JP3294891B2 - 内燃機関の直打式動弁機構 - Google Patents

内燃機関の直打式動弁機構

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JP3294891B2
JP3294891B2 JP05023793A JP5023793A JP3294891B2 JP 3294891 B2 JP3294891 B2 JP 3294891B2 JP 05023793 A JP05023793 A JP 05023793A JP 5023793 A JP5023793 A JP 5023793A JP 3294891 B2 JP3294891 B2 JP 3294891B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の直打式動弁
機構に関し、特に、その固有振動数を高めて内燃機関の
高回転化に対応するための技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】最近は内燃機関の高回転化の要求がます
ます高まっている。内燃機関の最高回転数は主に、動弁
機構がサージングを起こす固有振動数により決定され、
この固有振動数はバルブスプリングのバネ荷重を大きく
する程高くなる。しかし、単にバルブスプリングのバネ
荷重を大きくすると、バルブスプリングの設計が難しく
なるとか、内燃機関の低回転時にカムとバルブリフタと
の摩擦抵抗が増大し、燃費が悪化するとかという問題が
あった。そこで、これらの問題を生じさせることなくバ
ネ荷重を大きくするため、種々の手段が検討されてい
る。
【0003】その一手段として、先に本出願人は図6に
示すように、シリンダヘッド41の凹壁42とその内部
に摺動可能に配設した直打式バルブリフタ43との間
に、該バルブリフタ43の下降により内部のエア圧が高
まる略密閉された密閉室44を形成し、該密閉室44と
大気とを連通させる通気路45を設け、該通気路45に
逆止弁46を設けてなる直打式動弁機構を提案した(実
開平3−104104号公報参照)。
【0004】この直打式動弁機構によれば、バルブスプ
リング47の付勢力によるバネ荷重に、密閉室44のエ
ア圧によるバネ荷重が加算されるので、合計のバネ荷重
が大きくなり、動弁機構の固有振動数を高くすることが
できた。また、内燃機関の低回転時には、図示しない切
換バルブにより密閉室44を大気に連通させてエア圧を
発生させないようにし、カム48とバルブリフタ43と
の摩擦抵抗の増大を防ぐこともできた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この直打式
動弁機構では、バルブスプリング47の上端を受けるリ
テーナ49の外周縁とバルブリフタ43の内壁面との間
が離れていたため、前記エア圧によるバネ荷重はもっぱ
らバルブリフタ43に負荷され、リテーナ49には負荷
されなかった。従って、エア圧によるバネ荷重の増大効
果は、バルブリフタ43及びアウターシム50の慣性重
量分に対してのみ発揮され、リテーナ49、コッタ51
及びバルブ52の慣性重量分に対しては発揮されなかっ
た。このため、エア圧を高くしても、バルブリフタ43
及びアウターシム50の慣性重量分を越えると、それ以
上効果は高くならなかった。
【0006】本発明の目的は、上記課題を解決し、エア
圧によるバネ荷重の増大効果がバルブリフタ、シム、リ
テーナ、コッタ、バルブ等の直打式動弁機構の略全体の
慣性重量分に対して発揮され、これにより固有振動数が
高くなり内燃機関の高回転化に対応することができる新
規な直打式動弁機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の内燃機関の直打式動弁機構においては、シ
リンダヘッドに設けられた凹壁の内底面と該凹壁内に摺
動可能に配設された倒立カップ状の直打式バルブリフタ
との間に、該直打式バルブリフタの下降により内部のエ
ア圧が高まるよう略密閉された密閉室を形成し、バルブ
ステムに取付けられてバルブスプリングの上端を受ける
リテーナに、該リテーナの外周縁から外周方向に突出し
て直打式バルブリフタの内周面に密着するリング状のシ
ール部材を設けるという手段を採用した(請求項1)。
【0008】ここで、シール部材は弾性材よりなるもの
が好ましく、直打式バルブリフタの内周面に密着したと
きに外周方向への付勢力を生じさせる寸法又は形状に形
成されたものであることが好ましい(請求項2)。弾性
材としては、ゴム又はゴム状合成樹脂を使用できる。こ
のようなシール部材としては、Oリング、断面舌状のシ
