JP3297290B2 - Tdd無線通信システムおよびこのシステムで使用される無線通信装置 - Google Patents

Tdd無線通信システムおよびこのシステムで使用される無線通信装置

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JP3297290B2
JP3297290B2 JP3789596A JP3789596A JP3297290B2 JP 3297290 B2 JP3297290 B2 JP 3297290B2 JP 3789596 A JP3789596 A JP 3789596A JP 3789596 A JP3789596 A JP 3789596A JP 3297290 B2 JP3297290 B2 JP 3297290B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディジタル移動
通信システムやディジタル無線LANなどの無線通信シ
ステムに係わり、特に無線アクセス方式としてTDD方
式を採用したシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばディジタル移動通信システムで
は、基地局と移動局との間の無線アクセス方式として、
FDD(Frequency division duplex )方式とTDD
(Time division duplex)方式が使用されている。FD
D方式は、移動局から基地局へ向かうアップリンクと基
地局から移動局へ向かうダウンリンクとに異なる無線キ
ャリア周波数を割り当てることにより全二重無線通信を
可能とするものである。これに対しTDD方式は、アッ
プリンクとダウンリンクに同一無線キャリア周波数上の
異なるタイムスロットを割り当てることにより全二重無
線通信を可能とするものである。
【0003】FDD方式では無線キャリア周波数を常に
対で確保しなければならない。これに対しTDD方式
は、無線キャリア周波数を常に対で確保する必要がない
ので、周波数利用効率を高くできるとともにデュプレク
サなどを不要にできるという利点を有する。またTDD
方式は、アップリンクとダウンリンクとの無線伝搬条件
が略等しいため、ダイバーシチを行なうための構成を簡
略化できる利点もある。このような理由からTDD方式
は、PHS(Personal Handy Phone System )やDEC
T(Digital European Cordless Telecommunications)
などの移動通信システムで幅広く使用されている。
【0004】ところで、最近、移動局間または移動局と
基地局との間の無線通信を通信衛星を経由して行なう衛
星移動通信システムが提唱されている。このシステム
は、地上系のシステムに比べてより広大なサービスエリ
アをカバーすることが可能である。しかし衛星移動通信
システムでは、無線アクセス方式として一般にFDD方
式が採用されており、TDD方式は採用されない。その
理由は次のようなものである。
【0005】すなわち、TDD方式は、送信と受信とを
交互に行なうためその切替えタイミングを正確に制御す
る必要がある。これに対し衛星移動通信システムには、
主として低軌道を周回する衛星が使用される。周回衛星
を経由して移動局間で無線通信を行なうと、周回衛星の
位置によって伝搬遅延時間に2〜3倍程度の差が発生す
る。図14は、通信衛星の高度に対する伝搬遅延の変化
を表わしたものである。例えば、いま衛星高度1000
kmを周回する衛星と通信を行なっている移動局があると
する。このとき衛星と移動局との間の伝搬遅延時間は、
衛星が移動局の真上に存在するとき、つまり移動局と衛
星との距離が最も短いときには約3.2msecとなり、一
方衛星が移動局から見て水平の位置に存在するとき、つ
まり移動局と衛星との距離が最も遠いときには9msecと
なる。このように移動局と衛星との間の伝搬遅延時間
は、衛星の位置によって最大で約3倍となる。しかも、
衛星が移動局から見て水平の位置から真上の位置に移動
するまでに要する時間は数分程度に過ぎない。なお、衛
星移動通信システムに関しては、例えばM.J.Miller,D.V
acetic,L.Berry著の文献“Satellite Communications-M
obile and Fixed Service ”に詳しく述べられている。
【0006】したがって、このように通信中に伝搬遅延
時間が大きく変化する衛星移動通信システムにTDD方
式を適用しようとすると、移動局および衛星上では送信
と受信との切替タイミングを上記伝搬遅延時間を十分に
考慮して精密に制御しなければならず、その制御が非常
に難しい。
【0007】なお、上記伝搬遅延時間を考慮した切替タ
イミングの制御を簡単または不要にするために、送信タ
イムスロットと受信タイムスロットとの間に十分に大き
なガードタイムを設けることも考えられる。しかし、ガ
ードタイムを大きくすると伝送効率の低下を招くため有
効な手段にはなっていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のシ
ステムでは、TDD方式を衛星移動通信システムに適用
しようとすると、移動局および衛星上では送信と受信と
の切替タイミングを上記伝搬遅延時間を十分に考慮して
精密に制御しなければならず、その制御が非常に難し
い。また、上記切替タイミングの制御を簡単または不要
にするために、送信タイムスロットと受信タイムスロッ
トとの間に十分に大きなガードタイムを設けることも考
えられるが、ガードタイムを大きくすると伝送効率の低
下を招くという種々問題点がある。
【0009】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、精密なタイミング制御
を行なったり大きなガードタイムを設けることなく高品
質の無線通信を行なえるようにし、これにより伝搬遅延
時間の経時変化が大きい場合でも簡単な制御で伝送効率
の良い無線通信を実現できるTDD無線通信システムお
よびこのシステムで使用される無線通信装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明のシステムおよび無線通信装置は、無線局
がディジタル情報系列を送信する際に、入力ディジタル
情報系列に対し所定の誤り訂正能力を有する第1の誤り
訂正符号を用いて符号化を行ったのち、この符号化され
たディジタル情報系列に対しさらに所定の消失訂正能力
を有する第2の誤り訂正符号を用いて符号化を行ない、
この符号化されたディジタル情報系列をディジタル変調
したのち所定の送信期間に無線チャネルへ送信する。一
、ディジタル情報系列を受信し再生する際に、上記
無線チャネルを介して所定の受信期間に到来した無線信
号を受信復調したのち、その復調信号に対し先ず前記第
2の誤り訂正符号に基づく消失訂正復号処理を行なって
消失した情報を回復し、続いてこの消失訂正復号処理さ
れた復調信号に対し前記第1の誤り訂正符号を用いて誤
り訂正処理を行なうようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0011】したがってこの発明によれば、受信スロッ
トと送信スロットとが部分的に重なり、これによりディ
ジタル伝送情報の一部が受信されずに欠落したとして
も、この欠落した情報は消失訂正処理により回復される
ことになる。このため、例えば周回衛星を経由して無線
通信を行なう場合のように、伝搬遅延時間の経時変化が
大きいシステムであっても、送信タイミングを精密に制
御することなく、また大きなガードタイムを設けること
なく、ディジタル情報系列を正確に伝送することが可能
となる。すなわち、簡単な制御でかつ効率の良い無線伝
送を行なうことができる。
【0012】
【0013】また、消失情報の回復が図られた上でさら
に誤り訂正が行われることになり、これによりディジタ
ル情報系列の伝送品質をより一層高めることが可能とな
る。
【0014】さらにこの発明のシステムは、無線局に、
先に述べた消失したディジタル情報を回復するために必
要な符号化処理および消失訂正復号処理機能を設けると
ともに、上記無線局間の無線通信を中継する周回衛星に
も、消失したディジタル情報を回復するために必要な消
失訂正復号処理および復号化処理機能を設けたことを特
徴としている。
【0015】したがって、周回衛星上で伝送情報を中継
する際にも消失情報を回復するための処理が行なわれる
ことになり、これにより地上の無線局のみで消失訂正処
理を行なう場合に比べて、ディジタル情報系列をより確
実に伝送することが可能となる。
【0016】さらにこの発明は、基地局と移動局との間
を直接接続して無線通信を行なうための地上系無線チャ
ネルと、基地局と移動局との間または移動局相互間を周
回衛星を経由して接続して無線通信を行なうための衛星
系無線チャネルとを備えたシステムにおいて、移動局お
よび基地局に、地上系無線チャネルを介して通信を行な
うか衛星系無線チャネルを介して通信を行なうかを選択
する無線チャネル選択手段を備えている。そして、この
無線チャネル選択手段により地上系無線チャネルが選択
された場合には、誤り訂正能力を優先した第1の誤り訂
正符号を選択し、この第1の誤り訂正符号を用いてディ
ジタル情報系列に対し誤り訂正を優先した符号化処理お
よび誤り訂正復号処理を行なう。一方、衛星系無線チャ
ネルが選択された場合には、消失訂正能力を優先した第
2の誤り訂正符号を選択し、この第2の誤り訂正符号を
用いて消失訂正のための符号化処理および復号処理を行
なうことを特徴としている。
【0017】したがって、伝送情報の消失が生じ易い衛
星系無線チャネルを用いて無線通信が行なわれた場合に
は、消失訂正を優先とした誤り訂正符号化および復号処
理が行なわれることになり、これにより情報の消失が生
じてもこの消失情報をできる限り多く回復させることが
可能となる。このため、周回衛星を経由して無線通信を
行なうにも拘らず、送信タイミングを精密に制御するこ
となく、また大きなガードタイムを設けることなく、デ
ィジタル情報系列を正確に伝送することが可能となる。
一方、情報の消失が比較的少ない地上系無線チャネルを
用いて無線通信が行なわれた場合には、誤り訂正を優先
とした誤り訂正符号化および復号処理が行なわれること
