JP3268340B2 - 水性ガラスエナメル組成物 - Google Patents
水性ガラスエナメル組成物Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C8/00—Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
- C03C8/14—Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions
- C03C8/16—Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions with vehicle or suspending agents, e.g. slip
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Description
ラベル形成、ガラスタンブラーの装飾等を始めとして、
自動車ウインドガラスやその他各種の産業用、建築用ガ
ラスにガラスエナメルをスクリーンプリントやスプレー
塗装する際に、之等の作業性をより安全且つ容易なもの
とする新しい改良されたガラスエナメル組成物に関す
る。
ル形成、タンブラーの装飾、自動車ウインドガラス等に
用いられるガラスエナメルは、非水溶性オイル組成とさ
れて実用されている。即ち、之等のガラスエナメルは、
一般に低融点ガラス粉末に必要に応じて無機顔料その他
の無機フィラーを混合した粉末を、パインオイル、α−
ターピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビト
ールアセテート等の溶剤にエチルセルロース、アクリル
樹脂、各種ロジン樹脂等を溶解させたオイルで練り上げ
た後、ガラス基材にスクリーンプリントやスプレー塗装
され、次いで焼付け施工されてきている。
クリーンやスプレーその他の器具に残るエナメルの洗い
流し、拭きとりや、作業者の手指、手袋に付着するエナ
メルの拭きとり等が必要となり、またミスプリントやミ
ス塗装等の際にはガラス基材からのエナメルの除去作業
も必要となり、従来之等エナメルの洗い流しや拭きとり
作業等には、アセトン、トリクレン、1,1,1−トリ
クロロエタン等や石油系炭化水素溶剤が使用されてい
る。しかしながら、之等の有機溶剤の利用は、それ自
体、労働安全作業上、消防上、地球環境汚染上等におい
て有害であり、また之等の有機溶媒を大量に使用するこ
とは経済的にも、資源的にもかなりの不利が伴われる欠
点につながる。
オイル成分を水系とすること、即ち上記パインオイル等
の水不溶性有機溶剤を使用しないことにより解決できる
が、従来のこの種ガラスエナメル組成物における上記水
不溶性有機溶剤の利用は、該組成物自体に要求される諸
特性、例えばその長期安定性、固形物粉体の分散性、ス
クリーンプリント性、乾燥性、スプレー塗装時の乾燥
性、更にはプリントや塗装表面の平滑性、乾燥後の塗膜
強度、焼成時の熱分解揮散性等を考慮して、長年の経
験、熟練、努力の結果、選択されたものであり、該水不
溶性有機溶剤を他の溶剤、殊に水溶性溶剤乃至水に代替
すれば、当然に上記ガラスエナメルに要求される性能が
満足できないものとなると考えられる。
メル組成物の有している諸特性を低下させることなく、
しかも上記ガラスエナメルの塗装乃至プリント作業時の
エナメルの拭きとり作業等に伴われる有機溶剤利用によ
る弊害を回避し得る新しい水性ガラスエナメル組成物を
提供する点にある。
た結果、特定の水溶性有機溶剤又はこれと水との混合溶
剤に特定の水溶性樹脂の所定量を溶解させた水溶性オイ
ルを用いる時には、上記目的に合致する水性ガラスエナ
メル組成物が提供されることを見出し、ここに本発明を
完成するに至った。
50℃以上である水溶性有機溶剤又はこれと水との混合
溶剤に500℃以下で炭化することなく熱分解する水溶
性樹脂の1〜20重量%を溶解してなる水溶性オイル
(以下A成分という)と、必要に応じて無機顔料及び/
又はフィラーを混合した低融点ガラス粉末(以下B成分
という)とを、B成分/A成分が0.5〜7の重量比で
混合したことを特徴とする水性ガラスエナメル組成物に
係わる。
性であることに基づいて、スクリーンプリントや塗装工
程でのエナメルの洗い流し、拭きとり等の作業を水にて
容易且つ充分に行ない得、従って従来の水不溶性有機溶
剤を用いたこの種組成物に見られる労働安全作業上、消
防上、地球環境汚染上等における弊害や経済的、資源的
不利はない。しかも非常に重要なことに、本発明組成物
は、上記水性であるにも係わらず、従来の水不溶性有機
溶剤を用いたこの種組成物に匹敵するかもしくはこれを
も凌ぐ優れたガラスエナメルとしての特性を具備してい
る。即ち、該組成物は長期安定性、固形物粉体の分散
性、スクリーンプリント性、乾燥性、スプレー塗装時の
乾燥性等に優れると共に、これを用いて得られるプリン
トや塗装表面の平滑性、乾燥後の塗膜強度にも優れてお
り、更に焼成時には該塗膜から(A)成分が容易に熱分
解して揮散し、炭化等によってガラスエナメルの特性を
損なう心配も皆無である。
詳述すれば、これは上記特定のA成分とB成分との所定
割合での利用を必須とする。ここでB成分として用いら
れる必要に応じて無機顔料及び/又はフィラーを混合し
た低融点ガラス粉末としては、従来よりこの種組成物に
汎用されている各種の低融点ガラス粉末のいずれをも利
