JP3287052B2 - ポリ(2−ピリドン)系重合体の製法およびポリ(2−ピリドン)系重合体 - Google Patents

ポリ(2−ピリドン)系重合体の製法およびポリ(2−ピリドン)系重合体

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遷移金属錯体触媒を用
いるジインのイソシアナートとの環化付加交互共重合に
よるポリ(2−ピリドン)系重合体の製法およびポリ
(2−ピリドン)系重合体に関する。
【0002】この共重合反応は、新しい重合反応で、種
々の置換基をもつイソシアネートをコモノマーとして利
用できる利点があり、これを利用して得られたポリ(2
−ピリドン)系重合体は、例えば耐熱性高分子、生理活
性高分子、液晶性高分子、導電性高分子、光記録材料、
非線形光学材料、接着剤、機能性高分子として、成形材
料、塗料、接着剤等の分野、電気・電子材料分野、医農
薬分野など各方面で使用可能である。
【0003】
【従来の技術】ニッケル錯体存在下でアセチレン化合物
とイソシアナート化合物を反応させることで、2−ピリ
ドン化合物が得られることがSynthesis,32
4(1982)に、コバルト錯体存在下で同様に2−ピ
リドン化合物が得られることが特開昭55−31072
号公報に、それぞれ記載されている。また、ピリドン類
の製造法としては、Hantshの核合成法によって得
られる2−ピロンとアミンの反応による方法が知られて
いる。更にアセチレン末端基を有するポリアリールオキ
シピリジンオリゴマーの製造法として、塩基性化合物と
銅化合物およびパラジュウム化合物からなる触媒系の存
在下で、アルカリジフェノレートとジハロゲノピリジン
を反応する方法が特開昭63−117034号公報に記
載されている。
【0004】また、本発明者等は、遷移金属錯体触媒と
して、ゼロ価ニッケル錯体触媒を用い、ジイン化合物と
炭酸瓦斯(CO2)との反応により、ポリ(2−ピロ
ン)が得られる事をJ.Am.Chem.Soc.(1
992)に報告している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリ(2−ピ
リドン)系重合体やその製法に関する記載はない。本発
明は、ポリ(2−ピリドン)系重合体の製法およびポリ
(2−ピリドン)系重合体を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ジイン系
化合物とイソシアナート系化合物に着目し、鋭意検討し
た結果、有機溶媒中で、遷移金属錯体触媒を用いてジイ
ン系化合物とイソシアナート系化合物の反応を行ったと
ころ、ジイン系化合物のエチニル基とイソシアナート系
化合物のイソシアナート基の環化付加反応に基ずく環化
付加交互共重合が起こり、ポリ(2−ピリドン)系重合
体が生成することを見い出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0007】即ち、本発明は、遷移金属錯体触媒(A)
の存在下、有機溶媒中でジイン系化合物(B)とイソシ
アナート系化合物(C)とを環化付加交互共重合させる
ことを特徴とするポリ(2ーピリドン)系重合体の製
法、および一般式(IV)又は(V)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1、R2はそれぞれ水素原子、ア
ルキル基又はフェニル基を、R4 は水素原子、アルキル
基又はフェニル基を、Xはメチレン基、フェニレン基又
はエーテル基を、j、kはそれぞれ0又は1以上の整数
を、l、mはそれぞれ3〜9の整数を表す。)で示され
る繰り返し単位からなり、かつゲル浸透クロマトグラフ
ィーで求めた数平均分子量が500以上であるポリ(2
−ピリドン)系重合体を提供するものである。
【0010】本発明の製法において用いる遷移金属錯体
触媒(A)としては、例えば低原子価遷位金属錯体を用
いることができる。この際、単離した低原子価遷移金属
錯体を反応溶媒に加えて用いる場合と、反応溶媒中で低
原子価遷移金属錯体を生成させ、単離することなく用い
る場合とがある。
【0011】反応溶媒中で低原子価遷移金属錯体を生成
させる方法としては、(シクロアルカポリエン)遷位金
属化合物へのホスフィン配位子の添加やホスフィン配位
子存在下での遷移金属塩の有機典型金属化合物による還
元がある。通常は、反応溶媒中に(シクロアルカポリエ
ン)遷位金属化合物とホスフィン配位子とを加えて低原
子価遷位金属錯体を生成させて触媒として用いる方法が
採用される。
【0012】その使用量は、ジイン系化合物(B)1モ
ルあたり0.001〜0.2モルの範囲が望ましく、特
に0.01〜0.1モルの範囲が高分子量のポリマーを
与え、また反応時間、経済性等の面から好ましい。
【0013】単離して用いることのできる低原子価遷移
金属錯体としては、例えばテトラキス(トリエチルホス
フィン)ニッケル、ビス(トリフェニルホスフィン)エ
チレンニッケル、ジシクロペンタジエニルコバルト、
1,5−シクロオクタジエン(シクロオクテニル)コバ
ルト等が挙げられる。
【0014】反応溶媒中で低原子価遷移金属錯体を生成
させ単離することなく用いる場合、(シクロアルカポリ
エン)遷位金属化合物としては、例えばビス(シクロオ
クタジエン)ニッケル、1,5,9−シクロドデカトリ
エンニッケル等を用いることができ、遷移金属塩として
は、例えばニッケル、コバルトのハロゲン化物、アセチ
ルアセトナト塩を、有機典型金属化合物としては、例え
ばブチルリチウム、グリニヤール試薬、トリエチルアル
ミニウム等を用いることができる。
【0015】以上のうち、ジシクロペンタジエニルコバ
ルトやビス(シクロオクタジエン)ニッケル−ホスフィ
