JP3262953B2 - 列車の目標減速度制御装置 - Google Patents

列車の目標減速度制御装置

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JP3262953B2
JP3262953B2 JP25244094A JP25244094A JP3262953B2 JP 3262953 B2 JP3262953 B2 JP 3262953B2 JP 25244094 A JP25244094 A JP 25244094A JP 25244094 A JP25244094 A JP 25244094A JP 3262953 B2 JP3262953 B2 JP 3262953B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動列車制御装置等
の保安装置を積載した列車の目標減速度制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図12は例えば特開平4−200208
号公報に示された従来のパタン付き自動列車制御装置か
らなる列車の減速制御装置の構成図である。図12にお
いて、1はパタン付き自動列車制御装置からなる保安装
置である。2は速度信号を発生させる速度発電機、3は
地上からの速度制限信号を受信する受電器、4は受電器
3からの速度制限信号を受信復調する受信部、5は制御
部で、受信部4からの速度制限信号と速度発電機2から
の速度信号に基づき演算を行いブレーキ指令を発生させ
る。6はブレーキ指令出力部で、制御部5からのブレー
キ指令に基づいてブレーキ指令を列車に出力するブレー
キ指令出力部である。
【0003】次に、図13は列車の減速制御装置の動作
を説明する説明図である。図13において、縦軸は速
度、横軸は距離を表す。地上から受信した速度制限信号
による制限速度をSとする。この時の列車速度をVt
とする。列車が地点Aを通過した時に地上から新たな速
度制限信号を受信し、これによる制限速度をSとす
る。制限速度がSからSの下位に変化したことを検
知すると、制御部5は、地点Aからの走行距離に応じて
徐々に下降する制限速度パタンPを発生させる。この制
限速度パタンPと列車の速度Vtとを常に比較してお
り、地点Bにおいて列車の速度が制限速度パタンを超過
すると、常用最大ブレーキを作用させる。この常用最大
ブレーキの作用によって列車は減速し、地点Cにおいて
制限速度Sを下回った時点で作用させた常用最大ブレ
ーキを緩解する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の列車の減速制御
装置は以上のように構成されていたので、列車の速度が
制限速度パタンを越えると常用最大ブレーキが作用し
て、高い減速度による乗心地が悪くなる。そこで、列車
の速度が制限速度パタンを越えないように走行させるた
めには、余裕をもって事前に減速する必要がある。この
結果、表定速度が低下するという問題点があった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、乗心地の低下を防ぐとともに表
定速度の向上を図ることができる列車の目標減速度制御
装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る列
車の目標減速度制御装置は、制限速度が第1の速度制限
信号から下位の第2の速度制限信号に変化したとき、保
安装置が制限速度が変化した制限速度変化地点の第1の
速度制限信号の速度から第2の速度制限信号の速度にな
る減速制御停止地点まで連続的に低下させた制限速度パ
タンを発生し、列車の速度が制限速度パタンを越えたと
きに常用最大ブレーキを指令し、保安装置からのブレー
キ指令によりブレーキ装置が減速制御停止地点までに列
車の速度を第2の速度制限信号の速度以下にするように
した列車の目標減速度制御装置において、列車が第1の
速度制限信号の制限速度より低い速度で制限速度変化地
点を通過したとき、保安装置から第2の速度制限信号を
受けて減速制御停止地点より遠方の減速目標地点で第2
の速度制限信号の速度になるように列車が制限速度変化
地点に進入したときの速度から連続的に低下させた目標
減速度パタンを作成し、列車の速度が第2の速度制限信
号より低くなるまで目標減速度パタンに追随するように
ブレーキ装置に所定のブレーキ力を指令する減速制御装
置を備え、列車の速度が制限速度パタンを越えたとき保
安装置から常用最大ブレーキのブレーキ指令をブレーキ
装置に出力するようにしたものである。
【0007】請求項2の発明は、減速制御停止地点より
手前に減速目標地点を設定し、列車が制限速度変化地点
に進入したときの速度で所定の時間走行したと想定した
第1の地点から減速目標地点で第2の速度制限信号の速
度になる第1の減速度を演算し、第1の減速度より小さ
い第2の減速度で列車の速度を所定の速度まで減速させ
た第2の地点から、減速目標地点で第2の速度制限信号
の速度になる第3の減速度の目標減速度パタンを演算
し、列車の速度が第2の速度制限信号の速度より低くな
るまで目標減速度パタンに追随するようにブレーキ装置
に所定のブレーキ力を指令する減速制御装置を備えたも
のである。
【0008】請求項3の発明は、減速制御停止地点から
所定の距離内の減速目標地点で第2の速度制限信号の速
度になるように列車が制限速度変化地点に進入したとき
速度より高い速度から連続的に低下させた目標減速度
パタンを作成し、列車の速度が列車が制限速度変化地点
に進入した時点から所定の時間後の目標減速度パタンの
速度に達してから目標減速度パタンに追随するようによ
うにブレーキ装置に所定のブレーキ力を指令する減速制
御装置を備えたものである。
【0009】請求項4の発明は、減速制御停止地点より
遠方の減速目標地点で第2の速度制限信号の速度になる
ように列車が制限速度変化地点に進入したときの速度よ
り高い速度から連続的に低下させた目標減速度パタンを
作成し、列車の速度が列車が制限速度変化地点に進入し
た時点から所定の時間後の目標減速度パタンの速度に達
してから列車の速度を目標減速度パタンに追随するよう
にブレーキ装置に所定のブレーキ力を指令する減速制御
装置を備え、列車の速度が制限速度パタンを越えたとき
保安装置から常用最大ブレーキのブレーキ指令をブレー
キ装置に出力するようにしたものである。
【0010】請求項5の発明は、減速制御停止地点の手
前及び遠方の複数箇所の減速目標地点で第2の速度制限
信号の速度になるように列車が制限速度変化地点に進入
したときの速度から連続的に低下させた目標減速度パタ
ンを複数個作成し、減速目標地点が減速制御停止地点の
遠方にある目標減速度パタンから順次減速制御停止地点
の手前にある目標減速度パタンに追随するようにブレー
キ装置に所定のブレーキ力を指令する減速制御装置を備
えたものである。
【0011】請求項6の発明は、減速制御停止地点より
遠方の複数箇所の減速目標地点で第2の速度制限信号の
速度になるように列車が制限速度変化地点に進入した
きの速度より高い速度から連続的に低下させた目標減速
度パタンを複数個作成し、減速目標地点が減速制御停止
地点の遠方にある目標減速度パタンから順次減速制御
止地点に近い方にある目標減速度パタンに追随するよう
にブレーキ装置に所定のブレーキ力を指令する減速制御
装置を備え、列車の速度が制限速度パタンを越えたとき
保安装置から常用最大ブレーキのブレーキ指令をブレー
