JP3289085B2 - 基礎杭の補修工法 - Google Patents

基礎杭の補修工法

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JP3289085B2
JP3289085B2 JP10864095A JP10864095A JP3289085B2 JP 3289085 B2 JP3289085 B2 JP 3289085B2 JP 10864095 A JP10864095 A JP 10864095A JP 10864095 A JP10864095 A JP 10864095A JP 3289085 B2 JP3289085 B2 JP 3289085B2
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功 岩田
隆善 松永
淳 河井
正明 大日向
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基礎杭の補修工法、特に
地震によりダメージを受けた基礎杭の補修再生に適用し
て有用な補修工法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】最近、阪神地域で発生した大
地震(阪神大震災、1995.1.17未明発生)によ
り多くのコンクリート構造物が大きな被害を受け、その
後の調査により該構造物の基礎杭にも少なからずダメー
ジを受けていることが判明している。
【0003】コンクリート構造物は地上又はそれに近い
部分に造られているので、使用不能のものは解体撤去で
きるが、基礎杭特に場所打ちされたものは大口径でしか
も地中に深く貫入しているので、解体撤去は非常に困難
であり、補修再生して現状に復することが望まれてい
る。
【0004】本発明は、このような要望に鑑み、なされ
たものである。
【0005】
【問題点を解消するための手段】本発明は、補修対象の
基礎杭に対し、上端から下端近くまで小口径の竪孔を削
孔する工程、及び上記竪孔を通じて基礎杭の亀裂内に補
修材を注入する工程とを含んでいることを特徴とする基
礎杭の補修工法に係る。
【0006】
【実施例】以下に本発明工法の一実施状況を添付図面に
もとづき説明すると次の通りである。
【0007】図1は、地中に造成された基礎杭1を概略
的に示し、該基礎杭1は図示の例では図2に示すように
コンクリート構造物2の周りの6ヶ所にフーティング2
aと一体に造成されている。ちなみに本発明工法の補修
対象は、大口径で長大に造成されることの多い場所打ち
杭であるが、既成杭であっても解体撤去の困難なものに
対しては適用できる。場所打ち杭の直径は通常1000
〜1500mm程度であるが、大きなものでは3000
mmに至るものもある。
【0008】図3乃至図6は、本発明工法の第1実施例
を示している。
【0009】図3は基礎杭1に対する竪孔3の削孔工程
の状況を示し、該竪孔3の削孔には例えばコアボーリン
グ手段が適用される。
【0010】竪孔3は基礎杭1(フーティング2aを含
む)の上端から下端近傍まで延出し、直径は下記補修材
の注入充填通路として利用できる程度の大きさ、例えば
40〜100mm程度のものである。
【0011】削孔に引続き事前調査を行うことができ、
該工程においては、竪孔3の口部に口元管4が挿着固定
される。
【0012】口元管4は管軸方向の中間部にフランジ部
4aを有し、該フランジ部4aにおいて、基礎杭1の上
端に連成するフーティング2aの上端面に係止固定され
ている。
【0013】口元管4のうちフランジ部4aより下方側
の下管部4bは竪孔3内に遊挿され、該下管部4bの外
周面側には遠隔操作により拡縮可能なパッカー5が備え
られ、該パッカー5の拡張により竪孔3の口部は密閉さ
れている。
【0014】一方フランジ部4aより上方側の上管部4
