JP3301250B2 - 空燃比制御装置 - Google Patents

空燃比制御装置

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JP3301250B2
JP3301250B2 JP01173895A JP1173895A JP3301250B2 JP 3301250 B2 JP3301250 B2 JP 3301250B2 JP 01173895 A JP01173895 A JP 01173895A JP 1173895 A JP1173895 A JP 1173895A JP 3301250 B2 JP3301250 B2 JP 3301250B2
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    • F02D41/1458Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases the characteristics being an oxygen content or concentration or the air-fuel ratio with determination means using an estimation

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃エンジンの燃料噴
射制御方式のガソリンエンジンに係り、特にニューラル
ネットワークを応用してエンジンの空燃比を制御する制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来空燃比制御は、02センサや空燃比
センサによるフィードバックありのPID制御が一般に
行われており、アイドル時などの定常運転域で特に成果
を納めている。
【0003】また、加減速などの過渡状態においては、
燃料の増量補正、減量補正をしているが、噴射した燃料
が吸気管壁面や吸気バルブなどに付着、もしくはそこか
ら蒸発してくる燃料があるために、加減速時などの過渡
状態においては、空燃比を正確に目標値に制御すること
はできない。
【0004】一方、この付着燃料に着目して、特許公告
平5−73908のように加減速時の空燃比補正を噴射
燃料がバルブ、壁面へ付着する付着率とそこから蒸発す
る蒸発時定数を定義することでモデル化しておこなう手
法などが提案されている。
【0005】図24は、モデル化手法の例であるが、燃
料の壁面付着に着目した吸気管燃料搬送モデル(特公平
5−73908号公報)を表したものである。図24に
おいて、Gf は吸気管に噴射される燃料噴射量を示し、
Xは壁面への燃料付着率、Mfは吸気管内面などに付着
している燃料量の総量で液膜量、τは液膜量Mfから蒸
発する燃料の蒸発時定数、Gfeは、実際に燃料が気筒に
流入する量で気筒流入燃料量である。
【0006】このモデルは以下の式で表現される。 dMf/dt=−Mf/τ+XGf Gfe=Mf/τ+(1−X)Gf ところが、蒸発時定数、付着率は吸気マニホールドを通
過する空気量、吸気管温度、燃料の質、個別ばらつきな
ど多くの複雑な要素の影響で決まるため、これらのパラ
メータを求めることは非常に困難であり、手法として
は、たとえば燃料入力のステップ応答を各運転条件下で
求めてパラメータのマトリックスデータ群を作成する等
を行わなければならない。
【0007】また、モデル化したものと実際のエンジン
とのマッチングのため、シミュレーション応答と実際の
エンジン応答の誤差を最小化するなどをおこなう必要も
ある。すなわち、このモデルを実用化して、目標とする
空燃比にエンジンを制御するためには、多大の時間と制
御上の味付けが必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のア
プローチでは、PID制御もしくは燃料の壁面付着モデ
ルを用いた制御を使うにせよ、空燃比に影響を与える機
関の構造、パラメータをまず決めなければならない。
【0009】また、そのパラメータのデータはあらかじ
め実験、シミュレーション等により決定し、運転条件等
によりデータを持ち換える必要性がある。また、空燃比
制御を高精度に行うためには、実験、シミュレーション
を繰り返し、データ量も多くせざるを得ない。
【0010】燃料壁面付着以外に、空燃比が変動する要
因は、 (a)吸入空気量もしくはO2センサ検出時期と燃料噴
射時期との関係で決まる遅れ (b)吸入空気信号の電気的処理による遅れ (c)スロットル変化検出の遅れ (d)加速判定遅れによる制御遅れ (e)インジェクタの機械的開弁遅れおよび燃料の流体
遅れ (f)燃料噴射タイミングずれと吸気弁開閉タイミング
との関係で決まる遅れ (g)その他熱的な応答遅れに起因する制御誤差など などがあり、構造が複雑でモデル化するのは容易ではな
く、多数のデータマップを持つ必要がある。
【0011】これに対し、特開平3−235723号公
報に示すように、上記エンジンの燃料付着等の非線形要
素をニューラルネットワークにより学習させ、直接燃料
噴射量を算出する構成とし、パラメータ調整時間を短縮
し、且つ過渡時の応答性能の向上を図ろうとしているも
のもある。
【0012】しかし、学習に於いて学習精度と制御性能
に関する汎化性とはトレードオフの関係があり、全運転
領域を学習させる学習データの選定が困難で、結果的に
多大のデータ群を用いて学習させる必要がある。
【0013】また、直接制御入力である燃料噴射量を演
算する構成となっているため、制御系の安定性を補償で
きない構造であり、制御特性を変えようとする場合、論
理立った方法がなく、試行錯誤で学習を繰り返しながら
決定するしかないと言う問題がある。
【0014】本発明は、ニューロを用い、この制御の構
造設計の困難さ、アルゴリズムの複雑性、空燃比制御の
高精度化のためのデータ決定手続きの長時間化を解消
し、かつ制御系の安定性を補償しつつ、容易に制御特性
を変更できる高精度空燃比制御システムを提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、空燃比に関わるエンジンの非線形構造を階層型ニュ
ーラルネットワーク(以後NNと略す)で学習させる。
【0016】このあらかじめ学習させたNNを用いて制
御対象であるエンジンのパラメータ同定を行い、この同
定モデルを用いて燃料噴射補正量を算出し、基本燃料噴
射量を補正することにより、過渡時の空燃比変動を抑
え、目標空燃比とすることができる。
【0017】具体的には図1に示すように、内燃エンジ
ンの機関回転数を検出する回転数検出センサ11と、吸
気管内圧を検出する吸気圧センサ12と、スロットル開
度を検出するスロットル開度センサ13と、吸入空気温
を検出する吸気温センサ14と、冷却水温を検出する冷
却水温センサ15と、前記各センサ出力値と、予め設定
されたデータ群より、基本燃料噴射量を演算する基本燃
料演算手段16により空燃比制御を行う内燃エンジンの
空燃比制御装置に於て、EGR量を検出するEGR量検
出手段10と、機関の排気空燃比を検出する空燃比セン
サ17と、エンジン回転ステップ毎(180度クランク
角毎)に、各気筒に噴射された燃料噴射量を、(気筒数
+1)個分の過去のデータを、最新のデータに更新しな
がら格納していく燃料噴射量格納手段18と、前記燃料
噴射量格納手段18で格納されているデータ内から、ニ
ューロの入力として用いるデータを選択する噴射量入力
選定手段115と、前記センサ群の各検出値と前記EG
R量と前記噴射量入力選定手段115で選定された燃料
噴射量格納値とが、ニューラルネットワーク(以下N
N)の入力項となるように変換する変換手段19と、前
記変換手段19により変換された各値を入力項とし、内
燃エンジンに於ける一つの状態量である空燃比を出力と
するニューラルネットワークの演算をリアルタイムで行
うニューロ演算手段110と、前記空燃比を、前記変換
手段19で得られるNNの各入力項を内部状態量とする
非線形関数fnnで表し、fnnを前記内部状態量で偏微分
して得られる関数FNNの各係数を前記ニューロ演算手段
110の各結合係数および中間層の出力より推定する微
分係数同定手段111と、前記空燃比が目標空燃比とな
るように、前記微分係数同定手段111により得られる
パラメータを用いて、燃料噴射補正量を算出する制御補
正量算出手段112と、前記基本燃料演算手段16によ
り算出された基本燃料噴射量と前記燃料噴射補正量を加
算した値をエンジン113に噴射する燃料噴射手段11
4を有するものである。
【0018】
【作用】本発明によれば、内燃エンジンメカニズムのパ
ラメータを具体的に選定する作業、選定パラメータへの
影響要因の把握、個別パラメータの実験データ取得など
の作業をすることなく、エンジンモデルをNNの出力値
を用いた偏微分方程式で記述でき、制御に利用できる。
【0019】
