JP3281477B2 - 表面改質ナイロン繊維およびその製造方法 - Google Patents

表面改質ナイロン繊維およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な表面形状を有す
る表面改質ナイロン繊維および表面改質ナイロン繊維を
含む布帛ならびに表面改質ナイロン繊維の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ナイロン繊維を含む布帛の風合を
改善するために、紡糸機に異形の口金を用いて異形断面
糸を製造することが広く行われていた。また、プラズマ
エッチングや紫外線照射などの物理的な方法や、化学薬
品で処理する化学的方法などを用いて、繊維自体の形状
を変化させることにより布帛の光沢や風合を改善する方
法が提案されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ナイロン繊維
の断面を種々の形状にして光沢や風合を改善する手段
は、ほぼ限界に達していた。一方、エッチングや紫外線
照射などを用いる方法は、反応に必要な高いエネルギー
をコントロールすることが難しいため、表面形状が不規
則で再現性に乏しいという問題があった。また、化学的
な方法を用いると、繊維が膨潤してしまい繊維表面の加
工が困難になるという問題があった。本発明の目的は、
従来の異形断面糸とは異なる新規な形状、すなわち繊維
表面の周方向に横縞状の溝を有するナイロン繊維と、こ
のナイロン繊維を含む綿および布帛と、上記形状を有す
るナイロン繊維を簡易に製造する方法とを提供し、さら
に、良好な光沢や風合を有する繊維製品を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、繊維表面の周方向に横縞状の溝を有する
表面改質ナイロン繊維を提供し、さらに、前記の表面改
質ナイロン繊維を、少なくとも5重量%含む綿および少
なくとも5重量%含む布帛を提供する。この表面改質ナ
イロン繊維において、溝の幅は0.01〜100μm、
溝と溝との間隔は溝の幅の0.01〜100倍が好まし
い。光沢や風合の改善効果が大きいからである。また、
上記の表面改質ナイロン繊維の具体的製造方法として、
ナイロン繊維に木材腐朽性担子菌および/または木材腐
朽性担子菌の培養物を作用させて、繊維表面の周方向に
横縞状の溝を形成することを特徴とする、表面改質ナイ
ロン繊維の製造方法を提供する。かかる製造方法におい
て、木材腐朽性担子菌として白色腐朽性担子菌を用いる
と、処理を効率良く行うことができるので好ましい。
【0005】
【作用と実施態様例】以下に、本発明にかかる表面改質
ナイロン繊維および表面改質ナイロン繊維の製造方法に
ついて、図1〜5の図面に代えて添付した実施例にかか
る顕微鏡写真、および図6〜7を参照しつつ詳細に説明
する。図1〜5は、いずれも後述する実施例1〜5にお
いて製造した本発明の表面改質ナイロン繊維を、走査型
電子顕微鏡を用いて拡大撮影した写真(以下SEM写真
という)である。図6は、繊維軸と垂直な断面の基本形
状が円形の場合の模式図、図7は、繊維軸と垂直な断面
の基本形状が三角形の場合の模式図である。また、本発
明のナイロン繊維は、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン12などのポリアミド系繊維をいう。
【0006】本発明の表面改質ナイロン繊維は、図1〜
5のSEM写真に示すように、表面に多数の横縞状の溝
を有する。本発明の表面改質ナイロン繊維表面の横縞状
の溝は、従来の異形断面糸のように繊維軸方向に形成さ
れているものではない。溝の方向は、繊維表面上の周方
向に、すなわち繊維軸とほぼ直角をなす方向に形成され
ている。しかし、溝の方向は、繊維軸と完全な直角方向
に限定されるものではない。また、横縞状の溝は、繊維
軸方向に繰り返して形成されているが、溝の形状は、幾
何学的な厳密性を要求されるものではない。従って、連
続リング状やスパイラル状のような形状に限られず、例
えば図2〜4のSEM写真に示されるように、不連続な
短い溝であってもよい。また、溝は、顕微鏡で拡大した
際に一見して把握される程度のものであればよく、図1
や図2あるいは図5にみられるように、溝の中あるいは