キ装置に出力するようにしたものである。
【0012】請求項7の発明は、請求項3から請求項6
のいずれかにおいて、保安装置が各速度制限信号を受信
するとともに列車位置を検出し、減速制御装置が列車位
置に対応した路線状況を記憶しておき、路線状況により
目標減速度パタンを補正するようにしたものである。
【0013】請求項8の発明は、請求項1から請求項7
のいずれかにおいて、列車の速度が第2の速度制限信号
の速度以下になったとき、第2の速度制限信号の速度以
下になるまでブレーキ装置に指令していたブレーキ指令
を小さくしてから解除するようにしたものである。
【0014】
【作用】請求項1の発明は、列車が第1の速度制限信号
の制限速度より低い速度で制限速度変化地点を通過した
とき、保安装置から第2の速度制限信号を受けて減速制
御停止地点より遠方の減速目標地点で第2の速度制限信
号の速度になるように列車が制限速度変化地点に進入し
たときの速度から連続的に低下させた目標減速度パタン
作成し、列車の速度が第2の速度制限信号より低くな
るまで目標減速度パタンに追随するようにブレーキ装置
に所定のブレーキ力を指令し、列車の速度が制限速度パ
タンを越えたとき保安装置から常用最大ブレーキのブレ
ーキ指令をブレーキ装置に出力するようにしたので、
安装置による常用最大ブレーキが作用する前に減速制御
装置による減速制御がなされるため、滑らかに減速制御
に移行する。
【0015】請求項2の発明は、減速制御停止地点より
手前に減速目標地点を設定し、列車が制限速度変化地点
に進入したときの速度で所定の時間走行したと想定した
第1の地点から減速目標地点で第2の速度制限信号の速
度になる第1の減速度を演算し、第1の減速度より小さ
い第2の減速度で列車の速度を所定の速度まで減速させ
た第2の地点から、減速目標地点で第2の速度制限信号
の速度になる第3の減速度の目標減速度パタンを演算
し、列車の速度が第2の速度制限信号の速度より低くな
るまで目標減速度パタンに追随するようにブレーキ装置
に所定のブレーキ力を指令する減速制御装置を備えたの
で、第2の減速度で減速してから第3の減速度の目標減
速パタンに追随させるように制御するため、滑らかに減
速制御に移行する。
【0016】請求項3の発明は、減速制御停止地点から
所定の距離内の減速目標地点で第2の速度制限信号の速
度になるように列車が制限速度変化地点に進入したとき
速度より高い速度から連続的に低下させた目標減速度
パタンを作成し、列車の速度が列車が制限速度変化地点
に進入した時点から所定の時間後の目標減速度パタンの
速度に達してから目標減速度パタンに追随させるように
したので、ブレーキ開始地点が制限速度変化地点より後
になる。したがって、それまで高い速度で走行してから
目標減速度パタンによる追随制御となり、最終的に常用
最大ブレーキが作用するが、常用最大ブレーキが作用す
る前に目標減速度パタンの減速度による制御があるの
で、滑らかに減速制御に移行する。
【0017】請求項4の発明は、減速制御停止地点より
遠方の減速目標地点で第2の速度制限信号の速度になる
ように列車が制限速度変化地点に進入したときの速度よ
り高い速度から連続的に低下させた目標減速度パタンを
作成し、列車の速度が列車が制限速度変化地点に進入し
た時点から所定の時間後の目標減速度パタンの速度に達
してから列車の速度を目標減速度パタンに追随させ、列
車の速度が制限速度パタンを越えたとき保安装置から常
用最大ブレーキのブレーキ指令をブレーキ装置に出力す
るようにしたので、目標減速度パタンにより減速してか
ら保安装置による常用最大ブレーキが作用するため急激
な減速度の変化がなく、滑らかに減速制御に移行する。
【0018】請求項5の発明は、減速制御停止地点の手
前及び遠方の複数箇所の減速目標地点で第2の速度制限
信号の速度になるように列車が制限速度変化地点に進入
したときの速度から連続的に低下させた目標減速度パタ
ンを複数個作成し、減速目標地点が減速制御停止地点の
遠方にある目標減速度パタンから順次減速制御停止地点
の手前にある目標減速度パタンに追随させるようにした
ので、徐々に減速度が高くなるため、滑らかに減速制御
に移行する。
【0019】請求項6の発明は、減速制御停止地点より
遠方の複数箇所の減速目標地点で第2の速度制限信号の
速度になるように列車が制限速度変化地点に進入した
きの速度より高い速度から連続的に低下させた目標減速
度パタンを複数個作成し、減速目標地点が減速制御停止
地点の遠方にある目標減速度パタンから順次減速制御停
止地点に近い方にある目標減速度パタンに追随させ、列
車の速度が制限速度パタンを越えたとき保安装置から常
用最大ブレーキのブレーキ指令をブレーキ装置に出力す
るようにしたので、徐々に減速度が高くなるため、常用
最大ブレーキの減速度にも滑らかに移行する。
【0020】請求項7の発明は、請求項3から請求項6
のいずれかにおいて、保安装置が各速度制限信号を受信
するとともに列車位置を検出し、減速制御装置が列車位
置に対応した路線状況を記憶しておき、路線状況により
目標減速度パタンを補正するようにしたものである。
【0021】請求項8の発明は、請求項1から請求項7
のいずれかにおいて、列車の速度が第2の速度制限信号
の速度以下になったとき、第2の速度制限信号の速度以
下になるまでブレーキ装置に指令していたブレーキ指令
を小さくしてから解除するようにしたものである。
【0022】
【実施例】実施例1. 図1は実施例1の構成図である。図1において、1〜6
は従来のものと同様である。7は速度発電機で、列車の
速度を検出する。8は減速制御装置で、後述の9〜12
で構成されている。9は制限速度信号入力部、10は速
度信号入力部、11はマイクロコンピュータで構成され
た演算部、12はブレーキ指令部である。13はブレー
キ装置である。
【0023】上記構成において、保安装置1の受信部4
は地上からの速度制限信号を受電器3を介して受信す
る。受信部4は速度制限信号を復調して制御部5及び減
速制御装置8の速度信号入力部9に送る。制御部5は受
信部4からの速度制限信号に基づいて制限速度パタンを
発生し、制限速度パタンと速度発電機2からの速度信号
による列車速度とを比較して、列車の速度が制限速度パ
タンを越えていれば常用最大ブレーキをブレーキ指令部
12がブレーキ装置13に指令する。
【0024】制限速度信号入力部9は受信部4からの制
限速度信号を入力することによって、制限速度信号が下
位に変化して制御部5が速度制限パタンを発生したこと
を知ることができる。また、制限速度パタンは保安装置
1内に予めデータとして記憶されているものであり、い
かなるパタンが発生されるかは予め知ることができる。
従って、減速制御装置8は保安装置1が発生している制
限速度パタンを前提として、制限速度パタンを越えない
ように減速制御のための目標減速度パタンを生成し、目
標減速度パタンに追随するように列車の速度を制御して
いく。この速度制御は目標減速度パタンと速度発電機2
からの速度信号により検出された「距離」「速度」「加
速度」により、演算部11で指令すべきブレーキ力を演
算してブレーキ指令部6より出力する。このブレーキ指
令は各車のブレーキ装置13に送られ、ブレーキ装置1
3により所定のブレーキ力が作用し列車が減速してい
く。
【0025】以下、図1及び図2に基づいて動作を説明
する。図2において、横軸は距離であり、縦軸は速度を
表す。Sは制限速度変化地点Aに達するまでに示され
