JP3280192B2 - セプタムパージ式のガスクロマトグラフ用試料注入口部 - Google Patents

セプタムパージ式のガスクロマトグラフ用試料注入口部

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JP3280192B2
JP3280192B2 JP12270095A JP12270095A JP3280192B2 JP 3280192 B2 JP3280192 B2 JP 3280192B2 JP 12270095 A JP12270095 A JP 12270095A JP 12270095 A JP12270095 A JP 12270095A JP 3280192 B2 JP3280192 B2 JP 3280192B2
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  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分析用カラムに気化さ
せた試料を送るガスクロマトグラフ用の試料注入口部の
構成に係わり、外界と隔離するための隔膜の接ガス面を
キャリヤーガスで洗浄し、試料昇温時に隔膜から発生す
る成分が分析カラム方向に流れこむのを防ぐセプタムパ
ージ式のガスクロマトグラフ用試料注入口部に関する。
【0002】
【従来の技術】試料を昇温し一定温度に保持してその試
料を気化させる試料気化室を備え、その気化させた試料
を分析用カラムに送るガスクロマトグラフ用の試料注入
口部の構成として、試料気化室に通ずる試料注入通路入
口に設けられ内部を外界と隔離するためのセプタム(隔
膜)が設けられているものがある。このセプタムの材質
としては、通常、シリコンゴムが用いられ、試料注入時
には試料注入針を試料気化室に至るまで貫入させること
ができる。このような構成の試料注入口部の温度を低く
設定すれば、セプタムの成分の気化が避けられるが、そ
の反面、測定対象の試料が気化しないか、または気化し
てもすぐセプタム周辺にその試料の成分が付着してしま
い、実際の分析が不可能である。従って、通常は、上記
のような試料注入口部の温度はある程度高くして使用さ
れる。
【0003】しかし、試料注入口部の温度はある程度高
くすると、セプタム周辺の温度も高くなってしまい、セ
プタムの成分であるシリコンゴムに起因するゴーストピ
ークが多くなる。これは、約200℃以上の温度になる
とシリコンゴムが気化し始めるためである。そのため、
ガスクロマトグラフによる分析のための試料昇温時に、
試料の移送に使用するキャリヤーガスでセプタムの接ガ
ス面を洗浄し、洗浄後のガスを装置外へ排出するセプタ
ムパージという方式が採用されるのが一般的になってき
ている(以下、セプタムパージ式という)。
【0004】また、セプタムパージ式ではないが、試料
気化室とセプタムの間に球体が移動できる部屋を設け、
試料の注入時以外は試料注入通路を球体で閉じ、試料の
注入時には球体を移動させて試料注入通路を開くように
する方式の試料注入口部が、特開昭51−107889
号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の一般的なセプタ
ムパージ式の試料注入口部では、セプタムから発生する
成分が分析用のカラムの方向に流れこむのをある程度抑
制することができ、ゴーストピークの出現をある程度低
減することが可能であるが、試料気化室とセプタム洗浄
用のキャリヤーガスの通路が隔絶されておらず、セプタ
ムの接ガス面にキャリヤーガスが触れるだけの構成であ
る。従って、セプタムで発生したシリコンゴム成分が試
料気化室内に入り込み、カラム恒温槽冷却時に分析カラ
ムの先端に凝縮され、それが次の昇温時にカラムの中へ
入り込み測定試料の中には含まれていない成分が検出さ
れてゴーストピークとなる可能性が高い。特に、キャピ
ラリーカラムを用いたガスクロマトグラフにより高感度
に増幅して観察する場合には、このゴーストピークが顕
著に現れる。従って、信頼性の高い試料分析を行うこと
