JP3303766B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3303766B2
JP3303766B2 JP2950498A JP2950498A JP3303766B2 JP 3303766 B2 JP3303766 B2 JP 3303766B2 JP 2950498 A JP2950498 A JP 2950498A JP 2950498 A JP2950498 A JP 2950498A JP 3303766 B2 JP3303766 B2 JP 3303766B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複屈折モードで駆
動するノーマリクローズ型液晶表示装置に係わり、特に
基板に対してほぼ平行な方向に電界を液晶層に印加して
動作させる横電界方式の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、液晶層の厚みが変動す
ると、コントラスト低下,輝度むら,色むら等、表示品
質が著しく低下する。この液晶層の厚みを一定に保持す
るために、液晶パネル内にスペーサを配設する。このス
ペーサの面内散布密度が高いほど、液晶層の厚み変動は
抑制できる。
【0003】しかし、スペーサはその存在により液晶層
の配向を乱して光漏れを生じさせる原因となり、表示品
質を低下させてしまう。
【0004】このため、縦電界方式ノーマリクローズ型
液晶表示装置においては、スペーサ表面に液晶分子を垂
直配向させる機能を導入しスペーサ周辺の光漏れを低減
する方法(特開平4−177324 号),スペーサ表面を粗に
して液晶分子をランダム配向させる方法(特開平8−146
433 号),液晶とスペーサの誘電率を等しくする方法
(特開平5−19266号)等が、スペーサの光漏れを低減す
る方法として提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の縦電界(TN)
方式ノーマリオープン型液晶表示装置では暗レベルが高
電圧を印加した状態で得られる。この場合、高電圧では
液晶分子のほとんどが基板面に垂直な一方向である電界
方向に揃っており、その液晶分子配列と偏光板の配置と
の関係で暗レベルが得られている。従って、暗レベルの
均一性は原理上低電圧時の初期配向状態にはあまり依存
しない。さらに、人間の目は、輝度むらを輝度の相対的
な比率として認識し、かつ対数スケールに近い反応をす
るため、暗レベルの変動には敏感である。この観点から
も高電圧で強制的に一方向に液晶分子を配列させる従来
のTN方式ノーマリオープン型液晶表示装置では、初期
配向状態に鈍感となる。
【0006】一方、横電界方式では、低電圧、あるいは
電圧ゼロにおいて暗レベルの表示をするため、初期配向
状態の乱れには敏感である。特に、液晶分子配向を上下
基板で互いに平行とするホモジニアス配列とし、かつ一
方の偏光板の透過軸をその液晶分子配向方向に平行、他
方の偏光板を直交とする複屈折モードの配置では、液晶
層に入射した偏光は直線偏光をほとんど乱さずに伝播す
る。このことは暗レベルを沈み込ませるのに有効であ
る。
【0007】複屈折モードの透過率Tは、一般に次の
(1)式で表せる。
【0008】 T=T0 ・sin2{2θ(E)}・sin2{(π・deff・Δn)/λ} …(1) ここで、T0 は係数で、主として液晶パネルに使用され
る偏光板の透過率で決まる数値、θ(E)は液晶層の実効
的な光軸と偏光透過軸のなす角度、Eは電界強度、deff
は液晶層の実効的な厚み、Δnは液晶の屈折率の異方
性、λは光の波長を表す。また、ここで、液晶層の実効
的な厚みdeffと液晶の屈折率の異方性Δnの積、すなわ
ちdeff・Δnをリタデーションという。なお、ここでの
液晶層の厚みdeffは、液晶層全体の厚さではなく、電圧
が印加されたとき、実際に配向方向を変える液晶層の厚
さだけを指す。何故なら、液晶層の界面近傍の液晶分子
は、界面でのアンカリングの影響により、電圧が印加さ
れてもその配向方向を変えないからである。
【0009】従って、基板によって挟持された液晶層全
体の厚みをdLCとすると、この厚みdLCとdeffの間
には、常にdeff<dLCの関係があり、その差は液晶パ
ネルに用いる材料と、液晶層と接する界面、例えば配向
膜材料の種類によって異なるが、概ね20〜40nm程
度と見積もることができる。
【0010】上記の式(1)から明らかなように、電界
強度に依存するのはsin2{2θ(E)}の項であり、角度
θを電界強度Eに応じて変えることで輝度が調整でき
る。ノーマリクローズ型にするには電圧無印加時にθ=
0度となるように偏光板を設定するため、初期配向方向
の乱れに敏感になるように作用するのである。
【0011】このように初期配向方向の乱れに敏感に作
用する横電界方式ノーマリクローズ型液晶表示装置にお
いて、スペーサビーズの存在は、黒表示の画質に深刻な
影響を与える。スペーサビーズが存在することにより、
液晶層の配向方向が乱されるため、その領域から光が漏
れてしまう。黒レベルが良好である横電界方式ノーマリ
クローズ型であるが故に、配向方向の乱れが光漏れとな
りやすく、かつ、その光漏れが目立ちやすく、著しい画
質の低下として視認されてしまうのである。
【0012】前述したように、縦電界方式ノーマリオー
プン型(TN方式)では、初期配向方向の乱れによる光
漏れはさほど影響ない。また、縦電界方式ノーマリクロ
ーズ型においては、通常、ある電圧を印加したときに黒
レベルとなるように光学設計がなされている。そのた
め、複屈折モードで見られるスペーサビーズが起因して
いる初期配向方向の乱れによる光漏れよりも電圧が印加
されて駆動されているときの液晶層の配向方向の乱れに
