JP3279108B2 - フェージングデータ発生器及びそれを用いたフェージングデータ処理装置 - Google Patents
フェージングデータ発生器及びそれを用いたフェージングデータ処理装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、移動無線において多
重路伝搬効果により極めて複雑なフェージングが発生し
ている伝搬路における伝搬路特性解析および伝送装置の
特性評価をするためのフェージングデータ発生器及びフ
ェージングデータ処理装置に関する。
重路伝搬効果により極めて複雑なフェージングが発生し
ている伝搬路における伝搬路特性解析および伝送装置の
特性評価をするためのフェージングデータ発生器及びフ
ェージングデータ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】陸上移動無線においては、ランダムな方
向から到来する多重波により、定在波性の電磁界が生じ
る。この定在波性の電磁界中を移動体が走行するためレ
イリー分布に従う振幅変動と一様分布に従う位相変動と
が生ずるといわれている。このような変動はマルチパス
フェージングと呼ばれ、たとえば、平出、安倍、花沢、
安達、『移動無線用フェージングシミュレータ』電子通
信学会論文誌'75/9 Vol. 58−B No. 9 pp. 45
0にこれをシミュレートするフェージングシミュレータ
が提案されている。このフェージングシミュレータで
は、シミュレートしようとする電磁界がすべて同程度の
大きさの振幅を有する無数の到来波により構成されてい
るという仮定に基づいている。そして、この仮定に基づ
いて図4に示すように変調された搬送波信号を分岐部1
1で2分し、その一方を90°移相器12で90°移相
し、この移相したものと、分岐部11の他方の出力とを
それぞれ乗積変調器13,14において、ガウス雑音発
生器15,16からの2つの独立なベースバンドガウス
雑音をそれぞれ乗積変調し、これら直交成分変調出力
と、同相成分変調成分とを合成部17で合成することに
よりフェージングをシミュレートしている。このフェー
ジングシミュレータでは、上述した仮定がなりたつ場合
において、統計的に移動無線伝搬路をシミュレートでき
る。すなわち、発生させたフェージングの統計的性質
が、実際の移動伝搬路で発生するフェージングの統計的
性質と一致することになる。
向から到来する多重波により、定在波性の電磁界が生じ
る。この定在波性の電磁界中を移動体が走行するためレ
イリー分布に従う振幅変動と一様分布に従う位相変動と
が生ずるといわれている。このような変動はマルチパス
フェージングと呼ばれ、たとえば、平出、安倍、花沢、
安達、『移動無線用フェージングシミュレータ』電子通
信学会論文誌'75/9 Vol. 58−B No. 9 pp. 45
0にこれをシミュレートするフェージングシミュレータ
が提案されている。このフェージングシミュレータで
は、シミュレートしようとする電磁界がすべて同程度の
大きさの振幅を有する無数の到来波により構成されてい
るという仮定に基づいている。そして、この仮定に基づ
いて図4に示すように変調された搬送波信号を分岐部1
1で2分し、その一方を90°移相器12で90°移相
し、この移相したものと、分岐部11の他方の出力とを
それぞれ乗積変調器13,14において、ガウス雑音発
生器15,16からの2つの独立なベースバンドガウス
雑音をそれぞれ乗積変調し、これら直交成分変調出力
と、同相成分変調成分とを合成部17で合成することに
よりフェージングをシミュレートしている。このフェー
ジングシミュレータでは、上述した仮定がなりたつ場合
において、統計的に移動無線伝搬路をシミュレートでき
る。すなわち、発生させたフェージングの統計的性質
が、実際の移動伝搬路で発生するフェージングの統計的
性質と一致することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のフェージングシミュレータは、伝搬モデルに依存す
る。実際の移動伝搬路においては、見通し伝搬が支配的
な場合、指向性アンテナについて評価する場合などにお
いては、実伝搬路のモデル化が困難となる場合がある。
また、同一チャネル干渉キャンセラの特性評価等におい
ては、希望信号および干渉信号それぞれのフェージング