【実施例】多気筒のエンジンの場合、各気筒毎に空燃比
センサを用いることができれば、精度のよい空燃比フィ
ードバック制御を行うことができるが、空燃比センサは
高価なため、現実は、全ての気筒の排出ガスが一つにま
とまった所に、空燃比センサを1個取り付けて制御を行
っている。
【0020】しかし、この場合、空燃比センサの出力値
は、全気筒で燃料噴射を行い、点火した時の排出ガスが
混合した結果であり、この出力値を用いて気筒毎の制御
を行うことはできず、例えばオブザーバ等で推定して気
筒毎の制御を行っていた。
【0021】また、ニューロを用いて、空燃比を推定す
る場合でも、空燃比センサが一つの場合は同様の問題が
あり、従来のニューロ構成では、スロットルを急開した
時のような過渡時においては、推定値が大きくずれてし
まうと言う問題があった。
【0022】そこで、以下の構成にすることにより、過
渡時における空燃比の推定精度を向上することができ
る。
【0023】図1に、本発明の第1実施例に於ける空燃
比制御装置のブロック構成図を示す。内燃エンジンの機
関回転数を検出する回転数検出センサ11と、吸気管内
圧を検出する吸気圧センサ12と、スロットル開度を検
出するスロットル開度センサ13と、吸入空気温を検出
する吸気温センサ14と、冷却水温を検出する冷却水温
センサ15と、前記各センサ出力値と、予め設定された
データ群より、基本燃料噴射量を演算する基本燃料演算
手段16により空燃比制御を行う内燃エンジンの空燃比
制御装置に於て、EGR量を検出するEGR量検出手段
10と、機関の排気空燃比を検出する空燃比センサ17
と、エンジン回転ステップ毎(180度クランク角毎)
に、各気筒に噴射された燃料噴射量を、(気筒数+1)
個分の過去のデータを、最新のデータに更新しながら格
納していく燃料噴射量格納手段18と、前記燃料噴射量
格納手段18で格納されているデータ内から、ニューロ
の入力として用いるデータを選択する噴射量入力選定手
段115と、前記センサ群の各検出値と前記EGR量と
前記噴射量入力選定手段115で選定された燃料噴射量
格納値とが、ニューラルネットワーク(以下NN)の入
力項となるように変換する変換手段19と、前記変換手
段19により変換された各値を入力項とし、内燃エンジ
ンに於ける一つの状態量である空燃比を出力とするニュ
ーラルネットワークの演算をリアルタイムで行うニュー
ロ演算手段110と、内燃エンジンに於ける一つの状態
量である空燃比を、前記変換手段19で得られるNNの
各入力項を内部状態量とする非線形関数fnnで表し、f
nnを前記内部状態量で偏微分して得られる関数FNNの各
係数を前記ニューロ演算手段110の各結合係数および
中間層の出力より推定する微分係数同定手段111と、
前記空燃比が目標空燃比となるように、前記微分係数同
定手段111により得られるパラメータを用いて、燃料
噴射補正量を算出する制御補正量算出手段112を有
し、前記基本燃料演算手段16により算出された基本燃
料噴射量と前記燃料噴射補正量を加算した値をエンジン
113に噴射する燃料噴射手段114を有する構成とす
る。
【0024】上記構成の燃料噴射量格納手段18によ
り、エンジン回転ステップ毎(180度クランク角毎)
に、各気筒に噴射された燃料噴射量を、(気筒数+1)
個分の過去のデータを、最新のデータに更新しながら格
納し、この格納値をニューロの入力層への入力とするこ
とにより、他の気筒の空燃比への影響度合を学習するこ
とが可能となり、推定精度を向上させることができる。
【0025】図2に、本発明第1実施例の燃料噴射量補
正制御の制御フローを示す。この処理はエンジン回転ス
テップ毎に一巡して行うものとする。
【0026】まず、STEP21で、各種センサの出力
値およびEGR量を格納する。STEP22で、各セン
サの出力値を用いて、基本燃料制御量をマップ引き等に
より算出する。
【0027】STEP22Aに於て、STEP29で得
られる燃料噴射量格納値内から、N.N.入力となる噴
射量の選定を行い、STEP23において、N.N.の
入力層への入力値となるように各センサ出力値及び、E
GR量および噴射量選定値の正規化を行い、STEP2
4に於いて、空燃比を出力とするニューロ演算を行う。
【0028】次にSTEP25によりN.N.の結合係
数と、STEP24で得られる中間層の各ユニットの出
力値とを用いて、燃料噴射量から空燃比までのエンジン
モデルのパラメータを算出する。
【0029】STEP26により、STEP25で算出
されたパラメータを用いて、空燃比が目標空燃比となる
ように基本燃料噴射量を補正する補正量を算出し、ST
EP27により、基本燃料噴射量と燃料補正量とを加算
した値を燃料噴射量とし、STEP28でエンジンに噴
射する。STEP29により基本燃料噴射量と燃料補正
量とを加算した燃料噴射量値を、気筒数+1個分づつ格
納し、最新のデータに更新していく。
【0030】STEP210により、エンジンが停止し
ているかどうかの判断を行い、停止していなければST
EP21に戻り空燃比制御を続けて行う。
【0031】また、以下の発明により、過渡時における
空燃比の推定精度を更に向上させることができる。
【0032】図3に、本発明第2実施例に於ける空燃比
制御装置のブロック構成図を示す。内燃エンジンの機関
回転数を検出する回転数検出センサ11と、吸気管内圧
を検出する吸気圧センサ12と、スロットル開度を検出
するスロットル開度センサ13と、吸入空気温を検出す
る吸気温センサ14と、冷却水温を検出する冷却水温セ
ンサ15と、前記各センサ出力値と、予め設定されたデ
ータ群より、基本燃料噴射量を演算する基本燃料演算手
段16により空燃比制御を行う内燃エンジンの空燃比制
御装置に於て、EGR量を検出するEGR量検出手段1
0と、機関の排気空燃比をエンジン回転ステップ毎(1
80度クランク角毎)のタイミングで検出する空燃比セ
ンサ17と、前記空燃比センサ17の検出値をエンジン
回転ステップ毎に、気筒数個分の過去のデータを、最新
のデータに更新しながら格納していく空燃比格納手段3
1と、前記空燃比格納手段31で格納されているデータ
内から、ニューロの入力として用いるデータを選択する
空燃比入力選定手段32と、エンジン回転ステップ毎
に、各気筒に噴射された燃料噴射量を、(気筒数+1)
個分の過去のデータを、最新のデータに更新しながら格
納していく燃料噴射量格納手段18と、前記燃料噴射量
格納手段18で格納されているデータ内から、ニューロ
の入力として用いるデータを選択する噴射量入力選定手
段115と、前記センサ群の各検出値と前記EGR量と
前記噴射量入力選定手段15で選定された燃料噴射量格
納値と、前記空燃比入力選定手段32で選定された空燃
比格納値とが、ニューラルネットワークの入力項となる
ように変換する変換手段19と、前記変換手段19によ
り変換された各値を入力項とし、内燃エンジンに於ける
一つの状態量である空燃比を出力とするニューラルネッ
トワークの演算をリアルタイムで行うニューロ演算手段
110と、内燃エンジンに於ける一つの状態量である空
燃比を、前記変換手段19で得られるNNの各入力項を
内部状態量とする非線形関数fnnで表し、fnnを前記内
部状態量で偏微分して得られる関数FNNの各係数を前記
ニューロ演算手段110の各結合係数および中間層出力
より推定する微分係数同定手段111と、前記空燃比が
目標空燃比となるように、前記微分係数同定手段111
により得られるパラメータを用いて、燃料噴射補正量を
算出する制御補正量算出手段112を有し、前記基本燃
料演算手段16により算出された基本燃料噴射量と前記
燃料噴射補正量を加算した値をエンジン113に噴射す
る燃料噴射手段114を有する構成とする。
【0033】一般に、燃料噴射の変化から、空燃比の変
化までを表すモデルは、高次の遅れ系で表すことができ
る。上記、空燃比格納手段31および燃料噴射量格納手
段18により、過去のデータ群をN.N.の入力とする
ことにより、高次の非線形モデルを表現することが可能
となり、推定精度を向上させることができる。
【0034】図16に4気筒の場合に於ける、入力層、
中間層、出力層の三層で与えられるニューロ構成を示
す。ここで、kはエンジン回転ステップ(180度クラ
ンク角)毎に更新される値であり、Gfは、燃料噴射
量、Pbは吸気管内圧力、neは回転数、θはスロット
ル開度、Taは吸入空気温度、Twは冷却水温度、EG
RはEGR量であり、バルブ開閉時間、A/Fは空燃比
である。
【0035】また、ニューロ演算手段110により、空
燃比を出力とするニューロ構成を構築し、微分係数同定
手段111に於て、その結合係数と、中間層の出力値よ
り、燃料噴射量から空燃比までのエンジンモデルのパラ
メータを求めることにより、運転状態に応じ複雑に変化
する対象モデルの同定をオンラインで得ることができ
る。
【0036】これを用いて、制御補正量算出手段112
