JP3293658B2 - 内燃機関の燃焼状態検出装置 - Google Patents
内燃機関の燃焼状態検出装置Info
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Description
内燃機関の燃焼状態検出に関し、特に、従来検出するこ
とが困難であった内燃機関の高回転時における計測誤差
を考慮した燃焼状態検出に関する。
内圧を測定して、筒内圧が所定の圧力に達しない場合を
燃焼不良と判断していた。しかし、複数の気筒を有する
内燃機関の場合、気筒の数だけ筒内圧計を用意する必要
が有り高価であった。
じたときに内燃機関の発生トルクが低下することを利用
して、回転速度の変化を計測して間接的に燃焼状態を検
出する方法がある。このように回転速度の変化により燃
焼不良を検出する方法として、例えば、特開昭58−5124
3号があげられる。
して間接的に燃焼状態を検出する方法において、その燃
焼状態の検出可能範囲や検出精度は、回転速度の計測精
度の影響を大きく受ける。
たものは、回転速度の計測精度についての考慮はされて
おらず、内燃機関の高回転時などの回転速度の計測精度
の影響が大きく出るところでの、燃焼状態検出を行おう
とする場合、回転速度の計測精度はかなり高くなくては
いけないため、結果として高価となる。また、回転速度
の計測精度を下げると、稀頻度の燃焼不良の検出を行う
ことが難しくなる。
検出して、異常であることを運転者に警告したり、燃焼
不良を起こしている気筒に対して燃料供給を中断して未
燃焼ガスの排出を防いだり排気系が高温になるのを防ぐ
といったことが大気汚染防止上、あるいは安全上ますま
す必要となってきているため、誤診断の可能性を低減す
る必要がある。
どの回転速度の計測精度の影響が大きく出るところで
の、燃焼状態検出パラメータの変動を抑え、正常運転に
もかかわらず燃焼不良と誤判断する可能性を低減するこ
とを課題とする。
て、各気筒に該当する回転速度計測区間を設定し、その
区間内にかかる時間を計測して、その時間を用いて回転
速度を算出するのだが、この方法の計測誤差の発生要因
は、回転速度計測区間の設定位置、及び計測区間幅、ま
た、ディジタル処理で回転速度を算出する場合は、時間
計測時の端数処理等があげられる。
な要因は、回転速度計測区間幅が一定でないため起こる
ものである。
測区間幅を疑似的に一定幅にして、回転速度を算出する
という手段を施す。
る方法として、各回転速度計測区間幅に対応する係数を
設け、内燃機関が一定速度で回転している時は各回転速
度計測区間幅と各係数との積が一定になるように各係数
を設定し、計測された時間はその係数との積をとり、そ
の値を計測時間データとして回転速度を求め、燃焼状態
を検出する。
転速度計測区間幅が一定でないために起こる燃焼状態検
出パラメータの変動を抑え、正常運転にもかかわらず燃
焼不良と誤判断する可能性を低減することができる。従
って、運転者への警告がより正確になり、また、より確
実に未燃焼ガスの排出を防いだり排気系が高温になるの
を防いだりすることができる。
を図に示す実施例に基づき説明する。
れる燃料と吸入した空気を燃焼室内に混合気として取り
入れる。取り入れられた混合気は、内燃機関の圧縮,爆
発,膨張行程の後、排気され、その排気ガス中の酸素濃
度を知るため、酸素濃度センサ12を排気管に取り付け
る。また、内燃機関のクランクシャフトには、クランク
角検出用回転板8及び、気筒判別用のレファレンスセン
サ2と、クランクシャフトの回転角速度を計るポジショ
ンセンサ3を取り付ける。クランク角検出用回転板及び
ポジションセンサは例えば内燃機関始動時に使用するス
タータ用のリングギアの波形を磁気式ピックアップで検
出するものを使用しても良い。気筒判別の補助信号とし
て、カム軸にフェイズセンサ4を取り付ける。これらの
信号の一例を図2に示す。