凸部に、さらに多数の凹凸が存在することもある。
【0007】溝の幅や間隔は、繊維の繊度、断面形状や
得ようとする光沢、風合などによって適宜決めることが
できる。一般的には、溝の幅を、0.01〜100μ
m、好ましくは0.05〜50μm、さらに好ましくは
0.1〜10μmとし、溝と溝との間隔を、溝の幅の
0.01〜100倍、好ましくは0.05〜50倍、さ
らに好ましくは0.1〜10倍にするとよい。使用目的
や使用形態にもよるが、溝の幅が大きすぎても小さすぎ
ても、横縞形成の効果は減少し、風合い改善の効果やタ
ッチを軽くする効果が、小さくなる傾向にある。通常、
溝の幅が、0.05μmより小さいか、あるいは50μ
mより大きくなることは好ましくない。横縞形成の効果
が減少し始め、毛管現象の発現の減少や、吸水性の低下
も考えられるからである。溝の幅が、0.01μmより
小さいか、100μmより大きいと、多くの場合、横縞
形成の効果はより少なくなる。溝と溝との間隔が、溝の
幅の0.05倍未満か、あるいは50倍を超えても横縞
形成の効果が減少し始め、例えば肌と繊維との接触面積
が大きくなって、軽いタッチが損われる傾向を生ずる。
溝と溝との間隔が、溝の幅の0.01倍未満か、あるい
は100倍を超えると、多くの場合、横縞形成の効果は
より減少する。
【0008】上記の溝の幅および溝と溝との間隔は、例
えば、以下のようにして求めることができる。本発明に
かかる表面改質ナイロン繊維において、それぞれ異なる
5箇所で繊維表面の顕微鏡写真を撮影する。写真上で、
長さ50μmに相当する、任意の繊維部分を選択する。
選択された長さ50μm相当の繊維部分について、写真
平面上における面積を求め、繊維の平均直径を算出す
る。選択された長さ50μm相当の繊維部分において、
平均直径よりも直径が短い繊維部分を溝部、その他の部
分を凸部とする。すると、両者の境界線が特定され、溝
の幅と、凸部の幅すなわち溝と溝との間隔とを求めるこ
とができる。
【0009】本発明の表面改質ナイロン繊維において、
繊維軸に垂直な断面の形状は、丸形であると異形断面で
あるとを問わない。例えば、断面の基本形状が、円形の
場合の溝部を含む断面形状の模式図を図6に、三角形の
場合の溝部を含む断面形状の模式図を図7に示した。
【0010】本発明の表面改質ナイロン繊維は、もちろ
ん綿や布帛に単独で使用できる。また、本発明の表面改
質ナイロン繊維と、他の繊維とを、混綿や混紡または交
撚、交織、交編して、綿や布帛に使用することもでき
る。他の繊維には、本発明の表面改質ナイロン繊維以外
のナイロン繊維、ポリエルテル、ポリアクリトニトリ
ル、ポリオレフィンなどのナイロン繊維以外の合成繊
維、天然綿、羊毛、絹などの天然繊維などが含まれる。
本発明の表面改質ナイロン繊維と他の繊維とを併用する
場合には、併用する繊維の種類や綿または布帛の用途な
どによって異なるが、本発明の表面改質ナイロン繊維
を、通常、少なくとも5重量%含有させておくことが好
ましい。本発明の表面改質ナイロン繊維の特長を生かす
ためである。ナイロン繊維を含む布帛は、その形態を問
わず、例えば、織物、編物、不織布、抄紙、ひも、テー
プを挙げることができる。
【0011】本発明の表面改質ナイロン繊維を製造する
には、ナイロン繊維自体またはナイロン繊維を含む綿や
布帛に、木材腐朽性担子菌および/または木材腐朽性担
子菌の培養物(以下木材腐朽性担子菌などという)を作
用させればよい。本発明者が、木材腐朽性担子菌などを
ナイロン繊維に作用させたところ、驚くべきことに、従
来見ることの出来なかった、繊維の周方向の溝が形成さ
れることを見出だしたのである。ここで、菌とは胞子;
菌糸;子実体;のいずれか1つ以上の組み合わせをい
う。また、菌の培養物とは、胞子;菌糸;子実体;培地
や分解酵素や排出物などからなる培養液;のいずれか1
つ以上の組合わせ(ただし胞子のみを除く)をいう。用
られる木材腐朽性担子菌としては、例えば下記に示す微
生物を挙げることができる。
【0012】コリオラス属(Coriolus ver
sicolor IFO 7047など)、ファネロケ
ーテ属(Phanerochaete chrysos
porium ATCC 34541など)、トラメテ
ス属(Trametes dickinsii IFO
