JP3293015B2 - 加工性の均一性に優れた冷延鋼板 - Google Patents

加工性の均一性に優れた冷延鋼板

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JP3293015B2
JP3293015B2 JP03574395A JP3574395A JP3293015B2 JP 3293015 B2 JP3293015 B2 JP 3293015B2 JP 03574395 A JP03574395 A JP 03574395A JP 3574395 A JP3574395 A JP 3574395A JP 3293015 B2 JP3293015 B2 JP 3293015B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コイル内における加工
性のばらつきが極めて少ない冷延鋼板に関するものであ
り、これらの鋼板の用途は、自動車、家電、建材等であ
る。
【0002】
【従来の技術】特開昭58−185752号公報に開示
されているように、極低炭素鋼板は優れた加工性を有す
るため、自動車などの用途に広く用いられている。ま
た、極低炭素鋼の成分や製造方法を規定することによっ
て、加工性をさらに改善するための工夫がなされてき
た。例えば、特開平3−130323号公報、特開平4
−143228号公報および特開平4−116124号
公報では、Tiを添加した極低炭素鋼中のC、Mn、P
等の量を極力低減させることによって優れた加工性が得
られることが開示されている。しかしながら、これらの
発明においては、コイルの幅および長手方向における端
部での歩留りを向上させる観点からの記述はなく、また
本発明のようなTi硫化物を積極的に活用する技術でも
ない。材質のばらつきを低減するという観点からは、特
開平3−170618号公報および特開平4−5222
9号公報記載の技術がある。しかしながら、これらの発
明は、仕上熱延での圧下率を大きくしたり、熱延後の巻
取温度を高める必要があり、熱延工程に大きな負荷をか
けることとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Ti添加またはTi、
Nb添加極低炭素鋼においては、熱延後の高温巻取によ
ってCをTiCあるいはNbCとして析出せしめ、固溶
Cを低減させることにより、冷延、焼鈍後の材質を確保
することが通常の方法となっていた。しかしながら、熱
延コイルの幅端部および長手方向の端部においては、巻
取り時および巻取り後の冷却が著しく速く進行するた
め、TiCやNbCの析出が充分でなく、これらの部分
では材質が劣化してしまうという問題があった。従っ
て、実際には、熱延板あるいは冷延板の端部は切り捨て
られることが多く、これが極低炭素鋼の製造コストを上
昇させる原因となっていた。
【0004】本発明は、コイルの幅および長手方向端部
における材質劣化が極めて少ない加工性の均一性に優れ
た冷延鋼板を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者らは、極低炭素鋼中においてSを積極的
に活用するとともに、Mn量を規定することにより特定
の炭化物を析出せしめ、加工性の均一性に優れた冷延鋼
板を得ることについて鋭意検討した。その結果、S
0.004〜0.02%、かつMn:0.01〜0.1
5%とすることが有効であることを見出した。
【0006】さらに、熱延後の巻取りの後に、全Sのう
ちMnSとして析出するSの割合K=(S% as M
nS)/(全S%)がK≦0.2を満たすことが材質の
均一性を得る上で極めて重要であること、また材質が均
一であるためには、全C量のうちTi、Nb含有炭硫化
物として析出するC量の割合L=(C% as 炭硫化
物)/(全C%)がL≧0.7であることが必要なこと
が判明した。これは、以下のような機構に基づくものと
考えられる。すなわち、全S量のうちMnSとして析出
する量を極力低減せしめ、Ti、Nb含有炭硫化物を積
極的に析出させることによって仕上熱延までに固溶Cを
低減させるものである。これによって熱延後の巻取り時
にコイルの端部が急速に冷却されても、巻取り以前に固
溶Cが充分に固定されているために、コイル端部で固溶
Cが多量に残存したり、微細炭化物が析出することによ
る材質の劣化が軽減されるものと考えられる。
【0007】また、本発明者らは、Ti添加極低炭素鋼
においてTi4 2 2 を積極的に析出させることでコ
イル端部の材質劣化を軽減させる方法を以前に見出して
いる。しかし、さらに鋭意研究を重ねた結果、TiとN
bの複合添加によってTi、Nb含有炭硫化物が析出す
るとTiのみを添加するよりも析出が促進されるために
より多くの炭硫化物が析出すること、そしてこのために
巻取り以前に固溶C量がより低減され、コイル内の材質
のばらつきがさらに軽減されて巻取温度依存性が少なく
なることを新たに見出した。
【0008】本発明は、これらの知見に基づいてなされ
たもので、その要旨とするところは下記のとおりであ
る。 (1)重量%で、C:0.0005〜0.007%、M
n:0.01〜0.15%、Si:0.005〜0.8
%、Al:0.005〜0.1%、P:0.2%以下、
S:0.004〜0.02%、N:0.007%以下、
Nb:0.002〜0.05%、Ti:0.01〜0.