よるものが大半を占める。
【0013】問題となる光漏れのモードが異なっている
ので、従来技術では、横電界方式に特有な光漏れを低減
することは難しい。
【0014】本発明の目的は複屈折モードを用いた液晶
表示装置のコントラストを向上させること、特に横電界
方式の液晶表示装置におけるコントラストを向上させる
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
には、少なくとも一方が透明な一対の基板と、一対の基
板間に配置された液晶層と、一対の基板の一方の基板上
に形成され基板面にほぼ平行な電界を液晶層に印加する
ための電極群、及びこれらの電極に接続された複数のア
クティブ素子と、一対の基板と液晶層との間に形成され
た配向制御膜とを有する液晶表示装置であって、一対の
基板の間にはスペーサを有し、このスペーサと液晶層と
の間には偏光照射により液晶配向能を付与可能な材料を
偏光照射して形成された膜を有するようにする。
【0016】そして、この配向制御膜を偏光照射により
液晶配向能を付与可能な材料を偏光照射して形成された
膜を有する。
【0017】さらに、スペーサと液晶層との間に偏光照
射して形成された膜は配向制御膜の一部を構成するよう
に形成する。
【0018】このように本発明では偏光照射によりスペ
ーサビーズ表面へ液晶配向能を付与するため、液晶分子
が水平配向するか、垂直配向するかではなく、配向膜と
同一の配向方向への制御が、スペーサビーズの形状に依
らず可能となるのである。
【0019】従来は、スペーサビーズの表面を液晶分子
との相互作用を有する官能基で修飾し、スペーサビーズ
表面で液晶層を積極的に配向させて光漏れを低減する手
段であった。具体的には、親水性と疎水性の強さのバラ
ンスで液晶を配向させるため、液晶分子は、スペーサビ
ーズの表面で水平配向が優先するか、垂直配向が優先す
るかのどちらかである。従って、スペーサビーズの表面
近傍の液晶分子は、配向膜の制御方向と同一方向に配向
する部分と、異なる方向に配向する部分が混在すること
になる。初期配向乱れに敏感である横電界方式では、配
向膜が与えようとする配向方向と異なる配向方向となる
領域で光漏れを生じてしまう。
【0020】しかし、この構成にすることでスペーサビ
ーズ表面近傍の液晶層は初期配向乱れによる光漏れを低
減でき、その結果、表示不良の発生を低減した、暗レベ
ルが非常に良好である高品位な画質を有する液晶表示装
置を提供することが可能になる。
【0021】また、前述の配向制御膜と一対の基板との
間には透明な有機高分子層を有し、スペーサは前記透明
な有機高分子層と配向制御膜との間に配設すると、配向
制御膜と基板との接着をより強くすることができるとと
もに、基板表面を平坦化することができるので画質を向
上できる。
【0022】また、異なる構成としては少なくとも一方
が透明な一対の基板と、一対の基板間に配置された液晶
層と、一対の基板の一方の基板上に形成され基板面にほ
ぼ平行な電界を液晶層に印加するための電極群、及びこ
れらの電極に接続された複数のアクティブ素子と、一対
の基板と液晶層との間に形成された配向制御膜とを有す
る液晶表示装置であって、一対の基板の間にはスペーサ
を有し、このスペーサと液晶層との間に偏光照射により
液晶配向能を付与可能な材料を化学的に処理した膜を有
する構成がある。
【0023】これらの偏光照射により液晶配向能を付与
可能な材料は光異性化反応性を有する材料とする。
【0024】また、偏光照射により液晶配向能を付与可
能な材料の偏光照射による光異性化反応に寄与する構造
部は前記配向制御膜の偏光照射による光異性化反応に寄
与する構造部と等しくすると、同一の光で同時に配向処
理することができる。
【0025】スペーサと液晶層との間に形成された前記
偏光照射により液晶配向能を付与可能な材料の光異性化
反応を生じる波長領域と前記配向制御膜の偏光照射によ
る光異性化反応を生じる波長領域にほぼ一致させること
も、同様に同一の光で同時に同一方向の配向処理するこ
とができることになる。
【0026】逆に、配向制御膜をスペーサビーズと液晶
層との間の偏光照射により液晶配向能を付与可能な材料
が光異性化反応を生じる波長領域の光で光異性化反応を
起こさない材料で構成されていると、スペーサビーズ表
面の配向処理を自由に行うことができるようになる。
【0027】即ち、本発明では偏光照射によりスペーサ
ビーズ表面へ液晶配向能を付与するため、液晶分子が水
平配向するか、垂直配向するかではなく、配向膜と同一
の配向方向への制御が、スペーサビーズの形状に依らず
可能となるのである。
【0028】本発明に依れば、スペーサビーズ表面近傍
の液晶層はの初期配向乱れによる光漏れを低減でき、そ
の結果、表示不良の発生を低減した、暗レベルが非常に
良好である高品位な画質を有する液晶表示装置を提供す
ることが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、実施例の具体的な構成を記
す。
【0030】(実施例1)図1に本発明を有する一実施
例の液晶表示装置の模式断面図を示す。
【0031】この液晶表示装置は、この一対の基板1,
1′の内の下側の基板1の上に画像信号に依らない定ま
った波形の電圧を印加する共通電極2と走査配線電極と
を有する。そして、これらの電極の上には窒化シリコン
からなる絶縁膜4′、この絶縁膜4′の上には画像信号
に応じて波形が変わる画素電極3と画像信号を画素電極
に印加する信号配線10を有し、さらにこれらの電極の
上にさらに窒化シリコンからなる絶縁膜4,透明な有機
高分子膜7をこの順に有している。この有機高分子膜の
上には配向制御膜8及びスペーサビーズ40を有してい
