JP3261690B2 - パーマネントウェーブ剤第1剤 - Google Patents

パーマネントウェーブ剤第1剤

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JP3261690B2
JP3261690B2 JP29874795A JP29874795A JP3261690B2 JP 3261690 B2 JP3261690 B2 JP 3261690B2 JP 29874795 A JP29874795 A JP 29874795A JP 29874795 A JP29874795 A JP 29874795A JP 3261690 B2 JP3261690 B2 JP 3261690B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒトの頭髪に使用される
パーマネントウェーブ剤第1剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、日本でヒトの頭髪に使用されてい
るパーマネントウェーブ剤第1剤(以下「パーマ剤1
剤」という)の主剤として含まれる還元剤としては、チ
オグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエ
タノールアミン塩、システイン、システイン塩酸塩及び
N−アセチルシステインがある。
【0003】又、日本では使用されていないが欧米で使
用されている他の還元剤としては、グリセリルモノチオ
グリコレート及びシステアミン塩酸塩等がある。
【0004】パーマ剤1剤の主流は、チオグリコール酸
アンモニウムを主剤(還元剤)とし、アンモニア水をア
ルカリ剤とし、pHを約9にしたものである。しかし、
このようなパーマ剤1剤は、ウェーブ効果が強いという
長所があるが、以下の様な欠点もある。 チオグリコール酸やアンモニアに起因するパーマ剤特
有の悪臭がある。 毛髪に対する損傷の度合いが大きく、髪質の判断や施
術法を誤まるとトラブルを生じやすい。 サロンの施術者(美容師)は素手で施術する習慣があ
り、ひりつき、手荒れ、感作、顧客のひりつきなど皮膚
に対する安全性上の問題が知られており取扱い上の細か
い注意が要求されている。
【0005】又、チオグリコール酸アンモニウムと炭酸
水素アンモニウムとを用い、pHを8〜8.5にしたパ
ーマ剤1剤もよく使われるが、ウェーブ効果がやや弱く
なり、皮膚の感作やチオグリコール酸に起因するパーマ
剤特有の悪臭も未だ解決されていない。
【0006】システイン塩酸塩、N−アセチルシステイ
ンを用いモノエタノールアミン等でpHを9以上に高く
したパーマ剤1剤も使用されているが、ウェーブ効果が
かなり弱く、そのためpHをかなり高くしたり又は施術
時間を長くしたりすることが多く、特にアルカリ(過剰
なモノエタノールアミン)に起因する皮膚トラブルを生
じやすい。システイン塩酸塩やN−アセチルシステイン
はパーマ臭が少ないという長所があるが、製剤としては
不安定で、特に古くなった製剤では硫化水素が発生し、
不快な臭いの原因となっている。
【0007】欧米で使われているグリセロールモノチオ
グリコレート、システアミン塩酸塩は感作性がかなり高
く、特に美容師に対しては水巻き法や手袋の使用などの
制限が必要とされている。
【0008】尚、特開昭61−69717号には還元剤
としてチオ乳酸を用い、毛髪の損傷を低減させる目的で
特定のタンパク質加水分解物又はその誘導体を組合せて
使用したパーマネントウェーブ剤第一剤が、特開昭63
−51316号には還元剤としてチオ乳酸のアルカリ塩
またはアンモニウム塩を用い、やはり毛髪を痛めずに毛
髪の造形を向上させるために酸化固定後に後処理を行う
方法が記載されているが、コスト面からみても効率の良
いものではなく、毛髪の損傷を低下させるための本質的
な解決策ではなさそうである。
【0009】以上詳述してきた様に、現在使用されてい
る還元剤には一長一短がみられ、処方構成上の多くの努
力、使用法上の細心の注意が払われているが、未だ完全
には解決されていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の点に鑑み、本発
明は、ウェーブ効果、パーマ臭のマイルドさ、毛髪損傷
の少なさ、皮膚に対する安全性の高さ、経時安定性に優
れ、かつ還元剤が廉価で産業上利用できる、従来より知
られ使用されているチオグリコール酸塩系パーマ剤やシ
ステイン系パーマ剤に比べ、多くの優れた特徴を持つパ
ーマ剤1剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる現状において、本
発明者等は種々の還元剤探索並びに処方的研究を鋭意遂
行した結果、最も繁用されているチオグリコール酸アン
モニウム系パーマ剤1剤に対し、以下の点で優れたパー
マ剤1剤を見い出すに至った。 ウェーブ効果がチオグリコール酸塩系と同等か又はそ
れ以上である。 パーマ臭がチオグリコール酸塩系よりも少くマイルド
である。 毛髪損傷がチオグリコール酸塩系よりも少ない。 皮膚に対する安全性が高い。 パーマ剤1剤としての経時安定性が良い。 還元剤が廉価で産業上利用できる。
【0012】すなわち、本発明の第1の要旨は、チオ乳
酸アンモニウム塩、チオ乳酸モノエタノールアミン塩、
チオ乳酸イソプロパノールアミン塩、チオ乳酸から選ば
れる一種又は二種以上の組合せから成る還元剤と、モノ
エタノールアミン、イソプロパノールアミン、アンモニ
ア水から選ばれる一種又は二種以上の組合せから成るア
ルカリ剤とを含み、フリーとして及び/又はチオ乳酸の
対イオンとして含まれるモノエタノールアミン及び/又
はイソプロパノールアミンの総量が、チオ乳酸及び/又
はチオ乳酸の総塩量に対してモル濃度比で0.3〜1.
