JP3288138B2 - 超音波カプラの製造方法 - Google Patents

超音波カプラの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波診断装置を用い
る際に超音波探触子と被観察対象との間に配置される超
音波カプラの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波を使って人体の断層像を映し出す
超音波診断装置が広く使用されている。この超音波診断
装置を用いて体表面の近くに存在する甲状腺、頸動脈、
乳腺などの診断部位を観る場合について、図面を参照し
て説明する。図3は超音波の送受信を行う超音波探触子
を体表面に直接接触させた状態を示す模式図、図4は超
音波探触子と体表面との間に、超音波良導体である超音
波カプラを配置させた状態を示す模式図である。
【0003】図3に示されるように、超音波探触子10
を体表面12に直接接触させた場合は、超音波ビーム1
4の収束する位置が体表面12から離れた位置16とな
るため、体表面12の近くに存在する診断部位18を観
察するときは分解能が低下する。体表面12の近くに存
在する診断部位18を観察するときは分解能の向上を図
るために、図4に示されるように、超音波探触子10と
体表面12との間に、超音波カプラ20を配置して、診
断部位18の近傍に超音波ビーム14が収束するように
工夫が行われている。
【0004】この超音波カプラは、生体適合性に優れ、
柔軟でかつ物理的強度を有し、超音波良伝達性を有する
ことが望まれる。このため、超音波カプラは、ウレタン
ゴムやシリコーンゴムからなる非含水ゲル物質や、ポリ
ビニルアルコール(以下、PVAという。)、ポリビニ
ルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキサイド(P
EO)等の高分子含水ゲル物質から造られており、滅菌
処理が施されることにより安全性が向上するため術中に
使用できることとなる。
【0005】従来から、滅菌処理が施された超音波カプ
ラを製造する方法として、以下の方法が知られている。 (1)濃度数〜数十%のPVAを含む水溶液にガンマ線
などの放射線を照射することにより滅菌処理を施すと共
にゲル化させ、超音波カプラを製造する(特開昭63−
292945号公報参照)。 (2)濃度数〜数十%のPVAを含む水溶液にガンマ線
などの放射線を照射することにより滅菌処理を施し、そ
の後凍結及び解凍してゲル化させる。(特開平2−86
838号公報)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した
(1)及び(2)の製造方法では、PVAを含む水溶液
をガンマ線照射装置へ運搬中に振動によりこの水溶液中
に気泡が混入するおそれがある。気泡が混入した状態の
水溶液にガンマ線を照射することによりゲル化すると、
気泡が混入した超音波カプラが製造される。この気泡が
混入した超音波カプラを用いて超音波による診断部位の
観察を行うと、超音波が気泡で反射されるため被観察対
象を表す画像に影響を与え、正確な診断ができないおそ
れがあるという問題がある。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、気泡の混入を
防いだ超音波カプラの製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の超音波カプラの製造方法は、高分子を含有す
る水溶液に凍結及び解凍の熱サイクルを与えることによ
り前記水溶液を1次架橋させ、1次架橋した前記水溶液
に放射線を照射することにより、1次架橋した前記水溶
液を2次架橋させることを特徴とするものである。
【0009】ここで、1次架橋した前記水溶液を所定の
形状の容器に密閉し、前記水溶液に放射線を照射しても
よい。また、1次架橋した水溶液を密閉する容器に、1
次架橋した水溶液を保存するための保存液を収容するこ
とが好ましい。さらに、この容器は、ポリスチレン製容
器であることが好ましい。
【0010】さらにまた、前記水溶液が、ポリビニルア
ルコールを含有することが好ましい。さらにまた、前記
放射線が、ガンマ線であることが好ましい。
【0011】
【作用】本発明の超音波カプラの製造方法によれば、熱
サイクルを与えることにより水溶液が1次架橋した後、
この1次架橋した水溶液に放射線を照射する。このた
め、放射線照射装置に運搬される以前にゲル状になって
おり、気泡が混入されることはない。従って、1次架橋
した水溶液に放射線を照射することにより2次架橋さ
せ、これにより気泡の混入が無く、滅菌処理された超音
波カプラが製造できる。
【0012】ここで、1次架橋した水溶液を所定の形状
の容器に密閉し放射線を照射した場合は、この容器の形
状に対応した形状の超音波カプラを製造できる。また、
1次架橋した水溶液を密閉する容器に、1次架橋した水
溶液を保存するための保存液を収容した場合は、運搬す
る際のゲルの安定性が良好である。さらに、ポリスチレ
ン製容器とした場合は、放射線に対して安定しているた
め、容器の寿命が長くなる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の超音波カプラ
の製造方法の実施例を説明する。図1は、本発明の第1
実施例の超音波カプラ製造方法とこの方法で用いられる
超音波カプラ製造用型を示す断面図である。この超音波
カプラ製造用型30は、金属製の上型32とシリコーン
ゴムから成る下型34とで構成されている。上型32に
は、PVAを含有する水溶液を注入する注入口36が形
成されている。この上型32の中央部には、凸状部38
が、超音波探触子(図示せず)と超音波カプラとの接合
面を形成する面38aを下方に向けて形成されている。
さらに、この凸状部38には、超音波探触子と超音波カ
プラとを接合する接合部材40が取り付けられている。
【0014】超音波カプラを製造するに当たっては、先
ず、ポリビニルアルコール50gを純水950ミリリッ
トルに添加し、これを60cmHgの圧力の真空撹拌装
置に入れ、86〜90℃の温度で撹拌しつつ溶解し、室
温にまで冷却することによりPVAを含有する水溶液4
2を得る。この水溶液42を、図1(b)に示されるよ
うに、注入口36から型30の内部に注入する。水溶液
42は、接合面38aを覆うまで注入されればよく、型
30の内部の全てが満たされるまで注入する必要はな
い。型30に水溶液42を注入した後、型30を−20
