JP3282966B2 - 浮遊差動機構およびそれを用いるマニピュレータ - Google Patents

浮遊差動機構およびそれを用いるマニピュレータ

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JP3282966B2 JP11084796A JP11084796A JP3282966B2 JP 3282966 B2 JP3282966 B2 JP 3282966B2 JP 11084796 A JP11084796 A JP 11084796A JP 11084796 A JP11084796 A JP 11084796A JP 3282966 B2 JP3282966 B2 JP 3282966B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの出力軸から
回転駆動力を差動的に取出すための浮遊差動機構および
それを用いるマニピュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、3つの入力ポートを有する基
本的な機械要素である差動機構が、かさ歯車などを利用
して自動車のデファレンシャル装置などとして広く用い
られている。自動車のデファレンシャル装置では、自動
車が曲進するときに、駆動輪に内外径差が生じ、同一回
転速度で回転駆動するとスリップなどの駆動力ロスを生
じることを防ぎ、自動車の走行性能を向上させるために
用いられる。デファレンシャル装置での差動機構の役割
は、2つの回転軸間で回転速度に差が生じれば、その差
を調整して駆動力にロスが生じないように調整可能であ
る。差動機構を組合わせた連結差動機構については、日
本設計製図学会発行の「設計製図」誌、vol.21,
No.10(1986年10月号)の第12頁〜第16
頁に解説されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】各種マニピュレータや
多関節型ロボットでは、軽量で高出力な特性を有するこ
とが要望されている。このようなマニピュレータでは、
1つの自由度に対して1つのアクチュエータを配置し、
各アクチュエータを関連させて制御して全体的な動作を
行わせる。各自由度についてはそれぞれ1つずつのアク
チュエータが割り当てられているので、各自由度におい
て発揮し得る出力は、アクチュエータの出力に依存し、
アクチュエータの出力を超えることはできない。
【0004】本発明の目的は、軽量で高出力が可能であ
り、従来の差動機構とは全く異なる概念による浮遊差動
機構およびそれを用いるマニピュレータを提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転軸を有す
る動力発生源と、動力発生源のボディであるケーシング
を、前記回転軸の軸線まわりに回転可能に支持するベー
スとを、含む差動駆動源を2つ備え、2つの差動駆動源
の回転軸およびケーシングからの出力を干渉させる伝達
手段であって、一方の差動駆動源の回転軸からの回転力
と、他方の差動駆動源の回転軸またはケーシングのうち
の一方からの回転力とを、同方向に回転するときには差
または和の一方として、逆方向に回転するときには差ま
たは和の他方として、それぞれ合成する第1出力軸と、
一方の差動駆動源のケーシングからの回転力と、他方の
差動駆動源の回転軸またはケーシングのうちの他方から
の回転力とを、同方向に回転するときは和または差の一
方として、逆方向に回転するときは和または差の他方と
して、それぞれ合成する第2出力軸とを有する伝達手段
を、さらに備えることを特徴とする浮遊差動機構であ
る。本発明に従えば、動力発生源によって回転軸とケー
シングとの間に回転駆動力が発生し、回転軸および/ま
たはケーシングに回転駆動力を得ることができる差動駆
動源を2つ組合せて、和や差として合成される回転力を
得ることができる。動力発生源のボディであるケーシン
グが固定されていれば、伝達手段には回転軸のみから回
転出力を与えることができる。ケーシングは回転軸の軸