になり、これにより符号誤りをできるだけ多く訂正する
ことができる。すなわち、この発明によれば、地上系無
線チャネルと衛星系無線チャネルとの伝送特性の違いを
考慮した効果的な誤り訂正伝送を行なうことができる。
【0018】またこの発明は、上記衛星系無線チャネル
を選択して無線通信を行なう場合に、移動局および基地
局ばかりでなく、周回衛星上においても消失したディジ
タル情報を回復するために必要な消失訂正復号処理およ
び復号化処理を行なうことを特徴としている。
【0019】したがって、周回衛星上で伝送情報を中継
する際にも消失情報を回復するための処理が行なわれる
ことになり、これにより地上の無線局のみで消失訂正処
理を行なう場合に比べて、ディジタル情報系列をより確
実に伝送することが可能となる。
【0020】さらにこの発明は、地上系無線チャネルが
選択された場合には、ブロック符号を外符号としかつ畳
み込み符号を内符号としてそれぞれ選択する。そして、
送信する際には、入力ディジタル情報系列に対し先ず上
記ブロック符号を用いて符号化処理を行ない、次にこの
符号化処理後の情報系列に対し上記畳み込み符号を用い
て符号化処理を行なう。また受信する際には、復調信号
に対し先ずビタビ復号器を用いて誤り訂正復号処理を行
ない、次にこの誤り訂正復号された信号系列に対し上記
ブロック符号に基づき復号処理を行なうことを特徴とし
ている。
【0021】このようにすれば、符号誤りに対する訂正
能力をより高く設定することができ、これにより地上系
無線チャネルの伝送特性に適した高品質の情報伝送を行
なうことができる。
【0022】さらにこの発明は、衛星系無線チャネルが
選択された場合には、畳み込み符号を外符号としかつブ
ロック符号を内符号としてそれぞれ選択する。そして、
送信する際には、入力ディジタル情報系列に対し先ず上
記畳み込み符号を用いて符号化処理を行ない、次にこの
符号化処理後の情報系列に対し上記ブロック符号を用い
て符号化処理を行なう。また受信する際には、復調信号
に対し先ずブロック符号に基づく消失訂正を優先した復
号処理を行ない、次にこの復号された信号系列に対しビ
タビ復号器により誤り訂正復号処理を行なうことを特徴
としている。
【0023】このようにすれば、消失訂正能力を高く保
持した上で誤り訂正能力も持たせることができ、これに
より衛星系無線チャネルの伝送特性に適した高品質の情
報伝送を行なうことができる。
【0024】またこの発明は、地上系無線チャネルを介
して基地局との間で通信が行なわれている期間に、この
通信中の地上系無線チャネルの受信品質を監視して、受
信品質が所定の条件を満足しているか否かを判定する。
そして、受信品質が所定の条件を満足しないと判定され
た場合に、通信状態を保持した上で上記通信中の地上系
無線チャネルを衛星系無線チャネルに切り替えることを
特徴としている。
【0025】したがって、例えば移動局が基地局群が形
成するサービスエリアの外へ出、これにより通信中の地
上系無線チャネルの品質が劣化した場合には、この地上
系無線チャネルから衛星系無線チャネルへのハンドオフ
が行なわれることになる。このため、移動局は通信を継
続することができる。また上記ハンドオフに応じて、伝
送情報に対する誤り訂正符号化および復号処理も誤り訂
正能力を優先した処理から消失訂正を優先した処理に切
り替わる。このため、上記ハンドオフ後においても情報
の消失を防止して高品質の伝送を行なうことができる。
【0026】さらにこの発明は、衛星系無線チャネルを
介して通信が行なわれている期間に、地上系無線チャネ
ルの受信品質を測定し、この測定結果を基に受信品質が
所定の条件を満足する地上系無線チャネルの有無を判定
する。そして、受信品質が所定の条件を満足する地上系
無線チャネルがあると判定された場合には、上記通信中
の衛星系無線チャネルを上記地上系無線チャネルに切り
替えることを特徴としている。
【0027】したがって、衛星系無線チャネルによる通
信中に、地上系無線チャネルの品質が回復した場合に
は、衛星系無線チャネルから地上系無線チャネルへのハ
ンドオフが行なわれることになる。これは、地上系無線
チャネルに比べて衛星系無線チャネルの数が少ない場合
に有効である。
【0028】さらにこの発明は、地上系無線チャネルを
介して基地局との間で通信が行なわれている期間に、こ
の通信中の地上系無線チャネルおよび他の基地局が送信
している地上系無線チャネルの受信品質をそれぞれ監視
する。そして、通信中の地上系無線チャネルの受信品質
が所定の条件を満足しないと判定され、かつ受信品質が
所定の条件を満足する他の地上系無線チャネルがあると
判定された場合には、上記通信中の地上系無線チャネル
を他の地上系無線チャネルに切り替え、一方受信品質が
所定の条件を満足する他の地上系無線チャネルがないと
判定された場合には、通信中の地上系無線チャネルを衛
星系無線チャネルに切り替えることを特徴としている。
【0029】したがって、使用可能な地上系無線チャネ
ルが見付からない場合にのみ衛星系無線チャネルへのハ
ンドオフが行なわれることになる。このため、チャネル
数の限られた衛星系無線チャネルをより一層有効に使用
することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は、この発明に係わるTDD無
線通信システムの第1の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【0031】地上のサービスエリアには複数の基地局B
S1,BS2,…が分散配設されている。これらの基地
局BS1,BS2,…は各々セルと呼ばれる無線ゾーン
E1,E2,…を形成する。また基地局BS1,BS
2,…は有線伝送路を介して図示しない公衆網にそれぞ
れ接続される。移動局MS1,MS2,…は、上記無線
ゾーンE1,E2,…内で対応する基地局BS1,BS
2,…に地上無線チャネルを介して接続され、さらにこ
れらの基地局BS1,BS2,…から有線伝送路を介し
て公衆網に接続される。上記地上無線チャネルのアクセ
ス方式には、例えばTDMA−TDD方式が使用され
る。
【0032】一方、上記サービスエリア上空の周回軌道
には、複数の通信衛星SATが配置されている。これら
の通信衛星SATは上記周回軌道を所定の周期で周回す
る周回衛星であり、上記基地局群が形成するサービスエ
リアとこのサービスエリアによりカバーされない周辺の
エリアとをカバーする。移動局MS1,MS2,…は、
上記上記基地局BS1,BS2,…のサービスエリア外
でかつ通信衛星SATがカバーするエリアに位置すると
き、衛星無線チャネルを介して上記基地局BS1,BS
2,…のいずれかと接続される。衛星無線チャネルは上
記通信衛星SATに搭載されているトランスポンダを介
して形成される。また衛星無線チャネルのアクセス方式
には、前記地上無線チャネルと同じTDMA−TDD方
式が使用される。
【0033】すなわち、本実施形態のシステムは、移動
局MS1,MS2,…と基地局BS1,BS2,…と
が、地上無線チャネルを選択して直接通信を行なう場合
でも、また衛星無線チャネルを選択することにより通信
衛星SATを経由して通信を行なう場合でも、異なる無
線アクセス方式を使用することなく、共通のTDMA−
TDD方式を使用することができる。
【0034】上記基地局BS1,BS2,…および移動
局MS1,MS2,…はそれぞれ次のように構成され
る。図2は基地局BS1,BS2,…の構成を示す回路
ブロック図、図3は移動局MS1,MS2,…の構成を
示す回路ブロック図である。
【0035】先ず図2において、移動局MS1,MS
2,…または通信衛星SATから到来した無線搬送波信
号は、アンテナ11で受信されたのち無線ユニット1の
高周波スイッチ(SW)12を介して受信回路13に入
力される。この受信回路13では、上記受信された無線
搬送波信号が周波数シンセサイザ14から発生された受
信局部発振信号とミキシングされて、受信中間周波信号
または受信ベースバンド信号にダウンコンバートされ
る。なお、上記周波数シンセサイザ14から発生される
局部発振周波数は基地局制御部5より指示される。ま
た、無線ユニット1には受信電界強度(RSSI;Reci
eved signal strength indicator)検出器16が設けら
れている。このRSSI検出器16では、移動局MS
1,MS2,…から到来した無線搬送波信号の受信電界
強度が検出され、その検出値は無線チャネルの空きを判
定するために基地局制御部5に通知される。
【0036】上記受信回路13から出力された受信中間
周波信号または受信ベースバンド信号は、モデムユニッ
ト2のディジタル復調部(DEM)21に入力される。
ディジタル復調部21では上記受信中間周波信号または
受信ベースバンド信号のディジタル復調が行なわれ、こ
れによりディジタル通話信号が再生される。TDMAユ
ニット3のTDMAデコーダ31では、基地局制御部5
の指示に従ってタイムスロットごとにディジタル通話信
号が分解され、この分解されたディジタル通話信号は通
話ユニット4に入力される。
【0037】通話ユニット4は、チャネルコーデック4
1と、PCMコーデック42とを備えている。上記TD
MAデコーダ31から出力されたディジタル通話信号
は、先ず上記チャネルコーデック41で誤り訂正または
消失訂正のための復号処理が行なわれた後、PCMコー
デック42に入力される。そして、このPCMコーデッ
ク42において、上記復号されたディジタル通話信号は
アナログ通話信号に変換され、しかるのち回線インタフ
ェース回路(H)43を介して図示しない公衆網へ送信
される。
【0038】これに対し、公衆網から有線伝送路を介し
て到来したアナログ通話信号は、PCMコーデック42
でディジタル通話信号に変換されたのち、チャネルコー
デック41に入力される。そして、このチャネルコーデ
ック41で誤り訂正あるいは消失訂正のための符号化処
理が行なわれたのちTDMAユニット3のTDMAエン
コーダ32に入力される。
【0039】TDMAエンコーダ32は、上記チャネル
コーデック41から出力されたディジタル通話信号を移
動局に割り当てたタイムスロットに挿入することによ
り、他の移動局宛てのディジタル通話信号と多重化し、
この多重化したディジタル通話信号をディジタル変調部
(MOD)22に入力する。ディジタル変調部22で
