JP3281239B2 - 光半導体装置 - Google Patents
光半導体装置Info
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Description
に関し、より詳しくは、選択成長法により利得領域の膜
厚と導波路領域の膜厚を異ならせた化合物半導体装置に
関する。
拡大により、各家庭への光ファイバの敷設が検討される
段階に至っている。各家庭への支線系に光ファイバを敷
設しようとすると、通信の幹線系で使用されている半導
体レーザに比べて遥かに低価格の半導体レーザの使用が
要求される。
バの光結合に多大のコストがかかるために、半導体レー
ザから出射されたレーザビームのスポット形状を変換す
るための導波路を1回の結晶成長で形成することができ
る半導体集積回路装置の製造方法が開発されてきた。従
来から、マスクを施した半導体基板上に有機金属気相成
長法等の気相成長によって結晶成長を行うと、選択成長
マスクの近傍領域の結晶成長速度が選択成長マスクから
遠い領域の結晶成長速度に比べて大きくなるという現象
が知られている。このような選択成長マスクを使用して
複数の領域毎に成長速度を異ならせる結晶成長を以下に
選択成長という。その選択成長を利用した化合物半導体
光装置は、例えばKobayashi et al., IEEE Photon. Tec
h. Lett., Vol.6, pp.1080-1081,1994に記載されてい
る。
導体導波路をモノリシックに集積したビーム変換導波路
付き化合物半導体光装置を製造することができる。その
ような導波路はテーパ状に形成されるので、以下にテー
パ導波路ともいう。
を実現するために選択成長により化合物半導体層の膜厚
を変化させると、膜厚の相違に応じて半導体の組成も変
化してしまい、膜厚が厚い部分ほど圧縮歪みが加わり易
くなる。例えば、図5(a) に示すように、膜厚が薄いテ
ーパ導波路の先端の層に応力が生じていなくても、膜厚
が厚い半導体レーザの層には図5(b) に示すように圧縮
歪みが加わる。これにより、その半導体レーザの量子井
戸層、障壁層、ガイド層等に必要以上の歪みが加わるこ
とになる。
図るためにその内部の量子井戸層及び障壁層の層数を増
やしたり量子井戸層の歪み量を増やしてゆくと、それら
の層の歪みが過剰になって結晶に転位が生じ易くなる。
即ち、半導体レーザ領域での歪みが過剰になって超格子
が緩和することになる。本発明はこのような問題に鑑み
てなされたものであって、膜厚の厚い領域での歪みを調
整することができる化合物半導体装置を提供することに
ある。
図3に例示するように、利得領域30Aで平坦に形成さ
れ、導波路領域30Bでは該利得領域30Aよりも薄く
且つテーパに形成される量子井戸構造層34と、前記量
子井戸構造層34の上下に形成されるクラッド層32,
36と、前記クラッド層32,36と前記量子井戸構造
層34の間において前記利得領域30Aで平坦で且つ前
記導波路領域30Bでテーパに形成される光ガイド層3
3,35とを有し、前記光ガイド層33,35は、膜厚
の厚い前記利得領域30Aにおける圧縮応力の量を低減
し且つ前記テーパの先端で引張応力を生じる程度の引張
応力を有することを特徴とする光半導体装置によって解
決される。
構造層34は多重量子井戸層であることを特徴とする。
上記光半導体装置において、前記テーパの先端で前記量
子井戸構造層34を構成する井戸層34wには圧縮歪み
が生じていることを特徴とする。上記光半導体装置にお
いて、前記テーパの先端で前記量子井戸構造層34を構
成する障壁層34bには引張歪みが生じていることを特
徴とする。
層33、35がインジウムとガリウムを含む混晶で形成
されていることを特徴とする。上記光半導体装置におい
て、少なくとも前記量子井戸構造層34及び前記光ガイ
ド層33,35の両端には反射面が形成されていること
を特徴とする。上記光半導体装置において、上側の前記
光ガイド層と前記クラッド層の間、または、下側の前記
光ガイド層と前記クラッド層の間には回折格子が形成さ
れていることを特徴とする。
する。本発明によれば、量子井戸構造層を挟む光ガイド
層のうちの導波路領域の端部で引張歪みを生じさせてい
るので、利得領域での光ガイド層の圧縮歪みの量が小さ
くなる。その光ガイド層の圧縮歪み量の低減により、利
得領域での全体の圧縮歪みの量も低減するので、圧縮歪
みが加わっている井戸層の層数を増やしても結晶転位が
発生しにくくなる。
領域の端部で井戸層に圧縮歪みを生じる場合でも、利得
領域の全体の層の圧縮歪みの増加が抑制されるので、装
置全体の格子緩和の発生を防止できる。また、井戸層を
挟む障壁層を導波路領域の端部で引張歪みにすることに
より、利得領域の全体の層の圧縮歪みの増加がさらに抑
制される。
よる利得領域での圧縮歪み量の低減の効果は、ファブリ
ペロー半導体レーザ又はDFBレーザのいずれを有する
光半導体装置でも得られる。
を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施
形態に係るテーパ導波路が集積化されたファブリペロー
型半導体レーザを示す斜視断面図である。最初に、その
装置の構造を説明する。
n-InP クラッド層32、Inx Ga1-xAsy P1-y(0<x<
1、0<y<1)よりなる第一の光ガイド層33、MQ
W層34、Inx Ga1-x Asy P1-yよりなる第二の光ガイド
層35およびp-InP クラッド層36が連続的にエピタキ
シャル成長されている。これらの層は、エッチングによ
り光進行方向に長いストライプ構造となっている。
井戸層34wと障壁層34bを交互に形成した超格子構
造を有し、井戸層34wは10層、障壁層34bは11
層ずつそれぞれ形成され、井戸層34wは障壁層34b
を挟むように配置されている。井戸層34wはInx1Ga
1-x1Asy1P1-y1 (0<x1 <1、0<y1 <1)からな
