JP3299830B2 - 振動ウォータジェット噴射装置およびその振動増幅子 - Google Patents

振動ウォータジェット噴射装置およびその振動増幅子

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JP3299830B2 JP32742193A JP32742193A JP3299830B2 JP 3299830 B2 JP3299830 B2 JP 3299830B2 JP 32742193 A JP32742193 A JP 32742193A JP 32742193 A JP32742193 A JP 32742193A JP 3299830 B2 JP3299830 B2 JP 3299830B2
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裕善 永井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モルタル等の被切削材
をウォータジェットにより切断するためのウォータジェ
ット噴射装置に関し、更に詳しくは、ウォータジェット
に振動を付与した振動ウォータジェットを噴射する振動
ウォータジェット噴射装置とその振動増幅子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ウォータジェット(以下、単にWJとも
いう。)による切削は、WJのパワー密度が高く、その
加工手段は被切削材の材質を問わず熱の発生が少なく、
フレキシビリティが非常に高いという優れた特性を持っ
ている。そのため、紙や衣服の切削加工などには多用さ
れているが、そのエネルギー効率の悪さから金属等の切
削にはそのままでは利用できず、種々の工夫がなされて
いる。また、WJのエネルギー効率は機械的加工方法に
比べて劣り、WJ切削法の普及に対する課題となってい
る。
【0003】ところで、ウォータジェットの基本的特性
は、図6の噴流の構造を示す模式図のように、ノズルか
ら噴出した高圧水の距離に応じ、大別して連続流領域J
1 ,液滴流領域J2 ,拡散流領域J3 に分類される。
【0004】このノズルから出た直後の連続流領域J1
の噴流は平均圧力が高く標準偏差が小さい高圧力切削で
あり、一定圧力で被切削材を押して幅の狭い領域を深く
切削する領域である。従来から使用されている一般のウ
ォータジェットによる切断はこの連続流領域J1 が使用
されている。
【0005】また、ノズルから距離が 200〜 400mm程度
の所は、液滴流領域J2 と思われ、平均圧力が一定で標
準偏差が比較的大きく、切削幅がかなり大きくなる。こ
の領域では液滴がランダムに衝撃的に被切削材に当たる
ため、広い範囲を深く切削する衝撃力切削である。
【0006】更に、ノズルから 600〜 800mm程度離れた
所は拡散流領域J3 と思われ、この領域は、流れが渦流
化され被切削材に当たり、切削深さが大きく、広い範囲
を切削する渦力切削である。
【0007】すなわち、WJを加工に利用するには上記
各領域における高圧力切削法、衝撃力切削法、渦力切削
法をうまく利用することが必要である。
【0008】以上のようなウォータジェットの基本的特
性から、WJ切削法の一つとして振動を利用し、噴射す
る高圧水を上記衝撃力切削法あるいは渦力切削法におけ
るWJの状態で噴出する振動ウォータジェット(以下、
単にVWJともいう。)切削が提案されている。
【0009】このVWJは、ノズル噴出部でWJに振動
(圧力変動)を付与することによりWJの圧力(流速)
に変動を生じさせ、ウォータジェットノズルから噴出す
るウォータジェットそのものを液滴化させることにより
渦の発生を促すものであり、このVWJによれば上記衝
撃力と渦力による切削効果を高め、ウォータジェット切
削全体の切削効率を飛躍的に高めることができる。
【0010】このVWJにおける数百気圧の高圧水に振
動を付与する従来の方法としては、大別して機械振動式
と共鳴式の2つの方法がある。
【0011】まず、機械振動式装置の1つとしては、図
7の側断面図に示すようにWJノズル51の入口にスイ