℃まで冷却し、この温度で24時間冷凍し、その後解凍
することにより、図1(c)に示されるように、1次架
橋したPVAゲル44を得る。このPVAゲル44の硬
さは、7×103 dyne/cm2 である。次にPVA
ゲル44を、図1(d)に示されるように、上型32及
び接合部材42とともに下型34から取り出す。取り出
した後、図1(e)に示されるように、接合部材40と
PVAゲル44を容器46に収容する。この容器46は
ポリスチレン製であり、このため比較的ガンマ線に対し
安定している。次に、図1(f)に示されるように、P
VAゲル44が充分漬かる程度の量の純水を保存液48
として容器46に入れ、アルミ箔製の蓋50で熱圧着に
より密封する。ここで、保存液48を容器46に入れな
くてもよいが、入れた方がPVAゲル44の安定性が良
好である。
【0015】図1(f)に示される状態のPVAゲル4
4をガンマ線照射装置に運搬し、2.5Mradのガン
マ線をPVAゲル44に照射することにより2次架橋さ
せると共に滅菌する。これにより、接合部材40が取り
付けられた所定形状の超音波カプラが製造される。以上
のようにして製造された超音波カプラについて、含水
率、ゲル硬度、及び音響特性(音速、インピーダンス、
減衰率)を調べた。結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】ここで、含水率は下記の定義による。 含水率={(含水高分子重量−絶対高分子重量)/含水
高分子重量}×100% また、ゲル硬度はカードメータ(ME−303、飯尾電
気株式会社製)を用いて測定した。
【0018】表2には、ガンマ線照射量の変化に伴うP
VAゲルの硬さの変化を示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2に示されるように、ガンマ線照射量が
多くなるほどゲル化が進み硬くなる。このガンマ線照射
による硬さを予め予測し、最初の熱サイクルを与える工
程で凍結温度、凍結時間、凍結回数の制御により柔らか
めにゲル化させる。好ましい硬さは、1×104 dyn
e/cm2 以下の硬さである。その後、柔らかめにゲル
化したものにガンマ線を照射し、所望の硬さのゲルに仕
上げる。
【0021】次に、図2を参照して、本発明の超音波カ
プラの製造方法の第2実施例を説明する。第2実施例の
製造方法では、先ず、図2(a)に示されるように、水
溶液42(図1(b)参照)を直方体の収納ケース60
に流し込む。次に、図2(b)に示されるように、ゴム
製の型62で蓋をし凍結及び解凍することにより熱サイ
クルを与え1次架橋させゲル化させる。その後、図2
(c)に示されるように、型62を外し蓋64で密閉す
る。図2(c)に示される状態のPVAゲル44をガン
マ線照射装置に運搬し、ガンマ線をPVAゲル44に照
射することにより2次架橋させると共に滅菌する。これ
により、図2(d)に示されるように、収納ケース60
の形状に対応する超音波カプラが製造される。また、使
用するまで図2(c)に示される状態で保存できるため
無菌状態が保てる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明の超音波カプ
ラの製造方法によれば、熱サイクルを与え1次架橋させ
た後、放射線を照射することにより2次架橋させている
ため、気泡が混入していない超音波カプラを製造でき
る。また、放射線照射による殺菌効果とゲル化とが同時
に行われるので作業工程が少なく、しかも品質が一定で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の超音波カプラ製造方法と
この方法で用いられる超音波カプラ製造用型を示す断面
図である。
【図2】本発明の第2実施例の超音波カプラ製造方法と
この方法で用いられる超音波カプラ製造用型を示す断面
図である。
【図3】超音波探触子を体表面に直接接触させた状態を
示す模式図である。
【図4】超音波探触子と体表面との間に超音波カプラを
配置させた状態を示す模式図である。
【符号の説明】
30 超音波カプラ製造用型 32、62 上型 34 下型 36 注入口 38 凸状部 40 接合部材 42 PVAを含有する水溶液 44 PVAゲル 46 容器 48 保存液 50、64 蓋 60 収納ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 - 8/15

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子を含有する水溶液に凍結及び解凍
    の熱サイクルを与えることにより前記水溶液を1次架橋
    させ、 1次架橋した前記水溶液に放射線を照射することによ
    り、1次架橋した前記水溶液を2次架橋させることを特
    徴とする超音波カプラの製造方法。
  2. 【請求項2】 高分子を含有する水溶液に凍結及び解凍
    の熱サイクルを与えることにより前記水溶液を1次架橋
    させ、 1次架橋した前記水溶液を所定の形状の容器に密閉し、 該容器に密閉された前記水溶液に放射線を照射すること
    により、1次架橋した前記水溶液を2次架橋させること
    を特徴とする超音波カプラの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記容器が、1次架橋した前記水溶液を
    保存するための保存液を収容してなることを特徴とする
    請求項2記載の超音波カプラの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記容器が、ポリスチレン製容器である
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の超音波カプラの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記水溶液が、ポリビニルアルコールを
    含有することを特徴とする請求項1又は2記載の超音波
    カプラの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記放射線が、ガンマ線であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の超音波カプラの製造方
    法。
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