JP3273581B2 - ベクトル量子化方法 - Google Patents

ベクトル量子化方法

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JP3273581B2
JP3273581B2 JP00817994A JP817994A JP3273581B2 JP 3273581 B2 JP3273581 B2 JP 3273581B2 JP 00817994 A JP00817994 A JP 00817994A JP 817994 A JP817994 A JP 817994A JP 3273581 B2 JP3273581 B2 JP 3273581B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベクトル量子化方法に
関し、特に音声信号あるいは画像信号をベクトル量子化
する場合に用いて好適なベクトル量子化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば音声信号やビデオ信号の波形を量
子化する場合、波形やスペクトル包絡パラメータを各サ
ンプル値毎に量子化するスカラー量子化方法と、複数の
値の組(ベクトル)をまとめて1つの符号で表現するベ
クトル量子化方法がある。このベクトル量子化方法は、
多次元量子化方法あるいはブロック量子化方法とも称さ
れる。
【0003】このベクトル量子化方法においては、例え
ば表1に示すようなコードブック(符号帳)が予め備え
られている。
【0004】
【表1】
【0005】このコードブックには、例えばセントロイ
ドベクトルv(i)と、それに対応するコードc(i)
が対応付けて記憶されている。ベクトル量子化は、この
コードブックを用いて行われる。
【0006】コードブックの中から最適なセントロイド
ベクトルv(i)(パターン)を探索する方法として、
2値木符号化方法(バイナリーツリーコーディング方
法)や多段ベクトル量子化方法(マルチステージベクト
ル量子化方法)、全探索符号化方法(フルサーチコーデ
ィング方法)などが知られている。
【0007】図23は、全探索符号化方法によるベクト
ル量子化方法の原理を表している。同図に示すように、
距離計算部1に入力ベクトルuが入力されると、距離計
算部1は、コードブック2から、予め記憶されている、
表1に示すようなセントロイドベクトルv(i)を読み
出し、入力ベクトルuとの距離を計算する。例えば、コ
ードブック2にN個のセントロイドベクトルが記憶され
ているとすると、N個の距離が計算されることになる。
【0008】距離計算部1において計算された距離は、
記憶部3に供給され、記憶される。比較部4は、記憶部
3に記憶されたN個の距離を比較し、最も小さい距離を
選択する。そして、選択された距離に対応するセントロ
イドベクトルv(i)を、最適ベクトルとし、この最適
ベクトルに対応するコードc(i)をコードブック2か
ら読み出し、そのコードc(i)を、入力ベクトルuに
対応する最適コードとして出力する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな全探索符号化を行うと、計算量が多くなるため、計
算、従って、量子化に時間がかかる課題があった。
【0010】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、計算量を低減し、より高速に量子化を行う
ことができるようにするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のベクト
ル量子化方法は、コードc(i)が対応されているN個
のセントロイドベクトルv(i)の中から、入力ベクト
ルuとの距離が最も短いセントロイドベクトルv(i)
を最適ベクトルとして探索し、最適ベクトルに対応する
コードc(i)を、入力ベクトルuの最適コードとして
量子化するベクトル量子化方法において、N個のセント
ロイドベクトルv(i)のうち、所定のセントロイドベ
クトルを注目ベクトルv1とするとき、注目ベクトルv1
とセントロイドベクトルv(i)との距離のうち、N/
k番目に注目ベクトルv1に近い距離を、注目ベクトル
の半径距離DRとし、入力ベクトルuと注目ベクトルv1
との距離D1と、半径距離DRの1/2の値DR/2とを
比較し、その比較結果に対応して、最適ベクトルを探索
する範囲を決定することを特徴とする。
【0012】入力ベクトルuと注目ベクトルv1との距
離D1が、値DR/2より長い場合、注目ベクトルとして
処理されていないセントロイドベクトルv(i)の中
で、半径距離D R と既に注目ベクトルして処理されたす
べてのセントロイドベクトルv 1 からの距離との累積値
が最も大きいものを、次に処理すべき注目ベクトルv 1
として、入力ベクトルuと新たな注目ベクトルv1との
距離D1と、新たな注目ベクトルの半径距離DRの1/2
の値DR/2とを比較する処理を繰り返すようにするこ
とができる。
【0013】入力ベクトルuと注目ベクトルv1との距
離D1が、値DR/2より長い場合における注目ベクトル
1の順番を、第1のテーブルとして予め用意しておく
ことができる。
【0014】また入力ベクトルuと注目ベクトルv1
の距離D1が、値DR/2より短い場合、注目ベクトルv
1から半径距離DRまでの間を探索範囲とすることができ
る。
【0015】入力ベクトルuと注目ベクトルv1との距
離D1が、値DR/2より短く、注目ベクトルv1から半
径距離DRまでの間を探索範囲とした場合、その注目ベ
クトルv1をそのまま新たな注目ベクトルv1とし、新た
な注目ベクトルv1と半径距離DRまでのセントロイドベ
クトルv(i)との距離のうち、N/kn+1番目に注目
ベクトルv1に近い距離を新たな半径距離DRとし、入力
ベクトルuと注目ベクトルv1との距離D1と、新たな半
径距離DRの1/2の値DR/2とを比較する処理を繰り
返すようにすることができる。
【0016】
【0017】また、入力ベクトルuと注目ベクトルv1
との距離D1が、値DR/2より短い場合における注目ベ
クトルv1の順番は、第2のテーブルとして予め用意し
ておくことができる。
【0018】セントロイドベクトルv(i)からの距離
が、N/2,N/4,N/8,・・・番目に近い他のセ
ントロイドベクトルv(i)までの距離を、さらに第3
のテーブルとして予め用意しておくことができる。
【0019】N個のセントロイドベクトルv(i)を、
M個のグループに分割することができる。この場合、N
個のセントロイドベクトルv(i)のうち、半径距離D
Rが最も大きいものを第1のグループの第1のセントロ
イドベクトルとし、第1のグループの第1のセントロイ
ドベクトルにより近い距離のM−1個の他のセントロイ
ドベクトルv(i)を、それぞれ第2のグループ乃至第
Mのグループの第1のセントロイドベクトルとし、まだ
グループ化されていないセントロイドベクトルv(i)
のうち、半径距離D R と既に第1のグループにグループ
化されたすべてのセントロイドベクトルからの距離との
累積値が大きいものを、第1のグループの第2のセント
ロイドベクトルとし、第1のグループの第2のセントロ
イドベクトルにより近い距離のM−1個の他のセントロ
イドベクトルv(i)を、それぞれ第2のグループ乃至
第Mのグループの第2のセントロイドベクトルとし、以
下、同様の処理を繰り返してグループ化を行うようにす
ることができる。
【0020】入力ベクトルuと注目ベクトルv1との距
離D1が、値DR/2より長い場合における注目ベクトル
1の順番を規定する第1のテーブル、入力ベクトルu
と注目ベクトルv1との距離D1が、値DR/2より短い
場合における注目ベクトルv1の順番を規定する第2の
テーブル、またはセントロイドベクトルv(i)からの
距離が、N/2,N/4,N/8,・・・番目に近い他
のセントロイドベクトルv(i)までの距離を規定する
第3のテーブルを、グループ毎に設けることができる。
【0021】所定のグループのセントロイドベクトルv
(i)に最も近い距離の他のグループのセントロイドベ
クトルv(i)を規定する第4のテーブルをさらに設け
るようにすることができる。
【0022】グループのうちの所定のグループを選択
し、その選択したグループにおいて、そのグループの第
1乃至第3のテーブルを用いて入力ベクトルuの最適ベ
クトルを求め、求められた最適ベクトルに最も近い他の
グループのセントロイドベクトルv(i)を注目ベクト
ルv1として、第4のテーブルを参照して選択し、その
グループにおける第1乃至第3のテーブルを用いて、そ
のグループにおける最適ベクトルを探索する処理を、各
グループにおいて順次行った後、各グループで求められ
た最適ベクトルから最終的な最適ベクトルを求めるよう
にすることができる。
【0023】入力ベクトルuが時系列のベクトルである
場合、第2番目以降の入力ベクトルuを処理するとき、
前の入力ベクトルuを処理して得られたコードc(i)
に対応するセントロイドベクトルv(i)を注目ベクト
ルv1とすることができる。
【0024】
【0025】
【0026】
【作用】請求項1に記載のベクトル量子化方法において
は、入力ベクトルuと注目ベクトルv1との距離D1と、
