JP3305281B2 - α−アミラーゼ遺伝子中の糖応答性エンハンサー - Google Patents
α−アミラーゼ遺伝子中の糖応答性エンハンサーInfo
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Description
節に関する。
キュロウイルス発現系に比べて幾つかの利点を有してい
る。細菌は発現する組換え真核生物タンパク質の転写後
修飾を行わず、そして酵母はこれを限られた範囲でしか
行わない。タンパク質の適切な機能にはこのような修飾
がしばしば必要である。バキュロウイルスは高等真核生
物用の有力な形質転換媒体であり、そして一般に、バキ
ュロウイルス発現系で発現されたタンパク質は適切に修
飾される。しかしながら、バキュロウイルスを培養する
費用は高い。加えて、宿主細胞は最終的にバキュロウイ
ルスによって溶解され、発現された組換えタンパク質は
培養培地中に放出される多数の宿主タンパク質で汚染さ
れる。従って、発現された組換えタンパク質の精製が困
難となる可能性がある。
で、発現された真核生物タンパク質の精巧な翻訳後タン
パク質修飾を行うことができる。植物細胞は発現タンパ
ク質を培養培地中に分泌することもできるので、タンパ
ク質の精製がより容易になる。植物細胞培養用の培地
は、主として塩類やビタミン類を含有しており、血清を
補充する必要がない。従って、培地の費用はバキュロウ
イルスのトランスフェクションに使用される昆虫細胞を
培養するために使用される培地費用よりはるかに安い。
香剤及び香油の潜在的な商業的供給源である。このよう
な成分の植物細胞培養による製造は次のようなときに需
要がある: (1)上記成分が植物によって少量で、又は
植物の生活環の発育段階の短い間若しくは採集不可能な
発育段階で天然に産生されるとき;(2)上記成分が、
農業になじみ難いか又は消失過程の環境若しくは利用し
難い環境の原産の植物によって産生されるとき; 及び
(3)上記成分がインビトロでは満足できるほど合成さ
れ得ないとき。
物を製造する試みは、所望の産生物の産生又は分泌が不
十分であること、細胞の増殖が乏しいこと、及び培養中
に適当な細胞タイプを維持することが困難であることと
いった要因のために商業的には殆ど成功していない。
する特徴によって、この発現系は植物細胞発酵工学にお
いて使用できるようになる。これらの特徴には、発現レ
ベルが高く且つ持続的であること、組織起源の細胞培養
物であるのかそれとも組織が培養物中に形成されるのか
に関係なく発現されること、及び組換えタンパク質産生
物を分泌できることが含まれる。
貯蔵されている澱粉を加水分解するための主要なデンプ
ン分解酵素である。これらの酵素はα-1,4結合グルコ
ースポリマーの加水分解を触媒する。初期発芽期間中
に、種子の糊粉層内の細胞はα-アミラーゼを合成す
る。α-アミラーゼはα-グルコシダーゼやデキストリナ
ーゼ制限酵素と一緒に胚乳内に分泌され、そして澱粉を
加水分解してグルコースとマルトースを形成し、胚芽の
成長に必要な栄養素を提供する(Rogers等、J. Biol. C
hem.、259:12234〜12240、1984年; Rogers、J. Biol. C
hem.、260:3731〜3738、1985年)。
個のα-アミラーゼゲノムDNA群がオオムギでクロー
ン化されている(Chandler等、 Plant. Mol. Biol.、3:
401〜418、1984年; Deikman等、Plant Physiol.、78:19
2〜198、1985年; Krushseed等、J. Biol. Chem.、263:1
8953〜18960、1988年; Knox等、Plant Molecular Biolo
gy、9:3〜17、1987年)。コムギのα-アミラーゼ遺伝子
はα-Amy1、α-Amy2及びα-Amy3に分類される。α-
Amy1とα-Amy2でコードされるタンパク質はそれぞれ
高い等電点と低い等電点を有しており、これら2つの遺
伝子群は各々、発芽中の種子で発現される10個より多い
遺伝子を含んでいる。α-Amy3遺伝子群は3〜4個の遺
伝子を含んでおり、これらの遺伝子は未成熟種子中で発
現される(Baulcombe等、Mol. Gen. Genet.、209:33〜4
0、1987年)。
くとも9個の遺伝子によってコードされる(Thomas等、
Plant Physiol.、106:1235〜1239、1994年)。コメのα
-アミラーゼ遺伝子の発現は種々の態様の組織特異的調
節下にあることが見い出されている: 発芽中の種子の胚
や懸濁培養細胞では、発現は糖枯渇で活性化され、そし
て糖供給で抑制される(Karrer等、Plant J.、2:517〜5
23、1992年; Yu等、J.Biol. Chem.、266:21131〜2113
7、1991年; Yu等、Gene、122:247〜253、1992年; 及びY
u等、Plant Mol. Biol.、30:1277〜1289、1996年)。発
芽中の種子の胚乳においては、発現はジベレリン酸で活
性化されそしてアブシジン酸や浸透圧で抑制される(It
oh等、Plant Physiol.、107:25〜31、1995年; 及びYu
等、PlantMol. Biol.、30:1277〜1289、1996年)。コメ
の懸濁細胞を用いた研究によってα-アミラーゼ発現、
炭水化物代謝及び維管束自食(vascular autophagy)が
培地中のスクロース値によって同等に調節されることが
示されている(Chen等、Plant J.、6:625〜636、1994
年)。細胞内におけるα-アミラーゼ遺伝子の転写速度
とmRNAの安定性は共に、培養培地中のスクロース枯
渇に応答して上昇する(Sheu等、Plant J.、5:655〜66
4、1994年)。β-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子を
有するトランスジェニックライスをα-アミラーゼ遺伝
子プロモーターの転写制御下で使用する研究によって、
糖によるα−アミラーゼ遺伝子発現の調節は転写制御メ
カニズムに関係していることが証明された(Chan等、Pl
ant Mol.Biol.、22:491〜506、1993年; Chan等、J. Bio
l. Chem.、269:17635〜17641、1994年; 及びHuang等、P
lant Mol. Biol.、23:737〜747、1993年)。α-アミラ
ーゼ遺伝子発現の糖依存的抑制はアスペルギルス・オリ
ザエ(Tonomura等、Agric.Biol. Chem.、25:1〜6、1961
年)及びキイロショウジョウバエ(Benkel等、Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA、84:1337〜1339、1987年)でも観
察され、そしてこのメカニズムは転写制御に関係してい
ることが示された(Magoulas等、Genetics、134:507〜5
15、1993年; 及びTsuchiya等、Biosci. Biotech. Bioch
em.、56:1849〜1853、1992年)。
mRNAレベルはスクロース飢餓下で大いに誘導され
る。α-アミラーゼ合成の上昇は、外来性炭素供給源が
枯渇しているとき、エネルギー供給源として細胞内澱粉
の加水分解を促進するものと考えられる。糖が適切に供
給されている通常の増殖条件下では、α-アミラーゼは
代謝的抑制に供される。更に、培養されたコメ細胞によ
って合成されたα-アミラーゼは培養培地中に分泌さ
れ、そして糖枯渇期間中に培地に存在する総タンパク質
の約15〜20%を占め得ることが観察されている。
ラグメント及び核ランオン(run-on)転写分析を使用す
ることによって、8個のα-アミラーゼ遺伝子の転写は
スクロース飢餓に応答して上昇することが示されている
(Sheu等、J. Biol. Chem.、271:26998〜27004、1996
年)。転写速度と安定状態のmRNA値の間の正の相互
関係は、転写調節が個々のα-アミラーゼ遺伝子の特異
的発現で重要な役割を果たしていることを示唆してい
る。
遺伝子プロモーター領域の転写調節特性を利用する遺伝
子発現系を開示している。この系では、α-アミラーゼ
プロモーターは形質転換した植物細胞における外来遺伝
