JP3270231B2 - レーザ切断方法 - Google Patents

レーザ切断方法

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JP3270231B2 JP00961494A JP961494A JP3270231B2 JP 3270231 B2 JP3270231 B2 JP 3270231B2 JP 00961494 A JP00961494 A JP 00961494A JP 961494 A JP961494 A JP 961494A JP 3270231 B2 JP3270231 B2 JP 3270231B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ切断の切断方
法に係り、特にバーニング(異常燃焼)による製品への
悪影響を回避し得るレーザ切断方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のレーザ切断方法を図6〜図8を用
いて説明する。レーザ切断では、被切断材Wが熱応力に
よって切断時に捩じれを生じる場合には、図6(a)に
示すように被切断材Wのスクラップ部2上で先ずピアシ
ングを行い、そのピアシングポイント3から切断を開始
するものが一般である。しかしながら、鋼板や非鉄金属
板等の被切断材Wを切断する場合には、ピアシング時に
前記被切断材Wが異常加熱されることによるバーニング
(異常燃焼)が発生しやすく、一旦発生したバーニング
は、しばらくの間継続的に伝播して切断面の品質を低下
させ、図6(b)に示すピアシングポイント3と製品切
断線4aの間の切断導入線5の距離が短い場合には製品
4に悪影響を及ぼし、切断面等の品質低下を招くもので
ある。
【0003】そこで、ピアシング時に発生したバーニン
グによる製品への悪影響を回避するための従来の切断方
法としては、図6(a),(b)に示す被切断材Wのス
クラップ部2上のピアシングポイント3から製品切断線
4a方向に切断導入線5上を切り込む際にレーザトーチ
1の移動速度を減速させると共にレーザ光1aの出力を
低下させて走査するといった切断方法が行われる。
【0004】この場合には、ピアシングポイント3でバ
ーニングが発生したとしても前記トーチ1が低速度,低
加熱で切断導入線5上を切り込んで移動する間に、ピア
シングポイント3で加えられた熱が徐々に自然放熱して
冷却され、継続伝播していたバーニングが徐々におさま
る。そして切断面の品質が良好になり安定したところで
製品切断線4aへ切り込むことが出来るものである。
【0005】しかし、前記切断方法を用いても、被切断
材Wが比較的厚板の場合には被切断材W内部に熱がこも
って切断導入線5上でバーニングを発生しやすいという
問題があり、前記問題を解決するためにピアシングポイ
ント3と製品4との間の切断導入線5の距離を十分長く
設定し、被切断材Wの放熱時間を十分確保して切断を行
うといった切断方法が行われる。
【0006】また、図7に示すように被切断材W上の製
品切断線4aと製品切断線4bとの折曲点8を切断する
場合において、レーザトーチ1が製品切断線4a上を切
り込んで折曲点8に到達すると、切断遅れによって折曲
点8の切断面の下部が孤となるドラグライン51が形成さ
れ、残留塊52が排除されずに残留する。そして、レーザ
トーチ1が製品切断線4aから折曲点8で折曲して直接
製品切断線4b上に切り込む場合には図示しないが折曲
点8の下部に円錐状の残留塊が残留し、前記折曲点8を
通過する時のレーザトーチ1の走査速度が比較的速い場
合には折曲点8でバーニングが発生する。
【0007】前記折曲点8の切断面下部での切断遅れを
取り戻すために従来では、折曲点8近傍でレーザトーチ
1の移動速度を減速させると共にレーザ光1aの出力を
低下させ、前記折曲点8でレーザトーチ1を一旦停止さ
せて残留塊52を排除するといった切断方法が行われる。
しかし、被切断材Wが比較的厚板の場合に前記切断方法
を用いると、被切断材W内部に熱がこもって折曲点8上
でバーニングを発生しやすいという問題があり、一旦バ
ーニングが発生すると、前記バーニングによって製品4
に悪影響を及ぼし、切断面等の品質低下を招くものであ
る。
【0008】そこで、前記バーニングの発生を回避させ
るための従来の切断方法としては、図示しないが図7の
折曲点8でレーザトーチ1を停止させることなく製品切
断線4aと製品切断線4bに内接する小さな円弧を描い
て切断することで、前記折曲点8でバーニングの発生を