1%を含有し、残部は鉄および不可避的不純物よりな
り、さらに全S量のうちMnSとして析出するS量の割
合K=(S% as MnS)/(全S%)がK≦0.
2であり、かつ全C量のうちTi、Nb含有炭硫化物と
して析出するC量の割合L=(C% as 炭硫化物)
/(全C%)がL≧0.7であることを特徴とする加工
性の均一性に優れた冷延鋼板。
【0009】(2)さらに、B:0.0001〜0.0
030%を含有する前項(1)記載の加工性の均一性に
優れた冷延鋼板。
【0010】
【作用】本発明の加工性の均一性に優れた冷延鋼板は、
S:0.004〜0.02%、Mn:0.01〜0.1
5%、Ti:0.01〜0.1%、Nb:0.002〜
0.05%に特定し、かつ全S量のうちMnSとして析
出するS量の割合K=(S% as MnS)/(全S
%)がK≦0.2であり、さらに全C量のうちTi、N
b含有炭硫化物として析出するC量の割合L=(C%
as 炭硫化物)/(全C%)がL≧0.7であること
を特徴し、後記するような製造プロセスにおいて、熱延
後の巻取り以前にCを充分に析出させることで、熱延後
の巻取り時にコイルの端部が急速に冷却されても、巻取
り以前に固溶Cが充分に固定されているために、コイル
端部で固溶Cが多量に残存したり、微細炭化物が析出す
ることによる材質の劣化が軽減され、コイルの長手方向
および幅方向において加工性の均一性に優れた製品が得
られるものである。以下にその限定理由を述べる。
【0011】先ず、化学成分の限定理由について説明す
る。Cは、その量が増加するのに従い、それを固定する
ためのTi、Nb等の炭化物形成元素量を増大させねば
ならないことからコスト上昇を招き、また熱延コイルの
端部において固溶Cが残存したり、TiC、NbC等の
微細炭化物が粒内に数多く析出するため、粒成長性を妨
げ、加工性が劣化する。従って、C量は0.007%以
下とするが、好ましくは0.003%以下がよい。ま
た、真空脱ガス処理コストの観点から、C量の下限は
0.0005%とする。
【0012】Siは安価な高強度化元素として有効であ
るので、目的とする強度レベルに応じて活用する。ただ
し、その量が0.8%を超えるとYPが急激に上昇し、
伸びが低下し、メッキ性を著しく損なうので、上限を
0.8%とする。溶融亜鉛メッキ用としては、メッキ性
の観点から、Si量は0.3%以下とすることが好まし
い。高強度(TSで350MPa以上)を必要としない
場合には、0.1%以下がさらに好ましい。Si量の下
限は、製鋼コスト上の理由から、0.005%とする。
【0013】Mnは本発明において最も重要な元素の1
つである。すなわち、Mn量が0.15%を超えるとM
nSの析出量が増加し、結果として、Ti、Nb含有炭
硫化物の析出量が低下するため、たとえ高温巻取を行っ