るが、この配向制御膜8はスペーサビーズ40と液晶層
30との間にその一部が介在するように形成されてい
る。また、この構成の配向制御膜は偏光照射により液晶
配向能を付与可能な材料で形成されている。また、この
基板の下側には偏光板9を有している。
【0032】一方、対向する他方の基板1′の下側に
は、カラー表示を行うためのカラーフィルタ5、その下
に有機高分子膜7′,配向制御膜8′をこの順で有し、
この基板の上側には偏光板9′を有している。
【0033】図2にこの配向制御膜の配向方向と偏光板
の偏光軸を示す。
【0034】この図では電界方向13を基準にした時
の、偏光板とのなす角はΦp1,Φp2で表し、配向方向と
のなす角をΦLCで表す。この実施例では、ΦLC=75
゜,Φp1=30゜,Φp2=120゜とする。つまり、ノ
ーマリオープン特性を示すように構成する。
【0035】図7に本実施例の液晶表示装置における、
スペーサビーズ周辺の液晶の配向方向を模式的に示した
パネル面に垂直な方向から見た正面図を示す。
【0036】この図では配向制御膜は記載されていない
が、スペーサビーズと液晶層との間には偏光照射により
液晶配向能が付与されているので、スペーサビーズ近傍
の液晶層はその配向が乱されることなく、配向制御膜の
配向方向と同一方向に配向している。このため、スペー
サビーズ周辺の光漏れは著しく低減され、コントラスト
が向上している。
【0037】次に、この液晶表示装置の製造方法を示
す。
【0038】画素電極3及び共通電極2及び絶縁膜4を
形成するまでは従来の横電界方式の液晶表示装置の製造
方法と等しいが、異なるのは透明な有機高分子膜7,配
向制御膜8,スペーサビーズ40を以下のように製造す
る点である。
【0039】有機高分子膜7は絶縁膜4の上に非晶質な
膜である日立化成社製PIQ−1800のポリアミック酸溶
液を濃度8.5% で塗布し、10分間温度150℃に加
熱して溶剤を乾燥させて形成した。この有機高分子膜7
は配向制御膜と絶縁膜若しくは電極との接着を確実にす
るために設けたが、配向制御膜をイミド化するだけで接
着力が確保できる場合はなくてもよいが、形成すること
により平坦化を図ることも可能となる。
【0040】また、スペーサビーズは有機高分子膜を形
成した後に、粒径4μmの高分子スペーサビーズ40を
乾式散布方法により基板上に分散させて形成した。ここ
でいう乾式散布方法とは、圧縮気体供給パイプから不活
性気体等を吐出させることによりノズル部で負圧を生じ
させて液晶表示装置用スペーサビーズの供給パイプから
液晶表示装置用スペーサビーズを吸引し散布する方法
で、スペーサビーズの分散媒として溶媒を用いない方法
である。
【0041】また、配向制御膜8はスペーサビーズ散布
後、配向制御膜としてポリアミック酸の濃度3%の溶液
を塗布し、200℃,30分の焼成,イミド化をするこ
とで形成した。尚、配向制御膜8の前駆体はポリイミド
前駆体であるポリアミック酸であり、モノマー成分とし
てはジアミン化合物として、ジアゾベンゼン基を含有す
る4,4′−ジアミノアゾベンゼンと4,4′−ジアミ
ノフェニルメタンを等モル比で混入したものを用い、ピ
ロメリット酸二無水物及び1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物の酸無水物にポリアミック
酸として合成したものである。なお、本実施例では米国
特許4,974,941 号に記載されているようなアゾベンゼン
基を導入して光異性化反応性を付与して、偏光照射によ
る液晶配向能を付与したが、光異性化反応性を有して液
晶配向性を制御できるものであればこれに限らない。例
えば、スチルベン基のようなものでも良い。
【0042】これらの透明な有機高分子層であるポリイ
ミド前駆体膜の形成,スペーサビーズの分散,配向制御
層であるポリイミド前駆体膜の形成を終えた後、加熱焼
成によりイミド化を行った。
【0043】このように、配向制御膜8がスペーサビー
ス40の表面を被覆した後にイミド化しているため、ス
ペーサビーズの移動を防ぐことができる。
【0044】この下側基板を前述の上側基板に重ね合わ
せ、周辺部のシール剤により接着することで液晶セルを
形成する。
【0045】この液晶セル形成後、高圧水銀灯を光源と
し、偏光フィルムを介してセル外部より偏光を照射し
た。照射光量は約2J/cm2 である。その後液晶組成物
を室温で封入し、さらにその後、100℃,10分のア
ニーリングを施し、上記の照射偏光方向に対してほぼ垂
直方向に液晶配向を得た。得られた配向状態における液
晶分子長軸方向は図2で定義した角度ΦLCが75度とな
るようにした。この様にして、液晶層の厚みdが4.0
μm の液晶表示装置を得た。このときの液晶層の液晶
組成物としては誘電率異方性が正のネマティック液晶を
使った。誘電率異方性Δεの値は10.2、屈折率異方
性Δnは0.073である。
【0046】図3はこのようにして得られた液晶パネル
内での液晶分子のスイッチング原理を示したものであ
る。本実施例では、液晶分子6は電界無印加時にはスト
ライプ状の電極の長手方向に垂直な方向に対してΦLC
75度となるようにしてあるが、液晶の誘電率異方性が
正である場合は、45度≦|ΦLC|<90度となるよう
にすればよい。液晶層の液晶組成物としては、誘電率異
方性が負のものであっても構わない。その場合には初期
配向状態をストライプ状電極の垂直方向から0度≦|Φ
LC|<45度に配向させると良い。図3では液晶分子長
軸方向11を矢印で示した。次に、図3(b),(d)に
示すように、共通電極2,画素電極3の間に電界方向1
3に電界を印加すると、電界方向13の方向に分子長軸
が平行になるように液晶分子6がその向きを変える。こ
のとき、式(1)のθが電界強度Eに応じて変化し、透