回避すると共に切断遅れを解消するといった切断方法が
行われている。
【0009】また、前述の折曲点8での切断遅れを取り
戻すための他の従来例として図8に示すように製品切断
線4aから折曲点8を一旦通過して被切断材Wのスクラ
ップ部2上でピッグテイル53を描いて切断を行い、再び
前記折曲点8に戻り製品切断線4bの方向へ切断を行う
切断方法が行われる。
【0010】しかし、この時、ピッグテイル53が小さい
と、ピッグテイル53の閉曲線内に熱がこもって異常加熱
された島になり、バーニングが発生しやすいという問題
がある。そして一旦バーニングが発生すると、前記バー
ニングによって製品4に悪影響を及ぼし、切断面等の品
質低下を招くことから比較的大きな面積のピッグテイル
53を描いて切断するといった切断方法が行われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピアシ
ング時に発生したバーニングによる製品への悪影響を回
避するためにピアシングポイント3と製品4との間の切
断導入線5の距離を長く設定した場合にはスクラップ部
2の面積が増大して歩留りが悪いといった問題がある。
また、切断導入線5上でレーザトーチ1の走査速度を減
速させると共にレーザ光1aの出力を低下させて切り込
む場合には、前記レーザ光1aの出力制御と前記トーチ
1の走査速度の制御が複雑な上、切断に時間がかかると
いった問題がある。
【0012】また、製品切断線4aと製品切断線4bと
の間の折曲点8で発生するバーニングを回避するために
前記折曲点8で小さな円弧を描いて切断する場合には所
望する鋭角切断が出来ないという問題がある。また、ス
クラップ部2上でピッグテイル53を描いて折曲点8の切
断を行う場合には前記ピッグテイル53の閉曲線内でのバ
ーニングの発生を回避するために比較的広い面積のピッ
グテイル53を描く必要があり、スクラップ部2の面積が
増大して歩留りが悪いといった問題がある。
【0013】本発明に係るレーザ切断方法は、ピアシン
グポイントから製品切断線に切り込む場合にはピアシン
グ時にバーニングが発生しても該バーニングによる製品
への悪影響を回避させることが出来ると共に、歩留りを
少なくし、かつ切断速度を減速する必要がないレーザ切
断方法であり、製品切断線の折曲点の切断においては、
バーニングの発生を回避させると共に、折曲点を鋭角で
切断することが出来、かつ歩留りを少なくし、かつ切断
速度を減速する必要がないレーザ切断方法を提供するも
のである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ切断
方法は、レーザ光を被切断材に照射すると共に前記レー
ザ光に沿ってアシストガスを噴射して切断するレーザ切
断方法に於いて、ピアシングポイントから目的の製品切
断線に対する方向への切断を開始するのに先立って、被
切断材のスクラップ部上を一旦、前記製品切断線に対す
る方向とは異なる方向に切断し、その後、前記目的の製
品切断線に対する方向に折り返して切断することを特徴
とするものである。
【0015】上記レーザ切断方法では、ピアシング時に
ピアシングポイントでバーニングが発生しても、目的の
製品切断線に対する方向である製品方向とは異なる方向
にレーザトーチを一旦逃がしてスクラップ部上を切り込
むことで、前記バーニングの製品への影響を回避させ
る。次に、前記トーチを製品方向に折り返して、既に切
断した前記切り込み上を走査させることでレーザトーチ
による被切断材への加熱が一時和らいで前記被切断材か
らの熱放射を促進しバーニングの継続を断った後、目的
の製品切断線の方向に切り込むことが出来る。
【0016】上記レーザ切断方法に於いて、ピアシング
ポイントは、目的の製品切断線上に切り込むための切断
導入線と前記製品切断線との交点または接点に於いて、
前記製品切断線上を切断する際の切断方向に直交する線
を境界線とし、該境界線よりも前記切断方向とは反対側
の領域内に設定されていることが好ましい。
【0017】上記の如く、ピアシングポイントを、目的
の製品切断線上に切り込むための切断導入線と前記製品
切断線との交点または接点に於いて、前記製品切断線上
を切断する際の切断方向に直交する線を境界線とし、該
境界線よりも前記切断方向とは反対側の領域内に設定し
た場合には、ピアシング時における加熱が製品に及ぼす
影響を少なく出来る。
【0018】また他のレーザ切断方法は、レーザ光を被
切断材に照射すると共に前記レーザ光に沿ってアシスト