線まわりに回転可能なようにベースによって支持される
ので、回転軸の方を固定すれば、ケーシングが回転軸か
らの反力によって回転し、伝達手段にはケーシングから
回転出力を与えることができる。回転軸およびケーシン
グを共に回転可能としておけば、差動駆動源による駆動
によって、伝達手段には回転軸とケーシングとから回転
出力を与えることができる。伝達手段は、2つの差動駆
動源の出力を干渉させて第1出力軸および第2出力軸の
2軸から合成した回転力を取出して、全体としても差動
機構として動作させることができる。
【0006】
【0007】
【0008】また本発明で、前記2つの差動駆動源は対
をなしていることを特徴とする。本発明に従えば、伝達
手段の第1出力軸と第2出力軸とからは、対をなす動力
発生源からの回転出力を合成して取出すことができる。
第1出力軸または第2出力軸に最大限2台分の動力発生
源からの回転出力を取出すことができるので、個別に動
力発生源を専用に使用する場合に比較して2倍の出力を
取出すことができ、しかも2つの出力を選択的に使用す
ることができる。
【0009】また本発明で、前記第1出力軸では、一対
の回転軸からの回転力が合成され、前記第2出力軸で
は、一対のケーシングからの回転力が合成されることを
特徴とする。本発明に従えば、第1出力軸は一対の回転
軸からの回転力が合成され、第2出力軸は一対のケーシ
ングからの回転力が合成されるので、各出力軸をケーシ
ングに対して同方向に回転駆動すれば第1出力軸からの
回転力が出力として得られ、出力軸をケーシングに対し
てそれぞれ異なる方向に回転させれば第2出力軸からの
回転力が出力として得られる。
【0010】また本発明で、前記一対の回転軸は、平行
に延び、先端にそれぞれ装着されるかさ歯車を介して各
回転軸に垂直な第1出力軸に結合され、前記一対のケー
シングは、外周部に装着される平歯車を介して各回転軸
に平行な第2出力軸に結合されることを特徴とする。本
発明に従えば、第1出力軸は各回転軸と垂直で、第2出
力軸は各回転軸と平行であるので、第1出力軸と第2出
力軸とは相互に垂直となる。相互に垂直な出力軸から最
大限動力発生源の2倍の回転出力を取出すことができる
ので、軽量で高出力が得られ、差動機構の適用範囲を拡
大させることができる。
【0011】さらに本発明は、回転出力を取出すための
回転軸と、回転軸を駆動する動力発生源と、回転軸を収
納し、回転軸からの反力によって回転軸の軸線まわりに
回転可能なケーシングとを含む差動駆動源を一対備え、
一方の差動駆動源の回転軸からの回転力と、他方の差動
駆動源の回転軸またはケーシングのうちの一方からの回
転力とを、同方向に回転するときには和として、逆方向
に回転するときには差として、それぞれ合成する第1出
力軸によって駆動される第1運動機構と、一方の差動駆
動源のケーシングからの回転力と、他方の差動駆動源の
回転軸またはケーシングのうちの他方からの回転力と
を、同方向に回転するときには差として、逆方向に回転
するときには和として、それぞれ合成する第2出力軸に
よって駆動され、第1運動機構とは異なる第2運動機構
とを含むことを特徴とするマニピュレータである。本発
明に従えば、第1出力軸と第2出力軸とから差動的に回
転駆動力を取出して、第1運動機構と第1運動機構とは
異なる第2運動機構とを駆動することができる。第1運
動機構および第2運動機構は、最大限単独で動力発生源
を用いる場合の2倍の出力で駆動することができ、しか
も2つの動作を切換えて出力を取出すことができる。こ
れによって、相対的に小さな動力発生源を備える軽量な
マニピュレータで、相対的に高出力を得ることができ
る。
【0012】また本発明で、前記第1出力軸または第2
出力軸のうちの少なくとも一方では、ねじ機構によって
回転力が直線方向運動に変換されることを特徴とする。
本発明に従えば、第1出力軸または第2出力軸のうちの
少なくとも一方がねじ機構によって直線方向の運動に対
する駆動力を発生するので、回転力ばかりではなく、直
線運動も利用して、マニピュレータとしての多様な運動
を軽量な駆動源を用いて実現することができる。