過率が変化する。本実施例では、複屈折モードの表示方
式を採用したために、直交した偏光板の間に液晶を挟ん
だ。
【0047】さらに、低電圧で暗表示となるノーマリク
ローズ特性とするために、一方の偏光板の偏光透過軸を
初期配向方向に直交させた。観測される透過光強度は、
式(1)により定まる。
【0048】図4に本実施例における単位画素部の電極
群,絶縁膜,配向制御膜の配置を示す。図4(a)はパ
ネル面に垂直な方向から見た正面図であり、図4(b),
(c)は側断面を示す図である。
【0049】図5は本実施例の液晶表示装置における回
路システム構成を示す。垂直走査信号回路17,映像信
号回路18,共通電極駆動用回路19,電源回路及びコ
ントローラ20で構成される。
【0050】図6に本実施例の液晶表示装置における光
学系システム構成を示す。
【0051】液晶パネル27の背面に、光源21,ライ
トカバー22,導光体23,拡散板24からなるバック
ライトユニットが設けられている。ここでは正面輝度を
増大させるためのプリズムシート25が設けられている
が、無い場合は、輝度の視野角依存性を軽減することが
できる。
【0052】図7に本実施例の液晶表示装置における、
スペーサビーズ周辺の液晶の配向方向を模式的に示した
パネル面に垂直な方向から見た正面図である。スペーサ
ビーズ散布後に配向制御膜を塗布し、高圧水銀灯の偏光
により配向制御能を保有させたため、図1に示すよう
に、スペーサビーズの液晶と接する部位の表面が配向制
御膜で被覆されている。その結果、図7に示すようにス
ペーサビーズ近傍の液晶層はその配向が乱されることな
く、配向制御膜の配向方向と同一方向に配向する。この
ため、スペーサビーズ周辺の光漏れは著しく低減され
る。
【0053】ここで、スペーサビーズ起因の光漏れ量を
測定する方法について述べる。初めに、リファレンスと
してスペーサビーズを含まない領域の暗表示の透過率を
測定する。これをTpix(%)とする。次に、Tpix の測
光領域と等しい面積の領域でスペーサビーズを含んだ状
態の暗表示の透過率を測定する。これをTbead(%)と
する。Tbeadを測定した領域内のスペーサビーズの個数
から、1mm2 当たりのスペーサビーズ分散密度を換算
し、Tpix からTbeadを減じた透過率の値を換算した分
散密度で除することにより、スペーサビーズ1個当たり
の光漏れに対する寄与率Lを求めることができる。この
Lの値は、このスペーサビーズ1個が1mm2 に存在する
とき、その画素本来の暗表示の画素透過率をどれだけ上
昇させるか、という意味を持つので、スペーサビーズの
光漏れを定量的に評価できる。この光漏れ量評価法によ
り、本実施例の光漏れ寄与率を求めると、1.0×10
-5(%・mm2/個)であった。このレベルであれば、仮に
スペーサビーズの分散密度を1000個/mm2 として
も、透過率の上昇は0.01% に過ぎない。本実施例の
液晶表示装置において、スペーサビーズが暗表示に与え
る影響は非常に小さいことがわかる。なお、ここで用い
ている透過率の定義は表示画素領域の透過率である。即
ち、実際の液晶表示装置の透過率(輝度)は、カラーフ
ィルタや表示領域の開口率、その他画素のエッジ部等ス
ペーサビーズ以外の要因による光漏れの影響を受けた結
果である。そのため、これらの影響を省いた状態での透
過率で示している。
【0054】以上の構成により、対角が13.3 イン
チ,画素数が1,024×RGB×768,スペーサビーズ
分散密度が約120(個/mm2 )である横電界方式TF
T液晶表示装置を試作した。非常に良好なレベルの黒表
示を示し、コントラスト300を有する液晶表示装置を
得た。
【0055】(実施例2)ジビニルベンゼン−スチレン
共重合体樹脂からなる粒径が4.0μm である高分子ス
ペーサビーズ10gを2%塩酸水70gイソプロピルア
ルコール30gの液に浸漬し、撹拌下に4−スチルベン
カルボキシアルデヒド3gをイソプロピルアルコール1
0gに溶解した液を滴下した。50℃,2時間反応させ
濾過した後、70gの純水と30gのイソプロピルアル
コール30gの液に処理したスペーサビーズを浸漬して
濾過した。この作業を10回繰り返した後、70gのト
ルエンに浸漬し、濾過する作業を5回繰り返して乾燥し
た。
【0056】これにより、本実施例におけるスペーサビ
ーズの表面には、偏光照射により液晶配向能を付与する
有機膜が導入される。
【0057】このスペーサビーズを用いて、液晶表示装
置を試作した。実施例1とは以下の点で異なる。
【0058】透明な有機高分子層としては非晶質な膜で
ある日立化成社製PIQ−1800のポリアミック酸溶
液を濃度8.5% で塗布し、10分間温度150℃に加
熱して溶剤を乾燥させた後、配向制御膜8の前駆体であ
るポリアミック酸の濃度3%の溶液を塗布した。配向制
御膜8の前駆体はポリイミド前駆体であるポリアミック
酸であり、モノマー成分としてはジアミン化合物とし
て、スチルベン基を含有する4,4′−ジアミノスチル
ベンと4、フェニルメタンを等モル比で混入したものを
用い、ピロメリット酸二無水物及び1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物の酸無水物にポリ
アミック酸として合成したもである。その後、200
℃,30分の焼成、イミド化を行った。
【0059】その後、前記処理を行ったスペーサビーズ
を半乾式散布方法により基板上に分散させた。半乾式散
布方法とは、スペーサビーズをアルコール、または水/
アルコールの混合溶媒に分散させ、不活性気体の噴出に
伴って霧状にして散布するが、このとき、噴出部から基
板到達までの分散機内部が加熱されており、基板到達時
までに溶媒を蒸発させてスペーサビーズのみを基板上に