たとしても、熱延コイルの端部では冷却速度が速いた
め、固溶Cが多量に残存したり、微細炭化物が多数析出
するため、著しく材質が劣化する。従って、Mn量は
0.15%以下とし、さらに好ましくは0.10%未満
がよい。一方、Mn量を0.01%未満としても格別の
効果は得られず、また製鋼コストの上昇を招くので、下
限を0.01%とする。
【0014】PはSiと同様に安価な高強度化元素とし
て目的とする強度レベルに応じて積極的に活用する。し
かし、P量が0.2%超では熱間あるいは冷間加工時の
割れの原因となり、2次加工性も著しく劣化させる。ま
た、溶融亜鉛メッキの合金化速度を著しく遅滞させるた
め、0.2%を上限とする。以上の観点から、より好ま
しくは、0.08%以下がよい。また、高い強度を必要
としない場合には、0.03%以下がさらに好ましい。
【0015】Sは本発明において極めて重要な元素であ
り、その添加量を0.004〜0.02%とする。S量
が0.004%未満になるとTi、Nb含有炭硫化物の
析出量が充分ではなく、低温で巻取った際にはもちろん
のこと、たとえ高温で巻取ってもコイルの端部では固溶
Cが多量に残存したり、TiCやNbCの微細な析出に
より焼鈍時の粒成長性が阻害されて加工性が著しく劣化
する。S量が0.02%超では熱間割れが生じ易く、ま
たTi、Nb含有炭硫化物の析出よりもMnSやTiS
が多く析出するため同様の問題が生じ、加工性の均一性
が確保できない。なお、S量は0.004〜0.012
%がより好ましい範囲である。
【0016】Alは脱酸剤として少なくとも0.005
%を添加する必要がある。しかし、0.1%を超えると
コスト上昇を招くばかりか介在物の増加を招き、加工性
を劣化させる。NはCと同様に、その量が増加するのに
従い、Ti、Al等の窒化物形成元素を増量させねばな
らないことからコスト上昇を招き、また析出物の増加に
より延性の劣化を招くので少ないほど望ましい。従っ
て、N量の上限を0.007%とするが、好ましくは
0.003%以下がよい。
【0017】Nbは本発明において極めて重要な元素で
あり、Ti、Nb含有炭硫化物として析出するほかに、
熱延板を細粒化し、深絞り性を向上させる。また、溶融
亜鉛メッキを施す場合には、粒界に存在するNbによっ
て耐パウダリング性も著しく向上する。従って、Nbは
0.002〜0.05%の範囲で添加する。Nbが0.
002%未満ではTi、Nb含有炭硫化物を巻取の前に
析出させることができない。一方、Nb量が0.05%
を超えるとCを固定する効果が飽和するばかりか、延性
が著しく劣化する。以上の観点から、Nb量は0.00
5〜0.03%の範囲がさらに好ましい。
【0018】Tiは0.01〜0.1%添加する。Ti
量が0.01%未満ではTi、Nb含有炭硫化物を巻取
の前に析出させることができない。一方、Ti量が0.