0の範囲内に調製され、pHが7.5〜9.5の範囲内
水溶液であることを特徴とするパーマネントウェーブ
剤第1剤に存在する。
【0013】本発明の第2の要旨は、チオ乳酸及びその
塩の総量が0.3〜2.2M、フリーとして存在する全
アルカリ量が0.8規定以下であることを特徴とするパ
ーマネントウェーブ剤第1剤に存在する(但し、Mはm
ol/lである)。
【0014】本発明の第3の要旨は、チオ乳酸モノエタ
ノールアミン塩とチオ乳酸アンモニウム塩とのモル濃度
比がチオ乳酸モノエタノールアミン塩:チオ乳酸アンモ
ニウム塩=0.25:0.75〜1.0:0の範囲内で
あることを特徴とするパーマネントウェーブ剤第1剤に
存在する。
【0015】本発明の第4の要旨は、チオ乳酸の酸化体
であるジチオジ乳酸又はその塩を更に含むことを特徴と
するパーマネントウェーブ剤第1剤に存在する。
【0016】本発明の第5の要旨は、チオ乳酸又はその
塩以外の他の還元剤として、チオグリコール酸アンモニ
ウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン塩などの
チオグリコール酸塩、システイン又はその塩、N−アセ
チルシステイン、並びにこれらの酸化体から選ばれる一
種又は二種以上の組合わせを更に含有することを特徴と
するパーマネントウェーブ剤第1剤に存在する。
【0017】本発明の第6の要旨は、尿素、アルキル尿
素、グアニジン、グアニジン塩、フェノキシエタノー
ル、フェノキシプロパノール、ベンジンアルコール及び
ラウリルベタインから選ばれる単独又は二種以上の組合
せを更に含有することを特徴とするパーマネントウェー
ブ剤第1剤に存在する。
【0018】本発明の第7の要旨は、有用な添加剤とし
てアミノシリコーン又はそのエマルジョン、カチオン性
高分子、アミノ酸、ペプチド、プロテイン、金属イオン
封鎖剤、油分、界面活性剤、香料、色素から選ばれる一
種又は二種以上の組合わせを更に含有することを特徴と
するパーマネントウェーブ剤第1剤に存在する。
【0019】本発明の第8の要旨は、施術法として、ヒ
トの頭髪に使用し、コールド二浴式、加温二浴式、用時
調製発熱二浴式、及びコールド又は加温二浴式縮毛矯正
法のいずれかの方法であるパーマネントウェーブ剤第1
剤に存在する。
【0020】
【作用】以下に、本発明の作用を述べる。
【0021】本発明のパーマ剤1剤に用いる、チオ乳酸
又はその塩であるチオ乳酸アンモニウム、チオ乳酸モノ
エタノールアミン塩、チオ乳酸イソプロパノールアミン
塩は、チオグリコール酸塩に比べて、安全性が高く、パ
ーマ臭のうち特に毛髪に作用している間に発生する硫化
水素量が極めて少ない。
【0022】フリーとして及び/又はチオ乳酸の対イオ
ンとして含まれるモノエタノールアミンやイソプロパノ
ールアミンの総量は、チオ乳酸及び/又はチオ乳酸塩総
量に対して、モル濃度比で0.3〜1.0である。好ま
しくは、0.5〜1.0である。これにより、ウェーブ
効果が高まりかつその割には毛髪損傷が少なく、パーマ
臭のうち特にアンモニアの刺激臭が少なくマイルドで、
パーマ処理後の髪の感触がなめらかになる。
【0023】このモル濃度比が1.0を越えると、皮膚
へのくり返し塗布による手荒れが急速に高まり、ウェー
ブ効果が弱くなる。又モル濃度比が0.3を下まわる
と、皮膚に塗布した時に感じる滲みる様な痛み感が増
し、アンモニアの刺激臭が増し、ウェーブ効果は弱くな
る。
【0024】チオ乳酸及びその塩の総量は、0.3〜
2.2Mである。
【0025】コールド二浴式パーマ剤1剤としては0.