により、現状の動作点周りに於ける安定な制御系を、線
形制御理論を用いて設計することができる。この制御系
設計方法としては、どの様な方法を用いても良いが、本
発明では、極配置により設計した。
【0037】以下、パラメータ同定から燃料補正量算出
までの具体的な説明を行う。学習して求めた図16のN
Nは、空燃比(以下A/F)を出力とする一種の非線形
関数fnnと考えることができる。全ての格納値を用いた
場合次式となる。
【0038】すなわち、
【0039】
【数1】
【0040】ここで、Pbk-1、nek-1、θk-1、EGR
k-1は外乱扱いとし、この関数fnnを全微分すると
【0041】
【数2】
【0042】となる。ここで、上記方程式の係数である ∂fnn/∂Gfi(i=k、・・k-4)、∂fnn/∂A/Fj(j=
k-1、・・k-4) の求め方に付いて説明する。
【0043】いま、図16で表されるニューロの、入力
層から中間層への結合係数をWmn、中間層から出力層
への結合係数をWnとする。ここで、入力層出力Im、
中間層出力Hn、出力層出力y(=A/F)とすると、
次式の関係で表すことができる。
【0044】
【数3】
【0045】ここで、θn、θは各々中間層、出力層で
のしきい値である。また、関数fは、シグモイド関数と
する。即ちf(x)=1/(1+exp(−x))であ
る。
【0046】このとき、次式により偏微分係数が求めら
れる。
【0047】
【数4】
【0048】よって、上式を用いて、(数2)の係数
q、・・q4、p1、・・p4を求めることができる。
【0049】(数2)を離散化すると次式となる。
【0050】
【数5】
【0051】即ち、燃料噴射量から空燃比までの同定を
逐次行っていることとなる。このモデルを用いて、制御
量補正量を算出すれば良い。説明を簡単にするため、噴
射量入力選定手段115と空燃比入力選定手段32によ
り、以下の入力選定が行われた場合の、即ち一つの気筒
のみに着目した場合の制御量補正量算出方法に付いて説
明する。
【0052】
【数6】
【0053】この場合、(数2)は次式となる。
【0054】
【数7】
【0055】いま、4ステップの周期で上式を離散化す
ると、次式となる。
【0056】
【数8】
【0057】上式において、新たな状態量として、X=
[ΔA/F、A/F、ΔGf]Tを用いて、拡大系を構
築すると、次式で与えられる。
【0058】
【数9】
【0059】これをブロック線図化すると図17のよう
になる。上式で表されるシステムにフィードバック行列
Kを用いた図18のような制御系を構築することを考え
る。
【0060】フィードバック行列Kを決定する手法とし
て様々な方法があるが、本実施例では極指定法を用い
る。即ち、図18の特性方程式の特性根が複素平面内の
単位円内の任意の位置となるように、フィードバック行
列Kを決定する。
【0061】図18において、
【0062】
【数10】
【0063】であるから、(数9)に上式を代入する
と、図18の特性方程式が次式のように得られる。ここ
で、λは固有値、Iは3*3の単位行列である。
【0064】
【数11】
【0065】上式が図18に於ける閉ループ系の挙動を
示す式である。今、任意の応答となる安定な極(固有
値)をα(|α|<1)とすると、特性方程式は次式と
なる。
【0066】
【数12】
【0067】(数11)=(数12)となるように、フ
ィードバックゲインK=[K1、K2、K3]を求めれば良
い。
【0068】また、A/Fが目標値Rとなる条件より
(数10)に於けるRのゲインgは
【0069】
【数13】
【0070】で与えられる。以上の動作をまとめると、
ニューロ演算手段110及び微分係数同定手段111に
より、運転状態に応じたエンジンモデルのパラメータ
q、q4、p4が逐次計算され、制御補正量算出手段112
により、運転状況に応じて安定となるフィードバックゲ
インKが、前記q、q4、p4および指定極αを用いて算出
され、(数10)により、補正量が演算される。
【0071】図4に、本発明第2実施例の燃料噴射量補
正制御の制御フローを示す。まず、STEP21で、各
種センサの出力値を格納する。STEP41で、空燃比
センサにより検出された値を、気筒数個分過去のデータ
を格納し、最新のデータに更新していく。STEP42
に於て、前記空燃比格納値内から、N.N.の入力とな
る空燃比の選定を行う。
【0072】STEP22で、各センサの出力値を用い
て、基本燃料制御量をマップ引き等により算出する。
【0073】STEP22Aに於て、STEP29で得
られる燃料噴射量格納値内から、N.N.入力となる噴
射量の選定を行い、STEP23において、N.N.の
入力層への入力値となるように各センサ出力値及び、S
TEP42で得られる空燃比選定値及び、STEP22
Aで得られる燃料噴射量選定値の正規化を行い、STE
P24に於いて、空燃比を出力とするニューロ演算を行
う。
【0074】次にSTEP25によりN.N.の結合係
数と、STEP24で得られる中間層の各ユニットの出
力値とを用いて、燃料噴射量から空燃比までのエンジン
モデルのパラメータを算出する。
【0075】STEP26により、STEP25で算出
されたパラメータを用いて、空燃比が目標空燃比となる
ように基本燃料噴射量を補正する補正量を算出し、ST
EP27により、基本燃料噴射量と燃料補正量とを加算
した値を燃料噴射量とし、STEP28でエンジンに噴
射する。STEP29により基本燃料噴射量と燃料補正
量とを加算した燃料噴射量値を、気筒数+1個分づつ格
納し、最新のデータに更新していく。
【0076】STEP210により、エンジンが停止し
ているかどうかの判断を行い、停止していなければST
EP21に戻り空燃比制御を続けて行う。
【0077】しかし、N.N.の演算は多数の積和演算
の繰り返しであり、実際にプログラムで実行するのに、
多くの時間が掛かり、エンジンが高回転になると、各気
筒毎のN.N.演算が間に合わなくなると言う問題点が
あった。そこで、以下の構成とすることにより、解決す
ることができる。
【0078】図5に、本発明第3実施例に於ける空燃比
制御装置のブロック構成図を示す。前記制御補正量算出
手段112に於て、制御補正量算出式は、エンジン回転
ステップのk倍ごと(k:気筒数以下の自然数)に離散
化したシステムとして表現し、制御周期変更手段51に
より、回転数に応じて前記kを切り換え、kステップご
とに、ニューロ演算および制御補正量算出を行い、制御
補正量更新手段52により、kステップ毎に前記制御補
正量の更新を行い、全気筒に対し更新された制御補正量
で補正噴射する。
【0079】上記構成により、N.N.演算時間による
限界に応じて、最適な制御周期を与えることができる。
【0080】図6に、本発明第3実施例の燃料噴射量補
正制御の制御フローを示す。STEP61により回転数
に応じて制御補正量演算周期をエンジン回転ステップの
k倍(k:エンジン気筒数以下の自然数)となるように
切り替える。
【0081】次にSTEP62によりエンジン回転ステ
ップ数がSTEP61で決められたkの倍数になってい
るかどうかを判定し、kの倍数で有ればSTEP24、
25、26に行き、ニューロ演算及びパラメータ演算お
よび燃料補正量を演算する。
【0082】そして、STEP63により、制御補正量
をSTEP26で算出された燃料補正量の値に更新し、
STEP64により最終燃料噴射量を演算する。
【0083】STEP62によりkの倍数で無ければ、
STEP64に進み、既に以前kの倍数になったときに
算出されている燃料補正量である制御補正量を用いて最
終燃料噴射量を演算する。
【0084】例えば、4気筒のエンジンでは、低回転で
はk=1とし、毎回ニューロ演算を行い、各気筒毎に補
正量が算出され、基本燃料噴射量を補正し、回転数が上
がるにつれてkを増やし、最大k=4までの値をとる。
k=4の時、ある気筒のタイミングで4回に一回づつニ
ューロ演算を行い燃料補正量を算出し、この燃料補正量
を用いて他の気筒も同様に補正制御を行う。
【0085】エンジンは、運転状態に応じて動特性が大
きく変化する非線形性の強い制御対象であり、一つのニ
ューロで全運転領域を表現させるためには、中間素子数
が非常に大きくなり、且つ学習データの量も多くなるた
め、学習時間が膨大となり開発効率が極端に悪くなって
しまう。
【0086】また、全体を精度良く表現できるニューロ
の結合係数を得ることは非常に困難である。
【0087】そこで、学習領域を分割することにより、
各々に対し小さなニューロで学習させることができる。
このため、学習時間を短縮することができ、更に領域の
特性に応じた学習方法を設定することができるようにな
る。
【0088】例えば、線形性の強い領域と、非線形性の
強い領域と、その中間領域とに分け、線形性の強い領域
での学習では、少ない学習データで高精度の学習をさ
せ、非線形性の強い領域での学習では、多くの学習デー