ッチ用仕切板52を設け、振動子53から発した振動を
ホーン54を介してスイッチ用仕切板52へ伝達して変
位させ、WJノズル51の噴出面積を変動させることに
より噴出する高圧水に圧力変動を生じさせようとするも
のがある(従来例1)。
【0012】また、他の機械振動式装置としては、図8
の側断面図に示すようにWJノズル61を設けた高圧水
容器62に振動子63を直接取付け、この高圧水容器6
2そのものを振動させることにより内部の高圧水に圧力
変動を生じさせようとするものがある。なお、この種の
従来技術として特開昭57− 41197号公報記載の発明があ
り、この公報記載の発明は、ノズルに超音波振動を加え
る振動装置を設けてノズル自体を振動させ、このノズル
の超音波振動を介して噴射する流体粒子に超音波振動を
与えようとするものである(従来例2)。
【0013】一方、共鳴式装置としては、図9に示すよ
うにWJノズル71を設けた高圧水容器72の絞り部7
3に渦発生板74を設け、この渦発生板74により発生
する流れの拡張や衝突による渦の発生を利用し、そのラ
ンダムな乱れの一部の周波数成分を共鳴器75で増幅
し、その変動圧を利用して高圧水に振動を与えようとす
るものである(従来例3)。
【0014】なお、高圧水容器中に振動子を設けた従来
技術として、実開昭61−205800号公報記載の考案があ
り、この公報記載の考案は、噴射室内に高周波振動を発
する振動子を設け、この振動子により噴射室内の高圧流
体に振動を与えて噴射しようとするものである(従来例
4)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例1
は、振動子53として用いられるランジュバン型振動子
の高周波数における変位量が約 100μm 程度であるた
め、WJノズル51の径である約 300μm を完全にスイ
ッチング(開閉)することが不可能である。従って、高
圧水に安定した振動を与えることができない。
【0016】また、上記従来例2は、高圧水容器62に
直接取付けた振動子63により高圧水容器62そのもの
を励振させるため、高圧水に安定した振動を与えること
はできるが高圧水容器62自体の疲労強度が問題とな
る。また、振動子63から得られる振動エネルギは小さ
いので、高圧水容器62を共振させて振動を増幅し振動
エネルギを有効に利用したいが、この場合も高圧水容器
62が強度的に問題となる。
【0017】更に、上記従来例3は、高圧水の噴出流の
渦を利用することは高圧水のエネルギを無駄にすること
になり、その上、ウォータジェットの噴出流で発生する
渦の流出周波数成分の一部の圧力変動を共鳴器75によ
り増幅するものであるため、高周波数の振動が得られ
ず、また、発生周波数が不安定であるためその確認も必
要となる。
【0018】また、上記従来例4は、噴射室内に高周波
振動を発する振動子を設けてこの振動子により直接高圧
水に振動を与える構造のため、大きな振動を高圧水に与
えることができない。
【0019】このように、従来の技術では高圧水に安定
した大きな振動を与えることができず、仮に、振動子が
発する振動を増幅するような振動増幅子を設けようとし
ても、ウォータジェットが数百気圧の高圧水であるため
確実に封水できるような機構を設けたものがなかった。
【0020】本発明は上記課題に鑑みて、高圧水に安定
した高周波の圧力脈動を与えると共に、高圧水容器の強
度に問題を生じることがなく振動ウォータジェットを噴
射できる振動ウォータジェット噴射装置を提供し、ま
た、その振動ウォータジェット噴射装置に用いることが
できる振動増幅子を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1発明における振動ウォータジェット噴射装置
は、高圧水容器の先端に設けたウォータジェットノズル
から振動を付与した高圧水を噴射する振動ウォータジェ
ット噴射装置において、前記振動を発生させる超音波
動子と、該超音波振動子が発した振動を増幅させる振動
増幅子とを直列に設け、該振動増幅子に、前記超音波振
動子に取着するための連結部と、該連結部から縮径する
コニカルホーン部と、該コニカルホーン部から延設した
