィルタの
設計手順を示す図である。
【図7】 この発明の実施例2による高周波フィルタの
特性を示す図である。
【図8】 この発明の実施例3による高周波フィルタの
設計手順を示す図である。
【図9】 この発明の実施例3による高周波フィルタの
特性を示す図である。
【図10】 この発明の実施例4による高周波フィルタ
の設計手順を示す図である。
【図11】 この発明の実施例4による高周波フィルタ
の特性を示す図である。
【図12】 この発明の実施例5による高周波フィルタ
の設計手順を示す図である。
【図13】 この発明の実施例5による高周波フィルタ
の特性を示す図である。
【図14】 この発明の実施例6による高周波フィルタ
の構成図である。
【図15】 この発明の実施例6による高周波フィルタ
の設計手順を示す図である。
【図16】 この発明の実施例6による高周波フィルタ
のサセプタンス素子を説明する図である。
【図17】 この発明の実施例6による高周波フィルタ
のサセプタンス素子を説明する図である。
【図18】 この発明の実施例6による高周波フィルタ
の反射特性を示す図である。
【図19】 この発明の実施例7による高周波フィルタ
の設計手順を示す図である。
【図20】 この発明の実施例7による高周波フィルタ
の特性である。
【図21】 この発明の実施例8によるインピーダンス
変成器の概略構成を示す図である。
【図22】 この発明の実施例8によるインピーダンス
変成器の設計手順を示す図である。
【図23】 この発明の実施例8によるインピーダンス
変成器の不連続を示す図である。
【図24】 この発明の実施例8によるインピーダンス
変成器の特性を示す図である。
【図25】 この発明の実施例9によるインピーダンス
変成器の設計手順を示す図である。
【図26】 この発明の実施例9によるインピーダンス
変成器の特性を示す図である。
【図27】 この発明の実施例10によるインピーダン
ス変成器の設計手順を示す図である。
【図28】 この発明の実施例10によるインピーダン
ス変成器の特性を示す図である。
【図29】 この発明の実施例11によるインピーダン
ス変成器の設計手順を示す図である。
【図30】 この発明の実施例11によるインピーダン
ス変成器の特性を示す図である。
【図31】 この発明の実施例12によるインピーダン
ス変成器の設計手順を示す図である。
【図32】 この発明の実施例12によるインピーダン
ス変成器の特性を示す図である。
【図33】 この発明の実施例13によるインピーダン
ス変成器の構成を示す斜視図である。
【図34】 従来の高周波フィルタの設計手順を示す図
である。
【図35】 従来の高周波フィルタの設計手順を説明す
るための原形低域通過フィルタの回路図である。
【図36】 従来の高周波フィルタの等価回路を示す図
である。
【図37】 従来の高周波フィルタの特性を示す図であ
る。
【図38】 従来の高周波フィルタの設計手順を示す図
である。
【図39】 従来の高周波フィルタの設計手順を説明す
るための原形低域通過フィルタの回路図である。
【図40】 従来の高周波フィルタの等価回路を示す図
である。
【図41】 従来の高周波フィルタの等価回路を示す図
である。
【図42】 従来の高周波フィルタの特性を示す図であ
る。
【図43】 従来のインピーダンス変成器の設計手順を
示す図である。
【図44】 従来のインピーダンス変成器の等価回路を
示す図である。
【図45】 従来例のインピーダンス変成器の特性を示
す図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板、2 外導体、3、6、7 内導体、9
スルーホール、12 方形導波管、13 誘導性アイ
リス、14 空胴共振器、15 ストリップ導体、16
マイクロストリップ線路、17 1/4波長線路、1
8 方形導波管、19 1/4波長導波管、30 スト
リップ線路共振器、60 入力線路、70 出力線路。
フロントページの続き (72)発明者 湯川 秀憲 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (72)発明者 浅尾 英喜 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (72)発明者 浦崎 修治 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (56)参考文献 小西良弘,マイクロ波回路の基礎とそ の応用,総合電子出版社,平成2年,p p.367−373 R.E.Collon,FOUNDA TIONS FOR MICROWAV E ENGINEERING,米国,M cGraw−Hill,1992,pp. 343−360,587−642 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/203 H01P 1/207

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
    間を相互に結合させる共振器間結合手段と、上記共振器
    と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
    備えた高周波フィルタの設計方法において、上記共振器
    の共振器長、上記共振器間結合手段の寸法、および上記
    入出力結合手段の寸法を決定するパラメータの数以上の
    数だけ周波数を選択し、上記選択した周波数において上