によって燃焼状態を検出する。演算装置5は、コントロ
ールユニット6の内部に構成しても良い。ここで、燃焼
不良と判断された場合は、内燃機関の運動を制御するコ
ントロールユニット6に燃焼不良であることを告知し、
燃焼不良である気筒の燃料供給を行わないなどの処理を
行うとともに、警告装置7に信号が送られ、表示等の点
灯や、警告音の発生により、運転者に燃焼状態不良を知
らせ、それに対する所定の対応を促す。
べる。
間を計測し、1ポジションまたは、複数のポジションか
らなる回転速度計測区間にわたる時間T(s)により、そ
の逆数を使って回転速度N(1/min)を算出することが出
来る。
や、内燃機関の運転時に起きる摩耗等によりピッチエラ
ーとなり、正確に等間隔に信号がでるようにはなってい
ない。そのため、一定速度で回転していても、Tは一定
にならない。例えば6気筒の内燃機関ならば、以下のよ
うになる。
計測区間のピッチエラーの補正係数であるため、内燃機
関がどのような回転速度で回っていたとしても変化する
ことはない。
に示す燃焼状態パラメータAによって燃焼状態を検出す
るものとする。
気筒の回転速度で、T(cyl)は、該当気筒の回転速度計測
区間をわたる時間、T(cyl-1)は、該当気筒の前の気筒の
回転速度計測区間をわたる時間である。燃焼状態パラメ
ータAは、正常運転時にはほぼゼロの値となり、燃焼不
良時には絶対値が内燃機関の負荷にほぼ比例するような
値となる。すなわち、燃焼不良の検出に使用するしきい
値を内燃機関にかかる負荷にほぼ比例する値に設定し、
燃焼状態パラメータAがこのしきい値を超えた場合、燃
焼不良と判断する。
ピッチエラーによるパラメータAの変動は、内燃機関に
かかる負荷の影響は受けず、内燃機関の回転速度に比例
した値となる。これらの関係を図3に示す。
高回転側に大きくでるため、高回転,低負荷時では燃焼
不良であるか、ピッチエラーによるものかの判断が難し
い。そこで、前述のピッチエラー補正係数を考慮したも
のを以下に示す。
係数、C(cyl-1)は前の気筒に対応するピッチエラー補正
係数である。
として、内燃機関の運転中に演算装置5によって自動的
に最適値を求める方法をとる。ピッチエラー補正係数C
の最適値の求め方として、次の方法があげられる。
関の回転速度の変動が小さい場合において、計測された
時間とピッチエラー補正係数の積であるC・Tが最適値
となるようにCを再設定していく。
に前後の気筒のC・Tと比較してそれによってCを加減
する方法がある。ここで、加減値であるpは定数にして
も良いし、Cや内燃機関の回転速度Ne,内燃機関にか
かる負荷Tpなどの値によって変化する値にしても良
い。
法としては、内燃機関の制御用のパラメータを利用し、
例えば、内燃機関の回転速度Neや、内燃機関にかかる
負荷Tpによって、別に定めた範囲内にあれば確実に燃
焼状態を検出することが出来る範囲であるとする。この
燃焼状態検出が確実に行える範囲の設定はC・Tの変動
が、燃焼不良によるものかピッチエラーによるものかを
判別しやすいため必要である。
必要性は、前述の燃焼状態検出が確実に行える範囲の設
定の必要性と同様に、ピッチエラー補正係数Cの更新中
はピッチエラー以外による回転変動の要因を極力減らす
ためである。内燃機関の回転速度の変動が大きい点は、
例えば、低回転などでの燃焼不安定時や、失火時、急加
減速時などがあげられる。これらの検出方法としては、
前述の燃焼状態パラメータや、内燃機関の制御パラメー
タを利用し、別に定めた範囲内にあるかを確認すれば良
い。
えば、故意に全気筒の燃料供給を中止した場合などにお
いては、内燃機関の燃焼によるトルク変動は、全気筒と
も0と成るため、C・Tの変動は、内燃機関にかかる負
荷の変動か、ピッチエラーによるものかの、いずれかで
あるため、この間にC・Tの更新を行う方法もある。ま
た、ピッチエラー補正係数Cの再設定を行う範囲の検出
は、内燃機関の機構上の要因以外の影響による内燃機関