先端部とを有する振動部材を形成し、該振動増幅子を振
動モードの節部で前記高圧水容器に取着すると共に、該
振動増幅子の先端部を前記ウォータジェットノズル前流
の高圧水中に位置させたことを特徴とするものである。
【0022】第2発明における振動ウォータジェット噴
射装置は、上記第1発明における振動増幅子の先端とウ
ォータジェットノズルとの間に、該振動増幅子から発す
る振動を増幅する共鳴室を設けたことを特徴とするもの
である。
【0023】
【0024】第発明における振動増幅子は、高圧水容
器に取着する振動増幅子であって、振動子に取着するた
めの連結部と、該連結部から縮径するコニカルホーン部
と、該コニカルホーン部から延設した先端部とで振動部
材を形成し、前記振動子から発する振動モードの節部と
なる前記振動部材の外周に取着部を形成し、該取着部と
前記高圧水容器との間に封水機構を形成したことを特徴
とするものである。
【0025】第発明における振動増幅子は、上記第
発明におけるコニカルホーン部と、該コニカルホーン部
から延設した先端部との連続部に0.1mm以上のアール
を設けたことを特徴とするものである。
【0026】
【作用】上記第1発明の構成によれば、振動子が発した
振動が、この振動子と直列に設けた振動増幅子により増
幅され、この振動増幅子の先端部からウォータジェット
ノズル前流の高圧水中に伝達される。従って、ウォータ
ジェットノズルから噴射するウォータジェットはこの振
動により振動ウォータジェットとなる。また、振動増幅
子を振動モードの節部で高圧水容器に取着しているた
め、振動子からの振動は高圧水容器に伝わらない。さら
に、振動子に超音波振動子を用いたので、高周波数の振
動を高圧水に与えることができる。
【0027】上記第2発明の構成によれば、振動増幅子
の先端とウォータジェットノズルとの間に、振動増幅子
の発する振動を増幅する共鳴室を設けたので、この共鳴
室により振動増幅子からの振動(圧力脈動)が増幅され
る。
【0028】
【0029】上記第発明の構成によれば、連結部とコ
ニカルホーン部と先端部とで形成した振動部材の連結部
に振動子に取着すると、振動子からの振動がコニカルホ
ーン部から先端部へと増幅されながら伝達される。ま
た、振動子から発する振動モードの節部となる振動部材
の外周に取着部を形成しているので、振動が取着部から
高圧水容器へと伝わらない。更に、この取着部と高圧水
容器との間に封水機構を形成しているので、振動増幅子
の取着部から高圧水が漏れることはない。
【0030】上記第発明の構成によれば、コニカルホ
ーン部と、該コニカルホーン部から延設した先端部との
連続部に設けた0.1mm以上のアールにより、連続部で
生じる部材の高応力を避けることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明に係る振動ウォータジェット噴
射装置及び振動増幅子の一実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係る振動ウォータジェット噴射装
置の一例を示す側断面図であり、図2は同図の要部拡大
図、図3は同平面図で、図4は本発明に係る振動増幅子
の一例を示す半断面図であり、図5は図4のI矢視図で
ある。
【0032】図示するように、高圧水配管Pに連結され
た高圧水容器1には、高圧水供給路1aと後述する振動
増幅子Aを挿入する複数の挿入口1bが設けられてい
る。そして、この高圧水容器1の先端部には励振装置で
ある振動子2が複数配設されており、これらの振動子2
は先端に連設された振動増幅子Aを介して高圧水容器1
の保持部1cに約45°の角度で取着されている。な
お、この振動子2と振動増幅子Aとを高圧水容器1に対
して取着する角度は任意でよいが、この実施例では全て
の振動子2を約45°で取着することにより対峙する各
振動子間の角度を90°とし、後述する共鳴室Sにおい
て反射する反射波を進行波の方向へ180°反射させて
いる。
【0033】また、この高圧水容器1の先端にはウォー
タジェットノズル8が設けられており、このウォータジ
ェットノズル8を高圧水容器1に固定する先端部材9に
