JP3273388B2 - 電子部品包装用積層フィルム - Google Patents
電子部品包装用積層フィルムInfo
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Description
半導体デバイス(例えばMOSFET、MOSIC )等の電子部品
を保護するための包装袋に用いる、防湿性を有する積層
フィルムに関する。更に詳しくは、電子部品を収納した
トレー、マガジン(スティック)、リール等を防湿性の
袋で包装する袋詰め作業や該包装袋をさらに箱詰めして
移送する時などに、トレーのエッジ等により包装袋が破
損して防湿性が低下するのを極力防止可能にした実用性
に優れた押出しラミネーションにより形成される積層フ
ィルムに関するものである。
は、機器に実装されるまでの間、取り扱いを容易にする
ため、例えば部品を1個ずつ収納するためのポケットを
多数設けたプラスチック製のトレー等にまとめて収納し
た状態で保管及び移送される。また該電子部品は、製造
されてから実装されるまでの間に、静電気による破壊や
湿度による影響を受け品質の低下を招き易く、そのた
め、その保管や移送に際しては、例えば後述の図3に示
す如く、電子部品を収納したトレーの1枚或いは複数枚
を重ねた全体を防湿性かつ帯電防止性の袋に密封して保
護することが従来から行われている。
袋として、特開昭58−64963号公報には、熱シー
ル性を有する透明なプラスチックフィルムの内面に金属
薄膜の層を設けてなる電子部品包装用袋が開示されてい
る。
袋は静電気からの保護に関しては効果があるものの、突
刺し耐性の点で欠点があった。即ち、従来の包装袋は、
例えばトレーを袋内部に収納する際にトレーのエッジが
強く当ったり、トレーを袋詰めして移送する際に外部か
ら衝撃を受けたときに、トレーや外部の突起で破袋し易
く、所謂、突刺し耐性を充分備えているものではなく実
用性の点で不満を残すものである。何故ならば、このよ
うに電子部品包装用袋の突刺し耐性が不十分であると、
移送や保管に際し破袋の確率が高く、電子部品の防湿流
通に対する信頼性が損なわれる結果、電子部品の使用に
あたって実装前に電子部品を袋から取り出して加熱乾燥
するベーキングと称する工程を導入する必要が生じる。
従って、電子部品包装用袋としては突刺し耐性を向上さ
せて防湿に対する信頼性を高めることが要望されてい
た。
題に対して、それを解決すべく特開昭60−89365
号公報には、延伸ナイロン、延伸ポリエチレン等の突刺
し耐性に優れた材料をドライラミネート法で貼合わせて
補強した積層フィルムを使用することが示されている。
しかしながら、このような耐突刺し強度を有するフィル
ムによる補強法では、力を力で制する結果となり、より
信頼性の高い電子部品包装用袋を得ようとすると勢い包
装フィルムの膜厚が厚くなり、袋としての柔軟性が失わ
れると共に、コスト的にも不利である。
に優れ且つ実用的な電子部品包装用の積層フィルムを提
供することを目的とする。本発明者は上記実情に鑑み鋭
意研究の結果、たとえ積層フィルムに突刺し応力が加え
られたとしても、金属箔とその一方の側に積層された
熱可塑性樹脂層(A)との間の層間の剥離、並びに金
属箔及び/又は他方の側に積層された熱可塑性樹脂層
(B)の破断により積層フィルムへの前記突刺し応力を
緩和するようにすれば、熱可塑性樹脂層(A)の破断が
回避され(全層の破断に至らない)、包装袋の防湿性
(気密性)はかなりの程度確保されるのではないかとの
着想を得た。そして、かかる部分破断特性を有する積層
フィルムの製造方法、熱可塑性樹脂層に要求される物性
等を検討して本発明を完成するに至った。
包装用積層フィルムは、金属箔を挟んで一方の側に熱可
塑性樹脂層(A)が、又他方の側に熱可塑性樹脂層
(B)が積層された積層フィルムであって、金属箔と熱
可塑性樹脂層とは押出しラミネーションにより貼り合わ
され、且つ熱可塑性樹脂層(A)の引張強度をSa、破
断時の伸びをEaとし、熱可塑性樹脂層(B)の引張強
度をSb、破断時の伸びをEbとした場合、上記熱可塑
性樹脂層(A)及び熱可塑性樹脂層(B)は、引張強度
の比がSa/Sb=1/2乃至1/20、伸びの比がE
a/Eb=1/0.8乃至1/0.01の関係を有する