の瞬時変動の影響を受け、従来のフェージングシミュレ
ータのように発生させるフェージングの統計的性質が同
一であるだけでは不十分な場合が生じている。またある
程度長時間の場合は統計的に一致するが、比較的短かい
場合は、統計的性質を利用できないため、フェージング
を正しくシミュレートすることができない。
のフェージングシミュレータは、伝搬モデルに依存す
る。実際の移動伝搬路においては、見通し伝搬が支配的
な場合、指向性アンテナについて評価する場合などにお
いては、実伝搬路のモデル化が困難となる場合がある。
また、同一チャネル干渉キャンセラの特性評価等におい
ては、希望信号および干渉信号それぞれのフェージング
の瞬時変動の影響を受け、従来のフェージングシミュレ
ータのように発生させるフェージングの統計的性質が同
一であるだけでは不十分な場合が生じている。またある
程度長時間の場合は統計的に一致するが、比較的短かい
場合は、統計的性質を利用できないため、フェージング
を正しくシミュレートすることができない。
【0004】従来はフェージングシミュレータで評価し
きれない場合は、野外伝送実験をおこなっていた。野外
伝送実験では、実験場所、日時、天候、同一条件の再現
性など種々の制約および問題がある。また、各種受信機
の特性評価等においては、評価にばらつきが出る。更に
各種伝送特性の劣化要因が複合してしまい、要因の分離
が困難である。
きれない場合は、野外伝送実験をおこなっていた。野外
伝送実験では、実験場所、日時、天候、同一条件の再現
性など種々の制約および問題がある。また、各種受信機
の特性評価等においては、評価にばらつきが出る。更に
各種伝送特性の劣化要因が複合してしまい、要因の分離
が困難である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、この発明のフェージングデータ発生器は、送信機よ
り送信したキャリヤ信号を受信機で受信し、検波して得
られたIQ(複素)ベースバンド信号の時系列データ信
号Zi(t),Zq(t)と送信機と受信機の相対的移動速度信
号とをデータレコーダに記憶し、記憶した前記IQベー
スバンド信号は、必要に応じて移動速度で正規化したの
ち計算機上に構築されたデータベースに蓄積し、蓄積さ
れたIQベースバンド信号を、計算機上で指定するフェ
ージングの最大ドップラ周波数に対応したIQベースバ
ンド信号に変換して出力する。
に、この発明のフェージングデータ発生器は、送信機よ
り送信したキャリヤ信号を受信機で受信し、検波して得
られたIQ(複素)ベースバンド信号の時系列データ信
号Zi(t),Zq(t)と送信機と受信機の相対的移動速度信
号とをデータレコーダに記憶し、記憶した前記IQベー
スバンド信号は、必要に応じて移動速度で正規化したの
ち計算機上に構築されたデータベースに蓄積し、蓄積さ
れたIQベースバンド信号を、計算機上で指定するフェ
ージングの最大ドップラ周波数に対応したIQベースバ
ンド信号に変換して出力する。
【0006】この発明のフェージングデータ処理装置
は、前記この発明のフェージングデータ発生器よりのI
Qベースバンドのフェージング信号を、搬送波信号又は
ベースバンド信号に対し被フェージング伝送実験系伝送
路で乗積変調によりフェージングをかける。前記フェー
ジングデータ発生器における前記送信機と受信機の局部
発振器との発振周波数の周波数オフセットは、基準信号
発生器によりフェージングの最大ドップラ周波数に対し
て十分小さく抑える構成とする。前記送信機は、無変調
搬送波または符号変調搬送機を送信する。さらに、前記
送信装置は変調されたキャリヤを送信する構成とし、受
信信号に遅延波がある場合に有効に動作する構成とする
こともできる。
は、前記この発明のフェージングデータ発生器よりのI
Qベースバンドのフェージング信号を、搬送波信号又は
ベースバンド信号に対し被フェージング伝送実験系伝送
路で乗積変調によりフェージングをかける。前記フェー
ジングデータ発生器における前記送信機と受信機の局部
発振器との発振周波数の周波数オフセットは、基準信号
発生器によりフェージングの最大ドップラ周波数に対し
て十分小さく抑える構成とする。前記送信機は、無変調
搬送波または符号変調搬送機を送信する。さらに、前記
送信装置は変調されたキャリヤを送信する構成とし、受
信信号に遅延波がある場合に有効に動作する構成とする