    記高周波フィルタの通過特性あるいは反射特性が所望の
    値に近づくように上記共振器の共振器長、上記共振器間
    結合手段の寸法、および上記入出力結合手段の寸法を決
    定したことを特徴とする高周波フィルタの設計方法。
  2. 【請求項2】 複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
    間を相互に結合させる共振器間結合手段と、上記共振器
    と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
    備えた高周波フィルタの設計方法において、上記高周波
    フィルタの通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の
    関数としてのチェビシェフ関数の傾き零点を複数設定
    し、上記複数の傾き零点に対応する周波数を反射零周波
    数あるいは反射極大周波数として規定し、上記反射零周
    波数あるいは上記反射極大周波数において反射が極小あ
    るいは極大となるように上記共振器の共振器長、上記共
    振器間結合手段の寸法、および上記入出力間結合手段の
    寸法を決定したことを特徴とする高周波フィルタの設計
    方法。
  3. 【請求項3】 複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
    間を相互に結合させる共振器間結合手段と、上記共振器
    と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
    備えた高周波フィルタの設計方法において、上記高周波
    フィルタの通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の
    関数としてのチェビシェフ関数の零点を複数設定し、上
    記複数の零点に対応する周波数を反射零周波数として規
    定し、上記反射零周波数において反射が極小となるよう
    に上記共振器の共振器長、上記共振器間結合手段の寸
    法、および上記入出力間結合手段の寸法を決定したこと
    を特徴とする高周波フィルタの設計方法。
  4. 【請求項4】 複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
    間を相互に結合させ る共振器間結合手段と、上記共振器
    と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
    備えた高周波フィルタの設計方法において、上記高周波
    フィルタの通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の
    関数としてのチェビシェフ関数の零点を複数設定し、上
    記複数の零点に対応する周波数を反射零周波数として規
    定し、上記反射零周波数において反射が極小となるよう
    に上記共振器の共振器長、上記共振器間結合手段の寸
    法、および上記入出力間結合手段の寸法を決定し、上記
    寸法を用いて得られる上記高周波フィルタの反射特性の
    うち、理想的なチェビシェフ形フィルタの特性より反射
    の大きな周波数を選び、上記反射の大きな周波数および
    上記反射零周波数において反射が所定の大きさ以下とな
    るように上記共振器の共振器長、上記共振器間結合手段
    の寸法、および上記入出力間結合手段の寸法を決定した
    ことを特徴とする高周波フィルタの設計方法。
  5. 【請求項5】 複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
    間を相互に結合させる共振器間結合手段と、上記共振器
    と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
    備えた高周波フィルタの設計方法において、上記高周波
    フィルタの通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の
    関数としてのチェビシェフ関数の極大点を複数設定し、
    上記複数の極大点に対応する周波数を反射極大周波数と
    して規定し、上記反射極大周波数において反射が所定の
    極大値となるように上記共振器の共振器長、上記共振器
    間結合手段の寸法、および上記入出力間結合手段の寸法
    を決定したことを特徴とする高周波フィルタの設計方
    法。
  6. 【請求項6】 複数の伝送線路形共振器と、上記共振器
    間を相互に結合させる共振器間結合手段と、上記共振器
    と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合手段とを
    備えた高周波フィルタの設計方法において、上記高周波
    フィルタの通過帯域内に上記共振器内の電波の周波数の
    関数としてのチェビシェフ関数の極大点を複数設定し、
    上記複数の極大点に対応する周波数を反射極大周波数と
    して規定し、上記反射極大周波数において反射が所定の
    極大値となるように上記共振器の共振器長、上記共振器
    間結合手段の寸法、および上記入出力間結合手段の寸法
    を決定し、上記寸法を用いて得られる上記高周波フィル
