JP3290493B2 - 楽器用弦の芯材および当該芯材を用いた楽器用弦 - Google Patents
楽器用弦の芯材および当該芯材を用いた楽器用弦Info
- Publication number
- JP3290493B2 JP3290493B2 JP04745193A JP4745193A JP3290493B2 JP 3290493 B2 JP3290493 B2 JP 3290493B2 JP 04745193 A JP04745193 A JP 04745193A JP 4745193 A JP4745193 A JP 4745193A JP 3290493 B2 JP3290493 B2 JP 3290493B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- string
- musical instrument
- core material
- diameter
- vinylidene fluoride
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G10—MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
- G10D—STRINGED MUSICAL INSTRUMENTS; WIND MUSICAL INSTRUMENTS; ACCORDIONS OR CONCERTINAS; PERCUSSION MUSICAL INSTRUMENTS; AEOLIAN HARPS; SINGING-FLAME MUSICAL INSTRUMENTS; MUSICAL INSTRUMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- G10D3/00—Details of, or accessories for, stringed musical instruments, e.g. slide-bars
- G10D3/10—Strings
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/29—Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
- Y10T428/2913—Rod, strand, filament or fiber
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Multimedia (AREA)
- Stringed Musical Instruments (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Sewing Machines And Sewing (AREA)
- Package Frames And Binding Bands (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
当該芯材を用いた楽器用弦に関するものであり、詳しく
は、フツ化ビニリデン系樹脂を構成材料とし、特に、バ
イオリン弦やその他の楽器の低音弦として優れた効果を
発揮し得る楽器用弦の芯材および当該芯材を用いた楽器
用弦に関するものである。
金属線を密着巻回して構成される。そして、芯材の種類
に応じて幾つかの楽器用弦が知られているが、バイオリ
ン弦としては、ガット弦、ナイロン弦が主流となってい
る。しかしながら、ガット弦は、音合わせに長時間を要
し、しかも、湿度に非常に敏感であることから、音程が
変化し易く且つ切断し易いと言う欠点がある。更に、ガ
ット弦は、材料として動物の腸を使用しているため、天
然資源の保護や動物愛護の観点から問題があり、また、
高価であるばかりか、将来は材料不足となると考えられ
る。一方、ナイロン弦は、吸水性を有するために材質の
経時変化が比較的激しく、その結果、音程が時間と共に
変化して音合わせが容易ではない。しかも、ナイロン弦
は、吸水して音の透明感が低下し、更に、振動エネルギ
ーが小さいため、音量が少なく、しかも、音色に深みが
なくて単調過ぎる傾向がある。
樹脂製モノフィラメントから成る楽器用弦について提案
した(特公平2−36958号公報)。この発明は、楽
器用弦の複雑な音色についての詳細な解析の結果、各種
の特性を同時に満足する上記のモノフィラメントがギタ
ーの高音弦として優れていることを確認して完成された
発明である。しかしながら、上記発明の楽器用弦は、本
来、バイオリン弦などの楽器用弦を意図したものではな
い。そして、仮令、上記発明の楽器用弦に金属線を密着
巻回してバイオリン弦とすることを試みても、金属線の
巻線加工時に金属線が滑って巻線加工を良好に実施する
ことが困難である。また、偶発的に金属線を密着巻回し
得たとしても、斯かる弦は音色が悪いために、バイオリ
ン弦やギターの低音弦としては到底使用出来ない。
鑑みなされたものであり、その目的は、特に、バイオリ
ン弦やその他の楽器の低音弦として優れた効果を発揮し
得る楽器用弦の芯材および当該芯材を用いた楽器用弦を