cは基礎杭1より上方へ突出し、その口端には脱着自在
な密閉蓋6が施されている。
【0015】密閉蓋6には、一端が口元管4内に開口
し、他端側が加圧流体例えば圧縮エアの供給源7に接続
された導管8が備えられている。
【0016】導管8の途中には、流量計9と圧力計10
とが設置されている。
【0017】事前調査工程は、図3に示す状態で実施さ
れ、供給源7から導管8を通じ竪孔3内に加圧エアを地
下水圧を超える圧力のもとに充填した後、該エアの漏れ
量が例えば圧力計10に示される圧力変化と流量計9で
計測される流量などをもとにして測定される。
【0018】加圧エアの漏れ量から亀裂発生の度合が次
の3つのランクに分けられる。
【0019】 極軽度・・・漏れ量がゼロまたは微小の場合 軽度・・・漏れ量が多少ある場合 重度・・・漏れ量がかなり多い場合 補修材の注入充填工程は、事前調査工程において判定さ
れたランクに従い実施される。
【0020】図4は亀裂発生度が極軽度と判定された場
合に実施される補修材の注入充填工程の状況を概略的に
示している。極軽度の場合は地下水圧の影響が殆んどな
いので、竪孔3の全長から亀裂に対し補修材が一挙に注
入充填される。
【0021】即ち、実施に際しては、図3に示す密閉蓋
6が他の密閉蓋11に取換えられる。
【0022】密閉蓋11は、図4に示すように、一端側
が竪孔3内に開口し、他端側が密閉容器13の下端部に
接続する導管14と、エア抜き管15とを備えている。
密閉容器13内には補修材、例えばエポキシ樹脂系の低
粘度樹脂液12が容入されており、その気相部13aは
流量制御器18を備えた導管16を介し高圧ボンベ17
に接続されている。上記容器13は補給口(図示せず)
を備え、該補給口を通じ上記樹脂液12を適宜補給し得
るようになっている。
【0023】亀裂発生度合が極く軽度の場合には、先ず
最初に密閉蓋11を取り外した状態で、口元管4を通じ
竪孔3内に骨材aが投入充填される。この骨材aの投入
充填は、高価なエポキシ樹脂液の消費量の節減に役立
つ。
【0024】次に密閉蓋11を口元管4の上端に再び取
付けた状態で、高圧ボンベ17から導管16を通じ密閉
容器13の気相部13a内に高圧ガス(例えば窒素ガ
ス)を地下水圧を超える圧力のもとに供給すると、該容
器13内の樹脂液12は上記高圧ガスにより押出されな
がら導管14並びに口元管4を順次経て竪孔3内に注入
充填されていく。
【0025】竪孔3内が上記樹脂液12により満杯にな
ると、該樹脂液12がガス抜き管15を通り外部に漏出
するので、この液漏れが確認された後は上記管15上の
バルブ15aを閉じる。一方密閉容器13への高圧ガス
の供給は継続し、供給量は流量制御器18により適宜制
御される。
【0026】高圧ガスの供給継続により、竪孔3内充填
の上記樹脂液12をしばらくの間、加圧状態に保持する
と、加圧状態保持の間に上記樹脂液が基礎杭1の微細な
亀裂内に徐々に浸透していき、最終的に亀裂内に完全に
注入充填される。
【0027】高圧ガス供給継続による加圧状態の保持時
間は特に制限されないが、可使時間の範囲内であれば、
亀裂内への樹脂液の浸透が極く僅かながら進行するの
で、可使時間を超えない範囲で、できるだけ長く保持す
ることが好ましい。可使時間が経過する手前で樹脂液の
供給を停止することにより供給系の洗浄再生が可能にな
る。
【0028】次に注入充填の樹脂液の固化を待って、口
元管4の地上部を切断除去し、さらに竪孔3内に埋殺し
される下管部4bの周りの空隙内に補修材(図示せず)
を充填することにより、基礎杭1の補修を終了する。
【0029】図5,6は亀裂発生度が軽度と判定された
場合に実施される補修材の注入充填工程の状況を概略的
に示し、軽度の場合は低粘度樹脂液が地盤内に逸脱する
虞れのない微細な亀裂に加え逸脱する虞れのある比較的
大きな亀裂も多少含んでいるので、樹脂液の注入充填