ン錯体が好ましく、特にビス(シクロオクタジエン)ニ
ッケル−ホスフィン錯体が好ましく使用される。
【0016】また、ホスフィン配位子としては、例えば
一般式(VI)や(VII)
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R5、R6、R7、R8、R9 はそれ
ぞれアルキル基又はフェニル基を、nは1以上の整数を
表す。)で示される化合物が挙げられる。
【0019】その具体例としては、トリエチルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、
トリデカニルホスフィン、トリ(sec−ブチル)ホス
フィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリ
(2−エチルヘキシル)ホスフィン、トリシクロヘキシ
ルホスフィン、(3−シアノプロピル)ジブチルホスフ
ィン、ジブチル(1−フェニルエチル)ホスフィン等の
トリアルキルホスフィン;トリフェニルホスフィン、ジ
フェニルモノアルキルホスフィン、フェニルジアルキル
ホスフィン等のフェニル基結合ホスフィン;ビス(ジシ
クロヘキシルホスフィノ)ブタン等のキレート配位子な
どがあり、なかでもアルキル基がsec−アルキル基よ
り成るトリアルキルホスフィンが好ましい。
【0020】ホスフィン配位子の使用量は、遷位金属1
モルあたり通常0.2〜5モル、好ましくは1〜3モル
の範囲である。
【0021】本発明において重合成分として使用される
ジイン系化合物(B)としては、種々のジイン系化合物
が使用でき、特に限定されないが、なかでも下記一般式
(I)又は(II)
【0022】
【化6】
【0023】(式中、R1、R2はそれぞれ水素原子、ア
ルキル基又はフェニル基を、Xはメチレン基、フェニレ
ン基又はエーテル基を、j、kはそれぞれ0又は1以上
の整数を、l、mはそれぞれ4〜5の整数を表す。)で
示される化合物が好ましく、特に耐熱性、生理活性等に
優れる重合体が得られる点で、一般式(I)で示される
化合物であって、しかも式中のXがフェニレン基で、か
つj、kがいずれも0、又は式中のXがメチレン基で、
かつj、kがそれぞれ0又は1以上の整数である化合物
が好ましい。尚、上記一般式(I)中のR1、R2がフェ
ニル基、Xがフェニレン基の場合は、いずれも置換基を
有していてもよい。
【0024】上記ジイン系化合物(B)の具体例として
は、1,6−ヘプタジイン、1,9−デカジイン、シリ
ル置換1,6−ヘプタジイン、1,7−オクタジイン、
2,6−オクタジイン、3,8−ウンデカジイン、3,
9−ドデカジイン、3,11−テトラデカジイン、3,
15−オクタデカジイン、4,17−イコサジイン、ジ
(3−ヘキシニル)エーテル、エチレン−ジ(3−ブチ
ニル)エーテル、ヘキサメチレン−ジ(5−オクチニ
ル)エーテル、テトラメチレン−ジ(2−フェニルエチ
ニル)エーテル、ポリメチレン−ジ(3−ヘキシニル)
エーテル、1,14−ジフェニル−3,11−テトラデ
カジイン、1,12−ジフェニル−1,11−ドデカジ
イン、1,10−ジフェニル−1,9−デカジイン、
1,4−ビス(2−ブチニル)ベンゼン、1,4−ビス
(2−フェニルエチニル)ベンゼン1,3−ビス(2−
フェニルエチニル)ベンゼン、1,7−シクロトリデカ
ジイン、1,7−シクロテトラデカジイン、1,8−シ
クロペンタデカジイン等が挙げられる。
【0025】本発明において重合成分として使用される
イソシアナート系化合物(C)としては、例えば一般式
(III)
【0026】
【化7】
【0027】〔式中、R3 はアルキル基又はフェニル基
を表す。〕で示される化合物が挙げられる。尚、式中の
フェニル基は置換基を有していてもよい。
【0028】上記イソシアナート化合物(C)の具体例
としては、メチルイソシアナート、ブチルイソシアナー
ト、ヘキシルイソシアナート、オクチルイソシアナー
ト、オクタデシルイソシアナート、ベンジルイソシアナ
ート、2,4−ジメトキシベンジルイソシアナ−ト、
2,4−ジエトキシベンジルイソシアナ−ト、3,4−
ジメトキシベンジルイソシアナ−ト、3,4−ジエトキ
シベンジルイソシアナ−ト、ベンゾイルイソシアナー
ト、メトキシベンゾイルイソシアナ−ト、エトキシベン
ゾイルイソシアナ−ト、ジ(4−メトキシフェニル)メ
チルイソシアナ−ト、ジ(4−エトキシフェニル)メチ
ルイソシアナ−ト等のアルキルイソシアナート化合物;
フェニルイソシアナート、4−メトキシフェニルイソシ
アナート、4−エトキシフェニルイソシアナ−ト、2,
4−ジメトキシフェニルイソシアナート、2,4−ジエ
トキシフェニルイソシアナ−ト、トリルイソシアナー
ト、1−ナフチルイソシアナート、2−メトキシ−1−
ナフチルイソシアナ−ト、2−エトキシ−1−ナフチル
イソシアナ−ト等のアリールイソシアナート化合物等が
挙げられる。
【0029】本発明の重合反応で使用する有機溶媒とし
ては、活性水素を有しない有機溶媒で、かつ生成するポ
リ(2−ピリドン)を溶解する溶媒が挙げられる。有機
溶媒の具体例としては、メチレンクロライド、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の
石油系芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、テトラヒ
ドロピラン等の脂環式エーテル;アセトニトリル、プロ
ピオニトリル等のニトリル系化合物;N,N′−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアプロチッ
ク溶媒;更にこれらの混合溶媒、例えばテトラヒドロフ