より高圧水容器1へ取着している。
【0034】上記振動子2は、この実施例ではランジュ
バン型圧電振動子が用いられており、この振動子2によ
れば、耳に聞こえない超音波領域の約20kHz 以上の励
振周波数を発することができる。また、この実施例で
は、ウォータジェットノズル8の周囲に4個の振動子2
を配置することにより励振力を大きくし、ノズル8から
噴出するウォータジェットに大きな振動を与えるように
構成している。なお、これらの振動子2は同位相で励振
される。また、振動子2の配置数は特に限定されたもの
ではなく、ウォータジェットノズル8の大きさあるいは
励振力の大きさ等によって適宜設定すればよい。
【0035】そして、この振動子2からの振動は、振動
増幅子Aにより増幅されて高圧水へと伝達される。この
振動増幅子Aは、図4及び図5に示すように、振動子2
の端部を連結するための大径円柱状の連結部3と、この
連結部3から円錐状に縮径するコニカルホーン部4と、
この先端に延設された小径円柱状の先端部5とから形成
された振動部材7に、上記コニカルホーン部4から先端
部5側を囲むように取着部6を形成したものである。そ
して、この取着部6の外周面には先端部5よりも大径の
取付用ネジ6aと取付工具用の平行面部6dが形成さ
れ、また、連結部3には振動子2を取付けるための取付
ネジ3aが設けられている。なお、これらの大きさ等は
取着対象等により適宜設定すればよい。
【0036】この取着部6は、この実施例では、上記振
動子2から発する振動モードVの節部V1 (図1)を、
連結部3と先端部5との間のコニカルホーン部4の小径
部付近に来るように設定し、その節部V1 に形成したも
のであり、振動が振動増幅子Aから高圧水容器1側へと
伝達しないような位置に形成されている。なお、取着部
6と先端部5との間は応力集中を低くするために、滑ら
かなアールによってその表面が連続するように形成され
ている。
【0037】この取着部6と先端部5との間、および取
着部6とコニカルホーン部4との間、つまり、コニカル
ホーン部4と、このコニカルホーン部4から延設した先
端部5との連続部には、振動子2からの振動を振動増幅
子Aの先端部へと伝達する振動により生ずる部材の局部
的な応力集中を低くおさえるために0.1mm以上のアー
ルRを設け、振動増幅子Aの長寿命化を図っている。
【0038】また、この振動増幅子Aは高圧水中におい
て使用するため、図2の拡大図に示すように、取着部6
と高圧水容器1との間に封水機構10が形成されてい
る。
【0039】この封水機構10は、振動増幅子Aの取着
部6側に形成されたエッジ11と高圧水容器1側に形成
されたエッジ12と、これらの間に設けられたシール部
材13とにより構成されている。取着部6側のエッジ1
1は、先端部5の基部から半円を描いて形成した先端部
5よりも大径の段部6bの端縁に形成されており、この
エッジ11を形成した段部6bよりも拡径したシール保
持部6cが連続的に形成されている。一方、高圧水容器
1側のエッジ12は、振動増幅子Aを取着する保持部1
cの内周に設けた段部1dの端縁に形成されている。そ
して、上記シール保持部6cには断面横長台形状の金属
製のシール部材13が設けられており、このシール部材
13の両側の斜面13aが上記エッジ11,12に圧着
して水密機能を発揮している。なお、上記シール保持部
6c及び上述した挿入口1bと先端部5との間には微小
な間隙が形成されているが、図1及び図2においては誇
張している。
【0040】また、上記振動増幅子Aの先端部5は、高
圧水容器1中のウォータジェットノズル8の前流に位置
するように設けられており、本実施例では先端部5の端
面からWJノズル8の入口までの距離が上記振動モード
Vの波長の半分の距離、つまり先端部5とWJノズル8
の入口部とが振動モードVの腹部V2 となるような位置
に振動増幅子Aが設けられている。そして、この振動増
幅子Aの先端部5とWJノズル8の入口との間が共鳴室
Sを形成しており、この共鳴室Sは、先端部5から発し
た進行波とWJノズル8の入口部の高圧水容器1に反射
した反射波とが同一位相となる距離となっている。