子の発現並びにこの外来遺伝子産生物の培地中への分泌
を制御している。
α-アミラーゼ遺伝子から誘導される糖応答性エンハン
サーを提供することにある。また、本発明は、このよう
なエンハンサーを含有する発現ベクター及び他の単離D
NA、並びにこれら発現ベクターの使用をも提供するこ
とをも目的とする。
決するために、(1)TATCCATATCCA配列を
含む穀類α-アミラーゼ遺伝子の糖応答性エンハンサー
を含んでいる単離DNAを提供する。また、本発明は、
(2) 上記穀類α-アミラーゼ遺伝子がコメαAmy3で
ある(1)に記載のDNAを提供する。また、本発明
は、(3) 上記糖応答性エンハンサーが配列番号:1
に記載の塩基配列からなる(2)に記載のDNAを提供
する。また、本発明は、(4) 上記糖応答性エンハン
サーが配列番号:2に記載の塩基配列からなる(2)に
記載のDNAを提供する。また、本発明は、(5) 被
子植物細胞中でコード化配列の発現を指令し得るプロモ
ーター、及びTATCCATATCCA配列を含む穀類
α-アミラーゼ遺伝子の糖応答性エンハンサー、を含ん
でいる発現ベクターであって、上記糖応答性エンハンサ
ーが糖の非存在下でプロモーターの転写活性を高めるよ
うに上記プロモーターと機能的に結合している発現ベク
ターを提供する。また、本発明は、(6) 上記穀類α
-アミラーゼ遺伝子がコメαAmy3である(5)に記載の
発現ベクターを提供する。また、本発明は、(7) 上
記糖応答性エンハンサーが配列番号:1に記載の塩基配
列からなる(6)に記載の発現ベクターを提供する。ま
た、本発明は、(8) 上記糖応答性エンハンサーが配
列番号:2に記載の塩基配列からなる(6)に記載の発
現ベクターを提供する。また、本発明は、(9) シグ
ナルペプチドをコードするシグナル配列を更に含んでい
る(5)に記載の発現ベクターであって、上記シグナル
配列が上記プロモーターの下流に位置している発現ベク
ターを提供する。また、本発明は、(10) 被子植物
細胞中でポリペプチドを製造する方法であって、(i)
上記ポリペプチドのコード化配列、(ii)被子植物細胞
中で上記コード化配列の転写を指令し得るプロモータ
ー、及び(iii)TATCCATATCC A配列を含む
穀類α-アミラーゼ遺伝子の糖応答性エンハンサーを含
有し、該糖応答性エンハンサーが糖の非存在下で上記プ
ロモーターの転写活性を高めるように該プロモーターと
機能的に結合している発現構築物を提供すること、被子
植物宿主細胞を上記発現構築物で形質転換すること、お
よび上記形質転換宿主細胞を無糖環境に付して上記ポリ
ペプチドの発現を促進すること、を含む方法を提供す
る。また、本発明は、(11) 上記穀類α-アミラー
ゼ遺伝子がコメαAmy3である(10)に記載の方法を
提供する。また、本発明は、(12) 上記糖応答性エ
ンハンサーが配列番号:1に記載の塩基配列からなる
(11)に記載の方法を提供する。また、本発明は、
(13) 上記糖応答性エンハンサーが配列番号:2に
記載の塩基配列からなる(11)に記載の方法を提供す
る。また、本発明は、(14) 上記発現構築物がシグ
ナルペプチドをコードするシグナル配列を更に含んでお
り、該シグナル配列が上記プロモーターの下流に位置し
ている(10)に記載の方法を提供する。また、本発明
は、(15) 被子植物細胞中でポリペプチドを製造す
る方法であって、(i)上記ポリペプチドのコード化配
列、(ii)被子植物細胞中で上記コード化配列の転写を
指令し得るプロモーター、及び(iii)TATCCATA
TCCA配列を含む穀類α-アミラーゼ遺伝子の糖応答
性エンハンサーを含有し、ジベレリン酸の非存在下でプ
ロモーターの転写活性を高めるように該プロモーターと
機能的に結合している発現構築物を提供すること、被子
植物宿主細胞を上記発現構築物で形質転換すること、お
よび上記形質転換宿主細胞をジベレリン酸に付して上記
ポリペプチドの発現を促進すること、を含む方法。ま
た、本発明は、(16) 上記穀類α-アミラーゼ遺伝
子がコメαAmy3である(15)に記載の方法を提供す
る。また、本発明は、(17) 上記糖応答性エンハン
サーが配列番号:1に記載の塩基配列からなる(16)
に記載の方法を提供する。また、本発明は、(18)
上記糖応答性エンハンサーが配列番号:2に記載の塩基
配列からなる(16)に記載の方法を提供する。また、
本発明は、(19) 上記発現構築物がシグナルペプチ
ドをコードするシグナル配列を更に含んでおり、該シグ
ナル配列が上記プロモーターの下流に位置している(1
5)に記載の方法を提供する。また、本発明は、(2
0) (5)に記載の発現ベクターを含有している被子
植物細胞を提供する。また、本発明は、(21)
(6)に記載の発現ベクターを含有している被子植物細
胞を提供する。また、本発明は、(22) (7)に記
載の発現ベクターを含有している被子植物細胞を提供す
る。
ター内部の糖応答性エンハンサー配列の発見に基づいて
いる。これらの配列は糖誘導性の遺伝子発現を投与量依
存的態様で、例えば1倍より高める。
類α-アミラーゼ遺伝子の糖応答性エンハンサーのコピ
ーを2個又はそれより多く(例えば3個、4個、10個又
は任意の実現可能な数)含有する単離DNAを特徴とし
ている。このエンハンサーは穀類α-アミラーゼ遺伝子
のプロモーター領域から誘導される(即ち、単離され
る)。このエンハンサーの例には配列番号:1、2及び
3が含まれる。一定のエンハンサーの複数のコピーは互
いに関して同一方向に配置される必要はない。
ために、任意の所定の穀類種では、糖応答性エンハンサ
ーのヌクレオチド配列に僅かな変化が生じている可能性
がある。本発明の目的では、糖飢餓に応答した適切な転
写増強効果が残っている限り、天然の多形の結果とし
て、又は組換え遺伝子操作の結果としてであっても、僅
かな配列変動を有しているエンハンサー配列は本発明の
範囲内である。換言すれば、本発明のエンハンサーは天
然生起の配列、即ち、天然生起のα-アミラーゼ遺伝子
中に見られる配列と同一の配列を有しているか; 又は天
然生起の配列の活性変異体である。
とは、これが由来する生物の天然生起のゲノム中では直
接隣接している(1つは5'末端でそして1つは3'末端
で)コード化配列の両方と直接隣接していないDNAで
ある。それ故、この用語には、例えば、ベクター、自律
複製プラスミド若しくはウイルス、又は原核生物若しく
は真核生物のゲノムDNA中に組み込まれる組換えDN
Aか; 或いは他の配列から独立した別個の分子(例え
ば、cDNA又はPCR若しくは制限エンドヌクレアー
ゼ処理で産生されたゲノムDNAフラグメント)として
存在している組換えDNAが含まれる。この用語にはま
た、更なるポリペプチド配列をコードしているハイブリ
ッド遺伝子の一部分である組換えDNAも含まれる。
配列の発現を指令し得るプロモーターを含有する発現ベ
クターや穀類α-アミラーゼ遺伝子(即ち、コメαAmy
3)中のプロモーター領域の糖応答性エンハンサー(例
えば、配列番号:1、2又は3)も特徴としている。こ
れらのベクターでは、糖応答性エンハンサーはプロモー
ターと機能的に結合して(5'か又は3'のどちらか)糖
の非存在下でプロモーターの転写活性を高める。更に、
このベクター中の糖応答性エンハンサーは、該エンハン
サーが元々由来しているα-アミラーゼ遺伝子プロモー
ター領域と天然の(即ち、天然に生じている)配置では
もはや結合していない。換言すれば、糖応答性エンハン
サーはその同族のα-アミラーゼ遺伝子から単離されて
いる。このエンハンサーはベクター中で1個又は複数の
コピーとして存在することができ、そしてどちらの方向
でも配置されうる。被子植物細胞は穀類(例えば、コ
メ、オオムギ及びコムギ)のような単子葉植物細胞又は
双子葉植物細胞である。
ン遺伝子、カリフラワーモザイクウイルス35S(「Ca
MV35S」)RNA若しくはユビキチン遺伝子から誘導
されるプロモーターのような遍在的活性プロモーター、
又はα-アミラーゼ(例えば、コメαAmy3、αAmy6、
αAmy7、αAmy8又はαAmy10遺伝子、これらも糖応答
性である; 米国特許第5,460,952号参照)、インベルタ
ーゼ、スクロースシンターゼ、パタチン、β-アミラー
ゼ、スポラミン若しくは光合成遺伝子から誘導されるよ
うな誘導可能なプロモーターでありうる。他のエンハン