こともできる。
【0007】また、前記線形受信機は自動利得制御回路
(AGC回路)を含む受信機とし、受信信号の信号レベ
ル情報は、計算機にフェージングデータと共に蓄積する
構成とする。さらに、前記フェージングデータ処理装置
において被フェージング伝送実験系伝送路は等価ベース
バンド伝送路を用いたベースバンド信号処理回路、もし
くは計算機上のソフトウェアで実現される前記ベースバ
ンド信号処理回路に適用される。
(AGC回路)を含む受信機とし、受信信号の信号レベ
ル情報は、計算機にフェージングデータと共に蓄積する
構成とする。さらに、前記フェージングデータ処理装置
において被フェージング伝送実験系伝送路は等価ベース
バンド伝送路を用いたベースバンド信号処理回路、もし
くは計算機上のソフトウェアで実現される前記ベースバ
ンド信号処理回路に適用される。
【0008】
【作用】実伝搬データを測定しデータベース化すること
により、室内実験系または計算機シミュレーションによ
り野外伝送実験と同様の評価実験ができる。再現性があ
るため、繰返し同一の伝搬条件を利用できるので、信号
伝送上の劣化要因の解析、等化器、干渉キャンセラ等の
性能評価に利用できる。
により、室内実験系または計算機シミュレーションによ
り野外伝送実験と同様の評価実験ができる。再現性があ
るため、繰返し同一の伝搬条件を利用できるので、信号
伝送上の劣化要因の解析、等化器、干渉キャンセラ等の
性能評価に利用できる。
【0009】搬送波信号の振幅と位相をIQベースバン
ド信号としてデータベース化する場合には、変調方式に
依らずフェージングデータのデータベース化が可能であ
り、かつ速度情報を利用しているため、所望の移動局の
移動速度のフェージングデータを作ることができ、汎用
性がある。
ド信号としてデータベース化する場合には、変調方式に
依らずフェージングデータのデータベース化が可能であ
り、かつ速度情報を利用しているため、所望の移動局の
移動速度のフェージングデータを作ることができ、汎用
性がある。
【0010】
【実施例】以下図面を参照してこの発明の実施例を説明
する。図1はこの発明にかかるフェージング処理装置の
構成例を示す。この発明は、実伝搬路のフェージングを
IQ複素ベースバンド信号として測定し、フェージング
データベースに蓄積し、これよりフェージングデータを
発生するフェージングデータ発生器21と、その蓄積さ
れた複素フェージング信号を用いてフェージングをかけ
る被フェージングデータ処理装置22とから構成され
る。
する。図1はこの発明にかかるフェージング処理装置の
構成例を示す。この発明は、実伝搬路のフェージングを
IQ複素ベースバンド信号として測定し、フェージング
データベースに蓄積し、これよりフェージングデータを
発生するフェージングデータ発生器21と、その蓄積さ
れた複素フェージング信号を用いてフェージングをかけ
る被フェージングデータ処理装置22とから構成され
る。
【0011】フェージングデータ発生器21はさらに無
変調搬送波信号または変調された搬送波信号を送信する
信号発生部23と、送信された信号を受信して測定を行
う伝送路特性測定部24とから構成される。信号発生部
23は、送信機25および高精度基準信号発生器26お
よび送信アンテナ27とから構成される。高精度基準信
号発生器26としては例えばルビジウム発振器を用い
る。
変調搬送波信号または変調された搬送波信号を送信する
信号発生部23と、送信された信号を受信して測定を行
う伝送路特性測定部24とから構成される。信号発生部
23は、送信機25および高精度基準信号発生器26お
よび送信アンテナ27とから構成される。高精度基準信
号発生器26としては例えばルビジウム発振器を用い
る。
【0012】信号発生部23から送信された信号は、伝
搬路でフェージングを受け、伝送路特性測定ユニット2
4の受信アンテナ29を経て線形受信機31で受信され
る。線形受信機31は、ダイナミックレンジが十分大き
いものを用いると良い。線形受信機31は、高精度基準
信号発生器32を用いて、信号発生部23の送信搬送波
周波数と受信搬送波周波数との周波数オフセットが、フ
ェージングによるドップラ周波数に比べて無視できる範
囲内になるようにする。また、受信信号レベルは、雑音
の影響が無視できるのに十分な大きさとなるようにする
とよい。線形受信機31は、高精度基準信号発生器32