ラン/トルエン等の混合溶媒等が挙げられる。
【0030】これら有機溶媒の使用量は、原料の性状や
重合反応後の反応液の性状により一概に規定できない
が、用いられるジイン系化合物(B)1モルあたり通常
0.1〜20リットルの範囲である。
【0031】本発明の製法に基づいてポリ(2−ピリド
ン)系化合物を製造するには、例えば重合缶を窒素置換
した後、有機溶媒、(シクロアルカポリエン)遷位金属
化合物、ホスフィン配位子、イソシアナート系化合物
(B)、ジイン系化合物(A)を、この順に攪拌しなが
ら加え、0〜200℃、好ましくは20℃〜180℃の
範囲の温度に加熱することによって進行する。温度が0
℃より低温では反応速度が遅く、また200℃より高温
ではアセチレン基等による異常反応が起こり、それぞれ
好ましくない。尚、各成分の添加順序は上記順序に限定
されるものではない。
【0032】この時の重合時間は重合条件により異なる
ために、一概に規定することはできないが、1〜50時
間、好ましくは2〜30時間の範囲である。重合反応は
一定温度で行わせることができるが、段階的に又は連続
的に昇温しながら行わせることもできる。
【0033】重合体の分子量は、数平均分子量で500
以上、好ましくは1000〜20万程度である。分子量
は重合温度、重合時間等の物理的反応条件や溶媒、触
媒、配位子の種類、量および基質(ジイン系化合物とイ
ソシアナート系化合物)の濃度、使用量比等の組成的反
応条件を調整することで、任意に変えることができる。
特に基質の使用量比を変えることによって、低重合度の
重合体から高重合度の重合体が得られる。基質の使用量
比(ジイン化合物のモル量/イソシアナート化合物のモ
ル量比)は(0.1/1)〜(1.3/1)の範囲が好
ましい。
【0034】重合は、バッチ方式、回文方式、連続方式
など通常の各重合方式を採用することができる。
【0035】更に、本発明では、このようにして得られ
たポリ(2−ピリドン)系重合体中のピリドン環のN−
置換基(R4 )が置換可能なものであれば、これを水素
原子に置換してもよい。置換方法は、特に限定されない
が、例えばオゾン分解反応、硝酸セリウム(IV)アンモ
ニウムによる酸化的置換反応、パラジウム炭素触媒によ
る水素化分解反応等が挙げられる。これらの反応を行う
場合、ピリドン環のN−置換基としては、例えばベンジ
ル基、メトキシベンジル基、ジエトキシベンジル基、ベ
ンゾイル基、メトキシベンゾイル基、ジメトキシベンゾ
イル基、メトキシフェニル基、ジエトキシフェニル基、
メトキシナフチル基等の様な芳香環をもつ置換基、なか
でも電気陰性度の高い置換基を有する芳香環をもつ置換
基が特に望ましい。
【0036】重合体の回収は、通常の重合反応において
用いられる沈澱法、溶媒留去法等によりポリマーを分離
し、精製、乾燥して回収する。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。尚、例中では以下の原料を使用した。
【0038】1.ジイン系化合物としては、市販試薬を
窒素雰囲気下で蒸留精製したものを使用した。 2.ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ジ
シクロペンタジエニルコバルトおよびホスフィン配位子
としては、試薬をそのまま使用した。
【0039】3.テトラヒドロフラン(以下、THFと
略す)としては、窒素雰囲気下、LiAlH4 を使用
し、蒸留精製したものを使用した。
【0040】また、NMRスペクトル、IRスペクト
ル、数平均分子量、融点および1%重量減少温度の測定
は、以下の様に行なった。 1.1H NMR(400MHz)、 13C NMR(10
0MHz)スペクトルは、 CDCl3(クロロフォルム
−d)、CD2Cl2(ジクロロメタン−d)又はCF3
CO2D(トリフルオロ酢酸−d)溶液とし、又は固体
で、JEOL JNM−JX−400装置(日本電子社
製)により測定した。
【0041】2.IRスペクトルは、パーキン−エルマ
ー1600スペクトロメーター(Perkin−Elm
er社製)により測定した。
【0042】3.数平均分子量は、 測定用試料として
約0.1重量%のクロロホルム溶液を用い、ゲル浸透ク
ロマトグラフィーHLC−8020(GPC:東ソー社
製)によりSHODEX AC−803および804ゲ
ルカラムを使用して測定した。
【0043】4.融点は、示差走査熱量計DSD−21
0(セイコー電子社製)により、窒素雰囲気中、昇温お
よび降温速度:10℃/分、温度範囲:10〜350℃
の条件で昇温(第1ステップ)−降温(第2ステップ)
−昇温(第3ステップ)の3ステップを行ない、第1ス
テップと第3ステップでの融点を測定した。
【0044】5.1%重量減少温度は、示差熱熱重量同
時測定装置TG/DTA−220(セイコー電子社製)
により、窒素雰囲気下、30〜500℃の温度領域で1
0℃/分の昇温条件で熱重量分析を行った結果から求め
た。
【0045】実施例1 攪拌翼付きステンレス製4リットルオートクレーブに、
窒素雰囲気下、THF2.5リットル、ビス(1,5−
シクロオクタジエン)ニッケル〔以下、Ni(COD)
2 と略す〕0.05モル(THF10モル%溶液として
添加)、トリシクロヘキシルホスフィン〔以下、PCy
3 と略す〕0.1モル、フェニルイソシアナート0.5
モルおよび3,11−テトラデカジイン0.5モルを、
この順に攪拌しながら加え、その後60℃に加熱し、2
0時間保持して反応を終了した。
【0046】得られた反応液を室温まで冷却後、溶媒を
留去し、エチルエーテル1リットルを加えてポリマーを
沈澱させ、濾過分離した。分離したポリマーを0.5リ
ットルの塩化メチレンに溶解させた後、エチルエーテル