散布する方法である。本実施例では、透明な有機高分子
層であるポリイミド前駆体膜形成,配向制御層であるポ
リイミド前駆体膜形成後に加熱焼成によりイミド化,ス
ペーサビーズ分散を行った。その後、上下基板を重ね合
わせ、周辺部のシール剤により空セル状態に組み立て
た。
【0060】その後、308nmにピークを有するキセ
ノンクロライドのエキシマレーザを光源とし、偏光フィ
ルムを介してセル外部より偏光を照射した。
【0061】図8は本実施例の電極群周辺の膜構造をよ
り詳細に示した模式図である。電極3,10を覆う絶縁
膜4の上には透明な有機高分子膜7が塗布され、さらに
その上には配向制御膜8が塗布され、偏光照射により液
晶配向能を有する膜42を表面に有するスペーサビーズ
40が配設されている。
【0062】実施例1と同様に光漏れ寄与率Lを求めた
ところ、1.1×10-5(%・mm2/個)であった。
【0063】以上の構成により、実施例1と同様にし
て、対角が13.3 インチ,画素数が1,024×RG
B×768,平均スペーサビーズ分散密度が100個/
mm2である横電界方式TFT液晶表示装置を試作したと
ころ、暗表示におけるスペーサビーズによる光漏れは著
しく低減し、非常に良好な黒レベルである、表示均一性
の良好な液晶表示装置が得られた。コントラストは約3
00であった。
【0064】尚、スペーサビーズは、表面に水酸基を有
していれば同様の処理が可能であり、また、親水性の基
が表面に多ければ結合水、及びこの結合水に由来する水
酸基が多く存在するので、特に限定されない。例えば、
エポキシ樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,不飽和
ポリエステル樹脂,ジビニルベンゼンポリスチレン樹
脂,ジビニルベンゼンポリエステル樹脂,ジビニルベン
ゼン−アクリルエステル樹脂,ジアクリルフタレート樹
脂等の合成ガラス,ホウケイ酸ガラス,アルミナ,アル
ミナシリケートガラス等の無機材料等が挙げられる。
【0065】(比較例1)透明な有機高分子層としては
非晶質な膜である日立化成社製PIQ−1800のポリ
アミック酸溶液を濃度8.5% で塗布し、10分間温度
150℃に加熱して溶剤を乾燥させた後、配向制御膜8
の前駆体であるポリアミック酸の濃度3%の溶液を塗布
した。その後、200℃,30分の焼成,イミド化を行
った。
【0066】その後、粒径4μmで、液晶の水平配向を
促進させる規制力が強いシリカスペーサビーズを乾式散
布方法により基板上に分散させた。
【0067】本比較例では、透明な有機高分子層である
ポリイミド前駆体膜形成,配向制御層であるポリイミド
前駆体膜形成後に加熱焼成によりイミド化,スペーサビ
ーズ分散を行った。その後、上下基板を重ね合わせ、周
辺部のシール剤により空セル状態に組み立て、実施例1
と同様に液晶表示装置を試作した。光漏れ寄与率は2
8.0×10-5(%・mm2/個)であった。
【0068】本比較例の液晶表示装置においては、図9
の光漏れ領域41で示すように、スペーサビーズ周辺で
大きな光漏れを生じ、コントラストは200であった。
【0069】(比較例2)透明な有機高分子層としては
非晶質な膜である日立化成社製PIQ−1800のポリ
アミック酸溶液を濃度8.5% で塗布し、10分間温度
150℃に加熱して溶剤を乾燥させた後、配向制御膜8
の前駆体であるポリアミック酸の濃度3%の溶液を塗布
した。その後、200℃,30分の焼成、イミド化を行
った。
【0070】その後、粒径4μmで、液晶の垂直配向を
促進させるために表面を化学修飾した高分子スペーサビ
ーズを乾式散布方法により基板上に分散させた。
【0071】本比較例では、透明な有機高分子層である
ポリイミド前駆体膜形成,配向制御層であるポリイミド
前駆体膜形成後に加熱焼成によりイミド化,スペーサビ
ーズ分散を行った。その後、上下基板を重ね合わせ、周
辺部のシール剤により空セル状態に組み立て、実施例1
と同様に液晶表示装置を試作した。光漏れ寄与率は9
5.0×10-5(%・mm2/個)であった。
【0072】本比較例の液晶表示装置においては、図1
1の光漏れ領域41で示すようにスペーサビーズ周辺で
光漏れを生じ、コントラストは195であった。
【0073】(実施例3)本実施例は、以下の点で実施
例1と異なる。
【0074】透明な有機高分子層としては非晶質な膜で
ある日立化成社製PIQ−1800のポリアミック酸溶
液を濃度8.5% で塗布し、10分間温度150℃に加
熱して溶剤を乾燥させた後、粒径4μmの高分子スペー
サビーズを分散させた配向制御膜8の前駆体であるポリ
アミック酸の濃度3%の溶液を塗布した。このポリアミ
ック酸は実施例1と同一のものを用いた。その後、20
0℃,30分の焼成,イミド化を行った。
【0075】本実施例では、透明な有機高分子層である
ポリイミド前駆体膜形成,スペーサビーズを分散させた
ポリイミド前駆体塗布による配向制御膜形成後、加熱焼
成によりイミド化を行った。その後、上下基板を重ね合
わせ、周辺部のシール剤により空セル状態に組み立て
た。光漏れ寄与率は1.0×10-5(%・mm2/個)であ
った。
【0076】以上の構成により、実施例1と同様にし
て、対角が13.3 インチ,画素数が1,024×RG
B×768 の横電界方式TFT液晶表示装置を試作し
たところ、暗表示におけるスペーサビーズによる光漏れ
は著しく低減し、非常に良好な黒レベルで、コントラス
トが300である液晶表示装置が得られた。
【0077】(実施例4)粒径が4.0μm である高分
子スペーサビーズ10gを、3−アミノプロピルジエト
キシメチルシラン、4′−プロピル、4′−プロピルス
チルベン−4−カルボニルクロライド,トリエチルアミ
ンが等モル存在するTHF溶液100g中に浸漬し、5