ールパッキン、断面股状のシールパッキン等を例示でき
る。
【0009】例えば、シール部材は剛性材よりなる取付
体に固定され、該取付体はリテーナの外周縁及び下面に
下方から遊嵌される(請求項3)。この剛性材として
は、金属、セラミックス、硬質合成樹脂等を使用でき
る。
【0010】あるいは、シール部材はリテーナの外周縁
に形成された取付溝に嵌着される(請求項4)。
【0011】さらに、リテーナ又はバルブステムに、該
リテーナと該バルブステムとの間をシールするシール体
を設けることが好ましい(請求項5)。このシール体と
しては、Oリング、断面舌状のシールパッキン、断面股
状のシールパッキン等を例示できる。
【0012】また、直打式バルブリフタに、該直打式バ
ルブリフタの内天面とリテーナ及びシール部材の上面と
の間にできた空間のエア圧を抜くためのエア抜き孔を設
けることが好ましい(請求項6)。
【0013】また、密閉室に切換バルブを介してエア圧
送源を接続し、該切換バルブは、内燃機関の低速回転時
には密閉室を大気に連通させ、内燃機関の高速回転時に
は密閉室をエア圧送源に連通させるよう構成することが
好ましい(請求項7)。
【0014】
【作用】請求項1記載の直打式動弁機構によれば、カム
の回転によりバルブリフタが下降すると、バルブリフタ
の変位に略比例して密閉室のエアが圧縮され内部のエア
圧が高まる。このエア圧によるバネ荷重がバルブスプリ
ングによるバネ荷重に加算されるので、合計のバネ荷重
が大きくなる。このとき、リテーナの外周縁に設けられ
たシール部材はバルブリフタの内周面に密着しているの
で、密閉室のエアがリテーナの外周縁とバルブリフタの
内周面との間を経てリテーナより上方に洩れることがな
い。このため、エア圧によるバネ荷重はリテーナ及びシ
ール部材に負荷され、これらを介してバルブ、バルブリ
フタ及びシムにも負荷される。従って、エア圧によるバ
ネ荷重増大の効果は、バルブリフタ、シム、リテーナ、
シール部材、コッタ及びバルブ等の直打式動弁機構の略
全体の慣性重量分に対して発揮される。
【0015】請求項2記載の直打式動弁機構によれば、
シール部材が、直打式バルブリフタの内周面に密着した
ときに、外周方向への付勢力を生じさせるので、密着状
態が維持され、リテーナとバルブリフタとの間にエア洩
れが起きない。
【0016】請求項3記載の直打式動弁機構によれば、
シール部材の取付体がリテーナの外周縁及び下面に遊嵌
されているので、たとえバルブリフタの中心軸とバルブ
ステムの中心軸との同軸度が出ていなくても、取付体が
リテーナに対して若干ずれることにより、バルブリフタ
の中心軸とシール部材の中心軸との同軸度が自動調整さ
れ、シール部材の全外周縁が均等にバルブリフタの内周
面に密着する。また、取付体はバルブスプリングの上端
を受けるため、常にリテーナ側に付勢されて密着し、該
リテーナとの間からのエア洩れが起きない。
【0017】請求項4記載の直打式動弁機構によれば、
リテーナの外周縁に形成された取付溝にシール部材を嵌
着する構造なので、構造が簡単になり、また、内燃機関
の高回転時にバルブスプリングが追従しないような場合
でも、リテーナとシール部材とが離れる心配がなく、シ
ール性を維持する。
【0018】請求項5記載の直打式動弁機構によれば、
シール体がリテーナとバルブステムとの間をシールする
ので、密閉室のエアがこれらの間を経てリテーナより上
方に洩れることがない。このため、エア圧によるバネ荷
重は、より確実にリテーナ及びシール部材に負荷され、
これらを介してバルブ、バルブリフタ及びシムにも負荷
される。
【0019】請求項6記載の直打式動弁機構によれば、
バルブリフタにエア抜き孔を設けたので、バルブリフタ
の内天面とリテーナ及びシール部材の上面との間にでき
た空間に若干エア圧が加わったとしても、このエア圧を
消失させることができる。
【0020】請求項7記載の直打式動弁機構によれば、
内燃機関の低回転時には、切換バルブが密閉室を大気に
連通させ、バネ荷重はバルブスプリングの付勢力による
バネ荷重のみとなる。従って、カムとバルブリフタとの
間の摩擦抵抗が無用に増大することがない。また、内燃
機関の高回転時には、切換バルブが密閉室をエア圧送源
に連通させ、該エア圧送源からエアが密閉室に圧送され
る。従って、このエアの圧送量を調節することにより、
密閉室のエア圧を高め、固有振動数をさらに高めること
ができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を具体化した内燃機関の直打式
動弁機構の第一実施例について、図1及び図2を参照し
て説明する。内燃機関のシリンダヘッド1には上部が開