り、また、障壁層34bはInx2Ga1-x2Asy2P1-y2 (0<
x2 <1、0<y2 <1)から構成されている。
イド層33、MQW層34及び第二の光ガイド層35
は、利得領域30Aで平坦で且つ導波路領域30Bでは
テーパ状となるように選択成長法により形成されてい
る。その選択成長法によれば、例えば図2に示すよう
に、ストライプ構造の導波路領域30Bのテーパ部分の
先端(光出力端)の厚さを0.1μmとすると、利得領
域Aでは0.3μmの厚さとなる。この場合の選択成長
比は「3」となる。
p-InP 層37と第二のn-InP 層38が順に成長され、ま
た、第二のn-InP 層38とp-InP クラッド層36の上に
は第二のp-InP 層39が形成されている。利得領域30
Aとその近傍の第二のp-InP 層39の上には、p+ 型In
GaAsP よりなるコンタクト層41が形成され、さらに第
二のp-InP 層39の導波路領域30Bとコンタクト層4
1の上は、それぞれSiO2よりなる保護膜42により覆わ
れている。また、ストライプ構造の上方の保護膜42に
は開口部43が形成され、その開口部43を通してp側
電極44がコンタクト層41に接続されている。n-InP
基板31の下面にはn側電極45が接続されている。ま
た、ストライプ構造の両端には反射膜46が形成されて
いる。
明する。 (1)初めに導波路領域30Bにあるテーパ状のストラ
イプ構造の光出力端について説明する。その光出力端で
は第一及び第二の光ガイド層33、35を構成するInX
Ga1-XAsy P1-y組成比xが0.85であり、組成比yが
0.24となっている。また、光出力端の第一及び第二
の光ガイド層33、35の膜厚はそれぞれ15nmとなっ
ている。このような第一及び第二のガイド層33、35
の光出力端では図3(a)に示すように約−0.3%の応
力、即ち0.3%の引張応力が加わっている。また、そ
の光出力端ではMQW層34の井戸層34wを構成する
Inx1Ga1-x1Asy1P1-y1 の組成比x1 が0.72であり、
y1 が0.61であり、また、障壁層34bを構成する
InX2Ga1-X2Asy P1-Y2 の組成比x2 が0.85であり、
組成比y 2 が0.33となっている。また、その光出力
端では、井戸層34wの一層分の厚さは2nmであり、障
壁層34bの一層分の厚さは5nmである。このような構
造の井戸層34w及び障壁層34bを有するMQW層3
4の光出力端の応力はほぼ零となって、格子整合をして
いる。
の応力の関係は、図3(a) のように示される。この場
合、第一及び第二の光ガイド層33、35が引張応力と
なっても光の導波には殆ど影響がない。 (2)一方、利得領域30Aにある平坦なストライプ構
造は次のようになる。利得領域30Aでは、第一及び第
二の光ガイド層33、35を構成するInX Ga 1-X Asy P
1-yの組成比xが0.92であり、組成比yが0.24
となっている。また、光出力端の第一及び第二の光ガイ
ド層33、35の膜厚はそれぞれ45nmとなっている。
このような第一及び第二のガイド層33、35の利得領
域30Aでは約0.2%の圧縮応力が加わっている。
を構成するInx1Ga1-x1Asy1P1-y1 の組成比x1 が0.8
1であり、y1 が0.61であり、また、障壁層34b
を構成するInx2Ga1-X2AsY2P1-y2 の組成比x2 が0.9
2であり、組成比y2 が0.33となっている。また、
光出力端では、井戸層の一層分の厚さは6nmであり、障
壁層34bの一層の厚さは15nmである。このような構
造の井戸層34w及び障壁層34bでは圧縮応力が存在
している。
の選択成長による膜厚の分布を変えることにより各領域
の膜厚が変わるので、利得領域30Aでの第一及び第二
の光ガイド層33、35、MQW層34のそれぞれの組
成比は膜の厚さによって値が異なってくる。このような
利得領域30AのMQW層34と第一及び第二のガイド
層33、35の応力は図3(b) のように示されるが、第
一及び第二の光ガイド層33、35の圧縮応力が小さい
のでMQW層34を過剰に圧縮することはない。
0nm、p-InP クラッド層36の膜厚は200nmとなって
いる。以上のように、第一及び第二のガイド層33、3
5を構成する化合物半導体の膜厚と組成比を調整するこ
とにより、導波路領域30Bでの第一及び第二のガイド
層33、35に引っ張り応力を生じさせると、第一及び
第二のガイド層33、35のうち膜厚の厚い利得領域3
0Aでの圧縮応力の量が低減される。
じる圧縮応力の量は小さくなり、MQW層34が外部か
ら過剰な圧縮応力を受けなくなる。その結果、MQW層
34では井戸層34wの層数を増やしても結晶転位が発
生し難くなる。これにより、利得領域30Aに形成され
る半導体レーザの特性劣化が抑制される。ところで、井
戸層34wや障壁層34bの導波路領域30Bでの応力
を調整して利得領域30Aでの過剰歪みを防止すること
もできる。そのような場合には、例えば図4に示すよう
に、障壁層34bを引張歪みとし、井戸層34wを圧縮
歪みとしてもよい。
ファブリペロー型であるが、利得領域30Aの下側又は
上側の光ガイド層33、35に凹凸の回折格子を設けた
DFB(分布帰還型)半導体レーザであってもよい。
井戸構造層を挟む光ガイド層のうちの導波路領域の端部
で引張歪みを生じさせているので、利得領域での光ガイ
ド層の圧縮歪みの量が小さくなり、利得領域での全体の
圧縮歪みの量の低減により圧縮歪みが加わっている井戸
層での結晶転位の発生を防止できる。
領域の端部で井戸層に圧縮歪みを生じる場合でも、利得
領域の全体の層の圧縮歪みの増加が抑制されるので、装
置全体の格子緩和の発生を防止できる。また、井戸層を
挟む障壁層を導波路領域の端部で引張歪みにすることに
より、利得領域の全体の層の圧縮歪みの増加がさらに抑