0℃2時間撹拌した後、濾過,THFで洗浄し、乾燥し
た。光漏れ寄与率は1.2×10-5(%・mm2/個)であ
った。
【0078】このスペーサビーズを用いて、実施例2と
同様にして液晶表示装置を試作した。
【0079】以上の構成により、対角が13.3イン
チ,画素数が1,024×RGB×768の横電界方式TF
T液晶表示装置を試作したところ、暗表示におけるスペ
ーサビーズによる光漏れは著しく低減し、非常に良好な
黒レベルで、コントラストが295である、表示均一性
の良好な液晶表示装置が得られた。
【0080】尚、スペーサビーズは、表面に水酸基を有
していれば同様の処理が可能であり、また、親水性の基
が表面に多ければ結合水、及びこの結合水に由来する水
酸基が多く存在するので、特に限定されない。例えば、
エポキシ樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,不飽和
ポリエステル樹脂,ジビニルベンゼンポリスチレン樹
脂,ジビニルベンゼンポリエステル樹脂,ジビニルベン
ゼン−アクリルエステル樹脂,ジアクリルフタレート樹
脂等の合成ガラス,ホウケイ酸ガラス,アルミナ,アル
ミナシリケートガラス等の無機材料等が挙げられる。
【0081】(実施例5)粒径が4.0μm である高分
子スペーサビーズ10gを、3−アミノプロピルジエト
キシメチルシラン、4−(4−ペンチルフェニルアゾ)
ベンゾイルクロライド,トリエチルアミンが等モル存在
するTHF溶液100g中に浸漬し、50℃,2時間撹
拌した後、濾過,THFで洗浄し、乾燥した。
【0082】このスペーサビーズを用いて、実施例2と
同様にして液晶表示装置を試作した。
【0083】透明な有機高分子層としては非晶質な膜で
ある日立化成社製PIQ−1800のポリアミック酸溶
液を濃度8.5% で塗布し、10分間温度150℃に加
熱して溶剤を乾燥させた後、配向制御膜8の前駆体であ
るポリアミック酸の濃度3%の溶液を塗布した。配向制
御膜8の前駆体はポリイミド前駆体であるポリアミック
酸であり、モノマー成分としてはジアミン化合物とし
て、アゾベンゼン基を含有する4,4′−ジアミノアゾ
ベンゼンと4,4′−ジアミノフェニルメタンを等モル
比で混入したものを用い、ピロメリット酸二無水物及び
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物の酸無水物にポリアミック酸として合成したものであ
る。その後、200℃,30分の焼成,イミド化を行っ
た。
【0084】その後、上記処理を行ったスペーサビーズ
を半乾式散布方法により基板上に分散させた。半乾式散
布方法とは、スペーサビーズをアルコール、または水/
アルコールの混合溶媒に分散させ、不活性気体の噴出に
伴って霧状にして散布するが、このとき、噴出部から基
板到達までの分散機内部が加熱されており、基板到達時
までに溶媒を蒸発させてスペーサビーズのみを基板上に
散布する方法である。本実施例では、透明な有機高分子
層であるポリイミド前駆体膜形成,配向制御層であるポ
リイミド前駆体膜形成後に加熱焼成によりイミド化,ス
ペーサビーズ分散を行った。その後、上下基板を重ね合
わせ、周辺部のシール剤により空セル状態に組み立て
た。光漏れ寄与率は0.9×10-5(%・mm2/個)であ
った。
【0085】以上の構成により、実施例1と同様にし
て、対角が13.3 インチ,画素数が1,024×RG
B×768 の横電界方式TFT液晶表示装置を試作し
たところ、暗表示におけるスペーサビーズによる光漏れ
は著しく低減し、非常に良好な黒レベルでコントラスト
が320である液晶表示装置が得られた。
【0086】尚、スペーサビーズは、表面に水酸基を有
していれば同様の処理が可能であり、また、親水性の基
が表面に多ければ結合水、及びこの結合水に由来する水
酸基が多く存在するので、特に限定されない。例えば、
エポキシ樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,不飽和
ポリエステル樹脂,ジビニルベンゼンポリスチレン樹
脂,ジビニルベンゼンポリエステル樹脂,ジビニルベン
ゼン−アクリルエステル樹脂,ジアクリルフタレート樹
脂等の合成ガラス,ホウケイ酸ガラス,アルミナ,アル
ミナシリケートガラス等の無機材料等が挙げられる。
【0087】(実施例6)ジエトキシ−3−グリシドキ
シプロピルメチルシラン、4−(4−プロピルフェニル
アゾ)アニリンを等モル混合,撹拌し、エバポレーショ
ンして取り出した化合物をエタノールに溶解する。粒径
が4.0μm である高分子スペーサビーズを溶液中に浸
漬し、50℃,2時間撹拌した後、濾過,エタノールで
洗浄し、乾燥した。光漏れ寄与率は1.3×10-5(%
・mm2/個)であった。
【0088】このビーズを用いて、実施例5と同様にし
て対角が13.3 インチ,画素数が1,024×RGB
×768 の横電界方式TFT液晶表示装置を試作した
ところ、暗表示におけるスペーサビーズによる光漏れは
著しく低減し、非常に良好な黒レベルで、コントラスト
が280である液晶表示装置が得られた。
【0089】尚、スペーサビーズは、表面に水酸基を有
していれば同様の処理が可能であり、また、親水性の基
が表面に多ければ結合水、及びこの結合水に由来する水
酸基が多く存在するので、特に限定されない。例えば、
エポキシ樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,不飽和
ポリエステル樹脂,ジビニルベンゼンポリスチレン樹
脂,ジビニルベンゼンポリエステル樹脂,ジビニルベン
ゼン−アクリルエステル樹脂,ジアクリルフタレート樹
脂等の合成ガラス,ホウケイ酸ガラス,アルミナ,アル
