JP3268499B1 - フローテイングクレーン用伸縮吊具 - Google Patents

フローテイングクレーン用伸縮吊具

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JP3268499B1 JP2000403724A JP2000403724A JP3268499B1 JP 3268499 B1 JP3268499 B1 JP 3268499B1 JP 2000403724 A JP2000403724 A JP 2000403724A JP 2000403724 A JP2000403724 A JP 2000403724A JP 3268499 B1 JP3268499 B1 JP 3268499B1
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Abstract

【要約】 【課題】 水上での非自立物品の設置時における横倒れ
や持上がりを抑制する。 【解決手段】 下部ばね座2と上部ばね座3との間に、
定格荷重時たわみ量Zからフツク設定変位量R相当を減
じたたわみ量Sにおいても非自立物品を直立状態に保持
可能な弾性力を発生するように定格荷重時たわみ量Z及
びばね定数が設定された2本の圧縮ばね4、5が同心状
に配置され、吊ロツド6で予圧縮状態に挟持されてい
る。型枠等の非自立物品の重量が圧縮ばね4、5の定格
荷重の2倍である場合、伸縮吊具1を並列に2本配置
し、各玉掛ロープ側係止部8に玉掛ロープを取付け、フ
ツク側係止部19をクレーンのフツクに取付けて2点吊
りする。各伸縮吊具1は、波の上下動を吸収して非自立
物品を設置位置に静止状態で保持できるため、非自立物
品の設置作業等を安全、正確かつ迅速になし得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水上におけるクレ
ーン作業で使用される吊具に関し、詳細には、非自立物
品をフローテイングクレーンで静止した設置場所に降ろ
した後における横倒れや持上がりを抑制し、安全かつ正
確に非自立物品の設置作業を行うためのフローテイング
クレーン用伸縮吊具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、海や湖等での水上作業等におい
て、重量物等の物品を運搬設置するために作業船に搭載
されたクレーンすなわちフローテイングクレーン(以
下、単にクレーンと称する)が使用されている。クレー
ンによる物品の運搬設置作業は、物品をクレーンのフツ
クで吊下げて行なわれるが、物品を吊下げるためにチエ
イン、ロープ、ワイヤー、帯体等の可撓性長尺材(以
下、玉掛ロープと称する)が一般に採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、クレーン作
業において、型枠や鉄板等の平板状体、型鋼や鉄柱等の
柱状体等の全体寸法に対して底面積が小さいこと等によ
り直立安定性が低く倒れ易い物品(以下、非自立物品と
称する)を運搬設置することがしばしばである。ところ
が、非自立物品を設置する際、静止した設置場所に降ろ
した後から設置作業が終了するまでクレーンで吊下げて
保持するが、その間にクレーンが波により上下動するた
め、玉掛ロープが緩んで非自立物品を直立保持する力が
低下し、又は玉掛ロープを引上げ過ぎて非自立物品を設
置位置から持上げる傾向がある。その結果、非自立物品
が横倒れしたり設置位置からずれ、設置作業を安全かつ
正確に行うことが難しいという問題点がある。
【0004】例えば、海に防波堤を築く工事における型
枠の据付作業において説明する。型枠は、長さ及び高さ
が数メートル、幅が10センチ前後の平板状で、重量が
数100キロから1トンを超える重量物であることが通
常である。この型枠の据付作業は、型枠をケーソン、ブ
ロツク等の基礎から突出して設けられた支保工材上に垂