口した断面円形の凹壁2が穿設され、該凹壁2の内部に
は前記開口を塞ぐ倒立カップ状の直打式バルブリフタ3
が摺動可能に配設されている。バルブリフタ3の上面に
形成された凹所には、カム27の摺接を受けるアウター
シム28が嵌合されている。凹壁2とバルブリフタ3と
の間には略密閉された密閉室4が形成され、該密閉室4
内のエア圧はバルブリフタ3が下降すると高まるように
なっている。
【0022】前記凹壁2の下部には膨径部2aが環状に
凹設され、該膨径部2aからシリンダヘッド1には密閉
室4に開口した通気路10が貫設されている。この通気
路10には切換バルブ11及び逆止弁12を介してエア
圧送源13(エアポンプ又はエアタンク)が接続されて
いる。切換バルブ11には電磁バルブが使用され、内燃
機関の低回転時には密閉室4を大気に連通させ、内燃機
関の高回転時には密閉室4をエア圧送源13に連通させ
るように構成されている。
【0023】前記凹壁2の底部には円筒状のバルブガイ
ド5が嵌着され、該バルブガイド5には吸気又は排気用
バルブ6のバルブステム6aが軸方向に摺動可能に装着
されている。このバルブステム6aは密閉室4内を通過
して、バルブリフタ3の内天面のバルブ当り部に上端を
当接させている。また、このバルブステム6aの上端部
にはコッタ7を介して鍔状のリテーナ8が嵌着されてい
る。
【0024】前記リテーナ8には、その外周縁から外周
方向に延出してバルブリフタ3の内周面に密着する、リ
ング状のシール部材としてのシールパッキン14が取付
けられている。このシールパッキン14は、リテーナ8
の外周縁に下方から遊嵌される取付体15に固定され、
該取付体15を介してリテーナ8に取付けられている。
取付体15は鋼板をリング状かつ断面鉤状に加工してな
り、リテーナ8の下面に下方から当接する水平な当接部
17と、該当接部17の外端から起立しリテーナ8の外
周縁を取囲む起立部18と、該起立部18の上端から水
平に折曲したフランジ部19とを備えている。図2に示
すように、シールパッキン14はフッ素樹脂をスカート
状に成形してなり、起立部18及びフランジ部19に接
着された固定部20と、該固定部20から斜め下方に延
びてバルブリフタ3の内周面に密着するシール部21と
を備えている。
【0025】前記シールパッキン14のシール部21は
バルブリフタ3の内径よりやや大きく形成され、内周側
にややすぼめるようにしてバルブリフタ3の内周面に圧
入されているため、常に外周方向への付勢力をもち、該
バルブリフタ3との間からエア洩れが起きないようにな
っている。図2に示すように、起立部18の内径はリテ
ーナ8の外径より所定のクリアランス分だけ大きく形成
されているため、たとえバルブリフタ3の中心軸とバル
ブ6の中心軸との同軸度が出ていなくても、取付体15
がシールパッキン14を伴ってリテーナ8に対し前記ク
リアランス分だけずれることにより、バルブリフタ3の
中心軸とシールパッキン14の中心軸との同軸度が自動
調整され、シール部21全体が均等にバルブリフタ3の
内周面に密着するようになっている。
【0026】また、当接部17はこれと凹壁2の内底面
との間に圧縮状態で装着されたバルブスプリング9の上
端を受けるようになっているため、常にリテーナ8側に
付勢されて密着し、該リテーナ8との間からエア洩れが
起きないようになっている。なお、バルブリフタ3の内
天面とリテーナ8及びシールパッキン14の上面との間
にできた空間にも若干エア圧が加わる可能性があり、こ
のエア圧はシールパッキン14の密着性を損ねるので、
バルブリフタ3の上部には該空間のエアを抜くためのエ
ア抜き孔22が1〜2個設けられている。
【0027】前記バルブガイド5上部の凹溝5aにはオ
イルシール23が外嵌され、該オイルシール23はバル
ブステム6aの外周をシールするゴム又はゴム状弾性体
よりなるパッキン部24と、該パッキン部24の外周に
接着された筒状の保持部25と、該パッキン部24の上
部を締め付けるコイルスプリング26とから構成されて
いる。このオイルシール23はバルブガイド5とバルブ
ステム6aの間にごく少量のオイルを流し、両者間を潤
滑するように設計されている。
【0028】次に、本実施例の直打式動弁機構の作用・
効果について説明する。 (1) まず、内燃機関の低回転時には、切換バルブ11が
密閉室4を大気に連通させる。従って、バネ荷重はバル
ブスプリング9の付勢力によるバネ荷重のみとなるた
め、カム27とバルブリフタ3(直接にはアウターシム
28)との間の摩擦抵抗が無用に増大することはなく、
燃費の悪化が防止される。
【0029】(2) 次に、内燃機関の高回転時には、切換