タを用いた学習を行い、結合係数を決定する。この様
に、分割して学習したニューロの結合係数をマップ値と
して持ち、以下の構成によりニューロ結合係数を切り換
えることにより、各領域に応じた精度のよいニューロ演
算を行うことが可能となる。
【0089】図7に、本発明第4実施例に於ける空燃比
制御装置のブロック構成図を示す。前記回転数検出セン
サ11で検出された内燃エンジンの機関回転数と、前記
吸気圧センサ12で検出された吸気管内圧より、前記ニ
ューロ演算手段110で用いるニューラルネットワーク
を切り換えるニューロ切り替え手段71を有する。
【0090】図8に、本発明第4実施例の燃料噴射量補
正制御の制御フローを示す。予め、回転数と吸気管内圧
の値で区切ったいくつかの領域で学習したニューロの結
合係数をデータ群として持ち、STEP81により、各
センサで検出された回転数および、吸気管内圧の値に対
応する領域の結合係数に切り換える。そして、切り換え
られた結合係数を用いて、STEP24によりニューロ
演算を行う。上記構成により、全運転領域に対して精度
のよいニューロ演算を行うことができる。
【0091】また、フルスロットル時は補正しない等、
全領域をカバーする必要が無く、通常の運転領域のみ補
正したい場合や演算時間の問題等でニューロの構成をで
きるだけ小さくしたい場合には、以下のような構成とす
れば良い。
【0092】図9に、本発明第5実施例に於ける空燃比
制御装置のブロック構成図を示す。エンジンが所定の運
転状態に有るかどうかを回転数、吸気管内圧、冷却水温
度により判定する運転状態判定手段91と、所定の運転
状態にあると判定されたとき、前記制御補正量算出手段
112により算出された燃料噴射補正量の基本燃料噴射
量への加算許可を出す補正許可手段92を有する構成と
する。
【0093】図10に、本発明第5実施例の燃料噴射量
補正制御の制御フローを示す。STEP101に於て、
回転数、吸気管内圧力、冷却水温度よりどの様な運転状
態であるのかを判定する。
【0094】STEP102において、前記判定された
運転状態が、予め設定されたニューロ演算領域であるか
の判定を行い、ニューロ演算領域で有れば、STEP2
6に於て演算された燃料補正量を用いて、STEP27
により燃料噴射量を演算する。STEP102で、ニュ
ーロ演算領域でないと判定された場合、STEP103
へ行き、燃料補正量をゼロとして、STEP27へ進
む。
【0095】上記構成により、全ての領域のニューロデ
ータを用いることなく、小さな構成で補正制御を実現す
ることができる。
【0096】エンジン特性は、その運転状態に応じて様
々な変化を示し、運転領域によって無駄時間が異なる。
そこで、無駄時間の大きな領域では、フィードバックゲ
インを高くすると発振してしまう問題があり、全ての領
域で同じ極を用い安定に制御を行う為には、極を大きく
(フィードバックゲインを小さく)しなければならいと
言う問題がある。
【0097】そこで、領域に応じて最適な極(フィード
バックゲイン)に変更することにより、全運転領域にお
いて精度の良い制御を行うことが可能となる。以下に、
上記対策を実現する構成に付いて説明する。
【0098】図11に、本発明第6実施例に於ける空燃
比制御装置のブロック構成図を示す。前記制御補正量算
出手段112に於て、制御補正量は、前記微分係数同定
手段111により得られるパラメータを用いて極指定法
で算出し、前記極は、極算出手段11Aにより前記回転
数検出センサ11、吸気圧センサ12等で検出された状
態に応じて決定される。
【0099】図12に、本発明第6実施例の燃料噴射量
補正制御の制御フローを示す。予め、回転数及び吸気管
内圧に応じた極をマップとして持ち、STEP12Aに
於て、各センサで検出された回転数および、吸気管内圧
の値に対応する領域の極に切り換える。そして、切り換
えられた極を用いて、STEP26により制御補正量演
算を行う。
【0100】上記構成により、領域に応じた最適な空燃
比制御を行うことが出来る。また、以下のように、直接
無駄時間をもとめ、制御量演算に反映する構成としても
良い。
【0101】図13に、本発明第7実施例に於ける空燃
比制御装置のブロック構成図を示す。内燃エンジンの機
関回転数を検出する回転数検出センサ11と、吸気管内
圧を検出する吸気圧センサ12と、スロットル開度を検
出するスロットル開度センサ13と、吸入空気温を検出
する吸気温センサ14と、冷却水温を検出する冷却水温
センサ15と、前記各センサ出力値と、予め設定された
データ群より、基本燃料噴射量を演算する基本燃料演算
手段16により空燃比制御を行う内燃エンジンの空燃比
制御装置に於て、EGR量を検出するEGR量検出手段
10と、機関の排気空燃比をエンジン回転ステップ毎
(180度クランク角毎)のタイミングで検出する空燃
比センサ17と、前記空燃比センサの検出値をエンジン
回転ステップ毎に、気筒数個分の過去のデータを、最新
のデータに更新しながら格納していく空燃比格納手段3
1と、前記空燃比格納手段31で格納されているデータ
内から、ニューロの入力として用いるデータを選択する
空燃比入力選定手段32と、エンジン回転ステップ毎
に、各気筒に噴射された燃料噴射量を、(気筒数+1)
個分の過去のデータを、最新のデータに更新しながら格
納していく燃料噴射量格納手段18と、前記燃料噴射量
格納手段18で格納されているデータ内から、ニューロ
の入力として用いるデータを選択する噴射量入力選定手
段115と、前記センサ群の各検出値と前記EGR量と
前記噴射量入力選定手段15で選定された燃料噴射量格
納値と、前記空燃比入力選定手段32で選定された空燃
比格納値とが、ニューラルネットワーク(以下NN)の
入力項となるように変換する変換手段19と、前記変換
手段19により変換された各値を入力項とし、燃料噴射
量の変化から空燃比の変化までの応答遅れ時間(無駄時
間)を出力とするニューラルネットワークの演算をリア
ルタイムで行う無駄時間演算手段13Aと、前記変換手
段19により変換された各値を入力項とし、内燃エンジ
ンに於ける一つの状態量である空燃比を出力とするニュ
ーラルネットワークの演算をリアルタイムで行うニュー
ロ演算手段110と、前記空燃比を、前記変換手段19
で得られるNNの各入力項を内部状態量とする非線形関
数fnnで表し、fnnを前記内部状態量で偏微分して得ら
れる関数FNNの各係数を前記ニューロ演算手段110の
各結合係数および中間層出力より推定する微分係数同定
手段111と、前記空燃比が目標空燃比となるように、
前記微分係数同定手段111により得られるパラメータ
と、前記無駄時間演算手段11Aにより得られる無駄時
間を用いて、燃料噴射補正量を算出する第2制御補正量
算出手段13Bを有し、前記基本燃料演算手段16によ
り算出された基本燃料噴射量と前記燃料噴射補正量を加
算した値をエンジン113に噴射する燃料噴射手段11
4を有する。
【0102】図14に、本発明第7実施例の燃料噴射量
補正制御の制御フローを示す。STEP23で変換され
たデータを、STEP14Aに於て、階層型ニューロの
入力層の入力とし、燃料噴射量の変化から空燃比の変化
までの応答遅れ時間(無駄時間)の推定値を出力する。
STEP24、25により、エンジンモデルのパラメー
タを推定し、この値と前記無駄時間とを用いて、STE
P14Bにより系の無駄時間を考慮に入れた燃料補正量
の演算を行う。
【0103】上記無駄時間を考慮にいれた制御系設計法
に付いては、以下の文献、渡辺、伊藤:入、出力にむだ
時間を含むシステムの制御、システムと制御、Vol.28、
No.5、1984に詳細な説明がなされている。
【0104】また、エンジンに於て、燃料噴射量から空
燃比までは無駄時間を有する系であるため、上記ニュー
ロ演算手段の出力値である空燃比予測推定値は、過渡時
に於て実空燃比に対し精度良く推定できず一致しない。
そこで、ニューロの入力層にセンサ出力値の予測項とな
る変化量、即ち微分値を与えることにより、無駄時間を
有している対象に対しても精度の良い推定が行える。以
下、この構成に付いて説明する。
【0105】図15に、本発明第8実施例に於ける空燃
比制御装置のブロック構成図を示す。内燃エンジンの機
関回転数を検出する回転数検出センサ11と、吸気管内
圧を検出する吸気圧センサ12と、スロットル開度を検
出するスロットル開度センサ13と、吸入空気温を検出
する吸気温センサ14と、冷却水温を検出する冷却水温
センサ15と、前記各センサ検出値と、予め設定された
データ群より、基本燃料噴射量を演算する基本燃料演算
手段16により空燃比制御を行う内燃エンジンにおい
て、前記スロットル開度の変化量をエンジン回転ステッ
プのk倍毎(180度クランク角のk倍毎:kは自然
数)のタイミングで算出するスロットル開度変化量算出
手段15Aと、機関の排気空燃比を検出する空燃比セン
サ17と、EGR量を検出するEGR量検出手段10