制される。
体装置の斜視図、図1(b) はそのMQW層の層構造を示
す断面図である。
て形成された層の利得領域と導波路領域の膜厚分布図で
ある。
置におけるテーパ導波路先端の応力の分布図、図3(b)
は、その光半導体装置における利得領域の応力の分布図
である。
おけるテーパ導波路先端の応力の分布図である。
パ導波路先端の応力の分布図、図5(b) は、その光半導
体装置における利得領域の応力の分布図である。
Claims (4)
- 【請求項1】利得領域で平坦に形成され、導波路領域で
は該利得領域よりも薄く且つテーパに形成される量子井
戸構造層と、 前記量子井戸構造層の上下に形成されるクラッド層と、 前記クラッド層と前記量子井戸構造層の間において前記
利得領域で平坦で且つ前記導波路領域でテーパに形成さ
れる光ガイド層とを有し、 前記光ガイド層は、膜厚の厚い前記利得領域における圧
縮応力の量を低減し且つ前記テーパの先端で引張応力を
生じる程度の引張応力を有することを特徴とする光半導
体装置。 - 【請求項2】前記量子井戸構造層は多重量子井戸層であ
ることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。 - 【請求項3】前記テーパの先端において前記量子井戸構
造層を構成する井戸層には圧縮歪みが生じていることを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光半導体装
置。 - 【請求項4】前記テーパの先端において前記量子井戸構
造層を構成する障壁層には引張歪みが生じていることを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32283395A JP3281239B2 (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 光半導体装置 |
EP95309417A EP0720243A3 (en) | 1994-12-27 | 1995-12-22 | Method of fabricating compound semiconductor device and optical semiconductor device |
US08/577,399 US5937273A (en) | 1994-12-27 | 1995-12-22 | Fabricating compound semiconductor by varying ratio of stagnant layer thickness and mean free path of seed material |
EP02020857A EP1271721A3 (en) | 1994-12-27 | 1995-12-22 | Optical semiconductor device |
EP02020856A EP1271625A3 (en) | 1994-12-27 | 1995-12-22 | Method of fabrication compound semiconductor device |
KR1019950058692A KR100210591B1 (ko) | 1994-12-27 | 1995-12-27 | 화합물 반도체장치의 제조방법 및 광 반도체 장치 |
US09/069,197 US6034983A (en) | 1994-12-27 | 1998-04-29 | Method of fabricating compound semiconductor device and optical semiconductor device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32283395A JP3281239B2 (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 光半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09162485A JPH09162485A (ja) | 1997-06-20 |
JP3281239B2 true JP3281239B2 (ja) | 2002-05-13 |
Family
ID=18148120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32283395A Expired - Lifetime JP3281239B2 (ja) | 1994-12-27 | 1995-12-12 | 光半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3281239B2 (ja) |
-
1995
- 1995-12-12 JP JP32283395A patent/JP3281239B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
Appl.Phys.Lett.,1994年 1月31日,Vo.64 No.5,p.539−541 |
Electron.Lett.,1992年 3月26日,Vol.28 No.7,p.631−632 |
Electron.Lett.,1995年 7月20日,Vol.31 No.15,p.1241−1242 |
IEEE Photon.Tech.Lett.,(1990)Vol.2 No.2,p.88−90 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09162485A (ja) | 1997-06-20 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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