4〜1.1Mが適切である。特にいたんだ髪用として
は、0.3〜0.8Mが適切である。又、健康な髪用と
してかつ強いウェーブを与えるためには、0.6〜1.
1Mが適切である。
【0026】用時調製発熱二浴式パーマ剤1剤として
は、1.2〜2.2Mが適切である。コールド二浴式に
比べて、かなり濃度が高いが、これは一部過酸化水素水
溶液で用時混合し、チオ乳酸及びその塩がジチオジ乳酸
に酸化されること、及び全体の容量が増し相対的に希釈
されることからチオ乳酸の濃度を高くする必要があるた
めである。
【0027】フリーとして存在する全アルカリ量は、
0.2〜0.8規定内が適切であり、好ましくは0.4
〜0.7規定である。0.8規定を越えると髪の損傷が
優先して起り更に皮膚に対する負荷が高くなる。
【0028】又、液のpHは7.5〜9.5であり、好
ましくは8.5〜9.2である。このpHを達成するた
めのアルカリ剤としては、モノエタノールアミン、イソ
プロパノールアミン及びアンモニア水を用いて調製す
る。これ以外のアルカリ剤として、炭酸水素アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸グアニジ
ンなどのグアニジン塩、リジン、アルギニン及び2−ア
ミノ−2−メチルプロパノール等の小量添加が有用な場
合もある。
【0029】請求項1に述べている、フリーとして及び
/又はチオ乳酸の対イオンとして含まれるモノエタノー
ルアミン及び/又はイソプロパノールアミンの総量が、
チオ乳酸及び/又はチオ乳酸塩の総量に対してモル濃度
比で0.3〜1.0の範囲内に調整される際、チオ乳酸
モノエタノールアミン塩及びチオ乳酸アンモニウム塩と
を混合使用する方法が最も安全で経済的である。
【0030】この場合、チオ乳酸モノエタノールアミン
塩とチオ乳酸アンモニウム塩の混合比がモル濃度比でチ
オ乳酸モノエタノールアミン塩:チオ乳酸アンモニウム
塩=0.25:0.75〜1.00:0の範囲内が適切
である。
【0031】0.25:0.75未満の場合、請求項1
の条件を満足させるためにフリーアルカリ成分中、モノ
エタノールアミン及び/又はイソプロパノールアミンが
大過剰にならざるを得ず、毛髪や肌に対する負荷が高く
なる。
【0032】また、1.00:0の場合は、チオ乳酸モ
ノエタノールアミン塩だけを使用することになり、この
とき、請求項1の条件を満足させるためにフリーアルカ
リ成分中、モノエタノールアミン及び/又はイソプロパ
ノールアミンを含んではならない。この場合は、フリー
アルカリ成分としてアンモニア水、炭酸水素アンモニウ
ム塩及び炭酸アンモニウム塩等を使用すればよい。
【0033】請求項1の条件を満足させるその他の方法
としては、チオ乳酸を使用することもできる。具体的に
は、チオ乳酸単独、チオ乳酸とチオ乳酸アンモニウム
塩、チオ乳酸とチオ乳酸モノエタノールアミン塩及びチ
オ乳酸とチオ乳酸イソプロパノールアミン塩の組み合わ
せ使用がある。いずれの場合にもチオ乳酸を扱うことに
なりパーマ剤1剤を調整時にフリーアルカリを配合する
際、発熱反応が伴いチオ乳酸が酸化されたり冷却に時間
を要したりして経済的でない。またチオ乳酸は強い刺激
臭や皮膚や眼の粘膜に刺激があるため安全衛生上好まし
くない。チオ乳酸イソプロパノールアミン塩は需要がそ
れ程高くないため高価になりがちであり経済的でない。
【0034】チオ乳酸の酸化体であるジチオジ乳酸又は
その塩を更に含有することにより、パーマのかかりすぎ
防止、いわゆるオートストップ効果を持たせることがで
きる。これらジチオジ乳酸又はその塩の含有量は0.1
〜0.2Mが適切である。0.3Mを超えるとむしろウ
ェーブが弱くなることがある。