の回転速度変動が少ないときの検出のみを行い、内燃機
関の燃焼安定域及び、燃焼状態検出が確実に行える範囲
の検出は、あえて行わず、前述のピッチエラー補正係数
Cの加減値pを拡大利用することにより省略することが
できる。pの拡大利用方法として、pに燃焼状態係数K
pを乗じた値をピッチエラー補正係数Cの加減値とする
方法がある。燃焼状態が良好かつ燃焼状態検出が確実に
行える範囲では、Kpを大きくし、燃焼状態が不安定、
もしくは燃焼状態検出が困難と思える範囲では、Kpを
小さくするなどの処理をする。そのため、燃焼状態係数
Kpを内燃機関の回転速度Neおよび、内燃機関にかか
る負荷Tpの関数にする方法があげられる。演算装置で
燃焼状態係数Kpを求める際は、内燃機関の回転速度N
e及び内燃機関にかかる負荷Tpで計算式を作り、それ
に基づきKpを求める方法、または、あらかじめ、内燃
機関の回転速度Neや、内燃機関にかかる負荷Tpなど
を格子とするテーブルもしくはマップを作成しておき、
そこから、Kpを検索するという方法などがあげられ
る。燃焼状態係数Kpを算出もしくは検索した後、前述
のピッチエラー補正係数Cの加減値pの算出を行う。
いてピッチエラーの補正を行う燃焼状態検出のフローチ
ャートを図5に示し、以下、図5のフローチャートは燃
焼状態の診断を行う気筒毎すなわち120°毎に行われ
るものとし、説明する。
3 は、内燃機関が運転を停止した場合も内容が保存され
るようにしておき、その初期設定値を1.0 とする。補
正係数を決める際の、該当する気筒の回転計測区間に渡
る計測時間をt(n) 、該当する気筒の前の気筒の回転計
測区間に渡る計測時間をt(n-1) 、該当する気筒の次の
気筒の回転計測区間に渡る計測時間をt(n+1) および、
該当する気筒の補正後の時間をT(n)、該当する気筒の
前の気筒の補正後の時間をT(n-1)、該当する気筒の次
の気筒の補正後の時間をT(n+1)とする。該当気筒番号
をcylとし、点火順に、1,2,3,4,5,6,1,
…と変化するものとする。
しt(n+1) とする。また、以前に計測した時間のうち最
も新しいものをt(n)、次に新しいものをt(n-1)とし、
それぞれに該当する気筒に対応する補正係数との積をと
り、T(n+1),T(n),T(n-1)とする。
ータA′(n+1)を計算する。
値1より大きい場合は燃焼不良とみなし燃焼不良時処理
を行う。燃焼状態パラメータA′(n) が、しきい値1以
下の場合、燃焼は正常とみなす。
ータA′(n+1) および前気筒に対応する燃焼状態パラメ
ータA′(n) の絶対値と、しきい値2とを比較する。こ
のとき、燃焼状態パラメータA′(n)とA′(n+1)の絶対
値が、共にしきい値2より小さい場合は、さらに、内燃
機関の制御パラメータの回転速度Neとしきい値3およ
びしきい値4とを比較し、Neがしきい値3以上でか
つ、しきい値4未満ならば、内燃機関の燃焼は安定して
いるものとみなし、ピッチエラー補正係数Cの再設定を
行う。ピッチエラー補正係数Cの再設定方法は前述した
ように、次式によりT′(n)を設定しT(n)と比較する。
るピッチエラー補正係数Cにpを加え、その前後の気筒
に対応するピッチエラー補正係数Cにそれぞれp/2を
減ずる。
当する気筒に対応するピッチエラー補正係数Cにpを減
じ、その前後の気筒に対応するピッチエラー補正係数C
にそれぞれp/2を加える。
フローチャートの部分が呼び出されるときのために、下
記のように変数tの再配置を行う。
うために、ピッチエラー補正係数Cを用いて計算を行っ
た燃焼状態パラメータを用いて燃焼状態を判断し、その
結果を用いて、ピッチエラー補正係数Cの再設定が行え
る範囲かを判断する必要があった。
を行うために行う燃焼状態の確認に、燃焼状態パラメー
タを用いず、他の手段によって確認するという方法もあ
げられる。
管に取り付けた酸素濃度センサの出力信号によって判断