【0013】さらにまた本発明は、回転出力を取出すた
めの回転軸と、回転軸を駆動する動力発生源と、回転軸
を収納し、回転軸からの反力によって回転軸の軸線まわ
りに回転可能なケーシングとを含む差動駆動源を一対備
え、一方の差動駆動源の回転軸からの回転力と、他方の
差動駆動源の回転軸またはケーシングのうちの一方から
の回転力とを、同方向に回転するときには和として、逆
方向に回転するときには差として、それぞれ合成する第
1出力軸と、一方の差動駆動源のケーシングからの回転
力と、他方の差動駆動源の回転軸またはケーシングのう
ちの他方からの回転力とを、同方向に回転するときには
差として、逆方向に回転するときには和として、それぞ
れ合成する第2出力軸とを有する2軸出力源を2組装着
し、3軸の出力によって3自由度運動を行い、1軸の出
力によってグリッパの開閉駆動を行うことを特徴とする
マニピュレータである。本発明に従えば、3自由度運動
に対しては2組の2軸出力源からの出力のうちの3軸の
出力を使用し、グリッパの開閉駆動に対しては1軸の出
力を使用し、4つの動力発生源からの動力で、4つの動
作を行わせることができる。各動作に対しては、それぞ
れ最大限2つの動力発生源からの出力で駆動を行うこと
ができる。駆動源が軽量化され、しかも高出力化される
ので、マニピュレータとしての多くの用途で有効に利用
することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態と
しての浮遊差動機構の差動駆動源の基本的構成を示す。
図1(a)は、フロート差動機構とも称すべき浮遊差動
機構1の構成を示す。浮遊差動機構1では、電動モータ
2のモータ軸3およびボディ4からそれぞれ共通な軸線
1aまわりの回転力を取出すことができる。ボディ4
は、モータ軸3の軸線1aまわりに回転可能にするため
に、ベアリング5,6を介してベース7に支持される。
電動モータ2への電力供給を行いながら回転可能にする
ため、スリップリング8を介して導電線9が接続され
る。ボディ4を固定すれば、一般の電動モータ2と同様
にモータ軸3から回転力を取出すことができる。逆にモ
ータ軸3の方を固定すれば、ボディ4から回転力を取出
すことができる。すなわちモータ軸3とボディ4とは、
差動機構を構成していることになる。この場合導電線9
が、入力ポートのうちの1つとなって、全く新しい差動
機構を構成する。この差動機構は著しく構造が簡単であ
り、今後多くの機械システムで使用することが可能であ
る。
【0015】図1(b)は、図1(a)の浮遊差動機構
1の考え方から派生するセミフロート差動機構10の構
成を示す。セミフロート差動機構10では、原動機11
が固定され減速機12の減速機軸13およびボディ14
から共通な軸線10aまわりの回転力として、差動出力
を取出ことができる。減速機12のボディ14を回動自
在に支持するベアリング15,16の外輪側はベース1
7に固定される。内輪側はボディ14の外周に装着され
る。減速機12の回転駆動は、原動機11の駆動軸18
によって行われる。減速機12による減速比が充分に大
きければ、減速機軸13とボディ14との間に作用する
相対的なトルクの大きさに比較して小さなトルクしか駆
動軸18には作用しないので、駆動軸18に作用するト
ルクの影響はほとんど無視することができる。
【0016】セミフロート差動機構10では、原動機1
1をベース17に対して固定することができるので、図
1(a)のような電動モータ2を使用したとしても、導
電線19接続のためのスリップリング8は不要となる。
原動機11としては、さらに電動モータ2以外の駆動源
を使用することもでき、幅広い応用が可能である。
【0017】図2は、本発明の一形態として、図1に示
す浮遊差動機構1あるいはセミフロート差動機構10な
どの差動駆動源を2つ用い、2つの差動駆動源の出力を
積極的に干渉させて出力を取出す2軸出力源としての干
渉駆動機構20の基本的構成を示す。干渉駆動機構20
内には、2つの差動駆動源21,22が収納される。差
動駆動源21,22の回転軸23,24の先端には、か