提供することにある。
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、意外にも、フツ
化ビニリデン系樹脂製マルチフイラメントの撚糸におい
て、ある種の特性を満足させるならば、上記の目的を容
易に達成し得ることを知得し、本発明の完成に至った。
上のフツ化ビニリデン系樹脂製マルチフイラメントの撚
糸から成り、当該撚糸が下記の表3(表1と同じ)に記
載の(a)〜(e)の特性を同時に満足することを特徴
とする楽器用弦の芯材に存し、また、第2の発明の要旨
は、第1の要旨の芯材に金属線を密着巻回して成ること
を特徴とする楽器用弦に存する。
経過時のクリープ伸度が15%以下 (e)ヤング率が200kg/mm2 以上
発明の楽器用弦の芯材について説明する。本発明で使用
するフツ化ビニリデン系樹脂は、フツ化ビニリデンホモ
ポリマー又はフツ化ビニリデン及びこれと共重合し得る
他のモノマーとのコポリマーである。上記の他のモノマ
ーとしては、例えば、フツ化ビニル、三フツ化塩化エチ
レン、四フツ化エチレン、六フツ化プロピレン等のフツ
素含有オレフインが挙げられる。そして、フツ化ビニリ
デンコポリマーにおけるフツ化ビニリデンの含有率は、
70モル%以上、好ましくは80モル%以上である。
る他、必要に応じて、ポリエステル系可塑剤、フタル酸
系可塑剤、フラバトロンのような核形成剤、または、ポ
リメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のフツ
化ビニリデン系樹脂との相溶性の良好な樹脂などを混合
して使用することも出来る。
構成するモノフイラメントとして、下記の表4(表2と
同じ)に記載の(1)〜(6)の特性を同時に満足する
モノフイラメント使用するのが好ましい。何故ならば、
本発明の楽器用弦の芯材は、モノフイラメントをマルチ
フイラメントとなし、次いで、2本以上のマルチフイラ
メントを撚糸にすることによって得られるが、楽器用弦
において必要とされる特性を満足するモノフイラメント
を使用するならば、斯かる特性がそのまま撚糸に発現さ
れて本発明の楽器用弦の芯材を容易に製造することが出
来る。
た見掛け粘度が12000〜100000ポイズ (6) 複屈折率が30×10-3〜50×10-3である。
って測定した値である。先ず、1m長の糸を10箇所で
切断し、光学顕微鏡を使用して各切断箇所の断面の最大
直径と最小直径とを測定し、(最大直径+最小直径)/
2の式により、各切断箇所の糸の直径(A)を求め、更
に、10(A)/10の式により、糸の直径の平均値
(B)を求める。また、上記の各測定値から、最大直径
の平均値と最小直径の平均値を求める。次に、{(最大
直径の平均値−最小直径の平均値)/(B)}×100
(%)の式により、直径のむらを求める。
ために必要である。従って、上記の範囲のモノフイラメ
ントを素材とし、これをマルチフイラメントとなし、次
いで、2本以上のマルチフイラメントを撚糸にするなら
ば、本発明の楽器用弦において必要とされる直径を容易
に得ることが出来る。また、直径のむらは、音程の安定
性を確保するために重要である。すなわち、上記の値を
満足するモノフイラメントを素材とすることにより、音
程のむら及びばらつきを激減させ、容易に音合わせを行
うことが出来る、本発明の楽器用弦を容易に得ることが
出来る。直径のむらは、好ましくは、1m当たり10%
以下である。
振動(νK )に影響を与える。
(l)は弦の芯材の長さ、Tは張力(kg)であり、m
は単位長当たりの質量で比重(μ)に比例する。) 従って、比重(μ)が大きいほど伝播速度が速く、ま
た、振動エネルギーも大きく、その結果、十分な音量が
得られる。上記の比重は、好ましくは、1.7〜1.8
の範囲である。なお、上記の比重は、塩化亜鉛と蒸留水
にて作成したグラジェントチューブを使用し、20℃で
測定した値である。
本発明の楽器用芯材を製造するために必要な特性値であ
る。従って、インヘレント粘度が上記の値未満の場合
は、クリープ性が悪化して満足し得る機械的強度を有す
る楽器用芯材を製造することが出来ず、また、上記の値
を超える場合は、粘度が高過ぎて楽器用芯材の製造が困
難となる。見掛け粘度についても同様である。インヘレ
ント粘度は、好ましくは、0.85〜1.1dl/gの
範囲であり、見掛け粘度は、好ましくは、12000〜
33000ポイズの範囲である。
いほど音に透明感が感じられてクリスタル乃至はメタリ
ックな音となる。従って、複屈折率が上記の値未満の場
合は、ぼやけた感じの音色となり、上記の値を超える場
合は、メタリック感が強すぎて騒音的な印象を与える音
色となる。複屈折率は、好ましくは、35×10-3〜5
0×10-3の範囲、更に好ましくは、40×10-3〜4
8×10-3の範囲である。
して、5〜1000本、好ましくは12〜36本のモノ
フイラメントから成り、繊度が100〜500dである
マルチフイラメントを使用するのが好ましい。また、マ
ルチフイラメントはそのまま使用することも出来るが、
片撚りを与えて合撚糸として使用するのが好ましい。撚