ていた制限速度信号に基づく制限速度である。制限速度
変化地点Aを通過した時点で制限速度信号現示が変化
し、制限速度Sに変化したものとする。保安装置1は
からSへ制限速度が下位に変化したことを検知
し、制御部5が制限速度パタンPを発生させる。この制
限速度パタンPは走行距離に応じて下降していき、やが
て下位の制限速度Sと交わる。この交点の位置を減速
制御停止地点Eとする。制限速度変化地点Aから減速制
御停止地点Eまでの距離をeとする。減速制御装置8は
保安装置1の動作を前提に製作されるため、保安装置1
のデータより、制限速度パタンP及び減速制御停止地点
E、距離eを予め知ることができる。減速制御装置8は
制限速度変化地点Aを列車が通過してから減速を始め、
減速制御停止地点Eに達するまでに制限速度S以下に
すれば、列車の速度が制限速度パタンを越えることがな
いので、常用最大ブレーキが作用することがない。減速
制御停止地点Eから所定の距離aだけ手前の地点を減速
目標地点Fに定める。そして、減速目標地点Fに向けて
目標減速度パタンVpを作成して、これに追随させるよ
うに制御する。
【0026】制限速度パタンPを列車の速度が越えて保
安装置1による常用最大ブレーキが作用するのを避ける
ためには、一般的な列車の減速制御の性能から、目標減
速度パタンVpに±2km/h以内の偏差で追随制御で
きるとすれば、制限速度パタンPに最も近づく終了地点
で△V=2km/hの差があればよい。そこで、演算部
11では次のように演算を行う。制限速度パタンPの減
速度βを4km/h/S、制限速度Sを40km/h
とすれば、式(1)から減速制御停止地点Eの5.7m
手前が減速目標地点Fとなる。
【0027】
【数1】
【0028】減速目標地点Fと制限速度変化地点Aとの
距離をf、制限速度変化地点Aでの列車の速度をVt
とすると、速度Vtから所定の減速度で減速目標地点F
に達するのに必要な減速度βaは式(2)により求めら
れる。そして、減速度βaを目標減速度パタンVpとし
て、これに追随するようにブレーキ指令装置12からブ
レーキ装置13にブレーキ指令を出して列車の減速度を
制御する。
【0029】
【数2】
【0030】実際に検出された列車の減速度をβr、減
速目標地点F、減速目標地点Fと列車との距離をf
する。そして、距離fにおける列車の速度をVrとし
たとき、距離fのところから減速制御停止地点Eに達
するのに必要な減速度βbは式(3)により求められ
る。
【0031】
【数3】
【0032】次に、以上から得られた値に基づいて減速
制御装置8が制御すべき減速度βcを式(4)により求
める。ここで、Kは定数で、目標減速度パタンVpに
近づけるためのゲインとなる。そして、目標減速度を実
現するために指令すべきブレーキ指令を式(5)(6)
により求める。式(5)の△βは制御すべき減速度と列
車の減速度との差で、この差を補うようにブレーキ指令
を変化させる。そして、変化させるべきブレーキ指令値
は、式(6)により求める。
【0033】
【数4】
【0034】Nnは指令すべきブレーキ指令値、Niは
それまでに出力しているブレーキ指令値である。△Tは
ブレーキ指令1ステップ当たりの減速度の変化量であ
る。例えば、以上の演算結果によってブレーキ指令の出
力を変化させて列車を減速させていくことにより、列車
の速度を目標減速度パタンVpに追随させることができ
る。そして、列車の速度が制限速度Sを下回った時点
で減速制御装置8による減速制御を停止し、ブレーキ指
令を解除する。
【0035】以上のように列車を減速させることによ
り、列車の速度が制限速度パタンPを越えることがな
い。さらに、目標減速度パタンVpが一定であるためブ
レーキ指令値の変更が少なくなり、乗り心地を悪くする
ことなく減速させることができる。また、減速目標地点
Fは制限速度パタンPの終了地点である減速制御停止地
点Eの手前に設定されているので、常用最大ブレーキが
作用することなく、より高速に走行できる。
【0036】実施例2. 図3は実施例2の説明図である。図1及び図3におい
て、制限速度現示は制限速度変化地点Aで制限速度がS
からSに変化したものとする。制限速度パタンPと
との交点を減速制御停止地点Eとする。制限速度変
化地点Aと減速制御停止地点Eとの距離をeとする。減
速制御停止地点Eから所定の距離hだけ遠方の地点を減
速目標地点Hに定める。そして、制限速度変化地点Aと
減速目標地点Hとの距離をfとする。制限速度変化地
点Aでの列車の速度をVtとすると一定の減速度で減速
目標地点Hに達する減速度βeは式(7)により求めら
れる。この減速度βeを目標減速度として、減速目標地
点Hを基準とした目標減速度パタンVpを生成する。そ
して、目標減速度パタンVpに追随するように列車の減
速度を制御する。
【0037】
【数5】
【0038】上記の式(7)の演算結果による目標減速
度パタンVpに追随するようにブレーキ指令を変化させ
て列車を減速させていくことにより、列車の速度を目標
減速度パタンVpに追随させることができる。この目標
減速度βeの追随制御方法は実施例1と同様に行う。
【0039】減速目標地点Hは減速制御停止地点Eより
遠方に設定したため、目標減速度パタンVpが制限速度
パタンPと交差することになる。このため、目標減速度
パタンVpに追随して制御されてきた列車の速度は、制
限速度パタンPを越えるので、保安装置1による常用最
大ブレーキがブレーキ装置13へ指令される。常用最大
ブレーキを動作させる地点としては、常用最大ブレーキ
を2秒間動作させると仮定し、制限速度パタンPの減速
度を4.0km/h/sとすると、制限速度Sより8
km/h(4.0km/h/s×2秒)速度が高い地点
になる。この地点で目標減速度パタンVpが制限速度パ
タンPと交差する。目標減速度βeを3.5km/h/
s、減速制御停止地点Eと減速目標地点Hとの間の距離
をhとしたとき、式(8)によりh=3.5mだけ減速
目標地点Hが減速制御停止地点Eより遠方に設定され
る。
【0040】
【数6】
【0041】上記の制御によれば、減速制御装置8によ
る目標減速度パタンVpに追随するように走行した後、
減速目標地点Eの近傍で保安装置1の常用最大ブレーキ
が作用するので、表定速度を向上させることができる。
また、保安装置1による常用最大ブレーキが作用する前
に減速制御装置8による目標減速度パタンVpによる減
速制御がなされているため、減速度の変化が少なく乗心
地を低下させるのを防止できる。
【0042】実施例3. 図4は実施例3の説明図である。図1及び図4におい
て、Pは保安装置1の制限速度パタンPである。制限速
度現示は制限速度変化地点Aで制限速度がSからS
に変化したものとする。制限速度パタンPとSとの交
点をEとする。減速制御停止地点Eの所定の距離hだけ
手前の減速目標地点Fと定める。
【0043】制限速度変化地点Aでの列車の速度Vtで
秒走行した場合の到達予定地点をMとする。N
は予め定めた定数である。到達予定地点Mと減速目標
地点Fとの間の距離をgとして、減速制御装置8におい
て、到達予定地点Mから一定の減速度で減速目標地点
Fに到達するための減速度βeは式(9)で求められ
る。この減速度βeを得るためのブレーキ指令値をR
とすると、ブレーキ指令値Rは式(10)で求められ
る。式(10)の△Tはブレーキ指令の1ステップ当た
りの減速度の変化量である。そして、到達予定地点M
において必要なブレーキ指令RのC分の1(R
/C)のブレーキ指令Rを出力する。例えば、