サーのような更なる転写調節要素がベクター内に含まれ
うる。
は、別のRNA(例えば、mRNA、転移RNA、リボ
ソームRNA及び核小体RNA)の機能に干渉するアン
チセンスRNAをコードしうる。
ナルペプチドをコードする配列(例えば、コメのα-ア
ミラーゼ遺伝子から誘導される配列)を更に含むことが
できるので、宿主細胞は発現ベクターから発現したポリ
ペプチド産生物を分泌することができる。
発現ベクターはプロモーターの下流に複数の制限部位を
含むことができ、その結果コード化配列をベクターのプ
ロモーターの下流に簡便に挿入することができる。糖応
答性エンハンサーはコード化配列の上流又は下流のどち
らかに位置させることができる。
チドを製造する方法も特徴としている。これらの方法
は、被子植物細胞中で発現を指令し得るプロモーターと
機能的に結合した当該ポリペプチドのコード化配列と、
穀類α-アミラーゼ遺伝子の糖応答性エンハンサーを含
有する発現構築物を使用する。このような構築物はコー
ド化配列を本発明の発現ベクター中に挿入することによ
って得ることができる。この構築物やこの構築物を含有
する細胞も本発明の範囲内である。
胞を先ず上記発現構築物で形質転換し、そしてその後形
質転換した細胞(該細胞から、例えば複製、再生又は分
化によって誘導された細胞を含む)を無糖環境に付して
ポリペプチドの発現を促進する。糖は、代謝可能であり
且つ細胞に炭素源を提供するスクロース、グルコース、
フラクトース、マルトース又は他の任意のポリサッカラ
イドであることができる。
は、糖を全く含有していない環境、例えば培養培地、又
は糖濃度が非常に低く細胞の増殖又は呼吸作用を支持で
きない環境を言う。糖飢餓の発生は糖濃度、細胞対培地
容量比及び培地中でのインキュベーション時間の長さの
ような複数の要因に依存する。
答性エンハンサーはまた、ジベレリン酸のようなホルモ
ンに応答して転写を高めることもできる。かくして、上
記方法では、上記のようなエンハンサーを含有している
構築物で形質転換した細胞を無糖環境の代わりにジベレ
リン酸含有環境に暴露してポリペプチドの製造を促進す
ることができる。発芽中の穀類種子は比較的高い濃度の
ジベレリン酸を含有している。かくして、形質転換され
た種子が発芽するときに当該ポリペプチドを製造するよ
うに穀類種子中の細胞を上記のような1つの構築物で形
質転換することができる。
は全植物(即ち、トランスジェニック植物)に再生させ
てポリペプチドの発現を促進することもできる。このよ
うなトランスジェニック植物の種子を発芽させて組換え
ポリペプチドの発現を促進することもできる。
めに、シグナルペプチドをコードする配列を発現構築物
の適当な位置、例えばプロモーターとポリペプチドコー
ド化配列の間に組み込むことができる。その結果、ポリ
ペプチドを培養培地に分泌させ、または発芽中の種子に
発現させ、そしてそれによって好都合に回収することが
できる。
領域における糖応答性エンハンサーの発見を以下に記載
する。更に、糖飢餓誘導性転写効率は遺伝子内に挿入さ
れたエンハンサーのコピー数と共に直線的に上昇するこ
とが見い出される。このようなエンハンサーを使用し
て、糖枯渇又はジベレリン酸含有環境に暴露される被子
植物細胞中で外来遺伝子の発現を高めることができる。
ハンサー要素を含有する本発明の単離DNA及び発現ベ
クターは標準的な組換え技術(例えば、Sambrook等、分
子クローニング、実験室マニュアル(Molecular Clonin
g, A Laboratory Manual)、第2版、Cold Spring Harb
or Press、ニューヨーク州コールドスプリングハーバ
ー、1989年; 及びAusubel等、分子生物学における現在
のプロトコール(CurrentProtocols in Molecular Biol
ogy)、Greene Publishing and Wiley-Intersciece、ニ
ューヨーク州ニューヨーク、1993年参照)によって得る
ことができる。例えば、上記エンハンサーを含有するD
NAフラグメントは先ず、鋳型としてコメα-アミラー
ゼcDNAを使用してポリメラーゼ連鎖反応で得る。次
に、このフラグメントを、適当な裸子植物プロモーター
(又は更に、該プロモーターの下流のコード化配列)を
既に適所に有しているプラスミド内に挿入する。
れる糖応答性エンハンサーは以下の実施例に記載した方
法で同定することができる。或いは、以下に記載する例
示的なエンハンサー配列と相同的な配列を穀類α-アミ
ラーゼプロモーター領域で検索することによってこのよ
うなエンハンサーを同定することができる; このように
して同定されたエンハンサーの糖応答性は以下に記載す
るアッセイで確認することができる。実際、穀類α-ア
ミラーゼ遺伝子の或る転写調節領域中には相同性が存在
する。例えば、ジーンバンク(GENBANK)で入手
できる9個のコメ、9個のオオムギ、そして5個のコム
ギα-アミラーゼ遺伝子内のプロモーター配列の試験に
よって、これら遺伝子は4個を除いて全てTATCCA
要素の改変体を含有しており、そしてこれらのTATC
CA要素/改変体は転写開始部位の概ね100〜150bp上流
に位置していることが明らかにされている。任意の天然
生起の糖応答性エンハンサー配列の組換え改変体は突然
変異誘発のような標準的な組換え技術で得ることができ
る。
粒子衝撃、マイクロインジェクション、超音波法、ポリ
エチレングリコール介在プロトプラスト形質転換、ポリ
-Lオルニチン法、リン酸カルシウム法及びアグロバク
テリウム介在形質転換系のような標準的な方法を使用し
て、単離DNA又は発現ベクターでトランスフェクショ
ンすることができる(例えば、米国特許第5,460,952
号、17〜18欄; 及び該特許の参照文献参照)。
チドをコードする配列を含有する発現ベクター)で形質
転換した植物細胞は無糖又はジベレリン酸含有培養培地
中で維持しそして膨張させて、ポリペプチドの発現を促
進することができる。続いて、標準的な技術を使用して
ポリペプチドを細胞から抽出しそして精製することがで
きる。或いは、発現構築物がシグナルペプチドをコード
する配列を含有していてポリペプチドを培地中に分泌す
る場合、ポリペプチドは培養培地から単離することがで
きる(Chen等、Plant J.、6:625〜638、1994年; Sijmon
s等、Bio/Technology、8:217〜221、1990年)。培養培
地からタンパク質を直接精製することの1つの利点は、
培養培地中では夾雑タンパク質の量が細胞抽出物中より
実質的に少ないということである。
ンスジェニック組織又はトランスジェニック植物に再生
することもできる(例えば、Datta等、Bio/Technolog
y、8:736〜740、1990年; Peng等、Plant Cell Report
s、9:168〜172、1990年; Yang等、Plant Cell Report
s、7:421〜425、1988年; 米国特許出願 08/509,962及び
08/639,792参照)。次に、組換えポリペプチドをトラン
スジェニック組織又は植物(又は、使用したプロモータ
ーの組織特異性に依存して、植物の一部分、例えば葉、
葉鞘、茎、種子及び根)から回収することができる。
全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当該技
術分野の通常の技倆を有する者に通常理解されるものと
同一の意味を有している。本発明の実施又は試験では本
明細書に記載した方法や材料に類似するか又は同等の方
法や材料を使用することができるが、例示的な方法と材
料を以下に記載する。本明細書で言及した刊行物や他の
参照文献は全て、それらを全体として参照して組み入れ
る。相反する場合、定義を含めて本明細書によって支配
される。加えて、材料、方法及び実施例は説明的なもの
にすぎず、そして限定することを意図しているものでは
ない。
の単離DNA、発現ベクター、構築物及び方法を説明す
るために実施例として使用するものであって、これらを
限定するためのものではない。
中の幾つかのシス作用性糖応答性エンハンサー配列の同
定を記載する。コメ懸濁細胞から調製したプロトプラス
トで幾つかの一時的発現系を使用した。機能喪失、機能
獲得及びリンカースキャニング変異分析を実施すること