は、上記ディジタル通話信号によりディジタル変調され
た変調波信号が得られ、この変調波信号は送信回路15
に入力される。送信回路15では、上記変調波信号が周
波数シンセサイザ14から発生された送信局部発振信号
とミキシングされることにより、基地局制御部5により
指示された無線チャネル周波数に周波数変換され、さら
に所定の送信電力レベルに増幅される。そして、この送
信回路15から出力された無線周波信号は高周波スイッ
チ12を介してアンテナ11から送信される。
【0040】次に図3において、基地局BS1,BS
2,…または通信衛星SATから到来した無線搬送波信
号は、アンテナ61で受信されたのち無線ユニット6の
高周波スイッチ(SW)62を介して受信回路63に入
力される。この受信回路63では、上記受信された無線
搬送波信号が周波数シンセサイザ64から発生された受
信局部発振信号とミキシングされて受信中間周波信号ま
たは受信ベースバンド信号に周波数変換される。なお、
上記周波数シンセサイザ64から発生される局部発振周
波数は移動局制御部10より指示される。また、無線ユ
ニット6には受信電界強度(RSSI)検出器66が設
けられている。このRSSI検出部66では、基地局か
ら到来した無線搬送波信号の受信電界強度が検出され、
その検出値は無線チャネルの空きを判定するために移動
局制御部10に通知される。
【0041】上記受信回路63から出力された受信中間
周波信号または受信ベースバンド信号は、モデムユニッ
ト7のディジタル復調部71に入力される。ディジタル
復調部71では上記受信中間周波信号または受信ベース
バンド信号のディジタル復調が行なわれ、これによりデ
ィジタル通話信号が再生される。
【0042】TDMAユニット8のTDMAデコーダ8
1は、上記ディジタル復調部71から出力されたディジ
タル通話信号から、移動局制御部10の指示に従って自
局に割り当てられたタイムスロットに挿入されているデ
ィジタル通話信号を抽出し、この抽出したディジタル通
話信号を通話ユニット9に入力する。通話ユニット9
は、チャネルコーデック91と、PCMコーデック92
とからなる。チャネルコーデック91ではディジタル通
話信号の誤り訂正あるいは消失訂正のための復号処理が
行なわれる。PCMコーデック92では上記復号された
ディジタル通話信号がアナログ通話信号に変換される。
そして、このアナログ通話信号は図示しない受話増幅器
で増幅されたのちスピーカ93から出力される。
【0043】これに対し、マイクロホン94に入力され
た送話音声は、通話ユニット9において、図示しない送
話増幅器で増幅されたのち、PCMコーデック92でデ
ィジタル送話信号に変換される。そして、このディジタ
ル送話信号はチャネルコーデック91で誤り訂正あるい
は消失訂正のための符号化処理が施された後、TDMA
ユニット8に入力される。TDMAエンコーダ82で
は、上記チャネルコーデック91から出力されたディジ
タル通話信号が移動局制御部10により指示されたタイ
ムスロットに挿入されて、ディジタル変調部72に入力
される。ディジタル変調部72では、上記ディジタル通
話信号により高周波信号がディジタル変調されて変調波
信号が出力され、この変調波信号は無線ユニット6の送
信回路65に入力される。
【0044】送信回路65では、上記変調された変調波
信号が周波数シンセサイザ64から発生された送信局部
発振信号とミキシングされることにより、移動局制御部
10より指示された無線チャネル周波数にアップコンバ
ートされ、さらに所定の送信電力レベルに増幅される。
そして、この送信回路65から出力された無線搬送波信
号は高周波スイッチ62を介してアンテナ61から送信
される。
【0045】ところで、制御部5,10は、例えばマイ
クロコンピュータを主制御部として有したもので、この
発明に係わる主な制御機能として、無線チャネル選択機
能と、訂正能力選択機能とを備えている。
【0046】無線チャネル選択機能は、待受期間中およ
び通信中に、受信した無線搬送波信号のRSSIを基
に、システムが保有する複数の地上無線チャネルの中で
使用可能なチャネルが有るか否かを判定する。そして、
通信要求が発生した時およびハンドオフの必要が生じた
時に、上記判定結果を基に地上系無線チャネルを使用す
るか衛星系無線チャネルを使用するかを選択するもので
ある。
【0047】訂正能力選択機能は、通信要求が発生した
時およびハンドオフの必要が生じた時に、上記無線チャ
ネル選択機能の選択結果に応じて、地上系無線チャネル
が選択された場合には誤り訂正能力を優先したブロック
符号を選択し、一方衛星系無線チャネルが選択された場
合には消失訂正能力を優先したブロック符号を選択する
ものである。例えば、消失訂正ビット数と誤り訂正ビッ
トとの割合が異なる2種類のブロック符号を用意してお
き、使用する無線チャネルの種類に応じてこれらのブロ
ック符号のいずれかを選択する。
【0048】具体的には、ブロック符号として符号長n
=34,情報シンボル数k=20,最小距離d=15の
リード・ソロモン(34,20)符号を使用する場合に
は、図5に示すように消失訂正ビット数と誤り訂正ビッ
ト数との組み合わせが8種類ある。このうち、地上系無
線チャネルを使用する場合には、誤り訂正能力を高く設
定して信頼性を向上させるために、7誤り訂正や2消失
・6誤り訂正が選択される。これに対し衛星無線チャネ
ルを使用する場合には、消失訂正能力を高く設定して欠
落した信号の再生に役立てるために、14消失訂正や1
2消失・1誤り訂正が選択される。
【0049】制御部5,10は、通信開始時やハンドオ
フ時に、上記訂正能力選択機能により選択されたブロッ
ク符号を、それぞれチャネルコーデック41,91に設
定する。
【0050】図4は、上記各チャネルコーデック41,
91の構成を示すものである。同図に示すようにチャネ
ルコーデック41,91は、チャネルエンコーダ101
とチャネルデコーダ102とから構成される。チャネル
エンコーダ101は、ブロック符号を用いてディジタル
送話信号を誤り訂正符号化するもので、例えばリード・
ソロモン符号化器からなる。チャネルデコーダ102
は、上記ブロック符号が持つ誤り訂正能力に対応する消
失訂正能力を有するもので、例えばリード・ソロモン復
号器により構成される。
【0051】またこれらのチャネルエンコーダ101お
よびチャネルデコーダ102は、誤り訂正ビット数と消
失訂正ビット数との割合が異なる複数種のリード・ソロ
モン符号を選択的に使用できる構成となっている。使用
するリード・ソロモン符号の種類は上記制御部5,10
により設定される。
【0052】次に、上記チャネルデコーダ102におけ
る復号動作を説明する。復号アリゴリズムとしてはユー
クリッドアルゴリズムが用いられる。ユークリッド復号
法は、消失訂正と誤り訂正とを同時に行なうことができ
る復号法であり、はじめにその手順を簡単に述べる。
【0053】ガロア体GF(2m )上のリ−ド・ソロモ
ン符号の最小距離をdとすると、この符号の符号長n、
および情報シンボル数kは n≦2m −1 k=n−d+1 となる。この符号の生成多項式は、 G(x)=(x−α)(x−α2 )…(x−αd-1 ) で表現される。ただし、αはGF(2m )の原始元であ
る。最小距離dの符号では、Neシンボルの“誤り”と
Nεシンボルの“消失”を同時に訂正することができ
る。ただし、 2×Ne+Nε ≦ d−1 である。なお、位置と大きさが共に未知の誤りを“誤
り”と呼び、位置のみが既知で大きさが未知の誤りを
“消失”と呼ぶ。
【0054】以下、消失・誤り訂正復号の原理を簡単に
説明する。いま仮に送信符号語および受信語をそれぞれ (Cn-1 ,Cn-2 ,……,C0 ) Ci GF(2m ) i=n-1,n-2 …,0, (Rn-1 ,Rn-2 ,……,R0 ) Ri ∈GF(2m ) i=n-1,n-2 …,0, とする。ただし、受信語のnシンボルのうち、位置lε
1 ,lε2 ,…lεNeのNεシンボル(1≦Nε≦d−
1)は消失であり、その位置の受信シンボルは“0”
(零元)となっているものとする。
【0055】チャネルデコーダ101では、受信語多項
式R(x) R(x)=Rn-1 n-1 +Rn-2 n-2 +…+R0 に対して、シンドローム多項式 S(x)=S1 +S2 x+…+Sd-1 d-2 d =R(αi ) が算出される。
【0056】いま、誤り位置多項式σe(x)、誤り数
値多項式ηe(x)、消失位置多項式σε(x)、およ
び消失数値多項式ηε(x)をそれぞれ以下のように定
義する。 σe(x)=Πi Ee(1−αi x) ηe(x)=Σi Eei αi Πj Ee.j≠i (1−
αj x) σε(x)=Πi E ε(1−αi x) ηε(x)=Σi E εi αi Πj
E ε.j≠i (1−αj x) ここで、誤りシンボル数はNe,消失シンボル数はNε
であり、 Ee:誤り位置の集合{le1 ,le2 ,…,leNe} Eε:消失位置の集合{lε1 ,lε2 ,…,l
εN ε} e:位置iの誤り数値 ε:位置jの消失数値 である。また、誤り消失位置多項式σ(x)および誤り
消失数値多項式η(x)をそれぞれ以下のように定義す
る。 σ(x)=σe(x)・σε(x) η(x)=σe(x)・ηε(x)+σε(x)・ηe
(x) このときσε(x),S(x)は既知であるから、これ
らから以下の修正シンドローム多項式 Sε(x)=σε(x)・S(x)mod xd-1 を計算することができる。このSε(x)は、 σe(x)・Sε(x)=η(x)mod xd-1 deg[σe(x)]≦[(d−1−ε)/2] deg[η(x)]<[(d−1+ε)/2] を満足しているため、Sε(x)から何らかの方法でη
(x)とσe(x)を求めることができる。上式を修正
基本方程式と呼ぶ。ただし、[x]はxを越えない最大
の整数である。
【0057】σe(x)=0の根から誤り位置leを求
めることができる。また、位置jにおける誤り(消失)
数値e(ε)は次式を満足しているため、導出され
た誤り(消失)位置から誤り(消失)数値を求めること
ができる。 e(またはε)=η(α-j)/σ′(α-j) 次に、復号手順と基本方程式の解法について説明する。
ユークリッド復号法は、ゴッパ符号(BCH符号やRS
符号を含む)の効率的な誤り訂正復号法として知られて