ガスを噴射して切断するレーザ切断方法に於いて、製品
切断線の折曲点から目的の製品切断線の方向に対する切
断を行うのに先立って、被切断材のスクラップ部上を一
旦、前記目的の製品切断線の方向とは異なる方向に切断
し、その後、前記目的の製品切断線の方向に折り返して
切断することを特徴とするものである。
【0019】上記レーザ切断方法では、製品切断線の折
曲点を切断する場合、前記折曲点で製品切断線の方向と
は異なる方向に一旦レーザトーチを逃がしてスクラップ
部上を切り込むことで、折曲点でのバーニングの発生を
回避することが出来る。次に前記トーチを製品方向に折
り返して既に切断した前記切り込み上を走査させること
でレーザトーチによる被切断材への加熱が一時和らいで
前記被切断材からの熱放射を促進し前記折曲点でのバー
ニングの発生を回避することが出来る。そして目的の製
品切断線の方向に切り込むことで折曲点の切断遅れを取
り戻すことが出来る。
【0020】上記他のレーザ切断方法において、製品切
断線の折曲点において目的の製品切断線の方向に直交す
る線を境界線とし、該境界線よりも目的の製品切断線の
方向とは反対側の領域内に含まれる方向に切断した後、
前記目的の製品切断線の方向に折り返して切断すること
が好ましい。
【0021】上記レーザ切断方法では、製品切断線の折
曲点において目的の製品切断線の方向に直交する線を境
界線とし、該境界線よりも目的の製品切断の方向と反対
側の領域内に含まれる方向に切断した場合には、製品へ
の加熱をより緩和することが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】図により本発明に係るレーザ切断
方法の実施例を具体的に説明する。
【0023】先ず、ピアシングポイントを始点とした本
発明のレーザ切断方法の第1実施例を説明する。図1は
ピアシングポイントを始点とした第1実施例を説明する
平面説明図、図2(a)〜図2(c)はピアシングポイ
ントを始点とした第1実施例を説明する断面説明図であ
る。
【0024】図1乃至図2において、鉄鋼材,ステンレ
ス材,その他の鉄系合金材や真鍮材,アルミニウム材お
よびアルミニュウム合金材,銅材および銅合金材等の被
鉄系合金材やプラスチックス等の合成樹脂材等の非金属
材等からなる被切断材Wに対して所定の出力を有するレ
ーザ光1aを照射すると共に該レーザ光1aに沿ってア
シストガス1bを所定の流速で噴出するよう構成された
レーザトーチ1を備え、被切断材W上で前記トーチ1を
所定の高さに制御すると共に所定の速度で走査出来るよ
うに構成した図示しないレーザ切断装置を用いて、先
ず、図1,図2(a)に示すように被切断材W上のスク
ラップ部2上に設定されたピアシングポイント3上にピ
アシングを行う。
【0025】前記ピアシングポイント3は、図1に示す
スクラップ部2上の所望の位置に設定することが可能で
あるが、特に、目的の製品切断線4a上に切り込むため
の切断導入線5と前記製品切断線4aとの交点または接
点において、前記製品切断線4a上を切断する目的の進
行方向(但し、製品切断線4aが曲線で構成される場合
には、目的の進行方向とは前記切断導入線5と前記製品
切断線4aとの交点または接点における製品切断線4a
の接線方向とする。)に直交する境界線を設定し、該境
界線よりも前記目的の進行方向と反対側の領域内にピア
シングポイント3を設定することでピアシング時の加熱
に伴う製品4への加熱を防止する効果が向上するもので
ある。
【0026】従って、図1に示したピアシングポイント
3とは異なる位置にピアシングポイント3を設定するこ
とも可能である。例えば、切断導入線5と製品切断線4
aとを直角に設定するような位置にピアシングポイント
3を設定し、ピアシングポイント3から製品切断線4a
に直角に切り込んでいく場合や、切断導入線5と製品切
断線4aとを所定の角度で設定する場合等が可能であ
る。
【0027】また、前記切断導入線5は図1に示すよう
に直線で構成することで切断が容易に出来るものである
が、必要に応じてスクラップ部2の形状に対応させて曲
線で構成することでスクラップ部2の面積が小さく出
来、歩留りを低減することが出来るものである。本実施
例では製品切断線4aと略直線上に切断導入線5を構成
してピアシングポイント3を設定した場合を説明する。
【0028】前記ピアシングポイント3にピアシングを
行った後、レーザトーチ1を目的の切断進行方向である
製品4の製品切断線4a方向と異なる方向であり、ここ
では特に反対方向となる図1,図2(b)の矢印a方向