が不可能となる。
【0006】一方、セプタムパージ式でない特開昭51
−107889号公報に開示された従来技術によれば、
試料の注入時以外は球体で試料注入通路を閉じてセプタ
ムで発生したシリコンゴム成分が試料気化室内に入り込
むことを避けることが可能であるが、試料注入時に球体
を移動させ試料注入通路を開いた時にセプタムからのシ
リコンゴム成分が試料気化室内に入り込むことは避けら
れない。その結果、上記一般的なセプタムパージ式の場
合と同様にゴーストピークが現れることとなり、従っ
て、信頼性の高い試料分析を行うことが不可能となる。
【0007】本発明の目的は、ゴーストピークが出現せ
ず信頼性の高い試料分析を行うことが可能なセプタムパ
ージ式のガスクロマトグラフ用試料注入口部を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、試料を昇温し気化させてカラムに
送る試料気化室と、その試料気化室に通ずる試料注入通
路入口に設けられ試料注入時に試料注入針を貫入させ得
る隔膜とを有し、その隔膜の接ガス面をキャリヤーガス
で洗浄し装置外へ排出するセプタムパージ式のガスクロ
マトグラフ用試料注入口部において、前記試料気化室へ
のキャリヤーガスの通路とは独立して設けられ、前記隔
膜の接ガス面に対して一方向に洗浄用のキャリヤーガス
を流すためのセプタムパージ流路を有することを特徴と
するセプタムパージ式のガスクロマトグラフ用試料注入
口部が提供される。
【0009】上記セプタムパージ式のガスクロマトグラ
フ用試料注入口部において、好ましくは、前記試料注入
通路の試料気化室と隔膜との間に設けられた部屋と、試
料の注入時以外は上記試料注入通路を閉じ試料の注入時
には上記試料注入通路を開くように前記部屋内部を移動
しうる球体とを有する。
【0010】上記において好ましくは、前記球体は、試
料の注入時以外には試料注入針の進入経路からその球体
の直径の1/3以下の距離ずれた位置に中心が位置する
ように設置され、かつ試料の注入時には試料注入針によ
って試料注入通路を開くように移動可能である。
【0011】
【作用】上記のように構成した本発明の試料注入口部
は、試料を気化させるために昇温され、ある一定の温度
に保持される。そして、試料気化室で気化した試料は専
用の通路より供給されたキャリヤーガスによって分析用
のカラムへと移送される。この時、セプタムの接ガス面
もキャリヤーガスで洗浄されるが、そのセプタム洗浄用
のキャリヤーガスは、上記試料気化室へのキャリヤーガ
スの通路とは独立して設けられたセプタムパージ流路を
通り、セプタムの接ガス面に対して一方向に流され、気
化したセプタム成分を含む洗浄後のキャリヤーガスは装
置外へ排出される。
【0012】上述のように試料気化室へ通路とは独立し
たセプタムパージ流路を設け、かつセプタムの接ガス面
に対して一方向にキャリヤーガスを流すことにより、気
化したセプタム成分を含む洗浄後のキャリヤーガスは一
方的に装置外へ排出されることになり、試料気化室に入
ることはない。一方、試料気化室内にはセプタムに接し
ない純粋なキャリヤーガスが一定の割合で流れるため、
分析用のカラム内にはセプタムからの発生ガスは全く混
入しない。その結果、ゴーストピークが現れることがな
くなり、分析の信頼性向上に寄与できる。
【0013】また、試料注入通路の試料気化室と隔膜と
の間に部屋を設け、かつその部屋内部において球体を移
動可能とし、試料の注入時以外はその球体によって試料
注入通路を閉じることにより、試料の注入時以外は球体
で試料注入通路を閉じて気化したセプタム成分が試料気
化室内に入り込むことを避けることが可能となる。しか
も、前述のように、セプタムパージ流路を利用してキャ
リヤーガスをセプタムの接ガス面に対し一方向に流し、
洗浄後のキャリヤーガスを一方的に排出するため、上記
球体を移動させて試料注入通路を開いた時にも気化した
セプタム成分を含むキャリヤーガスが試料気化室に入る
ことはない。
【0014】上記において、試料の注入時に試料注入通