ことを特徴とする。
ムは、上記の熱可塑性樹脂層(A)及び熱可塑性樹脂層
(B)の少なくとも一方において、金属箔とは反対側の
表面に熱シール材層を積層するのが好ましい。
明する。図1は本発明の電子部品包装用積層フィルムの
1例を示す要部断面図である。図1に示すように本発明
の電子部品包装用積層フィルム(以下、積層フィルムと
略記する)1は、通常、金属箔2を挟んで一方の側に熱
可塑性樹脂層(A)3が、又他方の側に熱可塑性樹脂層
(B)4が積層され、更に熱可塑性樹脂層(A)3の上
に熱シール材層5が積層されてなり、4層構造をもって
構成される。図中の符号6(6a、6b、6c)は押出
しラミネーションにより層間に塗工された接着剤層(ア
ンカーコート剤層を含む)である。
フィルムに防湿性及び帯電防止性等を付与するものであ
り、例えばステンレス、タングステン、銅、モリブデ
ン、アルミニウム等の薄膜が挙げられる。金属箔2は厚
み5〜15μmのものが通常用いられる。
れる材料は、一般に押出しラミネーションフィルムとし
て用いられる、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル/塩化ビニリデ
ン共重合体、セロハン、低密度ポリエチレン、中密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、リニア−ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等の厚
さ4μm〜100μm程度のフィルムの中から、下記の
関係を有するものを選択する。
破断時の伸びをEaとし、熱可塑性樹脂層(B)の引張
強度をSb、破断時の伸びをEbとした場合、(イ)引
張強度の比(Sa/Sb)が1/2乃至1/20、より
好ましくは1/2.5乃至1/10であり、(ロ)樹脂
層の破断時伸びの比(Ea/Eb)が1/0.8乃至1
/0.01、より好ましくは1/0.5〜1/0.01
である。
係の範囲を外れる場合には、突刺し応力が加わった際に
積層フィルム全体の破断を生じ易く、実用的で良好な電
子部品包装袋としての適性を欠くものである。上記の関
係を有する具体的な熱可塑性樹脂層の組合せA/Bとし
て、例えば未延伸ナイロンフィルム/延伸ナイロンフィ
ルム、未延伸ポリエチレンフィルム/塩化ビニルや塩化
ビニリデンのインフレーションフィルム、未延伸ポリプ
ロピレンフィルム/延伸ナイロンフィルム等が挙げられ
る。尚、本発明におけるフィルムの引張強度とは、通常
の引張破断強度を指すが、未延伸フィルムの如きゴム状
の挙動を示す材料の場合には降伏点の強度を言う。
は、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
アルキルアクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等の
公知のものが使用できる。熱シール材層5は、通常厚み
が10〜100μmであり、熱可塑性樹脂層の上に押出
しラミネーションにより形成されるのが良い。尚、本発
明の積層フィルム1では、通常、熱シール材層5を配し
て、金属箔2及び熱可塑性樹脂層3、4と共に少なくと
も4層構造に構成されるが、熱可塑性樹脂層の少なくと
も何れか一方が熱シール性の材料からなる時或いは積層
フィルムどうしを接着剤で接合する時には、熱シール材
層5を設けずとも良い。また、熱シール材層5は熱可塑
性樹脂層(A)又は(B)の何れの側に設けてもよい
が、熱可塑性樹脂層(A)の側に設けて、積層フィルム
1を袋に形成した場合、熱可塑性樹脂層(B)が外側と
なるように構成するのが望ましい。
くとも金属箔2と熱可塑性樹脂層3、4との層間には押
出しラミネーションにより塗工された溶融押出し樹脂が
接着剤層6a、6bとして介在している。かかる接着剤
層6の材質は、押出しラミネーションで通常用いられて
いる樹脂で良く、例えば低密度ポリエチレン、直鎖低密
度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体、高密度ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等の樹脂
にアクリル酸、メタクリル酸等の塩基性不飽和脂肪酸又