に走査してスクラップ部2上の切断導入線5上を切り込
み、ピアシングポイント3よりも製品切断線4aの反対
方向に所定の距離離して設定した折返点6まで切断して
進む。
【0029】この時、ピアシングの際に局部的に加熱さ
れたピアシングポイント3でバーニングが発生したとし
ても、レーザトーチ1を製品切断線4a方向と異なる方
向に逃がしてスクラップ部2上を切り込むことによって
バーニングが製品4に影響することを回避させることが
出来る。特に、レーザトーチ1を製品切断線4a方向と
反対方向に逃がした場合には、製品4から最も遠距離に
レーザトーチ1を逃がすことが出来、バーニングの影響
を回避する効果が大きい。尚、前記ピアシングポイント
3と製品4との距離は前記バーニングによって製品4が
影響されないように適当な距離だけ離して設定される。
【0030】次に、図1,図2(c)に示すようにレー
ザトーチ1を折返点6から製品切断線4aに向けて前記
切断導入線5上を図1,図2(c)の矢印b方向に折り
返す。この時、レーザトーチ1は既に切断された切断導
入線5上を折り返すことになり、被切断材Wへの加熱が
一時和らぐ。これによって、先に加熱した被切断材Wの
熱放射を促進し、バーニングが継続して伝播することを
防止することが出来る。また、図2(b)に示した切断
導入線5の切断面下部にスラグ7を引きずってきた場合
には、この折り返し走査によってスラグ7の引きずりを
断つことが出来る。
【0031】そして、レーザトーチ1を更に切断導入線
5上を図1,図2(c)の矢印b方向に走査してピアシ
ングポイント3を通過する時には、ピアシングポイント
3は十分放熱して冷えていてバーニングを発生する虞が
ない。更にレーザトーチ1を図1,図2(c)の矢印b
方向に走査して製品切断線4a上に切り込むことによっ
てバーニングを回避した品質の良い製品切断面を得るこ
とが出来る。
【0032】上記実施例ではレーザトーチ1をスクラッ
プ部2上の切断導入線5上の折返点6で一旦折り返し走
査することで前記切断導入線5上を2回走査するように
構成したのでピアシングポイント3から製品切断線4a
までの切断導入線5の延べ距離が長く設定出来る。
【0033】従って、ピアシング時に被切断材Wに加え
られた熱が前記切断導入線5をレーザトーチ1が折り返
し走査している間に自然放熱して冷却されるので、前記
切断導入線5上でのレーザトーチ1の走査速度を減速す
る必要がなく製品切断線4a上を走査する時の切断速度
で走査できる。また、前記のように切断導入線5上を折
り返し走査するように構成したことで、切断導入線5の
長さが短縮できる。従って、スクラップ部2の面積が小
さく出来、歩留りを低減出来る。
【0034】また、上記実施例では1つの折返点6で1
回折り返すように構成したが、必要に応じてピアシング
ポイント3と折返点6の間に複数の折返点を設けてこれ
等の折返点で複数回折り返すことで、先に加熱した被切
断材Wの放熱を更に促進することが可能である。
【0035】{ 次に、製品切断線の折曲点を始点とした本発明のレーザ
切断方法の第2実施例を説明する。前述の第1実施例と
同様に構成したものは同じ符号を付して説明を省略す
る。図3は製品切断線の折曲点を始点とした第2実施例
を説明する平面説明図、図4および図5は製品切断線の
折曲点を始点とした第2実施例を説明する斜視説明図で
ある。
【0036】図3乃至図4において、前述の第1実施例
と同様に構成した図示しないレーザ切断装置を用いて、
先ず、レーザトーチ1が被切断材Wのスクラップ部2上
のピアシングポイント3でピアシングを行い、前述の如
く切断導入線5上を切り込んで製品切断線4aに達し、
更に前記製品切断線4a上を折曲点8に向かって切断を
行う。
【0037】そして、前記レーザトーチ1が折曲点8に
到達すると、該トーチ1を目的の切断進行方向である製
品4の製品切断線4b方向と異なる方向であり、ここで
は特に反対方向となる図3,図4の矢印f方向に走査し
てスクラップ部2上の切断導入線9上を切り込んで進
み、折曲点8よりも製品切断線4bの反対方向に所定の
距離離して設定した折返点10に到達する。この時、前記
折曲点8でレーザトーチ1を停止させることなく製品切
断線4aを切断する時と同じ切断速度で該トーチ1を走
査することで折曲点8においてバーニングが発生するこ
とがない。
【0038】尚、この時、前記折曲点8の切断面は切断
遅れによるドラグライン11が形成されて、前記折曲点8
の切断面の下部に円錐状の残留塊12が残留した状態であ
る。