さ歯車25,26がそれぞれ装着される。かさ歯車2
5,26は、回転軸23,24と垂直な第1出力軸27
に装着されるかさ歯車28,29とそれぞれ噛合する。
第1出力軸27と干渉駆動機構20のボディ30との間
にはベアリング31,32がそれぞれ設けられる。差動
駆動源21,22のボディ33,34と干渉駆動機構2
0のボディ30との間には、ベアリング35,36;3
7,38がそれぞれ設けられる。すなわち、ボディ30
は、図1のベース7,17と同様に、ボディ33,34
を回転可能に支持している。差動駆動源21,22のボ
ディ33,34の外周には、平歯車39,40がそれぞ
れ装着される。平歯車39,40は、第2出力軸41に
装着される平歯車42とそれぞれ噛合する。第2出力軸
41は、干渉駆動機構20のボディ30に対し、ベアリ
ング43,44によって回転可能に支持される。
【0018】差動駆動源21,22の回転軸23,24
を逆方向に回転させようとすると、差動駆動源21,2
2のボディ33,34は平歯車39,40が第2出力軸
41の平歯車42に噛み合っているために回転すること
ができず、2つの回転軸23,24が同時にかさ歯車2
8,29を回転駆動させ、第1出力軸27が回転する。
差動駆動源21,22の回転軸23,24が同一方向に
回転しようとすると、回転軸23,24の先端に設けら
れるかさ歯車25,26が第1出力軸27に装着される
かさ歯車28,29を逆向きに回転させようとする結果
となり、回転軸23,24は回転することができない。
この反力で差動駆動源21,22のボディ33,34が
相互に逆方向となるように回転し、平歯車39,40を
介して第2出力軸41に装着される平歯車42が回転す
る。
【0019】このように、干渉駆動機構20では、2つ
の差動駆動源21,22の出力を干渉させて、第1出力
軸27および第2出力軸41の2つの出力軸に取出すこ
とができる。
【0020】図3および図4は、図2に示す干渉駆動機
構20を用いて第1出力軸27からの回転力と第2出力
軸41からの直線駆動力とを得るための構成を示す。図
3では、第1出力軸27のかさ歯車28,29間にウォ
ーム歯車45を装着し、ベースに固定されているウォー
ムホィール46に噛み合わせる。第2出力軸41には、
ボールねじ47を装着し、回転力を直線運動の駆動力に
変換させる。ウォーム歯車45を回転駆動することによ
って、垂直軸まわりの旋回運動θ1を生じさせることが
できる。第2出力軸41を回転駆動することによって、
ボールねじ47を回転駆動して干渉駆動機構20のボデ
ィ30の端面を基準としたx2方向の間隔を変えること
ができる。図4に示す構成では、第1出力軸27のかさ
歯車28,29の間にプーリ48を装着し、タイミング
ベルト49を介して離隔した位置に回転駆動力を伝達さ
せることができる。第2出力軸41にはボールねじ50
を装着し、干渉駆動機構20のボディ30の端面を基準
としたx3方向の間隔を変化させることができる。
【0021】図5は、図3および図4に示す構成をアク
チュエータとして組込むマニピュレータ51の外観構成
の概要を簡略化して示す。マニピュレータ51は、ベー
ス52上に設けられる。ベース52から、ベース52の
表面に垂直な軸線52aまわりにθ1の旋回運動が可能
なフレーム53が設けられる。フレーム53には、第1
節54を介して第1アーム55の基端部が揺動可能に取
付けられる。第1アーム55の先端部には、第2節56
を介して第2アーム57の基端部が揺動可能に支持され
る。第2アーム57の先端部には、ワークを把持するグ
リッパ58が装着される。グリッパ58の開閉は、開閉
機構59によって行われる。
【0022】マニピュレータ51に装着される図3に示
す干渉駆動機構は、ベース52に対する垂直軸線52a
まわりの旋回運動θ1と、第1アーム55に対する第2
アーム57の姿勢を変えるためのベース52と第2節5
6との間のx2方向の間隔を直線的に変える運動とを行
うことができる。図4に示す干渉駆動機構は、第1軸2
7からベルト49を介してグリッパ58の開閉機構59
を開閉させることができる。第2出力軸41は、ボール