によって、出願人はグルコース飢餓誘導性の遺伝子発現
を高レベルで行う糖応答性エンハンサーを同定した。こ
れらの配列は、方向に非依存的であるが投与量に依存的
な態様で最小プロモーターに糖応答性を付与する。αA
my3発現の制御で相乗的に作用する3つの重要なモチー
フ(即ち、GCボックス、Gボックス及びTATCCA
要素)も同定した。最後に、コメ懸濁細胞から得られる
核タンパク質は配列特異的及び糖依存的態様でTATC
CA要素と結合することが示された。 コメの細胞培養物
濁細胞培養物は以前に記載された(Yu等 J. Biol. Che
m. 266:21131〜21137、1991年)ようにして調製した。
確立された懸濁細胞は、125mlフラスコ中3%スクロー
スを含有する新たな液体ムラシゲ(Murashige)及びス
クーグ(Skoog)(「MS」)培地(Murashige及びSkoo
g、1962年)25ml中に約0.5mlの細胞を移すことによって
7日毎に継代培養した。細胞は120rpmの交互振とう器上
で培養し、そして暗所中26℃でインキュベートした。 プライマー伸長法分析
れコメαAmy7及びαAmy8のシグナルペプチド領域並び
にコメαAmy3の5'非翻訳リーダー(図1B)と相補的
な3つの遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを合成し、そ
してプライマーとして使用した。プライマー伸長法分析
はサトリフ(Sutliff)等、Plant Mol. Biol.、16:579
〜591、1991年、に従って実施した。 プラスミドの構築
EcoNIフラグメントを平滑末端化しそしてpBSI-132
のClaI部位にクローン化して、p3G-132IIを形成させ
た。このフラグメントはプロモーター領域、5'非翻訳
配列及びコメαAmy3の翻訳開始部位の下流の84bp領域
を含有していた。pBSI-132は、pBSI(Chan等、P
lant Mol. Biol.、22:491〜506、1993年)から得られ平
滑末端化したPvuIIフラグメントをpTRA132(Hayas
himoto等、Plant Physiol.、93:857〜863、1990年)の
HindIII部位に挿入することによって得た。PvuIIフラ
グメントはアグロバクテリウム ノパリン(nopaline)
シンターゼ(「Nos」)遺伝子ターミネーターの上流に
融合したβ-グルクロニダーゼ(「Gus」)コード化配
列を含有していた。pTRA132はカリフラワーモザイ
クウイルス35S RNA(「CaMV35S」)プロモータ
ー、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ
(「hph」)コード化配列及び腫瘍形態学大遺伝子(「t
ml」)ターミネーターをこの順序で含有しているプラス
ミドである。
載した全ての構築物用の前駆体として使用した。αAmy
3プロモーター構築物を調製するために使用したオリゴ
ヌクレオチド配列は表1に示す。5'プライマーと3'プ
ライマーの適当な組合せを使用して、ポリメラーゼ連鎖
反応(「PCR」)によって種々の5'欠失、内部欠失
又は他の任意の突然変異を発生させた。
をEcoRIとPstIで消化し、pBluescript KS+(Str
atagene)に結合させて、p3.4、p3.5及びp3.6を得
た。これらのプラスミドをKpnIとPstIで消化してプロ
モーター領域を放出させ、そしてその後これらの領域を
KpnIとPstIで消化したpLucに結合させ、それぞれp
3Luc.4、p3Luc.5及びp3Luc.6を形成させた。pLu
cは、pJD312(Luehrsen等、Meth. Enzymol.、216:39
7〜414、1992年)から得られるSalI−BglIIフラグメ
ント(これはnosターミネーターに融合したルシフェラ
ーゼ(「Luc」)コード化配列を含有していた)をpB
luescriptのSmaI部位に挿入することによって得た。
card)等、Nucl. Acids. Res.、22:2587〜2591、1994
年、が記載したようにしてオリゴヌクレオチド指令変異
誘発を使用してPCRを実施した。この方法では、5'
内部欠失プライマーを先ず3'プライマーと対合させ
て、PCRによって短いDNAフラグメントを得た。次
に、このPCR産生物を5'プライマーとして使用しそ
して上記3'プライマーと対合させて内部欠失を有する
フラグメントを得た。これらのフラグメントを、5'欠
失を構築する方法と同じ方法を使用してpLuc中にクロ
ーン化した。得られたプラスミドはp3Luc.7、p3Lu
c.8及びp3Luc.9であった。
に、鋳型としてpJD312を使用して、CaMV35S最小
プロモーター-アルコールデヒドロゲナーゼイントロン
I(AdhI)を含有するフラグメントをPCRによって
得、そしてpLucのPstI及びNcoI部位に挿入してp35
mALucを得た。野生型又は変異αAmy3プロモーターの
種々の領域を含有するDNAフラグメントをPCRで増
幅し、そしてpBluescript中にクローン化して、p3.1
5からp3.19まで及びp3.40を得た。続いて、これらの
プラスミドをXhoIとPstIで消化し、それによって放出
されたプロモーター領域をp35mALuc中にクローン化
してp3Luc.15からp3Luc.19まで及びp3Luc.40を得
た。
Luc.18Rを得るために、SRS(−182〜−82)を正し
い方向に含有するp3Luc.18をXhoIとPstIで消化し、
平滑末端化し。再度結合させた。
及びp3Luc.40中の−133〜−82フラグメントをXhoIと
PstIで消化し、再度結合させた。これによって、これ
らフラグメントの複数のコピーを含有するプラスミドが
得られ、これらとp3Luc.19x2及びp3Luc.41〜p3L
uc.44と呼称した。フラグメント−133〜−82(p3Luc.
41)中の重複TATCCA要素の下流又は上流のコピー
の変異は、PCRに基づくオリゴヌクレオチド指令変異
誘発を使用して生じさせた(Picard等、Nucl.Acids. Re
s.、22:2587〜2591、1994年)。得られた構築物をそれ
ぞれ、p3Luc.41m1及びp3Luc.41m2と呼称した。
型としてp3Luc.18を使用して、PCRに基づくオリゴ
ヌクレオチド指令変異によって10bp間隔で得た。このプ
ラスミドをXhoIとPstIで消化して変異SRSフラグメ
ントをp3Luc.18から放出させた。放出されたフラグメ
ントをp35mALuc中にクローン化してp3Luc.28から
p3Luc.36までを得た。
ラスミドを構築するために、Act1の5'領域(1.4kbの
5'フランキング配列、79bpの5'非コード化エキソン、
447bpの5'イントロン及び25bpの第1のコード化エキソ
ンを含む)をHindIIIでpDM302(Cao等、1992年)か
ら切断し、そしてpBluescript中にサブクローン化し
た。pBluescriptの複数のクローニング部位中のEco
RI部位をEcoRVとXhoIで消化して除き、その後平滑
末端化し、再度結合した。35S最小プロモーター及びA
dhIイントロンの一部分と一緒になったSRS配列をHi
ndIIIでp3Luc.18から切断し、そしてpBluescriptの
HindIII部位に挿入し、そしてp3.182を得た。SRS
はEcoRIでp3.182から切断し、そして1個、2個又は
3個のコピーとしてpBluescript中のAct1プロモータ
ーのEcoRI部位(−459)に挿入し、そしてp3.37+、
p3.37++及びp3.37+++を得た。次に、これら3つのプ
ラスミドをSalIとPstIで消化し、そしてSRSを含有
するAct1プロモーターを使用してpJD312中の35Sプ
ロモーター及びAdhIイントロンを置換し、そしてp3L
uc.37+、p3Luc.37++及びp3Luc.37+++を得た。 プロトプラストの単離
を9cmのペトリ皿に移した。MS培地を除去しそして細
胞をCPW7.4緩衝液(2mM KH2PO4、1mM K
NO 3、10mM CaCl2・2H2O、1mM MgSO4
・7H2O、1μM KI、0.16μM CuSO4・5H
2O、5mM MES及び0.4Mマンニトール、pH 5.