半径距離DRの1/2の値DR/2とが比較され、その比
較結果に対応して、最適ベクトルを探索する範囲が決定
される。その結果、探索すべきベクトルの数を、より早
い段階で減少することが可能となり、より高速な量子化
が可能となる。
【0027】
【0028】
【実施例】図1は、本発明のベクトル量子化方法を実行
する場合における機能ブロックを表しており、図23に
おける場合と対応する部分には同一の符号を付してあ
る。
【0029】即ち、本実施例においては、距離計算部
1、コードブック2、記憶部3および比較部4以外に、
さらに、探索空間の半減部11が具備されている。この
探索空間の半減部11は、コードブック探索用の表(テ
ーブル)12と、半径距離との比較部13とにより構成
されている。
【0030】コードブック探索用の表12には、後述す
るように、表2、表3および表4に示す表D、表Aおよ
び表Bが予め記憶されている。これらの表については、
後で詳述するが、表Dは、コードブック2に記憶されて
いる各セントロイドベクトルv(i)の半径距離(この
点についても後述する)を記憶している。表Aは、入力
ベクトルuと、コードブック2に記憶されている各セン
トロイドベクトルv(i)のうちの所定の注目ベクトル
との距離が、注目ベクトルの半径距離の1/2の範囲外
にある場合における注目ベクトルの探索順序を規定して
いる。また、表Bは、入力ベクトルuと注目ベクトルと
の距離が、注目ベクトルの半径距離の1/2の範囲内に
ある場合における注目ベクトルの探索順序を規定してい
る。
【0031】コードブック2は、コードブック探索用の
表12に記憶されている、表Aまたは表Bに規定されて
いる探索順序に従って、所定のセントロイドベクトルを
注目ベクトルとして、距離計算部1に供給する。距離計
算部1は、入力された注目ベクトルと入力ベクトルuと
の距離を計算し、その計算結果を比較部13に出力す
る。比較部13は、入力された距離を、コードブック探
索用の表12の表Dに予め記憶されている半径距離の1
/2の値と比較し、半径距離の1/2の値より短いか否
かの判定結果をコードブック探索用の表12に出力す
る。
【0032】コードブック探索用の表12は、計算部1
より入力された距離(注目ベクトルと入力ベクトルuと
の距離)が、半径距離の1/2より長いとき、表Aに規
定されている探索順序で注目ベクトルを選択するよう
に、コードブック2を制御する。また、計算部1より入
力された距離が、半径距離の1/2より短い場合におい
ては、表Bで規定されている探索順序に従って注目ベク
トルを選択するように、コードブック2を制御する。
【0033】さらに、図23において説明した場合と同
様に、記憶部3は、距離計算部1において計算された距
離を記憶し、比較部4は、記憶部3に記憶された距離の
うち、最も短い距離を選択する。そして、選択された距
離に対応するセントロイドベクトルを最適ベクトルと
し、この最適ベクトルに対応するコードをコードブック
2より読み出し、そのコードを最適コードcとして出力
する。
【0034】次に、以上の処理のより詳細な説明を以下
に説明する。最初に、コードブック探索用の表12にお
ける表D、表Aおよび表Bの作成処理について説明す
る。
【0035】いま、コードブック2には、例えば表1に
示すように、N個のセントロイドベクトルv(1)乃至
v(N)に、コードc(1)乃至c(N)が対応して記
録されているものとする。
【0036】このコードブック2に記憶されているセン
トロイドベクトルv(i)から、図2のフローチャート
に示す処理に従って、コードブック探索用の表12に記
憶する表D、表Aおよび表Bが作成される。
【0037】即ち、最初にステップS1において、表1
に示すN個のセントロイドベクトル相互の距離が演算さ
れる。N個のセントロイドベクトルv(1)乃至v
(N)は、図3に示すように、所定の探索空間を形成し
ているものと考えることができる。ステップS1におい
ては、セントロイドベクトルv(i)と、自分自身を含
むN個のセントロイドベクトルv(j)との距離が演算
される。この距離の演算方法の詳細については、図4を
参照して後述する。
【0038】このようにして、N個のセントロイドベク
トルv(1)乃至v(N)の相互の距離が演算された
後、ステップS2乃至S4において、それぞれ表D、表
Aおよび表Bが作成される。これらのステップS2乃至
S4における表D、表Aおよび表Bの作成処理の詳細に
ついては、図5、図7および図8を参照して後述する。
【0039】次に、図4のフローチャートを参照して、
図2のステップS1におけるセントロイドの距離演算の
詳細について説明する。最初にステップS11におい
て、変数iに1を初期設定し、さらにステップS12に
おいて、変数jに1を初期設定する。次にステップS1
3に進み、2つのセントロイドv(i)(いまの場合、
v(1))と、v(j)(いまの場合、v(1))の距
離dist(v(i),v(j))(いまの場合、di
st(v(1),v(1)))を求める。セントロイド
ベクトルv(1)とv(1)は、同一のベクトルである
から、両者の距離dist(v(1),v(1))は、
0となる。
【0040】次にステップS14に進み、変数jを1だ
けインクリメントして、j=2とし、ステップS15に
進む。ステップS15においては、変数jがN以下であ
るか否かを判定する。いまの場合、j=2であり、セン
トロイドベクトルv(i)の数Nが2以上であれば、ス
テップS13に戻り、セントロイドベクトルv(i)
(いまの場合、v(1))とv(j)(いまの場合、v
(2))との距離dist(v(i),v(j))(い
まの場合、dist(v(1),v(2)))が演算さ
れる。
【0041】次にステップS14に進み、変数jを1だ
けインクリメントし、j=3とする。そしてステップS
15において、jがN以下であると判定された場合にお
いては、再びステップS13に戻り、同様の処理が繰り
返される。
【0042】以上の処理が繰り返されることにより、セ
ントロイドベクトルv(1)と、自分自身を含むN個の
セントロイドベクトルv(j)との距離が演算される。
【0043】次にステップS16に進み、変数iを1だ
けインクリメントし、i=2とした後、ステップS17
に進む。ステップS17においては、変数iがN以下で
あるか否かが判定され、N以下である場合においては、
ステップS12に戻り、j=1に初期設定される。そし
てステップS13に進み、セントロイドベクトルv
(i)(いまの場合、v(2))とv(j)(いまの場
合、v(1))との距離dist(v(i),v
(j))が演算される。
【0044】次にステップS14に進み、変数jを1だ
けインクリメントし、j=2とする。ステップS15に
おいて、変数jがN以下であると判定された場合におい
ては、再びステップS13に戻り、同様の処理を繰り返
す。
【0045】以上の処理を繰り返すことにより、セント
ロイドベクトルv(2)と、自分自身を含むN個のセン
トロイドベクトルv(j)との距離が演算される。
【0046】セントロイドベクトルv(2)と、N個の
セントロイドベクトルとの距離が演算されると、ステッ
プS16において、変数iが1だけインクリメントさ
れ、i=3とされる。そして、上述した場合と同様の動
作が繰り返される。
【0047】以上のようにして、N個のセントロイドベ
クトルv(1)乃至v(N)のそれぞれから、自分自身
を含むN個のセントロイドベクトルv(j)までの距離
が演算される。
【0048】次に、図5のフローチャートを参照して、
図2のステップS2における表Dの作成方法の詳細につ
いて説明する。
【0049】最初にステップS21において、変数iが
1に初期設定される。次にステップS22に進み、セン
トロイドベクトルv(i)(いまの場合、v(1))
と、セントロイドベクトルv(j)との距離dist
(v(i),v(j))の値(この値は、図4の処理に
より求められている)が小さい順に配列される。即ち、
いまの場合、セントロイドベクトルv(1)と、自分自
身を含むN個のセントロイドベクトルv(j)の距離が
小さい順に、セントロイドベクトルv(j)が並べら
れ、その場合におけるjの配列が、{mi(k)(k=
1,2,・・・,N)}とされる。即ち、これにより、
セントロイドベクトルv(1)に、より近いセントロイ
ドベクトルを特定するjが、順番に配置されたことにな
る。
【0050】次にステップS23に進み、変数iを1だ
けインクリメントし、i=2とする。さらにステップS
24において、変数iがN以下であるか否かを判定し、
N以下である場合においては、ステップS22に戻り、
同様の処理を実行する。即ち、セントロイドベクトルv
(2)に、より近いセントロイドベクトルを特定するj
が、順次配列される。
【0051】同様の処理が、ステップS24において、
変数iがNより大きくなるまで繰り返される。これによ
り、セントロイドベクトルv(1)乃至v(N)のそれ
ぞれに対して、最も近いセントロイドベクトルを特定す
るjの配列が得られたことになる。
【0052】次にステップS25に進み、セントロイド
ベクトルv(i)と、このセントロイドベクトルv
(i)からの距離が、N/2,N/4,N/8,・・