することができる。
に使われるべき酸素が、燃焼に使われないため、内燃機
関の排気ガス中の酸素濃度があがる。言い替えれば、酸
素濃度センサの出力が、理論空燃比時より低い場合(内
燃機関の排気ガスの空燃比が、理論空燃比より小さい場
合)は、燃焼不良はしていない。
る場合、内燃機関の燃焼状態は判断できるが、どの気筒
が燃焼不良を起しているのかの識別が困難である。
Cの再設定を行うために行う燃焼状態の確認に、酸素濃
度センサの出力信号を用いるため、燃焼不良気筒の識別
は、行えなくても良い。
いてピッチエラーの補正を行う燃焼状態検出のフローチ
ャートを図6に示し、以下、図6のフローチャートは燃
焼状態の診断を行う気筒毎すなわち120°毎に行われ
るものし、説明する。
3 は、内燃機関が運転を停止した場合も内容が保存され
るようにしておき、その初期設定値を1.0 とする。こ
の内燃機関が燃焼行程を行ってから、その燃焼時に発生
した排気ガスが排気管に取り付けた酸素濃度センサの位
置まで達する間に、各気筒において行われた燃焼行程の
回数の和をmとする。補正係数を決める際の、該当する
気筒の回転計測区間に渡る計測時間をt(n) 、該当する
気筒の前の気筒の回転計測区間に渡る計測時間をt
(n-1)、該当する気筒の次の気筒の回転計測区間に渡る
計測時間をt(n+1)および、該当する気筒の補正後の時
間をT(n) 、該当する気筒の前の気筒の補正後の時間を
T(n-1)、該当する気筒の次の気筒の補正後の時間をT
(n+1)とする。該当気筒番号をcyl とし、点火順に、
1,2,3,4,5,6,1,…と変化するものとす
る。
しtdataとする。また、以前に計測した時間のうち最も
新しいものをtdata(1)、次に新しいものをtdata(2)、
……X回前に計測したものをtdata(X) とする。ここ
で、酸素濃度センサの出力信号を見た場合、この酸素濃
度センサの出力信号は、m行程前に燃焼工程を終えた排
気ガスであるため、現時点でこの酸素濃度センサの出力
によって燃焼状態が判断できる回転計測区間に渡る計測
時間はtdata(m)である。このtdata(m)をt(n+1) と
する。また、それより以前に計測した時間のうち最も新
しいものtdata(m+1)をt(n)、次に新しいものtdata(m
+2)をt(n-1)とし、それぞれに該当する気筒に対応する
補正係数との積をとり、T(n+1),T(n),T(n-1) とす
る。
る。酸素濃度センサの出力が、理論空燃比時より酸素濃
度が低いと示したとき(リッチ時)、この時は、燃焼不
良は起していない。排気ガスの流速はたえず変化してお
り、正確に燃焼行程から、その時に発生した排気ガスの
酸素濃度を検出するために設けた酸素濃度センサの位置
まで、排気ガスが達する遅れ時間を算出することが困難
なため、この状態(リッチ時)が、L行程以上継続され
たときに、内燃機関の燃焼状態は安定していると判断す
る。このL行程以上の継続の確認方法として、例えばカ
ウンタを設置し、そのカウンタの初期値をLとして、リ
ッチ時にそのカウンタを1ずつ減じていく。また、酸素
濃度が理論空燃比より高い(リーン時)場合、カウンタ
値をLに再設定する。そして、そのカウンタ値が0以下
となったとき、L行程以上の間リッチであったというこ
とが確認できる。
以上継続された場合、内燃機関にかかる負荷の急変があ
るかを確認する。この確認方法として、前述の燃焼状態
パラメータを用いる方法もあるが、ここでは、直接また
は間接的にその負荷を各種センサによって検出する方法
を述べる。まず、内燃機関にかかる負荷の急変時として
考えられるのは、例えば、内燃機関の運転中における、
クラッチの断続、オートマチック車のロックアップ時、
ブレーキの作動及び、内燃機関を搭載した車輌の悪路走
行時や、内燃機関の発生トルクを路面に伝達すべきタイ
アのスリップ、及び、そのスリップ後に急に路面とのグ