=3とすると、R/3のブレーキ指令がブレーキ
装置13へ出力される。
【0044】
【数7】
【0045】次に、制限速度変化地点Aからブレーキ指
令Rで減速されながらN秒走行した後、地点Q
らブレーキ指令Rによる減速度で、列車がN秒後に
到達すると予想される地点をMとする。N,N
予め定めた定数である。地点Mと減速目標地点Fとの
間の距離をjとすると、地点Mから一定の減速度で減
速目標地点Fに到達するための減速度βfは式(11)
で求められる。この減速度βfを得るためのブレーキ指
令Rは式(12)で求められる。そして、式(13)
に示すように地点Mにおいて必要なブレーキ指令R
と現在のブレーキ指令Rとの差のC分の1のブレー
キ指令を出力する。例えば、C=2とすると、各ブレ
ーキ指令R,Rの中間のブレーキ指令Rが出され
る。
【0046】
【数8】
【0047】次に、地点Qからブレーキ指令Rで減
速されながらN秒走行した後、現在地点Qからブレ
ーキ指令Rによる減速で、列車がN秒後に到達する
と予想される地点をMとする。地点Mと減速目標地
点Fとの間の距離をkとすると、地点Mから一定の減
速度で減速目標地点Fに到達するための目標減速度βg
は式(14)で求められる。N,Nは予め定められ
た定数である。減速目標地点Fを基準に目標減速度βg
で走行した場合の速度軌跡となる目標減速度パタンVp
を設定する。この減速度βgを得るためのブレーキ指令
は式(15)で求められる。ブレーキ指令Rを出
力した後は、実施例1と同様に目標減速度パタンVpに
従って減速制御を行う。
【0048】
【数9】
【0049】この方式によれば、目標減速度パタンVp
による減速制御を開始する前にブレーキ指令が徐々に上
がっていくので、滑らかに減速制御へ移行できるため、
乗心地の向上が図れる。平均減速度を高く設定できるの
で、表定速度を高くできる。
【0050】実施例4. 図5は実施例4の説明図である。図1及び図5におい
て、制限速度現示が制限速度変化地点AでSからS
に変化したものとする。制限速度パタンPとSとの交
点を減速制御停止地点Eとする。減速制御停止地点Eの
所定の定距離a手前の地点を減速目標地点Fに定める。
ここで、保安装置1による制限速度パタンPの減速度よ
り若干低い減速度を目標減速度βaに設定する。この目
標減速度βaを制限速度パタンPより低くする度合い
は、目標減速度βaに追随制御する際に、ブレーキ指令
の変更によりブレーキ力が制御可能な範囲とし、いわゆ
る制御余裕を考えて設定する。
【0051】次に、減速目標地点Fを基準に目標減速度
βaで走行した場合の速度軌跡となる目標減速度パタン
Vpを設定する。列車が制限速度S区間に進入した時
点では、列車速度Vtは目標減速度パタンVpより低い
速度である。減速制御装置8は列車速度Vtと目標減速
度パタンVpとを比較しており、列車速度Vtが目標減
速度パタンVpを越えるまではブレーキ指令を出力しな
い。従って、目標減速度パタンVpを越えるまでは通常
の場合は惰行運転となり、列車速度Vtがほぼそのまま
保持されることになる。これによって制限速度Sの信
号区間において、より高速に走行することができる。
【0052】次に、列車の速度が目標減速度パタンVp
を越えると減速制御装置8がブレーキ制御を開始し、目
標減速パタンVpに追随するように列車の速度を制御し
ていく。この目標減速度パタンVpへの接近したことの
判定はつぎの方法で行う。現在の列車速度VtでN
走行した場合の列車の走行距離Dは式(16)で求め
られる。Nは予め定めた定数で、ブレーキ装置13の
ブレーキ力の立ち上がりの遅れ時間を補償する。
【0053】
【数10】
【0054】ここで現在の速度VtでD(m)走行し
た場合に、その地点で目標減速度パタンVpの速度を超
過するか否かを判定する。超過すると判定された場合は
ブレーキ装置13のブレーキ力の立ち上がり遅れを予測
して減速制御に移行する。超過しない場合はそのまま判
定処理を続け、減速制御には移行しない。減速制御に移
行した場合は、設定した目標減速度パタンVpに追随す
るように列車の減速を制御していく。目標減速度βaへ
の追随方法は実施例1と同様に行う。列車の速度が制限
速度Sを下回った時点で減速制御装置8は減速制御を
停止し、ブレーキ指令を解除する。
【0055】この方式ではブレーキ開始地点を遅らせて
いるため、より高速に制限速度S区間を走行すること
になり、表定速度を向上させることができる。ただし、
惰行運転から制限速度パタンPに近い大きな減速度で減
速制御されるため乗り心地については若干悪化すること
もありうる。しかしながら、列車の速度がいきなり制限
速度パタンPを越えて保安装置1による常用最大ブレー
キが動作することに比べれば、滑らかにブレーキが動作
していくこと、及び最大減速度が常用最大ブレーキによ
るものに比べて低いことから、この装置を適用しなかっ
た場合に比べれば遥かに乗り心地が改善される。
【0056】実施例5. 図6は実施例5の説明図である。図1及び図6におい
て、制限速度現示は制限速度変化地点Aで制限速度がS
からSに変化したものとする。制限速度パタンPと
との交点を減速制御停止地点Eとする。制限速度変
化地点Aと減速制御停止地点Eとの間の距離をeとす
る。減速制御停止地点Eから所定の距離hだけ遠方の地
点を減速目標地点Hに定める。そして、制限速度変化地
点Aと減速目標地点Hとの距離をfとする。
【0057】ここで、目標減速度βaは保安装置1によ
る制限速度パタンPより少し低い減速度に設定する。こ
の目標減速度βaを制限速度パタンPより低くする度合
いは、目標減速度βaに追随制御する際に、ブレーキ指
令の変更によりブレーキ力が制御可能な範囲とし、いわ
ゆる制御余裕を考えて設定する。次に、減速目標地点H
を基準に目標減速度βaで走行した場合の速度軌跡とな
る目標減速度パタンVpを設定する。通常、列車が制限
速度S区間に進入した時点では列車速度Vtは目標減
速度パタンVpより低い速度である。
【0058】減速制御装置8は列車速度Vtと目標減速
度パタンVpとを比較しており、列車速度Vtが目標減
速度パタンVtを越えるまではブレーキ指令を出力しな
い。従って、列車速度Vtが目標減速度パタンVpを越
えるまでは通常の場合は惰行運転となり、制限速度S
区間に進入したときの列車速度Vtがほぼそのまま保持
される。これによって、制限速度Sの信号区間におい
て、より高速に走行することができる。そして、列車の
速度が目標減速度パタンVpを越えると保安装置1が常
用最大ブレーキ指令をブレーキ装置13に出力して減速
制御を行う。
【0059】目標減速度パタンVpへ列車の速度が接近
したことの判定は、まず式(16)により列車速度Vt
でN秒走行した場合の列車の走行距離Dを求める。
そして、D(m)走行した場合に、その地点で目標減
速度パタンVpの速度を超過するか否かを判定する。超
過すると判定された場合は、ブレーキ装置13のブレー
キ力の立ち上がり遅れを予測して減速制御に移行する。
超過しない場合は、そのまま判定処理を続けて減速制御
には移行しない。減速制御に移行した場合は、設定した
目標減速度パタンVpに追随するように列車の減速制御
を行う。目標減速度パタンVpへの追随制御は実施例1
と同様に行う。列車の速度が制限速度Sを下回った時
点で保安装置1は減速制御を停止し、ブレーキ指令を解
除する。
【0060】以上の方法によれば、S2区間に進入して
しばらくそのまま高速に走行し、目標減速パタンVpに