・,N/N番目に近いセントロイドベクトルv(m
i(N/2)),v(mi(N/4)),v(mi(N/
8)),・・・,v(mi(N/N))までの距離を、 d(i,k)=dist(v(i),v(m
i(k))) (k=N/2,N/4,N/8,・・・,N/N) とする。そして、 {d(i,k):i=1,2,・・・,N ;k=N/2,N/4,N/8,・・・,N/N} を要素とする表Dを、表2に示すように生成する。
【0053】
【表2】
【0054】ここで、セントロイドベクトルv(i)
と、それからの距離がN/2番目に近いセントロイドベ
クトルv(mi(N/2))までの距離d(i,N/
2)を、セントロイドベクトルv(i)の半径距離と定
義する。
【0055】この半径距離について、図6を参照してさ
らに説明する。図6においては、N=10とされ、セン
トロイドベクトルv(1)乃至v(10)が最適ベクト
ルの探索空間を形成している。いま、注目ベクトルはv
(1)とされ、簡単のため、各セントロイドベクトルv
(i)の数字iが、そのまま注目ベクトルv(1)に近
い順番を表している。N=10であるから、N/2=1
0/2=5番目に近いセントロイドベクトルは、v
(5)となる。従って、注目ベクトルv(1)の半径距
離は、注目ベクトルv(1)からセントロイドベクトル
v(5)までの距離R5となる。
【0056】図6において、半径距離R5の1/2の距
離をR5/2とする。入力ベクトルuと注目ベクトルv
(1)との距離D1が、半径距離R5の1/2の距離R
5/2より小さいとき、入力ベクトルuの最適ベクトル
は、注目ベクトルv(1)から半径距離R5で規定され
る範囲(図中、影を付して示す範囲)内のベクトルv
(1)乃至v(5)のいずれかとなる。但し、各ベクト
ルv(i),v(j),v(k)の距離が三角不等式を
満足するものであることが条件である。
【0057】即ち、図7に示すように、3個のセントロ
イドベクトルv(i),v(j),v(k)が存在する
とき、次式が成立することが条件となる。 dist(v(i),v(j))+dist(v
(j),v(k))≧dist(v(i),v(k))
【0058】換言すれば、図6の実施例においては、入
力ベクトルuと注目ベクトルv(1)との距離D1が、
半径距離R5の1/2の距離R5/2より小さいため、入力
ベクトルuに対応する最適ベクトルは、半径距離R5
範囲内にあるセントロイドベクトルv(1)乃至v
(5)となり、半径距離R5より外側に位置するセント
ロイドベクトルv(6)乃至v(10)については、探
索範囲から除外することが可能となる。従って、半径距
離R5の範囲外のセントロイドベクトルに対する処理を
省略することで、演算量を減少させ、より高速に量子化
を実現することが可能となることが判る。本発明は、こ
の原理を応用するものである。
【0059】次に、図8を参照して、図2のステップS
3における表Aの作成処理の詳細について説明する。
【0060】最初にステップS31において、図5に示
した処理により求めた表D(表2)から、半径距離d
(i,N/2)の最も大きなiを求め、これをa(1)
とする。即ち、表2に示す距離d(1,N/2)乃至d
(N,N/2)の中から最も大きな値を求め、それに対
応するセントロイドベクトルv(i)のiを求め、これ
をa(1)に設定する。
【0061】次にステップS32に進み、変数jを2に
設定する。さらにステップS33に進み、a(1),a
(2),・・・,a(j−1)を除く{i:i=1,
2,・・・,N}の中で、距離d(i,N/2)が大き
く、かつ、v(i)とv(a(1)),v(a
(2)),・・・,v(a(j−1))の距離が長いi
を求め、これをa(j)とする。
【0062】即ち、 d(i,N/2)+dist(v(i),v(a
(1)))+dist(v(i),v(a(2)))+
・・・+dist(v(i),v(a(j−1))) の最も大きなiを求め、それをa(j)に設定する。
【0063】これは、半径距離が大きく、順序の確定し
たセントロイドベクトルからは遠いセントロイドベクト
ルを規定する変数iをa(j)に設定することを意味す
る。
【0064】いまの場合、j=2であるから、a(1)
に設定されたiを除くiの中で、半径距離d(i,N/
2)が大きく、かつ、既に確定したセントロイドベクト
ルv(a(1))からの距離が長いiが求められ、これ
がa(2)に設定される。
【0065】次にステップS34に進み、変数jが1だ
けインクリメントされ、j=3とされる。そしてステッ
プS35に進み、変数jがN以下であるか否か判定さ
れ、N以下である場合、ステップS33に戻り、同様の
処理が繰り返し実行される。
【0066】ステップS35において、jがNより大き
い値に達するまで同様の処理が繰り返された後、ステッ
プS36に進み、{a(j):j=1,2,・・・,
N}を要素とする表Aが得られる。
【0067】
【表3】
【0068】この表Aは、表3に示すように、N個のセ
ントロイドベクトルv(1)乃至v(N)を、所定の順
序a(1)乃至a(N)で順序付けたものとなる。この
a(1)乃至a(N)は、入力ベクトルuと注目ベクト
ルの距離D1が、半径距離の1/2の値より大きい場合
における注目ベクトルの探索順序を規定するものであ
る。即ち、この場合、各セントロイドベクトルv(i)
は、a(1)乃至a(N)の順番で、順次注目ベクトル
として指定される。
【0069】上述したように、一番最初の順位a(1)
に指定されるセントロイドベクトルv(i)は、半径距
離の最も大きなセントロイドベクトルとされる。そし
て、それ以降の順位a(2)乃至a(N)に指定される
セントロイドベクトルv(i)は、半径距離が大きく、
かつ、既に順位が確定しているセントロイドベクトルか
ら遠い順に、順序の割当が行われる。
【0070】次に、図9のフローチャートを参照して、
図2のステップS4における表Bの作成処理の詳細につ
いて説明する。
【0071】最初にステップS41において、変数iに
1が初期設定され、ステップS42において、セントロ
イドベクトルv(1)との距離が小さいセントロイドベ
クトルv(j)を特定する{j:j=1,2,・・・,
N}を並べたものが{mi(k):k=1,2,・・
・,N}とされる。即ち、セントロイドベクトルv
(1)に対する距離が最も小さいセントロイドベクトル
v(j)が順次配列され、そのセントロイドベクトルv
(j)を特定する変数jの配列が求められる。
【0072】次にステップS43に進み、変数nに2が
設定され、ステップS44に進み、{mi(k)}の並
べ変えの処理が実行される。
【0073】この並べ変え処理の詳細は、図10に示さ
れている。即ち、最初にステップS61において、セン
トロイドベクトルv(i)(いまの場合、v(1))
と、セントロイドベクトルv(mi(k))の距離が最
も小さいmi(k)をb(1)に設定する。通常、同一
のセントロイドベクトルの距離が0となるため、b
(1)=iとなる。即ち、b(1)には、注目ベクトル
を規定する変数iがそのまま設定される(いまの場合、
b(1)=i=1となる)。
【0074】次にステップS62に進み、変数jを2に
設定し、ステップS63に進む。ステップS63におい
ては、b(1),b(2),・・・,b(j−1)を除
く{mi(k)}の中で、d(mi(k),N/2n)が
大きく、かつ、v(mi(k))とv(b(1)),v
(b(2)),・・・,v(b(j−1))の距離が長
いmi(k)を求め、これがb(j)に設定される。
【0075】即ち、 d(mi(k),N/2n)+dist(v(m
i(k),v(b(1)))+dist(v(m
i(k),v(b(2)))+・・・+dist(v
(mi(k),v(b(j−1))) の最も大きなmi(k)をb(j)に設定する。
【0076】換言すれば、この処理は、図8のステップ
S33における処理と基本的に同様の処理であり、いま
の場合、j=2であるから、b(1)として規定された
jを除くjの中から、半径距離が大きく、かつ、既に順
位が確定しているセントロイドベクトルv(1)から遠
いセントロイドベクトルv(j)の変数jが、b(2)
に設定される。
【0077】次にステップS64に進み、変数jを1だ
けインクリメントして、j=3とする。そしてステップ
S65に進み、変数jがN/n以下であるか否かを判定
し、N/n以下である場合においては、ステップS63
に戻り、同様の処理が繰り返される。即ち、この場合に
おいては、b(1),b(2)として順位が規定された
セントロイドベクトルを除くセントロイドベクトルの変
数jの中で、半径距離が大きく、かつ、順位b(1),
b(2)として既に順位が規定されているセントロイド
ベクトルから遠いセントロイドベクトルの変数jが求め
られ、その変数jがb(3)に設定される。
【0078】以下同様の処理が、ステップS65で、変
数jがN/nより大きくなったと判定されるまで繰り返
し実行され、セントロイドベクトルv(1)を注目ベク
トルとする場合における、半径距離までのN/2個のセ
ントロイドベクトルの探索順位b(1)乃至b(N/
2)が得られる。
【0079】次に、図9のステップS44からステップ