と、実際に各気筒に噴射された燃料噴射量を最新のデー
タに更新しながら格納していく燃料噴射量格納手段18
と、前記センサ群の各検出値と前記スロットル開度変化
量と前記EGR量および前記燃料噴射量格納手段の燃料
噴射量格納値が、ニューラルネットワーク(以下NNと
表記)の入力項となるように変換する変換手段と19、
前記変換手段19により変換された各値を入力項とし、
内燃エンジンにおける一つの状態量である空燃比の予測
推定値を出力とするNNの演算をリアルタイムで行うニ
ューロ演算手段110と、前記空燃比予測推定値を用い
て、空燃比が目標空燃比となるような燃料噴射補正量を
算出する第3制御補正量算出手段15Bと、前記基本燃
料演算手段16により算出された基本燃料噴射量と前記
燃料噴射補正量を加算した値を内燃エンジンに噴射する
燃料噴射手段114を有する構成とする。
【0106】更に、以下の構成としても良い。図16
に、本発明第9実施例に於ける空燃比制御装置のブロッ
ク構成図を示す。内燃エンジンの機関回転数を検出する
回転数検出センサ11と、吸気管内圧を検出する吸気圧
センサ12と、スロットル開度を検出するスロットル開
度センサ13と、吸入空気温を検出する吸気温センサ1
4と、冷却水温を検出する冷却水温センサ15と、前記
各センサ検出値と、予め設定されたデータ群より、基本
燃料噴射量を演算する基本燃料演算手段16により空燃
比制御を行う内燃エンジンにおいて、前記吸気管内圧の
変化量をエンジン回転ステップのk倍毎(180度クラ
ンク角のk倍毎:kは自然数)のタイミングで算出する
吸気圧変化量算出手段16Aと、機関の排気空燃比を検
出する空燃比センサ17と、EGR量を検出するEGR
量検出手段10と、実際に各気筒に噴射された燃料噴射
量を最新のデータに更新しながら格納していく燃料噴射
量格納手段18と、前記センサ群の各検出値と前記吸気
圧変化量と前記EGR量および前記燃料噴射量格納手段
18の燃料噴射量格納値が、NNの入力項となるように
変換する変換手段19と、前記変換手段19により変換
された各値を入力項とし、内燃エンジンにおける一つの
状態量である空燃比の予測推定値を出力とするNNの演
算をリアルタイムで行うニューロ演算手段110と、前
記空燃比予測推定値を用いて 空燃比が目標空燃比とな
るような燃料噴射補正量を算出する第3制御補正量算出
手段15Bと、前記基本燃料演算手段16により算出さ
れた基本燃料噴射量と前記燃料噴射補正量を加算した値
を内燃エンジンに噴射する燃料噴射手段114を有する
構成とする。
【0107】また、以下の構成にすることにより、更に
推定精度が向上する。図17に、本発明第10実施例に
於ける空燃比制御装置のブロック構成図を示す。
【0108】内燃エンジンの機関回転数を検出する回転
数検出センサ11と、吸気管内圧を検出する吸気圧セン
サ12と、スロットル開度を検出するスロットル開度セ
ンサ13と、吸入空気温を検出する吸気温センサ14
と、冷却水温を検出する冷却水温センサ15と、前記各
センサ検出値と、予め設定されたデータ群より、基本燃
料噴射量を演算する基本燃料演算手段16により空燃比
制御を行う内燃エンジンにおいて、前記吸気管内圧の変
化量をエンジン回転ステップのk倍毎(180度クラン
ク角のk倍毎:kは自然数)のタイミングで算出する吸
気圧変化量算出手段16Aと、前記スロットル開度の変
化量をエンジン回転ステップのk倍毎のタイミングで算
出するスロットル変化量算出手段15Aと、機関の排気
空燃比を検出する空燃比センサ17と、EGR量を検出
するEGR量検出手段10と、実際に各気筒に噴射され
た燃料噴射量を最新のデータに更新しながら格納してい
く燃料噴射量格納手段18と、前記燃料噴射量の変化量
をエンジン回転ステップのk倍毎のタイミングで算出す
る噴射量変化量算出手段17Aと、前記センサ群の各検
出値と前記燃料噴射量格納手段18の燃料噴射量格納値
と、前記EGR量と、前記噴射量変化量と、前記吸気圧
変化量および前記スロットル変化量が、NNの入力項と
なるように変換する変換手段19と、前記変換手段19
により変換された各値を入力項とし、内燃エンジンにお
ける一つの状態量である空燃比の予測推定値を出力とす
るNNの演算をリアルタイムで行うニューロ演算手段1
10と、前記空燃比予測推定値を用いて空燃比が目標空
燃比となるような燃料噴射補正量を算出する第3制御補
正量算出手段15Bと、前記基本燃料演算手段16によ
り算出された基本燃料噴射量と前記燃料噴射補正量を加
算した値を内燃エンジンに噴射する燃料噴射手段114
を有する構成とする。
【0109】また、以下のような構成としても良い。図
18に、本発明第11実施例に於ける空燃比制御装置の
ブロック構成図を示す。
【0110】内燃エンジンの機関回転数を検出する回転
数検出センサ11と、吸気管内圧を検出する吸気圧セン
サ12と、スロットル開度を検出するスロットル開度セ
ンサ13と、吸入空気温を検出する吸気温センサ14
と、冷却水温を検出する冷却水温センサ15と、前記各
センサ検出値と、予め設定されたデータ群より、基本燃
料噴射量を演算する基本燃料演算手段16により空燃比
制御を行う内燃エンジンにおいて、EGR量を検出する
EGR量検出手段10と、実際に各気筒に噴射された燃
料噴射量を検出する噴射量検出手段18Aと、機関の排
気空燃比を検出する空燃比センサ17と、前記各センサ
検出値と前記EGR量および前記燃料噴射量を180度
クランク角毎のタイミングでk個分、最新のデータに更
新しながら格納していくデータ格納手段18Bと、前記
データ格納手段18Bの格納値が、NNの入力項となる
ように変換する変換手段19と、前記変換手段19によ
り変換された各値を入力項とし、内燃エンジンにおける
一つの状態量である空燃比の予測推定値を出力とするN
Nの演算をリアルタイムで行うニューロ演算手段110
と、前記空燃比予測推定値を用いて空燃比が目標空燃比
となるように燃料噴射補正量を算出する第3制御補正量
算出手段15Bと、前記基本燃料演算手段16により算
出された基本燃料噴射量と前記燃料噴射補正量を加算し
た値を内燃エンジンに噴射する燃料噴射手段114を有
する構成とする。
【0111】上記構成により、各センサ値および検出値
の変化量、即ち微分値をニューロの入力層に加えること
により、予測機能を持つニューロ構成とすることがで
き、系に無駄時間を有する空燃比の予測推定値を精度良
く求めることが可能となる。
【0112】以上の構成では、すべてニューロの入力に
空燃比センサの出力を用いていたが、現行の空燃比制御
においては、空燃比センサの装着されている乗用車は少
なく、O2センサで制御しているものが多い。
【0113】しかし、O2センサ出力値は、2値出力の
ため、リニアに空燃比を求めることが出来ず、目標空燃
比に精度良く追従させる制御系を構成するのは困難であ
った。そこで、O2センサの出力値をニューロの入力層
への入力とし、予め空燃比センサの出力値を教師信号と
して学習させたニューロを設計する。そして、このニュ
ーロを用いることにより、空燃比センサを用いることな
くO2センサのみでも、構成度に空燃比制御を行える。
この、構成を以下に示す。
【0114】図19に、本発明第12実施例に於ける空
燃比制御装置のブロック構成図を示す。
【0115】内燃エンジンの機関回転数を検出する回転
数検出センサ11と、吸気管内圧を検出する吸気圧セン
サ12と、スロットル開度を検出するスロットル開度セ
ンサ13と、吸入空気温を検出する吸気温センサ14
と、冷却水温を検出する冷却水温センサ15と、機関の
排気中の酸素濃度を検出するO2センサ19Aと、前記
各センサ出力値と、予め設定されたデータ群より、基本
燃料噴射量を演算する基本燃料演算手段16により空燃
比制御を行う内燃エンジンの空燃比制御装置に於て、E
GR量を検出するEGR量検出手段10と、前記O2セ
ンサの出力値を積分し、酸素濃度積分値を演算する酸素
濃度積分手段19Bと、前記O2センサの出力値の変化
量を算出する酸素濃度変化量算出手段19Cと、各気筒
に噴射された燃料噴射量を検出する噴射量検出手段18
Aと、前記センサ群の各検出値と、前記EGR量と、前
記燃料噴射量検出値と、前記酸素濃度積分値および前記
酸素濃度微分値とが、ニューラルネットワーク(以下N
N)の入力項となるように変換する変換手段19と、前
記変換手段19により変換された各値を入力項とし、内
燃エンジンに於ける一つの状態量である空燃比の予測推
定値を出力とするニューラルネットワークの演算をリア
ルタイムで行うニューロ演算手段110と、前記空燃比
予測推定値を用いて空燃比が目標空燃比となるように、
燃料噴射補正量を算出する第3制御補正量算出手段15
Bと、前記基本燃料演算手段16により算出された基本
燃料噴射量と前記燃料噴射補正量を加算した値をエンジ
ンに噴射する燃料噴射手段114を有する構成とする。
【0116】上記構成により、O2センサ出力値から、