の信号で受信信号を中間周波数の信号とし、その中間周
波数信号を増幅器33を通じて直交検波器34へ供給し
てIQ直交検波出力Zi(t)及びZq(t)を出力する。
搬路でフェージングを受け、伝送路特性測定ユニット2
4の受信アンテナ29を経て線形受信機31で受信され
る。線形受信機31は、ダイナミックレンジが十分大き
いものを用いると良い。線形受信機31は、高精度基準
信号発生器32を用いて、信号発生部23の送信搬送波
周波数と受信搬送波周波数との周波数オフセットが、フ
ェージングによるドップラ周波数に比べて無視できる範
囲内になるようにする。また、受信信号レベルは、雑音
の影響が無視できるのに十分な大きさとなるようにする
とよい。線形受信機31は、高精度基準信号発生器32
の信号で受信信号を中間周波数の信号とし、その中間周
波数信号を増幅器33を通じて直交検波器34へ供給し
てIQ直交検波出力Zi(t)及びZq(t)を出力する。
【0013】送信信号として無変調搬送波信号を用いた
場合、直交検波出力Zi(t)及びZq(t)は、伝搬路でのフ
ェージングの影響を受けてIQ平面上を変動する。実伝
搬路のフェージングはキャリアの位相と振幅の変動とし
て、直交検波出力Zi(t)及びZq(t)で表せる。これら直
交検波出力Zi(t),Zq(t)はデータ処理部35で処理さ
れる。データ処理部35には端子37から移動速度信号
も入力される。移動速度信号は信号発生部23が固定で
受信機31の移動している時の移動速度を測定したデー
タ、又は送信機31が固定で信号発生部23が移動して
いる時のその移動速度の測定データを信号発生部23か
ら受信して得る。データ処理部35には例えば増幅器3
3付近の信号のレベルを測定し、つまり受信機31の受
信電波のレベル(電界強度)を測定して、レベル情報も
入力される。データ処理部35では例えば検波信号Zi
(t),Zq(t)を移動速度信号で正規化し、常に所定の一
定速度で受信した場合に相当する信号にする。例えば移
動速度が所定値より遅い場合は、一定周期でサンプリン
グしてZi(t),Zq(t)を記憶した後、所定速度よりも遅
い比率だけ前記サンプリング周期よりも速い比率として
前記記憶を読出しする。このようにして速度正規化され
たIQ(複素)データZi(t),Zq(t)をデータ蓄積部3
6に蓄積する。またレベル情報もデータ蓄積部36に蓄
積する。
場合、直交検波出力Zi(t)及びZq(t)は、伝搬路でのフ
ェージングの影響を受けてIQ平面上を変動する。実伝
搬路のフェージングはキャリアの位相と振幅の変動とし
て、直交検波出力Zi(t)及びZq(t)で表せる。これら直
交検波出力Zi(t),Zq(t)はデータ処理部35で処理さ
れる。データ処理部35には端子37から移動速度信号
も入力される。移動速度信号は信号発生部23が固定で
受信機31の移動している時の移動速度を測定したデー
タ、又は送信機31が固定で信号発生部23が移動して
いる時のその移動速度の測定データを信号発生部23か
ら受信して得る。データ処理部35には例えば増幅器3
3付近の信号のレベルを測定し、つまり受信機31の受
信電波のレベル(電界強度)を測定して、レベル情報も
入力される。データ処理部35では例えば検波信号Zi
(t),Zq(t)を移動速度信号で正規化し、常に所定の一
定速度で受信した場合に相当する信号にする。例えば移
動速度が所定値より遅い場合は、一定周期でサンプリン
グしてZi(t),Zq(t)を記憶した後、所定速度よりも遅
い比率だけ前記サンプリング周期よりも速い比率として
前記記憶を読出しする。このようにして速度正規化され
たIQ(複素)データZi(t),Zq(t)をデータ蓄積部3
6に蓄積する。またレベル情報もデータ蓄積部36に蓄
積する。
【0014】フェージングデータを発生するにはフェー
ジングデータ変換ユニット38でデータ蓄積部36から
フェージングデータ、つまり正規化されたIQデータZ
i(t),Zq(t)を読出し、試験に必要とする各種速度のフ
ェージングデータに変換する。フェージングデータ処理
装置22では従来のこの種の装置と同様に通常の送信機
と同様の構成からなる送信部41から変調された搬送波
信号又はベースバンド信号を出力し、この信号に対して
フェージング部42でフェージングを付与する。このフ
ェージング部42は従来においては図4に示したものが