直に据付ける作業で、クレーンのフツクに例えば2本の
玉掛ロープで型枠を吊下げて運搬し、フツクを下げて
保工材上(静止した設置場所)に降ろす。そして、型枠
に取付けられた引張具を作業者がつかんで基礎上の鉄筋
に固定連結し、型枠を支保工材上に垂直に設置する。と
ころが、この固定作業中、フツクが波により上下動し、
下降する場合には玉掛ロープが緩み、上昇する場合には
玉掛ロープが過剰に引き上げられる。そのため、型枠の
保持力が低下して横倒れしたり、型枠が持上げられて所
定位置からずれる。通常、熟練者がこれらの作業を行
い、型枠の横倒れや持上げに対応して要領良く引張具の
操作がされているが、それでも多大の作業時間を要し、
また危険を伴う作業になつている。
【0005】そこで、種々検討した結果、フツクの波に
よる上下動の影響を非自立物品に与えないように静止し
た設置場所に保持するためには、上下動を吸収する伸縮
機構を備えた伸縮吊具で玉掛ロープをフツクに取付ける
ことが考えられる。ところが、上下動を吸収するのみで
はなく、横倒れせずしかも持上げないように静止状態に
非自立物品を保持し得ることが要求されるため、実用的
なものは未だ開発されていない状況である。
【0006】本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされ
たもので、その課題は、静止した設置場所への非自立物
品の設置時における横倒れや持上がりを抑制して静止状
態に保持し、安全かつ正確に非自立物品の設置作業を行
い得るクレーン用伸縮吊具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明では、定格荷重時たわみ量から設定された波
高(使用条件としての波の低位と高位との変位差)に対
応するフツク設定変位量相当を減じたたわみ量において
非自立物品を直立状態に保持可能な弾性力を発生するよ
うに定格荷重時たわみ量及びばね定数が設定されるとと
もに、定格荷重時たわみ量の取付長に対する割合が定格
荷重時圧縮長よりも大きく設定されたばねを使用して伸
縮吊具を構成し、波高の水準時に非自立物品を静止した
設置場所に降ろし、その直後にフツクを波による上下変
位量の2分の1相当又はフツク設定変位量の2分の1相
当の範囲で下降し、この状態で非自立物品を保持するす
ることにより、玉掛ロープの緩みを防止して非自立物品
を直立状態に保持し、また非自立物品を持上げないよう
に保持するようになつている。
【0008】すなわち、本発明は、クレーンのフツクと
玉掛ロープ間に配置され、玉掛ロープで吊下げられた非
自立物品を静止した設置場所に降ろした後における波に
よるフツクの上下変動を吸収し、非自立物品を横倒れさ
せずしかも静止した設置場所から持上げないように静止
状態に保持するクレーン用伸縮吊具であつて、互いに接
近離間可能に対向配置された下部ばね座及び上部ばね座
と、各ばね座間に配置され、定格荷重時たわみ量からフ
ツク設定変位量相当を減じたたわみ量において非自立物
品を直立状態に保持可能な弾性力を発生するように定格
荷重時たわみ量及びばね定数が設定されるとともに、定
格荷重時たわみ量の取付長に対する割合が定格荷重時圧
縮長よりも大きく設定されたばねと、各ばね座のそれぞ
れにいずれか一方が連結され、各ばね座の中心線上に設
けられた玉掛ロープ側係止部及びフツク側係止部と、ば
ねが定格荷重時たわみ量以上に圧縮されないように各ば
ね座間の間隔を規制するばね座規制部材とを備えてな
り、波高の水準時に非自立物品を静止した設置場所に降
ろし、その直後にフツクを波による上下変位量の2分の
1相当又はフツク設定変位量の2分の1相当の範囲で下
降し、この状態で非自立物品を静止した設置場所に保持
するようになつている。なお、ばねは、圧縮ばね又は引
張ばねのいずれであつてもよく、複数本が同心状又は下
部ばね座の中心から等距離に配置されていてもよい。