ニューロ演算によりリニアな空燃比を求めることによ
り、高精度の空燃比制御を行うことが可能となる。
【0117】ニューロ構成に付いて、実行プログラムの
処理時間およびRAM容量に余裕がある場合、以下の構
成とすることにより、エンジン特性の領域分割を行って
学習しなくても、全運転領域の一括学習で、非線形特性
の急激な変化に対しても精度良く表現できる。
【0118】図20に、本発明第13実施例に於けるニ
ューラルネットワークの構造を示す。この様に、中間層
を2個とする4層構造とすることにより、3層構造で行
っていた学習領域を分割してニューロ学習させる必要が
無くなり、全運転領域で一括した学習を行うことができ
る。
【0119】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、上記構成
の燃料噴射量格納手段18により、エンジン回転ステッ
プ毎(180度クランク角毎)に、各気筒に噴射された
燃料噴射量を、(気筒数+1)個分の過去のデータを、
最新のデータに更新しながら格納し、この格納値をニュ
ーロの入力層への入力とすることにより、他の気筒の空
燃比への影響度合を学習することが可能となり、推定精
度を向上させることができる。
【0120】また、空燃比格納手段31および燃料噴射
量格納手段18により、過去のデータ群をN.N.の入
力とすることにより、高次の非線形モデルを表現するこ
とが可能となり、推定精度を向上させることができる。
【0121】また、ニューロ演算手段110により、空
燃比を出力とするニューロ構成を構築し、微分係数同定
手段111に於て、その結合係数と、中間層の出力値よ
り、燃料噴射量から空燃比までのエンジンモデルのパラ
メータを求めることにより、運転状態に応じ複雑に変化
する対象モデルの同定をオンラインで得ることができ
る。これを用いて、制御補正量算出手段112により、
現状の動作点周りに於ける安定な制御系を、線形制御理
論を用いて設計することができる。
【0122】また、制御周期変更手段51および制御補
正量更新手段52により、N.N.演算時間による限界
に応じて、最適な制御周期を与えることができる。
【0123】更に、運転領域を分割して学習したニュー
ロの結合係数をマップ値として持ち、ニューロ切り替え
手段71により、ニューロ結合係数を切り換えることに
より、各領域に応じた精度のよいニューロ演算を行うこ
とが可能となる。また、学習領域を分割することにより
ニューロ構成が小さくなり学習時間を短縮することがで
きると言う効果もある。
【0124】また、運転状態判定手段91および補正許
可手段92により、全ての領域のニューロデータを用い
ることなく、小さな構成で補正制御を実現することがで
きる。
【0125】更に、極算出手段11Aにより、領域に応
じて最適な極(フィードバックゲイン)に変更すること
により、全運転領域において精度の良い制御を行うこと
が可能となる。
【0126】また、無駄時間演算手段13Aにより、直
接無駄時間をもとめ、第2制御補正量算出手段13Bに
より、制御量演算に反映する構成とすることにより、発
振を抑え、精度の良い目標値追従制御を行うことが出来
る。
【0127】また、ニューラルネットワークの構造を、
中間層を2層とする4層構造とすることにより、3層構
造で行っていた学習領域を分割してニューロ学習させる
必要が無くなり、全運転領域で一括した学習を行うこと
ができ非線形特性の急激な変化に対しても精度良く表現
できると言う効果を有する。
【0128】また、スロットル開度変化量算出手段15
Aおよび吸気圧変化量算出手段16Aおよび噴射量変化
量算出手段17Aおよびデータ格納手段18Bにより、
各センサ値および検出値の変化量、即ち微分値をニュー
ロの入力層に加えることにより、予測機能を持つニュー
ロ構成とすることができ、系に無駄時間を有する空燃比
の予測推定値を精度良く求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施例のブロック構成図
【図2】本発明第1の実施例のフローチャート
【図3】本発明第2の実施例のブロック構成図
【図4】本発明第2の実施例のフローチャート
【図5】本発明第3の実施例のブロック構成図
【図6】本発明第3の実施例のフローチャート
【図7】本発明第4の実施例のブロック構成図
【図8】本発明第4の実施例のフローチャート
【図9】本発明第5の実施例のブロック構成図
【図10】本発明第5の実施例のフローチャート
【図11】本発明第6の実施例のブロック構成図
【図12】本発明第6の実施例のフローチャート
【図13】本発明第7の実施例のブロック構成図
【図14】本発明第7の実施例のフローチャート
【図15】本発明第8の実施例のブロック構成図
【図16】本発明第9の実施例のブロック構成図
【図17】本発明第10の実施例のブロック構成図
【図18】本発明第11の実施例のブロック構成図
【図19】本発明第12の実施例のブロック構成図
【図20】本発明第13の実施例のニューロ構成図
【図21】本発明第1、2、3、4、5、6、7の実施
例で用いるニューロ構成図
【図22】エンジン特性を表すブロックモデル図
【図23】極指定法を用いた制御ブロック図
【図24】吸気管内燃料付着モデルの概念図
【符号の説明】
10 EGR検出手段 11 回転数検出センサ 12 吸気圧センサ 13 スロットル開度センサ 14 吸気温センサ 15 冷却水温センサ 16 基本燃料演算手段 17 空燃比センサ 18 燃料噴射量格納手段 19 変換手段 110 ニューロ演算手段 111 微分係数同定手段 112 制御補正量算出手段 113 エンジン 114 燃料噴射手段 31 空燃比格納手段 32 空燃比入力選定手段 51 制御周期変更手段 52 制御補正量更新手段 71 ニューロ切り替え手段 91 運転状態判定手段 92 補正許可手段 11A 極算出手段 13A 無駄時間演算手段 13B 第2制御補正量算出手段 15A スロットル開度変化量算出手段 15B 第3制御補正量算出手段 16A 吸気圧変化量算出手段 17A 噴射量変化量算出手段 18A 噴射量検出手段 18B データ格納手段 19A O2センサ 19B 酸素濃度積分手段 19C 酸素濃度変化量算出手段
フロントページの続き (72)発明者 藤岡 典宏 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番 1号 松下通信工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−93541(JP,A) 特開 平3−96636(JP,A) 特開 平6−42385(JP,A) 特開 平7−151010(JP,A) 特開 平8−74636(JP,A) 特開 平4−231647(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 45/00 395

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃エンジンの機関回転数を検出する回転
    数検出センサと、吸気管内圧を検出する吸気圧センサ
    と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ
    と、吸入空気温を検出する吸気温センサと、冷却水温を
    検出する冷却水温センサと、前記各センサ出力値と、予
    め設定されたデータ群より、基本燃料噴射量を演算する
    基本燃料演算手段により空燃比制御を行う内燃エンジン
    の空燃比制御装置に於て、EGR量を検出するEGR量
    検出手段と、機関の排気空燃比を検出する空燃比センサ
    と、エンジン回転ステップ毎(180度クランク角毎)
    に、各気筒に噴射された燃料噴射量を(気筒数+1)個
    分の過去のデータを、最新のデータに更新しながら格納
    していく燃料噴射量格納手段と、前記燃料噴射量格納手
    段で格納されているデータ内から、ニューロの入力とし
    て用いるデータを選択する噴射量入力選定手段と、前記
    センサ群の各検出値と前記EGR量と前記噴射量入力選
    定手段で選定された燃料噴射量格納値とが、ニューラル
    ネットワーク(以下NN)の入力項となるように変換す
    る変換手段と、前記変換手段により変換された各値を入
    力項とし、内燃エンジンに於ける一つの状態量である空
    燃比を出力とするニューラルネットワークの演算をリア
    ルタイムで行うニューロ演算手段と、前記空燃比を、前
    記変換手段で得られるNNの各入力項を内部状態量とす
    る非線形関数fnnで表し、fnnを前記内部状態量で偏微
    分して得られる関数FNNの各係数を前記ニューロ演算手
    段の各結合係数および中間層出力より推定する微分係数
    同定手段と、前記空燃比が目標空燃比となるように、前
