JP3265158B2 - プローブ方法及びプローブシステム - Google Patents

プローブ方法及びプローブシステム

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JP3265158B2 JP21519195A JP21519195A JP3265158B2 JP 3265158 B2 JP3265158 B2 JP 3265158B2 JP 21519195 A JP21519195 A JP 21519195A JP 21519195 A JP21519195 A JP 21519195A JP 3265158 B2 JP3265158 B2 JP 3265158B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プローブ方法及び
プローブシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】ウエハ製造プロセスが終了してウエハ内
にIC(半導体集積回路)チップが完成した後、ウエハ
の状態でプローブテストと呼ばれるICチップの良否の
検査が行われる。この検査を行うプローブ装置の一例に
ついて図12を参照しながら説明すると、1はX、Y、
Z、θ方向に移動可能なウエハ載置台であり、この載置
台1の上方側には、ウエハ内のICチップの電極パッド
配列に対応して配列されたプローブ針11を備えたプロ
ーブカード12が配置されている。このプローブカード
12は、装置本体側に固定され、プローブカード12側
の電極はコンタクトリング13を通じて、装置本体に例
えば傾倒自在に設けられたテストヘッド14に電気的に
接続されている。
【0003】このようなプローブ装置では、載置台1を
X、Y、θ方向に移動させてウエハWとプローブ針11
との位置合わせを行った後、所定の高さ位置から載置台
1を上昇させて(Z方向に移動させて)電極パッドとプ
ローブ針11とを接触させ、テストヘッド14から所定
の検査信号を電極パッドを通じてチップに供給し、チッ
プが所定の電気的特性を有しているかを試験するように
している。
【0004】そしてウエハの最初のICチップを検査す
る前あるいは全部のICチップの検査終了後に特定の電
極パッドについてプローブ針の針跡をカメラで観察し、
アライメントミスがなかったか否か、つまりプローブ針
が電極パッドの所定領域に接触する(あるいはしてい
た)か否かを調べるようにしている。
【0005】ところでウエハの検査を行う前には、プロ
ーブ装置に対して、ウエハの種別、ウエハ上のICチッ
プのマップ(絶対座標上の配列イメージ)、ウエハ載置
台1の移動順序あるいは検査項目などの初期設定を行う
必要がある。この初期設定は、装置本体上のタッチパネ
ル15などの操作部により例えば画面上で行われ、設定
されたデータはメモリ16に格納される。そして制御部
17は、メモリ16内の初期設定データに基づいてウエ
ハ載置台1を制御し、ウエハW上のICチップの電極パ
ッドとプローブ針11とを接触させる一方、テストヘッ
ド14は、設定された検査項目に基づいて所定の検査信
号をICチップに供給し検査を行う。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら従来
のプローブ装置では、次のような問題がある。 (1)初期設定すべき項目は、ICチップに関する項目
だけをとってもチップの配列イメージ、予め検査対象外
とすべきチップの入力、開始ポイントなどかなりの数に
なるが、更にチップとプローブ針との接触時のオーバド
ライブ量などの項目も加わるため、全体では相当の量に
なる。このような設定操作をオペレータがプローブ装置
の前に立って行うことは頻わしいし、複数のプローブ装
置を用いてウエハの検査を行う場合には(これが一般的
である)、その台数分だけ設定作業が必要であるため、
オペレータの負担が大きい。 (2)プローブ装置の稼動中に消耗部品が消耗してしま
うと、例えばウエハ載置台を駆動するモータとプーリと
の間のベルトがプローブ装置の稼動中に切れると、ベル
ト交換のためにプローブ装置を停止しなければならずそ
の分スループットが低下してしまう。 (3)はじめのICチップの測定前あるいは全ICチッ
プの測定後に、電極パッドの針跡に基づいて電極パッド
とプローブ針との接触状態を調べる方法では、測定途中
で接触不良が起こった場合には、どのチップから接触不
良になったかが分からないため、そのウエハ全体のテス
トをやり直さなければならず、スループットが低下す
る。
【0007】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたものであり、第1の目的は、初期設定作業を容易に
することにある。第2の目的は、消耗部品の消耗を予知
し、装置の稼動中の故障を回避することにある。第3の
目的は、接触不良に基づく被検査部例えばICチップの
検査の無駄を低減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、被検
査基板上の被検査部の電気的特性をプローブカ−ドによ
り検査するプローブ方法において、共通化された初期設
定デ−タを複数のプロ−ブ装置に対して共通な記憶手段
に格納する工程と、前記記憶手段に格納された初期設定
デ−タを複数のプロ−ブ装置にロ−ドする工程と、前記
プローブ装置に用いられる消耗品の交換時を予知するた
めの共通化された予知プログラムを、共通な記憶手段か
ら複数のプロ−ブ装置に対してロ−ドする工程と、前記
プロ−ブカ−ドのプローブと被検査部の電極パッドとの
接触状態を診断するための共通化された診断プログラム
を、共通な記憶手段から複数のプローブ装置に対してロ
−ドする工程と、前記複数のプローブ装置の各々におい
て、ロ−ドされた初期設定デ−タに基づいて被検査基板
の被検査部の検査を行う工程と、前記プローブ装置の稼
動中に、前記予知プログラムに基づき消耗検出部を介し
て消耗品の交換時が近づいているか否かを監視する工程
と、前記被検査部の検査中に、前記診断プログラムに基
づいて前記プローブと電極パッドとの接触状態を診断す
る工程と、を含むことを特徴とする。請求項2の発明
は、被検査基板上の被検査部の電気的特性をプローブカ
−ドにより検査するプローブ方法において、共通化され
た初期設定デ−タを複数のプロ−ブ装置に対して共通な
記憶手段に格納する工程と、前記記憶手段に格納された
初期設定デ−タを複数のプロ−ブ装置にロ−ドする工程
と、前記プローブ装置に用いられる消耗品の交換時を予
知するための共通化された予知プログラムを、共通な記
憶手段から複数のプロ−ブ装置に対してロ−ドする工程
と、前記複数のプローブ装置の各々において、ロ−ドさ
れた初期設定デ−タに基づいて被検査基板の被検査部の
検査を行う工程と、前記プローブ装置の稼動中に、前記
予知プログラムに基づき消耗検出部を介して消耗品の交
換時が近づいているか否かを監視する工程と、を含むこ
とを特徴とする。予知プログラムは、例えばプローブ装
置に用いられるモータのベルトの消耗を検出するための
ものである。また予知プログラムは、例えば筐体の上面
に設けられる回転リングによりプローブカードを保持す
る場合、プローブカードの装着、取り外し時に回転リン
グを駆動するガススプリング機構の消耗を検出するため
のものである。更に本発明であるプローブシステムは、
被検査基板上の被検査部の電気的特性をプローブカ−ド
により検査する複数のプローブ装置と、これらプローブ
装置に対してデータをロードする共通のコンピュータ
と、このコンピュータに設けられ、共通化された初期設
定デ−タ、及び前記プローブ装置に用いられる消耗品の
交換時を予知するための共通化された予知プログラムを
格納するための記憶手段と、この記憶手段に格納された
共通化された初期設定デ−タ及び予知プログラムを複数
のプロ−ブ装置にロ−ドする手段と、前記複数のプロー
ブ装置の各々において、ロ−ドされた初期設定デ−タに
基づいて被検査基板の被検査部の検査を行う手段と、前
記プローブ装置に用いられる消耗品の消耗を検出する消
耗検出部と、前記プローブ装置の稼動中に、前記予知プ
ログラムに基づき前記消耗検出部を介して消耗品の交換
時が近づいているか否かを監視する手段と、を備えたこ
とを特徴とする。このシステムにおいて、前記記憶手段
には、前記プロ−ブカ−ドのプローブと被検査部の電極
パッドとの接触状態を診断するための共通化された診断
プログラムが格納され、更に前記記憶手段から前記診断
プログラムを複数のプローブ装置に対してロ−ドする手
段と、前記複数のプローブ装置の各々において、前記被
検査部の検査中に、前記診断プログラムに基づいて前記
プローブと電極パッドとの接触状態を診断する手段と、
を備えた構成としてもよい。
【0009】本発明では、複数のプローブ装置を例えば
ホストコンピュータに接続し、ホストコンピュータにて
初期設定を行ってそのデータを各プローブ装置にオンラ
インでロードするか、あるいは例えばパーソナルコンピ
ュータにより初期設定データを作成し、これをフロッピ
ーディスクに格納して各プローブ装置に対して共通なデ
ータとして使用する。従って初期設定を各プローブ装置
毎に行わなくてよいので、作業が容易になる。また消耗
品例えばモータのベルトなどの消耗の度合いを診断して
いるので、寿命が近いことを把握することで装置の休止
中に交換することができ、従って装置の稼動中に例えば
ベルト切れなどにより検査が中断するといったことを防
止できる。更にある被検査基板について被検査部の検査
中、つまり電極パッド及びプローブの最初の接触と最後
の接触との間において接触状態を診断するようにしてい
るため、途中の接触不良を見つけることができるので、
無駄な検査を減らすことができる。更にまた複数のプロ
ーブ装置を用いるにあたって、初期設定データ及び予知
プログラム並びに診断プログラムのロードが容易にな
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明方法を実施するた
めのプローブシステムの一例を示す図である。このシス
テムは、複数台のプローブ装置P(P1、P2、…P
n)をホストコンピュータ2に接続して構成される。ホ
ストコンピュータ2は、キーボード等の入力部21と
御部22とメモリ23と表示部20とを有している。
【0011】各プローブ装置Pは、プローブ装置本体3
とテスト手段4とネットワークインターフェイス24と
を備えている。先ずプローブ装置本体3の概略構造につ
いて図2を参照しながら説明すると、31は筐体であ
り、この筐体31の上には、オペレータが操作しまた初
期設定データなどを表示する操作部例えば液晶パネルよ
りなるタッチパネル32が設けられている。前記筐体3
1の中にはXYZステージ33が設けられており、この
XYZステージ33は、ボールネジ、ガイド機構、パル
スモータなどを含むX方向移動部34及びY方向移動部
35並びにZ方向移動部36により構成され、Z方向移
動部36の上部にはθ回転し、ウエハWを載置するため
の載置台37が設けられている。
【0012】前記移動部34、35、36について例え
ばX方向移動部34を代表して図3を参照しながら説明
すると、移動台51はボールネジ52と螺合し、このボ
ールネジ52の回動によりガイド53に沿ってX方向に
移動するように構成されている。このボールネジ52
は、パルスモータMによりベルト54及びプーリ54a
を介して回動されるようになっている。そしてこのベル
ト54に対向して、本実施例のシステムに用いるプロー
ブ装置の特徴部分の一つである、ベルトの消耗検出部5
5が設けられている。この消耗検出部55は、例えば押
圧ピン56がバネにより突出してベルト54を押圧し、
その突出量を電気信号として後述の制御部に出力するよ
うに構成されている。
【0013】前記筐体31の上面部にはプローブカード
固定用のインサートリングなどと呼ばれるリング体61
が設けられ、このリング体61の下部にプローブカード
62が水平に取り付けられている。プローブカード62
は、カード本体の下面にプローブである複数のプローブ
針63を下方斜めに延伸するように固定し、カード本体
の上面にプローブ針63に夫々電気的に接続された電極
が配列されて構成されており、各プローブ針63の各針
先を含む面は、載置台37の載置面と平行になるように
設定されている。また筐体31内のプローブカード62
の側方には、不良チップに対してインクによりマーキン
グを行うためのマーキング手段64が設けられている。
【0014】前記プローブカード62には、図4に示す
ようにプローブ針63に隣接して、ウエハW上の電極パ
ッドの針跡を観察するための光ファイバ65が取り付け
られている。この光ファイバ65は、プローブ針63と
電極パッドとが接触しているとき、この接触の例えば1
回前に接触した電極パッドについてその針跡を観察する
ように位置設定されると共に、光ファイバ65の基端部
は、針跡が電極パッドの所定領域内に位置しているか否
かを判定する、画像処理部を含む針跡判定部66に接続
されている。
【0015】次にプローブ装置本体の制御系について図
5を参照しながら説明すると、7はプロセッサなどから
なる制御部であり、この制御部7はバスライン71を介
して、前記タッチパネル32、前記ウエハ載置台37の
駆動モータM、前記マーキング手段64、前記ベルトの
消耗検出部55、前記針跡判定部66、前記ネットワー
クインターフェイス24及びメモリ67に接続されてい
る。前記制御部7は、前記ホストコンピュータ2から伝
送されるデータやプログラムをメモリ67に書き込む機
能、メモリ67内のデータやプログラムに基づいてモー
タMやマーキング手段64の動作を制御する機能、ある
いは前記ベルトの消耗検出部55や針跡判定部65から
の信号を受け取って警告を発したり装置を停止させたり
する機能などを有している。
【0016】前記テスト手段4は、図1のプローブ装置
P1にて示すように機能的にはメモリ41及び検査実行
部42を含んでおり、図1のプローブ装置P2にて概略
を示すようにプローブ装置本体3の上面に例えば傾倒自
在に取り付けられたテストヘッド43と、プローブ装置
本体3の近傍に設置され、前記テストヘッド43とケー
ブルにより接続されたテスタ44とからなり、テストヘ
ッド43をプローブカード62の電極に電気的に接触さ
せてウエハW上のICチップとの間で信号の授受を行
い、テスタ44によりデータの解析を行って良否の判定
を行うように構成されている。
【0017】次に上述のプローブシステムを用いて行う
本発明方法の一実施例について説明する。先ずホストコ
ンピュータ2において初期設定データを入力する。この
初期設定データとは、プローブ装置により検査を行うた
めに必要なウエハWに関する情報やウエハ載置台37の
動作情報などである。例えば初期設定の一つであるウエ
ハマップの設定においては、入力部21によりウエハサ
イズやオリエンテーションフラット(オリフラ)の方向
等のウエハ情報とチップのサイズ等とを入力することに
よりイメージ上のウエハ上に四角形のチップが縦横に配
列され、ウエハの予め定められた基準位置に基づく座標
上に各チップの座標が割り付けられる。ここで求められ
た各チップのイメージとウエハ上の座標とは関連付けら
れてメモリ23内に記憶され、またこの記憶内容は必要
に応じて表示部20に表示される。
【0018】図6はウエハ上におけるチップの配列イメ
ージの一例を画面に表示したときの図であり、チップに
付された「T」の記号は、検査対象のチップ、「×」の
記号は基準となる基点チップ、「●」の記号は、検査対
象から外すために予めマーキング手段64によりインク
マークを付するチップ、「S」の記号は、製品チップと
は異なる検査専用のチップであるためウエハ載置台37
の移動時にスキップさせるチップである。このような記
号の付与は、ウエハマップの設定時に行われる。
【0019】また初期設定の他の例としては、プローブ
針63とウエハW上のチップの電極パッドとを接触させ
るときの接触条件の設定が挙げられる。図7はこの接触
条件を設定するときの画面の主要部分の一例であり、
「オーバドライブ量」とはプローブ針63と電極パッド
とが接触したポイントから電極パッドを更に押し上げる
量(載置台37を更に上昇させる量)を設定するための
項目、「オーバドライブ戻し量」とは一旦オーバドライ
ブをかけてから載置台37を下げる量を設定するための
項目、「Zダウン量」とは載置台3が上昇を開始すると
きの高さ位置を設定するための項目であり、各数値はμ
m単位で設定されるようになっている。なお初期設定デ
ータとしては、テスト手段4に必要なデータ例えば検査
項目なども含まれる。
【0020】更にメモリ23内に予知プログラム及び診
断プログラムを格納する。予知プログラムとは、プロー
ブ装置に用いられる消耗品の寿命つまり交換時が近づい
ていることを予知するためのプログラムであり、例えば
既述したようにウエハ載置台37を駆動するモータのベ
ルトや、ウエハ載置台37と図示しないカセットとの間
でウエハを受け渡す搬送アームのモータのベルトなどの
消耗を検出するタイミング、その検出に用いられる消耗
検出部55のピン56の判定基準押圧力などが規定され
たプログラムである。
【0021】また診断プログラムとは、検査中における
プローブ針63とウエハの電極パッドとの接触状態(接
触が適切か否か)を診断するためのプログラムであり、
例えば図8に示すようにプローブ針63と電極パッドP
D1とが接触してそのチップ(あるいはチップ群)の電
気的測定が行われた後、次の電極パッドPD2をプロー
ブ針と接触させるためにウエハ載置台37をステップ移
動させたときに、先の電極パッドPD1の針跡Qが所定
領域内に位置しているか否かを判定し、所定領域の外で
あるときには例えばアラームを発生させたりタッチパネ
ル32上にその旨の表示をすると共に検査を中断させる
ように組まれている。
【0022】これら予知プログラム及び診断プログラム
は、例えばホストコンピュータ2とは別のコンピュータ
により予め作成し、メモリ23内にロードするようにし
てもよいし、ホストコンピュータ2により作成してもよ
く、例えば予知プログラムにおける消耗の検出のタイミ
ングや前記ピン56の判定基準押圧力や、診断プログラ
ムにおける針跡の観察のタイミング(例えば1回の接触
毎に観察するかあるいはチップの一列の並びに1回観察
するかなど)などについては、ホストコンピュータ2の
入力部21により適宜設定できるようにしてもよい。
【0023】そしてホストコンピュータ2の共通の記憶
手段であるメモリ23内の初期設定データ、予知プログ
ラム及び診断プログラムをオンラインで各プローブ装置
P(P1、P2…Pn)内にロードする。即ち初期設定
データのうち、検査項目などのテスト手段4に関するデ
ータ以外のデータと予知プログラム及び診断プログラム
とがネットワークインターフェイス24を介してプロー
ブ装置本体3内のメモリ67内にロードされると共に、
検査項目などのデータが前記インターフェイス24を介
してテスト手段4内のメモリ41にロードされる。
【0024】その後の検査工程について述べると、先ず
プローブ装置本体3内の図示しないカセットから図示し
ない搬送アームにより被検査基板例えばウエハWがウエ
ハ載置台37に載置される。このウエハWについて所定
のアライメントが行われた後ウエハ載置台37をステッ
プ移動させ、ウエハW上の被検査部であるICチップの
電極パッドをプローブカード62のプローブ針63に順
次接触させる。
【0025】ウエハ載置台37のステップ移動について
は、初期設定データ中に、ウエハWのチップの配列デー
タ、検査すべきチップ及び検査順序などの情報が含まれ
ているのでウエハWとプローブ針63との位置合わせが
行われていれば、ウエハ載置台37のX、Y方向の移動
を制御することができ、またウエハ載置台37のZダウ
ン量やオーバドライブに関するデータも設定されている
ので、結局ウエハ載置台37をX、Y、Z方向に移動制
御することができる。
【0026】ウエハW上のICチップの電極パッドとプ
ローブ針63とを接触させると、テストヘッド43は、
図示しないコンタクトリング及びプローブ針63を介し
て電極パッドと電気的に接続され、メモリ41内の初期
設定データである検査項目データに基づいて検査信号を
電極パッドに供給し、電極パッドから伝送された信号を
受け取って電気的測定を行う。テスタ44は測定結果に
基づいて各チップの良否を判定し、不良と判定したチッ
プの座標データをプローブ装置本体3側に送り、プロー
ブ装置本体3ではその座標データに基づいてウエハ載置
台37を移動させ、マーキング手段64により不良チッ
プにインクマークを付する。
【0027】また上述の検査工程において、予知プログ
ラムに基づいて消耗部品例えば前記モータMのベルト5
4の寿命(交換時)が近づいているか否かを消耗検出部
55により監視する。監視のタイミングつまり前記押圧
ピン56を動作させるタイミングとしては、例えばウエ
ハWをアームとウエハ載置台37との間で受け渡すとき
や電極パッドとプローブ針63との接触時などとするこ
とができる。ベルトの交換時が近づいていると判定され
れば、装置の休止中にそのベルトを新たなものに交換す
る。また既に図8を参照して説明したように、診断プロ
グラムに基づいて、電極パッドをプローブ針63に接触
した後、次の電極パッドがプローブ針63と接触してい
るときに光ファイバ65により電極パッドの針跡を観察
して針跡判定部66により接触状態を判定し、針跡が所
定領域の外にあるときにはアラームを発生させて装置を
停止させる。
【0028】上述の実施例によれば、初期設定データを
共通化し、ホストコンピュータ2にて初期設定データを
入力してこれをオンラインで各プローブ装置P(P1〜
Pn)にロードしているため、プローブ装置P毎に初期
設定を行わなくて済み、従って初期設定作業が容易にな
る。またモータのベルトなどの消耗部品の交換時を予知
するようにしているため、プローブ装置を休止させてい
るときに例えばベルトを交換することができ、これによ
りプローブ装置の稼動中のベルト切れを防止できるの
で、ベルト切れが原因でプローブ装置の稼動が中断する
おそれがない。
【0029】更にまた診断プログラムに基づいて検査中
にこの例ではプローブ針63と電極パッドとの1回の接
触の度毎に接触状態を診断しているため、接触不良と判
定したときは、判定された電極パッドと同じ接触グルー
プの電極パッドに係るチップと、現在測定中のチップと
について検査のやり直しを行えばよいので、はじめから
ウエハ載置台37のアライメントミスが生じていたり、
途中でアライメントミスが発生したり、あるいは途中で
プローブ針が折れた場合などに、それらトラブルを早期
に発見でき、従って検査前あるいは検査後に接触状態を
診断していた従来方法に比べ、無駄な検査を減らすこと
ができる。
【0030】ただしこの診断を行うにあたって、例えば
所定個数のチップ例えばチップの一列の検査が終了する
度毎に、光ファイバ65で電極パッドの針跡を観察する
ようにしてもよく、この場合電極パッドの針跡の観察
は、プローブカード62とは別個に設けたカメラで観察
してもよい。なおプローブカード62に光ファイバを設
ける場合、1個の電極パッドを観察することに限らず複
数の電極パッドを観察して各電極パッドの針跡がいずれ
も所定領域内に位置しているか否かを判定するようにし
てもよい。
【0031】そしてまた予知プログラムや診断プログラ
ムを各プローブ装置Pに対して共通化し、ホストコンピ
ュータ2からオンラインで各プローブ装置Pにロードす
れば、プログラムのロードが容易である。ただしこれら
プログラムは、各プローブ装置において例えばタッチパ
ネル32で個々に入力するようにしてもよいし、複数の
プローブ装置を用いた上述のシステムに限らずプローブ
装置が1台の場合であっても用いてもよい。
【0032】更にプローブ針と電極パッドとの接触状態
を診断するためには、プローブカードに診断専用のプロ
ーブ針を設ける一方ウエハ側にも診断専用の電極パッド
を設け、テストヘッドから検査用パルスの伝送の間に診
断用パルスを供給して、例えばプローブ針と電極パッド
とを接触させた後図9に示すようにはじめの検査用パル
スを電極パッドに送る前に診断用パルスを診断専用の電
極パッドに供給し、返送された信号に基づいて直ちに接
触状態を診断し、接触不良であればその時点で検査を終
了するようにしてもよい。
【0033】ここで消耗部品の交換時の予知の一例とし
て上述実施例ではモータのベルトを挙げたが、ベルトの
伸びをセンサで検出する代りに、ウエハをロード、アン
ロードする時間の搬送に要する所要時間が通常の値に対
して所定割合例えば10%増加したか否かをソフトウエ
ア上で監視し、所定割合増加したときに点検時期を知ら
せるようにしてもよい。この場合搬送に要する時間を記
憶する部分が消耗検出部に相当し、監視するソフトウエ
アが予知プログラムに相当する。
【0034】更に他の例としては、図1に示す筐体31
の上面部のリング体61に対してプローブカード62を
装着しあるいは取り外すためのガススプリング機構の交
換時を予知する場合や、ランプの交換時を予知する場合
などを挙げることができる。ここで図10に示すように
前記ガススプリング機構8とは、インサートリング61
に組み合わせて設けられ、回転リング81を昇降、回転
させるための機構である。回転リング81の内周縁には
複数の突片82が間隔をおいて周方向に水平に設けられ
る一方、プローブカード62側のホルダ83の外周縁
に、前記突片82の配列に対応して突片84が配列され
ている。プローブカード62の装着は、プローブカード
62(ホルダ83)を所定の高さ位置に、つまり突片8
4が突片82の上側となるように位置させ、回転リング
81を回転させて両突片84、82が重なるようにし、
回転リング81を上昇させてプローブカード62を保持
することによって行われる。
【0035】このようなガススプリング機構8の消耗を
検出するためには、例えば回転リング81側と筐体31
側とに夫々発行センサ85及び受光センサ86を設け、
これらセンサの組を周方向に離れて配置して、回転開始
位置と回転終了位置とを検出できるようにし、これら光
センサよりの信号に基づいて回転リング81の回転(開
閉)に伴う時間を計測し、その時間が例えば通常の0.
5〜1(秒)に対して例えば10〜20%長くなる場合
に操作パネル32に表示を行ったり、所定のアラームラ
ンプを点灯させたりする。この場合前記光センサ、及び
計測時間を記憶する領域が消耗検出部に相当し、計測時
間が設定時間より長いか否かを比較するプログラムが予
知プログラムに相当する。
【0036】またランプの交換時の予知について述べる
と、ランプとしては試験停止などを知らせるアラームラ
ンプや、あるいはウエハの位置合わせを光学的に行うと
きに用いるハロゲンランプなどが挙げられる。そして、
プローブ装置の稼働時間の累積を計測して所定時間例え
ば1000時間を越えるか否かを判断し、あるいは検査
回数(プローブ針と電極パッドとのコンタクト回数)を
計測して所定回数例えば10万回を越えるか否かを判断
し、越えた場合には交換時期を知らせるようにすればよ
い。この場合累積時間などを計測し、比較するプログラ
ムが消耗検出部及び予知プログラムを兼用することにな
る。
【0037】以上において本発明は、図11に示すよう
にパーソナルコンピュータ8により初期設定データ、予
知プログラム及び診断プログラムを作成して、共通の記
憶手段であるフロッピーディスク81、82、83に夫
々格納し、これらフロッピーディスク81、82、83
を用いて各プローブ装置P(P1〜Pn)に前記データ
及びプログラムをロードしてもよい。この場合各プロー
ブ装置Pにおいて、例えばタッチパネル32により初期
設定データを更に追加入力するようにしてもよい。即ち
本発明における初期設定データの共通化とは、全てを共
通化することに限らず一部を共通化する場合も含むもの
である。
【0038】ここでプローブ装置を操作するにあたって
は、プローブ装置の操作部例えばタッチパネルの操作機
能と同等あるいはその一部の機能を有するリモート操作
部を用い、各プローブ装置を遠隔操作するようにしても
よい。この場合プローブ装置毎にリモート操作部を設け
てもよいが、共通のリモート操作部に複数のプローブ装
置を操作できる機能を持たせれば、より一層便利であ
る。なお被検査基板はウエハに限らず液晶ディスプレイ
基板であってもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、初期設定データを共通
化して共通の記憶手段から各プローブ装置にロードする
ようにしているため、初期設定作業が容易である。また
消耗品の交換時を予知しているので、予め消耗品を交換
しておくことにより検査の中断を防止できる。
【0040】また検査中に被検査部の電極パッドとプロ
ーブとの接触状態を診断しているため、無駄な検査を減
らすことができる。更に初期設定データ、予知プログラ
ム及び診断プログラムを、夫々共通化しているため、複
数のプローブ装置を用いたシステムにおいて非常に作業
性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するためのプローブシステム
の全体構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施例で用いられるプローブ装置の概
略構造を示す斜視図である。
【図3】モータのベルトの消耗検出部を示す斜視図であ
る。
【図4】接触状態の診断を行うために用いる光ファイバ
及び針跡判定部を示す側面図である。
【図5】本発明の実施例で用いられるプローブ装置の制
御系を示すブロック図である。
【図6】初期設定データの一例の画面を示す説明図であ
る。
【図7】初期設定データの他の例の画面を示す説明図で
ある。
【図8】接触状態の診断の様子を示す説明図である。
【図9】接触状態の診断のための電気信号を示すタイム
チャート図である。
【図10】プロ−ブカ−ドを着脱するためのガススプリ
ング機構を示す断面図である。
【図11】本発明方法を実施するためのプローブシステ
ムの他の例を示す構成図である。
【図12】従来のプローブ装置を示す縦断側面図であ
る。
【符号の説明】
2 ホストコンピュータ 23 メモリ 3 プローブ装置本体 37 ウエハ載置台 4 テスト手段 41 メモリ P(P1…Pn) プローブ装置 43 テストヘッド 44 テスタ 54 ベルト 55 消耗検出部 62 プローブカード 63 プローブ針 65 光ファイバ 66 針跡判定部 68 メモリ 81〜83 フロッピーディスク

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査基板上の被検査部の電気的特性を
    プローブカ−ドにより検査するプローブ方法において、 共通化された初期設定デ−タを複数のプロ−ブ装置に対
    して共通な記憶手段に格納する工程と、 前記記憶手段に格納された初期設定デ−タを複数のプロ
    −ブ装置にロ−ドする工程と、 前記プローブ装置に用いられる消耗品の交換時を予知す
    るための共通化された予知プログラムを、共通な記憶手
    段から複数のプロ−ブ装置に対してロ−ドする工程と、 前記プロ−ブカ−ドのプローブと被検査部の電極パッド