【0009】ばねが圧縮ばねである場合には、圧縮ばね
が各ばね座間に予圧縮状態で挟持され、吊ロツドが下部
ばね座の下部側に突出するように下部ばね座に貫通して
移動可能に設けられるとともに、上部ばね座を下部ばね
座側に引き寄せるように上部ばね座に連結され、玉掛ロ
ープ側係止部が吊ロツドの下端側に設けられ、ばね座規
制部材が吊ロツドを案内挿通可能に下部ばね座に垂直に
立設され、筒状の吊具本体が上部ばね座、圧縮ばね及び
吊ロツドを収納するように下部ばね座に取付けられ、フ
ツク側係止部が吊具本体に設けられてなるものでもよ
い。なお、吊ロツドは、複数本が下部ばね座の中心線に
平行に設けられ、各下端側が一体に連結されていてもよ
い。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に基づい
て説明する。図1〜4は、本発明の実施の形態の構造を
説明する図で、図5〜8は本実施の形態の使用状態を説
明する図である。図1において、1はクレーン用伸縮吊
具、2は下部ばね座、3は上部ばね座、4は第1圧縮ば
ね、5は第2圧縮ばねである。各圧縮ばね4、5は、ク
ローズエンドタイプの圧縮コイルばねで、動作時に互い
に絡まないように巻方向が互いに逆になつており、図2
にも示すように各ばね座2、3間に同心状に配置され、
吊ロツド6で予圧縮状態に挟持されている。吊ロツド6
は、下端側に玉掛ロープ31を取付ける第1取付穴7を
有する玉掛ロープ側係止部8が固定され、上端側にねじ
(図示せず)が刻設された丸棒状体からなつている。こ
の吊ロツド6を各圧縮ばね座2、3の中心を貫通して移
動自在に装着し、上端側のねじ(図示せず)にナツト9
を係合し、このナツト9を締付けることにより各圧縮ば
ね4、5を予圧縮状態に設定している。すなわち、玉掛
ロープ側係止部8の上端面が下部ばね座2の下面に当接
し、ナツト9の下面が上部ばね座3の上面に当接してお
り、ナツト9を締付けることにより各ばね座2、3が接
近し、各圧縮ばね4、5を収縮させて予圧縮状態に設定
することになる。この収縮によるたわみは僅かである
が、圧縮状態からの復帰時における各ばね4、5の反動
を吸収し、各圧縮ばね4、5の損傷を防止することにな
る。各圧縮ばね4、5が各ばね座2、3及び吊ロツド6
と一体に組み付けられており、下部ばね座2を固定し、
吊ロツド6を下部ばね座2側に移動することにより、上
部ばね座3が下部ばね座2側に引き寄せられ、各圧縮ば
ね4、5を収縮させることになる。なお、10は、吊ロ
ツド6の上限規制部材で、図3及び図4に示すように吊
ロツド6の下端側に放射状に取付けられ、各圧縮ばね
4、5を予圧縮状態に保持し、しかも吊ロツド6の復帰
時における玉掛ロープ側係止部8の上端面と下部ばね座
2の下面との当接を補強するようになつている。
【0011】11は、吊ロツド6の案内を兼ねるばね座
規制部材で、下端が下部ばね座2の中心回りに垂直に取
付けられた管状体からなる規制部材支持部12と、この
規制部材支持部12の上端に各ばね座2、3と平行に取
付けられた円盤状体からなる規制部材本体13とからな
り、規制部材支持部12と規制部材本体13とは図2に
も示すように各ばね座2、3、各圧縮ばね4、5及び吊
ロツド6等と同心状に配置されている。ばね座規制部材
11は、吊ロツド6に定格荷重が与えられた時に上部ば
ね座3が下部ばね座2側に引き寄せられて各圧縮ばね
4、5を収縮させるが、その時における上部ばね座3の
下面に当接するように規制部材本体13の上面位置が設
定されている。そして、定格荷重以上が与えられた時に
は、上部ばね座3が図1に二点鎖線で示すように規制部
材本体13に当接して停止し、各圧縮ばね4、5に定格
荷重以上が作用しないようになつている。
【0012】14は、円筒状体からなる吊具本体であ
る。この吊具本体14内に上部ばね座3、各圧縮ばね
4、5、吊ロツド6を同心状に収納し、下端側フランジ