【0035】また、本発明のパーマ剤1剤においては、
適切なレベルで使用するとジチオジ乳酸又はその塩を更
に含有させなくてもオートストップ効果が得られる。こ
のオートストップ効果を確実に発揮させるためには、チ
オ乳酸又はその塩の総量が1.2〜2.2Mの範囲内で
あることが適切である。
【0036】パーマ剤1剤の性格を変えたり、原価上の
観点から、チオ乳酸又はその塩以外の他の還元剤とし
て、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸
モノエタノールアミン塩などのチオグリコール酸塩、シ
ステイン又はその塩、N−アセチルシステイン、及びこ
れらの酸化体から選ばれる一種又は二種以上の組合せ
を、本発明の特徴を損なわない範囲で更に含有すること
ができ、本発明のパーマ剤1剤に含有させる場合の含有
量としては0.1〜0.8Mが適切である。
【0037】尿素、アルキル尿素、グアニジン、グアニ
ジン塩、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノー
ル、ベンジンアルコール及びラウリルベタインから選ば
れる1種又は二種以上の組合せを含有することにより、
ウェーブ効果を促進することができ、施術時間の短縮、
ウェーブ効果の調整などに有用である。これらの含有量
は目的によって異なるが、0.05〜5重量%である。
【0038】その他、有用な添加剤として、アミノシリ
コーン又はそのエマルジョン、カチオン性高分子、アミ
ノ酸、ペプチド、プロテイン、金属イオン封鎖剤、油
分、界面活性剤、香料、色素等を含有することができ
る。これ等の添加剤は、いづれもパーマ剤1剤の有用性
を高めるために使用される。
【0039】本発明によるパーマ剤1剤の組成物は、コ
ールド二浴式、加温二浴式、用時調製発熱二浴式、及び
コールド又は加温二浴式縮毛矯正法のいづれの施術法に
おいても有用である。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を述べる。
【0041】(実施例1)表1に示す組成でコールド二
浴式パーマ剤1剤を調製し、ウェーブ効果、毛髪損傷、
パーマ臭及び安全性について評価した。尚、それぞれの
評価は次の方法によった。
【0042】・ウェーブ効果 化学的に処理されていない毛髪を用い、毛髪束(毛髪1
2本,長さ114mm)をガラス製ロッド(φ=7m
m)に均一に巻きつけ、パーマ剤1剤を80μl均一に
塗布させる。室温下に2分経過後50mlのガラス容器
中にこのロッドを5本入れ、閉栓し37℃の水槽中で2
0分間処理する。その後1分間水洗し、パーマ剤2剤
(臭素酸ナトリウム6%,pH6.0…リン酸バッファ
ーで調製)5mlをロッド全体にふりかけた後、余分の
液を取り除き、37℃の水槽中で10分間処理する。そ
の後水洗し、ロッドから髪をていねいに取外し、ヘアコ
イルを得る。
【0043】この様にして作成したヘアコイルをウエッ
トのままヘアコイル径、ヘアコイル長を測定した。なお
ヘアコイル径はその値が小さい程(下限7mm)つよい
ウェーブとし、ヘアコイル長はその値が小さい程(下限
5mm,上限114mm)弾力のあるウェーブとしてい
る。
【0044】・毛髪損傷 上記の様にして得たヘアコイルをそれぞれ一緒にし、室
温下1夜乾燥させミクロバランスで重量を秤る。(65
%RH,23℃)その後精製水中に1時間浸漬させ、余
分な水を遠心分離除去(2000rpm,2分間)後直
ちに重量を秤る。水分保持性(%)は下式より算出し
た。 水分保持性が大きい程、毛髪ケラチンのダメージが大き
いとする。
【0045】又、化学的に処理されていない毛髪束
(1.0g,長さ15cm)に、パーマ用ロッド、表1