接近すると減速制御が開始され、制限速度パタンVpの
減速度より若干低い目標減速度により追随制御される。
目標減速地点Hを減速制御停止地点E点より遠方に設定
したため、目標減速パタンVpは制限速度パタンPに交
差することになる。列車が追随制御され、減速していけ
ばやがて列車の速度が保安装置1の制限速度パタンPを
越える。この制限速度パタンPを超過した段階で保安装
置1から常用最大ブレーキのブレーキ指令が出力され
る。減速制御装置8により、保安装置1によるブレーキ
に近い比較的高い減速度で減速した後、保安装置1によ
る常用最大ブレーキが動作するため、急激な減速度の変
化がなく、乗り心地がさほど悪化しないばかりでなく、
減速制御装置8による高い減速度に加え、保安装置1に
よる常用最大ブレーキが動作するので、より高い減速度
が得られるため、全体の表定速度を高くとることができ
る。
【0061】実施例6. 図7は実施例6の説明図である。図1及び図7におい
て、制限速度現示は制限速度変化地点Aで制限速度がS
からSに変化したものとする。制限速度パタンPと
との交点を減速制御停止地点Eとする。減速制御停
止地点Eの所定の距離a手前の地点を減速目標地点Fに
定める。減速制御装置8は制限速度変化地点Aから減速
目標地点まで、制限速度パタンPより若干低い減速度で
走行した場合の速度軌跡となる目標減速度パタンVpを
設定する。列車が制限速度S区間に進入した時点で
は、列車速度Vt,Vt,Vtは目標減速度パタ
ンVpより低い速度目標地点Fを基準に列車の現在位置
〜Wと減速目標地点Fまでの距離に従って仮の目
標地点G,G,Gを定める。減速目標地点Fと列
車の現在位置Wとの距離を残走距離fとする。残走
距離fから減速目標地点Fと仮の目標地点Gまでの
距離Zを以下の式(17)で求める。K,Kは定数
である。ただし、Z≦0ではZ=0とする。距離Zは残
走距離が少なくなるに従って小さくなり、K以下で0
になる。現在位置W,Wについても目標地点Fと仮
の目標地点G,Gまでの距離を同様に式(17)で
求める。
【0062】
【数11】
【0063】次に、残走距離に基づいて以下の式(1
8)により目標減速度βvを定める。K〜Kは定数
である。ただし、(f−K)≦0では(f
)=0とする。目標減速度は残走距離に従って小さ
な値から徐々に大きくなる目標減速度パタンVp,V
,Vpになり最終的には目標減速度パタンVpの
となる。Kの値は保安装置1の制限速度パタンP
より若干低い値とする。
【0064】
【数12】
【0065】以上によって求めた目標減速度βvと仮の
目標地点G〜Gによって設定される目標減速度パタ
ンVp〜Vpに従って追随制御を行う。即ち、仮の
目標地点G〜Gを基準として、目標減速度βvによ
る目標減速度パタンVp〜Vpが生成されこれに対
する追随制御となる。目標減速度パタンに対する追随制
御の方法は実施例2の方法と同様である。但し、目標減
速度βvと仮の目標地点G〜Gは残走距離fに従
って変化していくことになる。列車の速度が制限速度S
を下回った時点で減速制御装置8は減速制御を停止
し、ブレーキ指令を解除する。
【0066】この方式によれば、徐々に列車の減速度が
高まり、減速目標地点では高い減速度となる。また、乗
り心地についても最終減速度は高いものの、そこに至る
までは徐々に減速度を高めていくため、大きな加速度変
化を生じることなく滑らかに変化していく。乗り心地を
悪化させるのを防止できる。
【0067】実施例7. 図8は実施例7の説明図である。図1及び図8におい
て、Pは保安装置1の制限速度パタンPである。制限速
度現示は制限速度変化地点Aで制限速度がSからS
に変化したものとする。制限速度パタンPとSとの交
点を減速制御停止地点Eから所定の距離hだけ遠方の地
点を最終の減速目標地点Hとする。減速目標地点Hを基
準に列車の現在位置Wと減速目標地点Hまでの距離f
に従って実施例6と同様に仮の目標地点G,G,G
を定める。また、減速目標地点Hを基準に列車の現在
位置Wと減速目標地点Hまでの距離に従って目標減速度
を定める。現在位置Wから仮の目標地点G〜Gと目
標減速度から目標減速度パタンVp,Vp,Vp
を生成する。そして、この目標減速度パタンVp〜V
に追随するように列車の減速制御を行う。
【0068】減速目標地点Hを減速制御停止地点Eより
遠方に設定しているため、目標減速度パタンVp〜V
と保安装置1による制限速度パタンPとが交差す
る。この交差点以降は保安装置1による常用最大ブレー
キが動作することになる。この方式によれば、減速目標
地点Hに近づくに従って徐々に減速度が高くなり、保安
装置1の制限速度パタンPを越えたときに常用最大ブレ
ーキが動作する。このように、ブレーキ力が徐々に強く
なり、最終的に常用最大ブレーキとなるので、ブレーキ
力の変化が小さいため、乗り心地が改善される。また、
平均減速度を高く設定できるので、表定速度の向上が図
れる。
【0069】実施例8. 路線によっては勾配等の路線条件の変化が多く、予め定
められた減速度パタンに追随させようとすると制御余裕
がなく十分に追随させることができない場合がある。一
方、制限速度信号の送受信手段としてトランスポンダ装
置を使用したもの等では、地上からの制限速度信号の送
信時に地上子のシリアル番号などの情報を合わせて伝送
し、この情報の読み込みにより路線上の列車の位置が特
定できる。そこで、目標減速度パタンは制限速度に対し
て予め定められた一律のものではなく、当該区間での路
線状況を考慮したその区間固有の目標減速度パタンとす
ることによって、その区間でより適した目標減速度パタ
ンによって制御することができる。
【0070】以下、図9に基づいて動作を説明する。図
1及び図9において、制限速度Sの制限速度信号を地
上子から受信した時点で、同時に当該地上子番号を受信
するものとする。この地上子番号は予め路線上で地上子
の設置位置と対応して設定しておく。従って、この地上
子番号の受信により、路線上の列車の位置を認識するこ
とができる。ここで、当該区間に勾配があれば目標減速
度パタンを勾配の分だけ補正し、これを当該区間専用の
目標減速度パタンとして定め、減速度制御装置8に記憶
させておく。列車が当該区間に進入し、当該地上子番号
を受信すると、予め記憶させていた目標減速度の当該区
間のデータを読み出す。この読みだした当該区間専用の
目標減速パタンに基づいて減速制御を実施する。勾配に
よる補正方法としては例えばA0/00の下り勾配があ
った場合この下り勾配による減速度の低下βlはおよそ
式(19)で表される。この減速度の低下分だけ目標減
速度を補正する。平均区間における予め定められた目標
減速度をβmとすると、補正後の目標減速度βnは式
(20)となる。
【0071】
【数13】
【0072】減速目標地点Fを基準に勾配による補正前
後の目標減速度βm及びβnで走行した場合の速度の軌
跡となる目標減速度パタンVpm及びVpnを設定す
る。列車が制限速度区間に進入した時点では、列車速度
Vtは目標減速度パタンVpより低い速度である。減速
制御装置8は列車速度Vtと目標減速度パタンVpとを
比較しており、列車速度が目標減速度パタンVpを越え
るまではブレーキ指令を出力しない。従って、目標減速
度パタンVpを越えるまでは通常の場合は惰行運転とな
り、列車速度Vtがほぼそのまま保持されることにな
る。これによって、制限速度Sの信号区間において、
より高速に走行することができる。
【0073】実施例9. 路線によっては勾配等の路線条件の変化が大きく、予め