15に下部ばね座2をボルトで着脱可能に取付け、上端
側フランジ16に上部を閉じる蓋体17をボルトで着脱
可能に取付けることにより、伸縮吊具1が組み立てられ
ている。蓋体17の上部には、フツク30に取付ける第
2取付穴18を有するフツク側係止部19が設けられて
いる。20は、無荷重時における上部ばね座3付近を目
視する位置の2個所に設けられた第1検査窓、21はば
ね座規制部材11付近を目視する位置の2個所に設けら
れた第2検査窓である。各検査窓20、21には、透明
な蓋が着脱可能に取付けられている。なお、下部ばね座
2及び蓋体17は、吊具本体14に溶接で取付けられて
いてもよい。
【0013】ところで、各圧縮ばね4、5の特性は、自
由長及びばね定数が同一に設定され、同心状に並列配置
されていることから、全体としてのばね定数Kが両者
4、5のばね定数の和であり、たわみが荷重に比例する
ようになつている。定格荷重時たわみ量Zとばね定数K
とは、図1及び図8に示すように、定格荷重時たわみ量
Zからフツク設定変位量R相当を減じたたわみ量Sにお
いて非自立物品32を直立状態に保持可能な弾性力を発
生するように設定されている。例えば、図1において、
下部ばね座2と実線で示す上部ばね座3との間隔が各圧
縮ばね4、5の取付長Xで、予圧縮状態で取付けられて
いるため自由長より幾分短くなつている。二点鎖線で示
す上部ばね座3Dと下部ばね座2との間隔が定格荷重時
圧縮長Yで、実線で示す上部ばね座3との間隔が定格荷
重時たわみ量Zである。この定格荷重時たわみ量Zは、
定格荷重時圧縮長Yよりもかなり大きく、取付長Xいい
かえれば自由長に対する割合が定格荷重時圧縮長Yより
も大きく設定されている。図8におい、実線で示す上部
ばね座3とばね座規制部材11に当接した位置に二点鎖
線で示す上部ばね座3Dとの間隔がフツク設定変位量R
に相当し、上方に二点鎖線で示す上部ばね座3Eとの間
隔がフツク設定変位量R相当フツク30が下降した時の
たわみ量Sである。このたわみ量Sとばね定数Kとの積
がこの状態で発生する弾性力で、この弾性力により玉掛
ロープ31を緩ませず緊張保持し、非自立物品32を保
持することになる。また、以上のように定格荷重時たわ
み量Zが定格荷重時圧縮長Yよりも大きく、すなわち取
付長(又は自由長)Xに対する割合が定格荷重時圧縮長
Yよりも大きく設定されているため、フツク設定変位量
Rを十分確保することができる。これにより、波が設定
高さにおける高位から低位となつた時にフツク30がフ
ツク設定変位量R相当下降するが、各圧縮ばね4、5が
前記たわみ量Sの圧縮状態にあるため、非自立物品32
が横倒れしない程度の弾性力を発生し、直立状態に保持
し得る。
【0014】本実施の形態は、以上のように構成されて
おり、その作用を使用方法とともに次に説明する。伸縮
吊具1の定格荷重の2倍の重量の型枠32を静止した設
置場所である支保工材P上に設置する据付作業において
は、図5に示すように、型枠32の上部の2個の吊環3
3にそれぞれ玉掛ロープ31の一端を取付け、各玉掛ロ
ープ31の他端をそれぞれ伸縮吊具1の玉掛ロープ側係
止部8に取付け、各伸縮吊具1のフツク側係止部19を
2点吊バー34の各シヤツクル35に取付け、各伸縮吊
具1を2点吊バー34に対して回転自在に連結する。そ
して、2点吊バー34の吊環37をクレーンのフツク3
0に取付け、クレーンを作動し、フツク30を上昇させ
て型枠32を吊下げ、支保工材P上に運搬する。運搬
後、支保工材Pの設置位置に合わせながらフツク30を
下降し、波が水準高さになつた時に型枠32を図5に示
すように設置位置に降ろす。この間、各伸縮吊具1は、
図1又は図6に示すように、上部ばね座3が規制部材本
体13に当接した状態にある。すなわち、各伸縮吊具1
の吊ロツド6には、型枠32の重量の二分の一の荷重、
すなわち各圧縮ばね4、5の定格荷重が懸かつており、