6488など)、ポリポラス属(Polyporus
mikadoi IFO 6517など)、ステレウ
ム属(Stereumfrustulosum IFO
4932など)、ガノデルマ属(Ganoderma
applanatum IFO 6499など)、レ
ンチテス属(Lenzites betulina I
FO 8714など)、ホーメス属(Fomes fo
mentarius IFO 30371など)、ポロ
ディスキュラス属(Porodisculus pen
dulus IFO 4967など)、レンチヌス属
(Lentinus edodes IFO 3133
6、L.lepideus IFO 7043など)、
セルプラ属(Serpula lacrymans I
FO 8697など)。
【0013】本発明に用いられる木材腐朽性担子菌は、
上記のようにその種類を問わない。なかでもリグニン分
解菌である白色腐朽性担子菌を利用すると、効率良く処
理を行うことができるので好ましい。白色腐朽性担子菌
のなかでも、NK−1148菌を好ましく使用すること
ができる。このNK−1148菌の菌学的性質の詳細に
ついては、特開平2−259180号公報に開示されて
いる。これらの菌の培養物としては、培養物から分離し
た菌の他に、培養物から固形物をすべて除去した後の培
養液のみを用いることもできる。この処理に用いる菌の
培地中の窒素源濃度および/または炭素源濃度の含有量
は、好ましくは0.1g/リットル以下、さらに好まし
くは0.05g/リットル以下がよい。最も好ましい培
地は、窒素源や炭素源を全く含有しないものである。栄
養源である窒素源や炭素源が培地中に多く含まれている
と、ナイロン繊維を分解しなくても栄養源が存在するた
めに、菌などによるナイロン繊維の分解効率が減少する
からである。窒素源および/または炭素源以外の培地組
成について特別な制限はなく、木材腐朽性担子菌の育成
に通常用いられる培地を適宜使用することができる。前
記の条件で調整された培地を減菌し、減菌した培地上に
木材腐朽性担子菌を接種し、その上に同様に減菌したナ
イロン繊維を重ねて適温で静置培養すれば、2〜10日
間で本発明の表面改質ナイロン繊維を製造することがで
きる。培養する温度としては、15℃〜35℃が好まし
い。また、菌の培養液中で処理する場合には、菌の培養
温度以上で処理することが可能であり、処理時間を短縮
することができる。すなわち、培養液中にナイロン繊維
を浸漬し、適温で処理することにより、1〜4日で本発
明の表面改質ナイロン繊維を製造することができる。処
理する温度としては、20℃〜60℃が好ましい。処理
を施すナイロン繊維の繊度に特に制限はなく、形態は綿
状であっても布帛であっても差し支えない。一般的に、
染色後のナイロン繊維を菌で処理することは難しいが、
培養液を用いれば染色後のナイロン繊維でも処理するこ
とができる。
【0014】
【実施例】本発明を実施例により、さらに具体的に説明
する。
【0015】実施例1 まず、直延伸法により収縮率9%、50デニール/17
フィラメントのナイロン6のセミダル糸を紡糸し、縦編
機でトリコット地の布帛を編成した。この布帛を、サン
デットG29(0.5g/リットル)および芒硝(0.
5g/リットル)を溶かした60℃の水溶液中で20分
間精練し、繊維表面の油剤の除去を行ない風乾した。精
練後、オートクレーブを用い、120℃で20分間、滅
菌処理を行なった。滅菌処理を行なった布帛を、窒素源
も炭素源も含まない固体培地(KH2 PO4 を1.0
g、NaH2 PO4 を0.2g、MgSO4 ・7H2
を0.1g、ZnSO4 ・7H2 Oを0.01mg、C
uSO4 ・5H2 Oを0.02mg、MnSO4 ・5H
2 Oを0.24g、Tween80を1g、コハク酸ジ
メチルを1.46g、Agarを30g、水を1リット
ル含有する)上に置き、木材腐朽性担子菌(NK−11
48菌)を接種し、30℃で7日間静置培養した。培養
後、布帛を洗浄し、本発明の表面改質ナイロン繊維(布
帛)を得た。その単繊維の形状をSEMで観察し、30
00倍に拡大して撮影した写真を図1に示す。観察され
たナイロン繊維の表面には、繊維軸方向にほぼ規則的に
繰り返される横縞状の溝が形成されており、溝の平均幅
が約7μm、溝と溝との平均間隔が溝の平均幅の約0.
