JP3293983B2 - 有色綿の明度改変法 - Google Patents
有色綿の明度改変法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、セルラーゼを用いて
有色綿の明度を改変する方法に関する。
有色綿の明度を改変する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】綿の染色の分野においても、近年の工業
生産の拡大に伴い、大量処理と染色コストの節減法の観
点から、コスト高で入手源が制約される天然染料の代替
品として、合成染料が汎用されるようになってきてい
る。しかしながら、合成染料を用いる染色法の場合に
は、廃液処理に多大の設備と経費を必要とするだけでな
く、作業衛生上好ましくない合成染料を使用しなければ
ならないことが多いという問題がある。
生産の拡大に伴い、大量処理と染色コストの節減法の観
点から、コスト高で入手源が制約される天然染料の代替
品として、合成染料が汎用されるようになってきてい
る。しかしながら、合成染料を用いる染色法の場合に
は、廃液処理に多大の設備と経費を必要とするだけでな
く、作業衛生上好ましくない合成染料を使用しなければ
ならないことが多いという問題がある。
【0003】このような問題の一つの解決策として、品
種改良によって有色原綿(カラードコットン)を開発する
試みがなされ、緑色や茶色等の色彩を帯びた有色綿が供
給されるようになっているが、微妙な明度差に応じて醸
し出される特有のファッション効果を発現する多様な明
度を有する有色綿は得られていない。
種改良によって有色原綿(カラードコットン)を開発する
試みがなされ、緑色や茶色等の色彩を帯びた有色綿が供
給されるようになっているが、微妙な明度差に応じて醸
し出される特有のファッション効果を発現する多様な明
度を有する有色綿は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、当該分野
のこのような実情に鑑み、廃液処理や作業衛生に係わる
問題を伴うことなく、簡便な方法によって、有色綿を多
様な明度に改変する方法を提供するためになされたもの
である。
のこのような実情に鑑み、廃液処理や作業衛生に係わる
問題を伴うことなく、簡便な方法によって、有色綿を多
様な明度に改変する方法を提供するためになされたもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ちこの発明は、有色綿
をセルラーゼを用いて処理することを特徴とする、有色
綿の明度改変法に関する。
をセルラーゼを用いて処理することを特徴とする、有色
綿の明度改変法に関する。
【0006】この明細書において、「綿」とは、原綿、綿
糸、綿布および各種の綿製品等を包含する。本発明にお
いて明度を改変し得るのは、有色綿であるが、二種以上
の有色綿またはこれにさらに白色綿を混紡、混織または
混編したものであってもよい。
糸、綿布および各種の綿製品等を包含する。本発明にお
いて明度を改変し得るのは、有色綿であるが、二種以上
の有色綿またはこれにさらに白色綿を混紡、混織または
混編したものであってもよい。
【0007】本発明において使用し得るセルラーゼは、
有色綿の明度を変化させるセルロース分解酵素であれ
ば、いずれの酵素であってもよいが、入手の容易性、工
業的な使い易さおよび明度の改変効果等の観点からは微
生物、特に糸状菌、例えば、トリコデルマ・ビリデ(Tri
choderuma viride)およびアスペルギルス・ニガー(Asp
ergillus niger)等に由来するセルラーゼが特に好適で
ある。
有色綿の明度を変化させるセルロース分解酵素であれ
ば、いずれの酵素であってもよいが、入手の容易性、工
業的な使い易さおよび明度の改変効果等の観点からは微
生物、特に糸状菌、例えば、トリコデルマ・ビリデ(Tri
choderuma viride)およびアスペルギルス・ニガー(Asp
ergillus niger)等に由来するセルラーゼが特に好適で
ある。
【0008】上記のセルラーゼの使用量は特に限定的で
はないが、通常は水性媒体に0.1〜5%、好ましく
は、0.1〜1.0%の濃度で溶解させて使用する。系
のpHはセルラーゼが作用し得る範囲であればよいが、
通常は4〜9である。有色綿の処理温度は、セルラーゼ
の安定性や作業効果等の観点からは10〜70℃、好ま
しくは30〜50℃であり、また、処理時間はセルラー
ゼの種類や濃度、処理温度および処理浴のpH等に応じ
て適宜選定すればよいが、通常は0.5〜24時間、好
ましくは1〜5時間である。なお、明度の改変をより均
一におこなうためには、被処理綿を処理浴中において適
宜撹拌するのが好ましい。
はないが、通常は水性媒体に0.1〜5%、好ましく
は、0.1〜1.0%の濃度で溶解させて使用する。系
のpHはセルラーゼが作用し得る範囲であればよいが、
通常は4〜9である。有色綿の処理温度は、セルラーゼ
の安定性や作業効果等の観点からは10〜70℃、好ま
しくは30〜50℃であり、また、処理時間はセルラー
ゼの種類や濃度、処理温度および処理浴のpH等に応じ
て適宜選定すればよいが、通常は0.5〜24時間、好
ましくは1〜5時間である。なお、明度の改変をより均
一におこなうためには、被処理綿を処理浴中において適
宜撹拌するのが好ましい。
【0009】処理した有色綿を処理浴から引き上げ、十
分に水洗いした後、乾燥処理(通常は20〜60℃)に付
すことによって、上記処理条件に応じて明度が多様に改
変された有色綿が得られる。なお、上記の明度改変処理
によって、綿特有の風合等の特性が損なわれることはな
い。また、上記の処理剤は自然界に通常存在する物質で
あるために、廃液処理は極めて簡単であり、作業衛生上
の問題もほとんどない。
分に水洗いした後、乾燥処理(通常は20〜60℃)に付
すことによって、上記処理条件に応じて明度が多様に改
変された有色綿が得られる。なお、上記の明度改変処理
によって、綿特有の風合等の特性が損なわれることはな
い。また、上記の処理剤は自然界に通常存在する物質で
あるために、廃液処理は極めて簡単であり、作業衛生上
の問題もほとんどない。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。実施例1 茶色系原綿より紡糸した綿糸と白色綿糸の交織織物(茶