吊ロツド6及び上部ばね座3が各圧縮ばね4、5を押圧
しながら下降し、各圧縮ばね4、5を定格荷重時圧縮長
Yに収縮する。これにより、型枠32を支保工材P上に
静止状態で保持することになる。
【0015】次に、型枠32を支保工材P上の設置位置
に降ろすとほぼ同時に、フツク30を設定変位量Rの二
分の一相当下げる。これにより、各伸縮吊具1が図6の
状態から図7の状態となるが、型枠32を支保工材P上
に静止状態に保持している。すなわち、フツク30をフ
ツク設定変位量Rの二分の一相当下げることにより、フ
ツク30と型枠32との間隔がそれだけ小さくなり、各
圧縮ばね4、5の復帰力により各吊具本体14を同一量
押し下げることになる。その際、上部ばね座3及び吊ロ
ツド6が静止状態にあり、各圧縮ばね4、5により各玉
掛ロープ31に定格荷重時たわみ量Zからフツク設定変
位量Rの二分の一を差引いたたわみ量とばね定数Kの積
に相当する弾性力が作用し、型枠32を直立状態に保持
することになる。図7の状態すなわち仮据付けした状態
で型枠32に取付けられた引張具(図示せず)を作業者
がつかみ、支保工材Pを取付けた基礎(図示せず)の鉄
筋(図示せず)に固定し、型枠32の据付けを行う。
【0016】ところで、引張具(図示せず)を鉄筋(図
示せず)に固定する間、クレーンが波により上下動し、
フツク30が例えばフツク設定変位量R相当上下動す
る。これにより、各伸縮吊具1は、吊具本体14がフツ
ク30とともに上下動するが、吊ロツド6は静止状態に
あり、玉掛ロープ31を所定の力以上で緊張し、型枠3
2を静止状態で保持している。すなわち、波が高位に
る時は、フツク30の上昇により吊具本体14が図7の
状態からフツク設定変位量Rの二分の一相当上昇し、ば
ね座規制部材11が上部ばね座3に当接した図6の状態
になる。図6について説明したように、各圧縮ばね4、
5による弾性力が型枠32による定格荷重と等しく、し
かも吊ロツド6が上昇せず静止状態にあることから、
枠32を支保工材P上から浮き上がらせることなく、設
置位置に静止状態で保持することになる。一方、波が低
になる時は、図8に示すように、フツク30の下降に
より吊具本体14が下降し、上部ばね座3とばね座規制
部材11との間隔がフツク設定変位量Rになる。吊ロツ
ド6には、前記たわみ量Sとばね定数Kとの積の弾性力
が作用しており、この弾性力により型枠32を横倒れし
ないように保持することになる。以上のように、引張具
(図示せず)による型枠32の固定作業中においては、
吊具本体14が波の上下動に応じて図6の状態と図8の
状態との範囲において上下動するが、吊ロツド6は静止
状態に保持される。また、前記たわみ量Sとばね定数K
の積の弾性力以上かつ定格荷重以下で吊ロツド6を上方
に付勢して静止状態に保持している。これにより、玉掛
ロープ31を緩ませずしかも大きな吊上げ力で保持し、
吊ロツド6を静止状態に保持することができ、型枠32
を横倒れや浮き上がらせることなく静止状態で保持し得
る。従つて、型枠32を支保工材P上に設置した後には
型枠32が静止状態に維持されるため、型枠32の固定
作業を安全に正確にしかも迅速に行い得る。
【0017】本実施の形態では伸縮吊具1をコンパクト
化し得ることから2本の圧縮ばね4、5が採用されてい
るが、これらの圧縮ばね4、5に代えて圧縮コイルばね
を1本採用したものであつてもよく、図1に示すと同様
の構造になつていることから図を省略する。これの具体
例について次に説明する。定格荷重500キロ、フツク
設定変位量450mmに対応する伸縮吊具1を得るため
に、線径16mmのばね鋼を平均径184mmで23回
巻き、自由長1500mmに成形された圧縮ばねを使用
し、取付長Xが1450mmとなるように予圧縮して取
付けた。その結果、定格荷重時圧縮長Yが600mm、
定格荷重時たわみ量Zが850mmに設定された。そし
て、実際に1トンの型枠32を2点吊りして実験したと