25倍であった。また、得られた編地は、従来品にはみ
られない良好な風合を有し、タッチは軽かった。
【0016】実施例2 実施例1に用いたものと同じ布帛を実施例1と同じ条件
で、ただし、4日間静置培養した。培養後、布帛を洗浄
し、本発明の表面改質ナイロン繊維(布帛)を得た。そ
の単繊維の形状をSEMで観察し、3000倍に拡大し
て撮影した写真を図2に示す。観察されたナイロン繊維
の表面には、実施例1と同様に横縞状の溝が形成されて
おり、溝の平均幅は約3.8μm、溝と溝との平均間隔
は溝の平均幅の約0.3倍であった。この布帛もまた、
従来の異形断面を有するナイロン繊維を用いた布帛では
得られない、良好な風合と軽いタッチを有するものであ
った。
【0017】実施例3 実施例1で用いた培地組成から寒天を除去した培地に木
材腐朽性担子菌(NK−1148菌)を接種し、30℃
で7日間静置培養した。培養後、培養物から固形物を全
て除去した培養液中に、実施例1に用いたものと同じ布
帛を7日間、37℃で放置した。その後、布帛を洗浄
し、本発明の表面改質ナイロン繊維(布帛)を得た。そ
の単繊維の形状をSEMにより観察し、1000倍に拡
大して撮影した写真を図3に示す。観察されたナイロン
繊維の表面には、実施例1,2と同様に横縞状の溝が形
成されており、溝の平均幅は約1.5μm、溝と溝との
平均間隔は溝の平均幅の約2.5倍であった。得られた
布帛は、従来品とは異なる風合と軽いタッチを有する良
好なものであった。
【0018】実施例4 実施例1に用いたものと同じ布帛を実施例3と同じ条件
で、ただし、4日間処理した。その後、布帛を洗浄し、
本発明の表面改質ナイロン繊維(布帛)を得た。その単
繊維の形状をSEMにより観察し、1000倍に拡大し
て撮影した写真を図4に示す。観察されたナイロン繊維
の表面には、実施例3と同様に横縞状の溝が形成されて
おり、溝の平均幅は約0.7μm、溝と溝との平均間隔
は溝の平均幅の約4.6倍であった。得られた処理後の
布帛は、良好な風合と軽いタッチを有するものであっ
た。
【0019】実施例5 実施例1に用いたものと同じ布帛を実施例1と同じ条件
で、ただし、木材腐朽性担子菌としてPhaneroc
haete chrysosporiumを用いた。培
養後、布帛を洗浄し、本発明の表面改質ナイロン繊維
(布帛)を得た。その単繊維の形状をSEMで観察し、
3000倍に拡大して撮影した写真を図5に示す。実施
例1と同様に横縞上の溝が形成されており、溝の平均幅
は1.5μm、溝と溝との平均間隔は溝の平均幅の4.