S45に進み、図10の処理により得た順位b(1)乃
至b(N/n)(いまの場合、b(1)乃至b(N/
2))を、bn(i,1)乃至bn(i,N/n)(いま
の場合、b2(i,1)乃至b2(i,N/2))にそれ
ぞれ設定する。
【0080】次にステップS46に進み、変数nを2倍
し、n=4とする。そしてステップS47に進み、変数
nがNより小さいか否かを判定し、小さい場合において
は、ステップS44に戻り、図10の処理を上述した場
合と同様にして実行する。即ち、この処理により、セン
トロイドベクトルv(1)に対応する半径距離を、さら
に1/2にした場合におけるN/4個の探索順位b
(1)乃至b(N/4)が得られる。
【0081】以下同様の処理を、ステップS47におい
て、変数nがNと等しいか、または大きくなったと判定
されるまで繰り返すことにより、セントロイドベクトル
v(1)の半径距離を、順次1/2ずつ減少させた場合
における探索順位が得られる。
【0082】このようにして、セントロイドベクトルv
(1)に対する探索順位が得られた後、次にステップS
48に進み、変数iを1だけインクリメントして、i=
2とする。そしてステップS49において、変数iがN
以下であるか否かを判定し、N以下である場合において
は、ステップS42に戻り、それ以降の処理を実行す
る。このようにして、セントロイドベクトルv(2)以
降の探索順序が、セントロイドベクトルv(1)におけ
る場合と同様にして求められる。
【0083】
【表4】
【0084】このようにして、変数iがNより大きくな
ると、ステップS50に進み、表4に示すような、bn
(i,j)を要素とする表Bが得られる。
【0085】この表Bにおいては、表4に示すように、
N個のセントロイドベクトルv(1)乃至v(N)の所
定のものを注目ベクトルとした場合において、その半径
距離をN/2,N/4,N/8,・・・,N/(N/
2)としたときの探索順序が規定されている。各半径距
離における探索順序は、その最初の注目ベクトルが自分
自身とされている点を除き、第2番目以降の注目ベクト
ルの順位は、表3に示した表Aの第2番目以降の順位と
同様の原理により設定されている。
【0086】以上のようにして、表D、表Aおよび表B
が作成され、図1のコードブック探索用の表12に記憶
される。そして、図11乃至図13のフローチャートに
示すような処理により、ベクトル量子化処理が実行され
る。
【0087】最初にステップS81において、入力ベク
トルuとセントロイドベクトルv(i)の距離計算を行
ったか否かを示すフラグr(i)を0(距離演算を行っ
ていない状態)に初期設定する。そしてステップS82
に進み、初期探索すべきセントロイドベクトルv(j)
が与えられているか否かを判定する。この初期探索すべ
きセントロイドベクトルv(j)は、後述する図20の
ステップS174、あるいは図21のステップS194
において与えられる場合以外の通常の処理状態において
は、与えられない。この場合においては、ステップS8
6に進み、表Aによる探索処理を実行する。
【0088】ステップS86においては、変数iに1を
初期設定し、次にステップS87に進み、フラグr(a
(i))が0であるか否かを判定する。いまの場合、ス
テップS81において、フラグr(i)が全て0に初期
設定されているため、ステップS88に進み、入力ベク
トルuとセントロイドベクトルv(a(i))(いまの
場合、i=1であるからa(1)となり、表Aより、順
位a(1)に対応するセントロイドベクトルはv(a
(1))となる)の距離dist(u,v(a
(i)))を計算し、フラグr(a(i))=1とされ
る。即ち、いまの場合、入力ベクトルuと、表Aにおい
て、最初の順位a(1)に設定されているセントロイド
ベクトルv(a(1))との距離が演算される。そし
て、この演算が終了したことを表すフラグr(a
(1))が1に設定される。
【0089】尚、このように、フラグr(a(i))が
1に設定されると、入力ベクトルuと、そのセントロイ
ドベクトルv(i)との距離の計算が既に終了している
ことになるため、以後、ステップS87において、r
(a(i))=1と判定され、ステップS88の処理は
スキップされることになる。
【0090】次にステップS89に進み、表Dから、表
Aの順序a(1)で規定されるセントロイドベクトルv
(a(1))の半径距離d(a(i),N/2)が求め
られ、その値が、さらに1/2される(勿論、表Dに予
め半径距離を1/2倍した値を記憶させておくことも可
能である)。
【0091】そして、この半径距離を1/2倍した値
と、ステップS88で計算した入力ベクトルuとセント
ロイドベクトルv(a(1))との距離が比較される。
後者が前者より大きい場合においては、入力ベクトルu
と注目ベクトルv(a(1))との距離D1が、半径距
離の1/2の値より大きいことになる。即ち、図6の実
施例においては、入力ベクトルuが距離R5/2より外側
に位置することになる。上述したように、この場合にお
いては、入力ベクトルuの最適ベクトルを探索する範囲
を半減させることができない。
【0092】そこで、この場合においては、ステップS
90に進み、変数iを1だけインクリメントしてi=2
とし、さらにステップS91において、変数iがN以下
であると判定された場合においては、ステップS87に
戻り、r(a(2))=0であるか否かを判定する。即
ち、表Aで規定する順位a(2)に対応するセントロイ
ドベクトルv(a(2))が注目ベクトルとされ、この
注目ベクトルと入力ベクトルuとの距離が既に演算され
ているか否かが判定される。演算されていなければ、ス
テップS88に進み、両者の距離が演算され、対応する
フラグr(a(2))が1に設定される。
【0093】そして、ステップS89において、この2
番目の注目ベクトルv(a(2))に対応する半径距離
の値が表Dから読み出され、その1/2の値が、ステッ
プS88で求められた距離と比較される。そして、入力
ベクトルuと注目ベクトルv(a(2))との距離が、
半径距離の1/2の値より大きい場合においては、ステ
ップS90に進み、i=3とされる。さらに、ステップ
S91において、変数iがN以下であると判定された場
合においては、ステップS87に戻り、同様の処理が繰
り返し実行される。
【0094】以上のようにして、表Aに示す順序a
(1)乃至a(N)に規定されるセントロイドベクトル
v(a(1))乃至v(a(N))が順次注目ベクトル
として選定され、入力ベクトルuとの距離と、半径距離
の1/2の値との比較が行われる。N個のセントロイド
ベクトルの半径距離の1/2の値が、全て入力ベクトル
uまでの距離より小さいと判定された場合においては、
図6に示した原理に従って、探索空間を半減することが
できないことになる。
【0095】そこで、この場合においては、ステップS
91からステップS92に進み、入力ベクトルuとN個
のセントロイドベクトルv(i)との距離の中で最小の
距離を有するセントロイドベクトルが、最適ベクトルと
して選択され、その最適ベクトルに対応する変数iに対
応するコードc(i)が、最適コードf(u)として出
力される。
【0096】即ち、入力ベクトルuに対する最適コード
(ベクトル量子化)をf(u)で表すと、次式が実行さ
れることになる。 f(u)=c(i)
【0097】上述したように、表Aに示す順序a(i)
は、最も半径距離の大きいセントロイドベクトルがa
(1)となり、以下、半径距離が大きく、かつ、順序の
確定したセントロイドベクトルからは遠いセントロイド
ベクトルがa(2)乃至a(N)となるように定められ
ている。この順序に従って、最適ベクトルの探索を行う
と、より早い段階で、検索空間を半減することが可能と
なる。即ち、ステップS89において、入力ベクトルu
と注目ベクトルv(a(i))との距離が、半径距離の
1/2の値以下になる可能性が高くなる。
【0098】例えば、図14および図15に示すよう
に、N=10のセントロイドベクトルv(1)乃至v
(10)が探索空間を形成している場合、セントロイド
ベクトルv(3)を注目ベクトルとすると、図14に示
すように、半径距離はR51となる。これに対して、セン
トロイドベクトルv(1)を注目ベクトルとすると、図
15に示すように、半径距離はR53となる。
【0099】いま、図14の半径距離R51より、図15
の半径距離R53の方が大きいとすると、それぞれの半径
距離の1/2の値である図14のR52(=R51/2)よ
り、図15のR54(=R53/2)の方が大きくなる。
【0100】従って、図14に示す注目ベクトルv
(3)と入力ベクトルuとの距離D3と、図15に示す
注目ベクトルv(1)と入力ベクトルuとの距離D1
が等しい(D3=D1である)場合、入力ベクトルuが半
径距離の1/2の値の内側に位置する可能性が、図15
に示す場合(半径距離が大きい場合)の方が、図14に
示す場合(半径距離が小さい場合)より高くなる。
【0101】さらにまた、例えば図16に示すように、
注目ベクトルをv(1)とした場合、入力ベクトルu
が、半径距離R53の1/2の値R54の範囲外となったと
き、次に、注目ベクトルv(1)に近いセントロイドベ
クトルv(2)を注目ベクトルとすると、入力ベクトル