ころ、定格荷重時たわみ量Zの850mmからフツク設
定変位量R相当の450mmを減じたたわみ量Sが40
0mmにおいて、250キロ前後の弾性力が生じ、型枠
32を横倒れすることなく直立状態に保持することがで
きた。また、型枠32を図5に示すと同様に静止した設
置場所である支保工材P上に設置するとほぼ同時に、図
7に示すようにフツク30をフツク設定変位量R相当の
二分の一すなわち450mmの二分の一フツク30を降
ろした。この状態で型枠32の固定作業を行つた結果、
型枠32を波が高位になつた時に浮き上がらせることが
なく、波が低位になつた時に横倒れさせることがなく
直立状態に保持することができた。
【0018】なお、本実施の形態において、上部ばね座
3は吊具本体の内面で案内され、円滑に上下動するよう
になつているが、上部ばね座3の外周に筒状の案内部が
形成されていることが好ましい。これにより、上部ばね
座3の上下動をより円滑化し、騒音、振動等を抑制し得
る。各圧縮ばね4、5は、ばね定数が異なつていてもよ
い。使用方法については、図6の状態から実際の波高に
対応してフツク30を下げて保持してもよく、実際の波
高がフツク設定変位量R以下であれば型枠32を同様に
静止状態に保持し得る。型枠32が定格荷重以下である
場合には、伸縮吊具を1個使用し、玉掛ロープ側係止部
8に2本の玉掛ロープ31を取付け、フツク側係止部1
9を直接又は間接にフツク30に取付けてもよい。型枠
32が定格荷重の2倍以上である場合には、その重量に
応じて3個以上の伸縮吊具1を並列に配置して使用すれ
ばよい。また、実際の波高がフツク設定変位量R以上で
ある場合には、複数の伸縮吊具1を直列に配置して使用
すればよい。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、伸縮吊具が定格荷重時
たわみ量からフツク設定変位量相当を減じたたわみ量に
おいても非自立物品を直立状態に保持可能な弾性力を発
生するように定格荷重時たわみ量及びばね定数が設定さ
れたばねを採用したものであることから、波の上下動を
伸縮吊具で吸収するとともに、常時玉掛ロープを緊張し
て非自立物品を直立状態に保持することができるため、
非自立物品を静止した設置場所に静止状態で保持するこ
とができる。これにより、例えば水上における型枠の据
付作業において、従来のように型枠の横倒れや浮き上が
りに合わせて引張具をつかみ、型枠の位置合わせをしな
がら引張具で固定する等の熟練を必要とせず、安全に正
確にしかも短時間で作業することが可能になつた。定格
荷重時たわみ量の取付長(又は自由長)に対する割合が
定格荷重時圧縮長よりも大きく設定されたばねを採用し
ているため、フツク設定変位量を大きく設定し得る。ま
た、圧縮ばねを採用することにより、構造がコンパクト
で、作動が確実で、大荷重に対応し得る、耐久性の高い
伸縮吊具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のクレーン用伸縮吊具の縦
断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1に示すクレーン用伸縮吊具における吊ロツ
ドの下端側の拡大図である。
【図4】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図5】図1に示すクレーン用伸縮吊具の使用方法の説
明図で、型枠をクレーンで吊下げて静止した設置場所
ある支保工材上に降ろした時の状態を概念的に示す。
【図6】図5に示す各伸縮吊具の状態を概念的に示す縦
断面図で、波高が高位にある場合をも示す。
【図7】図5に示す状態からフツク設定変位量の二分の
一相当フツクを下げた時の各伸縮吊具の状態を概念的に
示す縦断面図で、波高が水準にある場合をも示す。
【図8】図5に示す状態からフツク設定変位量相当フツ