は、低粘度と高粘度の2工程に分けて実施される。
【0030】また軽度の場合には、地下水圧の影響をそ
れほど受けないので、極軽度の場合と同様に、竪孔3の
全長を通じ亀裂に対し補修材が一挙に注入充填される。
【0031】図5は低粘度樹脂液の注入充填工程の実施
状況を示し、この場合、口元管4の下管部4bの下端に
は注入管19が取付けられ、該注入管19の下端は竪孔
3の底部近くまで延出し、樹脂液を竪孔3の下端から上
方に向け供給し得るような構成になっている。またエア
抜き管15’の密閉容蓋11側は口元管4内を通りパッ
カー部5の下端近くまで延び、さらに注入管19の管壁
を貫通して、注入管19の外側の周隙20内に開口して
いる。その他の構成は図4と実質的に異なる所がない。
【0032】低粘度樹脂液の竪孔3内への注入充填は図
4の場合と同様に高圧ガスを利用して地下水圧を超える
圧力のもとに行われ、竪孔3内が樹脂液で満杯になる
と、樹脂液が周隙20の上端部からエア抜き管15’を
通り外部に流出するので、この流出を待って上記管1
5’上のバルブ15a’を閉じる。一方高圧ガスの供給
は継続し、竪孔3内に注入充填の樹脂液を地下水圧を超
える加圧状態に保持する。加圧状態に保持する間、樹脂
液は亀裂内に浸透していく。浸透による樹脂液の注入充
填は、主として微細な亀裂において行われ、比較的大き
な亀裂においては樹脂液の多くが亀裂を通り地盤内に逸
脱するため、注入充填はあまり期待できない。ちなみに
比較的大きな亀裂に対しては次工程において高粘度樹脂
液が注入充填される。
【0033】低粘度樹脂液の注入充填は、亀裂のうちの
微細なものが対象であり、加圧注入時間は、これがあま
り長くなると、比較的大きな亀裂を通じ地盤内に逸散す
る量が大きくなるので、可使時間の範囲内で且つ比較的
短時間、例えば30〜60分程度が適当である。低粘度
の場合は亀裂内への浸透が比較的スムーズに進行するの
で、加圧注入時間が短時間であっても特に問題はない。
【0034】低粘度樹脂液の加圧注入充填操作を終えた
後は、図6に示すように密閉容器12を高粘度樹脂液1
3’入りの密閉容器12’に取換えると共にエア抜き管
15’のバルブ15’を開放し、該管15’を低粘度樹
脂液の排出用として利用する。
【0035】図6に示す状態で、高圧ボンベ17からの
高圧ガスを利用して、地下水圧を超える圧力のもとに密
閉容器12’内の高粘度樹脂液13’の注入充填を開始
すると、竪孔3内の樹脂液は下端から上方に向け、低粘
度樹脂液から高粘度樹脂液に置換されていき、置換終了
はエア抜き管15’から回収タンク22内に排出される
樹脂液の低粘度から高粘度への切り換りにより確認でき
る。高粘度樹脂液の置換充填を終えた後はエア抜き管1
5’上のバルブ15a’を閉じた状態で高圧ガスの供給
を継続し、竪孔3に注入充填の高粘度樹脂液を地下水圧
を超える加圧状態に保持する。
【0036】竪孔3の高粘度樹脂液は加圧状態に保持さ
れる間、低粘度樹脂液の未充填部分の亀裂内に浸透し注
入充填されて行く。
【0037】亀裂部内への注入充填の初期は、樹脂液の
一部が地盤内に逸散して行くことが予測されるが、樹脂
液は高粘度であるので、逸散が徐々に抑制されていき、
最終的には比較的大きな亀裂に対しても樹脂液を充分且
つ確実に注入充填できる。
【0038】高粘度樹脂液の加圧注入充填操作の初期段
階においては、上記樹脂液が亀裂内にスムーズに浸透し
ていくので、竪孔3内の液圧は地下水圧以上には殆んど
上昇しないが、亀裂内への注入充填が進行するにつれて
液圧は徐々に上昇していく。従ってガス抜き管15’上
に圧力計21を設置しておき、該圧力計21に指示され
る圧力を観察し、これを元圧と比較することにより、樹
脂液の注入充填の終了時期を知ることができる。
【0039】高粘度樹脂液の加圧注入充填操作は、該樹
脂液の可使時間が終了する少し手前までできるだけ長く
継続することが好ましい。