【0041】この実施例のように振動増幅子Aの先端と
WJノズル8の入口との間に共鳴室Sを形成すれば、上
記超音波振動子2から発した振動(音波)を共鳴させて
WJノズル8部における振動(圧力脈動)を増幅させる
ことができ、振動増幅子Aからのエネルギ効率を上げる
ことができる。
【0042】なお、上記共鳴室Sの先端部は、WJノズ
ル8の入口又は出口あるいはその中間に位置するように
形成してもよく、また、この共鳴室Sがなくてもウォー
タジェットに振動を付与することはできる。この場合に
は上記実施例に比べてエネルギ効率が下がるため、出力
の大きな振動子を設けることになる。
【0043】このようにして、振動子2で発生した振動
は、振動増幅子Aの大面積の連結部3からコニカルホー
ン部4を介して小面積の先端部5へと増幅されながら伝
達され、この先端部5の端面から共鳴室Sの高圧水中へ
と伝達されるため、振動子2で発する小さな振動でも高
圧水へ大きな振動を伝達することができる。
【0044】以上のように、共鳴室Sを振動子2,振動
増幅子A,と共に直列に配設することにより振動倍率を
向上させた本実施例の振動ウォータジェット噴射装置W
によれば、図示しない制御装置により制御されて以下の
ように振動ウォータジェットを噴射する。
【0045】すなわち、高圧水供給装置Pから供給され
た高圧水に、振動子2から発した振動が振動増幅子Aに
より増幅されて先端部5から伝達され、この振動は共鳴
室Sにより増幅された高周波の高低圧変動に合わせて高
圧水に圧力変動(脈動)を生じさせる。従って、ウォー
タジェットノズル8からは変動高圧水、すなわち振動ウ
ォータジェットを噴出する。この時、振動増幅子Aから
高圧水容器1側へ振動が伝わらないので、高圧水容器1
の強度に問題を生じることはない。
【0046】このようにして、WJノズル8から噴出す
る高圧水を振動させることにより、ノズルから噴出する
ウォータジェットそのものを液滴化させて渦の発生を促
し、この液滴化による衝撃力と渦力によって切削効果を
高め、ウォータジェットの加工効率を飛躍的に増大させ
ている。
【0047】なお、上記実施例では、振動ウォータジェ
ットを噴出することにより布や樹脂等を切削する振動ウ
ォータジェット噴射装置Wを例に説明したが、本発明
は、他のあらゆる用途において使用する振動ウォータジ
ェット噴射装置、例えば金属切削用等に使用する研磨材
の供給等を行うアブレイシブ振動ウォータジェット噴射
装置においても適用可能であり、上記実施例に限定され
るものではない。
【0048】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成して
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0049】第1発明によれば、振動子から発した振動
が振動増幅子により増幅されて先端部からウォータジェ
ットノズル前流の高圧水に伝達されるため、ウォータジ
ェットノズルから安定した振動ウォータジェットを噴出
することができる。また、振動増幅子を振動モードの節
部で高圧水容器に取着しているため、振動子からの振動
が高圧水容器側に伝わらないので、振動による疲労強度
を考える必要がない。さらに、振動子に超音波振動子を
用いたので、高周波数の振動を高圧水に与えることがで
きると共に、振動周波数も任意に設定することができる
ため、使用目的により切削効率の良い振動周波数を選択
した振動ウォータジェットを噴出することができる。
【0050】第2発明によれば、振動増幅子の先端とウ
ォータジェットノズルとの間に設けた共鳴室により、振
動増幅子からの振動を増幅して高圧水に付与するため、
エネルギ効率の良い振動ウォータジェットを噴出するこ
とが可能となる。
【0051】
【0052】第発明によれば、振動子からの振動を連
結部からコニカルホーン部を介して先端部へと増幅しな
がら伝達するため、先端部から高圧水中へ大きな振動を
伝達することができる。また、振動モードの節部に取着
部を形成しているため振動増幅子の振動が高圧水容器へ
伝わらないので、高圧水容器を振動に耐え得る強度に設