はマレイン酸、フマル酸等の二塩基性不飽和脂肪酸、更
にはこれらの無水物を化学的に結合して得られるもの、
酢酸ビニル含量15%以上のエチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−
メチルメタクリレート−グリシジルアクリレート三元共
重合体等の単独又は2種以上の混合物を例示し得る。
尚、これらの押出しラミネーション用樹脂の中で、特に
ポリエチレン系樹脂は金属箔2との界面が適度な剥離性
を有するため好ましい材料の一つである。
処理としてアンカーコート処理(下塗り処理)を行うこ
とが好ましい。アンカーコート処理は、押出しラミネー
ションの溶融押出し樹脂を各層の基材に適用する前に、
基材との接着性を向上させる目的で行うものであり、通
常、後述するアンカーコート剤(AC剤)が0.1〜
0.3g/m2 (dry)程度、基材表面にあらかじめ
塗布される。このアンカーコート処理は通常、金属箔2
には適用されない方が好ましい。しかし、積層フィルム
1に突刺し応力が加わった時、金属箔2並びに熱可塑性
樹脂層(B)の破断が起こる前又は破断と同時に、金属
箔2と接着剤層6aとの間の界面が剥離する状態であれ
ばAC剤を金属箔2の表面にも塗布して接着材層6a及
び/又は6bとの接着性を調節しても良い。AC剤とし
ては、イソシアネート系、有機チタン系、ポリエ
チレンイミン系及びポリブタジエン系等が使用され、
一般的にはイソシアネート系が用いられる。
ート系のAC剤としては、ドライラミネーションに使用
されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー等の1
液反応型、水酸基末端のポリオールとポリイソシアネー
トからなる2液反応型のポリウレタン系接着剤が使用で
きる。但し、ドライラミネーションの場合の上記接着剤
溶液の固形分濃度は通常20〜30%であるのに対し、
AC剤は塗工量が少ないため、4〜6%の低固形分の濃
度に調整したものが使用される。有機チタン系AC剤
としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノル
マルブチルチタネート、テトラステアリルチタネート等
のアルキルチタネート類、チタンアシレート、チタンキ
レート等が挙げられる。ポリエチレンイミン系AC剤
は、エチレンイミンから重合される第一、第二、第三級
窒素を含む枝分かれを有する水溶性の重合体であり、そ
の水溶液をメタノール、エチレングリコール等の低級ア
ルコールの混合液で希釈したものが用いられる。ポリ
ブタジエン系AC剤としては、1,2-ポリブタジエン鎖の
両末端を水酸基またはカルボキシル基で変成しエマルジ
ョン化したものを、更に水/アルコール等で希釈したも
のが用いられる。
明の積層フィルムを製造する方法の1例を示す図であ
る。押出しラミネーションは樹脂を溶かしてTダイと呼
ばれるスリットダイからフィルム状に押出したものを基
材に塗り、別の基材を供給して該溶融押出し樹脂を中間
層として貼合わせる方法であり、図2に例示するよう
に、まず、基材フィルム(又は金属箔)13をサンド繰
り出し機(アンワインダー)12から送り出し、AC剤
14を塗工して乾燥炉15でAC剤を乾燥する。続い
て、このアンカーコート処理された基材フィルム13と
他のサンド繰り出し機17から送り出した他の基材フィ
ルム(又は金属箔)20との間に、スリットダイ16か
ら溶融した樹脂を押出して、2枚の基材フィルム13と
20をこの溶融押出し樹脂を介してロール18で挟んで
積層一体化した後、巻取り機19で巻き取ることで2枚
のフィルムの貼合わせが行なわれる。本発明の接着剤層
となるダイからフィルム状に押出される樹脂の厚みは、
押出し機の容量、加工幅、加工スピードなどにもよるが
概ね13〜70μmの範囲である。
は、例えば、上記の押出しラミネーション操作を3回繰
り返す。即ち、先ず熱可塑性樹脂層(B)4 のフィル
ムにアンカーコート処理を行った後、該フィルムと金属
箔2の間に溶融押出し樹脂を供給して両者を貼り合わせ
積層フィルムaを形成する。次いで熱可塑性樹脂層
(A)3のフィルムにアンカーコート処理を行った後、
該フィルムとで得られた積層フィルムaの間に溶融押
出し樹脂を供給して両者を貼り合せ積層フィルムbを形