5リットルを加えて再沈澱させ、次いで濾過、分離後、
減圧乾燥して245gのポリマーを得た。
【0047】得られたポリマーの収率は96重量%、数
平均分子量は38000、第1ステップでの融点は68
〜70℃、第3ステップでの融点は250℃以上、1%
重量減少温度は327℃であった。
【0048】また、このポリマーについて 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルよびIRスペクトル
の測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイソシ
アナート系化合物の環化付加交互共重合によりポリ(2
−ピリドン)系重合体が生成したことを確認した。 13
C NMRスペクトル、1H NMRスペクトルおよびI
Rスペクトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0049】1. 13C NMRスペクトル(CD2Cl2
溶液、単位:ppm) 14.9〜16.6(m)、21.1〜24.0
(m)、27.8〜32.5(m)(以上は、メチレン
基およびメチル基に基づく吸収);116.3〜11
7.0(m)、117.9〜118.4(m)、12
8.7〜129.2(m)、129.8〜130.7
(m)、143.3〜144.0(m)、144.6〜
145.0(m),150.3〜151.1(m)、1
51.9〜152.3(m)、163.0〜163.2
(m)、163.2〜163.4(m)(以上は、2−
ピリドン環のC=C基およびC=O基に基づく吸収);
128.4〜128.7(m)、129.2〜129.
5(m)、129.5〜129.8(m)、140.6
〜141.0(m)(以上は、フェニル基に基づく吸
収)。
【0050】2.1H NMRスペクトル(CD2Cl2
液、単位:ppm) 0.85〜1.27(m,14H)、2.10〜2.7
5(m,8H)(以上は、メチレン基およびメチル基に
基づく吸収);7.10〜7.20(m,2H)、7.
35〜7.60(m,3H)(以上は、フェニル基に基
づく吸収)。
【0051】また、(フェニル基に基づく吸収)/(メ
チレン基およびメチル基に基づく吸収)の積分比が5/
22となることから、1:1の交互共重合体の生成を確
認した。
【0052】3.IRスペクトル(KBr、単位:cm
-1) 3069、3049、1644、1600、1580、
1522、1487、1052、750、692。
【0053】実施例2 PCy3 の使用量を0.15モルに変更した以外は実施
例1と同様な方法で反応、精製してポリマーを得、次い
で構造解析を実施した。得られたポリマーの収率は76
重量%、数平均分子量は13500であり、構造解析の
結果、実施例1と同様の結果が得られ、このポリマーが
ポリ(2−ピリドン)系重合体であることが確認でき
た。
【0054】実施例3〜4 溶媒をTHFの代わりに実施例3ではトルエンを、また
実施例4ではTHFとアセトニトリルの混合溶媒(混合
容積比=1/1)をそらぞれ用いた以外は実施例1と同
様な方法で反応、精製してポリマーを得、次いで構造解
析を実施した。
【0055】実施例3および4で得られたポリマーの収
率はそれぞれ75重量%および52重量%、数平均分子
量はそれぞれ12400および7300であり、また構
造解析の結果、何れも実施例1と同様な結果が得られ、
このポリマーがポリ(2−ピリドン)系重合体であるこ
とが確認できた。
【0056】実施例5 PCy3 の代わりにトリエチルホスフィンを用いた以外
は実施例1と同様な方法で反応、精製してポリマーを
得、次いで構造解析を実施した。得られたポリマーの収
率は42重量%、数平均分子量は3700であり、構造
解析の結果、実施例1と同様の結果が得られ、このポリ
マーがポリ(2−ピリドン)系重合体であることが確認
できた。
【0057】実施例6 反応温度を90℃に変更した以外は実施例1と同様な方
法で反応、精製してポリマーを得、次いで構造解析を実
施した。得られたポリマーの収率は84重量%、数平均
分子量は10900であり、構造解析の結果、実施例1
と同様の結果が得られ、このポリマーがポリ(2−ピリ
ドン)系重合体であることが確認できた。
【0058】実施例7 3,11−テトラデカジインの代わりに1,4−ビス
(2−フェニルエチニル)ベンゼンを用いた以外は実施
例1と同様な方法で反応、精製してポリマーを得た。得
られたポリマーの収率は99重量%、数平均分子量は1
0700であった。このポリマーは溶融しなかった。
【0059】また、このポリマーについて 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルよびIRスペクトル
の測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイソシ
アナート系化合物の環化付加交互共重合によりポリ(2
−ピリドン)系重合体が生成したことを確認した。 13
C NMRスペクトル、1H NMRスペクトルおよびI
Rスペクトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0060】1. 13C NMRスペクトル(CD2Cl2
溶液、単位:ppm) 125.4〜140.0(m)(2−ピリドン環のC=
C基に基づく吸収と重なったフェニル基に基づく吸
収)、118.6〜122.0(m)、144.1〜1
46.9(m)、149.0〜151.8(m)、16
1.2〜162.5(m)(以上は、2−ピリドン環の
C=C基およびC=O基に基づく吸収)。
【0061】2.1H NMRスペクトル(CDCl3