クを下げた時の各伸縮吊具の状態を概念的に示す説明図
で、波高が低位にある場合をも示す。
【符号の説明】
1 フローテイングクレーン用伸縮吊具(クレーン用伸
縮吊具) 2 下部ばね座 3 上部ばね座 4 第1圧縮ばね 5 第2圧縮ば
ね 6 吊ロツド 8 玉掛ロツド
側係止部 9 ナツト 11 ばね座規制
部材 12 規制部材支持部材 13 規制部材
本体 14 吊具本体 19 フツク側
係止部 20 第1検査窓 21 第2検査
窓 30 フローテイングクレーン(クレーン)のフツク 31 玉掛ロープ 32 型枠 34 2点吊バー P 支保工材 R 各圧縮ばね4、5のフツク設定変位量 S 各圧縮ばね4、5の定格荷重時たわみ量Zからフツ
ク設定変位量R相当を減じたたわみ量 X 各圧縮ばね4、5の取付長 Y 各圧縮ばね4、5の定格荷重時圧縮長 Z 各圧縮ばね4、5の定格荷重時たわみ量

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フローテイングクレーンのフツク(3
    0)と玉掛ロープ(31)間に配置され、玉掛ロープ
    (31)で吊下げられた非自立物品(32)を静止した
    設置場所(P)に降ろした後における波によるフツク
    (30)の上下変動を吸収し、非自立物品(32)を横
    倒れさせずしかも静止した設置場所(P)から持上げな
    いように静止状態に保持するフローテイングクレーン用
    伸縮吊具(1)であつて、互いに接近離間可能に対向配
    置された下部ばね座(2)及び上部ばね座(3)と、各
    ばね座(2、3)間に配置され、定格荷重時たわみ量
    (Z)からフツク設定変位量(R)相当を減じたたわみ
    量(S)においても非自立物品(32)を直立状態に保
    持可能な弾性力を発生するように定格荷重時たわみ量
    (Z)及びばね定数が設定されるとともに、定格荷重時
    たわみ量(Z)の取付長(X)に対する割合が定格荷重
    時圧縮長(Y)よりも大きく設定されたばね(4、5)
    と、各ばね座(2、3)のそれぞれにいずれか一方が連
    結され、各ばね座(2、3)の中心線上に設けられた玉
    掛ロープ側係止部(8)及びフツク側係止部(19)
    と、ばね(4、5)が定格荷重時たわみ量(Z)以上に
    圧縮されないように各ばね座(2、3)間の間隔を規制
    するばね座規制部材(11)とを備えてなり、波高の水
    準時に非自立物品(32)を静止した設置場所(P)に
    降ろし、その直後にフツク(32)を波による上下変位
    量の2分の1相当又はフツク設定変位量(R)の2分の
    1相当の範囲で下降し、この状態で非自立物品(32)
    を静止した設置場所(P)に保持するようになつている
    ことを特徴とするフローテイングクレーン用伸縮吊具。
  2. 【請求項2】 圧縮ばね(4、5)が各ばね座(2、
    3)間に予圧縮状態で挟持され、吊ロツド(6)が下部
    ばね座(2)の下部側に突出するように下部ばね座
    (2)に貫通し移動可能に設けられるとともに、上部ば
    ね座(3)を下部ばね座(2)側に引き寄せるように上
    部ばね座(3)に連結され、玉掛ロープ係止部(8)が
    吊ロツド(6)の下端側に設けられ、ばね座規制部材
    (11)が吊ロツド(6)を案内挿通可能に下部ばね座
    (2)に垂直に立設され、筒状の吊具本体(14)が上
    部ばね座(3)、圧縮ばね(4、5)及び吊ロツド
    (6)を収納するように下部ばね座(2)に取付けら
    れ、フツク側係止部(19)が吊具本体(14)に設け
    られている請求項1記載のフローテイングクレーン用伸
    縮吊具。
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