成する。最後に上記の積層フィルムbの熱可塑性樹脂
層(A)側の表面をアンカーコート処理した後、該積層
フィルムbと熱シール材層5のフィルムとの間に溶融押
出し樹脂を供給して両者を貼り合わせ、4層構造からな
る積層フィルム1が得られる。
す説明図である。本発明の積層フィルム1を用いて電子
部品を包装するには、まず、図3(a)に示すように積
層フィルムを熱シール材層どうしが接するように重ね合
わせ、3辺を熱シールして開口部8以外が熱シール部9
として形成された3方シール型包装袋7を形成する。次
いで同図(b)に示すように、射出成形或いはプラスチ
ックシートの真空成形等により形成され、電子部品が収
納されるポケットが多数設けられたトレー12に電子部
品が収納されたものを10段程度重ねて袋7の開口部8
から充填し、袋7の内部を減圧した後開口部8を熱シー
ルすることでトレーの真空包装体が得られる。上記の包
装体は段ボール箱11に詰めて梱包され保管、搬送に供
される。
3(b)に示されているように4辺のシール部分と袋の
余分な部分が耳部10として形成されるが、段ボール箱
は包装体が移動しないようにトレーの大きさと略同じ大
きさに形成されているため、上記耳部10を上又は下に
折り曲げて、包装体が段ボール箱11に密着するように
箱詰めするのが一般的である。
に説明する。 実施例1 熱可塑性樹脂層(A)として降伏点強度1.1Kgf/
15mm幅、破断伸度300%の厚み25μmの未延伸
6−ナイロンフィルム、熱可塑性樹脂層(B)として引
張破断強度5.4Kgf/15mm幅、破断伸度90%
の厚み15μmの延伸6−ナイロンフィルムを、又、熱
シール材層として厚み50μmの直鎖低密度ポリエチレ
ンフィルム、金属箔として厚み7μmのアルミニウム箔
の組み合わせで、前述の3回繰り返し押出しラミネーシ
ョン法により、図1の層構成となるように貼り合わせて
厚み約150μmの積層フィルムを得た。押出しラミネ
ーションにおける接着樹脂とAC剤は、それぞれ低密度
ポリエチレン、イソシアネート系AC剤であった。尚、
得られた積層フィルムの熱可塑性樹脂層(A)と(B)
の引張強度の比〔Sa/Sb〕は1/4.9、伸びの比
〔Ea/Eb〕は1/0.3である。
3.5Kgf/15mm幅、破断伸度70%の厚み15
μmのポリ塩化ビニリデンフィルム〔クレハロン(呉羽
化学工業社の登録商標)〕、又、熱可塑性樹脂層(B)
として引張破断強度8.3Kgf/15mm幅、破断伸
度120%の厚さ25μmの延伸ポリエステルフィルム
を用いた以外は実施例1と同じ材料を用い、同じ層構成
となるように同じ押出しラミネーション法で貼り合わせ
て積層フィルムを得た。尚、得られた積層フィルムの熱
可塑性樹脂層(A)と(B)の引張強度の比〔Sa/S
b〕は1/2.4、伸びの比〔Ea/Eb〕は1/1.
7である。
の積層フィルムをJIS−Z1707に準拠して下記の
引張試験条件で、それぞれ10枚の試験片について試験
した結果を下記の表1に示す。表1の結果より、本発明
の積層フィルムは全層破断し難いものであることが判
る。引張試験条件は、試験片の寸法:長さ50mm×幅
15mm、引張速度:50mm/min、測定温度:2
3℃±0.5℃である。
積層フィルムについて、先ずフィルムを幅250mm、
長さ480mmに切断し、2枚重ねて3辺に10mm幅
で熱シール部9を形成し、内法寸法幅230mm、長さ
470mmの第3図(a)に示す如き三方シール型包装
袋7(袋の内側は熱シール材層)を10枚づつ作成し
た。一方、カーボンブラック練り込みポリプロピレンシ
ートから成形した半導体デバイス用トレーの10枚重ね
(幅135mm×長さ320mm×高さ55mm)を用
意し、トレーの中には乾燥剤を挿入した。続いて、該ト
レーを上記三方シール型包装袋に収納し、次に真空ポン
プで吸引しながら袋の開口部8をシールし、更に耳部1
0を90度強制的に折り曲げて段ボール箱11に箱詰め
する一連の操作を、実施例、比較例とも各10枚の袋に
ついて繰り返した。そして、これらの操作の途中のト
レーを包装袋に収納した段階、真空ポンプで吸引した
段階、耳部を90度強制的に折り曲げた段階で、包装
袋に全層破断が生じているか否かを目視観察した。これ
らの結果を包装袋の破損状態の観察結果と共に表2に示