いるが、アルゴリズムを多少修正することにより消失と
誤りを同時に訂正する復号法を構成することができる。
【0058】以下に、Nε個の消失とNe個の誤りを同
時に訂正するユークリッド・アルゴリズムの復号手順を
示す。 (1) 受信信号の初期化を行なう。 Ri =0, i=lε1 ,i=lε2 ,…,i=lεNε (2) シンドローム多項式S(x)を求める。 S(x)=S1 +S2 x+…+Sd-1 d-2 i =R(αi ) (3) 消失位置多項式σε(x)を求める。 σε(x)=Πi Eε(1−αx) (4) 修正シンドローム多項式Sε(x)を求める。 Sε(x)=σε(x)・S(x)mod xd-1 ここで、deg[Sε(x)]<Nεの場合、誤り個数
Neは0であり、Sε(x),σε(x)をそれぞれη
(x),σ(x)として、(6) 以降の処理を行なう。そ
れ以外は、誤りが存在すると判断して、(5) を実行す
る。
【0059】(5) 修正基本方程式を解く。 Sε(x)から次式を満たすσe(x),η(x)を求
める。 σe(x)・Sε(x)=η(x)mod xd-1 deg[σe(x)]≦[(d−1−ε)/2] deg[η(x)]<[(d−1+ε)/2] (6) 誤り位置を計算する。 σe(x)の次数がdeg[σe(x)]が誤り個数N
eである。σe(x)=0のNe個の根α−le 1 ,α
−le 2 ,…,α−le Neが、誤り位置le1
e2 ,…,leNeを示している。このため、誤り位置
として妥当なGF(2m )の元 (α0 ,α1 ,…,αn-1 ) を順次代入し、σe(x)の根であるか否かを調べる。
通常、この処理にはチエン・サーチと呼ばれる手法が用
いられる。なお、σe(x)=0がdeg[σe
(x)]個の妥当な根を持たない場合がある。これは、
受信語が訂正能力[(d−1−ε)/2]を越える誤り
を持つ場合に起きる。この場合には訂正不可能な誤りと
して誤り検出する。
【0060】(7) 誤りおよび消失位置多項式σ(x)を
求める。 σ(x)=σe(x)・σε(x) (8) 誤りおよび消失数値を計算する。 σ(x)の形式的微分σ′(x)とη(x)から、位置
jの誤り数値eおよび消失数値εを計算する。 (9) 誤り訂正を実行する。 受信語の位置jに生じた誤りおよび消失を訂正して複合
語Cを求める。
【数1】
【0061】以上の復号手順の中で、(5) の基本方程式
の解法には、誤り訂正の場合と同様に、多項式上のユー
クリッド互除法を用いることができる。
【0062】以下にユークリッド復号法における基本方
程式の解法を示す。与えられたSε(x)に対して、次
式を満足するσe(x),η(x)を導出する。 σe(x)・Sε(x)=η(x)mod xd-1 deg[σe(x)]≦[(d−1−ε)/2] deg[η(x)]<[(d−1+ε)/2] 初期状態を r-1(x)=xd-1 0 (x)=S(x) u-1(x)=0 u0 (x)=1 とおく。
【0063】ユークリッド互除法においては、i=1,
2,…に対して以下の処理を繰り返す。 (1) 次式を満足するri (x),qi (x)を求める。 ri-2 (x)=qi (x)ri-1 (x)+ri (x) deg[ri (x)]<deg[ri-1 (x)] (2) ui (x)を計算する。 ui (x)=qi (x)ui-1 (x)+ui-2 (x) (3) deg[ri (x)]<[(d−1+ε)/2]と
なったとき、 h=i として、処理を停止する。
【0064】誤り位置多項式は σe(x)=δuh (x) となる。ただし、δ={uh (0)}-1 である。誤り数値多項式は η(x)=δrh (x) となる。
【0065】次に、以上のように構成されたシステムの
動作を説明する。図6乃至図8はこの動作を説明するた
めのフローチャートである。各移動局MS1,MS2,
…では、電源が投入されると、図6に示すようにステッ
プ6aで各ユニットの動作状態がイニシャライズされた
のち、ステップ6bで先ず衛星無線チャネルのRSSI
の検出が行なわれる。この衛星無線チャネルのRSSI
の検出は移動局が通信衛星SATのサービスエリア内に
存在していることを確認するために行なわれる。続いて
ステップ6cにおいて、各地上系無線チャネルのRSS
Iの検出が行なわれる。そして、検出された各地上系無
線チャネルのRSSIの値の中でしきい値よりも大きい
ものがあるか否かがステップ6dで判定され、大きいも
のが見付かった場合にはその地上系無線チャネルを待受
用チャネルとして選択して以後地上通信モードに移行す
る。一方RSSI検出値がしきい値よりも大きい地上系
無線チャネルが見付からなかった場合には、衛星無線チ
ャネルを選択して以後衛星通信モードに移行する。
【0066】例えば図1に示した移動局MS1は、基地
局BS1の無線ゾーンE1内に存在しているため、この
基地局BS1が所有する地上無線チャネルを選択して待
受(アイドル)状態に移行する。これに対し移動局MS
2は、いずれの基地局BS1,BS2,…の無線ゾーン
E1,E2,…にも入っていないので、衛星無線チャネ
ルを選択して待受状態に移行する。
【0067】地上通信モードに移行した移動局(例えば
MS1)では、以後次のような動作が行なわれる。すな
わち、図7に示すようにステップ7aで発呼または着呼
に伴う通信要求の発生が監視される。そして、通信要求
が発生すると、ステップ7bにおいて移動局制御部10
からチャネルコーデック91に対し、地上無線チャネル
を用いた通信に適する訂正能力を有するブロック符号の
設定が行なわれる。例えば、リード・ソロモン(34,
20)符号を使用する場合には、図5に示した8種類の
訂正能力のうちから2消失・6誤り訂正が選択されて、
チャネルコーデック91に設定される。
【0068】次にステップ7cでは、地上無線チャネル
が捕捉され、以後この地上無線チャネルを使用して基地
局BS1との間でTDMA−TDD方式による無線通信
が実行される。なお、基地局BS1においても上記移動
局MS1と同様に、上記2消失・6誤り訂正の訂正能力
を有するリード・ソロモン符号がチャネルコーデック4
1に設定され、この状態で移動局MS1との間の通信が
実行される。図9(b)は、このとき移動局MS1と基
地局BS1との間で送受信される信号の伝送フォーマッ
トを示すものである。
【0069】したがって、この地上通信モードにおいて
は、移動局MS1においてもまた基地局BS1において
も,上記2消失・6誤り訂正の訂正能力を有するリード
・ソロモン符号を使用することにより、符号誤り訂正を
優先した誤り訂正符号化および復号処理が行なわれる。
このため、地上無線チャネル介して伝送されている最中
に発生した符号誤りは効果的に訂正される。
【0070】以上の通信中に移動局MS1では、ステッ
プ7dによる通信終了の監視と、ステップ7eによる使
用中の地上無線チャネルのRSSIの監視とが繰り返し
行なわれる。そして、通信が終了すればステップ7fに
おいて地上無線チャネルが解放され、さらに所定の終話
処理が行なわれたのち、地上通信モードによる待受状態
に復帰する。
【0071】これに対し、例えば移動局MS1が通信中
に基地局BS1の無線ゾーンE1から他の基地局BS3
の無線ゾーンE3に移動したとする。そうすると、移動
局MS1では基地局BS1からの地上無線チャネルを受
信することができなくなる。そこで移動局MS1では、
通信を保持しながらステップ7gにおいて他の地上無線
チャネルのRSSIが検出され、この検出結果を基にス
テップ7hで使用可能な地上無線チャネルがあるか否か
が判定される。そして、使用可能な他の地上無線チャネ
ルがあれば、ステップ7iにおいてこの地上無線チャネ
ルへのハンドオフが行なわれる。例えば上記したように
移動局MS1が基地局BS3の無線ゾーンE3に移動し
たのであれば、この基地局BS3が保有する地上無線チ
ャネルへのハンドオフが行なわれる。このハンドオフ後
は、ステップ7cに戻って地上通信モードによる通信が
継続される。
【0072】一方、使用可能な他の地上無線チャネルが
無かった場合には、ステップ7jにおいて衛星無線チャ
ネルのRSSI値を基に衛星無線チャネルが使用可能か
否かが判定され、使用可能であればステップ7kにおい
て、それまで使用していた地上無線チャネルから上記衛
星無線チャネルへのハンドオフが行なわれる。そして、
以後は次に述べる衛星通信モードに移行する。
【0073】衛星通信モードに移行した移動局(例えば
MS2)では、次のような動作が行なわれる。すなわ
ち、図8に示すようにステップ8aで発呼または着呼に
伴う通信要求の発生が監視される。そして、通信要求が
発生すると、ステップ8bにおいて移動局制御部10か
らチャネルコーデック91に対し、衛星無線チャネルを
用いた通信に適する訂正能力を有するブロック符号の設
定が行なわれる。例えば、リード・ソロモン(34,2
0)符号を使用する場合には、図5に示した8種類の訂
正能力のうちから12消失・1誤り訂正が選択されて、
チャネルコーデック91に設定される。
【0074】次にステップ8cでは、衛星無線チャネル
が捕捉され、以後通信衛星SATを経由して例えば基地
局BS2との間でTDMA−TDD方式による無線通信
が実行される。なお、基地局BS2においても上記移動
局MS1と同様に、上記12消失・1誤り訂正の訂正能
力を有するリード・ソロモン符号がチャネルコーデック
41に設定され、この状態で通信衛星SATを経由して
移動局MS2との間の通信が実行される。図9(a)
は、このとき移動局MS2と基地局BS2との間で送受
信される信号の伝送フォーマットを示すものである。
【0075】したがって、この通信においては、移動局
MS2においてもまた基地局BS2においても,上記1
2消失・1誤り訂正の訂正能力を有するリード・ソロモ
ン符号を使用することにより、消失訂正能力を優先した
消失訂正符号化および復号処理が行なわれる。このた
め、通信衛星SATの移動に伴い、受信スロットの受信
タイミングが例えば図10(a)に示すタイミングから
図10()に示すタイミングに変化し、これにより受
信スロットタイミングが送信スロットタイミングに重な
って受信情報の一部が欠落したとしても、この欠落した
情報は上記消失訂正符号化および復号処理によって回復
される。
【0076】以上の通信中に移動局MS2では、ステッ