に示すパーマ剤1剤、上記のパーマ剤2剤を用いてウェ
ーブ毛を得(1剤:30℃,20分,2剤:30℃,1
0分,リンス 1分)、自然乾燥後、手触にて髪の感触
を評価した。
【0046】評価は次の様に表す。 (5人の評価) ◎:滑らかで非常によい ○:よい △:やや滑らかでない ×:滑らかでなく乱れたウェーブで、やや脱色もある。
【0047】・パーマ臭 アンモニア揮散量 一定のガラス製容器(600ml)中に表1に示すパー
マ剤1剤を10ml採り、閉栓し37℃水槽中に10分
間静置する。アンモニア検知管を用い上部空間中のガス
100mlを分析する。この値が大きい程強いアンモニ
ア臭とする。
【0048】・硫化水素発生揮散量 上記の容器中に毛髪1gと表1に示すパーマ剤1剤を1
0ml採り閉栓後37℃水槽中に20分間静置する。硫
化水素検知管を用い、上部空間中のガス100mlを分
析する。この値が大きい程強い硫化水素臭とする。
【0049】・嗅覚評価 硫化水素測定後、直ちに5人によるパーマ臭の評価を行
う。
【0050】評価は次の様に示す。 ◎:他の一般のパーマより非常にマイルドな印象 ○:マイルド △:アンモニア臭が強く感じられる ×:アンモニア臭が非常に強く鼻のいたみを感じる
【0051】・安全性 4人のボランティアを集り、手の指の付根の部分(1
人、左右6ヶ所使用、計24ヶ所)に表1のパーマ剤1
剤を0.5mlづつ塗布(各1剤を平均3ヶ所使用)2
0分放置、この間刺激感(いたみ、ひりつき)につき質
問し集計した。1日おきにこのテストを3回重ね、最後
に乾燥後の手あれ(表皮のあれ具合)を評価した。
【0052】評価は次の様に示す。 刺激感 ++:つよいひりつき、いたみがある(特に2,3回目
につよく感じられる) +:ややいたみがある −:いたみ、ひりつきを感じない 手あれ +++:表皮が白っぽくかさかさした状態で、部分的に
角層がめくれあがっている ++:表皮が白っぽくかさかさしている +:表皮が部分的(皮溝)に白っぽくなっている −:正常
【0053】以上の結果を表2に示す。
【0054】
【表1】 各1剤のpH/25℃は9.00±0.02,還元剤量
は1.0±0.1M、フリーアルカリ量は0.45±
0.1Nに調製
【0055】
【表2】 *パーマ未処理毛の値: 20.6 % *パーマ未処理毛の値: 20.6 % 表より、実施例(No.3〜No.7)は、ウェーブ効
果の強さ、ウェーブ効果の弾力において、比較例(N
o.1,2,8,9)よりも強い。
【0056】毛髪損傷(水分保持性%)において、比較
例(No.1,2)よりも少なく、毛髪損傷(感触)に
おいても比較例(No.1,2)よりも良い。
【0057】アンモニア揮散量が比較例(No.1,
2,)よりも少なく、硫酸水素発生揮散量が比較例(N
o.1)よりも少ない。又嗅覚評価において比較例(N
o.1,2)よりもパーマ臭が少ない。
【0058】刺激感(ひりつき、いたみ)において比較
例(No.1,2)よりも少なく、手あれ(表皮のあれ
具合)において比較例(No.1,2,8,9)よりも
少ない傾向にある。特に比較例(No.9)においては
顕著な手あれが発生した。
【0059】以上のことにより、実施例(No.3〜N
o.7)は、それ以外のパーマ剤1剤である比較例(N
o.1,2,8,9)よりも優れていることが判る。
【0060】(実施例2)モノエタノールアミンやイソ
プロパノールアミン以外の無臭な有機性アルカリ剤とし
て、2−アミノ−2−メチルプロパノール、リジン、ア
ルギニン、トリエタノールアミンを選びチオ乳酸と1:
1の塩を氷水冷下で生成させテストに供した。(比較
例:No.12〜No.15) パーマ剤1剤の処方を表3に、ウェーブ効果を(実施例
1と同一の方法)表4に示す。
【0061】