用いられたが、この発明ではフェージングデータ変換ユ
ニット38から複素フェージングデータを送信部41か
らの信号に対して乗積変調をする。このフェージング部
42の出力は受信部43に入力されて、伝搬状況の評価
や受信部43と評価されるべき受信機を用い、その受信
機の評価に利用される。
ジングデータ変換ユニット38でデータ蓄積部36から
フェージングデータ、つまり正規化されたIQデータZ
i(t),Zq(t)を読出し、試験に必要とする各種速度のフ
ェージングデータに変換する。フェージングデータ処理
装置22では従来のこの種の装置と同様に通常の送信機
と同様の構成からなる送信部41から変調された搬送波
信号又はベースバンド信号を出力し、この信号に対して
フェージング部42でフェージングを付与する。このフ
ェージング部42は従来においては図4に示したものが
用いられたが、この発明ではフェージングデータ変換ユ
ニット38から複素フェージングデータを送信部41か
らの信号に対して乗積変調をする。このフェージング部
42の出力は受信部43に入力されて、伝搬状況の評価
や受信部43と評価されるべき受信機を用い、その受信
機の評価に利用される。
【0015】図2に具体的構成を示し、図1と対応する
部分に同一符号を付けてある。この例は直交検波器34
からの直交検波出力Zi(t)及びZq(t)は、ディジタルデ
ータレコーダ45に記録される。実際にフェージングデ
ータを収集するときは、受信アンテナ29、線形受信機
31、高精度基準信号発生器32およびディジタルデー
タレコーダ45のみの構成でよい。ディジタルデータレ
コーダ45の出力は、インターフェース回路46を通し
てワークステーション47によりフェージングデータベ
ース48に記録される。このとき信号発生部23または
受信機31の移動速度信号を同時に記録する。例えば、
信号発生部23または受信機31を移動測定車に搭載す
る場合はその車速信号を移動速度信号として用いる。移
動速度信号およびフェージングデータとからそのフェー
ジングデータの読み出し速度を設定することにより任意
のドップラ周波数におけるフェージングデータを作成す
ることができる。こうして蓄積されたフェージングデー
タを用いて、等化器や干渉キャンセラなどの受信部(復
調装置)43の伝送特性評価をする。
部分に同一符号を付けてある。この例は直交検波器34
からの直交検波出力Zi(t)及びZq(t)は、ディジタルデ
ータレコーダ45に記録される。実際にフェージングデ
ータを収集するときは、受信アンテナ29、線形受信機
31、高精度基準信号発生器32およびディジタルデー
タレコーダ45のみの構成でよい。ディジタルデータレ
コーダ45の出力は、インターフェース回路46を通し
てワークステーション47によりフェージングデータベ
ース48に記録される。このとき信号発生部23または
受信機31の移動速度信号を同時に記録する。例えば、
信号発生部23または受信機31を移動測定車に搭載す
る場合はその車速信号を移動速度信号として用いる。移
動速度信号およびフェージングデータとからそのフェー
ジングデータの読み出し速度を設定することにより任意
のドップラ周波数におけるフェージングデータを作成す
ることができる。こうして蓄積されたフェージングデー
タを用いて、等化器や干渉キャンセラなどの受信部(復
調装置)43の伝送特性評価をする。
【0016】つぎに、フェージングデータ処理装置22
について説明する。送信部41の入力端子49から入力
データ系列たとえばビット系列が入力され、この入力デ
ータ系列は符号変換器51によりIQ位相空間平面上の
ベースバンド変調信号にマッピングされる。これらIQ
信号はフィルタ52,53を通り、直交変調器54で搬
送波発生器55からの搬送波信号を直交変調してRF変
調信号となる。このRF変調信号は、フェージング部4
2に加えられる。
について説明する。送信部41の入力端子49から入力
データ系列たとえばビット系列が入力され、この入力デ
ータ系列は符号変換器51によりIQ位相空間平面上の
ベースバンド変調信号にマッピングされる。これらIQ
信号はフィルタ52,53を通り、直交変調器54で搬
送波発生器55からの搬送波信号を直交変調してRF変
調信号となる。このRF変調信号は、フェージング部4
2に加えられる。
【0017】フェージング部42は、インタフェース回