リップを回復したときなどがあげられる。これらを検知
する方法として、クラッチの断続や、ロックアップ時、
ブレーキの作動時などは、内燃機関の制御装置のミッシ
ョン系の制御パラメータを用いる方法や、クラッチや、
ブレーキペダルに設置したセンサの出力を見る方法、ま
たは、ブレーキの作動の確認として、ブレーキ装置にか
かる油圧の変化をモニタする方法や、ブレーキランプに
かかる電圧や電流などをモニタする方法などがあげられ
る。車輌の悪路走行時の検知方法としては、車輌に設置
した、加速度センサの出力を利用する方法がある。車輌
が悪路を走行した場合、加速度センサの出力値は、車輌
の振動をモニタした形で出力信号を発生する。この出力
信号があらかじめ設定されたしきい値を超えた場合、悪
路走行を行っていると判断する。又、タイアが路面から
スリップしたとき、及び、スリップ後グリップした時な
どの判断は、例えば、駆動輪と従動輪に設置した回転速
度センサの出力信号を比較することによって判断でき
る。
以上継続され、かつ、内燃機関にかかる負荷の急変がな
いと判断した場合、ピッチエラー補正係数Cの更新を行
う。ピッチエラー補正係数Cの再設定方法は前述したよ
うに、次式によりT′(n) を設定しT(n)と比較する。
るピッチエラー補正係数Cにpを加え、その前後の気筒
に対応するピッチエラー補正係数Cにそれぞれp/2を
減ずる。
当する気筒に対応するピッチエラー補正係数Cにpを減
じ、その前後の気筒に対応するピッチエラー補正係数C
にそれぞれp/2を加える。
更新されたピッチエラー補正係数Cを用いて、tdata、
及び、tdata(1) のピッチエラー補正をかける。そし
て、ピッチエラー補正後のそれぞれの値をTdata,Tda
ta(1) とする。
ラメータA′を計算する。
い場合は燃焼不良とみなし燃焼不良時処理を行う。燃焼
状態パラメータA′が、しきい値以下の場合、燃焼は正
常とみなす。
メータを算出することにより、 (C1+C2+C3)/3=1.0 となるため、回転速度計測区間幅は過剰補正をかけるこ
となくピッチエラー補正がかけられる。
補正係数を求めてもよいが、ここでの仮定は、内燃機関
が正常に回転しているときはトルク変動は無い、すなわ
ち内燃機関の回転速度は一定であるというものである。
しかし、実際は図7に示すように、内燃機関の回転速度
はたえず変化している。そのため、前述の手法によって
ピッチエラー補正係数を求めると、各回転速度,負荷に
よってピッチエラー補正係数が微妙に変わることにな
る。
転時における回転速度変動について簡単に述べておく。
トルク変動による影響であり、内燃機関のトルク変動
は、ピストンに働くガス力Fgと往復慣性力Fiの和が
ピストンから連接棒を経てクランク腕に垂直な分力と腕
長さrの積で与えられる。
表される。
積である。ここで、ピストンの断面積は、定数であるた
め、ガス力はガス圧にのみ影響を受けることになる。こ
こでガス圧は、混合気の爆発,膨張によって得られるも
のであるため、内燃機関に供給した燃料量に影響され
る。つまり、内燃機関にかかる負荷によるものであるこ
とがわかる。
る。
は、負荷による影響を受けるガス力と、回転速度による
影響を受ける往復慣性力の影響を考慮すればよいことに
なる。
度変動の影響について、図9を基に述べる。
転速度変動は凸型となり、そのため、計測する時間デー
タは、凹型となる。
計測すべき計測区間の平均時間データに対して、実際に
計測した平均時間データは、大きなものとなる。そのた
め、単一気筒内のトルク変動による回転速度変動の影響
を考慮しない場合、過剰補正が係り、計測区間幅を求め
たい幅よりも小さくすることになる。
は、計測すべき計測区間の平均時間データに対して、実
際に計測した平均時間データは、小さなものとなる。そ
のため、単一気筒内のトルク変動による回転速度変動の
影響を考慮しない場合、過剰補正が係り、計測区間幅を