ミナシリケートガラス等の無機材料等が挙げられる。
【0090】(実施例7)粒径が3.8μm である高分
子スペーサビーズ10gを、3−アミノプロピルジエト
キシメチルシラン、4−(4−ペンチルフェニルアゾ)
ベンゾイルクロライド,トリエチルアミンが等モル存在
するTHF溶液100g中に浸漬し、50℃,2時間撹
拌した後、濾過,THFで洗浄し、乾燥した。
【0091】このスペーサビーズを用いて、液晶表示装
置を試作した。
【0092】本実施例の特徴は、配向制御膜8が光配向
能を有さず、光配向に用いる光を吸収しない点にある。
具体的には酸無水物として、1,2,3,4−シクロペ
ンテンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シ
クロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,
4,4′−ビスシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水
物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物等、ジアミンとして、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニル
スルフィド、1,4−ジアミノシクロヘキサン、3,
3′−ジアミノジフェニルスルホン等を用いてポリアミ
ック酸を作成し、その溶液を基板に塗布し、乾燥・焼成
させて配向制御膜8を形成し、液晶を配向させるための
ラビング処理した。なお、これらの酸無水物,ジアミン
化合物は単体で用いる必要はなく、2種類以上混合して
用いても良い。
【0093】その後、上記処理を行ったスペーサビーズ
を半乾式散布方法により基板上に分散させた。半乾式散
布方法とは、スペーサビーズをアルコール、または水/
アルコールの混合溶媒に分散させ、不活性気体の噴出に
伴って霧状にして散布するが、このとき、噴出部から基
板到達までの分散機内部が加熱されており、基板到達時
までに溶媒を蒸発させてスペーサビーズのみを基板上に
散布する方法である。本実施例では、透明な有機高分子
層であるポリイミド前駆体膜形成,配向制御層であるポ
リイミド前駆体膜形成後に加熱焼成によりイミド化,ス
ペーサビーズ分散を行った。その後、上下基板を重ね合
わせ、周辺部のシール剤により空セル状態に組み立て
た。
【0094】その後、高圧水銀灯を光源とし、偏光フィ
ルムを介してセル外部より偏光を照射した。これによ
り、スペーサビーズ表面に修飾した膜に液晶配向能を持
たせることができ、スペーサビーズの表面で液晶分子は
ラビング方向と同一方向に配向する。光漏れ寄与率は
0.9×10-5(%・mm2/個)であった。
【0095】以上の構成により、実施例1と同様にし
て、対角が13.3 インチ,画素数が1,024×RG
B×768 の横電界方式TFT液晶表示装置を試作し
たところ、暗表示におけるスペーサビーズによる光漏れ
は著しく低減し、非常に良好な黒レベルで、コントラス
トが320である、表示均一性の良好な液晶表示装置が
得られた。
【0096】(実施例8)本実施例では、有機高分子膜
7を塗布せず、基板上に粒径4μmの高分子スペーサビ
ーズ40を乾式散布方法により基板上に分散させた。
【0097】その後、配向制御膜8の前駆体であるポリ
アミック酸の濃度3%の溶液を塗布した。その後、20
0℃,30分の焼成、イミド化を行った。尚、配向制御
膜8の前駆体はポリイミド前駆体であるポリアミック酸
であり、モノマー成分としてはジアミン化合物として、
ジアゾベンゼン基を含有する4,4′−ジアミノアゾベ
ンゼンと4,4′−ジアミノフェニルメタンを等モル比
で混入したものを用い、ピロメリット酸二無水物及び
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物の酸無水物にポリアミック酸として合成したものであ
る。
【0098】本実施例では、スペーサビーズ分散,配向
制御層であるポリイミド前駆体膜形成後に加熱焼成によ
りイミド化を行った。その後、実施例1と同様に液晶表
示装置を試作した。光漏れ寄与率は1.1×10-5(%
・mm2/個)であった。
【0099】以上の構成により、対角が13.3イン
チ,画素数が1,024×RGB×768の横電界方式TF
T液晶表示装置を試作したところ、暗表示におけるスペ
ーサビーズによる光漏れは著しく低減し、非常に良好な
黒レベルで、コントラストが300である液晶表示装置
が得られた。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、基板に対してほぼ平行
な方向に電界を液晶層に印加して動作させる、ノーマリ
クローズ型横電界方式液晶表示装置において、コントラ
ストの高い液晶表示装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を有する一実施例の液晶表示装置の模式
断面図。
【図2】本発明を有する一実施例の液晶表示装置の配向
方向及び偏光方向の設定図。
【図3】本発明を有する一実施例の液晶表示装置のスイ
ッチング原理図。
【図4】本発明を有する一実施例の液晶表示装置の側断
面図。
【図5】本発明を有する一実施例の液晶表示装置の回路
システム構成を示す図。
【図6】本発明を有する一実施例の液晶表示装置の光学
系システム構成を示す図。
【図7】本発明を有する一実施例の液晶表示装置のスペ
ーサビーズ周辺の模式正面図。
【図8】本発明を有する一実施例の液晶表示装置の電極
群周辺の膜構造を示す図。
【図9】比較例におけるスペーサビーズ周辺の模式正面
図。
【符号の説明】
1,1′…基板、2…共通電極、3…画素電極、4,
4′…絶縁膜、5…カラーフィルタ、6…液晶分子、