路を開く際には、例えばセプタムを貫入させた試料注入
針の針先で球体を移動させるのがよい。試料注入後、試
料注入針は瞬時に試料気化室より抜き去られ、球体が重
力により元の位置に戻って再び試料注入通路は閉じられ
る。この試料注入針の貫入から抜き去りまでの時間は1
秒以内で、その間のキャリヤーガスの流量は1/60ミ
リリットル/min程度であるため、試料注入通路を介
して移動し得るキャリヤーガスはほとんど無いと考えら
れる。
【0015】また、上記の場合、試料の注入時以外に試
料注入通路を閉じる際には、試料注入針の進入経路から
球体の直径の1/3以下の距離ずれた位置に球体の中心
が位置するようにすることにより、試料注入針の進入時
にその針先は球体の真中に当らなくなり、従って、試料
の注入時に球体を移動させ試料注入通路を開く際には、
試料注入針の針先によって球体をスムーズに移動させる
ことができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明の第1の実施例によるセプタム
パージ式のガスクロマトグラフ用試料注入口部につい
て、図1から図5を参照しながら説明する。
【0017】図1は本実施例のセプタムパージ式のガス
クロマトグラフ用試料注入口部の構成を示す断面図であ
る。図1の試料注入口部は、注入口ボデイ1、注入口ヘ
ッド2、注入口キャップ3、ヘッドナット4、ゴム押え
5、注入口セプタム6、インサートパッキン押え7、キ
ャリヤーガス入口パイプ8、セプタムパージパイプ9、
スプリットアウトパイプ10、グラファイトパッキング
11、試料気化室12を有する。試料気化室12の下部
にはカラム接続口13が設けられ、試料気化室12の外
周にはガラスインサートスプリット穴部14およびガラ
スインサート15が設けられている。
【0018】また、注入口ヘッド2内には試料気化室1
2に通ずる試料注入通路16が設けられ、試料注入通路
16の上部は注入口セプタム6に面するセプタムガス接
室17となっており、その内部では球体18が移動可能
で、球体18によって試料注入通路16入口が閉じられ
たり開かれたりする。試料気化室12上部にはキャリヤ
ーガスを試料気化室12に供給するキャリヤーガス通路
19が設けられており、キャリヤーガス通路19とは独
立してセプタムパージ流路20,21が設けられてい
る。
【0019】上記試料注入口部の組み立てに際しては、
まず、注入口ボデイ1、注入口ヘッド2、注入口キャッ
プ3、ヘッドナット4、キャリヤーガス入口パイプ8、
セプタムパージパイプ9、およびスプリットアウトパイ
プ10等によって試料注入口の本体を構成する。そし
て、注入口セプタム6を注入口ヘッド2に取付ける。一
方、インサートパッキン押え7の中にグラファイトパッ
キング11を押し込み、ガラスインサート15をそのグ
ラファイトパッキング11の中に押し込む。その後、注
入口ボディ1に上記ガラスインサート15を押し込む。
さらに、ヘッドナット4を注入口ボディ1に締め付けて
試料注入口部の本体が完成される。本実施例の試料注入
口部においては、セプタムガス接室17内を移動可能な
球体18を設けたことと、キャリヤーガス通路19と独
立したセプタムパージ流路20,21を特別に設けたこ
とが特徴である。
【0020】次に、セプタムパージ付注入口の上部拡大
図を示す図2により、キャリヤーガスの流れを説明す
る。キャリヤーガス入口パイプ8から供給されたキャリ
ヤーガス30は、試料気化室12に通ずるキャリヤーガ
ス通路19とセプタムパージ流路20とに分かれて流れ
る。図2では、キャリヤーガス通路19側のキャリヤー
ガスを矢印31で、セプタムパージ流路20側のキャリ
ヤーガスを矢印32で示す。
【0021】試料気化室12に入ったキャリヤーガス3
1は、気化した試料を試料気化室12下部のカラム接続
口13より分析用のカラム(図示せず)の方向に移送す
るために図1中矢印33で示す方向に流出するが、その
残りは試料気化室12下部から分かれてガラスインサー
トスプリット穴部14を流れ、スプリットアウトパイプ