    タの反射特性のうち、理想的なチェビシェフ形フィルタ
    の特性より反射の大きな周波数を選び、上記反射の大き
    な周波数および上記反射極大周波数において反射が所定
    の大きさ以下とな るように上記共振器の共振器長、上記
    共振器間結合手段の寸法、および上記入出力間結合手段
    の寸法を決定したことを特徴とする高周波フィルタの設
    計方法。
  7. 【請求項7】 導波管から成る複数の空胴共振器と上記
    空胴共振器相互の結合手段および入出力結合手段として
    のサセプタンス素子とを備えた導波管形の高周波フィル
    タの設計方法において、上記導波管形の高周波フィルタ
    の通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としてのチ
    ェビシェフ関数の零点を複数設定し、上記複数の零点の
    上記管内波長に対応する周波数を反射零周波数として規
    定し、上記反射零周波数において反射が極小となるよう
    に上記共振器の共振器長、上記サセプタンス素子値、お
    よび上記サセプタンス素子の寸法を決定したことを特徴
    とする高周波フィルタの設計方法。
  8. 【請求項8】 導波管から成る複数の空胴共振器と上記
    空胴共振器相互の結合手段および入出力結合手段として
    のサセプタンス素子とを備えた導波管形の高周波フィル
    タの設計方法において、上記導波管形の高周波フィルタ
    の通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としてのチ
    ェビシェフ関数の零点を複数設定し、上記複数の零点の
    上記管内波長に対応する周波数を反射零周波数として規
    定し、上記反射零周波数において反射が極小となるよう
    に上記共振器の共振器長、上記サセプタンス素子値、お
    よび上記サセプタンス素子の寸法を決定し、上記寸法を
    用いて得られる上記導波管形の高周波フィルタの反射特
    性のうち、理想的なチェビシェフ形フィルタの特性より
    反射の大きな周波数を選び、上記反射の大きな周波数お
    よび上記反射零周波数において反射が所定の大きさ以下
    となるように上記共振器の共振器長、上記サセプタンス
    素子値、および上記サセプタンス素子の寸法を決定した
    ことを特徴とする高周波フィルタの設計方法。
  9. 【請求項9】 導波管から成る複数の空胴共振器と上記
    空胴共振器相互の結合手段および入出力結合手段として
    のサセプタンス素子とを備えた導波管形の高周波フィル
    タの設計方法において、上記導波管形の高周波フィルタ
    の通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としてのチ
    ェビシェフ関数の極大点を複数設定し、上記複数の極大
    点の上記管内波長に対応する周波数を反射極大周波数と
    して規定し、上記反射極大周波数において反射が所定の
    極大値となるように上記共振器の共振器長、上記サセプ
    タンス素子値、および上記サセプタンス素子の寸法を決
    定したことを特徴とする高周波フィルタの設計方法。
  10. 【請求項10】 導波管から成る複数の空胴共振器と上
    記空胴共振器相互の結合手段および入出力結合手段とし
    てのサセプタンス素子とを備えた導波管形の高周波フィ
    ルタの設計方法において、上記導波管形の高周波フィル
    タの通過帯域内に上記導波管の管内波長の関数としての
    チェビシェフ関数の極大点を複数設定し、上記複数の極
    大点の上記管内波長に対応する周波数を反射極大周波数
    として規定し、上記反射極大周波数において反射が所定
    の極大値となるように上記共振器の共振器長、上記サセ
    プタンス素子値、および上記サセプタンス素子の寸法を
    決定し、上記寸法を用いて得られる上記導波管形の高周
    波フィルタの反射特性のうち、理想的なチェビシェフ形
    フィルタの特性より反射の大きな周波数を選び、上記反
    射の大きな周波数および上記反射極大周波数において反
    射が所定の大きさ以下となるように上記共振器の共振器
    長、上記サセプタンス素子値、および上記サセプタンス
    素子の寸法を決定したことを特徴とする高周波フィルタ
    の設計方法。
  11. 【請求項11】 共振器の数をN、フィルタの中心周波
    数における等価回路素子値から決定されるi番目のサセ
    プタンス素子のサセプタンス値をB0iとしたとき、i番
    目のサセプタンス素子のサセプタンス値Biを次式で与
    えられる範囲に設定したことを特徴とする請求項7〜1
    0のいずれか1項に記載の高周波フィルタの設計方法。 1<Bi/B0i<1.2 (1≦i≦0.2N, N≦i≦N+1) 0.8<Bi/B0i<1 (0.2N<i≦0.4N, 0.8N≦i<N) 0.9<Bi/B0i≦1 (0.4N<i<0.8N)
  12. 【請求項12】 請求項7〜11のいずれか1項に記載
    の高周波フィルタの設計方法により構成された高周波フ
    ィルタであって、サセプタンス素子が誘導性アイリスあ
    るいは誘導性ポストであることを特徴とする高周波フィ
    ルタ。
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