    記微分係数同定手段により得られるパラメータを用い
    て、燃料噴射補正量を算出する制御補正量算出手段と、
    前記基本燃料演算手段により算出された基本燃料噴射量
    と前記燃料噴射補正量を加算した値をエンジンに噴射す
    る燃料噴射手段を有することを特徴とする空燃比制御装
    置。
  2. 【請求項2】内燃エンジンの機関回転数を検出する回転
    数検出センサと、吸気管内圧を検出する吸気圧センサ
    と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ
    と、吸入空気温を検出する吸気温センサと、冷却水温を
    検出する冷却水温センサと、前記各センサ出力値と、予
    め設定されたデータ群より、基本燃料噴射量を演算する
    基本燃料演算手段により空燃比制御を行う内燃エンジン
    の空燃比制御装置に於て、EGR量を検出するEGR量
    検出手段と、機関の排気空燃比をエンジン回転ステップ
    毎(180度クランク角毎)のタイミングで検出する空
    燃比センサと、前記空燃比センサの検出値をエンジン回
    転ステップ毎に、気筒数個分の過去のデータを、最新の
    データに更新しながら格納していく空燃比格納手段と、
    前記空燃比格納手段で格納されているデータ内から、ニ
    ューロの入力として用いるデータを選択する空燃比入力
    選定手段と、エンジン回転ステップ毎に、各気筒に噴射
    された燃料噴射量を、(気筒数+1)個分の過去のデー
    タを、最新のデータに更新しながら格納していく燃料噴
    射量格納手段と、前記燃料噴射量格納手段で格納されて
    いるデータ内から、ニューロの入力として用いるデータ
    を選択する噴射量入力選定手段と、前記センサ群の各検
    出値と前記EGR量と前記噴射量入力選定手段で選定さ
    れた燃料噴射量格納値と、前記空燃比入力選定手段で選
    定された空燃比格納値とが、ニューラルネットワーク
    (以下NN)の入力項となるように変換する変換手段
    と、前記変換手段により変換された各値を入力項とし、
    内燃エンジンに於ける一つの状態量である空燃比を出力
    とするニューラルネットワークの演算をリアルタイムで
    行うニューロ演算手段と、前記空燃比を、前記変換手段
    で得られるNNの各入力項を内部状態量とする非線形関
    数fnnで表し、fnnを前記内部状態量で偏微分して得ら
    れる関数FNNの各係数を前記ニューロ演算手段の各結合
    係数および中間層出力より推定する微分係数同定手段
    と、前記空燃比が目標空燃比となるように、前記微分係
    数同定手段により得られるパラメータを用いて、燃料噴
    射補正量を算出する制御補正量算出手段と、前記基本燃
    料演算手段により算出された基本燃料噴射量と前記燃料
    噴射補正量を加算した値をエンジンに噴射する燃料噴射
    手段を有することを特徴とする空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】前記制御補正量算出手段に於て、制御補正
    量算出式は、エンジン回転ステップのk倍ごと(k:気
    筒数以下の自然数)に離散化したシステムとして表現
    し、制御周期変更手段により、回転数に応じて前記kを
    切り換え、kステップごとに、ニューロ演算および制御
    補正量算出を行い、制御補正量更新手段により、kステ
    ップ毎に前記制御補正量の更新を行い、全気筒に対し更
    新された制御補正量で補正噴射することを特徴とする請
    求項1または2記載の空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】前記回転数検出センサで検出された内燃エ
    ンジンの機関回転数と、前記吸気圧センサで検出された
    吸気管内圧より、前記微分係数同定手段で用いるニュー
    ラルネットワークを切り換えるニューロ切り替え手段を
    有することを特徴とする請求項1または2記載の空燃比
    制御装置。
  5. 【請求項5】エンジンが所定の運転状態に有るかどうか
    を回転数、吸気管内圧、冷却水温度により判定する運転
    状態判定手段と、所定の運転状態にあると判定されたと
    き、前記制御補正量算出手段により算出された燃料噴射
    補正量の基本燃料噴射量への加算許可を出す補正許可手
    段を有することを特徴とする請求項1または2記載の空
    燃比制御装置。
  6. 【請求項6】前記制御補正量算出手段に於て、制御補正
    量は、前記微分係数同定手段により得られるパラメータ
    を用いて極指定法で算出し、前記極は、極算出手段によ
    り前記回転数検出センサ等で検出された状態に応じて決
    定されることを特徴とする請求項1または2記載の空燃
    比制御装置。
  7. 【請求項7】内燃エンジンの機関回転数を検出する回転
    数検出センサと、吸気管内圧を検出する吸気圧センサ
    と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ
    と、吸入空気温を検出する吸気温センサと、冷却水温を
    検出する冷却水温センサと、前記各センサ出力値と、予
    め設定されたデータ群より、基本燃料噴射量を演算する
    基本燃料演算手段により空燃比制御を行う内燃エンジン
    の空燃比制御装置に於て、EGR量を検出するEGR量
    検出手段と、機関の排気空燃比をエンジン回転ステップ
    毎(180度クランク角毎)のタイミングで検出する空
    燃比センサと、前記空燃比センサの検出値をエンジン回
    転ステップ毎に、気筒数個分の過去のデータを、最新の
    データに更新しながら格納していく空燃比格納手段と、
    前記空燃比格納手段で格納されているデータ内から、ニ
    ューロの入力として用いるデータを選択する空燃比入力
    選定手段と、エンジン回転ステップ毎に、各気筒に噴射
    された燃料噴射量を、(気筒数+1)個分の過去のデー
    タを、最新のデータに更新しながら格納していく燃料噴
    射量格納手段と、前記燃料噴射量格納手段で格納されて
    いるデータ内から、ニューロの入力として用いるデータ
    を選択する噴射量入力選定手段と、前記センサ群の各検
    出値と前記EGR量と前記噴射量入力選定手段で選定さ
    れた燃料噴射量格納値と、前記空燃比入力選定手段で選
    定された空燃比格納値とが、ニューラルネットワーク
    (以下NN)の入力項となるように変換する変換手段
    と、前記変換手段により変換された各値を入力項とし、
    燃料噴射量の変化から空燃比の変化までの応答遅れ時間
    (無駄時間)を出力とするニューラルネットワークの演
    算をリアルタイムで行う無駄時間演算手段と、前記変換
    手段により変換された各値を入力項とし、内燃エンジン
    に於ける一つの状態量である空燃比を出力とするニュー
    ラルネットワークの演算をリアルタイムで行うニューロ
    演算手段と、前記空燃比を、前記変換手段で得られるN
    Nの各入力項を内部状態量とする非線形関数fnnで表
    し、fnnを前記内部状態量で偏微分して得られる関数F
    NNの各係数を前記ニューロ演算手段の各結合係数および
    中間層出力より推定する微分係数同定手段と、前記空燃
    比が目標空燃比となるように、前記微分係数同定手段に
    より得られるパラメータと、前記無駄時間演算手段によ
    り得られる無駄時間を用いて、燃料噴射補正量を算出す
    る第2制御補正量算出手段と、前記基本燃料演算手段に
    より算出された基本燃料噴射量と前記燃料噴射補正量を
    加算した値をエンジンに噴射する燃料噴射手段を有する
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  8. 【請求項8】内燃エンジンの機関回転数を検出する回転
    数検出センサと、吸気管内圧を検出する吸気圧センサ
    と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ
    と、吸入空気温を検出する吸気温センサと、冷却水温を
    検出する冷却水温センサと、前記各センサ検出値と、予
    め設定されたデータ群より、基本燃料噴射量を演算する
    基本燃料演算手段により空燃比制御を行う内燃エンジン
    において、前記スロットル開度の変化量をエンジン回転
    ステップのk倍毎(180度クランク角のk倍毎:kは
    自然数)のタイミングで算出するスロットル開度変化量