1%を超えるとCを固定する効果が飽和するばかりかプ
レス成形時のメッキ層の耐剥離性を確保することが困難
になる。TiNb含有炭硫化物を充分に析出させると
いう観点からは、Ti量は0.02%超添加することが
さらに好ましい。また、メッキ性の観点からは、Ti量
は0.05%以下とすることがさらに好ましい。
【0019】また、本発明鋼板を製造する際に、コイル
端部での材質を確保するためには、全S量のうちMnS
として析出するS量の割合K=(S% as MnS)
/(全S%)がK≦0.2でなければならない。さらに
は、K<0.15とすることが望ましい。この(S%
as MnS)は次のようにして求められる。すなわ
ち、硫化物が溶解しないような溶媒(例えば、非水溶
媒)によって析出物を電解抽出する。得られた抽出残査
を化学分析に供し、Mn量を測定(=X(g)とする)
する。このときサンプル全体の電解量をY(g)とする
と、(S% asMnS)=X/Y×32/55×10
0(%)となる。
【0020】本発明鋼板を製造する際には、スラブ加熱
中と熱延中にTi、Nb含有炭硫化物を充分析出させる
必要がある。このため、全C量のうちTi、Nb含有炭
硫化物として析出するC量の割合L=(C% as 炭
硫化物)/(全C%)がL≧0.7でなければならな
い。また、このTi、Nb含有炭硫化物は基本的にはT
4 2 2 のTiの位置のいくつかをNbで置き換え
たものとなるが、原子比で1≦Ti/Nb≦9、1≦
(Ti+Nb)/S≦2、1≦(Ti+Nb)/C≦2
の範囲の組成比を持ってもよい。この(C% as 炭
硫化物)は次のようにして求められる。すなわち、硫酸
と過酸化水素水など、サイズの小さい炭化物TiC、N
bCを溶解してしまうような方法によって析出物を抽出
する。得られた残査を化学分析に供し、Nb量を測定
(=N(g)とする)する。このときサンプル全体の抽
出量をZ(g)とすると、(C% as 炭硫化物)=
N/Z×12/93×100(%)となる。
【0021】Bは粒界を強化して2次加工性を良好にす
るので、必要に応じて0.0001〜0.0030%添
加する。0.0001%未満の添加ではその効果は乏し
く、また0.0030%超添加してもその効果は飽和
し、延性が劣化する。上記成分を得るための原料は特に
限定しないが、鉄鉱石を原料として、高炉、転炉により
成分を調製する方法以外に、スクラップを原料としても
よいし、これを電炉で溶製してもよい。スクラップを原
料の全部または一部として使用する際には、Cu、C
r、Ni、Sn、Sb、Zn、Pb、Mo等の元素を含
有してもよい。
【0022】次に、本発明の加工性の均一性に優れた冷
延鋼板を製造するプロセスについて説明する。熱間圧延
に供するスラブは、特に限定するものではない。すなわ
ち、連続鋳造スラブや薄スラブキャスターで製造したも
のなどであればよい。また、鋳造後に直ちに熱間圧延を
行う、連続鋳造−直接圧延(CC−DR)のようなプロ
セスにも適合する。
【0023】熱間圧延における加熱温度は、Ti、Nb
含有炭硫化物の析出量をなるべく増やすために、125
0℃以下とする。この観点からは、好ましくは1150
℃以下がよい。熱間圧延における仕上温度は、プレス成
形性を確保するために(Ar3 −100)℃以上とす
。また、熱間圧延は、粗圧延終了後にバー接合して連
続的に仕上熱延を行っても構わない。
【0024】本発明鋼板は巻取温度が低くても加工性を
確保できるため、製造工程の熱延の巻取温度は室温から
800℃の範囲でよい。すなわち本発明鋼板を製造する
際、Cの析出は、熱延の加熱時〜熱延後の冷却までの過
程でTi、Nb含有炭硫化物として充分に析出が終了し
ており、高温巻取しても材質が顕著に向上することはな
い。従って、巻取は操業上適当な温度で行えばよく、室
温から800℃の範囲で行う。室温未満で巻取ることは
過剰な設備が必要となるばかりで特段の効果はない。ま
た、巻取温度が800℃超となると熱延板の結晶粒が粗
大化したり、表面の酸化スケールが厚くなって酸洗のコ
スト上昇を招くので、800℃を上限とする。本発明鋼
の場合、巻取温度が高いと、わずかに残存していた固
溶Cが微細炭化物として析出したり、Pの化合物が析出
したりして、材質はむしろ劣化する傾向にある。従っ
て、巻取は650℃以下の温度で行うのが好ましい。ま
た、これらの有害な化合物の析出を完全に避けるために
は、500℃以下の温度で巻取ることがさらに好まし