定められた目標減速度に追随させようとすると制御余裕
が少なく十分に追随させられない場合がある。この場
合、当該区間の路線状況に適合した目標減速度によって
減速制御することが必要となる。このためには減速制御
装置8が路線上のどの区間を走行しているのかを認識
し、その区間に適合するように予め定められたその区間
専用の目標減速度データを用いて制御していく方法があ
る。このためにはまず減速制御装置8が路線上のどの区
間を走行しているかを認識する手段が必要となる。
【0074】一方、地上から制限速度信号の送受信手段
としてトランスポンダ装置を使用したものでは、地上か
らの制限速度信号の送信時に合わせて地上子のシリアル
番号あるいは区間番号を伝送するものがあり、この信号
の読み込みにより路線上の列車の位置が特定できる。ま
た、この地上子番号や区間番号情報は全ての地上子に設
定してある必要はない。この場合、特定できる地上子位
置を基準にして、図1に示す減速制御装置8に入力され
る発電機7により距離を検出して距離を積算する。さら
に、制限速度信号の変化点を検知することにより、予め
記憶してある信号変化地点データを参照して位置の補正
を行っていく。
【0075】以下、図9に従って動作を説明する。図1
及び図9において、Sの制限速度信号を受信した時点
で同時に当該区間番号を受信するものとする。この当該
区間番号の受信により、予め記憶させていた当該区間の
目標減速度データを減速制御装置8に備えた記憶装置か
ら読み込む。目標減速度データとしては開始目標減速度
及び終了目標減速度、開始仮目標地点、最終目標地点が
ある。勾配によるデータの補正方法としては例えばA0
/00の下り勾配があった場合この下り勾配による減速
度の低下βlは式(19)で表される。この減速度の低
下分βlで目標減速度を補正する。平坦区間における予
め定められた開始目標減速度をβbとし終了目標減速
度をβeとすれば、補正後の開始目標減速度βb
び終了目標減速度βeは式(21)(22)とするこ
とができる。
【0076】
【数14】
【0077】この区間ごとに設定された補正後の目標減
速度に従って実施例10と同様の制御を実施する。本実
施例によれば特定区間で大きく勾配条件等が異なっても
その区間の路線条件に適合した減速制御がなされるた
め、制御の追随性が優れ、より乗り心地よく画一的で正
確な減速制御を行うことができる。
【0078】実施例10. 図10は実施例10の説明図である。図1及び図10に
おいて、減速制御装置8の目標減速度パタンVpにより
減速制御が行われ、列車の速度Vtが制限速度Sを下
回った時点で、減速制御装置8が出力していたブレーキ
指令をRとする。このとき、ブレーキ指令RのC
分の1(R=R/C)のブレーキ指令Rを出力
する。例えば、C=1.5とすると、ブレーキ指令R
の2/3のブレーキ指令Rが出力される。次に、N
秒後の地点Pでそれまでのブレーキ指令RのC
分の1(R=R/C)のブレーキ指令Rを出力
する。例えば、C=2とすれば、ブレーキ指令R
1/2のブレーキ指令Rが出力される。そして、N
秒後に地点Pで減速制御を停止してブレーキ指令を解
除する。なお、N,N,C,Cは予め定めた定
数である。
【0079】以上の方法により減速制御停止時に徐々に
ブレーキ指令が低下するため、列車の減速度の変化が少
なく、減速度制御停止時に乗り心地を改善することがで
きる。但し、減速制御停止後の速度の低下を最小限にす
るため、N,Nの値は乗り心地を悪化させない範囲
でできるだけ小さい値とする。以上、制限速度を下回っ
た時点で2回ブレーキ指令を出力した例を示したが、以
上の操作を繰り返すことにより、1回以上N回まで任意
の回数のブレーキ出力ができることはいうまでもない。
【0080】実施例11. 図11は実施例11の説明図である。図11は減速目標
地点Hが減速制御停止地点Eより遠方にある。図1及び
図11において、列車の速度が地点Pで保安装置1の
制限速度パタンPを上回って保安装置1から常用最大ブ
レーキ指令Rmxが出力された時点で、減速制御装置8
が常用最大ブレーキ指令値RmxのC分の1のブレー
キ指令R(R=Rmx/C)を出力する。例え
ば、C=1.5とすると、Rmxの2/3のブレーキ
指令が減速制御装置8から出力される。このとき、保安
装置1から常用最大ブレーキ指令Rmxと減速制御装置
8からのブレーキ指令値Rとが出力されているが、列
車としては高位の常用最大ブレーキ指令Rmxが作用し
ている。次に、列車が制限速度Sを下回った地点P
で常用最大ブレーキ指令Rmxが解除される。しかし、
減速制御装置8からのブレーキ指令Rによって減速さ
れてからN秒後の地点Pで、ブレーキ指令RのC
分の1のブレーキ指令R10(R10=R/C
を出力する。そして、ブレーキ指令R10が出力されて
からN10秒後に地点Pで減速制御装置8からのブレ
ーキ指令が解除される。N,N10,C,Cは予
め定めた定数である。
【0081】以上により、保安装置1による常用最大ブ
レーキが緩解した後も減速制御装置8からのブレーキ指
令により徐々にブレーキ力が低下していくため、列車の
減速度の変化が小さく、保安装置1による常用最大ブレ
ーキが緩解するときの乗り心地を改善することができ
る。但し、減速制御停止後の速度の低下を最小限にする
ため、N,N10の値は乗り心地を悪化させない範囲
でできるだけ小さい値とする。以上、制限速度を下回っ
た時点で2回ブレーキ指令を出力した例を示したが、以
上の操作を繰り返すことにより、1回以上N回まで任意
の回数のブレーキ出力ができることはいうまでもない。
【0082】
【発明の効果】請求項1の発明は、列車が第1の速度制
限信号の制限速度より低い速度で制限速度変化地点を通
過したとき、保安装置から第2の速度制限信号を受けて
減速制御停止地点より遠方の減速目標地点で第2の速度
制限信号の速度になるように列車が制限速度変化地点に
進入したときの速度から連続的に低下させた目標減速度
パタンを作成し、列車の速度が第2の速度制限信号より
低くなるまで目標減速度パタンに追随するようにブレー
キ装置に所定のブレーキ力を指令し、列車の速度が制限
速度パタンを越えたとき保安装置から常用最大ブレーキ
のブレーキ指令をブレーキ装置に出力するようにしたの
で、保安装置による常用最大ブレーキが作用する前に減
速制御装置による減速制御がなされるため、滑らかに減
速制御に移行する。これによって、乗り心地を低下させ
ることなく、表定速度を向上させることができる。
【0083】請求項2の発明は、減速制御停止地点より
手前に減速目標地点を設定し、列車が制限速度変化地点
に進入したときの速度で所定の時間走行したと想定した
第1の地点から減速目標地点で第2の速度制限信号の速
度になる第1の減速度を演算し、第1の減速度より小さ
い第2の減速度で列車の速度を所定の速度まで減速させ
た第2の地点から、減速目標地点で第2の速度制限信号
の速度になる第3の減速度の目標減速度パタンを演算
し、列車の速度が第2の速度制限信号の速度より低くな
るまで目標減速度パタンに追随するようにブレーキ装置
に所定のブレーキ力を指令する減速制御装置を備えたの
で、第2の減速度で減速してから第3の減速度の目標減
速パタンに追随させるように制御するため、滑らかに減
速制御に移行して乗り心地を低下させることなく、表定
速度を向上させることができる。
【0084】請求項3の発明は、減速制御停止地点から
所定の距離内の減速目標地点で第2の速度制限信号の速
度になるように列車が制限速度変化地点に進入したとき
速度より高い速度から連続的に低下させた目標減速度
パタンを作成し、列車の速度が列車が制限速度変化地点
に進入した時点から所定の時間後の目標減速度パタンの
速度に達してから目標減速度パタンに追随させるように
したので、高い速度で走行してから目標減速度パタンに
よる追随制御となり、常用最大ブレーキが作用する前に
目標減速度パタンの減速度による制御があるので、滑ら
かに減速制御に移行して乗り心地を低下させることな
く、表定速度を向上させることができる。
【0085】請求項4の発明は、減速制御停止地点より
遠方の減速目標地点で第2の速度制限信号の速度になる
ように列車が制限速度変化地点に進入したときの速度よ
り高い速度から連続的に低下させた目標減速度パタンを
作成し、列車の速度が列車が制限速度変化地点に進入し
た時点から所定の時間後の目標減速度パタンの速度に達
してから列車の速度を目標減速度パタンに追随させ、列
車の速度が制限速度パタンを越えたとき保安装置から常
用最大ブレーキのブレーキ指令をブレーキ装置に出力す
るようにしたので、目標減速度パタンにより減速してか
ら保安装置による常用最大ブレーキが作用するため急激
な減速度の変化がなく、滑らかに減速制御に移行して乗
り心地を低下させることなく、表定速度を向上させるこ
とができる。
【0086】請求項5の発明は、減速制御停止地点の手
前及び遠方の複数箇所の減速目標地点で第2の速度制限
信号の速度になるように列車が制限速度変化地点に進入
したときの速度から連続的に低下させた目標減速度パタ
ンを複数個作成し、減速目標地点が減速制御停止地点の
遠方にある目標減速度パタンから順次減速制御停止地点
の手前にある目標減速度パタンに追随させるようにした
ので、徐々に減速度が高くなるため、滑らかに減速制御
に移行して乗り心地を低下させることなく、表定速度を
向上させることができる。
【0087】請求項6の発明は、減速制御停止地点より
遠方の複数箇所の減速目標地点で第2の速度制限信号の
速度になるように列車が制限速度変化地点に進入した
きの速度より高い速度から連続的に低下させた目標減速
度パタンを複数個作成し、減速目標地点が減速制御停止
地点の遠方にある目標減速度パタンから順次減速制御停
止地点に近い方にある目標減速度パタンに追随させ、列
車の速度が制限速度パタンを越えたとき保安装置から常
用最大ブレーキのブレーキ指令をブレーキ装置に出力す
るようにしたので、徐々に減速度が高くなるため、常用
最大ブレーキの減速度にも滑らかに移行して乗り心地を
低下させることなく、表定速度を向上させることができ
る。
【0088】請求項7の発明は、請求項3から請求項6
のいずれかにおいて、保安装置が各速度制限信号を受信
するとともに列車位置を検出し、減速制御装置が列車位
置に対応した路線状況を記憶しておき、路線状況により
目標減速度パタンを補正するようにしたものである。
【0089】請求項8の発明は、請求項1から請求項7
のいずれかにおいて、列車の速度が第2の速度制限信号
の速度以下になったとき、第2の速度制限信号の速度以
下になるまでブレーキ装置に指令していたブレーキ指令
を小さくしてから解除するようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示す構成図である。
【図2】 実施例1の動作を示す説明図である。
【図3】 実施例2の動作を示す説明図である。
【図4】 実施例3の動作を示す説明図である。
【図5】 実施例4の動作を示す説明図である。
【図6】 実施例5の動作を示す説明図である。
【図7】 実施例6の動作を示す説明図である。
【図8】 実施例7の動作を示す説明図である。
【図9】 実施例8の動作を示す説明図である。
【図10】 実施例9の動作を示す説明図である。
【図11】 実施例10の動作を示す説明図である。
【図12】 従来の減速制御装置の構成図である。
【図13】 図12の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 保安装置、8 減速制御装置、13 ブレーキ装
置、P 制限速度パタン、Vp 目標減速度パタン、S
,S 制限速度、Vt 列車速度、A 制限速度変
化地点、E 減速制御停止地点、F 減速目標地点。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制限速度が第1の速度制限信号から下位
    の第2の速度制限信号に変化したとき、保安装置が上記
    制限速度が変化した制限速度変化地点の第1の速度制限
    信号の速度から上記第2の速度制限信号の速度になる減
    速制御停止地点まで連続的に低下させた制限速度パタン
    を発生し、列車の速度が上記制限速度パタンを越えたと
    きに常用最大ブレーキを指令し、上記保安装置からのブ
    レーキ指令によりブレーキ装置が上記減速制御停止地点
    までに上記列車の速度を上記第2の速度制限信号の速度
    以下にするようにした列車の目標減速度制御装置におい
    て、上記列車が上記第1の速度制限信号の制限速度より
    低い速度で上記制限速度変化地点を通過したとき、上記
    保安装置から上記第2の速度制限信号を受けて上記減速
    制御停止地点より遠方の減速目標地点で上記第2の速度
    制限信号の速度になるように上記列車が上記制限速度変
    化地点に進入したときの速度から連続的に低下させた目
    標減速度パタンを作成し、上記列車の速度が上記第2の
    速度制限信号より低くなるまで上記目標減速度パタンに
    追随するように上記ブレーキ装置に所定のブレーキ力を
    指令する減速制御装置を備え、上記列車の速度が上記制
    限速度パタンを越えたとき上記保安装置から上記常用最
    大ブレーキのブレーキ指令を上記ブレーキ装置に出力す
    るようにしたことを特徴とする列車の目標減速度制御装
    置。
  2. 【請求項2】 制限速度が第1の速度制限信号から下位
    の第2の速度制限信号に変化したとき、保安装置が上記
    制限速度が変化した制限速度変化地点の第1の速度制限
    信号の速度から上記第2の速度制限信号の速度になる減
    速制御停止地点まで連続的に低下させた制限速度パタン
    を発生し、列車の速度が上記制限速度パタンを越えたと
    きに常用最大ブレーキを指令し、上記保安装置からのブ
    レーキ指令によりブレーキ装置が上記減速制御停止地点
    までに上記列車の速度を上記第2の速度制限信号の速度
    以下にするようにした列車の目標減速度制御装置におい
    て、上記減速制御停止地点より手前に減速目標地点を設
    定し、上記列車が制限速度変化地点に進入したときの
    度で所定の時間走行したと想定した第1の地点から上記
    減速目標地点で上記第2の速度制限信号の速度になる第
    1の減速度を演算し、上記第1の減速度より小さい第2
    の減速度で上記列車の速度を所定の速度まで減速させた
    第2の地点から、上記減速目標地点で上記第2の速度制
    限信号の速度になる第3の減速度の目標減速度パタンを
    演算し、上記列車の速度が上記第2の速度制限信号の速
    より低くなるまで上記目標減速度パタンに追随するよ
    うに上記ブレーキ装置に所定のブレーキ力を指令する減
    速制御装置を備えたことを特徴とする列車の目標減速度