【0040】尚、樹脂液の注入充填操作の間、必要に応
じ、密閉容器13,13’内に樹脂液が補給される。
【0041】このように、事前調査においてエアの漏れ
量が多少ある場合には、最初に低粘度樹脂液の注入充填
を行ない、次いで高粘度樹脂液の注入充填を行うことに
より、亀裂部のうち微細なものから、多少樹脂液の逸散
が予測されるような比較的大きな亀裂部に至るまでむら
なく樹脂液を注入充填できる。
【0042】低,高粘度樹脂液の注入充填を終えた後
は、口元管4の地上部を切断除去し、次いで、竪孔3内
に埋殺しされる下管部4bの周りの周隙を補修材(例え
ば高粘度樹脂液)により充填することにより全ての補修
操作を終了する。
【0043】図7は亀裂発生度が重度と判定された場合
に実施される、補修材の注入充填工程の状況を概略的に
示している。重度の場合は、地下水圧の影響をかなり受
けるので、補修材の注入充填を竪孔3の全長を通じ一挙
に行うと、特に地下水圧の高い深部において、補修材の
注入充填不足が懸念される。従って限定注入手段、例え
ばダブルパッカー23,24を備えた中空ロッド25を
適用して、低,高粘度補修材を同時並行して限定注入を
行う。
【0044】中空ロッド25は底25aにより下端が閉
じられている。該ロッド25は遠隔操作により拡縮可能
なダブルパッカー23,24を収縮した状態で竪孔3内
の底部近くまで挿入され、その後、パッカー23,24
が拡張され、之等パッカー23,24の間には、ロッド
25の外側を取り囲むように限定空間25bが形成され
る。
【0045】ロッド25内には、4本のホース26,2
7,28,29が挿入保持される。第1ホース26は高
粘度樹脂液の供給用であり、一端はロッド底25aにお
いて竪孔3内に開口し、他端は地上に設置の高粘度樹脂
液30入り密閉容器31の下端部に接続されている。密
閉容器31の気相部31aは、流量制御器32を備えた
導管33を介し高圧ボンベ34に接続されている。
【0046】第2ホース27は低粘度樹脂液の供給用で
あり、一端はパッカー23,24間の限定空間25b内
に接続し、他端は地上に設置の低粘度樹脂液35入り密
閉容器36の下端部に接続している。密閉容器36の気
相部36aは流量制御器37を備えた導管38を介し他
の1つの高圧ボンベ39に接続されている。
【0047】第3ホース28は高粘度樹脂液の充填部の
圧力測定用であり、一端側はロッド底25aにおいて竪
孔3内へ接続し、他端側はロッド25より外方へ引出さ
れ、この引出し部には圧力計40とバルブ41とが備え
られている。
【0048】第4ホース29は、低粘度樹脂液の充填部
の圧力測定用であり、一端側は上記限定空間25b内に
接続し、他端側はロット25より外部に引出され、この
引出し部には、圧力計42とバルブ43とが備えられて
いる。
【0049】亀裂の補修を実施するに際しては、第3及
び第4ホース28,29上のバルブ41,43を開いた
状態で、高圧ボンベ34,39から給送される高圧ガス
を利用して、密閉容器31,36内の樹脂液30,35
が第1,2ホース26,27を通じ高粘度樹脂液30は
下側パッカー23により限定された、該パッカー23よ
り下方の限定竪孔部3a内に、また低粘度樹脂液35
は、上下パッカー23,24間の限定空間25b内に地
下水圧を超える圧力のもとに注入充填されて行く。
【0050】之等樹脂液の注入充填開始後、しばらく時
間が経過し限定竪孔部3a及び限定空間25b内が樹脂
液で満杯になった後は第3,4ホース28,29の地上
端側から樹脂液が流出してくるので、この樹脂液流出を
待って之等ホース28,29上のバルブ41,43を閉
じる。
【0051】バルブ41,43を閉じた後、さらに樹脂
液の地下水圧を超える加圧充填を継続すると、限定竪孔
部3a及び限定空間25bに連なる亀裂内に樹脂液が浸
透し、注入充填されて行く。