り方向は、S撚り又はZ撚りの何れであってもよく、撚
糸数は0.1〜10回/インチ、好ましくは0.5〜3
回/インチの範囲から選択される。
ルチフイラメントの撚糸から成り、当該撚糸が下記の表
5(表1と同じ)に記載の(a)〜(e)の特性を同時
に満足することが必要である。
経過時のクリープ伸度が15%以下 (e)ヤング率が200kg/mm2 以上
な音程を出すために必要である。そして、最適な楽器用
弦の直径は、楽器用弦の弦番によって若干異なり、例え
ば、バイオリン弦の場合、A線は0.65mm前後、D
線は0.68mm前後、G線は0.77mm前後とされ
る。楽器用弦の直径の調整は、後述する金属線の巻回加
工において、金属線の厚さや巻数などをも調整して行わ
れる。そして、本発明の楽器用弦の芯材は、上記のよう
に直径が0.1〜5mmの範囲であるため、金属線の巻
線加工を良好かつ容易に行うことが出来る。
の各値は楽器用弦の芯材として好適な範囲である。抗張
力は、好ましくは50〜100kg/mm2 、更に好ま
しくは75〜85kg/mm2 の範囲である。伸度は、
好ましくは10〜30%の範囲である。上記のクリープ
伸度が15%より大きい場合は、楽器用弦の芯材を緊張
した際に時間と共に芯材が伸びて音程が変化する。上記
のクリープ伸度は、好ましくは2〜6%の範囲である。
え、ヤング率が大きいほど音がシャープでクリスタルに
なる。ヤング率が上記の値未満の場合は、ぼやけた感じ
の音色となる。ヤング率は、好ましくは400〜600
kg/mm2 の範囲である。なお、上記のヤング率は、
測定最大荷重時の伸度の0.1%及び3%の点を直線で
結び、その勾配によって求めた値である。
糸は、引張強度が3.5〜6.0g/dであることが好
ましい。撚り方向は、S撚り又はZ撚りの何れであって
もよいが、マルチフイラメントとして合撚糸を使用する
場合は、合撚糸の撚り方向と逆方向に撚られて諸撚り糸
とされる。撚糸数は0.1〜10回/インチ、好ましく
は0.5〜5回/インチの範囲から選択される。
について説明する。本発明の楽器用弦の芯材は、公知の
方法に従って、マルチフイラメントの製造工程、延伸工
程、撚り工程を経て製造される。
は、フツ化ビニリデン系樹脂をノズルから溶融押出して
モノフイラメントとなし、そのまま収束剤にて処理し、
得られたマルチフイラメントを巻き取る。製造条件は任
意に選択し得るが、ノズル温度は、230〜340℃、
好ましくは245〜265℃、ノズル1ホール当たりの
押出量は、0.005〜3g/分、好ましくは0.1〜
1g/分、ドラフト率は1000〜5000倍とするの
がよい。また、ノズルと収束部との間の距離は、0.3
〜3m、好ましくは0.4〜2mとするのがよい。
は、例えば、ネルソンローラ方式の延伸装置を使用する
ことが出来る。斯かる延伸装置は、第1〜3のローラと
各ローラ間に配置された2基の熱板とスピンドルから主
として構成される。延伸条件は任意に選択し得るが、第
1ローラと第2ローラとの間における第1段延伸の延伸
倍率は、1〜5倍、好ましくは1.1〜2.0倍、第2
ローラと第3ローラの間における第2段延伸の延伸倍率
は、0.9〜2倍、好ましくは0.95〜1.2倍とす
るのがよい。第1ローラと第2ローラとの間に配置され
る第1熱板の温度は、160〜180℃、第2ローラと
第3ローラとの間に配置される第2熱板の温度は、13
0〜150℃とするのがよい。そして、巻取速度80〜
120m/分、スピンドルの回転数は3000〜400
0rpmとするのがよい。
は、例えば、ネルソンローラ方式の撚糸装置を使用する
ことが出来る。上記の延伸工程においてマルチフイラメ
ントを巻き取ったスピンドルを2本以上用意し、マルチ
フイラメントとして合撚糸を使用した場合は、当該合撚
糸の撚り方向と逆方向に撚られて諸撚り糸とされる。そ
して、スピンドルに巻き取った撚糸は、例えば、130
〜150℃、0.5〜2時間の条件下に乾熱処理して撚
り止めを行い、本発明の楽器用弦の芯材として使用され
る。
る。本発明の楽器用弦は、上記の芯材に金属細線を密着
巻回して得られる。金属細線の密着巻回は、従来の楽器
用弦と同様に実施することが出来る。例えば、金属細線
としては、通常、リン青銅の偏平細線が好適に使用さ
れ、巻数は適宜選択される。そして、その厚さは、0.
05〜0.1mmの範囲である。金属細線を密着巻回し
た後、金属細線の山部を研削して金属細線間に形成され
る谷部の除去を行うための表面加工が行われる。上記の
様にして得られた本発明の楽器用弦は、後述の実施例に
よって明らかな通り、特に、バイオリン弦として優れた
効果を発揮し、本発明の楽器用弦から成るA線、C線、
G線をバイオリンにセットして演奏者による主観評価の
結果、ガット弦に匹敵する評価を得た。また、本発明の
楽器用弦は、バイオリン弦の他に、ビオラ弦、チエロ
弦、コントラバス弦やギターの低音弦(第4〜6弦)と
しても好適に使用し得る。
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に
おいては、直径2mm、厚さ20mm、ホール数24本
のノズルを具備した溶融押出機を使用し、インヘレント