求めたい幅よりも大きくすることになる。
転速度変動は凹型となり、そのため、計測する時間デー
タは、凸型となる。
計測すべき計測区間の平均時間データに対して、実際に
計測した平均時間データは、小さなものとなる。そのた
め、単一気筒内のトルク変動による回転速度変動の影響
を考慮しない場合、補正不足となり、計測区間幅を求め
たい幅よりも大きくすることになる。
は、計測すべき計測区間の平均時間データに対して、実
際に計測した平均時間データは、大きなものとなる。そ
のため、単一気筒内のトルク変動による回転速度変動の
影響を考慮しない場合、補正不足となり、計測区間幅を
求めたい幅よりも小さくすることになる。
とき、過剰補正を欠けないように補正を行い、往復慣性
力がガス力に比べ大きいとき、補正不足とならぬように
補正を行う。
動の影響を考慮した補正方法として、次式のように補正
係数を掛ける方法がある。
関の回転速度Ne、及び、内燃機関にかかる負荷Tpに
よって定まる。そのため、トルク変動補正係数KはNe
及びTpを格子軸にマップ検索してもよいし、あらかじ
め、NeとTpによる演算式を作成し、その演算式を用
いて計算してもよい。
いてピッチエラーの補正を行う燃焼状態検出のフローチ
ャートを図10に示し、以下、図10のフローチャート
は燃焼状態の診断を行う気筒毎すなわち120°毎に行
われるものし、説明する。
3 は、内燃機関が運転を停止した場合も内容が保存され
るようにしておき、その初期設定値を1.0 とする。補
正係数を決める際の、該当する気筒の回転計測区間に渡
る計測時間をt(n) 、該当する気筒の前の気筒の回転計
測区間に渡る計測時間をt(n-1) 、該当する気筒の次の
気筒の回転計測区間に渡る計測時間をt(n+1) および、
該当する気筒の補正後の時間をT(n)、該当する気筒の
前の気筒の補正後の時間をT(n-1)、該当する気筒の次
の気筒の補正後の時間をT(n+1)とする。該当気筒番号
をcylとし、点火順に、1,2,3,4,5,6,1,
…と変化するものとする。
機関にかかる負荷Tpによりマップ検索を行い、トルク
変動補正係数Kを求める。そして、回転速度計測区間に
渡る時間を計測しt(n+1) とする。また、以前に計測し
た時間のうち最も新しいものをt(n)、次に新しいもの
をt(n-1)とし、それぞれに該当する気筒に対応する補
正係数及び、トルク変動補正係数Kとの積をとり、T
(n+1),T(n),T(n-1) とする。
ータA′(n+1)を計算する。
値1より大きい場合は燃焼不良とみなし燃焼不良時処理
を行う。燃焼状態パラメータA′(n) が、しきい値1以
下の場合、燃焼は正常とみなす。
ータA′(n+1) および前気筒に対応する燃焼状態パラメ
ータA′(n) の絶対値と、しきい値2とを比較する。こ
のとき、燃焼状態パラメータA′(n)とA′(n+1)の絶対
値が、共にしきい値2より小さい場合は、さらに、内燃
機関の制御パラメータの回転速度Neとしきい値3およ
びしきい値4とを比較し、Neがしきい値3以上でか
つ、しきい値4未満ならば、内燃機関の燃焼は安定して
いるものとみなし、ピッチエラー補正係数Cの再設定を
行う。ピッチエラー補正係数Cの再設定方法は前述した
ように、次式によりT′(n)を設定しT(n)と比較する。
るピッチエラー補正係数Cにpを加え、その前後の気筒
に対応するピッチエラー補正係数Cにそれぞれp/2を
減ずる。
当する気筒に対応するピッチエラー補正係数Cにpを減
じ、その前後の気筒に対応するピッチエラー補正係数C
にそれぞれp/2を加える。
フローチャートの部分が呼び出されるときのために、下
記のように変数tの再配置を行う。
正はより確実となり、広範囲の燃焼状態検出が可能とな
る。
1に示す。この実施例では、高回転,低負荷時の燃焼状
態の検出を行った。ピッチエラーを考慮しない場合(ピ
ッチエラー補正係数C=1.0)、Signal/Noise比は、