す。尚、表中の数字、例えば5/10は比較例1の10
枚の袋に対する本テストにおいて、真空ポンプで吸引
した段階までに5枚で全層破断が観察されたことを意味
し、即ち積算の割合である。
ムを用いた上記〔実用テスト〕の包装体を引き続き用い
て、該包装体を45℃、95%RHの雰囲気中に1カ月
間放置して、包装体の内部に挿入した乾燥材の重量変化
を調べ、水分の透過量を測定した。その結果1日当たり
に換算すると、0.84ミリグラム/dayという水分
透過量の値が得られた。上記の包装形態で実際の半導体
デバイスを包装する際には、通常約50グラムのシリカ
ゲルが乾燥剤として収容され、50グラムのシリカゲル
は約6グラムの水分吸収能力がある。従って、実施例1
の積層フィルムを使用した包装袋は、計算上2年間で6
14ミリグラム(=0.84×365×2)の水分を透
過するが、袋の内部に収容したシリカゲルの水分吸収能
力の10%程度であり実用上全く問題はない。尚、比較
例1の積層フィルムを用いた上記〔実用テスト〕の包装
体は、積層フィルムを全層を貫通する亀裂が入り外部雰
囲気と導通しているため、特に水分透過性試験を行って
いないが、水分透過性を測定するまでもなく、実用性が
ない。
結果は、先の引張試験結果からも予測されるものである
が、引張試験結果と実用テストは相関性が極めて大きい
ことが裏付けられた。
の収納や、真空包装はすべて手作業で行なわれた。そこ
で次に、自動化された場合を想定して、包装袋をエアー
ブローにより膨らませた状態でトレーの収納を行い、真
空包装機( 中村産業社製:A−300型) にて真空包装
( 真空度は−940ミリバールに調節) を行った。その
結果、実施例1及び比較例1のどちらの積層フィルムを
用いた袋でも、トレーエッジ部分でのフィルム外観の異
常や損傷は全くなかった。自動包装はトレーの袋への収
納の際にトレーがスムーズに袋の内部に挿入され、ま
た、真空包装の際トレーのエッジ部と袋との間にずれが
生じ難いために、常圧にもどした場合フィルムが綺麗に
密着する。即ち、手作業による包装の方が自動包装と比
べ包装条件が厳しいと言える。
れるにあたって、包装体の耳部に荷重を加え90度折り
曲げを行ったところ、比較例1の積層フィルムを使用し
た包装袋は5kgの荷重でピンホール及び亀裂が生じ、
外気の進入により防湿性が失われた。これに対し、実施
例1の積層フィルムを使用した包装袋は10kgの荷重
を加えても金属箔及び熱可塑性樹脂層(B)に約1mm
程度の亀裂が生じた程度であり、熱可塑性樹脂層(A)
になんら異常が見られず、外気の進入による真空戻りも
なく防湿性が充分維持できた。
包装体を慎重に厚さ4mmの段ボール箱に詰め、箱の角
が床板に衝突するように(トレーのエッジ部が衝撃を受
ける)1mの高さから落下させた。その結果、比較例1
のものは、1回目の落下で金属箔破断の亀裂が全層に及
んでおり、亀裂の部分から外気が進入して真空戻りが起
こり防湿性が失われた。これに対し実施例1のものは、
10回の繰り返し落下でも、外気が進入する真空戻りは
無かった。尚、落下衝撃部の包装フィルムの損傷度を実
施例1のものについて調べたところ、金属箔及び熱可塑
性樹脂層(B)に約1mm長さの亀裂がトレーエッジ部
に対応して発生していたが、全層破断には至っていなか
った。
装によるテストの結果から、本発明の積層フィルムを使
用した包装袋は、トレーの袋詰め作業などの電子部品を
生産する側が係わる作業におけるトレーエッジによる突
刺し応力のみならず、流通過程や使用者側での落下衝撃
にも抗して防湿性能が維持されることが実証された。
(B)を用いた以外は実施例1と同様に押出しラミネー
ションして積層フィルムを形成し、引張破断テストを行
った。引張破断テストの結果を表3にまとめて示す。表
3の結果から、本発明の積層フィルムはいずれも部分破
断であり、極めて実用的な電子部品包装用フィルムであ
ることが判る。
ミニウム箔、未延伸6ナイロンフィルム及び直鎖低密度
ポリエチレンフィルムを、この順序で二液型ウレタン系
接着剤を用い、常法に基づいてドライラミネーターによ
る貼り合せ加工を行った後、熱硬化処理し積層フィルム
を得た。得られた積層フィルムの引張破断テストを行っ
たところ全層破断であった。