路56を通してワークステーション47より既に蓄積さ
れたフェージングデータ信号Zi(t)及びZq(t)により乗
算器57,58で入力されたRF変調信号の同相成分お
よび直交成分に対し乗積変調を行う。つまり入力された
RF変調信号は分岐され、一方は乗算器57へ、他方は
90°移相器59を通して乗算器58へ供給される。こ
うして乗積変調を行うことによりRF変調信号に対して
フェージングをかけることができる。このフェージング
をかけられたRF変調信号は雑音発生器61からの雑音
が加算器62で加えられて、評価すべき復調装置43へ
入力される。この発明の装置を用いることにより実伝搬
路で得られたフェージングデータで、簡単に受信機の評
価を行うことができる。
路56を通してワークステーション47より既に蓄積さ
れたフェージングデータ信号Zi(t)及びZq(t)により乗
算器57,58で入力されたRF変調信号の同相成分お
よび直交成分に対し乗積変調を行う。つまり入力された
RF変調信号は分岐され、一方は乗算器57へ、他方は
90°移相器59を通して乗算器58へ供給される。こ
うして乗積変調を行うことによりRF変調信号に対して
フェージングをかけることができる。このフェージング
をかけられたRF変調信号は雑音発生器61からの雑音
が加算器62で加えられて、評価すべき復調装置43へ
入力される。この発明の装置を用いることにより実伝搬
路で得られたフェージングデータで、簡単に受信機の評
価を行うことができる。
【0018】RF変調信号に対してフェージングをかけ
る場合のみならずベースバンド信号に対して行ってもよ
い。図3Aにその例を図2と対応する部分に同一符号を
付けて示す。つまりこれは等価ベースバンド実験系、ま
たは計算機シミュレーションにこの発明を応用した場合
の実施例である。送信部41のフィルタ52,53の出
力がフェージング部42の乗算器57,58に直接入力
され、インタフェース回路56からの複素フェージング
データは等価ベースバンド実験系の信号に乗積されてフ
ェージングをかける。乗算器57,58の各出力に対し
て、2次元ガウス雑音発生器65からの2次元ガウス雑
音が加算器66,67でそれぞれ加算されて復調装置4
3へ供給される。
る場合のみならずベースバンド信号に対して行ってもよ
い。図3Aにその例を図2と対応する部分に同一符号を
付けて示す。つまりこれは等価ベースバンド実験系、ま
たは計算機シミュレーションにこの発明を応用した場合
の実施例である。送信部41のフィルタ52,53の出
力がフェージング部42の乗算器57,58に直接入力
され、インタフェース回路56からの複素フェージング
データは等価ベースバンド実験系の信号に乗積されてフ
ェージングをかける。乗算器57,58の各出力に対し
て、2次元ガウス雑音発生器65からの2次元ガウス雑
音が加算器66,67でそれぞれ加算されて復調装置4
3へ供給される。
【0019】線形受信機31中に自動利得制御回路(A
GC回路)を含む場合のフェージングデータ発生器21
の例を図3Bに図2と対応する部分に同一符号を付けて
示す。この場合は受信増幅出力信号のレベルが一定にな
るように制御されてしまうから受信レベルを測定し、そ
のレベル情報もインターフェース回路47を通じてフェ
ージングデータベース48に記憶する。その他は図2と
同様である。
GC回路)を含む場合のフェージングデータ発生器21
の例を図3Bに図2と対応する部分に同一符号を付けて
示す。この場合は受信増幅出力信号のレベルが一定にな
るように制御されてしまうから受信レベルを測定し、そ
のレベル情報もインターフェース回路47を通じてフェ
ージングデータベース48に記憶する。その他は図2と
同様である。
【0020】上述において、同じフェージングデータフ
ァイルを一定の波長(距離)に相当する時間だけずらす
ことにより、相関の強い伝搬条件を作り出すことがで
き、干渉キャンセラの希望局と干渉局の伝送特性の測定
に使用できる。フェージングデータの収集時には、伝搬
遅延による符号間干渉が無視できる伝搬条件では無変調
搬送波信号を送信するとよい。また、遅延波の影響があ
る場合には、変調搬送波信号を利用するとよい。変調搬
送波信号より遅延波成分を検出し、振幅変動、位相変
動、遅延波成分を抽出し、フェージングデータとして蓄
積し、フェージング部42において変調信号に変調をか