粘度が1.0dl/g、240℃、剪断速度1/50秒
の条件下に測定した見掛け粘度が22000ポイズのフ
ツ化ビニリデンホモポリマーのペレットを使用した。
g/分、ドラフト率約3500倍の条件下、フツ化ビニ
リデンホモポリマーのペレットを溶融押出した後、ノズ
ル直下に配置された収束部(収束剤として油剤を使用)
を通過させ、ガイドロールを経て260m/分の巻取速
度にて巻き取った。ノズルと収束部との間の距離は1m
であり、その間は、上部に熱マントルを配置し、下部に
保温マントルと遮蔽設備を配置することにより、雰囲気
と外部との遮断および保温を行って糸に対する外乱を防
止した。
メントについて、ネルソンローラ方式の延伸装置を使用
し、下記の表6に記載の条件下に延伸処理と片撚り処理
を行って合撚糸を得た。なお、得られた合撚糸はスピン
ドルに巻き取った。
延伸の延伸倍率:1.18倍 第2ローラと第3ローラとの間における第2段延伸の延
伸倍率:0.99倍 第1ローラの温度:100℃ 第1ローラと第2ローラとの間に配置される第1熱板の
温度:170℃ 第2ローラと第3ローラとの間に配置される第2熱板の
温度:140℃ 巻取速度:100m/分 スピンドルの回転数:3500rpm
ングしてその特性値を測定した結果は、下記の表7に示
す通りであった。また、合撚糸を構成するモノフイラメ
ントをサンプリングしてその特性値を測定した結果は、
下記の表8に示す通りであった。
フイラメント)を8本セットし、撚糸数2回/インチの
Z方向の撚りを与えて諸撚り糸とした後、140℃で1
時間の乾熱処理を施し、8本号糸(諸撚り糸)より成る
本発明の楽器用弦の芯材を得た。芯材(1)の特性値を
測定した結果は、下記の表9に示す通りであった。
に測定した24時間経過時の値) ヤング率 :296kg/mm2
ント:300d(24F))を6本セットした以外は、
実施例1と同様にして、6本号糸(諸撚り糸)より成る
本発明の楽器用弦の芯材を得た。芯材の特性値を測定し
た結果は、下記の表10に示す通りであった。
を下記の表11に示す仕様でそれぞれ密着巻回した後、
表面加工を行い、下記の表12に示す本発明の楽器用弦
を得、下記の表12に示す市販のガット弦(商品名「オ
イドクサ」)及びナイロン弦(商品名「トマスティーク
/ドミナント」)と共にFFTアナライザーによる音の
解析を次の要領で行った。
(指で弦を押さえない)で弓で擦って音を出す。調弦の
基音周波数は、A弦440HZ、D弦294HZ、G弦
196HZとした。そして、バイオリンから約1.5m
離れた所にマイクロホンを設置し、このマイクロホンに
録音機(ソニー社製「DAT」)を接続して音を録音す
る。そして、FFTアナライザー(小野測器社製「CF
−350」)により、収録した音の周波数などの解析を
行う。得られた結果は、後述の通りであった。
線、D線、G線共に、本発明の弦に比較して倍音周波数
が少なく、また、雑音的な周波数が1.5〜3.0KH
z付近で発生する。これに対し、本発明の弦において
は、各線共に、倍音周波数の発生がガット弦よりも多
く、また、雑音的な周波数が少ないためにクリヤーな音
が聞こえる。一方、ナイロン弦は、特にG線において雑
音的な周波数が多い。全体的には、ガット弦よりも高い
倍音が発生するが、A線においては、部分的に倍音の発
生がない箇所がある。そして、音としては、曇った音な
いしは濁った音として聞こえる。
ガット弦のG線は、高倍音になるに従ってなだらかに弱
くなる。そして、A線およびD線は、若干のうねりがあ
るが、高倍音側ではなだらかに弱くなる。本発明の弦
は、図1に示す通り、ガット弦に類似している。これに
対し、ナイロン弦においては、各線共に、エンベロープ
にうねり(波)が多くガット弦のエンベロープと全く異
なる。ナイロン弦の音は、うねり(大きい変動の振幅)
のために濁った音に聞こえる。
ナイロン弦≧ガット弦の順であり、本発明の弦は、音量
が大きい特徴を有する。
ト弦は、本発明の弦に比較し、振動周期が若干長く、フ
ルパワー迄の時間が若干遅い。これに対し、本発明の弦
は、ガット弦に比較し、振動周期が若干短く、フルパワ
ー迄の時間が若干速い。一方、ナイロン弦においては、
A線とG線の振動周期がD線よりも長くて各線間に振動
周期の差があり過ぎ、その結果、音としては、バランス
の悪い音として聞こえる。また、振動周期が長いため
に、細やかさに欠けた雑な音として聞こえる。
わせに長時間を必要とせず、しかも、フツ化ビニリデン
系樹脂製であるために、湿度の変化によって音程が変化
したり、切断し易いと言う欠点がない。そして、倍音の
エンベロープはガット弦に類似して音色としてはガット
弦に類似して優れている。しかも、音量が大きく、ま
た、音の立ち上がりが速いために、楽器の良否および演
奏技術により大きく影響されないと言う特徴を有する。
Claims (5)
- 【請求項1】 2本以上のフツ化ビニリデン系樹脂製マ
ルチフイラメントの撚糸から成り、当該撚糸が下記の表
1に記載の(a)〜(e)の特性を同時に満足すること