7,7′…有機高分子膜、8,8′…配向制御膜、9,
9′…偏光板、10…信号配線、11…液晶分子長軸方
向、12…偏光板透過軸方向、13…電界方向、14…
走査電極(ゲート配線電極)、15…TFT素子、16
…アモルファスシリコン(a−Si)、17…垂直走査
信号回路、18…映像信号回路、19…共通電極駆動用
回路、20…電源回路及びコントローラ、21…光源、
22…ライトカバー、23…導光体、24…光拡散板シ
ート、25…集光シート、26…バックライトユニッ
ト、27…液晶パネル、29…電極群、30…液晶層、
40…スペーサビーズ、41…光漏れ領域、42…偏光
照射により液晶配向能が付与された有機膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前川 康成 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 荒谷 介和 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 近藤 克己 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 平6−18902(JP,A) 特開 平7−72483(JP,A) 特開 平7−270807(JP,A) 特開 平9−297310(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 G02F 1/1339 500 G02F 1/1368

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透明な一対の基板と、 前記一対の基板間に配置された液晶層と、 前記一対の基板の一方の基板上に形成され基板面にほぼ
    平行な電界を前記液晶層に印加するための電極群、及び
    これらの電極に接続された複数のアクティブ素子と、 前記一対の基板と前記液晶層との間に形成された配向制
    御膜とを有する液晶表示装置であって、 前記一対の基板の間にはスペーサを有し、このスペーサ
    と前記液晶層との間には偏光照射により液晶配向能を付
    与可能な材料を偏光照射して形成された膜を有すること
    を特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記配向制御膜は偏光照射により液晶配向能を付与可能
    な材料を偏光照射して形成された膜を有することを特徴
    とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記スペーサと前記液晶層との間に偏光照射して形成さ
    れた膜は前記配向制御膜の一部を構成することを特徴と
    する請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】請求項2或いは3において、 前記配向制御膜と前記一対の基板との間には透明な有機
    高分子層を有し、 前記スペーサは前記透明な有機高分子層と前記配向制御
    膜との間に配設されていることを特徴とする液晶表示装
    置。
  5. 【請求項5】少なくとも一方が透明な一対の基板と、 前記一対の基板間に配置された液晶層と、 前記一対の基板の一方の基板上に形成され基板面にほぼ
    平行な電界を前記液晶層に印加するための電極群、及び
    これらの電極に接続された複数のアクティブ素子と、 前記一対の基板と前記液晶層との間に形成された配向制
    御膜とを有する液晶表示装置であって、 前記一対の基板の間にはスペーサを有し、このスペーサ
    と前記液晶層との間には偏光照射により液晶配向能を付
    与可能な材料を化学的に処理した膜を有することを特徴
    とする液晶表示装置。
  6. 【請求項6】少なくとも一方が透明な一対の基板と、 前記一対の基板間に配置された液晶層と、 前記一対の基板の一方の基板上に形成され基板面にほぼ
    平行な電界を前記液晶層に印加するための電極群、及び
    これらの電極に接続された複数のアクティブ素子と、 前記一対の基板と前記液晶層との間に形成された配向制
    御膜とを有する液晶表示装置であって、 前記スペーサの表面は偏光照射により液晶配向付与可能
    な材料により被覆されていることを特徴とする液晶表示
    装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6において、前記偏光照射に
    より液晶配向付与可能な材料は光異性化反応性を有する
    材料であることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記偏光照射により液
    晶配向能を付与可能な材料の偏光照射による光異性化反
    応に寄与する構造部は、前記配向制御膜の偏光照射によ
    る光異性化反応に寄与する構造部と等しいことを特徴と
    する液晶表示装置。
  9. 【請求項9】請求項7において、前記スペーサと前記液
    晶層との間に形成された前記偏光照射により液晶配向能
    を付与可能な材料の光異性化反応を生じる波長領域と前
    記配向制御膜の偏光照射による光異性化反応を生じる波
    長領域にほぼ一致することを特徴とする液晶表示装置。
  10. 【請求項10】請求項7において、前記配向制御膜は、
    前記偏光照射により液晶配向能を付与可能な材料が光異
    性化反応を生じる波長領域の光を吸収しない材料で構成
    されていることを特徴とする液晶表示装置。
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