ねじ50で直線運動に変換され、第1アーム55の姿勢
角度を変化させることができる。図5に示すマニピュレ
ータ51は、たとえばリンク全長0.42m、アーム重
量10kgを有する。
【0023】図6は、マニピュレータ51の簡略化した
正面および側面から見た構成を示し、図7、図8、図9
および図10は、マニピュレータ51に関連するより詳
細な構成を示す。なお、各図では、説明の便宜のため、
一部を省略したり仮想線で示す場合もある。図6は
(a)の正面図および(b)の側面図によって、第1節
54、第1アーム55、第2節56および第2アーム5
7によるリンクとしての構成を示す。図6(a)の仮想
線は、第1アーム55が立上がっている状態を示す。図
7〜図10は2つの干渉駆動機構の使用状態を示し、図
7は正面から見た構成を示し、図8および図9は図7の
切断面線VIII−VIIIおよび切断面線IX−IX
から見たマニピュレータ51の平面構成をそれぞれ示
し、図10はグリッパ58を図7の切断面線X−Xから
見た平面構成を示す。
【0024】第1節54および第2節56の間は、一対
のリンク部材60によって連結され、平行四辺形リンク
を構成する。第1節54と第2節56との間には、図4
に示す構成を用いた第1可動リンク61が装着される。
第1節54と第2アーム57の基端寄りの部分との間に
は、図3に示す構成を含む第2可動リンク62が装着さ
れる。第2可動リンク62は、図3に示す旋回運動θ1
と、第2可動リンク62の長さを伸長収縮させるx2方
向の直線運動とを行うことができる。θ1の旋回運動を
行うと、第1節54、第1アーム55、第2節56、第
2アーム57およびグリッパ58に対して、ベース52
の垂直軸線52aまわりの旋回運動を生じさせることが
できる。第2可動リンク62の出力を直線運動に切換え
ると、第2アーム57と第1節54との間の間隔を変
え、第1アーム55および第2アーム57の姿勢を変化
させることができる。第1可動リンク61の出力では、
図4のタイミングベルト49に相当するタイミングベル
ト65を介して、第2節57に設けられるプーリ63を
回転駆動し、さらにプーリ63からグリッパ58の開閉
機構59を駆動するためのプーリ64までタイミングベ
ルト65によって回転駆動力を伝達させることができ
る。第1可動リンク61の直線運動方向の間隔を変化さ
せると、リンク部材60による平行四辺形の対角線の長
さを変化させ、第1アーム55の傾きを変化させること
ができる。
【0025】以上説明したマニピュレータ51は、4つ
の差動駆動源21,22を用いて、4つの自由度に対し
最大限2つの干渉駆動機構20からの出力で駆動可能に
構成することができる。一般に、マニピュレータなどで
1つの自由度に対して最大の出力を必要とするときであ
っても、他の出力については必ずしも最大である必要は
ない。たとえばマニピュレータを利用して物資を搬送す
るときを想定すると、物資の搬送状態の変化とともに特
定の自由度の機構のみが最大の駆動力を必要とし、他の
部分にはあまり駆動力が必要とはならない。本実施形態
によるマニピュレータ51では、比較的小出力の差動駆
動源21,22からの出力を有効に合成して、最大の搬
送用出力を取出すことができ、軽量化と高出力化とを実
現することができる。このようなマニピュレータは、重
量に制限があり、しかも各部分をできるだけ有効に使用
する必要がある宇宙機器に搭載するマニピュレータとし
て好適に使用することができる。また一般的な建設機械
などのアクチュエータとしても、好適に使用することが
できる。
【0026】
【発明の効果】以上のように請求項1に係る本発明によ
れば、動力発生源の回転軸とケーシングとから回転出力
を取出す差動駆動源を2つ備えて、第1出力軸および第
2出力軸から、それぞれ最大で2つの動力発生源の出力
を合成した出力を取出すことができ、相対的な回転方向
によって第1出力軸か第2出力軸かを切換えることも容
易であるような、全く新しい概念の差動機構を実現する
ことができる。
【0027】
【0028】
【0029】また請求項2に係る本発明によれば、対を