uは、その半径距離R55の1/2の値R56の範囲外とな
る可能性が高い。そこで、このような場合は、注目ベク
トルv(1)から最も遠いセントロイドベクトルを、次
の注目ベクトルとするのである。
【0102】一方、ステップS89において、入力ベク
トルuと注目ベクトルv(a(i))との距離が、半径
距離の1/2の値以下であると判定された場合において
は、ステップS93に進み、変数qにa(i)(その注
目ベクトルを特定する変数)を設定する。そしてステッ
プS94に進み、表Bによる探索処理に移る。
【0103】ステップS94においては、変数nに2が
設定され、さらにステップS95においては、表Bに対
応して変数pにbn(q,1)(いまの場合、b2(a
(i),1))を設定する。即ち、表Bのうち、q(=
a(i))で規定されるセントロイドベクトルv(q)
に対応するN/2個の順位ブロックのセントロイドベク
トルのうち、先頭(表Bの最も左側)のセントロイドベ
クトルv(j)の変数j(上述したように、この変数
は、q(=a(i))となる。即ち、表Aを用いて探索
された注目ベクトルの変数となる)が変数pに設定され
る。次にステップS96に進み、変数jに1が初期設定
され、ステップS97に進む。ステップS97において
は、フラグr(p)が0であるか否かが判定される。即
ち、セントロイドベクトルv(p)と入力ベクトルuと
の距離が、既に演算されているか否かが判定される。
【0104】距離がまだ演算されていない場合において
は、ステップS98に進み、その演算が行われ、フラグ
r(p)に1が設定される。既に演算が行われている場
合においては、ステップS98の処理はスキップされ
る。
【0105】次にステップS99において、表Dから、
セントロイドベクトルv(p)の半径距離d(p,N/
2)をさらに1/2(d(p,N/4))とした場合、
その半径距離(d(p,N/4))の1/2の値が、入
力ベクトルuと注目ベクトルv(p)の距離以上である
か否かを判定する。入力ベクトルuと注目ベクトルv
(p)の距離が、半径距離d(p,N/2)を1/4に
した場合においても、その半径距離(d(p,N/
4))の1/2よりさらに小さいと判定された場合、さ
らに探索範囲を半減することが可能である。
【0106】そこで、この場合においては、ステップS
104に進み、変数nがN/2より小さいか否かを判定
し、小さければ、ステップS105に進み、変数nを2
倍にする。即ち、n=4にする。そしてステップS10
6において、変数qに変数pを設定する。即ち、ステッ
プS95に進んだ場合において、いま注目ベクトルとし
て選択されているセントロイドベクトルv(p)がその
まま注目ベクトルとして選択されるようにする。
【0107】そしてステップS95に進み、表Bから、
変数pにb4(p,1)を設定する。即ち、表Bにおけ
るセントロイドベクトルv(p)に対応するN/4個の
順位ブロックのセントロイドベクトルのうち、先頭のセ
ントロイドベクトルv(j)の変数jが変数pに設定さ
れる。
【0108】そして、ステップS96以降の処理を同様
に実行する。このような処理が繰り返されることによ
り、注目ベクトルが、表BにおけるN/n(N/2,N
/4,N/8,・・・)個の、より右側の順位ブロック
の先頭のセントロイドベクトルに順次変更される。
【0109】表Bにおける順位ブロックを順次右側に移
動させる処理を繰り返した結果、ステップS104にお
いて、変数nがN/2に等しくなったと判定された場
合、即ち、表Bにおいて一番右側の順位ブロックに達し
たと判定された場合、ステップS104からステップS
107に進み、セントロイドベクトルv(p)に対応す
るコードc(p)が、入力ベクトルuに対する最適ベク
トルf(u)として出力される。
【0110】そしてステップS99において、新たに設
定した半径距離の1/2の値が、入力ベクトルuと注目
ベクトルv(p)との距離より小さいと判定された場
合、即ち、半径距離を順次1/2ずつ減少させた結果、
入力ベクトルuの位置が、半径距離の1/2の値より大
きくなった場合、ステップS100に進み、変数jを1
だけインクリメントする。
【0111】そして、ステップS101に進み、変数j
がN/n以下であるか否かを判定し、N/n以下である
場合においては、ステップS102に進み、変数pにb
n(q,j)を設定する。即ち、表Bにおいて、所定の
順位ブロックの中において、現在の注目ベクトルv
(p)の1つだけ右側に移動したセントロイドベクトル
を新たな注目ベクトルとする。そしてステップS97に
進み、それ以降の処理を同様に実行する。
【0112】この場合の処理は、上述した表Aにおける
場合と同様の処理となる。即ち、注目ベクトルを、表B
の順位ブロックで規定される順番で、順次1つずつ右側
に移動し、新たな注目ベクトルの半径距離の1/2の値
と入力ベクトルuまでの距離とを比較する処理を繰り返
し実行する。
【0113】そしてステップS101において、変数j
がN/nより大きくなったと判定された場合、即ち、表
Bの所定の順位ブロック内の全てのセントロイドベクト
ルを注目ベクトルとして行う処理を終了した場合、ステ
ップS103に進み、入力ベクトルuとセントロイドベ
クトルv(bn(q,j))との距離のうち、最小の距
離を有するセントロイドベクトルを最適ベクトルとし、
この最適ベクトルに対応する変数bn(q,j)に対応
するコードc(bn(q,j))をコードブックより求
め、このコードを、入力ベクトルuに対する最適ベクト
ルf(u)として出力する。
【0114】尚、ステップS82において、初期探索す
べきセントロイドベクトルv(j)が与えられていると
判定された場合においては、ステップS83に進み、与
えられたセントロイドベクトルv(j)と入力ベクトル
uとの距離が計算され、それに対応するフラグr(j)
が1に設定される。
【0115】次にステップS84に進み、表Dから、セ
ントロイドベクトルv(j)の半径距離の1/2の値が
読み出され、その値と、ステップS83で計算した距離
とが比較される。入力ベクトルuとセントロイドベクト
ルv(j)との距離が、半径距離の1/2の値より大き
い場合、ステップS86以降の処理により、表Aによる
探索を実行する。
【0116】これに対して、半径距離の1/2の値の方
が大きいと判定された場合においては、探索範囲を半減
することが可能であるため、ステップS85に進み、変
数qにjを設定した後、ステップS94以降の処理を実
行し、表Bによる探索を実行する。
【0117】以上のようにして、セントロイドベクトル
間の相対距離を元に、コードブック探索用の表D、表A
および表Bを予め作成し、この表Aおよび表Bに指定さ
れている探索順序と、表Dに規定されている各セントロ
イドベクトルの半径距離を元に、探索空間を徐々に縮小
していくことにより、入力ベクトルuとの距離計算を行
うセントロイドベクトルの数を、早い段階で削減するこ
とができ、その結果、演算量を低減し、ベクトル量子化
を高速化することが可能となる。
【0118】以上の実施例においては、N個のセントロ
イドベクトルをまとめて処理するようにしたが、これを
M個のグループに分割して処理することも可能である。
図17のフローチャートは、N個のセントロイドベクト
ルを、Nの約数であるM個のグループに分割する場合の
処理例を表している。
【0119】最初にステップS121において、N個の
セントロイドベクトル間の相互の距離を演算する。この
演算は、図4のフローチャートに示した方法により実行
することができる。
【0120】次にステップS122に進み、セントロイ
ドベクトルv(i)の半径距離d(i,N/2)を求め
る。この演算は、図5のフローチャートに示した方法に
より実現することができる。
【0121】次にステップS123に進み、ステップS
122で求めた半径距離d(i,N/2)のうち、最も
大きな値を有するセントロイドベクトルv(i)の変数
iを求め、これをg1(1)に設定する。即ち、半径距
離が最も大きいセントロイドベクトルを特定する変数i
を、グループ1の第1のベクトルとして区分する。
【0122】次にステップS124において、変数kを
1に初期設定し、さらにステップS125において、変
数jに2を初期設定する。そして、ステップS126に
進み、まだグループ分けされていない{i:i=1,
2,・・・,N}の中で、セントロイドベクトルv(g
1(k))と最も近いセントロイドベクトルv(i)に
対応する変数iをgj(k)に設定する。
【0123】即ち、グループ1の第1のベクトルとされ
たセントロイドベクトルv(g1(1))に最も近いセ
ントロイドベクトルv(i)が選択され、その変数iが
2(1)に設定される。換言すれば、グループ1の第
1のベクトルv(g1(1))に最も近いセントロイド
ベクトルv(i)が、グループ2の第1のベクトルに区
分される。
【0124】次にステップS127に進み、変数jを1
だけインクリメントし、j=3とする。そしてステップ
S128において、変数jがM以下であるか否かを判定
し、M以下である場合、ステップS126に戻り、まだ
グループ分けされいていないセントロイドベクトルを特
定する変数iの中で、グループ1の第1のベクトルv