10より排出される(図中矢印34で示す)。分析用の
カラム側の流量とスプリットアウトパイプ10側の流量
の比(スプリット比)は、通常、1対100である。
【0022】一方、セプタムパージ流路20に入ったキ
ャリヤーガス32は、セプタムガス接室17の上部に達
し、常に注入口セプタム6に接触して注入口セプタム表
面を洗浄しながら一方向に流れ、気化したシリコンゴム
成分を含む洗浄後のキャリヤーガスはセプタムパージ流
路21を経てセプタムパージパイプ9より図中矢印35
で示すように一方的に排出される。また、試料の注入時
以外は、球体18は重力によって試料注入通路16入口
を閉じており、セプタムガス接室17側、従ってセプタ
ムパージ流路20側と試料気化室12側とが仕切られ、
それぞれ独立した流路となっている。以上のことによ
り、気化したシリコンゴム成分を含む洗浄後のキャリヤ
ーガスが試料気化室12、従って分析用のカラム内に入
り込むことはない。
【0023】試料を試料気化室12に注入する時には、
図中矢印40の方向に沿って試料注入針を注入口セプタ
ム6に貫入させ、その試料注入針によって球体18をセ
プタムガス接室17内で移動させて試料注入通路16を
開き、試料注入針の先端を試料気化室12内部に到達さ
せて、試料を注入する。試料注入後、試料注入針は瞬時
に試料気化室12より抜き去られ、球体18が元の位置
に戻って再び試料注入通路16は閉じられる。この試料
注入針の貫入から抜き去りまでの時間は1秒以内で、そ
の間のキャリヤーガスの流量は1/60ミリリットル/
min程度であるため、試料注入通路16を介して移動
し得るキャリヤーガスはほとんど無いと考えられる。し
かも、前述のように、セプタムパージ流路20を利用し
てキャリヤーガスを注入口セプタム6の接ガス面に対し
一方向に流し、洗浄後のキャリヤーガスを一方的に排出
するため、上記のように試料注入通路16を開いた時に
も気化したシリコンゴム成分を含むキャリヤーガスが試
料気化室12に入ることはない。
【0024】図3は、従来のセプタムパージ式のガスク
ロマトグラフ用試料注入口部の一般的な構成を示す断面
図であり、図4は図3の上部拡大図である。但し、図3
および図4において、図1および図2と同等の部材には
同じ符号を付してある。図3および図4に示した従来の
セプタムパージ式の試料注入口部では、図1および図2
のセプタムガス接室17、球体18、セプタムパージ流
路20,21が設けられていない。この試料注入口部に
おいては、キャリヤーガス入口パイプ8から供給された
キャリヤーガス30が試料気化室12に供給される(図
中矢印50参照)だけでなく、試料注入通路16aにも
流れ(図中矢印51参照)、注入口セプタム6に触れる
ことにより洗浄が行われ、その後のキャリヤーガスがセ
プタムパージパイプ9より排出される。
【0025】ところが、試料注入通路16aは注入口セ
プタム6によって袋小路状になっており、注入口セプタ
ム6の接ガス面付近の圧力はほぼ一定でガスの移動がほ
とんどなくなる。そのため、試料注入通路16aに流れ
たキャリヤーガスの一部は、その試料注入通路16aに
連通する試料気化室12の方へと直接流れ出してしま
い、注入口セプタム6より気化したシリコンゴム成分も
試料気化室12、従って分析用のカラム内に入り込み、
その結果、ゴーストピークが現れることになる。
【0026】これに対し、本実施例では、セプタムガス
接室17内を移動可能な球体18を設け、かつキャリヤ
ーガス通路19と独立したセプタムパージ流路20,2
1を特別に設けたことにより、気化したシリコンゴム成
分を含む洗浄後のキャリヤーガスが試料気化室12、従
って分析用のカラム内に入り込むことはなく、その結
果、ゴーストピークが現れることがなくなり、分析の信
頼性を向上することができる。
【0027】図5に、本実施例の試料注入口部による分
析結果および従来の試料注入口部による分析結果を比較
した図であり、(a)が本実施例の試料注入口部による
クロマトグラム、(b)が従来の試料注入口部によるク
ロマトグラムである。但し、図5は、試料を溶解するた