    との接触状態を診断するための共通化された診断プログ
    ラムを、共通な記憶手段から複数のプローブ装置に対し
    てロ−ドする工程と、 前記複数のプローブ装置の各々において、ロ−ドされた
    初期設定デ−タに基づいて被検査基板の被検査部の検査
    を行う工程と、 前記プローブ装置の稼動中に、前記予知プログラムに基
    づき消耗検出部を介して消耗品の交換時が近づいている
    か否かを監視する工程と、 前記被検査部の検査中に、前記診断プログラムに基づい
    て前記プローブと電極パッドとの接触状態を診断する工
    程と、を含むことを特徴とするプローブ方法。
  2. 【請求項2】 被検査基板上の被検査部の電気的特性を
    プローブカ−ドにより検査するプローブ方法において、 共通化された初期設定デ−タを複数のプロ−ブ装置に対
    して共通な記憶手段に格納する工程と、 前記記憶手段に格納された初期設定デ−タを複数のプロ
    −ブ装置にロ−ドする工程と、 前記プローブ装置に用いられる消耗品の交換時を予知す
    るための共通化された予知プログラムを、共通な記憶手
    段から複数のプロ−ブ装置に対してロ−ドする工程と、 前記複数のプローブ装置の各々において、ロ−ドされた
    初期設定デ−タに基づいて被検査基板の被検査部の検査
    を行う工程と、 前記プローブ装置の稼動中に、前記予知プログラムに基
    づき消耗検出部を介して消耗品の交換時が近づいている
    か否かを監視する工程と、を含むことを特徴とするプロ
    ーブ方法。
  3. 【請求項3】 予知プログラムは、プローブ装置に用い
    られるモータのベルトの消耗を検出するためのものであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のプローブ方
    法。
  4. 【請求項4】 筐体の上面に設けられる回転リングの上
    方側にプローブカードを位置させた状態で、当該回転リ
    ングを回転させて周方向の位置合わせを行うと共に上昇
    させ、プローブカードの周縁部を回転リングにより保持
    することによりプローブカードの装着を行い、 予知プログラムは、プローブカードの装着、取り外し時
    に回転リングを駆動するガススプリング機構の消耗を検
    出するためのものであることを特徴とする請求項1又は
    2記載のプローブ方法。
  5. 【請求項5】 被検査基板上の被検査部の電気的特性を
    プローブカ−ドにより検査する複数のプローブ装置と、 これらプローブ装置に対してデータをロードする共通の
    コンピュータと、 このコンピュータに設けられ、共通化された初期設定デ
    −タ、及び前記プローブ装置に用いられる消耗品の交換
    時を予知するための共通化された予知プログラムを格納
    するための記憶手段と、 この記憶手段に格納された共通化された初期設定デ−タ
    及び予知プログラムを複数のプロ−ブ装置にロ−ドする
    手段と、 前記複数のプローブ装置の各々において、ロ−ドされた
    初期設定デ−タに基づいて被検査基板の被検査部の検査
    を行う手段と、 前記プローブ装置に用いられる消耗品の消耗を検出する
    消耗検出部と、 前記プローブ装置の稼動中に、前記予知プログラムに基
    づき前記消耗検出部を介して消耗品の交換時が近づいて
    いるか否かを監視する手段と、を備えたことを特徴とす
    るプローブシステム。
  6. 【請求項6】 前記記憶手段には、前記プロ−ブカ−ド
    のプローブと被検査部の電極パッドとの接触状態を診断
    するための共通化された診断プログラムが格納され、 更に前記記憶手段から前記診断プログラムを複数のプロ
    ーブ装置に対してロ−ドする手段と、前記複数のプロー
    ブ装置の各々において、前記被検査部の検査中に、前記
    診断プログラムに基づいて前記プローブと電極パッドと
    の接触状態を診断する手段と、を備えたことを特徴とす
    る請求項記載のプローブシステム。
  7. 【請求項7】 予知プログラムは、プローブ装置に用い
    られるモータのベルトの消耗を検出するためのものであ
    ることを特徴とする請求項5又は6記載のプローブシス
    テム。
  8. 【請求項8】 筐体の上面に設けられる回転リングの上
    方側にプローブカードを位置させた状態で、当該回転リ
    ングを回転させて周方向の位置合わせを行うと共に上昇
    させ、プローブカードの周縁部を回転リングにより保持
    することによりプローブカードの装着を行い、 予知プログラムは、プローブカードの装着、取り外し時
    に回転リングを駆動するガススプリング機構の消耗を検
    出するためのものであることを特徴とする請求項5又は
    6記載のプローブシステム。
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