(g1(1))に最も近い(一番近いセントロイドベク
トルは、既にグループ2の第1のベクトルとして区分さ
れているため、2番目に近い)セントロイドベクトルv
(i)が選択され、その変数iがg3(1)に設定され
る。即ち、グループ3の第1のベクトルとして区分され
る。
【0125】以上の処理を繰り返すことにより、半径距
離が最も大きいセントロイドベクトルがグループ1の第
1のベクトルとされ、それにより近いM−1個のセント
ロイドベクトルが、それぞれグループ2乃至グループM
の第1のベクトルとして区分される。
【0126】グループ1乃至グループMの第1のベクト
ルの区分が、以上のようにして完了した後、ステップS
128からステップS129に進み、変数kを1だけイ
ンクリメントして、k=2とする。そしてステップS1
30において、変数kがN/Mより大きいか否かを判定
し、変数kがN/Mより小さいか、または等しい場合、
ステップS131に進む。ステップS131において
は、まだグループ分けされていない変数iの中で、半径
距離d(i,N/2)が大きく、かつ、セントロイドベ
クトルv(i)とセントロイドベクトルv(g
1(1)),v(g1(2)),・・・,v(g1(k−
1))の距離が長いiを求め、これをg1(k)とす
る。
【0127】即ち、 d(i,N/2)+dist(v(i),v(g
1(1)))+dist(v(i),v(g1(2)))
+・・・+dist(v(i),v(g1(k−
1))) の最も大きなiをg1(k)に設定する。
【0128】従って、この場合においても、図8のステ
ップS33および図10のステップS63における場合
と同様に、グループ分けがまだ行われていないセントロ
イドベクトルの中から、半径距離が大きく、かつ、既に
グループ分けが行われているセントロイドベクトルから
遠いセントロイドベクトルが選択され、そのセントロイ
ドベクトルの変数iが、グループ1の第2のベクトルと
して区分される。
【0129】次にステップS125に戻り、変数jに2
を設定した後、ステップS126において、まだグルー
プ分けされていないセントロイドベクトルの中で、グル
ープ1の第2のベクトルとされたセントロイドベクトル
v(g1(2))に最も近いセントロイドベクトルv
(i)が選択され、その変数iがg2(2)に設定され
る。即ち、グループ2の第2のベクトルとして規定され
る。
【0130】次にステップS127に進み、変数jを1
だけインクリメントして、j=3とし、ステップS12
8を経て、ステップS126に戻り、同様の処理が繰り
返される。
【0131】このようにして、グループ1の第2のベク
トルに近い、M−1個のセントロイドベクトルが、グル
ープ2乃至グループMの第2のベクトルとして区分され
る。
【0132】以上の処理が、ステップS130におい
て、変数kがN/Mより大きい値になるまで繰り返され
る。これにより、N個のセントロイドベクトルがM個の
グループに区分されることになる。その結果、各グルー
プには、N/M個のセントロイドベクトルが存在するこ
とになる。図17では、MがNの約数である場合につい
て説明したが、MがNの約数でない場合も、わずかな変
更により同様の処理を容易に適用できるのは明かであ
る。勿論、MがNの約数でない場合においては、各グル
ープのセントロイドベクトルの数は、同一にはならな
い。
【0133】このような区分が完了したとき、ステップ
S130からステップS132に進み、次式で規定され
る、セントロイドベクトルと、それに対応するコードを
分割したM個のグループGjを得る。 Gj={(v(gj(k)),c(gj(k)):k=
1,2,・・・,N/M} (j=1,2,・・・,M)
【0134】以上のようにして、コードブックに規定さ
れているN個のセントロイドベクトルv(1)乃至v
(N)が、M個のグループに区分され、各グループ毎
に、そのグループに属するセントロイドベクトルv
(i)と対応するコードc(i)がテーブルとして得ら
れることになる。
【0135】図18は、以上のグループ分割の処理を模
式的に表している。同図に示すように、N個のセントロ
イドベクトルv(1)乃至v(N)のうち、最も半径距
離が大きいセントロイドベクトルが選択され、それがグ
ループ1の第1のベクトルとして、g1(1)に規定さ
れる。そして、このg1(1)に規定されたセントロイ
ドベクトルにより近いセントロイドベクトルが、N−1
個のセントロイドベクトルの中から選択され、グループ
2の第1のベクトルとして、g2(1)に規定される。
【0136】同様の処理が繰り返されて、グループ1の
1(1)に規定されたセントロイドベクトルに近いM
−2個のセントロイドベクトルが選択されて、グループ
3乃至グループMの第1のベクトルとして、g3(1)
乃至gM(1)に規定される。
【0137】さらに、N−M個のセントロイドベクトル
の中から、最も半径距離が大きく、かつ、グループ1の
1(1)に規定されている第1のベクトルから最も遠
いセントロイドベクトルが選択され、第2のベクトルと
して、グループ1のg1(2)に規定される。そして、
このグループ1のg1(2)に規定された第2のベクト
ルにより近いセントロイドベクトルが順次選択され、グ
ループ2乃至グループMに、第2のベクトルとしてそれ
ぞれ区分される。
【0138】以上のような処理が繰り返されて、N個の
セントロイドベクトルがM個のグループに区分される。
【0139】以上のようにして、グループに分割した状
態で探索を行う場合においては、図19のフローチャー
トに示すような処理に従って、コードブック探索用の表
を作成する。
【0140】最初にステップS151において、各グル
ープGjを1つのコードブックとみなし、グループ毎に
コードブック探索用の表を作成する。即ち、各グループ
j毎に、図5、図8および図9に示したような処理に
より、表Dj,Aj,Bjを作成する。
【0141】次にステップS152において、変数kに
1を設定し、ステップS153において、変数jに2を
設定した後、ステップS154に進む。ステップS15
4においては、グループG1のセントロイドベクトルv
(g1(k))に対して、グループGjのセントロイドベ
クトルの中で、最も距離の近いもの、即ち、dist
(v(g1(k)),v(gj(l)))が最小となるg
j(l)を求め、これをe(k,j)に設定する。いま
の場合、グループG1の第1のベクトルv(g1(1))
に最も近いセントロイドベクトルを、グループG2の中
から選び(上述したように、このセントロイドベクトル
は、グループG2の第1のベクトルとなる)、このセン
トロイドベクトルに対応するベクトル番号g2(l)
を、e(1,2)に設定する。
【0142】次にステップS155に進み、変数jを1
だけインクリメントして、j=3にする。そしてステッ
プS156において、変数jがM以下であるか否かを判
定し、M以下である場合、ステップS154に戻り、同
様の処理を実行する。即ち、この場合、グループG1
第1のベクトルv(g1(1))に最も近いセントロイ
ドベクトルを、グループG3の中から選び(上述したよ
うに、このセントロイドベクトルは、グループG3の第
1のベクトルとなる)、そのグループ番号g3(l)
を、e(1,3)に設定する。
【0143】以上のステップS154の処理を、ステッ
プS156において、変数jがMより大きくなったと判
定されるまで繰り返すことにより、グループG1の第1
のベクトルv(g1(1))に最も近いセントロイドベ
クトルを、グループG2乃至グループGMにおいて求め、
その各グループ内のベクトル番号が求められる。
【0144】次にステップS156からステップS15
7に進み、変数kを1だけインクリメントして、k=2
とする。そしてステップS158において、変数kがN
/M以下であるか否かを判定し、N/M以下である場合
においては、ステップS153に戻り、変数jを2に設
定した後、ステップS154に進み、同様の処理を実行
する。
【0145】即ち、これにより、グループG1の第2の
ベクトルv(g1(2))に最も近いセントロイドベク
トルが、グループG2乃至グループGMにおいて求めら
れ、それぞれのグループ内におけるベクトル番号が、e
(2,2)乃至e(2,M)に設定される。
【0146】以上の処理を、ステップS158におい
て、変数kがN/Mより大きくなったと判定されまで繰
り返すことにより、表5に示すような表Eが得られる。
【0147】
【表5】
【0148】尚、この表Eは、図17に示したグループ
分割処理を行う場合に作成するようにすることもでき
る。
【0149】このように、グループ分割した場合におい
ては、各グループ毎に、表Dj,Aj,Bjが得られる
他、表Eが得られることになる。
【0150】以上のようにして、各グループGjの表
j,Aj,Bjおよび表Eが得られた後、図20に示す
ような処理により、グループ分割時におけるベクトル量
子化が行われる。
【0151】最初にステップS171において、入力ベ
クトルuに対して、グループG1における表D1,A1
1を用いて、ベクトル量子化を行う。即ち、図11乃
至図13に示した場合と同様の処理を、グループG1
おいて実行し、グループG1における最適ベクトルv
(g1(k))を求める。