を特徴とする楽器用弦の芯材。 【表1】(a)直径が0.1〜5mm (b)伸度が10〜50% (c)抗張力が30kg/mm2 以上 (d)抗張力の20%荷重の条件下に測定した24時間
経過時のクリープ伸度が15%以下 (e)ヤング率が200kg/mm2 以上 - 【請求項2】 マルチフイラメントを構成するモノフイ
ラメントが下記の表2に記載の(1)〜(6)の特性を
同時に満足する請求項1に記載の楽器用弦の芯材。 【表2】(1)直径が1〜300μm (2)直径のむらが1m当たり20%以下 (3)比重が1.6以上 (4)インヘレント粘度が0.85〜1.6dl/g (5)240℃、剪断速度1/50秒の条件下に測定し
た見掛け粘度が12000〜100000ポイズ (6) 複屈折率が30×10-3〜50×10-3である。 - 【請求項3】 マルチフイラメントが5〜1000本の
モノフイラメントから成り、マルチフイラメントの繊度
100〜500dである請求項1又は2に記載の楽器用
弦の芯材。 - 【請求項4】 フツ化ビニリデン系樹脂が、フツ化ビニ
リデンホモポリマー又はフツ化ビニリデンの含有率が7
0モル%以上であるフツ化ビニリデンコポリマーである
請求項1〜3の何れかに記載の楽器用弦の芯材。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の芯材に金
属線を密着巻回して成ることを特徴とする楽器用弦。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04745193A JP3290493B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 楽器用弦の芯材および当該芯材を用いた楽器用弦 |
US08/189,551 US5427008A (en) | 1993-02-12 | 1994-02-01 | Core material of string for instruments and string for instruments using the same |
DE69423992T DE69423992T2 (de) | 1993-02-12 | 1994-02-04 | Kernmaterial für Instrumentensaite und Saite für Instrumente unter Verwendung desselben |
EP94300835A EP0611110B1 (en) | 1993-02-12 | 1994-02-04 | Core material of string for instruments and string for instruments using the same |
AT94300835T ATE191986T1 (de) | 1993-02-12 | 1994-02-04 | Kernmaterial für instrumentensaite und saite für instrumente unter verwendung desselben |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04745193A JP3290493B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 楽器用弦の芯材および当該芯材を用いた楽器用弦 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06242774A JPH06242774A (ja) | 1994-09-02 |
JP3290493B2 true JP3290493B2 (ja) | 2002-06-10 |
Family
ID=12775525
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04745193A Expired - Lifetime JP3290493B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 楽器用弦の芯材および当該芯材を用いた楽器用弦 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5427008A (ja) |
EP (1) | EP0611110B1 (ja) |
JP (1) | JP3290493B2 (ja) |
AT (1) | ATE191986T1 (ja) |
DE (1) | DE69423992T2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BE1006614A3 (fr) * | 1993-01-25 | 1994-11-03 | Solvay | Compositions polymeriques destinees a la fabrication de tuyaux pour le transport d'hydrocarbures et articles a base de ces compositions. |