色綿糸:25%)を、アスペルギルス・ニガー由来のセ
ルラーゼ(天野製薬株式会社の市販品「セルラーゼAP−
3」)を1%含む0.1M酢酸緩衝液(pH:4.5)中に浸
漬し、37℃で3時間撹拌した後、引き上げ、水洗い
し、乾燥することによって、明度を改変した綿織物を得
た。色彩色差計(ミノルタカメラ株式会社製CR−20
0型)を用いて被処理綿と処理綿のL値、a値およびb
値を測定し、結果を表1に示す。表1から明らかなよう
に、処理によって原綿のL値、a値およびb値はいずれ
も増大しており、この光学的測定結果は目視結果(茶色
の被処理綿は明るいベージュ色の処理綿に変化した)と
一致する。なお、色彩および色調とL値、a値およびb
値との関係は図1に示す通りである。
色綿糸:25%)を、アスペルギルス・ニガー由来のセ
ルラーゼ(天野製薬株式会社の市販品「セルラーゼAP−
3」)を1%含む0.1M酢酸緩衝液(pH:4.5)中に浸
漬し、37℃で3時間撹拌した後、引き上げ、水洗い
し、乾燥することによって、明度を改変した綿織物を得
た。色彩色差計(ミノルタカメラ株式会社製CR−20
0型)を用いて被処理綿と処理綿のL値、a値およびb
値を測定し、結果を表1に示す。表1から明らかなよう
に、処理によって原綿のL値、a値およびb値はいずれ
も増大しており、この光学的測定結果は目視結果(茶色
の被処理綿は明るいベージュ色の処理綿に変化した)と
一致する。なお、色彩および色調とL値、a値およびb
値との関係は図1に示す通りである。
【0011】実施例2 セルラーゼとして、トリコデルマ・ビリデ由来のセルラ
ーゼ(天野製薬株式会社の市販品「セルラーゼT−4」)を
使用する以外は実施例1と同様の処理をおこなったとこ
ろ、ベージュ色の処理綿が得られた。該処理綿のL値、
a値およびb値を表1に示す。
ーゼ(天野製薬株式会社の市販品「セルラーゼT−4」)を
使用する以外は実施例1と同様の処理をおこなったとこ
ろ、ベージュ色の処理綿が得られた。該処理綿のL値、
a値およびb値を表1に示す。
【0012】実施例3 緑色系原綿より紡糸した綿糸と白色綿糸の交織織物(緑
色綿糸:30%)を、「セルラーゼT−4」を2%含む0.
1M酢酸緩衝液(pH:5)中に浸漬し、37℃で2時間
撹拌した後、引き上げ、水洗いし、乾燥したところ、黄
緑色の被処理綿は濃黄緑色に変化した。処理綿のL値、
a値およびb値を表1に示す。
色綿糸:30%)を、「セルラーゼT−4」を2%含む0.
1M酢酸緩衝液(pH:5)中に浸漬し、37℃で2時間
撹拌した後、引き上げ、水洗いし、乾燥したところ、黄
緑色の被処理綿は濃黄緑色に変化した。処理綿のL値、
a値およびb値を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】この発明によれば、廃液処理や作業衛生
に係わる問題を伴うことなく、簡便な方法によって、有
色綿の明度を処理条件に応じて多様に改変することがで
きる。
に係わる問題を伴うことなく、簡便な方法によって、有
色綿の明度を処理条件に応じて多様に改変することがで
きる。
【図1】 色彩および色調とL値、a値およびb値との
関係を示す模式図である。
関係を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−241077(JP,A) 特開 平2−80680(JP,A) 特開 平1−250469(JP,A) 特開 平6−316874(JP,A) 特表 平8−503752(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 16/00
Claims (3)
- 【請求項1】 有色綿をセルラーゼを用いて処理するこ
とを特徴とする、有色綿の明度改変法。 - 【請求項2】 セルラーゼが、トリコデルマ・ビリデま
たはアスペルギルス・ニガーによって生産されるセルラ
ーゼである請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の方法によって得
られる有色綿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29179493A JP3293983B2 (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 有色綿の明度改変法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29179493A JP3293983B2 (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 有色綿の明度改変法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145568A JPH07145568A (ja) | 1995-06-06 |
JP3293983B2 true JP3293983B2 (ja) | 2002-06-17 |
Family
ID=17773521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29179493A Expired - Fee Related JP3293983B2 (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 有色綿の明度改変法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3293983B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0797670A1 (en) * | 1995-10-13 | 1997-10-01 | Gist-Brocades B.V. | Fungal cellulases |
-
1993
- 1993-11-22 JP JP29179493A patent/JP3293983B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07145568A (ja) | 1995-06-06 |
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