ける。図3Bのフェージングデータ発生器21により得
られたフェージングデータの利用は、図2中のフェージ
ング処理装置21及び図3Aのそれの何れにも用いるこ
とができる。
ァイルを一定の波長(距離)に相当する時間だけずらす
ことにより、相関の強い伝搬条件を作り出すことがで
き、干渉キャンセラの希望局と干渉局の伝送特性の測定
に使用できる。フェージングデータの収集時には、伝搬
遅延による符号間干渉が無視できる伝搬条件では無変調
搬送波信号を送信するとよい。また、遅延波の影響があ
る場合には、変調搬送波信号を利用するとよい。変調搬
送波信号より遅延波成分を検出し、振幅変動、位相変
動、遅延波成分を抽出し、フェージングデータとして蓄
積し、フェージング部42において変調信号に変調をか
ける。図3Bのフェージングデータ発生器21により得
られたフェージングデータの利用は、図2中のフェージ
ング処理装置21及び図3Aのそれの何れにも用いるこ
とができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、実
際の伝搬路のフェージングデータを室内実験や計算シミ
ュレーションで簡単に再現でき、信号伝送特性の解析、
測定に有効である。また、フェージングデータを移動速
度で正規化することにより、任意の移動速度におけるフ
ェージングをかけることができる。
際の伝搬路のフェージングデータを室内実験や計算シミ
ュレーションで簡単に再現でき、信号伝送特性の解析、
測定に有効である。また、フェージングデータを移動速
度で正規化することにより、任意の移動速度におけるフ
ェージングをかけることができる。
【0022】また短時間のフェージングの影響を知るこ
ともできる。前記フェージングデータベース48を一度
作れば、これを複数複写して利用することができ、フェ
ージング発生器21をフェージング処理装置22に付加
しなくてもよい。
ともできる。前記フェージングデータベース48を一度
作れば、これを複数複写して利用することができ、フェ
ージング発生器21をフェージング処理装置22に付加
しなくてもよい。
【図1】この発明の概念図(RF信号伝送実験系)を示
すブロック図。
すブロック図。
【図2】この発明の具体例を示すブロック図。
【図3】Aは等価ベースバンド実験系への応用例を示す
ブロック図、BはRF信号伝送実験系への応用(AGC
回路有り)例を示すブロック図である。
ブロック図、BはRF信号伝送実験系への応用(AGC
回路有り)例を示すブロック図である。
【図4】従来のフェージングシミュレータのフェージン
グ部を示すブロック図。
グ部を示すブロック図。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/10 H04B 1/16 H04B 7/26 H04B 17/00
Claims (7)
- 【請求項1】 信号発生部より空中に放射され、伝搬路
でのフェージングの影響を受けた送信信号を受信する受
信機と、 その受信機の受信信号を検波して複素ベースバンド信号
を得る手段と、 上記信号発生部と上記受信機との相対移動速度情報を得
る手段と、 上記複素ベースバンド信号を上記移動速度情報で正規化
して蓄積するデータ蓄積部と、 上記蓄積された上記正規化した複素ベースバンド信号を
試験に必要とする所望速度のフェージング情報信号に変
換するフェージングデータ変換ユニットとを具備するフ
ェージングデータ発生器。 - 【請求項2】 信号発生部より空中に放射され、伝搬路
でのフェージングの影響を受けた送信信号を受信する自
動利得制御回路を含む受信機と、 その受信機の受信信号を検波して複素ベースバンド信号
を得る手段と、 上記信号発生部と上記受信機との相対移動速度情報を得
る手段と、 上記受信機に受信される受信信号のレベル情報を検出す
る手段と、上記移動速度情報で正規化した上記複素ベースバンド信
号 、及び上記レベル情報を蓄積するデータ蓄積部と、 上記蓄積されたベースバンド信号を試験に必要とする所
望速度のフェージング情報信号に変換するフェージング
データ変換ユニットとを具備するフェージングデータ発
生器。 - 【請求項3】 上記信号発生部の送信機と上記受信機の
局部発振器の発振周波数の周波数オフセットは、フェー
ジングの最大ドップラ周波数に対して十分小さく抑えら
れていることを特徴とする請求項1又は2記載のフェー
