JP3300401B2 - ベルトカバー巻き機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はベルトカバー巻き機に係
り、主としてＶベルトの製造過程においてカバー布を被
覆していないベルトにカバー布を被覆するためのベルト
カバー巻き機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、一対のプーリ間にカバー被覆を施
さんとするベルトを掛け渡し、伸張状態に保持せしめた
後、Ｖ溝プーリのＶ溝幅に相当するカバー布を引出し、
これを所定位置において前記ベルトに圧着し、更にカバ
ー巻きローラを通してカバー布を折曲して付着し、カバ
ー巻きを行っていた。ここで使用されているベルトカバ
ー巻き機は、ベルトを駆動プーリとテンションプーリ間
に掛架して走行させるベルト走行部と、駆動プーリとテ
ンションプーリ間に掛架したベルトにカバー布を導入す
るカバー布送り出し部、そしてカバー布を折曲してベル
トに付着させるガイドローラを有するカバー巻きローラ
部から構成されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このベルトカバー巻き
機では、ベルトの断面サイズが変わると、カバー布を折
曲してベルトに付着させるカバー巻きローラ部のガイド
ローラを取り外し、ベルトの断面サイズに応じたガイド
ローラを装着して、その位置を調整していた。しかし、
この調整作業は習熟を要し、多くの時間が使われてい
た。また、上記ガイドローラはスペースの狭い部位に取
り付けられていたため、取り替えの作業性は悪く、取替
工数が多くかかっていた。しかも、上記ガイドローラの
配置が少しでもくるうと、カバー布の折り曲げ位置がず
れたり、カバー布がベルトに密着してもしわが発生する
問題があった。

【０００４】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、たとえベルトの断面が変わってもカバー布を折
曲してベルトに付着させる部材を容易に交換して正確な
位置に取り付けることができ、品質のよいカバー布を被
覆したベルトを得ることができるベルトカバー巻き機を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、本体フレームに固定された駆動プーリとテンショ
ンプーリ間にベルトを掛架し走行させ、送り込まれたカ
バー布を順次巻き付けるベルトカバー巻き機において、
互いに交差する角度で配置した羽根を有する折り返し羽
根部と、少なくとも一対の回転体を相対向する位置に配
列させたコーンキャチャと、駆動プーリに巻き付けたベ
ルトに当接する係合ローラとを本体フレームに配置し、
更に上記折り返し羽根部を第１の取付台に設置し、これ
を本体フレームに固定した取付ベースに取り外し可能に
装着するとともに、上記コーンキャチャと係合ローラと
を第２の取付台に設置し、この取付台を可動する連動子
に取り外し可能に嵌着したベルトカバー巻き機にある。
上記取付ベースは第１の取付台に設けた溝部に嵌入する
爪部を両側壁に有し、また第１の取付台の移動を停止さ
せるストッパー部を端部に隆設している。

【０００６】

【作用】本発明のベルトカバー巻き機においては、折り
返し羽根部を予め第１の取付台に設置し、これを本体フ
レームに固定した取付ベースにスライドして装着してい
るため、ベルトの断面サイズに応じて折り返し羽根部の
取り替えが自由になり、折り返し羽根部の位置を取付台
上で微調整することもできる。また、コーンキャチャと
係合ローラとを同じ第２の取付台に設置し、この取付台
を可動する連動子に取り外し可能に嵌着したことで、こ
れらの部材も自由に交換ができる。

【０００７】

【実施例】以下、更に本発明の実施例を添付図面に従っ
て説明する。本発明のベルトカバー巻き機１は、本体フ
レーム２に取り付けられたＶ溝を有する駆動プーリ３と
移動可能なテンションプーリ４間にベルト５を所定張力
下で掛架して走行させるベルト走行部６と、プーリ３、
４間に掛架されたベルト５にカバー布７を順次供給する
カバー送り出し部８、カバー布７を折り曲げる係合ロ−
ラ１０と折り曲げたカバー布７をベルト４の上面と側面
に密着させるコーンキャチャ１１、そして折り曲げたカ
バー布７をベルトの底面に密着させる折り返し羽根部１
２とから構成させる。

【０００８】カバー送り出し部８は１プライ目のカバー
布７と２プライ目のカバー布７とをリールに設置したカ
バー送り出し装置（図示せず）から導入された１プライ
目のカバー布７を保持する支持台１５と、また支持台１
５に設置した２プライ目のカバー布７を駆動プーリ３ま
で移動させる可動ロール１６からなっている。

【０００９】係合ロ−ラ１０はプーリ３、４間に掛架さ
れたベルト５に外側にあって駆動プーリ３の下方に配置
している。係合ロ−ラ１０は駆動プーリ３に巻き付いた
ベルト５に当接し、供給されたカバー布５を折り曲げて
ベルトの上面と側面の沿わす機能をもつ。このロ−ラ１
０はスプリング１８の弾性力に抗して軸方向へ移動する
一対の可動プーリ片１９、１９から形成され、折り曲げ
たカバー布７を所定圧でベルト側面に圧接する。

【００１０】また、コーンキャチャ１１には相対向する
一対のガイドロール２０が傾斜してキャチロール２１に
取り付けられ、折り曲げたカバー布７をより強くベルト
側面に密着させる。ガイドロール２０は円錐状の回転す
るコロであり、これを取り付けたキャチロール２１は保
持台２２に嵌入した軸２３を中心に旋回できガイドロー
ル２０をベルト側面に当接する。保持台２２はブラケッ
ト２４に固定されている。