8)(Frearson等、1973年)で1回洗浄した。細胞をプ
ロトプラスト単離緩衝液(CPW7.4緩衝液中1%のセ
ルラーゼRS及び0.1%のペクトリラーゼY-23)15mlと
共に50rpmで振とうしながら25℃で4時間インキュベー
トした。細胞壁を消化した後、プロトプラストを33μm
のナイロンメッシュ(Small Parts, Inc.)でろ過し、1
00×gで5分間遠心してCPW7.4緩衝液で3回洗浄
し、そしてCPW7.4緩衝液2mlに静かに再度懸濁させ
た。プロトプラストを、15mlのコニカル管中のCPW7.
4緩衝液中0.6Mのスクロースクッション5ml上に層状に
置き、そしてスイングバケットローター中40×gで10分
間遠心した。スクロースクッション上部のプロトプラス
トを集め、そしてCPW7.4緩衝液10mlに移した。次
に、プロトプラストをエレクトロポーレーション緩衝液
(0.14M NaCl、2.7mM KCl、0.7mM KH2P
O4、4.2mM Na2HPO4、5mM CaCl2、0.4M
マンニトール)(Ou-Lee等、1986年)で洗浄し、同じ緩
衝液で再度懸濁し、そして5×106個のプロトプラスト
/mlに調整した。 エレクトロポーレーションとプロトプラストの培養
ョンでコメプロトプラスト中にトランスフェクションし
た。エレクトロポーレーション緩衝液0.4ml中2×105
個のプロトプラストを含有する各試料を試験プラスミド
DNA 20μg、対照プラスミドDNA 5μg及び担体
(ウシ胸腺)DNA 50μgと混合した。この混合物をキ
ュベットに移し、そして氷中に10分間置いた。エレクト
ロポーレーター(BTX)を1000V/cm、400μF及び1
86Ωで使用してエレクトロポーレーションを実施した。
エレクトロポーレーション後、プロトプラストを氷中に
10分間維持し、その後エレクトロポーレーション緩衝液
0.4ml及び、400mMグルコース又は400mMマンニトール
と5mMグルコースを加えた2X改変MS培地(1リッ
トル当たり0.2mgの2,4-Dと0.1mgのキネチンを含有す
る)と混合した。これらのプロトプラストを3cmのペト
リ皿に播き、そして暗所中26℃で18時間培養した。 GUS及びルシフェラーゼアッセイ
で10秒間遠心して集め、抽出緩衝液(100mM K2HP
O4、pH 7.8、1mM EDTA、7mM β-メルカプ
トエタノール、1%トリトンX-100及び10%グリセリ
ン)0.3ml中に再度懸濁し、そして高速で10秒間撹拌し
た。破壊したプロトプラストを12,000×g及び4℃で5
分間遠心した。上清液を集めそしてGUS又はルシフェ
ラーゼ活性アッセイ用に使用した。細胞抽出物の酵素活
性は−80℃で少なくとも1カ月間安定に維持される。
ェファーソン(Jefferson)、Plant. Mol. Biol. Rept
r.、5:387〜405、1987年が記載した方法を修正して実施
した。各アッセイで、2X GUSアッセイ緩衝液[100
mM NaPO4、pH7、10mM β-メルカプトメタノー
ル、20mM Na2-EDTA、0.2%(w/w)ラウリル
サルコシンナトリウム、0.25%(v/v)トリトンX-1
00及び1.8mM 4-メチルウンベリフェリル β-D-グル
クロニド(MUG)]100μlを1.5mlのエッペンドルフ
管中に調合した。細胞抽出物100μlを添加し、そして暗
所中37℃で種々の時間インキュベートした。反応混合物
50μlを0.2 Na2CO3 1,950μl中に直ちに(t=0
分)加え、そして120分後に繰り返した。蛍光(365nmで
の励起及び455nmでの発光)はTKO 100 フルオロメー
ター(Hofer)を使用して検出した。
50μlをルミノメーターキュベット(Sarstedt)に入
れ、その後ルシフェラーゼアッセイ緩衝液(25mM トリ
シン、pH 7.8、15mM リン酸カリウム、pH 7.8、15
mM MgSO4、4mM EGTA、2mM ATP及び1m
M DTT)180μlを添加した。この混合物を約15分間
室温に平衡化させた。キュベットをルミノメーター(L
UMAT、Berthold)の計数室に入れて機械を自動的に
始動させ、そして250μMルシフェリン(Promega)50μ
lをキュベットに注入して反応を開始させた。発光した
光子を20秒間積分し、そして光線単位(RLU)/20秒
として表した。
合物を含有するプラスミドpUGIを内部標準として使
用した。pUGIは、pAHC18(Bruce等、Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA、86:9692〜9696、1989年)から得ら
れるBamHI−HindIIIフラグメント[ユビキチン(ub
i)プロモーター]を同じ酵素で消化したpBSI中に
挿入して得た。ユビキチンプロモーターからの発現はプ
ロトプラストのグルコース飢餓によって2倍未満に低下
した。pUGIから発現したGUS活性を使用して、グ
ルコースを用いて又は用いないで増殖させた細胞から得
られる細胞抽出物のルシフェラーゼ活性を標準化した。 タバコの形質転換
るDNAフラグメントは、KpnIとSpeIを使用してプラ
スミドp3Luc.5及びp3Luc.6から切断し、そしてpB
IN19(Bevan、Nucl. Acids. Res.、12:8711〜8721、1
984年)のKpnI及びXbaI部位に結合してpA3Luc.5及
びpA3Luc.6を得た。pA3Luc.5及びpA3Luc.6
は、エレクトロポーレーターBTXに関する製造者の指
示マニュアルに記載されたエレクトロポーレーション法
又は凍結融解法(Holster等、Mol. Gen. Genet.、163:1
81〜187、1984年)を使用してアグロバクテリウムツメ
ファシエンス(tumefaciens)株EHA105中に移した。
この試験では、タバコ変種ニコチアナタバカム(Nicoti
ana tabacum)L. cv. ペチットハバンス(Petit Havan
s)SRIを使用した。トランスジェニックタバコ細胞
系は、ホルシュ(Horsch)等、植物分子生物学マニュア
ル(Plant Molecular Biology Manual)、エス・ビイ・
ゲルビン(S.B. Gelvin)及びアール・エイ・シルペル
ート(R.A. Schilperoot)編集、A5:1〜9頁、1988年の
方法に従って、リーフディスクのアグロバクテリウムに
よる形質転換によって得た。トランスジェニックタバコ
の懸濁細胞培養物は以前に記載された(Yu等、J. Biol.