プ8dによる通信終了の監視と、ステップ8eによる地
上無線チャネルのRSSIの監視とが繰り返し行なわれ
る。そして、通信が終了すればステップ8fにおいて衛
星無線チャネルが解放され、さらに所定の終話処理が行
なわれたのち、衛星通信モードによる待受状態に復帰す
る。
【0077】一方、上記通信中に移動局MS2が例えば
基地局BS2の無線ゾーンE2内に移動したとする。そ
うすると、移動局MS2では基地局BS2からの地上無
線チャネルを受信可能となる。移動局MS2は、この地
上無線チャネルが受信可能になったことをステップ8e
で検出すると、ステップ8gに移行してここで衛星無線
チャネルから地上無線チャネルへのハンドオフを行な
う。そして、ステップ7bに移行して、ここでチャネル
コーデック91が使用するブロック符号を地上無線チャ
ネルに適した2消失・6誤り訂正の訂正能力を有するリ
ード・ソロモン符号を変更し、以後地上通信モードによ
る通信を行なう。
【0078】すなわち、地上無線チャネルを優先的に使
用した通信が行なわれる。このようにすると、一般に地
上系無線チャネルに比べてチャネル数の少ない衛星無線
チャネルを効率良く使用することができる。
【0079】なお、衛星無線チャネル数が十分ある場合
には、移動局が通信中に地上無線チャネルを受信可能に
なっても、ハンドオフを行なわずに衛星無線チャネルを
使用した通信を通信終了まで続けるようにしてもよい。
【0080】(第2の実施形態)この発明の第2の実施
形態は、基地局BS1,BS2,…と移動局MS1,M
S2,…との間で、地上無線チャネルと衛星無線チャネ
ルとを選択的に使用して無線通信を行なうシステムにあ
って、誤り訂正符号として連接符号を用い、かつ上記地
上無線チャネルと衛星無線チャネルとのうちのどちらを
選択したかによって、上記連接符号の構成を可変設定す
るようにしたものである。
【0081】図11は本実施形態に係わるチャネルコー
デックの構成を示す回路ブロック図である。同図におい
て、先ずチャネル符号化器201は、畳み込み符号化器
211と、リード・ソロモン(RS)符号化器212
と、加算器213と、4個の切替スイッチ214〜21
7とから構成される。このうち畳み込み符号化器211
が使用する畳み込み符号の能力は固定されるが、リード
・ソロモン符号化器212が使用するリード・ソロモン
符号の訂正能力は、制御部5′10′からの制御信号に
よって設定される。加算器213はディジタル情報系列
にテールビットを挿入するために用いられる。各切替ス
イッチ214〜217の状態は制御部5′10′により
制御される。
【0082】次にチャネル復号器202は、ビタビ復号
器221と、リード・ソロモン(RS)復号器222
と、減算器223と、4個の切替スイッチ224〜22
7とから構成される。このうちビタビ復号器221の訂
正能力は固定されているが、リード・ソロモン復号器2
22の訂正能力は制御部5′,10′により可変設定さ
れる。減算器223は受信信号系列からテールビットを
削除するために用いられる。各切替スイッチ224〜2
27の状態は制御部5′,10′により制御される。
【0083】このような構成において、先ず地上無線チ
ャネルによる通信が行なわれる場合には、制御部5′,
10′からリード・ソロモン符号化器212およびリー
ド・ソロモン復号器222に対し、地上無線チャネルに
適した符号誤り訂正能力を持つリード・ソロモン符号が
設定される。例えば、2消失・6誤り訂正の訂正能力を
有するリード・ソロモン符号が設定される。なお、畳み
込み符号化器211では例えば符号化率1/2、拘束長
8の畳み込み符号が用いられる。また、各切替スイッチ
214〜217,224〜227は、制御部5′,1
0′からの切替制御信号により各々“a”側に設定され
る。
【0084】したがって、通信中において、PCMコー
デック42,92から出力されたディジタル送話信号
は、先ず切替スイッチ216を介してリード・ソロモン
符号化器212に入力され、ここで120ビットのブロ
ックごとにリード・ソロモン(34,20)符号により
符号化されて204ビットの符号化ディジタル信号とな
る。このときリード・ソロモン符号の訂正能力は2消失
・6誤り訂正に設定されているため、符号誤り訂正を優
先した誤り訂正符号化が行なわれる。
【0085】上記符号化ディジタル信号は、次に切替ス
イッチ217,214を介して加算器213に入力さ
れ、ここで7ビットのテールビットが付加されたのち畳
み込み符号化器211に入力される。この畳み込み符号
化器211では、上記テールビットの付加により「21
1」ビットとなったディジタル信号に対し、畳み込み符
号による畳み込み符号化が行なわれる。そして、この畳
み込み符号化処理により422ビットとなった符号化デ
ィジタル信号は、切替スイッチ215を介してTDMA
エンコーダ32,82へ送られる。図13(a)は以上
の符号化処理動作を時系列的に示したものである。
【0086】これに対しTDMAデコーダ31,81か
ら出力されたディジタル復調信号は、切替スイッチ22
4を介して先ずビタビ復号器221に入力され、ここで
誤り訂正復号される。そして、この誤り訂正復号された
「211」ビットのディジタル復調信号は、減算器22
3で「7」ビットのテールビットが除去されたのち、切
替スイッチ225,226を介してリード・ソロモン復
号器222に入力される。このリード・ソロモン復号器
222では、上記ディジタル復調信号に対し、2消失・
6誤り訂正の誤り訂正能力を有するリード・ソロモン符
号に基づく復号処理が行なわれる。つまり符号誤り訂正
を優先した復号が行なわれる。そして、この復号された
ディジタル復調信号は切替スイッチ227を介してPC
Mコーデック42,92へ送られる。
【0087】すなわち、地上無線チャネルを使用して通
信を行なう場合に、基地局BS1,BS2,…および移
動局MS1,MS2,…では、リード・ソロモン符号を
外符号とするとともに畳み込み符号を内符号とし、しか
もリード・ソロモン符号自身の訂正能力を符号誤り訂正
を優先したものとした連接符号を使用して、誤り訂正符
号化および復号処理が行なわれる。したがって、地上無
線チャネルの伝送特性に適応した、符号誤り訂正重点の
訂正符号化および復号が行なわれることになり、これに
より高品質の無線伝送が可能となる。
【0088】一方、衛星無線チャネルによる通信が行な
われる場合には、制御部5′,10′からリード・ソロ
モン符号化器212およびリード・ソロモン復号器22
2に対し、衛星無線チャネルに適した消失訂正能力を持
つリード・ソロモン符号が設定される。例えば、12消
失・1誤り訂正の訂正能力を有するリード・ソロモン符
号が設定される。なお、畳み込み符号化器211では、
先に述べた地上無線チャネル使用の場合と同じ符号化率
1/2、拘束長8の畳み込み符号が用いられる。また、
各切替スイッチ214〜217,224〜227は、制
御部5′,10′からの切替制御信号により各々“b”
側に設定される。
【0089】したがって、通信中において、PCMコー
デック42,92から出力されたディジタル送話信号
は、53ビットのブロックごとに切替スイッチ214を
介して加算器213に入力され、ここで7ビットのテー
ルビットが付加されたのち畳み込み符号化器211に入
力される。畳み込み符号化器211では、上記加算器2
13から出力された60ビットのディジタル送話信号に
対し、上記符号化率1/2、拘束長8の畳み込み符号を
用いて符号化が行なわれる。
【0090】そして、この畳み込み符号化により120
ビットとなったディジタル送話信号は、切替スイッチ2
15,216を介してリード・ソロモン符号化器212
に入力され、ここでリード・ソロモン符号により符号化
される。このときリード・ソロモン符号の訂正能力は1
2消失・1誤り訂正に設定されているため、消失訂正を
優先した訂正符号化が行なわれる。そして、このリード
・ソロモン符号による符号化により204ビットとなっ
たディジタル送話信号は、TDMAエンコーダ32,8
2へ送られる。図13(b)は以上の符号化処理動作を
時系列的に示したものである。
【0091】これに対しTDMAデコーダ31,81か
ら出力されたディジタル復調信号は、切替スイッチ22
6を介して先ずリード・ソロモン復号器222に入力さ
れる。このリード・ソロモン復号器222では、上記デ
ィジタル復調信号に対し、12消失・1誤り訂正の誤り
訂正能力を有するリード・ソロモン符号に基づく復号処
理が行なわれる。つまり消失訂正を優先した復号が行な
われる。そして、この復号されたディジタル復調信号は
切替スイッチ227,224を介してビタビ復号器22
1に入力され、ここで誤り訂正復号される。そして、こ
の誤り訂正復号された60ビットのディジタル復調信号
は、減算器223で「7」ビットのテールビットが除去
されたのち、切替スイッチ225を介してPCMコーデ
ック42,92へ送られる。
【0092】すなわち、衛星無線チャネルを使用して通
信を行なう場合に、基地局BS1,BS2,…および移
動局MS1,MS2,…では、畳み込み符号を外符号と
するとともにリード・ソロモン符号を内符号とし、しか
もリード・ソロモン符号自身の訂正能力を消失訂正優先
したものとした連接符号を使用して、誤り訂正符号化お
よび復号処理が行なわれる。したがって、衛星無線チャ
ネルの伝送特性に適応した、消失訂正重点の訂正符号化
および復号が行なわれ、さらに消失訂正後の信号に対し
畳み込み符号による誤り訂正処理も行なわれることにな
る。このため、送信スロットのタイミングを精密に制御
することなく、また大きなガードタイムを設けることな
く、情報の欠落がなくかつ符号誤りの少ない高品質の無
線伝送が可能となる。
【0093】(第3の実施形態)この発明の第3の実施
形態は、消失訂正のための符号化および復号処理を、基
地局BS1,BS2,…および移動局MS1,MS2,
…でそれぞれ行なうとともに、通信衛星SATのトラン
スポンダでも行なうようにしたものである。
【0094】図12は、このトランスポンダの構成を示
す回路ブロック図である。同図において、基地局BS
1,BS2,…および移動局MS1,MS2,…から到
来した無線搬送波信号は、アンテナ111で受信された
のち無線ユニット110の高周波スイッチ(SW)11
2を介して受信回路113に入力される。この受信回路
113では、上記受信された無線搬送波信号が低雑音増
幅器で増幅されたのち、周波数シンセサイザ114から
発生された受信局部発振信号とミキシングされて、受信
中間周波信号または受信ベースバンド信号にダウンコン
バートされる。なお、上記周波数シンセサイザ114か
ら発生される局部発振周波数は衛星制御部150より指
示される。
【0095】上記受信回路113から出力された受信中
間周波信号または受信ベースバンド信号は、モデムユニ
ット120のディジタル復調部121に入力される。こ
のディジタル復調部121では上記受信中間周波信号ま
たは受信ベースバンド信号のディジタル復調が行なわれ
る。TDMAユニット130のTDMAデコーダ131
では、衛星制御部150の指示に従ってタイムスロット
ごとにディジタル復調信号が分解され、この分解された
ディジタル復調信号はコーデックユニット140に入力
される。
【0096】コーデックユニット140は、チャネルコ
ーデック141を備えている。このチャネルコーデック
141は、前記図4に示したようにチャネルエンコーダ
101とチャネルデコーダ102とからなる。チャネル
デコーダ102では、上記TDMAデコーダ131から
出力されたディジタル通話信号に対し消失訂正のための
符号化処理が行なわれる。その後、この符号化処理され
たディジタル通話信号はTDMAエンコーダ132に入
力される。チャネルエンコーダ132に入力される。こ
のチャネルエンコーダ132では、上記上記チャネルコ
ーデック141から出力されたディジタル通話信号が衛
星制御部150により指示されたタイムスロットに挿入
されてディジタル変調部122に入力される。
【0097】ディジタル変調部122では、上記TDM
Aエンコーダ132から出力されたディジタル復調信号
によりディジタル変調された変調波信号が生成され、こ
の変調波信号は送信回路115に入力される。送信回路
115では、上記変調波信号が周波数シンセサイザ11
4から発生された送信局部発振信号とミキシングされる
ことにより、衛星制御部150により指示された無線チ
ャネル周波数に周波数変換され、さらに所定の送信電力
レベルに増幅される。そして、この送信回路115から
出力された無線周波信号は高周波スイッチ112を介し
てアンテナ111から地上に向け送信される。
【0098】ところで、上記チャネルコーデック141
のチャネルエンコーダ101およびチャネルデコーダ1
02には、衛星無線チャネル用の消失訂正能力を有する
ブロック符号が設定されている。このブロック符号の訂
正能力は、前記第1の実施形態において基地局および移
動局が使用したものと同じ12消失・1誤り訂正が用い
られる。
【0099】このような構成であるから、移動局および
基地局から衛星無線チャネルを介して送られた無線搬送
波信号は、低雑音増幅、ディジタル復調およびタイムス
ロット分離が行なわれたのち、チャネルコーデック14
1でリード・ソロモン符号に基づく消失訂正復号が行な
われ、これにより欠落情報が回復される。そして、この
消失訂正されたディジタル復調信号は、チャネルコーデ
ック141でリード・ソロモン符号による消失訂正符号
化が施され、しかるのちタイムスロットの再配置、ディ
ジタル変調、無線搬送波周波数へのアップコンバートお
よび送信増幅が順次行なわれたのち、基地局および移動
局に向け送信される。
【0100】したがって、移動局および基地局ばかりで
なく、通信衛星SAT上でも消失訂正処理が行なわれて
欠落情報の回復が図られるので、移動局および基地局の
みで消失訂正を行なう場合に比べて、消失訂正能力をさ
らに高めることができ、これにより伝送品質をさらに向
上させることができる。
【0101】なお、この発明は上記各実施形態に限定さ
れるものではない。例えば、上記各実施形態では衛星無
線チャネルを介して移動局と基地局との間を接続する場
合を例にとって説明したが、衛星無線チャネルを介して
移動局間を接続するようにしてもよい。
【0102】また、前記各実施形態ではブロック符号と
してリード・ソロモン(32,20)符号を使用し、選
択した無線チャネルの種類に応じて消失訂正ビット数と
誤り訂正ビット数との割合を変更するようにしたが、選
択した無線チャネルの種類に応じて消失訂正能力の異な
る別種のブロック符号を選択するようにしてもよい。一
例として、リード・ソロモン符号およびBCH符号をあ
げることができる。
【0103】さらに、通信衛星SATの位置や通信中に
伝送路の品質を監視し、その監視結果に応じてブロック
符号における消失訂正ビット数と誤り訂正ビット数との
割合を適応的に可変するようにしてもよい。例えば、情
報欠落が発生しない位置に通信衛星SATが存在する時
には、ブロック符号における消失訂正ビット数を減らし
て代わりに誤り訂正ビット数を増やし、一方情報欠落が
発生する位置に通信衛星SATが存在する時には、ブロ
ック符号における消失訂正ビット数を増やして代わりに
誤り訂正ビット数を減らす。このようにすると、衛星無
線チャネルの伝送品質に応じてさらに効率の良い誤り訂
正を行なうことができる。
【0104】さらに、地上無線チャネルおよび衛星無線
チャネルのアクセス方式には、FDMA−TDD方式を
採用してもよく、その他誤り訂正符号の種類やハンドオ
フの手順、移動局および基地局の構成、通信衛星のトラ
ンスポンダの構成等についても、この発明の要旨を逸脱
しない範囲で種々変形して実施できる。
【0105】さらに、地上無線チャネルおよび衛星無線
チャネルのアクセス方式としてCDMA−TDD方式を
用いることも勿論可能である。その場合は、例えば図
2,図3,図13のTDMAユニットを拡散変調・復調
が可能なCDMAユニットと置き換えることで実現可能
である。
【0106】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明は、無線局
がディジタル情報系列を送信する際に、入力ディジタル
情報系列に対し所定の誤り訂正能力を有する第1の誤り
訂正符号を用いて符号化を行ったのち、この符号化され
たディジタル情報系列に対しさらに所定の消失訂正能力
を有する第2の誤り訂正符号を用いて符号化を行ない、
この符号化されたディジタル情報系列をディジタル変調
したのち所定の送信期間に無線チャネルへ送信する。一
、ディジタル情報系列を受信し再生する際に、上記
無線チャネルを介して所定の受信期間に到来した無線信
号を受信復調したのち、その復調信号に対し先ず前記第
2の誤り訂正符号に基づく消失訂正復号処理を行なって
消失した情報を回復し、続いてこの消失訂正復号処理さ
れた復調信号に対し前記第1の誤り訂正符号を用いて誤
り訂正処理を行なうようにしたものである。
【0107】したがってこの発明によれば、精密なタイ
ミング制御を行なったり大きなガードタイムを設けるこ
となく高品質の無線通信を行なうことができ、これによ
り伝搬遅延時間の経時変化が大きい場合でも簡単な制御
で伝送効率の良い無線通信を実現できるTDD無線通信
システムおよびこのシステムで使用される無線通信装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるTDD無線通信システムの第
1の実施形態を示す概略構成図。
【図2】図1に示したシステムの基地局の構成を示す回
路ブロック図。
【図3】図1に示したシステムの移動局の構成を示す回
路ブロック図。
【図4】図2および図3に示した基地局および移動局の
チャネルコーデックの構成を示す回路ブロック図。
【図5】リード・ソロモン符号における消失訂正能力と
誤り訂正能力との組み合わせ例を示す図。
【図6】図2および図3に示した基地局および移動局に
おける初期化動作の手順および内容を示すフローチャー
ト。
【図7】図2および図3に示した基地局および移動局に
おける地上通信モードの動作手順および内容を示すフロ
ーチャート。
【図8】図2および図3に示した基地局および移動局に
おける衛星通信モードの動作手順および内容を示すフロ
ーチャート。
【図9】衛星無線チャネル使用時および地上チャネル使
用時に送受信される伝送信号のフォーマットを示す図。
【図10】対衛星距離が最小のときおよび最大のときの
送受信タイミングの一例を示す図。
【図11】この発明の第2の実施形態に係わるチャネル
コーデックの構成を示す回路ブロック図。
【図12】図11に示したチャネルコーデックの動作を
説明するための図。
【図13】この発明の第3の実施形態に係わる衛星に搭
載されるトランスポンダの構成を示す回路ブロック図。
【図14】衛星高度に対する伝搬遅延時間の変化例を示
す図。
【符号の説明】
BS1,BS2,…基地局 E1,E2,…無線ゾーン(セル) MS1,MS2,…移動局 SAT…通信衛星 1,6,110…無線ユニット 11,61,111…アンテナ 12,62,112…高周波スイッチ(SW) 13,63,113…受信回路 14,64,114…周波数シンセサイザ 15,65,115…送信回路 16,66,116…受信電界強度(RSSI)検出器 2,7,120…モデムユニット 21,71,121…ディジタル復調部(DEM) 22,72,122…ディジタル変調部(MOD) 3,8,130…TDMAユニット 31,81,131…TDMAデコーダ 32,82,132…TDMAエンコーダ 4,9…通話ユニット 140…コーデックユニット 41,91,141…チャネルコーデック 42,92…PCMコーデック 43…回線インタフェース回路(H) 93…スピーカ 94…マイクロホン 5,5′…基地局制御部 10,10′…移動局制御部 150…衛星制御部 101…チャネルエンコーダ 102…チャネルデコーダ 201…チャネル符号化器 202…チャネル復号器 211…畳み込み符号化器 212…リード・ソロモン(RS)符号化器 213…加算器 214〜217,224〜227… 221…ビタビ復号器 222…リード・ソロモン(RS)復号器 223…減算器

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が移動可能な第1の無線
    局と第2の無線局との間で、無線チャネルを介してTD
    D方式による無線通信を行なうTDD無線通信システム
    において、 前記第1の無線局は、 入力ディジタル情報系列に対し所定の誤り訂正能力を有
    する第1の誤り訂正符号を用いて符号化を行なう誤り訂
    正符号化手段と、 この誤り訂正符号化手段により符号化されたディジタル
    情報系列に対し所定の消失訂正能力を有する第2の誤り
    訂正符号を用いて符号化を行なう消失訂正符号化手段
    と、 この消失訂正符号化手段により符号化されたディジタル
    情報系列を、所定のディジタル変調方式で変調したのち
    所定の送信期間に前記無線チャネルへ送信するための送
    信手段とを備え、 前記第2の無線局は、 前記無線チャネルを介して所定の受信期間に到来した無
    線信号を受信したのちディジタル復調して復調信号を出
    力するための受信手段と、 この受信手段から出力された復調信号に対し、先ず前記
    第2の誤り訂正符号に基づく消失訂正復号処理を行なっ
    て消失した情報を回復する消失訂正復号手段と、 この消失訂正復号手段により消失訂正復号処理された復
    調信号に対し、前記第1の誤り訂正符号を用いて誤り訂
    正処理を行なうための誤り訂正復号手段とを具備したこ
    とを特徴とするTDD無線通信システム。
  2. 【請求項2】 前記無線チャネルは、前記第1の無線局
    から前記第2の無線局へ伝送される無線信号を中継する
    周回衛星を含むことを特徴とする請求項1記載のTDD
    無線通信システム。
  3. 【請求項3】 前記誤り訂正符号化手段は、入力ディジ
    タル情報系列に対し畳み込み符号を用いて誤り訂正符号
    化処理を行ない、 前記消失訂正符号化手段は、前記誤り訂正符号化手段に
    より誤り訂正符号化処理されたディジタル情報系列に対
    し、所定の消失訂正能力を持たせたブロック符号を用い
    て消失訂正符号化処理を行ない、 前記消失訂正復号手段は、復調信号に対し前記ブロック
    符号に基づく消失訂正処理を行ない、 かつ前記誤り訂正復号手段は、前記消失訂正復号手段に
    より消失訂正処理された復調信号に対し、ビタビ復号器
    を用いて誤り訂正処理を行なうことを特徴とする請求項
    1記載のTDD無線通信システム。
  4. 【請求項4】 複数の無線通信装置間で無線チャネルを
    介してTDD方式による無線通信を行なうTDD無線通
    信システムで使用される前記無線通信装置において、 入力ディジタル情報系列に対し所定の誤り訂正能力を有
    する第1の誤り訂正符号を用いて符号化を行なう誤り訂
    正符号化手段と、 この誤り訂正符号化手段により符号化されたディジタル
    情報系列に対し所定の消失訂正能力を有する第2の誤り
    訂正符号を用いて符号化を行なう消失訂正符号化手段
    と、 この消失訂正符号化手段により符号化されたディジタル
    情報系列を、所定のディジタル変調方式で変調したのち
    所定の送信期間に前記無線チャネルへ送信するための送
    信手段と、 前記無線チャネルを介して所定の受信期間に到来した無
    線信号を受信したのちディジタル復調して復調信号を出
    力するための受信手段と、 この受信手段から出力された復調信号に対し、先ず前記
    第2の誤り訂正符号に基づく消失訂正復号処理を行なっ
    て消失した情報を回復する消失訂正復号手段と、 この消失訂正復号手段により消失訂正復号処理された復
    調信号に対し、前記第1の誤り訂正符号を用いて誤り訂
    正処理を行なうための誤り訂正復号手段とを具備したこ
    とを特徴とする無線通信装置。
  5. 【請求項5】 前記誤り訂正符号化手段は、入力ディジ
    タル情報系列に対し畳み込み符号を用いて誤り訂正符号
    化処理を行ない、 前記消失訂正符号化手段は、前記誤り訂正符号化手段に
    より誤り訂正符号化処理されたディジタル情報系列に対
    し、所定の消失訂正能力を持たせたブロック符号を用い
    て消失訂正符号化処理を行ない、 かつ前記消失訂正復号手段は、復調信号に対し前記ブロ
    ック符号に基づく消失訂正処理を行ない、 前記誤り訂正復号手段は、前記消失訂正復号手段により
    消失訂正処理された復調信号に対し、ビタビ復号器を用
    いて誤り訂正処理を行なうことを特徴とする請求項4記
    載の無線通信装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方が移動可能な第1の無線
    局および第2の無線局と、 これらの無線局間でTDD方式により伝送される無線信
    号を中継する周回衛星とを具備し、 前記第1の無線局は、 入力ディジタル情報系列に対し、所定の消失訂正能力を
    有する誤り訂正符号を用いて符号化を行なうための符号
    化手段と、 この符号化手段により符号化されたディジタル情報系列
    を、所定のディジタル変調方式で変調したのち所定の送
    信期間に前記周回衛星へ送信するための送信手段とを備
    え、 前記周回衛星は、 前記第1の無線局から所定の中継受信期間に到来した無
    線信号を受信したのちディジタル復調して復調信号を出
    力するための中継受信手段と、 この中継受信手段から出力された復調信号に対し、前記
    誤り訂正符号に基づく消失訂正復号処理を行なって前記
    所定の中継受信期間内に受信されずに消失した情報を回
    復するための中継復号手段と、 この中継復号手段により消失訂正復号処理された信号系
    列に対し、所定の消失訂正能力を有する中継誤り訂正符
    号を用いて符号化を行なうための中継符号化手段と、 この中継符号化手段により符号化された信号系列を、前
    記所定のディジタル変調方式で変調したのち所定の中継
    送信期間に前記第2の無線局へ送信するための中継送信
    手段とを備え、 前記第2の無線局は、 前記周回衛星から所定の受信期間に到来した無線信号を
    受信したのちディジタル復調して復調信号を出力するた
    めの受信手段と、 この受信手段から出力された復調信号に対し、前記中継
    誤り訂正符号に基づく消失訂正復号処理を行なって前記
    所定の受信期間内に受信されずに消失した情報を回復す
    るための復号手段とを具備したことを特徴とするTDD
    無線通信システム。
  7. 【請求項7】 前記符号化手段は、 入力ディジタル情報系列に対し所定の誤り訂正能力を有
    する第1の誤り訂正符号を用いて符号化を行なう誤り訂
    正符号化手段と、 この誤り訂正符号化手段により符号化されたディジタル
    情報系列に対し所定の消失訂正能力を有する第2の誤り
    訂正符号を用いて符号化を行なう消失訂正符号化手段と
    を備え、 前記中継復号手段は、 前記中継受信手段から出力された復調信号に対し、先ず
    前記第2の誤り訂正符号に基づく消失訂正復号処理を行
    なって消失した情報を回復する中継用消失訂正復号手段
    と、 この中継用消失訂正復号手段により消失訂正復号処理さ
    れた復調信号に対し、前記第1の誤り訂正符号を用いて
    誤り訂正処理を行なうための中継用誤り訂正復号手段と
    を備え、 前記中継符号化手段は、 前記中継用誤り訂正手段により誤り訂正処理されたディ
    ジタル信号系列に対し、所定の誤り訂正能力を有する第
    1の中継誤り訂正符号を用いて誤り訂正処理を行なうた
    めの中継用誤り訂正符号化手段と、 この中継用誤り訂正符号化手段により符号化されたディ
    ジタル信号系列に対し、所定の消失訂正能力を有する第
    2の中継誤り訂正符号を用いて符号化を行なう中継用消
    失訂正符号化手段とを備え、 かつ前記復号手段は、 前記受信手段から出力された復調信号に対し、先ず前記
    第2の中継誤り訂正符号に基づく消失訂正復号処理を行
    なって消失した情報を回復する消失訂正復号手段と、 この消失訂正復号手段により消失訂正復号処理された復
    調信号に対し、前記第1の中継誤り訂正符号を用いて誤
    り訂正処理を行なうための誤り訂正復号手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項6記載のTDD無線通信システ
    ム。
  8. 【請求項8】 サービスエリアに分散配置され、各々が
    有線通信網に接続された複数の基地局と、 これらの基地局のうち選択された基地局との間で地上系
    無線チャネルを介してTDD方式による無線通信を行な
    う複数の移動局と、 前記移動局と基地局との間または移動局相互間を衛星系
    無線チャネルを介して選択的に接続してTDD方式によ
    る無線中継通信を行なう周回衛星とを具備し、 前記複数の移動局および複数の基地局の各々は、 前記地上系無線チャネルを介して通信を行なうか前記衛
    星系無線チャネルを介して通信を行なうかを選択するた
    めの無線チャネル選択手段と、 この無線チャネル選択手段により地上系無線チャネルが
    選択された場合には誤り訂正能力を優先した第1の誤り
    訂正符号を選択し、衛星系無線チャネルが選択された場
    合には消失訂正能力を優先した第2の誤り訂正符号を選
    択するための符号選択手段と、 この符号選択手段により選択された第1または第2の誤
    り訂正符号を用いて入力ディジタル情報系列に対し符号
    化を行なうための符号化手段と、 この符号化手段により符号化されたディジタル情報系列
    を、所定のディジタル変調方式で変調したのち所定の送
    信期間に前記無線チャネル選択手段により選択された地
    上系または衛星系無線チャネルへ送信するための送信手
    段と、 前記地上系または衛星系無線チャネルを介して所定の受
    信期間に到来した無線信号を受信したのちディジタル復
    調して復調信号を出力するための受信手段と、 前記符号選択手段により第1の誤り訂正符号が選択され
    た場合には、前記受信手段から出力された復調信号に対
    し前記第1の誤り訂正符号を基に誤り訂正を優先した復
    号処理を行ない、一方前記符号選択手段により第2の誤
    り訂正符号が選択された場合には、前記受信手段から出
    力された復調信号に対し前記第2の誤り訂正符号に基づ
    き消失訂正を優先した復号処理を行なって、前記所定の
    受信期間内に受信されずに消失した情報を回復する復号
    手段とを具備したことを特徴とするTDD無線通信シス
    テム。
  9. 【請求項9】 前記周回衛星は、 前記衛星系無線チャネルを介して所定の中継受信期間に
    到来した無線信号を受信したのちディジタル復調して復
    調信号を出力するための中継受信手段と、 この中継受信手段から出力された復調信号に対し前記第
    2の誤り訂正符号に基づき消失訂正を優先した復号処理
    を行なって、前記所定の中継受信期間内に受信されずに
    消失した情報を回復するための中継復号手段と、 この中継復号手段により消失訂正復号処理された信号系
    列に対し、所定の消失訂正能力を有する中継誤り訂正符
    号を用いて符号化を行なうための中継符号化手段と、 この中継符号化手段により符号化された信号系列を、前
    記所定のディジタル変調方式で変調したのち所定の中継
    送信期間に前記衛星系無線チャネルへ送信するための中
    継送信手段とを備えたことを特徴とする請求項8記載の
    TDD無線通信システム。
  10. 【請求項10】 前記符号選択手段は、無線チャネル選
    択手段により地上系無線チャネルが選択された場合に
    は、ブロック符号を外符号としかつ畳み込み符号を内符
    号としてそれぞれ選択し、 符号化手段は、入力ディジタル情報系列に対し、先ず前
    記ブロック符号を用いて符号化処理を行ない、次にこの
    符号化処理後の情報系列に対し前記畳み込み符号を用い
    て符号化処理を行ない、 復号手段は、前記受信手段から出力された復調信号に対
    し、先ずビタビ復号器を用いて誤り訂正復号処理を行な
    い、次にこの誤り訂正復号された信号系列に対し前記ブ
    ロック符号に基づき復号処理を行なうことを特徴とする
    請求項8記載のTDD無線通信システム。
  11. 【請求項11】 前記符号選択手段は、無線チャネル選
    択手段により衛星系無線チャネルが選択された場合に
    は、ブロック符号を内符号としかつ畳み込み符号を外符
    号としてそれぞれ選択し、 符号化手段は、入力ディジタル情報系列に対し、先ず前
    記畳み込み符号を用いて誤り訂正符号化処理を行ない、
    次にこの符号化処理後の情報系列に対し前記ブロック符
    号を用いて符号化処理を行ない、 復号手段は、前記受信手段から出力された復調信号に対
    し、先ず前記ブロック符号に基づき消失訂正を優先した
    復号処理を行なって、前記所定の受信期間内に受信され
    ずに消失した情報を回復し、次にこの復号処理後の信号
    系列に対し前記畳み込み訂正符号を用いて誤り訂正復号
    処理を行なうことを特徴とする請求項8記載のTDD無
    線通信システム。
  12. 【請求項12】 前記無線チャネル選択手段は、地上系
    無線チャネルの受信品質を測定し、測定された受信品質
    が所定の条件を満足する場合に地上系無線チャネルを選
    択し、満足しない場合に衛星系無線チャネルを選択する
    ことを特徴とする請求項8記載のTDD無線通信システ
    ム。
  13. 【請求項13】 前記無線チャネル選択手段は、 地上系無線チャネルを介して基地局との間で通信が行な
    われている期間に、この通信中の地上系無線チャネルの
    受信品質を監視して、受信品質が所定の条件を満足して
    いるか否かを判定する監視手段と、 この監視手段により受信品質が所定の条件を満足しない
    と判定された場合に、通信状態を保持した上で前記通信
    中の地上系無線チャネルを衛星系無線チャネルに切り替
    える第1の無線チャネル切替手段とを備えたことを特徴
    とする請求項8記載のTDD無線通信システム。
  14. 【請求項14】 前記無線チャネル選択手段は、 衛星系無線チャネルを介して通信が行なわれている期間
    に、地上系無線チャネルの受信品質を測定し、この測定
    結果を基に受信品質が所定の条件を満足する地上系無線
    チャネルの有無を判定する第1の判定手段と、 この判定手段により、受信品質が所定の条件を満足する
    地上系無線チャネルがあると判定された場合に、前記通
    信中の衛星系無線チャネルを前記地上系無線チャネルに
    切り替える第2の無線チャネル切替手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項8記載のTDD無線通信システム。
  15. 【請求項15】 前記無線チャネル選択手段は、 地上系無線チャネルを介して基地局との間で通信が行な
    われている期間に、この通信中の地上系無線チャネルの
    受信品質を監視して、受信品質が所定の条件を満足して
    いるか否かを判定する監視手段と、 前記通信中の基地局以外の基地局から送信されている他
    の地上系無線チャネルの受信品質を測定し、この測定結
    果を基に受信品質が所定の条件を満足する他の地上系無
    線チャネルの有無を判定する第2の判定手段と、 前記監視手段により受信品質が所定の条件を満足しない
    と判定され、かつ前記第2の判定手段により受信品質が
    所定の条件を満足する他の地上系無線チャネルがあると
    判定された場合に、通信状態を保持した上で前記通信中
    の地上系無線チャネルを前記他の地上系無線チャネルに
    切り替える第3の無線チャネル切替手段と、 前記監視手段により受信品質が所定の条件を満足しない
    と判定され、かつ前記第2の判定手段により受信品質が
    所定の条件を満足する他の地上系無線チャネルがないと
    判定された場合に、通信状態を保持した上で前記通信中
    の地上系無線チャネルを前記衛星系無線チャネルに切り
    替える第4の無線チャネル切替手段とを備えたことを特
    徴とする請求項8記載のTDD無線通信システム。
  16. 【請求項16】 地上系無線チャネルを介してTDD方
    式による無線通信が可能な複数の無線通信装置間を、衛
    星系無線チャネルを介して選択的に接続してTDD方式
    による無線通信を行なうTDD無線通信システムで使用
    される前記無線通信装置において、 前記地上系無線チャネルを介して通信を行なうか前記衛
    星系無線チャネルを介して通信を行なうかを選択するた
    めの無線チャネル選択手段と、 この無線チャネル選択手段により地上系無線チャネルが
    選択された場合には誤り訂正能力を優先した第1の誤り
    訂正符号を選択し、衛星系無線チャネルが選択された場
    合には消失訂正能力を優先した第2の誤り訂正符号を選
    択するための符号選択手段と、 この符号選択手段により選択された第1または第2の誤
    り訂正符号を用いて入力ディジタル情報系列に対し符号
    化を行なうための符号化手段と、 この符号化手段により符号化されたディジタル情報系列
    を、所定のディジタル変調方式で変調したのち所定の送
    信期間に前記無線チャネル選択手段により選択された地
    上系または衛星系無線チャネルへ送信するための送信手
    段と、 前記地上系または衛星系無線チャネルを介して所定の受
    信期間に到来した無線信号を受信したのちディジタル復
    調して復調信号を出力するための受信手段と、 前記符号選択手段により第1の誤り訂正符号が選択され
    た場合には、前記受信手段から出力された復調信号に対
    し前記第1の誤り訂正符号を基に誤り訂正を優先した復
    号処理を行ない、一方前記符号選択手段により第2の誤
    り訂正符号が選択された場合には、前記受信手段から出
    力された復調信号に対し前記第2の誤り訂正符号に基づ
    き消失訂正を優先した復号処理を行なって、前記所定の
    受信期間内に受信されずに消失した情報を回復する復号
    手段とを具備したことを特徴とする無線通信装置。
  17. 【請求項17】 誤り訂正符号を用いた誤り訂正処理機
    能と、ブロック符号をもとに位置が既知で大きさが未知
    の消失を訂正するための消失訂正処理機能とを有した移
    動局との間で、無線チャネルを介してTDD方式による
    無線通信を行なう、TDD無線通信システムで使用され
    る基地局において、入力ディジタル情報系列に対し、所定の誤り訂正能力を
    有する第1の誤り訂正符号を用いて符号化を行なう誤り
    訂正符号化手段と、 この誤り訂正符号化手段により符号化されたディジタル
    情報系列に対し、所定の消失訂正能力を有する前記ブロ
    ック符号からなる第2の誤り訂正符号を用いて符号化を
    行なう消失訂正符号化手段と、 この消失訂正符号化手段により 符号化されたディジタル
    情報系列を、所定のディジタル変調方式で変調したのち
    所定の送信期間に前記無線チャネルへ送信するための送
    信手段とを具備したことを特徴とする基地局。
  18. 【請求項18】 入力ディジタル情報系列に対し、所定
    誤り訂正能力を有する第1の誤り訂正符号を用いて符
    号化処理を行ったのち、所定の消失訂正能力を有するブ
    ロック符号からなる第2の誤り訂正符号を用いて符号化
    処理を行い送信する機能を備えた基地局との間で、無線
    チャネルを介してTDD方式による無線通信を行なう、
    TDD無線通信システムで使用される移動局において、 前記無線チャネルを介して所定の受信期間に到来した無
    線信号を受信したのちディジタル復調して復調信号を出
    力するための受信手段と、 この受信手段から出力された復調信号に対し、前記第2
    の誤り訂正符号に基づいて位置が既知で大きさが未知の
    消失を訂正するための処理を行なって、前記所定の受信
    期間内に受信されずに消失した情報を回復する消失訂正
    復号手段とこの消失訂正復号手段により消失訂正復号処理された復
    調信号に対し、前記第1の誤り訂正符号を用いて誤り訂
    正処理を行なうための誤り訂正復号手段と を具備したこ
    とを特徴とする移動局。
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