約2.5 となったが、ピッチエラー補正を行った場合、
S/N比は、約5.0 となり、ピッチエラー補正の効果
が得られた。
算時にディジタルフィルタなどを必要としないため、大
量のRAMを必要とせず、また、マイコンにかかる計算
負荷も小さくできる。そのうえ、ディジタルフィルタに
よって、パラメータ波形を必要以上になまされることも
無くなるため、燃焼不良の検出効率も上がる。
し、あらかじめ設定しておいたしきい値を越えるような
値が代入された場合、クランク角検出用回転板が、異常
であると判断できる。そのような場合は、運転者になん
らかの形で警告することにより、早期修理が行え、内燃
機関の燃焼状態検出の信頼性が上がる。
転時に特に悪影響を及ぼす、回転速度計測区間幅が一定
でないために起こる燃焼状態検出パラメータの変動を抑
え、正常運転にもかかわらず燃焼不良と誤判断する可能
性を低減することができる。
る。
である。
る。
すフローチャートである。
る。
本発明の主な流れを示すフローチャートである。
ションセンサ、4…フェイズセンサ、5…演算装置、6
…コントロールユニット、7…警告装置、8…クランク
角検出用回転板、9…吸気マニホルド、10…排気マニ
ホルド、11…点火プラグ、12…酸素濃度センサ。
Claims (4)
- 【請求項1】内燃機関の各気筒毎の燃焼行程に対応して
内燃機関の回転速度に関する情報を検出する第1の手段
と、前記第1の手段によって検出された情報によって各
気筒毎の燃焼に対応する燃焼状態パラメータを求める第
2の手段とを有し、前記第2の手段によって燃焼状態パ
ラメータを求める際、前記第1の手段によって求められ
た情報と各気筒毎の回転速度計測区間幅に対応して該回
転速度計測区間幅を一定に補正する係数とを用い、前記
補正係数を更新する補正係数更新手段を有し、前記補正
係数の更新は、前記内燃機関の燃焼が安定していると
き、又は前記内燃機関の燃焼がされていないときに行う
ことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記第2の手段によっ
て求められた燃焼状態パラメータによって、前記内燃機
関の燃焼が安定しているか否かを判別する燃焼状態判別
手段を有することを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出
装置。 - 【請求項3】請求項2において、前記内燃機関の燃焼状
態の安定を判別する手段は、排気管に取り付けた酸素濃
度センサの信号に基づいて判別することを特徴とする内
燃機関の燃焼状態検出装置。 - 【請求項4】請求項1において、前記内燃機関の発生ト
ルクと慣性力による回転速度の変動の少なくともいずれ
か一方を用いて前記補正係数を補正する手段を有するこ
とを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17044792A JP3293658B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 内燃機関の燃焼状態検出装置 |
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JP17044792A JP3293658B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 内燃機関の燃焼状態検出装置 |
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JPH0610753A JPH0610753A (ja) | 1994-01-18 |
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-
1992
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