Chem.、266:21131〜21137、1991年; 及び米国特許第5,
460,952号)ようにして増殖させた。トランスジェニッ
クタバコ懸濁細胞のルシフェラーゼ活性は細胞を糖の存
在下又は非存在下で2日間増殖させた後に試験した。 核抽出物の調製
せたコメ懸濁細胞約5g(新たな重量)を液体窒素中で
粉末化し、そしてホモジネーション緩衝液(400mM マ
ンニトール、50mM トリス-HCl、pH 7.9、5mM M
gCl2、1mM EDTA、0.1%BSA、0.1%NP-4
0、5mM DTT及び1mM PMSF)200ml中でホモジ
ネートした。この段階の後、核抽出物の調製はミツナガ
(Mitsunaga)等、Nucl.Acids. Res.、22:1948〜1953、
1994年によって記載された方法に従った。 ゲル移動性シフトアッセイ
成し、それらの配列を図7Aに示した。プローブとして
使用したF2は、T4ポリヌクレオチドキナーゼとγ-
32P-ATP(5000Ci/mmol)を使用して5'ヒドロ
キシル末端をリン酸化して調製した。DNA-タンパク
質結合反応は、17mMヘペス(Hepes)、pH 7.9、60m
M KCl、7.5mM MgCl2、0.12mM EDTA、17%
グリセリン、1.2mM DTT、ポリ-(dI−dC)(Pha
rmacia)0.5μg及び競合DNA 3又は10ng(それぞ
れ、プローブの150倍又は500倍量)を含有する溶液20μ
l中20μgの核抽出物と共に0.02ngの標識F2をインキュ
ベーションして実施した。このアッセイ混合物を室温で
20分間インキュベートした。この段階の後、アッセイ混
合物の電気泳動及びゲルのオートラジオグラフィーはミ
ツナガ等、Nucl. Acids. Res.、22:1948〜1953、1994年
によって記載された方法に従った。 結果 (1)α-アミラーゼ遺伝子プロモーターの配列分析
ol. Biol.、23:737〜747、1993年)、αAmY7(Ramy1
A)(Itoh等、Plant Physiol.、107:25〜31、1995年)
及びαAmY8(Ramy3E)(Chan等、Plant Mol. Bio
l.、22:491〜506、1993年; Chan等、J. Biol. Chem.、2
69:17635〜17641、1994年)のプロモーター領域はトラ
ンスジェニックコメのGUSリポーター遺伝子発現の糖
又はホルモン調節に介在することが示されているが、こ
れらα-アミラーゼ遺伝子の転写開始部位は正確にはマ
ップ化されていない。ここで、αAmy3の転写開始部位
はTATAボックスの下流28bpにそしてαAmy7及びα
Amy8の転写開始部位は29bpにマップ化し、そして+1
と呼称した(図1A)。プロモーター領域の精査によっ
て10bp(TTボックス)と31bp(GCボックス)の2つ
の保存される配列要素(Huang等、Nucl. Acids. Res.、
18:7007〜7014、1990b)が明らかにされ、これらはα
Amy3とαAmy8プロモーター中には存在しているがαA
my7プロモーター中には存在していない(図1B)。G
A抑制要素(GARE)(Gubler及びJacobsen、1992
年;Rogers等、1994年)はαAmy7中には存在している
が、αAmy3及びαAmy8プロモーター中には存在してい
ない。Gボックス配列(ACGTコアを含有している)
はαAmy3プロモーターのヌクレオチド−141と−132の
間及びαAmy8プロモーターのヌクレオチド−334と−32
5の間に位置している。Gボックスは、幾つかの環境及
び生理学的刺激に応答する多様な遺伝子のプロモーター
中に存在している(Devetten等、Int. J. Biochem.、2
6:1055〜1068、1994年)。αAmy3プロモーター中には
6bpの別の配列(TATCCA要素)が2個のコピーと
して存在しているが、αAmy7及びαAmy8プロモーター
では1個のコピーとしてしか存在していない。α-アミ
ラーゼ遺伝子発現の糖依存的調節におけるこれら要素の
機能はこれまでには決定されていない。ここで、以下の
試験のモデルとしてαAmy3プロモーターを選択する。 (2)αAmy3プロモーターの欠失分析
合したαAmy3遺伝子の1kbプロモーター領域(900bpの
プロモーター+91bpの非翻訳配列)を含有するDNA構
築物(p3Luc.3)を作成した(図2A)。この構築物は
コメ懸濁細胞中に安定的にトランスフェクションされ、
ルシフェラーゼ発現を糖依存的に抑制することが見い出
された。糖依存的調節に関係するαAmy3プロモーター
中の配列を同定するために、αAmy3プロモーターの5'
末端に累進的欠失を有する3つの構築物(p3Luc.4、
p3Luc.5及びp3Luc.6)を作成した(図2A)。得ら
れた構築物はコメプロトプラストにおける一時的発現に
よって分析した。
プラストの飢餓が生じ得ることやコメプロトプラストの
モル浸透圧濃度を維持するためには通常400mMグルコー
スが必要であることを見い出した。そこで、トランスフ
ェクション後に、5mMグルコース+400mMマンニトー
ルを含有する培地(飢餓)又は400mMグルコースを含有
する培地(非飢餓)中でプロトプラストを分析した。こ
れらの結果は、転写開始部位の上流の−450のヌクレオ
チド位置までαAmy3プロモーターを欠失させた(p3L
uc.4)とき、グルコース飢餓で誘導されるルシフェラー
ゼ発現の値が劇的に低下したことを示している。−274
の位置まで欠失させた(p3Luc.5)とき、発現を更に
低下させた。2つのプロモーター欠失によって発現の絶
対値が劇的に低下したにも拘わらず、グルコース飢餓に
よる発現の誘導倍率は類似する値で維持された。次の17
4bp(−100位まで)の欠失(p3Luc.6)はグルコース
濃度に関係なくルシフェラーゼを発現させなかった。
ーター領域に融合したルシフェラーゼコード化配列を含
有するp3Luc.5及びp3Luc.6から得られるフラグメン
トをバイナリーベクター中にサブクローン化し、そして
アグロバクテリウム介在形質転換によってタバコ中にト
ランスフェクションした。各構築物に対して別個のトラ
ンスジェニックタバコ植物を使用して懸濁細胞培養物を
産生させ、そして培養細胞中のルシフェラーゼ発現を分
析した。図2Bに示されるように、274bpのプロモータ
ー(p3Luc.5)はルシフェラーゼのグルコース飢餓誘
導発現を付与したが、100bpのプロモーター(p3Luc.
6)はグルコース濃度に関係なく発現させなかった。図
2A及び2Bに示した結果は、糖依存的調節に必要なシ
ス要素(単数又は複数)がαAmy3プロモーターのヌク
レオチド−274とー100の間の領域内に位置していること
を示唆している。
TATCCA要素はαAmy3プロモーターのヌクレオチ
ド−172と−105の間に位置していた(図1B)ので、ヌ
クレオチド−174〜−42の間に内部欠失を有する3つの
構築物を作成した(図2A)。ヌクレオチド−174から−
126まで(GCボックスとGボックスを含む)の欠失
(p3Luc.7)又は−125から−86まで(TATCCAを
含む)の欠失(p3Luc.8)によってルシフェラーゼ活
性の絶対値は激烈に低下したが依然としてグルコース応
答を付与した。驚いたことに、ヌクレオチド−85から−
42までの欠失(p3Luc.9)ではグルコース依存的ルシ
フェラーゼ発現は全長プロモーター(p3Luc.3)の発
現に類似するレベルに回復した。上記の欠失分析によっ
て、αAmy3プロモーターの高レベルのグルコース飢餓
誘導発現にはヌクレオチド−990と−450の間及びヌクレ
オチド−274と−86の間のプロモーター領域が必要であ
ることが示唆される。 (3)αAmy3プロモーター中の糖応答配列の機能分析
数又は複数)がαAmy3プロモーターのヌクレオチド−2
74の下流の領域内に位置しているかどうかを決定するた
めに、ヌクレオチド−274と−82の間の種々の領域に及
ぶフラグメントを、図3に示されているようにCaMV3
5S(即ち、カリフラワーモザイクウイルス35S RN
A)最小プロモーター-AdhI-Luc融合遺伝子(上述)
の上流に挿入した。得られた構築物はコメのプロトプラ