ジングデータ発生器。 - 【請求項4】 上記送信部より送信する信号は無変調搬
送波信号であることを特徴とする請求項3記載のフェー
ジングデータ発生器。 - 【請求項5】 上記送信信号は、変調された搬送波信号
であることを特徴とする請求項3記載のフェージングデ
ータ発生器。 - 【請求項6】 フェージングを受けた受信信号の複素検
波データを、その受 信時の移動速度情報で正規化して記
憶したデータ蓄積部と、 そのデータ蓄積部から読み出した複素検波データを、試
験に必要とする所望のフェージング速度のフェージング
データに変換するデータ変換部と、 符号系列で変調した搬送波信号を発生する送信部と、 その送信部からの変調搬送波信号を、上記フェージング
データで直交乗積変調してフェージングを付加するフェ
ージング部と、 を具備するフェージング処理装置。 - 【請求項7】 フェージングを受けた受信信号の複素検
波データを、その受信時の移動速度情報で正規化して記
憶したデータ蓄積部と、 そのデータ蓄積部から読み出した複素検波データを、試
験に必要とする所望のフェージング速度のフェージング
データに変換するデータ変換部と、 符号系列で複素ベースバンド信号を発生する送信部と、 その送信部からの複素ベースバンド信号に上記フェージ
ングデータを直交乗積変調してフェージングを付加する
フェージング部と、 を具備するフェージング処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32860294A JP3279108B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | フェージングデータ発生器及びそれを用いたフェージングデータ処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32860294A JP3279108B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | フェージングデータ発生器及びそれを用いたフェージングデータ処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08186509A JPH08186509A (ja) | 1996-07-16 |
JP3279108B2 true JP3279108B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=18212112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32860294A Expired - Fee Related JP3279108B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | フェージングデータ発生器及びそれを用いたフェージングデータ処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3279108B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6947748B2 (en) | 2000-12-15 | 2005-09-20 | Adaptix, Inc. | OFDMA with adaptive subcarrier-cluster configuration and selective loading |
CN1524367A (zh) | 2000-12-15 | 2004-08-25 | ˹���ķ��Ź�˾ | 具有自适应群集配置和交换的多载波通信 |
JP5199935B2 (ja) * | 2009-03-27 | 2013-05-15 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ | 時空間チャネルシミュレータ |
-
1994
- 1994-12-28 JP JP32860294A patent/JP3279108B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08186509A (ja) | 1996-07-16 |
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