2倍であった。この布帛もまた、従来の異形断面を有す
るナイロン繊維を用いた布帛では得られない、良好な風
合と軽いタッチを有するものであった。
【0020】比較例1 実施例1〜5と同じ布帛を用い、低温プラズマ処理(機
器:ヤマト科学プラズマリアクターPR501A、処理
ガス:酸素、真空度:1.0Torr、処理条件:30
0W−3分)により繊維の表面にエッチングを施した
後、布帛を洗浄し、布帛を構成するナイロン繊維の形状
をSEMで観察した。観察されたナイロン繊維は、表面
に多くの微細な亀裂を有するものの、一見して把握され
るような、凹凸形状の繰り返しで形成される溝は観察さ
れなかった。また、処理後の布帛には、実施例1〜5で
得られた本発明の表面改質ナイロン布帛のような風合の
改善やタッチの軽さは見られなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明にかかる表面改質ナイロン繊維
は、繊維表面に、従来のナイロン繊維には見られない、
繊維軸方向に繰り返される横縞状の溝を有している。そ
のため、本発明の表面改質ナイロン繊維を含む布帛の風
合いは、ドレープ性が向上し軽いタッチを得ることがで
きる。また、布帛の機能面では、深色効果や吸水性が向
上し、さらに表面積の増加による放熱効果も向上するも
のと考えられる。従って、各種の繊維製品、中でも直接
肌に接する下着類、パンティーストッキング、靴下、ス
ポーツウエアー、レオタード、スパッツなどに用いる布
帛を構成する繊維として適当である。また、本発明にか
かる表面改質ナイロン繊維の製造方法を用いると、ナイ
ロン繊維の表面に、簡単かつ確実に、繊維軸方向に繰り
返される横縞状の溝を形成して、容易に布帛の風合を改
善することができる。しかも、本発明にかかる表面改質
ナイロン繊維の製造方法は、ナイロン繊維自体だけでな
く、通常の方法で製造された、ナイロン繊維を含む繊維
製品にも、繊維製品の形態を問わずに用いることができ
る。さらに、加工時の安全性が高く、処理に要するコス
トも低い。このように、本発明の利用によって、新しい
種類の繊維製品の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図面に代えて提出する、実施例1で製造した本
発明の表面改質ナイロン繊維の走査型電子顕微鏡写真
(倍率3000倍)
【図2】図面に代えて提出する、実施例2で製造した本
発明の表面改質ナイロン繊維の走査型電子顕微鏡写真
(倍率3000倍)
【図3】図面に代えて提出する、実施例3で製造した本
発明の表面改質ナイロン繊維の走査型電子顕微鏡写真
(倍率1000倍)
【図4】図面に代えて提出する、実施例4で製造した本
発明の表面改質ナイロン繊維の走査型電子顕微鏡写真
(倍率1000倍)
【図5】図面に代えて提出する、実施例5で製造した本
発明の表面改質ナイロン繊維の走査型電子顕微鏡写真
(倍率3000倍)
【図6】繊維の基本形状が円形の場合の、繊維軸と垂直
な断面形状の例を示す模式図
【図7】繊維の基本形状が三角の場合の、繊維軸と垂直
な断面形状の例を示す模式図
【符号の説明】
61,71:繊維の基本形状 62,72:溝を有する
部分の繊維断面図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 哲也 茨木県つくば市観音台1丁目25番14号株 式会社神戸製鋼所生物研究所内 (72)発明者 掛澤 雅章 茨木県つくば市観音台1丁目25番14号株 式会社神戸製鋼所生物研究所内 (72)発明者 高原 義昌 茨木県つくば市観音台1丁目25番14号株 式会社神戸製鋼所生物研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−192709(JP,A) 特開 昭59−21775(JP,A) 特開 平2−84504(JP,A) 特開 平2−259180(JP,A) 特開 平4−333673(JP,A) 特開 昭57−89642(JP,A) 特開 平3−269172(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M D01F

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維表面の周方向に横縞状の溝を有してい
    ることを特徴とする、表面改質ナイロン繊維。
  2. 【請求項2】繊維表面の横縞状の溝の幅が0.01〜1
    00μm、溝と溝との間隔が溝の幅の0.01〜100
    倍であることを特徴とする、請求項1に記載の表面改質
    ナイロン繊維。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の表面改質ナイロ
    ン繊維を、少なくとも5重量%含んでいることを特徴と
    する綿。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の表面改質ナイロ
    ン繊維を、少なくとも5重量%含んでいることを特徴と
    する布帛。
  5. 【請求項5】ナイロン繊維に木材腐朽性担子菌および/
    または木材腐朽性担子菌の培養物を作用させて、繊維表
    面の周方向に横縞状の溝を形成することを特徴とする、
    表面改質ナイロン繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】木材腐朽性担子菌として白色腐朽性担子菌
    を用いることを特徴とする、請求項5に記載の表面改質
    ナイロン繊維の製造方法。
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