【表3】 各1剤のpH/25℃は9.00±0.02(炭酸水素
アンモニウムにて調製)、還元剤量は1.0±0.1
M、フリーアルカリ量は0.45±0.1Nに調製
【0062】
【表4】 表から判るように、実施例(No.10,11)は比較
例(No.12〜No.15)よりもウェーブ効果が強
くでている。このことから、有機塩基としてモノエタノ
ールアミン、イソプロパノールアミンが適切であり、他
のものは適切でないことが解る。
【0063】(実施例3)以下の配合のパーマ剤1剤を
調整した。 コールド二浴式パーマ剤1剤(普通毛用) 組 成 配合量(W/V%) ────────────────────────────────── 1.チオ乳酸アンモニウム塩液 (チオ乳酸として60%含有) 5.57 2.チオ乳酸モノエタノールアミン塩液 (チオ乳酸として40%含有) 10.22 3.モノエタノールアミン(99%) 1.21 4.アンモニア水試薬特級(28%〜30%) 0.74 5.炭酸水素アンモニウム 0.32 6.エチレンジアミン四酢酸4ナトリウム 0.05 7.アノンBL*1 0.50 8.エマレックス720*2 2.00 9.香料 0.50 10.フェノキシプロパノール 0.50 11.トーレ・シリコーンSM8702C*3 1.00 12.精製水 バランス ────────────────────────────────── 合 計 100.00ml *1.ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン水溶液(日本油脂社製) *2.ポリオキシエチレン(20E.O)ラウリルエーテル (日本エマルジョン社製) *3.アモジメチコーンエマルジョン(トーレダウコーニング社製)
【0064】[製法]12の一部(60パーツ)に1〜
7を添加し均一溶解する。別途、8を加熱溶解し、約4
0℃で9,10を添加し均一溶解させ、これをさらに添
加し均一溶解する。次に11を添加し、最後に12の残
部で全体として100.00mlに調製し均一に攪拌す
る。
【0065】 〈パーマ剤1剤の分析結果〉 1.チオ乳酸量 :0.698M 2.フリーアルカリ量 :0.35N 3.モノエタノールアミン量(前処理品、HPLC):0.580M 4.pH/25℃ :9.1 5.モル濃度比(1): (モノエタノールアミン量)/(チオ乳酸量):0.831 6.モル濃度比(2): (チオ乳酸モノエタノールアミン塩)/(チオ乳酸塩):0.55 7.アンモニア揮散量 :1900ppm 8.硫化水素発生揮散量 :32ppm
【0066】・安全性試験結果 米国の安全性テスト専門会社にて本品のテストを実施し
た。ヒト102名の背中を用いくり返しパッチ(セミオ
クルーシブ)テストを実施した。 Induction:10回(48hrs毎) Challenge:12日間(判定は48,72及び96hr
s毎)
【0067】Challenge後の判定で72hrs後に1
名、96hrs後に他の1名に陽性反応(Definite ery
thema)が認められた以外、他の100名は陰性であ
り、本品の感作性は1〜2%ときわめて低いことが判明
した。
【0068】・安定性試験結果 本品を塩ビ製容器に100ml充填し、0℃、室温、4
0℃に6ヶ月間放置した。40℃において、チオ乳酸が
その全量に対して4%減少した他は、フリーアルカリ
量、pHなど定量誤差内であり、安定なものといえる。
【0069】・使用テスト結果 サロンにおいて6名のパネル(普通毛)による使用テス
トを実施した。
【0070】方法; 本品(テスト品)の比較対象品と
して当社の市販品(チオグリコール酸アンモニウム系パ
ーマ剤、チオグリコール酸量 0.63M,pH9.