    算出手段と、機関の排気空燃比を検出する空燃比センサ
    と、EGR量を検出するEGR量検出手段と、実際に各
    気筒に噴射された燃料噴射量を最新のデータに更新しな
    がら格納していく燃料噴射量格納手段と、前記センサ群
    の各検出値と前記スロットル開度変化量と前記EGR量
    および前記燃料噴射量格納手段の燃料噴射量格納値が、
    ニューラルネットワーク(以下NNと表記)の入力項と
    なるように変換する変換手段と、前記変換手段により変
    換された各値を入力項とし、内燃エンジンにおける一つ
    の状態量である空燃比の予測推定値を出力とするNNの
    演算をリアルタイムで行うニューロ演算手段と、前記空
    燃比予測推定値を用いて、空燃比が目標空燃比となるよ
    うな燃料噴射補正量を算出する第3制御補正量算出手段
    と、前記基本燃料演算手段により算出された基本燃料噴
    射量と前記燃料噴射補正量を加算した値を内燃エンジン
    に噴射する燃料噴射手段を有することを特徴とする空燃
    比制御装置。
  9. 【請求項9】内燃エンジンの機関回転数を検出する回転
    数検出センサと、吸気管内圧を検出する吸気圧センサ
    と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ
    と、吸入空気温を検出する吸気温センサと、冷却水温を
    検出する冷却水温センサと、前記各センサ検出値と、予
    め設定されたデータ群より、基本燃料噴射量を演算する
    基本燃料演算手段により空燃比制御を行う内燃エンジン
    において、前記吸気管内圧の変化量をエンジン回転ステ
    ップのk倍毎(180度クランク角のk倍毎:kは自然
    数)のタイミングで算出する吸気圧変化量算出手段と、
    機関の排気空燃比を検出する空燃比センサと、EGR量
    を検出するEGR量検出手段と、実際に各気筒に噴射さ
    れた燃料噴射量を最新のデータに更新しながら格納して
    いく燃料噴射量格納手段と、前記センサ群の各検出値と
    前記吸気圧変化量と前記EGR量および前記燃料噴射量
    格納手段の燃料噴射量格納値が、NNの入力項となるよ
    うに変換する変換手段と、前記変換手段により変換され
    た各値を入力項とし、内燃エンジンにおける一つの状態
    量である空燃比の予測推定値を出力とするNNの演算を
    リアルタイムで行うニューロ演算手段と、前記空燃比予
    測推定値を用いて 空燃比が目標空燃比となるような燃
    料噴射補正量を算出する第3制御補正量算出手段と、前
    記基本燃料演算手段により算出された基本燃料噴射量と
    前記燃料噴射補正量を加算した値を内燃エンジンに噴射
    する燃料噴射手段を有することを特徴とする空燃比制御
    装置。
  10. 【請求項10】内燃エンジンの機関回転数を検出する回
    転数検出センサと、吸気管内圧を検出する吸気圧センサ
    と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ
    と、吸入空気温を検出する吸気温センサと、冷却水温を
    検出する冷却水温センサと、前記各センサ検出値と、予
    め設定されたデータ群より、基本燃料噴射量を演算する
    基本燃料演算手段により空燃比制御を行う内燃エンジン
    において、前記吸気管内圧の変化量をエンジン回転ステ
    ップのk倍毎(180度クランク角のk倍毎:kは自然
    数)のタイミングで算出する吸気圧変化量算出手段と、
    前記スロットル開度の変化量をエンジン回転ステップの
    k倍毎のタイミングで算出するスロットル変化量算出手
    段と、機関の排気空燃比を検出する空燃比センサと、E
    GR量を検出するEGR量検出手段と、実際に各気筒に
    噴射された燃料噴射量を最新のデータに更新しながら格
    納していく燃料噴射量格納手段と、前記燃料噴射量の変
    化量をエンジン回転ステップのk倍毎のタイミングで算
    出する噴射量変化量算出手段と、前記センサ群の各検出
    値と前記燃料噴射量格納手段の燃料噴射量格納値と、前
    記EGR量と、前記噴射量変化量と、前記吸気圧変化量
    および前記スロットル変化量が、NNの入力項となるよ
    うに変換する変換手段と、前記変換手段により変換され
    た各値を入力項とし、内燃エンジンにおける一つの状態
    量である空燃比の予測推定値を出力とするNNの演算を
    リアルタイムで行うニューロ演算手段と、前記空燃比予
    測推定値を用いて空燃比が目標空燃比となるような燃料
    噴射補正量を算出する第3制御補正量算出手段と、前記
    基本燃料演算手段により算出された基本燃料噴射量と前
    記燃料噴射補正量を加算した値を内燃エンジンに噴射す
    る燃料噴射手段を有することを特徴とする空燃比制御装
    置。
  11. 【請求項11】内燃エンジンの機関回転数を検出する回
    転数検出センサと、吸気管内圧を検出する吸気圧センサ
    と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ
    と、吸入空気温を検出する吸気温センサと、冷却水温を
    検出する冷却水温センサと、前記各センサ検出値と、予
    め設定されたデータ群より、基本燃料噴射量を演算する
    基本燃料演算手段により空燃比制御を行う内燃エンジン
    において、EGR量を検出するEGR量検出手段と、実
    際に各気筒に噴射された燃料噴射量を検出する噴射量検
    出手段と、機関の排気空燃比を検出する空燃比センサ
    と、前記各センサ検出値と前記EGR量および前記燃料
    噴射量を180度クランク角毎のタイミングでk個分、
    最新のデータに更新しながら格納していくデータ格納手
    段と、前記データ格納手段の格納値が、NNの入力項と
    なるように変換する変換手段と、前記変換手段により変
    換された各値を入力項とし、内燃エンジンにおける一つ
    の状態量である空燃比の予測推定値を出力とするNNの
    演算をリアルタイムで行うニューロ演算手段と、前記空
    燃比予測推定値を用いて空燃比が目標空燃比となるよう
    に燃料噴射補正量を算出する制御補正量算出手段と、前
    記基本燃料演算手段により算出された基本燃料噴射量と
    前記燃料噴射補正量を加算した値を内燃エンジンに噴射
    する燃料噴射手段を有することを特徴とする空燃比制御
    装置。
  12. 【請求項12】内燃エンジンの機関回転数を検出する回
    転数検出センサと、吸気管内圧を検出する吸気圧センサ
    と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ
    と、吸入空気温を検出する吸気温センサと、冷却水温を
    検出する冷却水温センサと、機関の排気中の酸素濃度を
    検出するO2センサと、前記各センサ出力値と、予め設
    定されたデータ群より、基本燃料噴射量を演算する基本
    燃料演算手段により空燃比制御を行う内燃エンジンの空
    燃比制御装置に於て、EGR量を検出するEGR量検出
    手段と、前記O2センサの出力値を積分し、酸素濃度積
    分値を演算する酸素濃度積分手段と、前記O2センサの
    出力値の変化量を算出する酸素濃度変化量算出手段と、
    各気筒に噴射された燃料噴射量を検出する燃料噴射量検
    出手段と、前記センサ群の各検出値と、前記EGR量
    と、前記燃料噴射量検出値と、前記酸素濃度積分値およ
    び前記酸素濃度微分値とが、ニューラルネットワーク
    (以下NN)の入力項となるように変換する変換手段
    と、前記変換手段により変換された各値を入力項とし、
    内燃エンジンに於ける一つの状態量である空燃比の予測
    推定値を出力とするニューラルネットワークの演算をリ
    アルタイムで行うニューロ演算手段と、前記空燃比予測
    推定値を用いて空燃比が目標空燃比となるように、燃料
    噴射補正量を算出する第3制御補正量算出手段と、前記
    基本燃料演算手段により算出された基本燃料噴射量と前
    記燃料噴射補正量を加算した値をエンジンに噴射する燃
    料噴射手段を有することを特徴とする空燃比制御装置。
  13. 【請求項13】前記微分係数同定手段で用いるニューラ
    ルネットワークは入力層1、中間層2、出力層1の4層
    構造であることを特徴とする請求項1、2、7の何れか
    に記載の空燃比制御装置。
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