【0052】亀裂内への樹脂液の注入充填が進行するに
つれて第3,4ホース28,29上に備えた圧力計4
0,42に表示される圧力が上昇していくので、圧力上
昇が例えば元圧と略々等しくなった時点でワンステップ
アップすればよい。
【0053】ちなみに、限定竪孔部3aからは高粘度樹
脂液の注入充填が行われるので、該竪孔部3aに連なる
亀裂のうち、比較的大きなものに対しては樹脂液を充分
に注入充填できるが、微細なものに対しては樹脂液の注
入充填はあまり期待できない。しかしながらこの未充填
は亀裂のうち微細なものだけであり且つ第1回目の最下
段の極く狭い範囲に限られるので、全体への影響は殆ん
どなく無視できる。
【0054】また限定空間25bからは低粘度樹脂液が
注入充填され、限定空間25bに連なる亀裂のうち、微
細なものに対しては樹脂液を充分に注入充填することが
できるが、比較的大きな亀裂部分においては、樹脂液は
低粘度であるために、亀裂部分を通過し地盤内に逸散す
ることが予測されるが、この亀裂部分に対しては次回の
ステップアップ時に高粘度樹脂液が注入充填される。
【0055】最下段での樹脂液の注入充填を終えた後
は、ロッド25を昇降装置46の作動をしてワンステッ
プ即ち、限定竪孔部3aの高さH(図7参照)だけステ
ップアップし、この位置で再び高粘度樹脂液と低粘度樹
脂液の限定注入充填操作を行い、以下、ステップアップ
を竪孔部3の全長に亘って繰返すことにより、全亀裂部
に対し、樹脂液の注入充填を行うことができる。
【0056】低,高粘度樹脂液の同時注入充填工程にお
いても、密閉容器31,36内には、必要に応じ樹脂液
が補給される。
【0057】本発明において、補修材としてはコンクリ
ートの亀裂の補修に用いられている公知の各種の有機系
又は無機系の補修材を用いることができ、有機系として
は例えば実施例において述べたエポキシ樹脂系がまた無
機系としては例えばセメント系が適当である。
【0058】エポキシ樹脂系の補修材において、低粘度
の範囲としては、2000センチポイズ以下、好ましく
は100〜1500センチポイズ、より好ましくは、5
00〜1000センチポイズを例示できる。
【0059】また高粘度の範囲としては、2000セン
チポイズ以上、好ましくは5000センチポイズ以上、
より好ましくは10000センチポイズ以上を例示でき
る。
【0060】セメント系例えばセメントミルクは、エポ
キシ樹脂系の補修材に代えて用いることができ、同様の
補修効果が得られる。
【0061】セメントミルクの場合、低粘度樹脂液に相
当するものとして、微粒径、例えば平均粒径2〜8μ
m、好ましくは4〜5μm程度のものが用いられる。ち
なみに平均粒径4〜5μmの場合、0.5〜10μm程
度の粒径の粒子を含んでいる。
【0062】また高粘度樹脂液に相当するものとして普
通粒径のもの例えば普通ポルトランドセメントミルクが
用いられ、平均粒径は10〜20μm、好ましくは、1
6〜18μmである。平均粒径16〜18μmの場合、
3〜100μm程度の粒径の粒子を含んでいる。
【0063】補修材の可使時間は施工条件によっても異
なるが、通常は2〜4時間程度の範囲から適宜選択され
る。
【0064】補修材の加圧充填圧(元圧)は地下水圧を
超えていればよく、通常は1〜5kg/cm2程度の範囲
から施工条件により適宜選択決定される。
【0065】
【発明の効果】本発明補修工法によれば、ダブルパッカ
ーを適用して、高粘度補修材を下側パッカーにより限定
された限定堅孔部内に注入充填し、低粘度補修材を上下
パッカー間の限定空間内に注入充填するため、微細な亀
裂から比較的大きな亀裂まで、むらなく補修材を注入充
填することが可能となる。すなわち、注入される低粘度
補修材は限定空間に連なる亀裂のうち、微細なものに充
分に充填される。低粘度補修材は比較的大きな亀裂部分
では、地盤内に散逸することがあるが、このような亀裂