液、単位:ppm) 6.00〜7.50(m)(フェニル基に基づく吸
収)。尚、メチレン基およびメチル基に基づく吸収はな
かった。
【0062】3.IRスペクトル(KBr、単位:cm
-1) 3058、3028、1644、1601、1580、
1570、1507、1489、1104、846、7
34、695。
【0063】実施例8 フェニルイソシアナートの代わりにn−オクチルイソシ
アナートを用いた以外は実施例1と同様な方法で反応、
精製してポリマーを得た。得られたポリマーの収率は7
6重量%、数平均分子量は19100、第1ステップで
の融点は54〜62℃、1%重量減少温度は296℃で
あった。
【0064】また、このポリマーについて 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルよびIRスペクトル
の測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイソシ
アナート系化合物の環化付加交互共重合によりポリ(2
−ピリドン)系重合体が生成したことを確認した。 13
C NMRスペクトル、1H NMRスペクトルおよびI
Rスペクトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0065】1. 13C NMRスペクトル(CD2Cl2
溶液、単位:ppm) 13.9〜16.4(m)、21.2〜23.3
(m)、27.7〜32.7(m)、44.9〜45.
3(m)(以上は、メチレン基およびメチル基に基づく
吸収);116.4〜117.1(m)、118.1〜
118.6(m)、127.9〜128.5(m)、1
29.3〜129.7(m)、142.8〜143.6
(m)、144.3〜144.7(m)、149.1〜
149.8(m)、150.7〜151.1(m)、1
62.3〜162.5(m)、162.5〜162.7
(m)(以上は、2−ピリドン環のC=C基およびC=
O基に基づく吸収)。
【0066】2.1H NMRスペクトル(CDCl3
液、単位:ppm) 0.84(t,J=6.6,3H)、1.06〜1.1
6(m,6H)、1.16〜1.70(m,20H)、
2.26〜2.70(m,8H)、3.90〜4.06
(br s,2H)。
【0067】尚、フェニレン基およびフェニル基に基づ
く吸収はなかった。
【0068】3.IRスペクトル(KBr、単位:cm
-1) 1635、1577、1533、1054。
【0069】実施例9 3,11−テトラデカジインの代わりに3,9−ドデカ
ジインを用いた以外は実施例1と同様な方法で反応、精
製してポリマーを得た。得られたポリマーの収率は49
重量%、数平均分子量は9800、第1ステップでの融
点は95〜120℃、第3ステップでの融点は250℃
以上であった。
【0070】また、このポリマーについて 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペクト
ルの測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイソ
シアナート系化合物の環化付加交互共重合によりポリ
(2−ピリドン)系重合体が生成したことを確認した。
13C NMRスペクトル、1H NMRスペクトルおよび
IRスペクトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0071】1. 13C NMRスペクトル(CDCl3
溶液、単位:ppm) 13.2〜16.2(m)、20.4〜23.6
(m)、26.3〜32.7(m)(以上は、メチレン
基およびメチル基に基づく吸収);127.2〜13
0.7(m)(2−ピリドン環のC=Cと重なったフェ
ニル基に基づく吸収);139.1〜140.0(m)
(フェニル基に基づく吸収);115.3〜118.4
(m)、141.5〜144.9(m)、149.1〜
152.3(m)、162.3〜163.2(m)(以
上は、2−ピリドン環のC=C基およびC=Oに基づく
吸収)。
【0072】2.1H NMRスペクトル(CD2CL2
液、単位:ppm) 0.80〜1.90(m,10H)、2.00〜2.8
0(m,8H)、7.00〜7.70(m,5H)(以
上は、メチレン基、メチル基およびフェニル基に基づく
吸収)。
【0073】3.IRスペクトル(KBr、単位:cm
-1) 3059、3044、1639、1600、1579、
1524、1488、1051、755、697。
【0074】実施例10 3,11−テトラデカジインの代わりに2,6−オクタ
ジインを用いた以外は実施例8と同様な方法で反応、精
製してポリマーを得た。得られたポリマーの収率は76
重量%、数平均分子量は10000、第1ステップでの
融点は68〜76℃、第3ステップでの融点は250℃
以上であった。
【0075】また、このポリマーについて 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルよびIRスペクトル
の測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイソシ
アナート系化合物の環化付加交互共重合によりポリ(2
−ピリドン)系重合体が生成したことを確認した。 13
C NMRスペクトル、1H NMRスペクトルおよびI
Rスペクトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0076】1. 13C NMRスペクトル(CD2Cl2
溶液、単位:ppm) 14.3〜17.5(m)、23.1〜23.5
(m)、27.5〜32.7(m)、44.7〜45.
