JP3294395B2 - 部分放電光平衡検出装置 - Google Patents

部分放電光平衡検出装置

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JP3294395B2
JP3294395B2 JP23647093A JP23647093A JP3294395B2 JP 3294395 B2 JP3294395 B2 JP 3294395B2 JP 23647093 A JP23647093 A JP 23647093A JP 23647093 A JP23647093 A JP 23647093A JP 3294395 B2 JP3294395 B2 JP 3294395B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力機器で発生する部
分放電を平衡検出回路を用いて検出する場合、部分放電
パルスの計測可能な周波数帯域を広げることによって、
これまで容易でなかった部分放電検出を可能にした部分
放電光平衡検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電力機器内の電気絶縁材料中あるいは電
気絶縁材料と金属との界面に存在する空げき(以下、ボ
イドという)で発生する部分放電劣化特性を解明するた
めに各種の印加電圧(交流,直流,インパルスなど)が
用いられている。
【0003】特に、電気絶縁材料に欠陥(ボイド,はく
り,異物,界面不整など)が存在すると、電圧印加の初
期から、或いは運転中に部分放電が発生する。この部分
放電の発生によって絶縁材料の経年劣化が進展し、つい
に絶縁破壊に至る。
【0004】従来、電力機器内の絶縁材料のボイドで発
生する部分放電を検出する方法として、平衡検出を用い
た方法が知られている。
【0005】図10は従来の部分放電平衡検出装置を示
す回路例である。図10において、符号1は印加電圧の
電源であり、例えば商用周波交流電源が用いられる。そ
の交流電源電圧は部分放電平衡検出装置の入力端子2に
印加されるようになっている。入力端子2に印加された
電圧は、コロナフリー(ここでは、部分放電が発生しな
いの意)の結合コンデンサ3に供給し、一方供試体とし
ての供試コンデンサ4にも供給される。結合コンデンサ
3は使用電圧で部分放電が発生しないコンデンサであ
り、供試コンデンサ4は欠陥部(ボイド,はくり,異
物,界面不整など)を有しており、ある電圧以上で部分
放電が発生するものである。結合コンデンサ3の一端A
は検出インピーダンス6を介してアースに接続し、供試
コンデンサ4の一端Bは検出インピーダンス7を介して
アースに接続している。結合コンデンサ3の一端Aと供
試コンデンサ4の一端Bの間には、変成器5の1次コイ
ル5aが接続されており、変成器5の2次コイル5bの
出力は増幅器8で増幅されてオシロスコープ等の画像表
示装置9に供給されるようになっている。
【0006】このような構成においては、電源1を投入
すると、電源1から入力端子2を経て結合コンデンサ3
及び供試コンデンサ4に充電電流が流入する一方、電源
1と入力端子2を結ぶ電源ラインを通して外部雑音が侵
入する。従って、コンデンサ3,4の各充電電流に同じ
外部雑音が重畳される。結合コンデンサ3に流入する充
電電流及びこれに重畳した外部雑音は、変成器5の1次
コイル5aの一端Aから他端Bの方向に流れ、また供試
コンデンサ4に流入する充電電流及びこれに重畳した外
部雑音は、変成器5の1次コイル5aの一端Bから他端
Aの方向に流れるので、コンデンサ3,4からの充電電
流や外部雑音は互いに逆方向となりその差分は零、即ち
平衡となる。よって、充電電流や外部雑音は、その変成
器5の2次側に出力されない。ところが、供試コンデン
サ4で部分放電が発生すると、この部分放電電流パルス
は平衡されないため、部分放電電流パルスのみが変成器
5の2次側に生じる。このパルスは微弱であるため、こ
れを増幅器8で増幅し、画像表示装置9で表示して検出
している。
【0007】また、他の従来例として、図11に示すよ
うな部分放電平衡検出装置も知られている。図11にお