なす2つの差動駆動源からの出力を合成し、第1出力軸
および第2出力軸に個別に動力発生源を装着した場合に
比較し、2倍の回転力を取出すことができるので、小さ
な動力発生源で大きな出力を取出すことができる。
【0030】また請求項3に係る本発明によれば、回転
軸同士およびケーシング同士の出力をそれぞれ合成する
ので、第1出力軸と第2出力軸との切換えのための回転
方向を、2つの動力発生源で同じように選択することが
でき、制御が簡単化される。
【0031】また請求項4に係る本発明によれば、第1
出力軸と第2出力軸とは垂直に配置されるので、方向の
異なる出力を切換えて取出すことができる。
【0032】また請求項5に係る本発明によれば、2つ
の動力発生源を組合わせて2倍の出力を得ることができ
るので、マニピュレータの軽量化を図り、しかも高出力
化を達成することができる。
【0033】また請求項6に係る本発明によれば、回転
力ばかりではなく直線運動も駆動することができるの
で、マニピュレータとしての多様な動作に対応させるこ
とができる。
【0034】さらにまた請求項7に係る本発明によれ
ば、3つの自由度での運動と、1自由度でのグリッパ開
閉動作とを、2組の2軸出力源でそれぞれ一対ずつの動
力発生源からの動力によって実現することができる。各
運動の自由度に対しては、最大限2つの動力発生源から
の回転駆動力を供給することができるので、マニピュレ
ータを軽量化すると同時に高出力化も図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としての浮遊差動機構に
備えられる差動駆動源である浮遊差動機構1、ならびに
セミフロート差動機構10の基本的な構成をそれぞれ示
す模式図である。
【図2】図1に示す浮遊差動機構1またはセミフロート
差動機構10を差動駆動源21,22として用いる干渉
駆動機構20の構成を示す模式図である。
【図3】図2に示す干渉駆動機構の実施形態の一例を示
す模式図である。
【図4】図2に示す干渉駆動機構20の実施形態の他の
例を示す模式図である。
【図5】図3および図4の実施形態を適用するマニピュ
レータの外観構成の概要を簡略化して示す斜視図であ
る。
【図6】図5に示すマニピュレータ51の簡略化した正
面図および側面図である。
【図7】図5のマニピュレータ51の姿勢変化のための
構成を示す部分的な正面図である。
【図8】図7の切断面線VIII−VIIIから見た断
面図である。
【図9】図7の切断面線IX−IXから見た断面図であ
る。
【図10】図7の切断面線X−Xから見た断面図であ
る。
【符号の説明】
1 浮遊差動機構 2 電気モータ 3 モータ軸 4,14,30,33,34 ボディ 5,6,15,16,31,32,35,36,37,
38,43,44 ベアリング 7,17 ベース 8 スリップリング 10 セミフロート差動機構 11 原動機 12 減速機 13 減速機軸 18 駆動軸 20 干渉駆動機構 21,22 差動駆動源 23,24 回転軸 25,26,28,29 かさ歯車 27 第1出力軸 39,40,42 平歯車 41 第2出力軸 45 ウォーム歯車 46 ウォームホィール 47,50 ボールねじ 48,63,64 プーリ 49,65 タイミングベルト 51 マニピュレータ 52 ベース 54 第1節 55 第1アーム 56 第2節 57 第2アーム 58 グリッパ 59 開閉機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−215833(JP,A) 特開 平6−206135(JP,A) 実開 昭60−86062(JP,U) 特公 昭50−34809(JP,B1) 実公 昭50−3902(JP,Y1) 特許172725(JP,C1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 37/08 B25J 17/02 B25J 19/00 F16H 48/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を有する動力発生源と、 動力発生源のボディであるケーシングを、前記回転軸の