【００１１】上記折り返し羽根部１２は図４に示すよう
にベルトの内側に位置して本体フレーム２に設置されて
いるが、突出したコ字状の把手２６の先端に嵌着したロ
ッド２７に固定された円板状の羽根２８を有している。
この羽根２８は互いに交差した角度で配置され、ベルト
から突出したカバー布７を内方へ折り曲げてベルト底面
に密着させる。

【００１２】しかして、本発明では図４、図５に示すよ
うに、折り返し羽根部１２は第１の取付台２９上にボル
ト３０等で設置され、この取付台２９が本体フレーム２
に固定された取付ベース３１に嵌入される。第１の取付
台２９は内側に溝部３２と切欠き部３３を有し、一方取
付ベース３１は両側壁に突出した爪部３４と窪み部３
５、そして端部に隆起したストッパー部３６を設けてい
る。第１の取付台２９の切欠き部３３を取付ベース３１
の爪部３４に入れて爪部３４を溝部３２に収容し、第１
の取付台２９をスライドさせてストッパー部３６に当接
させ、ボルトで固定する。

【００１３】また、コーンキャチャ１１と係合ロ−ラ１
０とは同じ第２の取付台３８に固定されている。該取付
台３８の背部に設けた溝部３９を本体フレーム２に対し
て上下動する連動子４０に嵌入し、第２の取付台３８を
下方へスライドさせて、連動子４０を第２の取付台３８
に設置されたストッパー４１に当接して固定する。従っ
て、コーンキャチャ１１と係合ロ−ラ１０とは一体とな
って移動する。前記連動子４０は本体フレーム２に固定
された軸受け４２上を移動する。

【００１４】次に、本発明でベルトカバー巻き機１の動
作について説明する。ベルトの断面寸法が変わると、第
１の取付台２９に設置した折り返し羽根部１２を移動さ
せて取付ベース３１から取り外し、新たな第１の取付台
２９に設置した折り返し羽根部１２を取付ベース３１に
取り付ける。この時、折り返し羽根部１２は取付台２９
上で微調節することができる。同時に、ベルトの断面寸
法に応じたコーンキャチャ１１と係合ロ−ラ１０を設置
した第２の取付台３８を連動子４０にスライドさせ固定
する。次いで、ベルト５を駆動プーリ３とテンションプ
ーリ４に掛架しベルト５に張力を付与して回転させる。
この段階で、折り返し羽根部１２とコーンキャチャ１１
の位置を微調節する。

【００１５】図６に示すように、係合ロ−ラ１０とコー
ンキャチャ１１とを上方へ移動させて係合ロ−ラ３をベ
ルト５に係合させ、またコーンキャチャ１１のガイドロ
ール２０をベルト側面に当接させる。その後、カバー送
り出し部８から１プライ目のカバー布７を引出し、これ
を駆動プーリ３と係合ロ−ラ１０との間に挟み込み、カ
バー布７を折り曲げながらコーンキャチャ１１でベルト
上面や側面に密着させ、更に折り返し羽根部１２によっ
てカバー布７を折り曲げてベルト底面に密着させる。
尚、１プライ目のカバー布７を所定の長さに切断する。
同様にして２プライ目のカバー布７をベルト５に被覆す
る。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明では、折り返し羽根
部を予め第１の取付台に設置し、これを本体フレームに
固定した取付ベースにスライドして装着しているため、
ベルトの断面サイズに応じて折り返し羽根部の取り替え
が自由でその作業も早くなり、折り返し羽根部の位置を
取付台上で微調整することもできる。また、コーンキャ
チャと係合ローラとを第２の取付台に設置し、この取付
台を可動する連動子に取り外し可能に嵌着したことで、
これらの部材が一体となって交換が自由にでき、早くし
かも取付位置も正確である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るベルトカバー巻き機の部分平面図
である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】図１をＡ−Ａ方向から見た図である。

【図４】折り返し羽根部を第１の取付台に設置した斜視
図である。

【図５】本体フレームに固定した取付ベースの斜視図で
ある。

【図６】コーンキャチャと係合ローラとが移動した状態
を示す図である。

【符号の説明】

１ ベルトカバー巻き機 ２ 本体フレーム ３ 駆動プーリ ５ ベルト ６ ベルト走行部 ７ カバー布 ８ カバー送り出し部 １０ 係合ロ−ラ １１ コーンキャチャ １２ 折り返し羽根部 ２０ ガイドロール ２８ 羽根 ２９ 第１の取付台 ３１ 取付ベース ３８ 第２の取付台 ４０ 連動子

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体フレームに固定された駆動プーリと
   テンションプーリ間にベルトを掛架し走行させ、送り込
   まれたカバー布を順次巻き付けるベルトカバー巻き機に
   おいて、互いに交差する角度で配置した羽根を有する折
   り返し羽根部と、少なくとも一対の回転体を相対向する
   位置に配列させたコーンキャチャと、駆動プーリに巻き
   付けたベルトに嵌合する係合ローラとを本体フレームに
   配置し、更に上記折り返し羽根部を第１の取付台に設置
   し、これを本体フレームに固定した取付ベースに取り外
   し可能に装着しているとともに、上記コーンキャチャと
   係合ローラとを第２の取付台に設置し、この取付台を可
   動する連動子に取り外し可能に嵌着したことを特徴とす
   るベルトカバー巻き機。
2. 【請求項２】 取付ベースは第１の取付台に設けた溝部
   に嵌入する爪部を両側壁に有し、また第１の取付台の移
   動を停止させるストッパー部を端部に隆設している請求
   項１記載のベルトカバー巻き機。