【0039】前記折返点10は、スクラップ部2上の所望
の位置に設定することが可能であるが、特に、折曲点8
において、前記製品切断線4b上を切断する目的の進行
方向に直交する境界線を設定し、該境界線よりも前記目
的の進行方向と反対側の領域内に折返点10を設定するこ
とで製品4への加熱を防止する効果が向上するものであ
る。
【0040】従って、図3〜図5に示した折返点10とは
異なる位置に折返点10を設定することも可能である。例
えば、製品切断線4aの延長上に折返点10を設定し、折
返点10から製品切断線4bに直角に切り込んでいく場合
や、製品切断線4bと切断導入線9とを所定の角度で設
定する場合等が可能である。
【0041】また、前記切断導入線9は図3〜図5に示
すように直線で構成することで切断が容易に出来るもの
であるが、必要に応じてスクラップ部2の形状に対応さ
せて曲線で構成することでスクラップ部2の面積が小さ
く出来、歩留りを低減することが出来るものである。本
実施例では製品切断線4bと略直線上に切断導入線9を
構成して折返点10を設定した場合を説明する。
【0042】次に図3,図5に示すように前記レーザト
ーチ1を折曲点8方向に向かって折り返す。この時、レ
ーザトーチ1はスクラップ部2上の既に切断された切断
導入線9上を折り返すことになり、被切断材Wへの加熱
が一時和らぐ。これによって先に加熱した被切断材Wの
熱放射を促進し、製品4の製品切断線上、特に折曲点8
でのバーニングの発生を防止することが出来る。
【0043】そして、更にレーザトーチ1を図3,図5
の矢印g方向に走査して切断導入線9上を進み、折曲点
8から目的の切断進行方向である製品4の製品切断線4
b上に切り込むことによってバーニングを発生しない品
質のよい製品切断面を得ることが出来る。
【0044】更に、前記レーザトーチ1が折返点10から
折り返して折曲点8を通過する際には、折曲点8の切断
面下部に残留していた前記残留塊12が排除されて折曲点
8での切断遅れを取り戻すことが出来る。従って、折曲
点8を所望の鋭角で切断することが出来る。
【0045】本実施例では折曲点8の切断経路をスクラ
ップ部2上でピッグテイルのような閉曲線を描いて切断
するのではなく、1線上を折り返して切断するように構
成したのでスクラップ部2の面積を小さく出来る。これ
によって歩留りを低減出来る。
【0046】また、折曲点8近傍でレーザトーチ1の走
査速度を減速しなくても折曲点8の切断面の下部の遅れ
を取り戻すことが出来るので、折曲点8近傍においても
レーザトーチ1を製品切断線4aを切断する通常の切断
速度で走査することが出来る。
【0047】また、前記実施例では1つの折返点10で1
回折り返すように構成したが、必要に応じて折曲点8と
折返点10の間に複数の折返点を設けてこれ等の折返点で
複数回折り返すことで、先に加熱した被切断材Wの放熱
を更に促進することが可能である。
【0048】上記各実施例においてピアシングポイント
3と折返点6の距離,および折曲点8と折返点10までの
距離は切断する板厚によって異なり、板厚が厚いほど大
きく設定するものである。これは、ドラグラインの遅れ
量とピアシングポイント3または折曲点8でバーニング
が発生した場合の継続的伝播を防止できる距離を考慮し
て予め設定される。例えば板厚16mm程度では略2m
m〜3mm離して設定すると好ましい。
【0049】
【発明の効果】本発明に係るレーザ切断方法は、上述の
如き構成と作用とを有するので、ピアシングポイントを
始点とした切断方法の場合には、ピアシングポイント上
でピアシングを行った際にバーニングが発生しても該バ
ーニングの継続伝播を断つことによって製品に及ぼす悪
影響を回避することができる。また、切断面下部にスラ
グを引きずった場合には該スラグの引きずりを断つこと
が出来、良好な品質の切断面を得ることが出来る。
【0050】またピアシングポイントから製品切断線ま
での切断導入距離を短く設定出来るのでスクラップ部の
面積が小さく出来、歩留りが低減出来る。また、切断導
入線上でレーザトーチの走査速度を減速する必要がない
ので切断導入線上でのレーザトーチの速度制御やこれに
伴うレーザ光の出力の制御が不要であり、切断作業が簡
単である。
【0051】また、特にピアシングポイントを、目的の
製品切断線上に切り込むための切断導入線と前記製品切
断線との交点または接点に於いて、前記製品切断線上を
切断する目的の進行方向に直交する線を境界線とし、該
境界線よりも前記目的の進行方向と反対側の領域内に設