い。さらに、巻取り後に室温付近まで温度が下がる時間
を短縮するためには、100℃以下で巻取ることが好ま
しい。このような低温巻取によって製造コストの削減が
図れることは言うまでもない。
【0025】冷間圧延の圧下率は、深絞り性を確保する
という観点から60%以上とする。連続焼鈍における焼
鈍温度は、加工性を確保するために、再結晶温度以上と
する。連続溶融亜鉛メッキラインにおける再結晶焼鈍温
度も同様の理由から再結晶温度以上とする。溶融亜鉛メ
ッキは、メッキ性、メッキ密着性の観点から420〜5
00℃がよい。その後の合金化処理温度は、低すぎると
合金化反応が遅すぎて生産性を損なうばかりか耐食性、
溶接性が劣悪になり、高すぎると耐メッキ剥離性が劣化
するので、400〜600℃で行う。より密着性に優れ
たメッキ層を得るためには、480〜550℃の範囲で
合金化を行うのがよい。
【0026】連続焼鈍や連続溶融亜鉛メッキラインにお
ける加熱速度は特に限定するものではなく、通常の速度
でもよいし、1000℃/s以上の超急速加熱を行って
もよい。なお、溶融亜鉛メッキ以外にも電気メッキ等種
々の表面処理を施してもよい。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例をもって詳細に説明す
る。 (実施例1) 表1および表2(表1のつづき)に示す化学成分を有す
るTi、Nb添加極低炭素鋼を転炉にて出鋼し、連続鋳
造機にてスラブとした後、1200℃に加熱し、仕上温
度が920℃、板厚が4.0mmとなるような熱間圧延
を行った。ランアウトテーブル(run out ta
ble)での平均冷却速度は約40℃/sであり、その
後、表3および表4(表のつづき)に示したような種
々の巻取温度でコイルに巻取った。
【0028】この熱延コイルの長手方向中心部から試料
を切り出し、以下のような処理を行った。すなわち、実
験室にて酸洗後0.8mmまで冷間圧延を行い、連続焼
鈍相当の熱処理を施した。焼鈍条件は、焼鈍温度:81
0℃、均熱:50s、冷却速度:焼鈍温度から680℃
まで約4℃/s、670℃〜室温までは約70℃/sと
した。その後、0.8%の圧下率で調質圧延を行い、引
張試験に供した。引張試験および平均ランクフォード値
(以下r値)の測定は、JIS5号試験片を用いて行っ
た。なお、r値は伸び15%で評価し、圧延方向(L方
向)、圧延方向に垂直な方向(C方向)、および圧延方
向に対して45°方向(D方向)の値を測定し、下式に
より算出した。
【0029】r=(rL +2rD +rC )/4 試験結果を表3および表4にまとめて示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】表3および表4から明らかなように、本発
明の成分を有する鋼では、800℃以下の温度で巻取る
ことによって、優れた材質が得られることが分かる。特
に、Mn量が低く、Cに対してNb、Tiが充分添加さ
れているA,B,F,Kでは、巻取温度が低くなり、微
細炭化物として析出するC量が少なくなると極めて優れ
た材質が得られる。これに対して比較鋼では、低温巻取
では材質が劣悪となることが明らかである。
【0035】(実施例2) 実施例1と同じ条件で製造した表1および表2の鋼A、
B、D、F、I、L、M、N、R、Sの熱延コイルの長
手方向における先端(コイル内周)部(最先端より10
mの位置)および中央部さらに末端(コイル外周)部
(最末端より10mの位置)から熱延板を切り出した。
なお、熱延コイルの全長は約240mであった。その
後、実施例1と同じ条件で冷延、焼鈍、調質圧延を施し
た冷延鋼板(熱延で4mm厚にした後冷延で0.8mm
厚)を用いて冷延コイル長手方向における材質特性を調
査した。試験結果を表5にまとめて示す。
【0036】
【表5】
【0037】表5から明らかなように、本発明の成分を
有する鋼は、コイルの中央部はもちろんその端部10m
においても優れた特性を示している。これに対して比較
鋼の場合には、コイル端部になると材質が著しく劣化
し、また低温巻取の場合には、コイル全長で材質が劣悪
になった。この傾向が端部になるほど顕著になるのは明
白である。
【0038】(実施例3) 表1および表2の鋼B、K(実機出鋼スラブ)を用いて
冷延、焼鈍後の材質特性に及ぼす熱延加熱温度の影響に
ついて調査した。すなわち、スラブを実機にて1100
1250℃に加熱し、仕上温度940℃、板厚が4.