GB2303730B (en) * | 1995-07-18 | 2000-01-26 | Zyex Limited | Musical instrument strings |
US5871496A (en) | 1996-03-20 | 1999-02-16 | Cardiothoracic Systems, Inc. | Surgical instrument for facilitating the detachment of an artery and the like |
US6057498A (en) * | 1999-01-28 | 2000-05-02 | Barney; Jonathan A. | Vibratory string for musical instrument |
US7589266B2 (en) * | 2006-08-21 | 2009-09-15 | Zuli Holdings, Ltd. | Musical instrument string |
DE202006020374U1 (de) * | 2006-11-10 | 2008-07-10 | Gustav Pirazzi & Comp. Kg | Musiksaite |
WO2009039538A1 (de) * | 2007-09-25 | 2009-04-02 | Thomastik-Infeld Gesellschaft M.B.H. | Musiksaite |
EP2099022A1 (de) * | 2008-03-07 | 2009-09-09 | Thomastik-Infeld Gesellschaft m.b.H. | Musiksaite |
WO2017163469A1 (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | ヤマハ株式会社 | 擦弦楽器用弓 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5519107A (en) * | 1978-07-27 | 1980-02-09 | Kureha Chemical Ind Co Ltd | Gut and its preparation |
DE2914606B2 (de) * | 1979-04-11 | 1981-06-11 | Dynamit Nobel Ag, 5210 Troisdorf | Saite aus Kunststoff, Verfahren zu deren Herstellung und Verwendung einer Saite mit bestimmten Eigenschaften |
AU7438181A (en) * | 1980-10-03 | 1982-04-08 | Dynamit Nobel Aktiengesellschaft | Plastics cord |
JPS6028510A (ja) * | 1983-07-23 | 1985-02-13 | Kureha Chem Ind Co Ltd | フツ化ビニリデン系樹脂繊維およびその製造方法 |
US4833027A (en) * | 1986-03-24 | 1989-05-23 | Kureha Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | String for a musical instrument |
JPS6311996A (ja) * | 1986-03-24 | 1988-01-19 | 呉羽化学工業株式会社 | 楽器用弦 |
AT388462B (de) * | 1988-02-26 | 1989-06-26 | Thomastik & Mitarb | Musiksaite |
-
1993
- 1993-02-12 JP JP04745193A patent/JP3290493B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1994
- 1994-02-01 US US08/189,551 patent/US5427008A/en not_active Expired - Lifetime
- 1994-02-04 AT AT94300835T patent/ATE191986T1/de active
- 1994-02-04 EP EP94300835A patent/EP0611110B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1994-02-04 DE DE69423992T patent/DE69423992T2/de not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0611110A3 (en) | 1996-05-01 |
DE69423992D1 (de) | 2000-05-25 |
DE69423992T2 (de) | 2000-10-05 |
EP0611110B1 (en) | 2000-04-19 |
US5427008A (en) | 1995-06-27 |