いては、図10における変成器5及び検出インピーダン
ス6,7を取り去り、その代わりに結合コンデンサ3の
一端Aの信号ラインをアースに接続する一方、供試コン
デンサ4の一端Bの信号ラインをアースに接続し、しか
も各点A,Bから延出した信号ラインを交差させ、その
交差部分を包囲するように検出コイル10を配置し、そ
の検出コイル10に誘導される出力を増幅器8で増幅し
た後、画像表示装置9に表示して検出する。
【0008】図11の構成によれば、結合コンデンサ3
及び供試コンデンサ4に流入する各充電電流や電源ライ
ンに混入する外部雑音は、前記クロス部分で互いに逆方
向となりその差分は零、即ち平衡となる。よって、充電
電流や外部雑音は、検出コイル10に誘導されないが、
供試コンデンサ4で部分放電パルスが発生すると、その
部分放電電流パルスのみが検出コイル10に導出され、
増幅後、画像表示装置9に表示して検出される。
【0009】ところで、立ち上がり時間の短い(μsオ
ーダ)インパルス電圧(雷インパルス,方形波パルスな
ど)が印加された場合、上記従来例では、変成器や検出
コイルを検出器の前段に用いるため、そのインダクタン
ス,浮遊容量,結合係数の低下などによって立ち上がり
時間の短いパルスには十分に応答できず、周波数帯域が
制限されてしまうという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
の問題に鑑み、周波数帯域を広げることができ、インパ
ルス印加電圧下における立ち上がり時間の短い部分放電
についても計測が可能で、かつ外部雑音の影響を受けに
くい部分放電光平衡検出装置を提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
る部分放電光平衡検出装置は、印加電圧を供給する電源
と、この電源からの電圧が加えられる供試体と、前記電
源からの電圧が加えられるコロナフリーの結合コンデン
サと、前記供試体とアース間に設けられ、前記電源から
前記供試体に流入する電流によって発光する第1の発光
素子を含む第1の発光部と、前記結合コンデンサとアー
ス間に設けられ、前記電源から前記結合コンデンサに流
入する電流によって発光する第2の発光素子を含む第2
の発光部と、前記第1の発光素子からの光出力を受光す
る第1の受光素子とこの素子にて光電変換された電流を
検出する第1の検出部を含む第1の信号検出部と、前記
第2の発光素子からの光出力を受光する第2の受光素子
とこの素子にて光電変換された電流を検出する第2の検
出部を含む第2の信号検出部と、前記第1の信号検出部
の第1の検出電圧と前記第2の信号検出部の第2の検出
電圧の振幅及び位相を調整して、第1,第2の検出電圧
について同一振幅,同一位相、或いは同一振幅,逆位相
となるように平衡させる調整手段と、前記第1の信号検
出部の第1の検出電圧と前記第2の信号検出部の第2の
検出電圧とを減算或いは加算して、即ち第1,第2の検
出電圧の差分をとり、前記供試体る部分放電パル
スを検出する手段とを具備したものである。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載にお
ける前記第1の信号検出部と前記第2の信号検出部は、
互いに極性の異なる2つの直流電源でそれぞれ駆動さ
れ、第1の検出電圧と第2の検出電圧は互いに極性の異
なった逆位相の電圧であることを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載にお
ける前記調整手段を、前記第1,第2の受光素子にそれ
ぞれ接続した可変抵抗又は可変直流電源或いは双方にて
構成したことを特徴とする。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】本発明においては、電源電圧を、ボイド,はく
り,異物,界面不整等の欠陥部を有する供試体とコロナ
フリーの(使用電圧で部分放電の発生しない)結合コン
デンサとに印加した場合、供試体,結合コンデンサそれ
ぞれに流入する充電電流及び外部雑音によって、供試側
の第1の発光素子及び結合側の第2の発光素子が発光
し、この各発光出力は供試側の第1の受光素子及び結合
側の第2の受光素子でそれぞれ受光され、調整手段にて
平衡される結果、2つの受光出力の差分は零とされる。
そして、供試体で部分放電が発生すると、供試側の第1
の受光素子の出力にのみ部分放電パルスが重畳されるの
で、2つの受光出力の差分として部分放電パルスが検出
される。
【0018】光結合を利用するので、インパルス電圧の
ような立ち上がり時間の短い印加電圧に対しても応答可
能であり、かつ光伝送であるため、磁界等の外部雑音に
影響されない。さらに、被計測物である供試体が、部分
放電光平衡検出装置本体から離れた位置にあっても、供
試体に発生する部分放電パルスを光ケーブル等によって
広い周波数帯域でかつ長距離に伝送でき、しかも外部雑
音の影響を受けにくいという利点を有するものである。
【0019】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
1は本発明の一実施例の部分放電光平衡検出装置を示す
回路図である。
【0020】図1において、符号21は印加電圧の電源
であり、例えば商用交流電源が用いられる。その交流電
源電圧は電流制限用抵抗22を介して部分放電光平衡検
出装置の入力端子23に印加されるようになっている。
入力端子23に印加された電圧は、ヒューズ24を介し
てコロナフリーの(部分放電の発生しない)結合コンデ
ンサ25に供給され、一方、ヒューズ26を介して供試
コンデンサ27にも供給される。結合コンデンサ25は
使用電圧で部分放電が発生しないコンデンサであり、供
試コンデンサ27は欠陥部(ボイド,はくり,異物,界
面不整等)を有しており、ある電圧以上で部分放電が発
生するものである。結合コンデンサ25の一端は発光ダ
イオード28及び抵抗30を介してアースに接続し、供
試コンデンサ27の一端は発光ダイオード31及び抵抗
33を介してアースに接続している。
【0021】一方、発光ダイオード28からの光出力は
光ファイバ等の光路34を介してフォトトランジスタ3
6の受光面に入射するようになっている。フォトトラン
ジスタ36は、そのコレクタが可変抵抗38の両端を介
してアースに接続し、エミッタが電圧可変の正の直流電
源39に接続している。また、同様に、発光ダイオード
31からの光出力は光ファイバ等の光路40を介してフ
ォトトランジスタ42の受光面に入射するようになって
いる。フォトトランジスタ42は、そのエミッタが可変
抵抗44の両端を介してアースに接続し、コレクタが電
圧可変の負の直流電源45に接続している。なお、光フ
ァイバ等の光路34,40は光出力を確実に伝達するた
めに設けられているが、発光ダイオードとフォトトラン
ジスタ間の距離が近い場合には、光ファイバ等の光路3
4,40は特に設けなくても良い。
【0022】フォトトランジスタ36のエミッタ・コレ
クタ間にはその受光量に応じた電流が流れ、可変抵抗3
8の摺動端子に正の電圧V1 を生じ、またフォトトラン
ジスタ42のエミッタ・コレクタ間にもその受光量に応
じた電流が流れ、可変抵抗44の摺動端子に負の電圧V
2 を生じる。この電圧V1 ,V2 は増幅器48を通して
加算され、両電圧の差分が出力として取り出され、オシ
ロスコープ等の画像表示装置49に供給されるようにな
っている。
【0023】なお、可変抵抗38,44は、電圧V1 ,
V2 の波高値(振幅)の調整を可能とするものである。
また、ここでは、結合コンデンサ25及び供試コンデン
サ27の容量値を同じと仮定しているので位相調整用の
コンデンサは用いていない。
【0024】このような構成においては、電源21が投
入されると、充電電流及び外部雑音は入力端子23から
部分放電光平衡検出装置内へ流入し、結合コンデンサ2
5と供試コンデンサ27に流入する。ここで、電源21
は交流電源であっても又インパルス電圧発生源であって
もよいが、電源21の出力電圧の極性が正のときのみ各
発光ダイオード28,31が発光し、その光は光ケーブ
ル等の光路34,40を介して各フォトトランジスタ3
6,42に導かれる。発光ダイオードから光出力を受け
たフォトトランジスタの動作抵抗は瞬時に(μs〜ns
オーダの短時間に)低下するため、受光したフォトトラ
ンジスタ36,42及びこれらに接続した検出抵抗3
8,44に瞬時に受光量に対応した電流が流入する。そ
の結果、検出抵抗38,44の各摺動端子に電圧V1 ,
V2 が生じる。V1 は正の電圧波形であり、V2 は負の
電圧波形である。
【0025】これらの電圧V1 ,V2 の波高値(振幅)
を抵抗38,44の各摺動端子の移動で調整して、V1
及びV2 の波高値が同じになるように調整する。なお、
直流電源39,45の電圧を変えることによっても調整
が可能である。この調整後の電圧を増幅器48に加えて
加算すると、増幅器48の出力におけるV1 及びV2は
大きさが等しいため零となる。よって、供試コンデンサ
27に部分放電が生じないときには、増幅器48の後段
にある画像表示装置49に充電電流及び外部雑音は表れ
ない。
【0026】ところが、供試コンデンサ27で部分放電
が発生すると、この部分放電電流パルスは供試体側の充
電電流及び外部雑音に重畳される。この重畳された電流
によって、発光ダイオード31は発光し、前記と同様の
経路で抵抗44の摺動端子に電圧V2 となって発生す
る。この場合、結合コンデンサ25からの経路における
電圧V1 は部分放電電流パルスを重畳されていない。よ
って、検出電圧V1 とV2 を増幅器48にて加算する
と、充電電流及び外部雑音は逆極性のため零となるが、
部分放電電流パルスのみが検出増幅され画像表示装置4
9に表れ、検出される。
【0027】図2に、電源21として商用交流電源を用
いた場合の各部の電圧波形を示す。
【0028】図2において、V0 は入力端子23に印加
される電圧波形で、この波形は電源ラインから侵入した
外部雑音が正極性に重畳している状態を示している。V
1 は検出抵抗38の摺動端子に表れる正の電圧波形であ
り、外部雑音と重畳している。V2 は検出抵抗44の摺
動端子に表れる電源の正極性を極性反転した負の電圧波
形であり、外部雑音も重畳しており、かつ供試コンデン
サ27にて発生した部分放電パルスが重畳した波形とな
っている。V3 は増幅器48にてV1 とV2 とを加算し
て抽出された部分放電パルス波形を示している。
【0029】尚、本実施例では、発光ダイオードとフォ
トトランジスタによる応答性の速いフォトカプラ(光結
合)を用いているので、電源21として、図3に示すよ
うな標準的な雷インパルス電圧(立ち上がり時間1.2
μs,パルス幅50μs)を印加した場合でも、その印
加時に発生する立ち上がり時間の短い部分放電パルスを
検出することができる。これに対して、従来例(図10
及び図11)では、変成器や検出コイルを用いているの
で、周波数帯域が制限されており、立ち上がり時間の短
い部分放電パルスを検出することができなかった。
【0030】図4に、電源21として標準雷インパルス
電圧発生源を用いた場合の図1の各部の電圧波形を示
す。ここでは電圧発生源が正極性パルスを発生するもの
として記している。
【0031】図4において、V0 は入力端子23に印加
されるインパルス電圧波形で、図示の印加時間間隔でも
って周期的に発生している。V1 は検出抵抗38の摺動
端子に表れる正の電圧波形である。V2 は検出抵抗44
の摺動端子に表れる電源の正極性を極性反転した負の電
圧波形であり、供試コンデンサ27にて発生した部分放
電パルスが重畳した波形となっている。V3 は増幅器4
8にてV1 とV2 とを加算して抽出された部分放電パル
ス波形を示している。
【0032】尚、図1の実施例では、検出抵抗38,4
4の摺動端子の電圧は互いに逆相とし、増幅器48で加
算する構成としたが、検出抵抗38,44の摺動端子の
電圧は互いに同相とし、増幅器48で減算する構成とし
ても同様な効果を得ることができる。
【0033】図5に、増幅器48で減算する場合の構成
例を示す。図5に示す実施例は、受光側回路の直流電源
45の極性を図1の場合とは反対に正極性とし、フォト
トランジスタ42のエミッタを直流電源45の正側に接
続し、そのコレクタを可変抵抗44の両端を介してアー
スに接続する。さらに、増幅器48として差動増幅器を
使用し、可変抵抗44の摺動端子をこの差動増幅器48
の反転端子(−)に接続し、その非反転端子(+)を可
変抵抗38の摺動端子に接続する構成とする。この構成
によれば、検出抵抗38,44の摺動端子に得られる電
圧V1 ,V2 は互いに同相となり、同相電圧V1 ,V2
が差動増幅器48で減算されることにより、供試コンデ
ンサ27で発生する部分放電パルスを抽出することがで
きる。
【0034】図6は本発明の参考例の部分放電光平衡検
出装置を示す回路図である。◎図6に示す参考例は、図
1の実施例における発光ダイオード28に対して並列
に、このダイオード28とは逆極性となるように発光ダ
イオード29を接続し、またフォトトランジスタ36と
は並列にもう1つのフォトトランジスタ37を接続し、
発光ダイオード29からの光信号を光ファイバ等の光路
35を介してフォトトランジスタ37に入射するように
構成する一方、発光ダイオード31に対して並列に、こ
のダイオード31とは逆極性となるように発光ダイオー
ド32を接続し、またフォトトランジスタ42とは並列
にもう1つのフォトトランジスタ43を接続し、発光ダ
イオード32からの光信号を光ファイバ等の光路41を
介してフォトトランジスタ43に入射するように構成
し、更に加えて、検出抵抗38の摺動端子とアース間
に、位相調整用コンデンサ46を接続し、また検出抵抗
44の摺動端子とアース間に、位相調整用コンデンサ4
7を接続した構成とするものである。その他の構成は図
1と同様である。
【0035】このように構成することにより、電源21
として交流電源を用いた場合、入力端子23に印加され
る電圧V0 が正の極性の電圧である半周期には、結合コ
ンデンサ25及び供試コンデンサ27にそれぞれ流入す
る充電電流及び外部雑音によって、発光ダイオード28
及び発光ダイオード31が発光し、電圧V0 が負の極性
の電圧である半周期には、結合コンデンサ25及び供試
コンデンサ27にそれぞれ流入する充電電流及び外部雑
音によって、発光ダイオード29及び発光ダイオード3
2が発光する。電圧V0 の正または負の極性に応じて発
光する発光ダイオード(28,31)または発光ダイオ
ード(29,32)の光は、フォトトランジスタ(3
6,42)またはフォトトランジスタ(37,43)に
導かれ、光を受けたフォトトランジスタの動作抵抗は瞬
時に低下するため、受光したフォトトランジスタ及び検
出抵抗38,44に瞬時に受光量に対応した電流が流入
する。その結果、検出抵抗38,44の各摺動端子に電
圧V1 ,V2 が生じる。この電圧V1 ,V2 は、電源2
1の正負の極性に関係なく、V1 は正、V2 は負の電圧
波形となる。
【0036】これらの電圧V1 ,V2 の波高値及び位相
を可変抵抗38,44の各摺動端子の移動とコンデンサ
46,47で調整して、V1 及びV2 の波高値及び位相
が同じになるように調整する。なお、直流電源39,4
5の電圧を変えることにより調整可能である。この調整
後の電圧を増幅器48に加えて加算すると、増幅器48
の出力におけるV1 及びV2 は大きさ、位相が等しいた
め零となる。よって、供試コンデンサ27に部分放電が
生じないときには、増幅器48の後段にある画像表示装
置49に充電電流及び外部雑音は表れない。
【0037】ところが、供試コンデンサ27で部分放電
が発生すると、この部分放電電流パルスは供試側の充電
電流及び外部雑音に重畳される。この重畳された電流に
よって、発光ダイオード31は発光し、前記と同様の経
路で抵抗44の摺動端子に電圧V2 となって発生する。
この場合、結合コンデンサ25からの経路における電圧
V1 は部分放電電流パルスを重畳されていない。よっ
て、検出電圧V1 とV2を増幅器48にて加算すると、
充電電流及び外部雑音は逆極性のため零となるが、部分
放電電流パルスのみが検出増幅され画像表示装置49に
表れ、検出される。
【0038】なお、図6の参考例では、電圧V1 ,V2
の波高値及び位相を調整するためにフォトトランジスタ
側に可変抵抗38及び可変コンデンサ46の回路と可変
抵抗44及び可変コンデンサ47の回路を設けている
が、これに代えて、フォトトランジスタ側の可変抵抗3
8及び可変コンデンサ46の回路を固定値の検出抵抗の
みとし、発光ダイオード側の抵抗30を可変抵抗と可変
コンデンサの回路で構成し、且つフォトトランジスタ側
の可変抵抗44及び可変コンデンサ47の回路を固定値
の検出抵抗のみとし、発光ダイオード側の抵抗33を可
変抵抗と可変コンデンサの回路で構成するようにしても
良い。
【0039】図7に、電源21として商用交流電源を用
いた場合の各部の電圧波形を示す。
【0040】図7において、V0 は入力端子23に印加
される電圧波形で、この波形は電源ラインから侵入した
外部雑音が乗っている状態を示している。V1 は検出抵
抗38の摺動端子に表れる正の電圧波形であり、外部雑
音も重畳している。この電圧波形V1 は、電源21の電
圧V0 を正側に全波整流したような波形となっている。
V2 は検出抵抗44の摺動端子に表れる負の電圧波形で
あり、外部雑音も重畳している。この電圧波形V2 は、
電源21の電圧V0 を負側に全波整流したような波形と
なっており、供試コンデンサ27にて生じた部分放電パ
ルスが重畳した波形となっている。V3 は増幅器48に
てV1 とV2 とを加算して抽出された部分放電パルス波
形を示している。
【0041】尚、本参考例においては、図3に示すよう
な標準的な雷インパルス電圧及びその逆極性の雷インパ
ルス電圧を印加した場合でも、その印加時に発生する立
ち上がり時間の短い部分放電パルスを検出することがで
きる。
【0042】また、図6の参考例では、受光側回路にお
ける結合側及び供試側それぞれに並列接続した2つのフ
ォトトランジスタ(36,37)及び(42,43)
を、結合側及び供試側それぞれに1つのフォトトランジ
スタ36及び42で構成することも可能である。
【0043】図8に、結合側及び供試側それぞれに1つ
のフォトトランジスタ36及び42で構成した場合の例
を示す。
【0044】図8においては、図6における受光側のフ
ォトトランジスタ37,43を削除し、結合側及び供試
側それぞれに1つのフォトトランジスタ36及び42と
し、結合側の2つの発光ダイオード28及び29からの
光は分岐型の光路34Aを通して1つのフォトトランジ
スタ36の受光部に導くようにし、また供試側の2つの
発光ダイオード31及び32からの光は分岐型の光路4
0Aを通して1つのフォトトランジスタ42の受光部に
導くように構成している。このように構成すれば、フォ
トトランジスタを削減でき、回路構成を簡単化すること
ができる。
【0045】図9に、図8に用いられる分岐型の光路の
一例を示す。この図2示す光路は、光の入力側を二股と
し光の出力側を1つに構成した分岐型の光ファイバを示
している。
【0046】尚、図6及び図8の参考例では、検出抵抗
38,44の摺動端子の電圧は互いに逆相とし、増幅器
48で加算する構成としたが、図5の場合と同様に、検
出抵抗38,44の摺動端子の電圧を互いに同相とし、
増幅器48で減算する構成としても良い。
【0047】尚、以上述べた実施例では、供試体として
コンデンサ27を用いた場合について説明したが、供試
体としては電力ケーブル等の電力機器を用いてもよいこ
とは勿論である。また、結合コンデンサ25として、コ
ロナフリーの(使用電圧で部分放電の発生しない)コン
デンサを用いた場合について説明したが、結合コンデン
サの代わりにコロナフリーの電力機器(変圧器,電力用
コンデンサ,回転機など)を用いても可能である。
【0048】以上述べた本発明の実施例では、発光ダイ
オードとフォトトランジスタとの間を光ケーブルを用い
て接続することで、光ケーブルを長くしてもこの間に外
来雑音の影響を受ける虞れがない。これに対して、従来
例(図10及び図11)では、供試体と変成器あるいは
検出コイルとの間の距離を長くすると、この間の導体が
外来雑音を受信して、検出感度を低下させるのみならず
平衡がとれなくなる欠点があった。また、本発明では、
変成器を用いていないため、周波数帯域を広げる(GH
z帯にまで)ことができる。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、光伝
送を利用するので、インパルス電圧下における立ち上が