【0152】次にステップS172において、変数jに
2を設定した後、ステップS173に進み、表Eから、
e(k,2)を求める。即ち、ステップS171におい
て求めたグループG1の最適ベクトルに最も近いグルー
プG2のセントロイドベクトルのベクトル番号を求め
る。
【0153】次にステップS174に進み、初期探索す
べきセントロイドベクトルとして、v(e(k,j))
(いまの場合、v(e(k,2)))を与え、表D2
2,B2を用いてベクトル量子化を行う。このベクトル
量子化も、図11乃至図13に示したような方法で行わ
れる。ステップS171における処理も、図11乃至図
13に示したように実行されるのであるが、ステップS
171の処理においては、初期探索すべきセントロイド
ベクトルが与えられていない。これに対して、ステップ
S174の処理においては、初期探索すべきセントロイ
ドベクトルが与えられている。従って、図11のステッ
プS82において、ステップS171の処理の場合は、
NOと判定されるが、ステップS174の処理の場合
は、YESと判定される。
【0154】即ち、このように、グループG1の処理に
より得られた最適ベクトルv(g1(k))に最も近い
セントロイドベクトルv(e(k,2))を、グループ
2において注目ベクトルとして選択し、この注目ベク
トルから探索を開始するようにする。この注目ベクトル
は、グループG1の処理において最適ベクトルとして選
択されたベクトルに最も近いベクトルであるため、より
迅速に最適ベクトルを求めることが可能となるのであ
る。
【0155】このようにして、ステップS174におい
て、グループG2の中で最適なセントロイドベクトルv
(g2(i))が得られた後、ステップS175に進
み、変数jを1だけインクリメントして、j=3とす
る。そしてステップS176において、変数jがM以下
であるか否かを判定し、M以下である場合、ステップS
173に戻り、表Eから、e(k,3)を求める。
【0156】即ち、グループG1で求められた最適ベク
トルv(g1(k))に最も近いグループG3のセントロ
イドベクトルのグループ番号e(k,3)が求められ
る。そしてステップS174に進み、初期探索すべきセ
ントロイドベクトルとして、グループG1において最適
ベクトルとされたセントロイドベクトルに最も近いセン
トロイドベクトルv(e(k,3))を注目ベクトルと
して、表D3,A3,B3を用いてベクトル量子化が行わ
れる。これにより、グループG3の最適ベクトルが求め
られる。
【0157】以上の処理を、ステップS176におい
て、変数jがMより大きくなったと判定されるまで繰り
返すことにより、グループG1乃至グループGMの最適ベ
クトルをそれぞれ求めることができる。そして、グルー
プG2乃至グループGMにおいては、グループG1により
得られた最適ベクトルに最も近いセントロイドベクトル
を注目ベクトルとして探索を行うことにより、より迅速
な探索が可能とされている。
【0158】ステップS176において、変数jがMよ
り大きくなったと判定された場合、即ち、グループG1
乃至グループGMのそれぞれにおいて最適ベクトルが求
められた場合、ステップS177に進む。ステップS1
77においては、各グループGjの最適ベクトルv(gj
(i))の中から、最適なセントロイドベクトルv
(l)を求める。この場合、各グループGjの最適ベク
トルv(gj(i))と、入力ベクトルuとの距離が最
も短いものが、最終的に最適なセントロイドベクトルv
(l)として求められる。
【0159】そしてステップS178に進み、セントロ
イドベクトルv(l)に対応するコードc(l)が、入
力ベクトルuの最適コードf(u)として選択され、出
力される。
【0160】以上のようにして、コードブックのセント
ロイドベクトルを複数のグループに分割することで、コ
ードブック探索用の表の大きさを小さくすることが可能
となる。これにより、コードブック探索用の表を用いた
ベクトル量子化を行う際の記憶容量を低減させることが
可能となる。
【0161】さらに、このグループ化によって、グルー
プのセントロイドベクトルの半径距離が大きくなるとと
もに、2つのグループ間におけるセントロイドベクトル
の関係から、初期段階での探索による探索空間の縮小化
が可能になり、より高速化を図ることができる。
【0162】以上のようにして、直前のグループにおい
て求められた最適ベクトルを元にして、それに最も近い
セントロイドベクトルを次のグループの注目ベクトルと
して選択するようにすることで、より早い段階で、探索
空間を縮小化することが可能である。この原理を、時系
列をなすベクトルに対しても適用することが可能であ
る。
【0163】図21は、時系列をなす入力ベクトル{u
(t):t=0,1,2,・・・}を量子化する処理の
例を表している。
【0164】最初にステップS191において、変数t
に0が初期設定される。次にステップS192に進み、
初期探索すべきセントロイドベクトルを与えずに、コー
ドブック探索用の表D、表Aおよび表Bを用いて、入力
ベクトルu(t)(いまの場合、u(0))をベクトル
量子化する。
【0165】この処理も、図11乃至図13のフローチ
ャートに示す方法で行われる。この処理により、t=0
のタイミングにおける最適ベクトルv(j)が求められ
る。
【0166】次にステップS193に進み、変数tに1
を設定した後、ステップS194において、初期探索す
べきセントロイドベクトルとしてv(j)を与え、コー
ドブック探索用の表D、表Aおよび表Bを用いたベクト
ル量子化方法で、入力ベクトルu(t)(いまの場合、
u(1))のベクトル量子化を行う。この量子化も、図
11乃至図13のフローチャートに示す方法で行われ
る。
【0167】ステップS192における処理は、初めて
の処理なので、初期探索すべきセントロイドベクトルが
与えられないが、ステップS194における処理は、2
回目以降の処理であるため、直前の処理により得られた
最適ベクトルを最初の注目ベクトルとして選択する。例
えば音声信号やビデオ信号などの時系列をなす信号は、
隣接するタイミングにおいて関連性を有している。従っ
て、このようにすることで、より早い段階で、探索範囲
を縮小化することが可能となる。
【0168】ステップS194において、t=1のタイ
ミングにおけるベクトル量子化が行われた後、ステップ
S195に進み、変数tを1だけインクリメントし、t
=2とする。そしてステップS194に戻り、同様の処
理を繰り返す。
【0169】以上のようにして、直前のタイミングにお
ける処理の結果得られた最適ベクトルに対応するベクト
ルを、次のタイミングにおける最初の注目ベクトルとす
ることにより、初期段階での探索による探索空間の縮小
化が可能となる。
【0170】図22は、以上の時系列をなすベクトルを
量子化する状態を模式的に表している。入力ベクトルu
(t)を処理する場合、直前の入力ベクトルu(t−
1)を処理して得られた最適ベクトルを、初期探索用の
注目ベクトルとして利用して、ベクトル量子化が行われ
ている。入力ベクトルu(t)は、入力ベクトルu(t
−1)と関連したベクトルであるため、入力ベクトルu
(t)を処理する場合の注目ベクトルとして、入力ベク
トルu(t−1)を処理した結果得られた最適ベクトル
に対応するベクトルを用いることで、入力ベクトルu
(t)の最適ベクトルをより迅速に求めることが可能と
なる。
【0171】このように、ベクトル時系列のベクトル量
子化においては、入力ベクトルの滑らかさ、即ち、入力
ベクトルの時間的変動が小さいことを利用して、直前の
時刻のベクトル量子化の結果を用いて探索を始めること
により、初期段階での探索による探索空間の縮小化を図
り、高速化を実現することができる。
【0172】尚、本発明は、音声信号や映像信号の他、
種々の信号を処理する場合に応用することが可能であ
る。
【0173】
【発明の効果】請求項1に記載のベクトル量子化方法に
よれば、入力ベクトルuと注目ベクトルv1との距離D1
と、半径距離DRの1/2の値DR/2を比較し、その比
較結果に対応して最適ベクトルを探索するようにしたの
で、探索対象とされるベクトルの数を、早い段階で削減
し、演算量を低減し、より高速なベクトル量子化を可能
とする。
【0174】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベクトル量子化方法を実現する機能ブ
ロックを示す図である。
【図2】本発明のベクトル量子化方法において用いられ
る表を作成する処理を説明するフローチャートである。
【図3】セントロイドベクトルの探索空間を説明する図
である。
【図4】図2のステップS1のセントロイドベクトルの
距離演算のより詳細な処理を説明するフローチャートで
ある。
【図5】図2のステップS2の表Dの作成処理の詳細な
処理を説明するフローチャートである。
【図6】探索空間の半減を説明する図である。
【図7】三角不等式を説明する図である。
【図8】図2のステップS3の表Aの作成処理の詳細な
処理を説明するフローチャートである。
【図9】図2のステップS4の表Bの作成処理の詳細な
処理を説明するフローチャートである。
【図10】図9のステップS44における並べ変え処理