部分は次回のステップアップ時に高粘度補修材が注入充
填される。したがって、ステップアップを堅孔の全長に
亘って繰返すことにより、微細な亀裂にも大きな亀裂に
も、補修材の注入充填を行うことができる。その結果、
基礎杭の補修再生の目的を安定確実に高信頼性のもとに
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明工法の補修対象である基礎杭の概略説明
図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明工法の事前調査工程を概略的に示す縦断
面図である。
【図4】事前調査工程において、亀裂発生が極く軽微と
判定された場合に実施される補修材の注入充填工程の状
況を概略的に示す縦断面図である。
【図5】同、軽度と判定された場合に実施される補修材
注入充填工程のうち、低粘度補修材の注入充填工程を概
略的に示す縦断面図である。
【図6】図5に引続き行われる高粘度補修材の注入充填
工程の状況を概略的に示す縦断面図である。
【図7】同、重度と判定された場合に実施される補修材
注入充填工程を概略的に示す縦断面図である。
【図8】図7の状態よりワンステップアップした状況を
概略的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 基礎杭 2 コンクリート建造物 3 竪孔 4 口元管 5 パッカー 6 密閉蓋 7 エア供給源 8 導管 9 流量制御器 10 圧力計 11 密閉蓋 12 低粘度樹脂液 13 密閉容器 14 導管 15 ガス抜き管 16 導管 17 高圧ボンベ 18 流量制御器 20 周隙 21 圧力計 22 回収タンク 23 パッカー 24 パッカー 25 中空ロッド 26 第1導管 27 第2導管 28 第3導管 29 第4導管 30 高粘度樹脂液 31 密閉容器 32 流量制御器 33 導管 34 高圧ボンベ 35 低粘度樹脂液 36 密閉容器 37 流量制御器 38 導管 39 高圧ボンベ 40 圧力計 41 バルブ 42 圧力計 43 バルブ 44 バルブ 45 バルブ 46 ロッド昇降装置
フロントページの続き (72)発明者 松永 隆善 奈良県生駒郡平群町竜田川3−2−11 (72)発明者 河井 淳 大阪府大阪市平野区加美北8−8−27 コンフォール48 701号 (72)発明者 大日向 正明 三重県名張市桔梗ヶ丘南3−3−20 (56)参考文献 特開 昭63−223228(JP,A) 特開 平3−76971(JP,A) 特開 平3−28416(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 5/64 E02D 37/00 E04G 23/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補修対象の基礎杭に対し、上端から下端
    近くまで小口径の堅孔を削孔する工程、及び上記堅孔を
    通じて基礎杭の亀裂内に補修材を注入する工程とを含ん
    でいる基礎杭の補修工法であって、 前記補修材の注入充填工程をダブルパッカ手段を適用し
    て行い、 下側パッカーにより限定された該パッカーより下方の限
    定堅孔部内に、高粘度有機系補修材又は普通粒径無機系
    補修材を注入充填し、上下パッカー間の限定空間内に低
    粘度有機系補修材又は微粒径無機系補修材を注入充填
    し、これら注入充填をステップアップしつつ並行して行
    ことを特徴とする基礎杭の補修工法。
JP10864095A 1995-05-02 1995-05-02 基礎杭の補修工法 Expired - Lifetime JP3289085B2 (ja)

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