バルブ11が密閉室4をエア圧送源13に連通させるの
で、該エア圧送源13からエアが密閉室4に圧送され、
逆止弁12によりエアの逆流が防止される。このエアの
圧送量は適宜調節でき、圧送を停止することもできる。
この状態で、カム27の回転によりバルブリフタ3が下
降すると、バルブリフタ3の変位に略比例して、密閉室
4の圧送エアがさらに圧縮され、エア圧が高まる。この
エア圧によるバネ荷重がバルブスプリング9によるバネ
荷重に加算されるので、合計のバネ荷重が大きくなる。
【0030】このとき、本実施例では、シールパッキン
14のシール部21がバルブリフタ3の内周面に密着
し、しかもシール部21は固定部20から斜め下方に延
びていることから、その密着力は密閉室4のエア圧が高
まる程増加する。従って、この密閉室4のエアがリテー
ナ8の外周縁とバルブリフタ3の内周面との間を経てリ
テーナ8より上方に洩れることがない。従って、エア圧
によるバネ荷重はリテーナ8、シールパッキン14及び
コッタ7に負荷され、これらを介してバルブ6、バルブ
リフタ3及びアウターシム28にも負荷される。従っ
て、エア圧によるバネ荷重増大の効果は、バルブリフタ
3、アウターシム28、リテーナ8、シールパッキン1
4、コッタ7及びバルブ6等の直打式動弁機構の略全体
の慣性重量分に対して発揮される。このため、エアの圧
送量を増加してエア圧を高くすることにより、図3に示
す従来例より固有振動数を高くすることができ、内燃機
関のさらなる高回転化に対応することができる。
【0031】次に、直打式動弁機構の第二実施例につい
て、図3及び図4を参照して説明する。本実施例の直打
式動弁機構は、リテーナ、シール部材等の具体的構造に
おいて第一実施例と相違するものである。
【0032】すなわち、リテーナ8の外周縁はバルブリ
フタ3の内周面の近傍まで延び、この外周縁には環状の
取付溝31が形成されている。この取付溝31にはリテ
ーナ8の外周縁から外周方向に突出してバルブリフタ3
の内周面に密着する、リング状のシール部材としてのシ
ールパッキン32が嵌着されている。図4に示すよう
に、シールパッキン32はフッ素樹脂を断面股状に成形
してなり、上部の胴部33と、取付溝31に嵌入する内
股部34と、バルブリフタ3の内周面に密着する外股部
35とを備えている。外股部35はバルブリフタ3の内
径よりやや大きく形成され、内周側にややすぼめるよう
にしてバルブリフタ3の内周面に圧入されているため、
常に外周方向への付勢力をもち、該バルブリフタ3との
間からエア洩れが起きないようになっている。
【0033】また、リテーナ8の下端部はコッタ7の下
端を越えて下方に延び、該リテーナ8の下端部の内周面
には環状の保持溝36が形成されている。この保持溝3
6にはシール体としてのゴム製のOリング37が嵌着さ
れ、該Oリング37の内周がバルブステム6aの外周面
に密着してリテーナ8とバルブステム6aとの間をシー
ルしている。
【0034】本実施例の他の部材及び部位については、
第一実施例と略同一なので、図3に第一実施例と同一の
符号を付してその説明を省略する。
【0035】本実施例によれば、リテーナ8の取付溝に
シールパッキン32を嵌着する構造なので、構造が簡単
になり、また、内燃機関の高回転時にバルブスプリング
9が追従しないような場合でも、リテーナ8とシールパ
ッキン32とが離れる心配がなく、シール性を維持す
る。また、Oリング37がリテーナ8とバルブステム6
aとの間をシールするので、密閉室4のエアがこれらの
間を経てリテーナ8より上方に洩れることがない。この
ため、エア圧によるバネ荷重は、より確実にリテーナ8
及びシールパッキン32に負荷され、これらを介してバ
ルブ6、バルブリフタ3及びアウターシム28にも負荷
される。従って、エア圧によるバネ荷重増大の効果が、
より確実に直打式動弁機構の略全体の慣性重量分に対し
て発揮される。
【0036】次に、図5に示す直打式動弁機構の第三実
施例は、アウターシムに代えてインナーシム38が設け
られた点においてのみ、第二実施例と相違するものであ
る。すなわち、バルブリフタ3の内天面のバルブ当り部
にはバルブステム6aに冠着されたインナーシム38が
当接するようになっている。従って、本実施例も発明の
特徴部分については第二実施例と同様であるから、第二
実施例と同様の作用及び効果を奏する。
【0037】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れず、例えば、シールパッキンをリテーナの外周縁に一
体的に設ける等、発明の趣旨から逸脱しない範囲で任意
に変更して具体化することもできる。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明によれば、エア圧によるバネ荷重の増大効果がバルブ
リフタ、シム、リテーナ、コッタ、バルブ等の直打式動
弁機構の略全体の慣性重量分に対して発揮され、これに
より固有振動数が高くなり内燃機関の高回転化に対応す
ることができる。
【0039】上記直打式動弁機構において、請求項2記
載の発明によれば、シール部材とバルブリフタの内周面
との間のエア洩れを防止できる。
【0040】また、請求項3記載の発明によれば、シー
ル部材とバルブリフタの内周面との間、並びに、シール
部材とリテーナとの間のエア洩れを防止できる。
【0041】また、請求項4記載の発明によれば、構造
が簡単になり、内燃機関の高回転時にバルブスプリング
が追従しないような場合でも、シール部材とリテーナと
の間のエア洩れを防止できる。
【0042】また、請求項5記載の発明によれば、リテ
ーナとバルブステムとの間のエア洩れを防止できる。
【0043】また、請求項6記載の発明によれば、バル
ブリフタの内天面とリテーナ及びシール部材の上面との
間にできた空間のエア圧がシール部材の密着性を損ねる
不具合を防止できる。
【0044】また、請求項7記載の発明によれば、内燃
機関の低回転時には燃費の悪化を防止することができ、
内燃機関の高回転時には密閉室のエア圧を高めて、固有
振動数をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第一実施例の直打式動弁機
構を示す断面図である。
【図2】同実施例のシールパッキンの拡大断面図であ
る。
【図3】第二実施例の直打式動弁機構を示す断面図であ
る。
【図4】同実施例のシールパッキンの拡大断面図であ
る。
【図5】第三実施例の直打式動弁機構の一部を示す断面
図である。
【図6】従来例の直打式動弁機構を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 凹壁 3 バルブリフタ 4 密閉室 6a バルブステム 8 リテーナ 9 バルブスプリング 11 切換バルブ 13 エア圧送源 14 シールパ
ッキン 15 取付体 22 エア抜き
孔 31 取付溝 32 シールパ
ッキン 37 Oリング
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 1/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに設けられた凹壁の内底
    面と該凹壁内に摺動可能に配設された倒立カップ状の直
    打式バルブリフタとの間に、該直打式バルブリフタの下
    降により内部のエア圧が高まるよう略密閉された密閉室
    を形成し、バルブステムに取付けられてバルブスプリン
    グの上端を受けるリテーナに、該リテーナの外周縁から
    外周方向に突出して直打式バルブリフタの内周面に密着
    するリング状のシール部材を設けたことを特徴とする内
    燃機関の直打式動弁機構。
  2. 【請求項2】 シール部材は弾性材よりなり、直打式バ
    ルブリフタの内周面に密着したときに外周方向への付勢
    力を生じさせる寸法又は形状に形成されたものである請
    求項1記載の内燃機関の直打式動弁機構。
  3. 【請求項3】 シール部材は剛性材よりなる取付体に固
    定され、該取付体はリテーナの外周縁及び下面に下方か
    ら遊嵌される請求項1又は2記載の内燃機関の直打式動
    弁機構。
  4. 【請求項4】 シール部材はリテーナの外周縁に形成さ
    れた取付溝に嵌着される請求項1又は2記載の内燃機関
    の直打式動弁機構。
  5. 【請求項5】 リテーナ又はバルブステムに、該リテー
    ナと該バルブステムとの間をシールするシール体が設け
    られた請求項1記載の内燃機関の直打式動弁機構。
  6. 【請求項6】 直打式バルブリフタに、該直打式バルブ
    リフタの内天面とリテーナ及びシール部材の上面との間
    にできた空間のエア圧を抜くためのエア抜き孔を設けた
    請求項1記載の内燃機関の直打式動弁機構。
  7. 【請求項7】 密閉室に切換バルブを介してエア圧送源
    を接続し、該切換バルブは、内燃機関の低速回転時には
    密閉室を大気に連通させ、内燃機関の高速回転時には密
    閉室をエア圧送源に連通させるよう構成した請求項1記
    載の内燃機関の直打式動弁機構。
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