EP0611110A2 (en) | 1994-08-17 |
JPH06242774A (ja) | 1994-09-02 |
ATE191986T1 (de) | 2000-05-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3290493B2 (ja) | 楽器用弦の芯材および当該芯材を用いた楽器用弦 | |
JP4495121B2 (ja) | 楽器用の改良弦 | |
Saunders | The mechanical action of violins | |
Osaki | Spider silk violin strings with a unique packing structure generate a soft and profound timbre | |
BRPI0618715A2 (pt) | corda para instrumento musical | |
US5587541A (en) | Musical instrument strings | |
BRPI0619542A2 (pt) | corda para instrumento musical e instrumento compreendendo a referida corda | |
CN106652975A (zh) | 一种非晶态合金在乐器上的用途 | |
US2710557A (en) | Musical instrument strings | |
US2205144A (en) | String for musical instruments | |
Abbott et al. | Strings in the 16th and 17th Centuries | |
US4854213A (en) | Music string | |
US3610084A (en) | String for stringed instruments and method of making same | |
US4326444A (en) | Musical instrument string | |
US8283539B2 (en) | Musical instrument string with hyper elliptical wound cover wire | |
US2641949A (en) | Metal string for musical instruments | |
US4833027A (en) | String for a musical instrument | |
US4581976A (en) | Reinforced musical instrument string | |
US20060254405A1 (en) | Musical instrument string and method of fabrication | |
AT505706B1 (de) | Musiksaite | |
DK181396B1 (en) | Method for producing a musical string | |
JPS6311996A (ja) | 楽器用弦 | |
US5892166A (en) | Wound strings for musical instrument | |
Firth et al. | Harp Strings of the Eighteenth and Twentieth Centuries: An Acoustical Comparison | |
Smith | Stay in tune with a sonic miracle: Guitar music may not dominate in the way it once did, but guitars are still a billion-dollar industry with the strings that go on them a feat of engineering in their own right |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020312 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080322 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110322 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110322 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120322 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120322 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130322 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |