JP3263114B2 - 二分子膜作製基板 - Google Patents

二分子膜作製基板

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JP3263114B2 JP05471492A JP5471492A JP3263114B2 JP 3263114 B2 JP3263114 B2 JP 3263114B2 JP 05471492 A JP05471492 A JP 05471492A JP 5471492 A JP5471492 A JP 5471492A JP 3263114 B2 JP3263114 B2 JP 3263114B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二分子膜作製基板に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在までのところ、シリコンを中心とし
た半導体技術によるトランジスタ、IC、LSI、超L
SIの開発が行われ、今日のエレクトロニクスの基礎が
築かれてきた。一方、生命ないし生体現象の解明に伴
い、新しい考え方に基づいた材料、素子の開発への期待
が高まっている。これは、生体現象を模倣して、情報処
理、認識、記録などの面でこれまでと異なる原理に基礎
をおく材料、素子によって新しいエレクトロニクス技術
を担うという考え方に基づいている。
【0003】生体膜は、生体機能を発現する場として、
外部からの情報の認識と膜内への伝送、物質の変換、輸
送などの種々の重要な役割を果たしている。このため、
生体系を模倣した材料、素子の作製にとって、人工的な
膜の開発が極めて重要である。こうした人工的な膜とし
ては、高分子キャスト膜、ラングミュア−ブロジェット
(LB)膜など種々のものが考えられているが、生体膜
モデルとしては二分子膜系が最も生体膜に近い形態であ
る。この二分子膜は、水中において、基板に設けられた
小孔内に、リン脂質などの両親媒性分子を疎水部のアル
キル鎖どうしを向けたかたちで、二分子層配列させた超
薄膜のことである。
【0004】二分子膜の一般的かつ簡便な作製方法とし
ては、刷毛塗り法が知られている。この方法は、二分子
膜を形成する脂質分子をn−デカンなどの難揮発性溶媒
に溶解させた膜形成溶液を刷毛で小孔に塗り付ける、あ
るいはシリンジで噴き付けることによって膜を形成させ
るものである。二分子膜作製基板としては、従来、薄い
テフロンシートなどの疎水性の高分子シートに数μm〜
数mm径の小孔を形成させたものが用いられてきた。
【0005】図2は、このような従来の基板に刷毛塗り
法を用いて二分子膜を作製した状態を示す断面図であ
る。図2に示されるように、従来の基板は全表面が疎水
的であるため、小孔内壁に形成された厚膜領域12の内
側に二分子膜11が形成されるとともに、小孔内壁以外
の基板1表面にも膜形成溶液13が付着する。このた
め、基板表面の膜形成溶液13と厚膜領域12との間で
溶液の交換が起こり、厚膜領域12の面積が変動し、さ
らに二分子膜11の面積が変動するという問題がある。
また、二分子膜11を再現性よく形成することも極めて
困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡便
な刷毛塗り法により、安定な二分子膜を再現性よく作製
できる基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の二分子膜作製基
板は、貫通された小孔を有し、かつ小孔内壁のみが選択
的に疎水化された薄板からなることを特徴とするもので
ある。
【0008】本発明において、基板の材質は、数μm〜
数mm径の貫通された小孔を形成できるものであれば特
に限定されるものでない。例えば、鉄、ニッケル、銅、
白金、金、銀、チタンなどの純金属、ステンレスなどの
合金、シリコンなどの半導体、あるいはガラス、セラミ
ックスなど、種々のものを用いることが可能であり、ま
たその厚さも板としての強度を保つことのできる厚さ、
例えば数μm〜数mmの種々のものを用いることができ
る。
【0009】本発明において、基板に小孔を形成させる
には、種々の方法を用いることができる。金属基板の場
合、レーザーなどの利用による熱的な方法、エッチング
などの通常の方法の他に、より制御された小孔の形状を
得るためにレジストを用いたマイクロリソグラフィによ
る方法、さらに電解析出法によるパターン化した金属析
出法なども可能である。半導体基板に対しては、エッチ
ングなどの通常の方法を用いることができる。また、ガ
ラス基板に対しては、レーザーなどの利用による熱的な
方法、エッチングなどの通常の方法を用いることができ
る。
【0010】本発明において、小孔内壁表面を選択的に
疎水化する際には、一般的に小孔内壁以外の基板表面を
マスキングする。疎水化の方法は、二分子膜を形成する
脂質による膜の形成が可能であれば特に限定されるもの
ではない。例えば、オクタデジルトリクロロシランなど
のモノアルキルトリクロロシラン類、ジアルキルジクロ
ロシラン類、トリアルキルモノクロロシラン類、ヘキサ
メチルジシラザンなどによる表面処理、または疎水性高