    軸線まわりに回転可能に支持するベースとを、 含む差動駆動源を2つ備え、 2つの差動駆動源の回転軸およびケーシングからの出力
    を干渉させる伝達手段であって、 一方の差動駆動源の回転軸からの回転力と、他方の差動
    駆動源の回転軸またはケーシングのうちの一方からの回
    転力とを、同方向に回転するときには差または和の一方
    として、逆方向に回転するときには差または和の他方と
    して、それぞれ合成する第1出力軸と、 一方の差動駆動源のケーシングからの回転力と、他方の
    差動駆動源の回転軸またはケーシングのうちの他方から
    の回転力とを、同方向に回転するときは和または差の一
    方として、逆方向に回転するときは和または差の他方と
    して、それぞれ合成する第2出力軸とを有する伝達手段
    を、 さらに備えることを特徴とする浮遊差動機構。
  2. 【請求項2】 前記2つの差動駆動源は対をなしている
    ことを特徴とする請求項1に記載の浮遊差動機構。
  3. 【請求項3】 前記第1出力軸では、一対の回転軸から
    の回転力が合成され、前記第2出力軸では、一対のケー
    シングからの回転力が合成されることを特徴とする請求
    項2記載の浮遊差動機構。
  4. 【請求項4】 前記一対の回転軸は、平行に延び、先端
    にそれぞれ装着されるかさ歯車を介して各回転軸に垂直
    な第1出力軸に結合され、前記一対のケーシングは、外
    周部に装着される平歯車を介して各回転軸に平行な第2
    出力軸に結合されることを特徴とする請求項3記載の浮
    遊差動機構。
  5. 【請求項5】 回転出力を取出すための回転軸と、回転
    軸を駆動する動力発生源と、回転軸を収納し、回転軸か
    らの反力によって回転軸の軸線まわりに回転可能なケー
    シングとを含む差動駆動源を一対備え、一方の差動駆動
    源の回転軸からの回転力と、他方の差動駆動源の回転軸
    またはケーシングのうちの一方からの回転力とを、同方
    向に回転するときには和として、逆方向に回転するとき
    には差として、それぞれ合成する第1出力軸によって駆
    動される第1運動機構と、一方の差動駆動源のケーシン
    グからの回転力と、他方の差動駆動源の回転軸またはケ
    ーシングのうちの他方からの回転力とを、同方向に回転
    するときには差として、逆方向に回転するときには和と
    して、それぞれ合成する第2出力軸によって駆動され、
    第1運動機構とは異なる第2運動機構とを含むことを特
    徴とするマニピュレータ。
  6. 【請求項6】 前記第1出力軸または第2出力軸のうち
    の少なくとも一方では、ねじ機構によって回転力が直線
    方向運動に変換されることを特徴とする請求項5記載の
    マニピュレータ。
  7. 【請求項7】 回転出力を取出すための回転軸と、回転
    軸を駆動する動力発生源と、回転軸を収納し、回転軸か
    らの反力によって回転軸の軸線まわりに回転可能なケー
    シングとを含む差動駆動源を一対備え、一方の差動駆動
    源の回転軸からの回転力と、他方の差動駆動源の回転軸
    またはケーシングのうちの一方からの回転力とを、同方
    向に回転するときには和として、逆方向に回転するとき
    には差として、それぞれ合成する第1出力軸と、一方の
    差動駆動源のケーシングからの回転力と、他方の差動駆
    動源の回転軸またはケーシングのうちの他方からの回転
    力とを、同方向に回転するときには差として、逆方向に
    回転するときには和として、それぞれ合成する第2出力
    軸とを有する2軸出力源を2組装着し、3軸の出力によ
    って3自由度運動を行い、1軸の出力によってグリッパ
    の開閉駆動を行うことを特徴とするマニピュレータ。
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