0)を用い2剤はこの市販品2剤(臭素酸ナトリウム6
%,pH6.5)を共通に用いた。
【0071】頭髪を半分に分け、本品と比較対象品を同
時に施術し、1剤施術時間を標準として10分、2剤の
施術時間を10分とした。
【0072】判定者5名による結果の要約は以下の通り
であった。
【0073】結果: ウェーブ効果;6名中6名とも有意にテストサイド(本
品)が勝っていた。主な特長は根元のウェーブがつよ
く、均一な弾力あるウェブとなっている。又、一週間後
の再判定ではさらに顕著な差があらわれ、テストサイド
が勝っていた。 髪の感触;6名中6名とも感触、くし通りは良く大差は
なかったが、一週間後の再判定では、6名中4名がテス
トサイドにおいて、特にウエット時のくし通りで有意に
勝っていた。 パーマ臭;1剤施術後(10分)、キャップを開き、パ
ーマ臭を判定した。6名中6名ともに有意にテストサイ
ドが非常にマイルドであった。一週間後の髪に残るパー
マ臭の判定では6名中3名がテストサイドがクリーン
で、又3名がともにクリーンであった。 刺 激;パーマ施術直後、一週間後ともにテストサイ
ド、コントロールサイドとも頭皮、フェースライン、ネ
ックなどに皮膚刺激はみられなかったが、施術中2名が
コントロールサイドにおいて頭皮がちくちくするとのコ
メントがあった。美容師の手あれは一件もなかった。
【0074】以上の件から、本実施例に示すパーマ剤1
剤は総合的に優れたものと考えられる。
【0075】(実施例4) 用時調製発熱二浴式パーマ剤1剤(レジスタントヘア用) PartA 組 成 配合量(W/V%) ────────────────────────────────── 1.チオ乳酸アンモニウム液塩 17.48 (チオ乳酸として60%含有) 2.チオ乳酸モノエタノールアミン塩液 20.98 (チオ乳酸として50%含有) 3.モノエタノールアミン 3.05 4.アンモニア水試薬特級(28%〜30%) 1.02 5.炭酸水素アンモニウム 0.12 6.エチレンジアミン四酢酸4ナトリウム 0.10 7.DCQ2−7224*1 1.00 8.小麦プロテイン加水分解物 0.50 9.アノンBL*2 0.50 10.尿素 2.00 11.ポリオキシエチレン(16E.O) ノニルフェニルエーテル 2.00 12.香料 0.50 13.グアイアズレン 0.01 15.精製水 バランス ────────────────────────────────── 合 計 100.00ml *1トリメチルシリルアモジメチコーンエマルジョン(ダウコーニング社製) *2ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(日本油脂社製)
【0076】〈パーマ剤1剤の分析結果〉 1.チオ乳酸量 :1.95M 2.フリーアルカリ量 :0.61N 3.モノエタノールアミン量 :1.49M 4.pH/25℃ :9.0 5.モル濃度比(1) :0.76 (モノエタノールアミン量)/(チオ乳酸量) 6.モル濃度比(2) :0.50 (チオ乳酸モノエタノールアミン量塩)/(チオ乳酸
塩)
【0077】PartB:過酸化水素4.4%の水溶液 2剤:臭素ナトリウム6.0%,pH6.0の水溶液 PartA 80mlとPartB 20mlを使用時
に混合し、あらかじめ水でロッドに巻いておいたヘアス
トランドに塗布し、15分経過後水洗1分を行い、最後
に2剤を塗布10分放置した。
【0078】ロッドから外し、水洗したヘアストランド
は非常に弾力のあるウェーブを形成し滑らかでくり通り
のよいものであった。又ストランドのパーマ臭も全くな
くクリーンであった。
【0079】(実施例5) 加温二浴式パーマ剤1剤(いたんだ髪用) 組 成 配合量(W/V%) ───────────────────────────────── 1.チオ乳酸アンモニウム液塩 4.42 (チオ乳酸として60%含有) 2.チオ乳酸イソプロパノールアミン塩液 6.63 (チオ乳酸として40%含有) 3.イソプロパノールアミン 1.00 4.システイン塩酸塩1水和物 3.00 5.アンモニア水試薬特級(28%〜30%) 1.00 6.炭酸水素アンモニウム 適 量 7.ターピナルSL*1 0.50 8.エマレックス520*2 1.00 9.香料 0.30 10.トーレ・シリコーンSM8702C*3 2.00 11.精製水 バランス ───────────────────────────────── 合 計 100.00ml *1 金属イオン封鎖剤(ヘンケル社製) *2 ポリオキシエチレン(20E.O)オレイルエーテル (日本エマルジョン社製) *3 アモジメチコーンエマルジョン(トーレダウコーニング社製)