スト中で転写活性を試験した。αAmy3プロモーター配
列を含有していない基本的な構築物(p35mALuc)の
発現はグルコース飢餓に応答しなかった。ヌクレオチド
−274〜−82(p3Luc.15)又はヌクレオチド−186〜−
82(p3Luc.18)を含有するフラグメントを35S最小プ
ロモーターの上流に融合させたとき、ルシフェラーゼの
グルコース飢餓誘導発現が高レベルで観察された。αA
my3プロモーター中のヌクレオチド−274と−176の間の
領域は、それぞれボックス1、ボックス2及びボックス
3と称される3つのタンパク質結合配列を含有している
(Mitsunaga等、Nucl. Acids. Res.、22:1948〜1953、1
994年)。これら3つの各ボックスは保存されるGCC
G G/C CGモチーフを含有しており、そしてこれら
はαAmy3プロモーターの糖依存的調節に関係している
と提案されている(Mitsunaga等、Nucl. Acids. Res.、
22:1948〜1953、1994年)。これら3つのボックスを含
有するプロモーター領域が欠失している(p3Luc.18)
とグルコース飢餓誘導発現が30%増加し、この領域が負
のシス作用性要素を含有していることが示唆された。驚
いたことに、ヌクレオチド−186〜−82を含有するフラ
グメント(「フラグメント−186〜−82」)を35S最小
プロモーターの上流に逆方向に挿入した(p3Luc.18
R)とき、グルコース飢餓に応答したルシフェラーゼの
発現は正しい方向に挿入されたプロモーターフラグメン
ト(p3Luc.18)の発現と同程度に高かった。これらの
結果は、ヌクレオチド−186と−82の間の領域が、35S
最小プロモーター下で高レベルのグルコース飢餓誘導発
現を付与するために必要なシス作用性要素(単数又は複
数)の、全部ではないとしても、大部分を含有している
ことを示している。この領域は糖応答配列(「SR
S」)と呼称される。
グメント−186〜−122の1個のコピー(p3Luc.19)は
顕著な発現低下をもたらしたが、依然としてグルコース
応答を付与した。フラグメント−186〜−122の2個のコ
ピー(p3Luc.19x2)はグルコース飢餓に応答して発
現を増加させた。TATCCA要素を重複して含有する
フラグメント−133〜−82の1個のコピー(p3Luc.4
0)は対照(p35mALuc)と比較してルシフェラーゼの
発現を僅かに上昇させたが、グルコース応答を付与しな
かった。興味深いことに、このフラグメントをタンデム
として反復した(p3Luc.41)とき、グルコース応答は
回復し、そしてルシフェラーゼ活性の絶対値はGCボッ
クスとGボックスを含有するプロモーター(p3Luc.19
又はp3Luc.19x2)の絶対値より高かった。TATA
ボックスに関してTATCCA要素の配列又は位置が重
要であるかどうかを試験するために、重複したTATC
CA要素の変異を発生させた。結果は、重複したTAT
CCA要素の下流(p3Luc.41m1)か又は上流(p3Lu
c.41m2)のコピーの変異は発現を低下させることを示し
た。 (4)TATCCA要素を含有する52bpフラグメントは
転写活性を高める
たらされるルシフェラーゼ活性の比較によって、ヌクレ
オチド−133〜−82を包含する52bpフラグメントが転写
を高めることが示唆される。このフラグメント内のTA
TCCA要素の変異は転写を低下させ、転写を高めるた
めにはTATCCA要素が必須であることが確認され
た。転写を高める際のこの要素の機能を更に証明するた
めに、52bpフラグメントの複数のコピーを35S最小プロ
モーターの上流に融合させ、そしてルシフェラーゼ活性
をアッセイした。図4に示されるように、52bpフラグメ
ントの重複によって飢餓誘導性のルシフェラーゼ活性は
上昇した。この上昇はこのフラグメントのコピーを更に
追加したとき、ほぼ直線状になった。非飢餓細胞のルシ
フェラーゼ活性も52bpフラグメントのコピーの追加によ
って直線的に上昇し、そしてその結果、グルコース飢餓
によるルシフェラーゼ活性の誘導倍率は平行的には高め
られなかった。これらの結果は、52bpフラグメントがグ
ルコース濃度に関係なく最小プロモーターの転写を高め
ることを示唆している。 (5)SRSは糖非感受性プロモーター中で転写エンハ
ンサーとして作用する
モーター下で高レベルのグルコース飢餓誘導発現を付与
し、SRSは転写エンハンサーとして機能し得ることが
示唆された。これを確認するために、コメAct1プロモ
ーター(McElroy等、Plant Cell、2:163〜171、1990
年)のEcoRI部位(転写開始部位の上流−459bp)にS
RSを1個、2個及び3個のタンデムなコピーとして挿
入した。野生型及びSRS含有Act1プロモーターは図
5に示されているようにLuc遺伝子の上流に融合させ
た。次に、コメのプロトプラスト中でこれら構築物の転
写活性を試験した。対照構築物(p35mALuc)による
ルシフェラーゼ発現は検出されなかった。高いグルコー
ス濃度では、野生型Act1プロモーター(pActLuc)
下のルシフェラーゼ発現は1個〜3個のSRSコピーを
含有するAct1プロモーター下での発現に類似してい
た。グルコース飢餓細胞では、1個のSRSコピーを含
有するAct1プロモーター(p3Luc.37+)下での発現
は野生型Act1プロモーター下での発現と比較したとき
2倍高まった。驚いたことに、SRSの重複(p3Luc.
37++)はグルコース飢餓による誘導倍率を高め、そして
誘導倍率はSRSコピーをより多く添加した(p3Luc.
37+++)とき、ほぼ直線的に高くなった。これらの結果
は、プロモーターがSRSのコピーを含有している場
合、Act1プロモーター下でのルシフェラーゼの発現が
グルコース飢餓によって誘導可能になることを証明して
いる。 (6)αAmy3プロモーター中のSRSのリンカースキ
ャニング変異分析
下で高レベルのグルコース飢餓誘導性発現を付与するこ
とが分かると、次の段階は糖応答性に関係するシス作用
性要素の位置を一層正確に決定することであった。Eco
RI部位(GAATTC)を含有する種々の10bpフラグ
メントを個々にp3Luc.18に導入してSRS内の種々の
領域を置換することによって、図6Aに示されているよ
うにp3Luc.28からp3Luc.36までの構築物が得られ
た。次に、これらの構築物のルシフェラーゼ発現を試験
した。
リンカー置換体は全てルシフェラーゼ発現に効果を有し
ていた。GCボックスはそれぞれGC1、GC2及びG
C3ボックスと呼称されるGCに富む3つのサブドメイ
ンに分割することができる。GC2ボックスとGC3ボ
ックスは各々同一の9bp配列CCGACGCGGを含有
している。GC2ボックスの変異(p3Luc.29)及びG
C3ボックスの変異(p3Luc.30)は、野生型SRS配
列で調節される発現と比較して、発現をそれぞれ40%及
び60%低下させた。重複したTATCCA要素における
2種類のリンカー置換体(p3Luc.33及びp3Luc.34)
は各々、グルコース飢餓誘導性発現値をそれぞれ対照
(p3Luc.18)の12%及び8%にまで劇的に低下させ
た。Gボックスの変異(p3Luc.31)は発現を80%低下
させた。これらの結果はSRS内の配列が全て必要であ
ること及びグルコースによって遺伝子転写を高レベルで
誘導するためにはGC3ボックス、Gボックス及びTA
TCCA要素が最も重要であることを示している。 (7)SRS中のシス作用性要素と核タンパク質の結合
ントはグルコース飢餓誘導性転写活性を高め(図4)そ
してTATCCA要素は糖依存的調節を付与するために
必須である(図5)ので、コメ懸濁細胞から得られる核
タンパク質がTATCCA要素と結合するか否かを試験
した。種々のSRS領域を包含するDNAフラグメント
を合成し、F1〜F5と呼称した(図7)。これらのフ
ラグメントが、スクロースの存在下又は非存在下で増殖
したコメ懸濁細胞から得られる核タンパク質抽出物と相
互作用する能力についてアッセイした。プローブとして
F2(これはTATCCA要素を含有している)を使用
するゲル移動性シフトアッセイで、上記核抽出物がスク
ロースの存在下(「+S」)で増殖させた細胞に由来す