用することができ、これに必要により混合される無機顔
料及びフィラーとしても、従来公知の各種のもののいず
れをも利用することができる。
は、沸点が150℃以上である水溶性有機溶剤又はこれ
と水との混合溶剤に500℃以下で炭化することなく熱
分解する水溶性樹脂の1〜20重量%を溶解してなる水
溶性オイルであることが重要である。該A成分を構成す
る沸点が150℃以上である水溶性有機溶剤としては、
例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ブチレングリコール1,4、ブチレングリコール
2,3、2−メチル−2,4−ペンタゾール、グリセリ
ン、フルフリルアルコール等を例示できる。之等の利用
によれば、いずれもスクリーンプリント時、長時間に亘
ってスクリーン上での乾きがなく、従ってスクリーンの
目詰まりを惹起せず、容易にプリント可能な組成物を提
供できる。また上記有機溶剤は、B成分とする低融点ガ
ラス粉末との混練時、ガラス表面よりアルカリイオンを
溶出させて、ガラスの変質、凝集沈殿、焼成時の発泡、
炭化等の原因となるおそれもない。しかるに、水は単独
で用いる場合、上記有機溶剤とは異なって、上記スクリ
ーンプリント時の乾きが早すぎ、更に低融点ガラス粉末
に悪影響を与えるおそれがあるが、上記特定の有機溶剤
との併用によって塗膜の乾燥性を調節することができ、
特にスプレー塗装等を行なうエナメル組成物の場合には
有効である。但し、この場合、あまりに併用量が多すぎ
るとガラス粉末に悪影響を与えるため、その併用量は通
常混合溶剤の20重量%まで程度とするのが好ましい。
上記特定の有機溶剤の内でも、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル等は、得られるガ
ラスエナメルの塗工後焼成の際の予備乾燥性、後述する
樹脂の溶解性等の面より、特に好適である。また、トリ
エチレングリコールやグリセリン等と水との混合溶剤も
好適に利用できる。上記有機溶剤はまた之等の2種以上
を併用することも勿論可能である。
0℃以下で炭化することなく熱分解する水溶性樹脂の1
〜20重量%を溶解して調整される。ここで利用できる
上記水溶性樹脂としては、例えば水溶性アクリル樹脂、
水溶性ウレタン樹脂、水溶性ナイロン、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース等を例示でき
る。之等の内で、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプ
ロピルセルロース等は、プリント性、熱分解性、炭化性
等の面で特に好適である。之等の樹脂は、その1種を単
独で用いることもでき、また2種以上を併用することも
できる。
は、上記範囲、特に好ましくは約3〜12重量%の範囲
から選択される。該範囲を下回る場合、即ち1重量%を
下回る場合予備乾燥時の膜強度が弱くなる傾向があり、
またプリント性も悪くなる。逆に上記範囲を上回る場
合、即ち20重量%を越えると、A成分とするオイル自
体が高粘度となり、プリント可能な粘度のガラスペース
トに調製する際に固形分量を少なくしなければならず、
それ故焼成時の膜厚が小さくなりすぎて焼成ガラスエナ
メルの隠蔽性が低下する傾向にある。
分とB成分とを、B成分/A成分が0.5〜7の重量比
で混合練り上げて調製される。この配合比が上記範囲を
外れ0.5よりあまりに小さくなる場合は、塗膜が薄膜
となり、その焼成後に所期の膜特性、隠蔽性、表面光沢
性、色調等が得られ難くなる傾向がある。逆に7を越え
てあまりに大きくなると水溶性オイル(A成分)と固形
分(B成分)とを混合して所望の均一なペースト状乃至
塗料状混合物を得ることが困難となり好ましくない。
成物を調製できる。該組成物は、常法に従いこれを基材
とするガラス表面にスクリーンプリントやスプレー塗装
され、次いで焼付け施工され、例えばガラスボトルのラ
ベル形成、ガラスタンブラーの装飾等を始めとして、自
動車ウインドガラスやその他各種の産業用、建築用ガラ
スに適用される。
材ガラスへの塗装作業工程におけるスクリーンやスプレ
ーその他の器具、作業者の手指、手袋等の洗浄やミスプ
リント、ミス塗装等の除去作業を、水洗により容易且つ
充分に行ない得、従って、労働安全作業上、消防上、地
球環境汚染上等において安全且つ無害であり、経済的、
資源的不利はなく、しかも、エナメル組成物に要求され
る諸特性、例えば長期安定性、固形物粉体の分散性、ス
クリーンプリント性、乾燥性、スプレー塗装時の乾燥性
を満足し、しかもプリントや塗装表面の平滑性、乾燥後
の塗膜強度、焼成時の熱分解揮散性等も優れたものであ
る。
例を挙げる。
PbO43重量%、ZrO2 6重量%、TiO2 2重量
%、Li2 O3重量%及びNa2 O2重量%の組成を有
する低融点ガラス粉末75重量%と、銅・クロム系黒色
無機顔料25重量%とを混合して、固形分粉末(本発明
B成分)を得た。この粉末はガラス基材に対して630
℃以上の温度で焼付く。
剤としてプロピレングリコールを、また500℃以下で
炭化することなく熱分解する水溶性樹脂としてヒドロキ
シプロピルセルロース(HPC、日本ソーダ社製、HP
C−L)及びポリビニルピロリドン(PVP、石津製薬
社製、PVPK90)を用い、上記有機溶剤に上記樹脂
のそれぞれ所定量を溶解させて、水溶性オイル(本発明
A成分)を調製した。
上記A成分オイル20重量部とを混練し、ペースト化し