り時間の短い部分放電に対しても応答可能であり、かつ
光伝送であるため、磁界等の外部雑音に影響されない。
さらに、被計測物である供試体が、部分放電光平衡検出
装置本体から離れた位置にあっても、供試体に発生する
部分放電パルスを光ケーブル等によって広い周波数帯域
でかつ長距離に伝送でき、しかも外部雑音の影響を受け
にくいという利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の部分放電光平衡検出装置を
示す回路図。
【図2】図1の動作を説明する波形図。
【図3】標準的な雷インパルス電圧を示す波形図。
【図4】図1の動作を説明する波形図。
【図5】本発明の他の実施例を示す回路図。
【図6】本発明の参考例を示す回路図。
【図7】図6の動作を説明する波形図。
【図8】本発明の他の参考例を示す回路図。
【図9】図8に用いられる分岐型の光路を示す図。
【図10】従来の部分放電平衡検出装置を示す回路図。
【図11】他の従来例の部分放電平衡検出装置を示す回
路図。
【符号の説明】
21…電源 23…電源入力端子 25…結合コンデンサ 27…供試コンデンサ(供試体) 28,29,31,32…発光ダイオード(発光素子) 34,34A,35,40,40A,41…光路 36,37,42,42A,43…フォトトランジスタ
(受光素子) 38,44…可変抵抗(検出抵抗) 39,45,45A…可変直流電源 46,47…可変コンデンサ(可変容量) 48…増幅器(加算手段) 49…画像表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/12 G01R 31/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印加電圧を供給する電源と、 この電源からの電圧が加えられる供試体と、 前記電源からの電圧が加えられるコロナフリーの結合コ
    ンデンサと、 前記供試体とアース間に設けられ、前記電源から前記供
    試体に流入する電流によって発光する第1の発光素子を
    含む第1の発光部と、 前記結合コンデンサとアース間に設けられ、前記電源か
    ら前記結合コンデンサに流入する電流によって発光する
    第2の発光素子を含む第2の発光部と、 前記第1の発光素子からの光出力を受光する第1の受光
    素子とこの素子にて光電変換された電流を検出する第1
    の検出部を含む第1の信号検出部と、 前記第2の発光素子からの光出力を受光する第2の受光
    素子とこの素子にて光電変換された電流を検出する第2
    の検出部を含む第2の信号検出部と、 前記第1の信号検出部の第1の検出電圧と前記第2の信
    号検出部の第2の検出電圧の振幅及び位相を調整して、
    第1,第2の検出電圧について同一振幅,同一位相、或
    いは同一振幅,逆位相となるように平衡させる調整手段
    と、 前記第1の信号検出部の第1の検出電圧と前記第2の信
    号検出部の第2の検出電圧とを減算或いは加算して、即
    ち第1,第2の検出電圧の差分をとり、前記供試体で生
    ずる部分放電パルスを検出する手段とを具備したことを
    特徴とする部分放電光平衡検出装置。
  2. 【請求項2】前記第1の信号検出部と前記第2の信号検
    出部は、互いに極性の異なる2つの直流電源でそれぞれ
    駆動され、第1の検出電圧と第2の検出電圧は互いに極
    性の異なった逆位相の電圧であることを特徴とする請求
    項1記載の部分放電光平衡検出装置。
  3. 【請求項3】前記調整手段は、前記第1,第2の受光素
    子にそれぞれ接続した可変抵抗又は可変直流電源或いは
    双方にて構成されることを特徴とする請求項1記載の部
    分放電光平衡検出装置。
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平成5年電気学会全国大会講演論文集、3−29,貫洞正明、「インパルス部分放電光平衡検出回路の開発」

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