    制御装置。
  3. 【請求項3】 制限速度が第1の速度制限信号から下位
    の第2の速度制限信号に変化したとき、保安装置が上記
    制限速度が変化した制限速度変化地点の第1の速度制限
    信号の速度から上記第2の速度制限信号の速度になる減
    速制御停止地点まで連続的に低下させた制限速度パタン
    を発生し、列車の速度が上記制限速度パタンを越えたと
    きに常用最大ブレーキを指令し、上記保安装置からのブ
    レーキ指令によりブレーキ装置が上記減速制御停止地点
    までに上記列車の速度を上記第2の速度制限信号の速度
    以下にするようにした列車の目標減速度制御装置におい
    て、上記列車が上記第1の速度制限信号の制限速度より
    低い速度で上記制限速度変化地点を通過したとき、上記
    保安装置から上記第2の速度制限信号を受けて上記減速
    制御停止地点から所定の距離内の減速目標地点で上記第
    2の速度制限信号の速度になるように上記列車が上記制
    限速度変化地点に進入したときの速度より高い速度から
    連続的に低下させた目標減速度パタンを作成し、上記列
    車の速度が上記列車が上記制限速度変化地点に進入した
    時点から所定の時間後の上記目標減速度パタンの速度に
    達してから上記目標減速度パタンに追随するようによう
    に上記ブレーキ装置に所定のブレーキ力を指令する減速
    制御装置を備えたことを特徴とする列車の目標減速度制
    御装置。
  4. 【請求項4】 制限速度が第1の速度制限信号から下位
    の第2の速度制限信号に変化したとき、保安装置が上記
    制限速度が変化した制限速度変化地点の第1の速度制限
    信号の速度から上記第2の速度制限信号の速度になる減
    速制御停止地点まで連続的に低下させた制限速度パタン
    を発生し、列車の速度が上記制限速度パタンを越えたと
    きに常用最大ブレーキを指令し、上記保安装置からのブ
    レーキ指令によりブレーキ装置が上記減速制御停止地点
    までに上記列車の速度を上記第2の速度制限信号の速度
    以下にするようにした列車の目標減速度制御装置におい
    て、上記列車が上記第1の速度制限信号の制限速度より
    低い速度で上記制限速度変化地点を通過したとき、上記
    保安装置から上記第2の速度制限信号を受けて上記減速
    制御停止地点より遠方の減速目標地点で上記第2の速度
    制限信号の速度になるように上記列車が上記制限速度変
    化地点に進入したときの速度より高い速度から連続的に
    低下させた目標減速度パタンを作成し上記列車の速度
    が上記列車が上記制限速度変化地点に進入した時点から
    所定の時間後の上記目標減速度パタンの速度に達してか
    ら上記列車の速度を上記目標減速度パタンに追随するよ
    うに上記ブレーキ装置に所定のブレーキ力を指令する減
    速制御装置を備え、上記列車の速度が上記制限速度パタ
    ンを越えたとき上記保安装置から上記常用最大ブレーキ
    のブレーキ指令を上記ブレーキ装置に出力するようにし
    ことを特徴とする列車の目標減速度制御装置。
  5. 【請求項5】 制限速度が第1の速度制限信号から下位
    の第2の速度制限信号に変化したとき、保安装置が上記
    制限速度が変化した制限速度変化地点の第1の速度制限
    信号の速度から上記第2の速度制限信号の速度になる減
    速制御停止地点まで連続的に低下させた制限速度パタン
    を発生し、列車の速度が上記制限速度パタンを越えたと
    きに常用最大ブレーキを指令し、上記保安装置からのブ
    レーキ指令によりブレーキ装置が上記減速制御停止地点
    までに上記列車の速度を上記第2の速度制限信号の速度
    以下にするようにした列車の目標減速度制御装置におい
    て、上記列車が上記第1の速度制限信号の制限速度より
    低い速度で上記制限速度変化地点を通過したとき、上記
    保安装置から上記第2の速度制限信号を受けて上記減速
    制御停止地点の手前及び遠方の複数箇所の減速目標地点
    上記第2の速度制限信号の速度になるように上記列車
    が上記制限速度変化地点に進入したときの速度から連続
    的に低下させた目標減速度パタンを複数個作成し、上記
    減速目標地点が上記減速制御停止地点の遠方にある上記
    目標減速度パタンから順次上記減速制御停止地点の手前
    にある上記目標減速度パタンに追随するように上記ブレ
    ーキ装置に所定のブレーキ力を指令する減速制御装置を
    備えたことを特徴とする列車の目標減速度制御装置。
  6. 【請求項6】 制限速度が第1の速度制限信号から下位
    の第2の速度制限信号に変化したとき、保安装置が上記
    制限速度が変化した制限速度変化地点の第1の速度制限
    信号の速度から上記第2の速度制限信号の速度になる減
    速制御停止地点まで連続的に低下させた制限速度パタン
    を発生し、列車の速度が上記制限速度パタンを越えたと
    きに常用最大ブレーキを指令し、上記保安装置からのブ
    レーキ指令によりブレーキ装置が上記減速制御停止地点
    までに上記列車の速度を上記第2の速度制限信号の速度
    以下にするようにした列車の目標減速度制御装置におい
    て、上記列車が上記第1の速度制限信号の制限速度より
    低い速度で上記制限速度変化地点を通過したとき、上記
    保安装置から上記第2の速度制限信号を受けて上記減速
    制御停止地点より遠方の複数箇所の減速目標地点で上記
    第2の速度制限信号の速度になるように上記列車が上記
    制限速度変化地点に進入したときの速度より高い速度か
    連続的に低下させた目標減速度パタンを複数個作成
    し、上記減速目標地点が上記減速制御停止地点の遠方に
    ある上記目標減速度パタンから順次上記減速制御停止地
    点に近い方にある上記目標減速度パタンに追随するよう
    に上記ブレーキ装置に所定のブレーキ力を指令する減速
    制御装置を備え、上記列車の速度が上記制限速度パタン
    を越えたとき上記保安装置から上記常用最大ブレーキの
    ブレーキ指令を上記ブレーキ装置に出力するようにした
    ことを特徴とする列車の目標減速度制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項3から請求項6のいずれかにおい
    て、保安装置が各速度制限信号を受信するとともに列車
    位置を検出し、減速制御装置が上記列車位置に対応した
    路線状況を記憶しておき、上記路線状況により上記目標
    減速度パタンを補正するようにしたことを特徴とする列
    車の目標減速度制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7のいずれかにおい
    て、列車の速度が第2の速度制限信号の速度以下になっ
    たとき、上記第2の速度制限信号の速度以下になるまで
    ブレーキ装置に指令していたブレーキ指令を小さくして
    から解除するようにしたことを特徴とする列車の目標減
    速度制御装置。
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