て、本発明のガラスエナメル組成物を調製した。
分)に代えて、パインオイル90重量%、エチルセルロ
ース7重量%、白菊ロジン2重量%及びポリブチルメタ
クリレート1重量%からなる一般的な油性オイルを用い
て同様にして、ペースト状ガラスエナメル組成物を調製
した。
スクリーンプリント(但し各ペーストはすべて同一オイ
ルで25℃、250ポイズまで希釈して用いた)、次い
で焼付け、之等の各工程での性能につき、スクリーン
上でのスキージーラバーのすべり、ペーストのスクリ
ーン抜け、スクリーン上での広がり、予備乾燥時の
塗膜強度及び焼成後の膜の隠蔽性を調べた。
油性オイルを利用したペーストにおける同一試験結果を
基準(評価:5)として、各ペーストの試験結果を10
段階評価した。従って、供試ペーストが対照とするペー
ストより良好な場合は5を越える評価が与えられ、逆に
悪い場合は5を下回る評価となる。尚、予備乾燥性につ
いては、対照とするペーストの結果を最も良好なものと
して評価:5を与え、これより速乾性の場合は5を越え
る評価とし、遅乾性の場合は5を下回る評価とした。該
評価が5を越える場合はスクリーン上での乾燥により目
詰まりを起こす場合があり、逆に評価が5を下回る場合
は予備乾燥時に余分のエネルギーを必要とする。
水溶性樹脂の種類毎て、下記表1(HPC使用の場合)
及び表2(PVP使用の場合)に示す。
物は、水性であり、その洗い流しや除去が水にて容易に
行ない得るものであることは勿論のこと、従来慣用され
ている油性ガラスエナメルの最も優れたもののひとつで
ある対照と比べてなんら遜色のない優れたガラスエナメ
ルとしての諸性能を発揮できるものであることが明らか
である。
及びPVP4重量%を溶解させて、水溶性オイル(本発
明A成分)を調製し、これを実施例1で用いたのと同一
のB成分粉末の所定量と混練しペースト化して、本発明
のガラスエナメル組成物を調製した。
施例1と同様にしてスクリーンプリントし、焼付けし、
之等各工程での性能を同様にして調べた。
用いて調製したペーストの利用によれば、実施例1にお
ける各評価項目ともすべて5のレベルであり、該組成物
がガラスエナメルに優れた性質を付与できることが明ら
かとなった。
A成分)を用いたガラスエナメル組成物100重量部に
対して、水15重量部を添加して、塗料タイプの本発明
ガラスエナメル組成物を調製した。このものはフォード
カップNo.4で24秒の粘度を有するものであった。
スに塗布した結果、タレ、はじき、オレンジピールは認
められず、表面状態の平滑な塗膜が得られた。
50℃)にて焼成、強化した結果、焼成後の塗膜は隠蔽
性のある(透過率1%以下)表面平滑な塗膜であった。
Claims (1)
- 【請求項1】 沸点が150℃以上である水溶性有機溶剤
又はこれと水との混合溶剤に500℃以下で炭化すること
なく熱分解する水溶性樹脂の1-20重量%を溶解してなる
水溶性オイル(A)と、無機顔料及び/又はフィラーを混
合するか又は混合しない低融点ガラス粉末(B)とを、B/A
が0.5-7の重量比で混合したことを特徴とする水溶性ガ
ラスエナメル組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02247193A JP3268340B2 (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 水性ガラスエナメル組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02247193A JP3268340B2 (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 水性ガラスエナメル組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06234549A JPH06234549A (ja) | 1994-08-23 |
JP3268340B2 true JP3268340B2 (ja) | 2002-03-25 |
Family
ID=12083629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02247193A Expired - Lifetime JP3268340B2 (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 水性ガラスエナメル組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3268340B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021215508A1 (ja) * | 2020-04-22 | 2021-10-28 | 三菱マテリアル株式会社 | 親水性塗料組成物、アルミニウム部材、アルミニウム板材、アルミニウムチューブ、および熱交換器 |
-
1993
- 1993-02-10 JP JP02247193A patent/JP3268340B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06234549A (ja) | 1994-08-23 |
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