9(m)(以上は、メチレン基およびメチル基に基づく
吸収);113.2〜118.0(m)、125.7〜
128.6(m)、139.0〜143.2(m)、1
45.0〜146.9(m)、162.0〜162.9
(m)(以上は、2−ピリドン環のC=C基およびC=
O基に基づく吸収)。
【0077】2.1H NMRスペクトル(CDCl3
液、単位:ppm) 0.85(br s,3H)、1.10〜1.60
(m,12H)、1.90〜3.00(m,10H)、
3.90〜4.20(br s)、4.20〜4.50
(br s,2H)。
【0078】尚、フェニレン基およびフェニル基に基づ
く吸収はなかった。
【0079】3.IRスペクトル(KBr、単位:cm
-1) 1637、1586、1537、1060。
【0080】実施例11 フェニルイソシアナートの代わりに4−メトキシフェニ
ルイソシアナートを用いた以外は実施例1と同様な方法
で反応、精製してポリマーを得た。得られたポリマーの
収率は81重量%、数平均分子量は12900、第1ス
テップの融点は67〜72℃、第2ステップの融点は2
50℃以上であった。
【0081】また、このポリマーについて 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペクト
ルの測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイソ
シアナート系化合物の環化付加交互共重合によりポリ
(2−ピリドン)系重合体が生成したことを確認した。
13C NMRスペクトル、1H NMRスペクトルおよび
IRスペクトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0082】1. 13C NMRスペクトル(CDCl3
溶液、単位:ppm) 13.5〜15.9(m)、20.8〜23.3
(m)、27.7〜32.0(m)(以上は、メチレン
基およびメチル基に基づく吸収);55.4〜55.6
(メトキシ基に基づく吸収);114.4〜114.6
(m)、132.3〜132.7(m)、159.0〜
159.3(m)(以上は、フェニル基に基づく吸
収);115.9〜118.2(m)、142.8〜1
45.0(m)、149.7〜151.9(m)、16
2.8〜163.5(m)(以上は、2−ピリドン環の
C=C基およびC=O基に基づく吸収)。
【0083】2.1H NMRスペクトル(CD2Cl2
液、単位:ppm) 0.75〜1.75(m,14H)、2.10〜2.7
5(m,8H)、3.75〜4.00(br s,3
H)、6.80〜7.30(m,4H)。
【0084】3.IRスペクトル(KBr、単位:cm
-1) 3076、3038、2856、1642、1641、
1576、1524、1508、1463、1031、
831、722。
【0085】実施例12 氷水で0℃に冷やした攪拌翼付きステンレス製2リット
ルオートクレーブに、窒素雰囲気下、THF0.62リ
ットル、Ni(COD)2 0.02モルのTHF溶液
0.38リットル、PCy3 0.02モルのトルエン溶
液0.05リットル、n−オクチルイソシアナート1.
0モルおよび1,9−デカジイン0.2モルを、この順
に攪拌しながら加え、その後60℃に加熱し、20時間
保持して反応を終了した。
【0086】得られた反応液を室温まで冷却後、減圧下
に濃縮した。濃縮液にヘキサン1リットルを加えてポリ
マーを析出させ濾別した。析出したポリマーに塩化メチ
レン0.1リットルを加えて溶解した後、ヘキサン1リ
ットルを加えてポリマーを析出させ、次いで濾別する操
作を2回繰り返し、精製した。濾別後、減圧乾燥してポ
リマーを得た。
【0087】得られたポリマーの収率は72重量%、数
平均分子量は6200、重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量の比(Mw/Mn)は1.9であった。
【0088】また、このポリマーについて 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペクト
ルの測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイソ
シアナート系化合物の環化付加交互共重合体によるポリ
(2−ピリドン)が生成したことを確認した。 13C N
MRスペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペ
クトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0089】1. 13C NMRスペクトル(CDCl3
溶液、単位:ppm) 13.9、22.4、26.5、28.93、29.0
1、29.2、31.5、49.1(以上は、メチレン
基およびメチル基に基づく吸収)、118.5、11
9.0、134.5、154.0(以上は、2−ピリド
ン環のC=C基に基づく吸収)、161.8(2−ピリ
ドン環のC=O基に基づく吸収)。
【0090】2.1H NMRスペクトル(CDCl3
液、単位:ppm) 0.86(t,3H,J=6.1)、0.90〜1.8
0(m,20H)、2.10〜2.60(m,4H)、
3.86(t,J=7.0,2H)、6.37(m,1
H)、6.93(m,1H)。
【0091】3.IRスペクトル(フィルム、単位:c
-1) 1664、1594、1522。
【0092】実施例13 フェニルイソシアナートの代わりにベンジルイソシアナ
ートを用いた以外は実施例1と同様な方法で反応、精製
してポリマーを得た。得られたポリマーの収率は74重
量%、数平均分子量は15100、数平均分子量(M
w)と重量平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は
2.6であった。
【0093】また、このポリマーについて 13C NM
Rスペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペク
トルの測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイ
ソシアナート系化合物の環化付加交互共重合体によるポ
リ(2−ピリドン)が生成したことを確認した。 13
NMRスペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRス
ペクトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0094】1. 13C NMRスペクトル(CDCl3
溶液、単位:ppm) 13.5〜32.5(m)、47.0〜48.0、
(m)(以上は、メチレン基およびメチル基に基づく吸
収);116.5〜119.0(m)、143.0〜1
45.2(m)、149.0〜152.0(m)、16
2.0〜163.2(m)(以上は、2−ピリドン環の
C=C基およびC=O基に基づく吸収);126.0〜
130.0(m)(2−ピリドン環のC=C基と重なっ
たフェニル基に基づく吸収);137.5〜139.0
(m)(フェニル基に基づく吸収)。
【0095】2.1H NMRスペクトル(CD2Cl2
液、単位:ppm) 1.00〜1.26(m,6H)、1.26〜1.70
(m,8H)、2.20〜2.76(m,8H)、5.