るのかそれとも非存在下(「−S」)で増殖させた細胞
に由来するのかに関係なく、2種類のDNA−タンパク
質コンプレックス(C1及びC2)が観察された。しか
しながら、バンドの強度は+S細胞より−S細胞の方が
5倍高かった。F2自体の500倍過剰又はF2を包含す
るF5の150倍過剰でC1及びC2と競合した。
要素の5'フランキング配列を含有する)を使用するゲ
ル移動性シフトアッセイでは、上記の核抽出物が+S細
胞に由来するのかそれとも−S細胞に由来するのかに関
係なくDNA−タンパク質コンプレックス(C3)が観
察された。しかしながら、バンドの強度は−S細胞より
+S細胞の方が4.5倍高かった。F3自体若しくはF4
の500倍過剰又はF5の150倍過剰でC3と競合した。F
3は7bp配列TTTATTG(ヌクレオチド−126〜−1
20)を含有しており、この配列はF4及びF5中にも存
在している(ヌクレオチド−99〜−93)ので、C3は核
抽出物中の成分がこの7bp配列と結合することによって
形成されたと考えられる。F2はC3に対して僅かに競
合するが、その理由はおそらくこれが、7bp配列の一部
分と重複する4bp配列ATTGを含有している(図7)
ためである。これらの結果は、コメ懸濁細胞から得られ
る核タンパク質がTATCCA要素及びそのフランキン
グ配列と配列特異的態様及び糖依存的態様で結合するこ
とを示している。
が、上述の説明は本発明を説明するように意図したもの
であって本発明の範囲を限定するように意図したもので
はなく、そして本発明の範囲は前記特許請求の範囲によ
って特定されると理解すべきである。
範囲の範囲内である。
子から誘導される糖応答性エンハンサーが提供された。
また、このようなエンハンサーを含有する発現ベクター
及び他の単離DNA、並びにこれら発現ベクターの使用
が提供された。これにより、糖飢餓誘導性転写効率を遺
伝子内に挿入されたエンハンサーのコピー数と共に直線
的に上昇させることが可能である。また、このようなエ
ンハンサーを使用して、糖枯渇又はジベレリン酸含有環
境に暴露される被子植物細胞中で外来遺伝子の発現を高
めることができる。
プロモーター領域(配列番号:4〜6)のヌクレオチド
配列比較を示す。図1Bは、コメαAmy3、αAmy7及び
αAmy8のプロモーター領域の保存される種々のモチー
フ(配列番号:7〜10)の位置を示す概略図である。
の欠失を有している発現構築物で形質転換したコメプロ
トプラストのルシフェラーゼ活性を示す図である。これ
らの各プラスミドはpUGIを使用してコメプロトプラ
スト中にコトランスフェクションさせた。誤差の棒印は
各構築物の3つの重複物の標準誤差を示す。「X」は増
加倍率を示す。図2Bは、pA3Luc.5及びpA3Luc.6
を含有するトランスジェニックタバコ懸濁細胞のルシフ
ェラーゼ活性を示す図である。誤差の棒印は各構築物の
10個の独立したトランスジェニック細胞系から得られる
ルシフェラーゼ活性の標準誤差を示す。
導性を付与する糖応答性配列を同定する機能分析から得
られた結果を示す図である。この図にはGボックス、G
Cボックス及びTATCCA要素のような種々のモチー
フが示されている。
レオチド−133から−82に相当する配列番号:3の糖依存
的転写増強効果を示す図である。これら構築物の幾つか
は配列番号:3のタンデムなコピーを含有している。
調節Act1プロモーターを糖下方調節プロモーターに変
換することを示す図である。試験した構築物は1個から
3個のSRSコピーを含有している。
するSRSの配列(配列番号:1及び11〜19)を示す。
最上部の配列は野生型である。図6Bは、SRS又はそ
の変異体を含有する発現構築物で形質転換したコメプロ
トプラストのルシフェラーゼ活性を示す図である。
数個の合成オリゴヌクレオチド(配列番号:20〜24)の
配列とそのSRS(配列番号:1)内の位置を示す。
Claims (22)
- 【請求項1】 TATCCATATCCA配列を含む穀
類α-アミラーゼ遺伝子の糖応答性エンハンサーを含ん
でいる単離DNA。 - 【請求項2】 上記穀類α-アミラーゼ遺伝子がコメα
Amy3である請求項1に記載のDNA。 - 【請求項3】 上記糖応答性エンハンサーが配列番号:
1に記載の塩基配列からなる請求項2に記載のDNA。 - 【請求項4】 上記糖応答性エンハンサーが配列番号:
2に記載の塩基配列からなる請求項2に記載のDNA。 - 【請求項5】 被子植物細胞中でコード化配列の発現を
指令し得るプロモーター、及びTATCCATATCC
A配列を含む穀類α-アミラーゼ遺伝子の糖応答性エン
ハンサー、を含んでいる発現ベクターであって、上記糖
応答性エンハンサーが糖の非存在下でプロモーターの転
写活性を高めるように上記プロモーターと機能的に結合
している発現ベクター。 - 【請求項6】 上記穀類α-アミラーゼ遺伝子がコメα
Amy3である請求項5に記載の発現ベクター。 - 【請求項7】 上記糖応答性エンハンサーが配列番号:
1に記載の塩基配列からなる請求項6に記載の発現ベク
ター。 - 【請求項8】 上記糖応答性エンハンサーが配列番号:
2に記載の塩基配列からなる請求項6に記載の発現ベク
ター。 - 【請求項9】 シグナルペプチドをコードするシグナル
配列を更に含んでいる請求項5に記載の発現ベクターで
あって、上記シグナル配列が上記プロモーターの下流に
位置している発現ベクター。 - 【請求項10】 被子植物細胞中でポリペプチドを製造
する方法であって、 (i)上記ポリペプチドのコード化配列、(ii)被子植
物細胞中で上記コード化配列の転写を指令し得るプロモ
ーター、及び(iii)TATCCATATCCA配列を
含む穀類α-アミラーゼ遺伝子の糖応答性エンハンサー
を含有し、該糖応答性エンハンサーが糖の非存在下で上
記プロモーターの転写活性を高めるように該プロモータ
ーと機能的に結合している発現構築物を提供すること、 被子植物宿主細胞を上記発現構築物で形質転換するこ
と、および上記形質転換宿主細胞を無糖環境に付して上
記ポリペプチドの発現を促進すること、を含む方法。 - 【請求項11】 上記穀類α-アミラーゼ遺伝子がコメ
αAmy3である請求項10に記載の方法。 - 【請求項12】 上記糖応答性エンハンサーが配列番
号:1に記載の塩基配列からなる請求項11に記載の方
法。 - 【請求項13】 上記糖応答性エンハンサーが配列番
号:2に記載の塩基配列からなる請求項11に記載の方
法。 - 【請求項14】 上記発現構築物がシグナルペプチドを
コードするシグナル配列を更に含んでおり、該シグナル
配列が上記プロモーターの下流に位置している請求項1
0に記載の方法。 - 【請求項15】 被子植物細胞中でポリペプチドを製造
する方法であって、 (i)上記ポリペプチドのコード化配列、(ii)被子植
物細胞中で上記コード化配列の転写を指令し得るプロモ
ーター、及び(iii)TATCCATATCCA配列を含
む穀類α-アミラーゼ遺伝子の糖応答性エンハンサーを
含有し、ジベレリン酸の非存在下でプロモーターの転写
活性を高めるように該プロモーターと機能的に結合して
いる発現構築物を提供すること、 被子植物宿主細胞を上記発現構築物で形質転換するこ
と、および上記形質転換宿主細胞をジベレリン酸に付し
て上記ポリペプチドの発現を促進すること、を含む方
法。 - 【請求項16】 上記穀類α-アミラーゼ遺伝子がコメ
αAmy3である請求項15に記載の方法。 - 【請求項17】 上記糖応答性エンハンサーが配列番
号:1に記載の塩基配列からなる請求項16に記載の方
法。 - 【請求項18】 上記糖応答性エンハンサーが配列番
号:2に記載の塩基配列からなる請求項16に記載の方
法。 - 【請求項19】 上記発現構築物がシグナルペプチドを
コードするシグナル配列を更に含んでおり、該シグナル
配列が上記プロモーターの下流に位置している請求項1
5に記載の方法。 - 【請求項20】 請求項5に記載の発現ベクターを含有
している被子植物細胞。 - 【請求項21】 請求項6に記載の発現ベクターを含有
している被子植物細胞。 - 【請求項22】 請求項7に記載の発現ベクターを含有
している被子植物細胞。
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