めのフィルムの要部断面図であり、突刺し応力によりフ
ィルムが部分破断した状態の1例である。図4に示すよ
うな積層フィルム1の部分破断は次のようにして起こる
と考えられる。トレーエッジやボールペンのペン先21
などで熱可塑性樹脂層(A)3側から突刺し応力Fを加
えた場合、まず伸びの最も小さい金属箔2が破断し、そ
れと同時又は幾分遅れて、伸びは小さいが破断応力は大
きい熱可塑性樹脂層(B)4が突刺し応力Fに抗しつつ
破断する。一方、金属箔2の破断に伴い金属箔2と接着
剤層6aとの界面で層間剥離が起こり、金属箔2及び/
又は熱可塑性樹脂層(B)4の破断の影響が伸びの大き
い熱可塑性樹脂層(A)3まで波及するのが防止され
る。結局、突刺し応力は金属箔と熱可塑性樹脂層(B)
層の切断及び前記層間剥離に分散し緩和され、熱可塑性
樹脂層(A)は伸びて切断せずに残るため、部分的破断
に止まるものと考えられる。
び帯電防止性を担う金属箔、押出しラミネーションによ
り形成され、適度な剥離性を提供する接着剤層、金属箔
の破断に続いて突刺し応力Fに抵抗して破断を方向付け
る伸びは小さいが破断強度は大きい熱可塑性樹脂層
(B)、最終的な保護機能を分担する伸びの大きな熱可
塑性樹脂層(A)から成っている。換言すれば、積層フ
ィルムの各構成部分を材料の持つ特性に応じて突刺し応
力に対して最適な設計を行ったものと言える。
を形成する際に、伸びの大きな熱可塑性樹脂層(A)側
から突刺し応力Fが加わるように構成するのが特に好ま
しい。例えば、実施例のように袋内部のトレーエッジが
突刺し応力の原因である場合には、熱可塑性樹脂層
(A)が金属箔よりも袋の内側に位置するように製袋さ
れる。無論、本発明の積層フィルムが伸びの小さい熱可
塑性樹脂層(B)側からの反対の突刺し応力に対しても
優れた突刺し耐性を有することは言うまでもない。
剛を制する」の作用を有する本発明の積層フィルムによ
れば、各層の厚みをさほど厚くせずとも、突刺し耐性に
優れ且つ実用的な電子部品包装用の袋が形成できる。更
に押出しラミネーションによる積層加工であるため、積
層フィルムを比較的安価に提供可能である。
した電子部品包装用袋は、従来のものに比べて防湿性に
対する信頼性が高いため、所謂ベーキング工程が不要と
なり、電子部品組込み時間の短縮が可能となる。更にベ
ーキング工程が省かれることで、電子部品が外気に暴露
される時間が短く、静電気等による電子部品の破壊が生
じる虞れを最小にすることで部品の信頼性及び経済性が
向上する。このように本発明の電子部品包装用積層フィ
ルムは工業的に極めて価値ある発明である。
示す要部断面図である。
法の1例を示す説明図である。
を示す説明図である。
り、突刺し応力により電子部品包装用積層フィルムが部
分破断した状態の1例である。
Claims (2)
- 【請求項1】 金属箔を挟んで一方の側に熱可塑性樹脂
層(A)が、又他方の側に熱可塑性樹脂層(B)が積層
された積層フィルムであって、金属箔と熱可塑性樹脂層
とは押出しラミネーションにより貼り合わされ、且つ熱
可塑性樹脂層(A)の引張強度をSa、破断時の伸びを
Eaとし、熱可塑性樹脂層(B)の引張強度をSb、破
断時の伸びをEbとした場合、上記熱可塑性樹脂層
(A)及び熱可塑性樹脂層(B)は、引張強度の比がS
a/Sb=1/2乃至1/20、伸びの比がEa/Eb
=1/0.8乃至1/0.01の関係を有することを特
徴とする電子部品包装用積層フィルム。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂層(A)及び熱可塑性樹脂
層(B)の少なくとも一方において、金属箔とは反対側
の表面に熱シール材層が積層されてなる請求項1に記載
の電子部品包装用積層フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24596193A JP3273388B2 (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | 電子部品包装用積層フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
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