20〜5.55(m,2H)、6.98〜7.10
(m,2H)、7.10〜7.40(m,3H)。
【0096】3.IRスペクトル(KBr、単位:cm
-1) 3064、3030、1636、1610、1577、
1560、1534、1452、1053、751、6
97。
【0097】実施例14 磁気攪拌機付き250mlステンレススチール製オート
クレーブに、窒素雰囲気下で実施例13で得たポリ(2
−ピリドン)3.2g、10%パラジウム−炭素0.6
4gおよび氷酢酸150mlを加え、水素ガスを圧入し
て内圧を80kg/cm2 とし、これを60℃で2日間
攪拌下に反応させた。反応後、減圧下に揮発分を留去
し、得られた固体残渣をトリフルオロ酢酸に溶解し、不
溶物を濾過した。得られた溶液を減圧下に5mlに濃縮
し、これを100mlの水中に加えポリマーを析出させ
た。ポリマ−を濾別し、水、メタノ−ル、エ−テルで洗
った後、減圧乾燥して2.3gのポリマ−を得た。この
ポリマ−は通常の有機溶媒には不溶であるが、トリフル
オロ酢酸に溶解した。
【0098】また、このポリマ−について 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペクト
ルの測定による構造解析を行い、N−非置換ポリ(2−
ピリドン)系重合体が生成したことを確認した。 13
NMRスペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRス
ペクトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0099】1. 13C NMRスペクトル(固体、単
位:ppm) 122.0、133.0、148.0、152.0、1
64.0に中心を有する5種の吸収群。
【0100】2.1H NMRスペクトル(CF3CO2
溶液、単位:ppm) 3.70〜5.40(m,14H)、5.40〜7.0
0(m,8H)。
【0101】3.IRスペクトル(KBr、単位:cm
-1) 3344、3264、3193、1668、1638、
1538、1061、689。
【0102】実施例15 3,11−テトラデカジインの代わりにジ(3−ヘキシ
ニル)エーテルを用いた以外は実施例1と同様な方法で
反応、精製してポリマーを得た。得られたポリマーの収
率は89重量%、数平均分子量は8500、第1ステッ
プの融点は140〜155℃、第3ステップの融点は2
50℃以上であった。
【0103】また、このポリマーについて 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペクト
ルの測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイソ
シアナート系化合物の環化付加交互共重合体によるポリ
(2ーピリドン)が生成したことを確認した。 13C N
MRスペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペ
クトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0104】1. 13C NMRスペクトル(CDCl3
溶液、単位:ppm) 13.6〜16.3(m)、27.8〜33.0
(m)、67.4〜71.2(m)(以上は、メチレン
基およびメチル基に基づく吸収);114.5〜11
8.0(m)、142.1〜144.9(m)、14
8.8〜151.9(m)、162.3〜163.0
(m)(以上は、2−ピリドン環のC=C基およびC=
O基に基づく吸収)。
【0105】2.1H NMRスペクトル(CD2Cl2
液、単位:ppm) 0.85〜1.30(m,10H)、2.00〜2.8
2(m,4H)、3.35〜3.50(m,4H)、
7.10〜7.25(m,2H)、7.30〜7.62
(m,3H)。
【0106】3.IRスペクトル(KBr、単位:cm
-1) 1109。
【0107】実施例16 フェニルイソシアナートの代わりにn−オクチルイソシ
アナートを、また3,11−テトラデカジインの代わり
に1,7−シクロトリデカジインをそれぞれ用いた以外
は実施例1と同様な方法で反応、精製してポリマーを得
た。得られたポリマーの収率は94重量%、数平均分子
量は10500であった。
【0108】また、このポリマーについて 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペクト
ルの測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイソ
シアナート系化合物の環化付加交互共重合体によるポリ
(2ーピリドン)が生成したことを確認した。 13C N
MRスペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペ
クトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0109】1. 13C NMRスペクトル(CDCl3
溶液、単位:ppm) 14.1、22.6、24.0〜31.0(m)、2
9.2、31.7、42.7〜47.5(m)(以上
は、メチレン基およびメチル基に基づく吸収)、11
4.5〜119.7(m)、125.6〜130.9