を説明するフローチャートである。
【図11】コードブック探索用の表を用いたベクトル量
子化方法を説明するフローチャートである。
【図12】図11に続くフローチャートである。
【図13】図12に続くフローチャートである。
【図14】探索空間を説明する図である。
【図15】探索空間を説明する図である。
【図16】探索空間を説明する図である。
【図17】グループ分割処理を説明するフローチャート
である。
【図18】グループ分割処理を説明する図である。
【図19】グループ分割した場合におけるコードブック
探索用の表の作成処理を説明するフローチャートであ
る。
【図20】グループ分割した場合におけるベクトル量子
化の処理を説明するフローチャートである。
【図21】時系列をなすベクトルをベクトル量子化する
処理を説明するフローチャートである。
【図22】時系列をなすベクトルのベクトル量子化を説
明する図である。
【図23】従来の全探索符号化の処理を説明する機能ブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 距離計算部 2 コードブック 3 記憶部 4 比較部 11 探索空間の半減部 12 表 13 比較部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−215230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30 H04N 7/24

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コードc(i)が対応されているN個の
    セントロイドベクトルv(i)の中から、入力ベクトル
    uとの距離が最も短いセントロイドベクトルv(i)を
    最適ベクトルとして探索し、前記最適ベクトルに対応す
    る前記コードc(i)を、前記入力ベクトルuの最適コ
    ードとして量子化するベクトル量子化方法において、 前記N個のセントロイドベクトルv(i)のうち、所定
    のセントロイドベクトルを注目ベクトルv1とすると
    き、前記注目ベクトルv1と前記セントロイドベクトル
    v(i)との距離のうち、N/2番目に前記注目ベクト
    ルv1に近い距離を、前記注目ベクトルの半径距離DR
    し、 前記入力ベクトルuと前記注目ベクトルv1との距離D1
    と、前記半径距離DRの1/2の値DR/2とを比較し、 その比較結果に対応して、前記最適ベクトルを探索する
    範囲を決定することを特徴とするベクトル量子化方法。
  2. 【請求項2】 前記入力ベクトルuと前記注目ベクトル
    1との距離D1が、前記値DR/2より長い場合、注目
    ベクトルとして処理されていない前記セントロイドベク
    トルv(i)の中で、前記半径距離D R と既に注目ベク
    トルして処理されたすべてのセントロイドベクトルv 1
    からの距離との累積値が最も大きいものを、次に処理す
    べき注目ベクトルv 1 として、前記入力ベクトルuと新
    たな前記注目ベクトルv1との距離D1と、新たな前記注
    目ベクトルの前記半径距離DRの1/2の値DR/2とを
    比較する処理を繰り返すことを特徴とする請求項1に記
    載のベクトル量子化方法。
  3. 【請求項3】 前記入力ベクトルuと前記注目ベクトル
    1との距離D1が、前記値DR/2より長い場合におけ
    る前記注目ベクトルv1の順番は、第1のテーブルとし
    て予め用意されていることを特徴とする請求項2に記載
    のベクトル量子化方法。
  4. 【請求項4】 前記入力ベクトルuと前記注目ベクトル
    1との距離D1が、前記値DR/2より短い場合、前記
    注目ベクトルv1から前記半径距離DRまでの間を探索範
    囲とすることを特徴とする請求項1に記載のベクトル量
    子化方法。
  5. 【請求項5】 前記入力ベクトルuと前記注目ベクトル
    1との距離D1が、前記値DR/2より短く、前記注目
    ベクトルv1から前記半径距離DRまでの間を探索範囲と
    した場合、その前記注目ベクトルv1をそのまま新たな
    前記注目ベクトルv1とし、 新たな前記注目ベクトルv1と前記半径距離DRまでの前
    記セントロイドベクトルv(i)との距離のうち、N/
    n+1番目(nは正の整数)に前記注目ベクトルv1に近
    い距離を新たな前記半径距離DRとし、 前記入力ベクトルuと前記注目ベクトルv1との距離D1
    と、新たな前記半径距離DRの1/2の値DR/2とを比
    較する処理を繰り返すことを特徴とする請求項4に記載
    のベクトル量子化方法。
  6. 【請求項6】 前記入力ベクトルuと前記注目ベクトル
    1との距離D1が、前記値DR/2より短い場合におけ
    る前記注目ベクトルv1の順番は、第2のテーブルとし
    て予め用意されていることを特徴とする請求項5に記載
    のベクトル量子化方法。
  7. 【請求項7】 前記セントロイドベクトルv(i)から
    の距離が、N/2,N/4,N/8,・・・番目に近い
    他の前記セントロイドベクトルv(i)までの距離が、
    さらに第3のテーブルとして予め用意されていることを
    特徴とする請求項3または6に記載のベクトル量子化方
    法。
  8. 【請求項8】 N個の前記セントロイドベクトルv
    (i)を、M個のグループに分割することを特徴とする
    請求項1に記載のベクトル量子化方法。
  9. 【請求項9】 N個の前記セントロイドベクトルv
    (i)のうち、前記半径距離DRが最も大きいものを第
    1のグループの第1のセントロイドベクトルとし、 前記第1のグループの前記第1のセントロイドベクトル
    により近い距離のM−1個の他の前記セントロイドベク
    トルv(i)を、それぞれ第2のグループ乃至第Mのグ
    ループの第1のセントロイドベクトルとし、まだグループ化されていない前記セントロイドベクトル
    v(i)のうち、前記 半径距離D R と既に前記第1のグ
    ループにグループ化されたすべてのセントロイドベクト
    ルからの距離との累積値が大きいものを、前記第1のグ
    ループの第2のセントロイドベクトルとし、 前記第1のグループの前記第2のセントロイドベクトル
    により近い距離のM−1個の他の前記セントロイドベク
    トルv(i)を、それぞれ第2のグループ乃至第Mのグ
    ループの第2のセントロイドベクトルとし、 以下、同様の処理を繰り返してグループ化を行うことを
    特徴とする請求項8に記載のベクトル量子化方法。
  10. 【請求項10】 前記入力ベクトルuと前記注目ベクト
    ルv1との距離D1が、前記値DR/2より長い場合にお
    ける前記注目ベクトルv1の順番を規定する第1のテー
    ブル、前記入力ベクトルuと前記注目ベクトルv1との
    距離D1が、前記値DR/2より短い場合における前記注
    目ベクトルv1の順番を規定する第2のテーブル、また
    は前記セントロイドベクトルv(i)からの距離が、N
    /2,N/4,N/8,・・・番目に近い他の前記セン
    トロイドベクトルv(i)までの距離を規定する第3の
    テーブルを、前記グループ毎に備えることを特徴とする
    請求項8に記載のベクトル量子化方法。
  11. 【請求項11】 所定の前記グループの前記セントロイ
    ドベクトルv(i)に最も近い距離の他の前記グループ
    の前記セントロイドベクトルv(i)を規定する第4の
    テーブルをさらに備えることを特徴とする請求項10
    記載のベクトル量子化方法。
  12. 【請求項12】 前記グループのうちの所定のグループ
    を選択し、その選択した前記グループにおいて、そのグ
    ループの前記第1乃至第3のテーブルを用いて前記入力
    ベクトルuの前記最適ベクトルを求め、 求められた前記最適ベクトルに最も近い他のグループの
    前記セントロイドベクトルv(i)を前記注目ベクトル
    1として、前記第4のテーブルを参照して選択し、そ
    のグループにおける前記第1乃至第3のテーブルを用い
    て、そのグループにおける前記最適ベクトルを探索する
    処理を、各グループにおいて順次行った後、 各グループで求められた前記最適ベクトルから最終的な
    前記最適ベクトルを求めることを特徴とする請求項11
    に記載のベクトル量子化方法。
  13. 【請求項13】 前記入力ベクトルuが時系列のセント
    ロイドベクトルである場合、第2番目以降の前記入力ベ
    クトルuを処理するとき、前の前記入力ベクトルuを処
    理して得られた前記コードc(i)に対応する前記セン
    トロイドベクトルv(i)を前記注目ベクトルv1とす
    ることを特徴とする請求項1に記載のベクトル量子化方
    法。
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