定した場合には、ピアシング時における加熱が製品に及
ぼす影響を少なく出来、製品の品質を維持できる。
【0052】また、製品切断線の折曲点を始点とした切
断方法の場合には、上述の如き構成と作用とによって、
折曲点でバーニングが発生することがない。また、折曲
点の切断面下部の切断遅れによって残留した残留塊を折
り返し走査によって排除することで折曲点において所望
する鋭角切断が可能であり、良好な品質の製品切断面を
得ることが出来る。
【0053】また、スクラップ部上の切断導入線上を直
線的に切り込んで折り返した場合には、ピッグテイルの
ような広い面積でのスクラップ部を必要としないのでス
クラップ部の面積が小さく出来、歩留りが低減出来る。
また、折曲点近傍でレーザトーチの走査速度を減速する
必要がないので折曲点近傍でのレーザトーチの速度制御
やこれに伴うレーザ光の出力の制御が不要であり、切断
作業が簡単である。
【0054】また、製品切断線の折曲点からの切断で、
該折曲点において製品切断線への目的の進行方向に直交
する線を境界線とし、該境界線よりも目的の進行方向と
反対側の領域内に含まれる方向に切断した場合には、製
品への加熱をより緩和することが出来、バーニングの発
生を回避する効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピアシングポイントを始点とした第1実施例を
説明する平面説明図である。
【図2】ピアシングポイントを始点とした第1実施例を
説明する断面説明図である。
【図3】製品切断線の折曲点を始点とした第2実施例を
説明する平面説明図である。
【図4】製品切断線の折曲点を始点とした第2実施例を
説明する斜視説明図である。
【図5】製品切断線の折曲点を始点とした第2実施例を
説明する斜視説明図である。
【図6】従来のレーザ切断方法を説明する図である。
【図7】従来のレーザ切断方法を説明する図である。
【図8】従来のレーザ切断方法を説明する図である。
【符号の説明】
W 被切断材 1 レーザトーチ 1a レーザ光 1b アシストガス 2 スクラップ部 3 ピアシングポイント 4 製品 4a,4b 製品切断線 5 切断導入線 6 折返点 7 スラグ 8 折曲点 9 切断導入線 10 折返点 11 ドラグライン 12 残留塊
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 B23K 26/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を被切断材に照射すると共に前
    記レーザ光に沿ってアシストガスを噴射して切断するレ
    ーザ切断方法に於いて、ピアシングポイントから目的の
    製品切断線に対する方向への切断を開始するのに先立っ
    て、被切断材のスクラップ部上を一旦、前記製品切断線
    に対する方向とは異なる方向に切断し、その後、前記目
    的の製品切断線に対する方向に折り返して切断すること
    を特徴とするレーザ切断方法。
  2. 【請求項2】 前記ピアシングポイントは、目的の製品
    切断線上に切り込むための切断導入線と前記製品切断線
    との交点または接点に於いて、前記製品切断線上を切断
    する際の切断方向に直交する線を境界線とし、該境界線
    よりも前記切断方向とは反対側の領域内に設定されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載したレーザ切断方
    法。
  3. 【請求項3】 レーザ光を被切断材に照射すると共に前
    記レーザ光に沿ってアシストガスを噴射して切断するレ
    ーザ切断方法に於いて、製品切断線の折曲点から目的の
    製品切断線の方向に対する切断を行うのに先立って、被
    切断材のスクラップ部上を一旦、前記目的の製品切断線
    の方向とは異なる方向に切断し、その後、前記目的の製
    品切断線の方向に折り返して切断することを特徴とする
    レーザ切断方法。
  4. 【請求項4】 前記製品切断線の折曲点において目的の
    製品切断線の方向に直交する線を境界線とし、該境界線
    よりも目的の製品切断線の方向とは反対側の領域内に含
    まれる方向に切断した後、前記目的の製品切断線の方向
    に折り返して切断することを特徴とする請求項3に記載
    したレーザ切断方法。
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