めの溶媒のみを分析した結果である。図5(a)のクロ
マトグラムでは、溶媒のピークのみ現れており、ゴース
トピークはほとんど現れていない。一方、図5(b)の
クロマトグラムでは、溶媒のピークに加え、注入口セプ
タム6のシリコンゴム成分に起因するゴーストピークが
現れている。このように、従来の試料注入口部を用いた
分析では、被分析試料を混入していないのにもかかわら
ずシリコンゴム成分に起因するゴーストピークが現れて
しまうが、本実施例の試料注入口部を用いた分析では、
ゴーストピークを従来の1/10以下にすることが可能
となり、ガスクロマトグラフの定量精度を大幅に向上で
き、信頼性の高い分析を行うことが可能である。
【0028】以上のような本実施例によれば、セプタム
ガス接室17内を移動可能な球体18を設け、その球体
18で試料注入通路16入口を閉じたり開いたりし、か
つキャリヤーガス通路19と独立したセプタムパージ流
路20,21を設け、注入口セプタム6洗浄用のキャリ
ヤーガスを一方向に流すので、気化したシリコンゴム成
分を含む洗浄後のキャリヤーガスが試料気化室12、従
って分析用のカラム内に入り込むことはなくなる。従っ
て、ゴーストピークが現れることがなくなり、分析の信
頼性を向上することができる。
【0029】次に、本発明の第2の実施例によるセプタ
ムパージ式のガスクロマトグラフ用試料注入口部につい
て、図6により説明する。
【0030】本実施例の試料注入口部は、図1および図
2の実施例と基本的な構成は同じであるが、注入口ヘッ
ド102の構造が若干異なる。即ち、注入口ヘッド10
2において、試料注入通路116は、その中心線が試料
注入針の進入経路40から距離dだけずれた位置にくる
ように設けられる。この試料注入通路116の中心線と
試料注入針の進入経路40とのずれの距離dは球体18
の直径の1/3以下に設定される。そして、試料を試料
気化室12に注入する時には、注入口セプタム6に貫入
させた試料注入針によって球体18を移動させ、試料注
入通路116を開くが、その時、試料注入針は少し曲が
って試料注入通路116に入り、試料気化室12内部に
到達し試料を注入する。
【0031】上記ずれの距離dは、試料注入針の針先に
よって球体18をスムーズに移動させ得る距離として本
発明者により実験的に確かめられた距離であり、試料注
入通路116の中心線と試料注入針の進入経路40とを
そのようにずらせることにより、試料注入針の進入時に
その針先は球体18の真中に当らなくなり、試料注入針
の針先によって球体18をスムーズに移動させ、試料注
入通路116を開くことができる。
【0032】以上のように、本実施例によれば、第1の
実施例と同様の効果が得られるだけでなく、試料注入時
に試料注入針の針先によって球体18をスムーズに移動
させることができ、作業性を向上することができる。
【0033】なお、上記2つの実施例では、いずれも球
体18を用いているが、そのような球体がない場合で
も、従来の試料注入口部に比べゴーストピークを1/5
以下にする抑えることができる。
【0034】また、上記2つの実施例において、セプタ
ムパージパイプ9の出口に真空ポンプなどを接続し、気
化したシリコンゴム成分を含む洗浄後のキャリヤーガス
をセプタムパージパイプ9より強制的に吸引してもよ
い。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、試料気化室へ通路とは
独立したセプタムパージ流路を設け、隔膜の接ガス面に
対して一方向にキャリヤーガスを流し排出するので、気
化した隔膜成分を含む洗浄後のキャリヤーガスが試料気
化室に入らず、ゴーストピークが現れることがなくな
り、高い信頼性の分析を行うことができる。
【0036】また、試料の注入時以外は球体によって試
料注入通路を閉じるので、気化した隔膜成分が試料気化
室内に入り込むことを避けることができる。しかも、試
料の注入時に試料注入針で球体を移動させ試料注入通路
を開く際にも、隔膜の接ガス面に対して一方向にキャリ