分子の塗布などを挙げることができる。
【0011】
【作用】本発明の二分子膜作製基板は、図1に示すよう
に、基板1の小孔内壁のみが選択的に疎水化されている
(疎水化処理部分2)。このため、膜を作製する際に、
膜形成溶液が小孔内壁以外の基板表面に付着することが
なく、膜形成溶液は小孔内のみに存在し、小孔内壁に形
成された厚膜領域12の内側に二分子膜11が形成され
る。したがって、従来の基板を用いた場合と異なり、基
板上の膜形成溶液の影響が全くなくなり、安定な二分子
膜を再現性よく作製できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1
【0013】厚さ10μmのステンレス基板にYAGレ
ーザーを用いて300μm径の小孔を形成した。高周波
スパッタ法によって基板の両面にSiO2 層を0.3μ
mずつ形成した。小孔内壁以外の基板表面をマスキング
した後、ヘキサメチルジシラザンの気相中で処理するこ
とにより、小孔内壁を選択的に疎水化し、二分子膜作製
基板とした。
【0014】この基板をテフロン製電気化学セルに固定
した。セルには0.1MKCl水溶液を満たした。この
基板の小孔にモノオレイン/n−デカン(50mg/m
l)の溶液を一定量、シリンジによって噴き付けて二分
子膜を作製した。二分子膜を顕微鏡で観測し、かつ電気
容量を測定することにより二分子膜径を追跡した。その
結果、二分子膜の径の時間的変動は±1μmであった。
また、二分子膜を作製する操作を複数回行ったところ、
二分子膜の径の差は±5μmの範囲におさまり、良好な
再現性を有していた。
【0015】比較のため、厚さ10μmのテフロンシー
トに300μm径の小孔を形成させた従来の基板で同様
の測定を行なったところ、二分子膜の径について、時間
的変動は±50μm、再現性試験による変動は±75μ
mであった。すなわち、本発明の基板を用いることによ
り、安定な二分子膜を再現性よく作製できる。 実施例2
【0016】電解析出法により、600μm径の小孔を
有する厚さ10μmのニッケル基板を作製した。高周波
スパッタ法によって基板の両面にSiO2 層を0.3μ
mずつ形成した。小孔内壁以外の基板表面をマスキング
した後、ヘキサメチルジシラザンの気相中で処理するこ
とにより小孔内壁を選択的に疎水化し、二分子膜作製基
板とした。実施例1と同様の試験により、安定な二分子
膜を再現性よく作製できることが確認された。 実施例3
【0017】電解析出法により、600μm径の小孔を
有する厚さ10μmのニッケル基板を作製した。高周波
スパッタ法によって基板の両面にSiO2 層を0.3μ
mずつ形成した。小孔内壁以外の基板表面をマスキング
した後、テフロンを蒸着することにより小孔内壁を選択
的に疎水化し、二分子膜作製基板とした。実施例1と同
様の試験により、安定な二分子膜を再現性よく作製でき
ることが確認された。 実施例4
【0018】厚さ50μmのシリコン基板に、エッチン
グによって300μm径の小孔を形成した。熱酸化によ
り基板表面にシリコン酸化膜を形成した。小孔内壁以外
の基板表面をマスキングした後、ヘキサメチルジシラザ
ンの気相中で処理することにより小孔内壁を選択的に疎
水化し、二分子膜作製基板とした。
【0019】この基板をテフロン製電気化学セルに固定
した。セルには0.1MKCl水溶液を満たした。この
基板の小孔にモノオレイン/n−デカン(50mg/m
l)の溶液をシリンジによって噴き付け、二分子膜を作
製した。二分子膜を顕微鏡で観測し、かつ電気容量を測
定することにより二分子膜径を追跡した。その結果、二
分子膜の径の時間的変動が少なく、安定であった。ま
た、二分子膜の再現性も良好であった。 実施例5
【0020】二分子膜形成溶液として、レシチン/n−
デカン(5mg/ml)の溶液を用いた以外は、実施例
4と同様の方法を用いることにより、安定な二分子膜を
再現性のよく作製できることが確認された。 実施例6
【0021】疎水化処理方法として、n−オクタデシル
トリクロロシランのクロロホルム溶液による液相中での
処理を用いた以外は、実施例4と同様の方法を用いるこ
とにより、安定な二分子膜を再現性のよく作製できるこ
とが確認された。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の二分子膜作
製基板を用いれば、安定な二分子膜を再現性よく作製で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る二分子膜作製基板を用いて二分子
膜を作製した状態を示す断面図。
【図2】従来の二分子膜作製基板を用いて二分子膜を作
製した状態を示す断面図。
【符号の説明】
1…基板、2…疎水化処理部分、11…二分子膜、12
…厚膜領域、13…膜形成溶液。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通された小孔を有し、かつ小孔内壁
    が選択的に疎水化された薄板からなることを特徴とす
    る二分子膜作製基板。
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