0mmとなるような熱間圧延を行った。ランアウトテー
ブルでの平均冷却速度は約30℃/sであり、その後6
20℃でコイルに巻取った。なお、コイルの全長は約2
00mであった。同コイルより実施例2と同様の位置か
らサンプルを切り出し、酸洗後0.8mmまで冷間圧延
を行い、続いて実験室において連続焼鈍相当の熱処理を
施した。焼鈍条件は、焼鈍温度:790℃、均熱:60
s、冷却速度:室温まで約60℃/sとした。その後、
0.8%の圧下率で調質圧延を行い、引張試験に供し
た。試験結果を表6にまとめて示す。
【0039】
【表6】
【0040】表6から明らかなように、本発明の成分を
有する鋼は、熱延コイルの中央部はもちろんのこと、そ
の端部においても冷延、焼鈍後の材質が優れている。 (実施例4) 表1および表2の鋼A、E、G、I、L、M、Q、Tを
用いて実施例1と同様の条件で熱間圧延を施し(巻取温
度:450℃)、引き続き実機にて酸洗し、圧下率80
%の冷間圧延を行い、ライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛
メッキラインに通板した。このとき最高加熱温度820
℃で加熱後冷却し、470℃で慣用の溶融亜鉛メッキを
行い(浴中Al濃度は0.12%)、さらに加熱して5
50℃で約15秒間の合金化処理を行った。さらに0.
7%の調質圧延を施して、機械的性質、メッキ密着性を
評価した。得られた結果を表7に示す。
【0041】ここで、メッキ密着性は180°密着曲げ
を行い、亜鉛皮膜の剥離状況を曲げ加工部に粘着テープ
を接着した後、これを剥がしてテープに付着した剥離メ
ッキ量から判定した。評価は、下記の5段階とした。 1:剥離大、2:剥離中、3:剥離小、4:剥離微量、
5:剥離なし
【0042】
【表7】
【0043】表7から明らかなように、本発明の成分を
有する合金化溶融亜鉛メッキ鋼板は、コイルの部位に関
わらず優れた特性を示している。これに対して比較鋼で
は、コイルの部位による加工性のばらつきが大きかっ
た。また、鋼MのようにNbの含有量が低い場合にはメ
ッキ密着性も劣化する。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、熱延後の
巻取温度を低温化することができ、しかもコイルの長手
方向および幅方向に均一で優れた材質が得られ、従来切
り捨てられていたコイル端部を製品とすることができ
る。また、本発明に従った高強度冷延鋼板を自動車用と
して適用した場合には、板厚を軽減することができるた
め燃費の向上をもたらし、近年大きな問題となっている
地球環境問題にも貢献し得るので、その価値は大きい。
フロントページの続き (72)発明者 末広 正方 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平3−170618(JP,A) 特開 平5−59443(JP,A) 特開 平3−257124(JP,A) 特開 平3−294463(JP,A) 特開 平1−191748(JP,A) 特開 昭59−197526(JP,A) 特開 平3−150317(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.0005〜0.00
    7%、Mn:0.01〜0.15%、Si:0.005
    〜0.8%、Al:0.005〜0.1%、P:0.2
    %以下、S:0.004〜0.02%、N:0.007
    %以下、Nb:0.002〜0.05%、Ti:0.0
    1〜0.1%を含有し、残部は鉄および不可避的不純物
    よりなり、さらに全S量のうちMnSとして析出するS
    量の割合K=(S% as MnS)/(全S%)がK
    ≦0.2であり、かつ全C量のうちTi、Nb含有炭硫
    化物として析出するC量の割合L=(C% as 炭硫
    化物)/(全C%)がL≧0.7であることを特徴とす
    る加工性の均一性に優れた冷延鋼板。
  2. 【請求項2】 さらに、B:0.0001〜0.003
    0%を含有する請求項1記載の加工性の均一性に優れた
    冷延鋼板。
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