計する必要がない。更に、封水機構により、高圧水を用
いる容器であっても振動増幅子の取着部で確実に封水す
ることができる。
【0053】第発明によれば、コニカルホーン部と先
端部との連続部に設けたアールにより、振動子からの振
動を振動増幅子の先端部へと伝達する振動により生ずる
部材の局部的な応力集中を低くおさえられるため、振動
増幅子の寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動ウォータジェット噴射装置の
一例を示す側断面図である。
【図2】図1に示す振動ウォータジェット噴射装置の要
部拡大図である。
【図3】図1に示す振動ウォータジェット噴射装置の平
面図である。
【図4】本発明に係る振動増幅子の一例を示す半断面図
である。
【図5】図4に示す振動増幅子のI矢視図である。
【図6】噴流の構造を示す模式図である。
【図7】従来の振動ウォータジェット噴射装置を示す側
断面図である。
【図8】従来の他の振動ウォータジェット噴射装置を示
す側断面図である。
【図9】従来の他の振動ウォータジェット噴射装置を示
す側断面図である。
【符号の説明】
1…高圧水容器 1c…保持部 2…振動子 3…連結部 4…コニカルホーン部 5…先端部 6…取着部 7…振動部材 8…ウォータジェットノズル 10…封水機構 11…エッジ 12…エッジ 13…シール部材 A…振動増幅子 P…高圧水供給装置 R…アール V…振動モード V1 …節部 V2 …腹部 W…振動ウォータジェット噴射装置
フロントページの続き (72)発明者 中山 正士 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 佐藤 瓊介 東京都江東区南砂2丁目6番5号 川崎 重工業株式会社 東京設計事務所内 (72)発明者 大崎 敏雄 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工 業株式会社 野田工場内 (56)参考文献 特開 昭57−41197(JP,A) 実開 昭61−205800(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B26F 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧水容器の先端に設けたウォータジェ
    ットノズルから振動を付与した高圧水を噴射する振動ウ
    ォータジェット噴射装置において、 前記振動を発生させる超音波振動子と、該超音波振動子
    が発した振動を増幅させる振動増幅子とを直列に設け、
    該振動増幅子に、前記超音波振動子に取着するための連
    結部と、該連結部から縮径するコニカルホーン部と、該
    コニカルホーン部から延設した先端部とを有する振動部
    材を形成し、該振動増幅子を振動モードの節部で前記高
    圧水容器に取着すると共に、該振動増幅子の先端部を前
    記ウォータジェットノズル前流の高圧水中に位置させた
    ことを特徴とする振動ウォータジェット噴射装置。
  2. 【請求項2】 振動増幅子の先端とウォータジェットノ
    ズルとの間に、該振動増幅子から発する振動を増幅する
    共鳴室を設けたことを特徴とする請求項1記載の振動ウ
    ォータジェット噴射装置。
  3. 【請求項3】 高圧水容器に取着する振動増幅子であっ
    て、振動子に取着するための連結部と、該連結部から縮
    径するコニカルホーン部と、該コニカルホーン部から延
    設した先端部とで振動部材を形成し、前記振動子から発
    する振動モードの節部となる前記振動部材の外周に取着
    部を形成し、該取着部と前記高圧水容器との間に封水機
    構を形成したことを特徴とする振動増幅子。
  4. 【請求項4】 コニカルホーン部と、該コニカルホーン
    部から延設した先端部との連続部に0.1mm以上のアー
    ルを設けたことを特徴とする請求項記載の振動増幅
    子。
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