ヤーガスを流し排出するので、隔膜成分を含むキャリヤ
ーガスが試料気化室に入ることはない。
【0037】さらに、試料注入針の進入経路から球体の
直径の1/3以下の距離ずれた位置に球体の中心が位置
するようにするので、試料注入時に試料注入針の針先に
よって球体をスムーズに移動させることができ、作業性
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるセプタムパージ式
のガスクロマトグラフ用試料注入口部の構成を示す断面
図である。
【図2】図1に示したセプタムパージ式のガスクロマト
グラフ用試料注入口部の上部拡大図である。
【図3】従来のセプタムパージ式のガスクロマトグラフ
用試料注入口部の一般的な構成を示す断面図である。
【図4】図3に示したセプタムパージ式のガスクロマト
グラフ用試料注入口部の上部拡大図である。
【図5】図1の試料注入口部による分析結果および図3
の試料注入口部による分析結果を比較した図であり、
(a)は図1の試料注入口部によるクロマトグラム、
(b)は図3の試料注入口部によるクロマトグラムであ
る。
【図6】本発明の第2の実施例によるセプタムパージ式
のガスクロマトグラフ用試料注入口部の構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 注入口ボディ 2 注入口ヘッド 3 注入口キャップ 6 注入口セプタム 8 キャリヤーガス入口パイプ 9 セプタムパージパイプ 10 スプリットアウトパイプ 12 試料気化室 13 カラム接続口 14 ガラスインサートスプリット穴部 15 ガラスインサート 16 試料注入通路 17 セプタムガス接室 18 球体 19 キャリヤーガス通路 20,21 セプタムパージ流路 102 注入口ヘッド 116 試料注入通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/12 G01N 30/10 G01N 30/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を昇温し気化させてカラムに送る試
    料気化室と、前記試料気化室に通ずる試料注入通路入口
    に設けられ前記試料注入時に試料注入針を貫入させ得る
    隔膜とを有し、前記隔膜の接ガス面をキャリヤーガスで
    洗浄し装置外へ排出するセプタムパージ式のガスクロマ
    トグラフ用試料注入口部において、 前記試料気化室への前記キャリヤーガスの通路とは独立
    して設けられ、前記隔膜の接ガス面に対して一方向に洗
    浄用のキャリヤーガスを流すためのセプタムパージ流路
    を有することを特徴とするセプタムパージ式のガスクロ
    マトグラフ用試料注入口部。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセプタムパージ式のガス
    クロマトグラフ用試料注入口部において、前記試料注入
    通路の前記試料気化室と前記隔膜との間に設けられた部
    屋と、前記試料の注入時以外は前記試料注入通路を閉じ
    前記試料の注入時には前記試料注入通路を開くように前
    記部屋内部を移動しうる球体とを有することを特徴とす
    るセプタムパージ式のガスクロマトグラフ用試料注入口
    部。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のセプタムパージ式のガス
    クロマトグラフ用試料注入口部において、前記球体は、
    前記試料の注入時以外には前記試料注入針の進入経路か
    ら前記球体の直径の1/3以下の距離ずれた位置に中心
    が位置するように設置され、かつ前記試料の注入時には
    前記試料注入針によって前記試料注入通路を開くように
    移動可能であることを特徴とするセプタムパージ式のガ
    スクロマトグラフ用試料注入口部。
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