(m)、140.0〜145.5(m)、146.8〜
152.2(m)、160.3〜163.8(m)(以
上は、ピリドン環のC=CおよびC=O基に基づく吸
収)。
【0110】2.1H NMRスペクトル(CDCl3
液、単位:ppm) 0.70〜1.00(m,3H)、1.00〜2.15
(m,22H)、2.15〜3.10(m,8H)、
3.70〜4.30(m,2H)。
【0111】3.IRスペクトル(フィルム、単位:c
-1) 1628、1570、1526、1062、752。
【0112】実施例17 フェニルイソシアナートの代わりにn−オクチルイソシ
アナートを、また3,11−テトラデカジインの代わり
に1,8−シクロペンタデカジインをそれぞれ用い、か
つn−オクチルイソシアナートを1,8−シクロペンタ
デカジインの5倍モル用いた以外は実施例1と同様な方
法で反応、精製してポリマーを得た。得られたポリマー
の収率は89重量%、数平均分子量は9500であっ
た。
【0113】また、このポリマーについて 13C NMR
スペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペクト
ルの測定による構造解析を行い、ジイン系化合物とイソ
シアナート系化合物の環化付加交互共重合体によるポリ
(2−ピリドン)が生成したことを確認した。 13C N
MRスペクトル、1H NMRスペクトルおよびIRスペ
クトルの測定結果の主要部を以下に示す。
【0114】1. 13C NMRスペクトル(CDCl3
溶液、単位:ppm) 14.0、22.6、25.5〜30.6(m)、2
9.2、31.7、44.6〜45.2(m)(以上
は、メチレン基およびメチル基に基づく吸収)、11
5.8〜117.5(m)、127.2〜128.9
(m)、141.4〜143.3(m)、147.9〜
150.5(m)、162.0〜162.6(m)(以
上は、ピリドン環のC=CおよびC=O基に基づく吸
収)。
【0115】2.1H NMRスペクトル(CDCl3
液、単位:ppm) 0.70〜1.00(m,3H)、1.00〜2.05
(m,26H)、2.05〜2.95(m,8H)、
3.70〜4.20(m,2H)。
【0116】3.IRスペクトル(フィルム、単位:c
-1) 1634、1576、1531、1066、752。
【0117】
【発明の効果】本発明は、ジイン系化合物(B)とイソ
シアナート系化合物(C)との環化付加交互共重合とい
う新しい重合方法と、新規なポリ(2−ピリドン)系重
合体を提供できる。また、この環化付加交互共重合反応
は共重合成分の選択により、種々の特性を有するポリマ
ーの合成に展開することが可能で、得られたポリ(2−
ピリドン)系重合体は、その構成単位であるエチニル基
およびピリドン環の化学的、熱的、光,電子的等の反応
性、生理活性を利用することにより各産業分野の資材と
して応用できるという利点がある。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属錯体触媒(A)の存在下、有機
    溶媒中でジイン系化合物(B)とイソシアナート系化合
    物(C)とを環化付加交互共重合させることを特徴とす
    るポリ(2−ピリドン)系重合体の製法。
  2. 【請求項2】 遷移金属錯体触媒(A)が、低原子価遷
    位金属錯体である請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 遷移金属が、ニッケル又はコバルトであ
    る請求項2記載の製法。
  4. 【請求項4】 ジイン系化合物(B)が、一般式(I)
    又は(II) 【化1】 (式中、R1、R2はそれぞれ水素原子、アルキル基又は
    フェニル基を、Xはメチレン基、フェニレン基又はエー
    テル基を、j、kはそれぞれ0又は1以上の整数を、
    l、mはそれぞれ3〜9の整数を表す。)で示される化
    合物であり、かつイソシアナ−ト系化合物(C)が、一
    般式(III) 【化2】 (式中、R3 はアルキル基又はフェニル基を表す。)で
    示される化合物である請求項1、2又は3記載の製法。
  5. 【請求項5】 ジイン系化合物(B)が、一般式(I)
    で示される化合物であり、しかも式中のXがフェニレン
    基で、かつj、kがいずれも0、又は式中のXがメチレ
    ン基で、かつj、kがそれぞれ0又は1以上の整数であ
    る請求項4記載の製法。
  6. 【請求項6】 環化付加交互共重合させた後、得られた
    ポリ(2−ピリドン)系重合体中のN−置換基を水素原
    子に置換反応させる請求項4又は5記載の製法。
  7. 【請求項7】 一般式(IV)又は(v) 【化3】 (式中、R1、R2はそれぞれ水素原子、アルキル基又は
    フェニル基を、R4 は水素原子、アルキル基又はフェニ
    ル基を、Xはメチレン基、フェニレン基又はエーテル基
    を、j、kはそれぞれ0又は1以上の整数を、l、mは
    それぞれ3〜9の整数を表す。)で示される繰り返し単
    位からなり、かつゲル浸透クロマトグラフィーで求めた
    数平均分子量が500以上であるポリ(2−ピリドン)
    系重合体。
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