【0080】 〈パーマ剤1剤の分析結果〉 1.チオ乳酸量 (HPLC) :0.48M 2.システイン量(HPLC) :0.12M 3.イソプロパノールアミン量(前処理HPLC) :0.35M 4.pH/25℃(炭酸水素アンモニウムで調製) :8.80 5.モル濃度比(1) (イソプロパノールアミン塩)/(チオ乳酸量) :0.73 6.モル濃度比(2) (チオ乳酸イソプロパノールアミン塩)/(チオ乳酸塩):0.50 7.フリーアルカリ量 :0.25N
【0081】本品をサロンにて1名のパネルを使用しテ
ストを行った。髪は白髪染めを2週間前に使用していた
ため、施術時間(プロセシングタイム)をドライヤー下
で5分にし、テストカールでは未だ不充分であり、結果
として8分を要した。水洗後実施例3と同様の市販品2
剤を10分間施術した。
【0082】その結果、非常にくし通りがよく、弾力に
富むウェーブが形成された。染めた部分の色落ちもきわ
めて少なく満足されるものであった。
【0083】(実施例6)以下の配合のパーマ剤1剤を
調整した。
【0084】 コールド二欲式パーマ剤1剤 組 成 配合量(W/V%) ────────────────────────────────── 1.チオ乳酸アンモニウム塩液 7.10 (チオ乳酸として60%含有) 2.チオ乳酸モノエタノールアミン塩液 7.96 (チオ乳酸として40%含有) 3.チオ乳酸イソプロパノールアミン塩液 10.61 (チオ乳酸として30%含有) 4.モノエタノールアミン(99%) 1.22 5.イソプロパノールアミン(99%) 1.54 6.炭酸水素アンモニウム 0.40 7.エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム 0.10 8.マーコート 100*1 1.00 9.エマレックス 720*2 2.00 10.香料 0.50 11.フェノキシエタノール 0.50 12.カチオニックエマルジョン DC−929*3 1.00 13.精製水 バランス ────────────────────────────────── 合 計 100.00ml *1. カチオン性ポリマー水溶液(メルク社製) *2. ポリオキシエチレン(20E.O.)ラウリルエーテル (日本エマルジョン社製) *3. アモジメチコーンエマルジョン(ダウコーニング社製)
【0085】 〈パーマ剤1剤の分析結果〉 1.チオ乳酸量 :0.998M 2.フリーアルカリ量 :0.47N 3.モノエタノールアミン量 :0.495M 4.イソプロパノールアミン量:0.501M 5.pH/25℃ :9.1 6.モル濃度比(1) [(モノエタノールアミン量)+(イソプロパノールアミン量)]/(チオ乳酸量) :0.998 7.モル濃度比(2) [(チオ乳酸モノエタノールアミン塩)+(チオ乳酸イソプロパノールアミン塩)]/( チオ乳酸塩) :0.60
【0086】あらかじめ水でロッドに巻いておいたヘア
ストランドに1剤を塗布し、10分経過後水洗1分を行
い、最後に2剤(過酸化水素水(50%)4%、リン酸
バッファーにph4.0に調整した水溶液)を塗布し3
分放置した。
【0087】ロッドから外し、水洗したヘアストランド
は非常に弾力があり、根元のウェーブから毛先のウェー
ブまでかなり均一に揃っていた。ウェット時、乾燥時の
感触やくし通りも良く、パーマ臭も全く認められなかっ
た。
【0088】(実施例7)以下の配合のパーマ剤1剤を
調製した。
【0089】 コールド二浴式パーマ剤1剤 組成 配合量(W/V%) ──────────────────────────────────── 1.チオ乳酸アンモニウム塩液 7.96 (チオ乳酸として60%含有) 2.チオ乳酸モノエタノールアミン塩液 14.59 (チオ乳酸として40%含有) 3.モノエタノールアミン 1.73 4.炭酸水素アンモニウム 0.70 5.アンモニア水試薬特級(28%〜30%) 1.00 6.ターピナルSL 0.10 (ヘンケル社製:ヒドロキシエタンジホスホン酸) 7.アノンBL 0.80 (日本油脂社製:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン) 8.エマレックス520 0.50 (日本エマルジョン社製:ポリオキシエチレン(20E.O.)オレイルエー テル) 9.ポリマーJR−400 (ユニオンカーバイド社製:カチオニックセルロース) 0.20 10.香料 0.10 11.精製水 バランス ──────────────────────────────────── 合 計 100.00ml [製法]11の一部(60パーツ)に1〜7を添加し均
一に溶解する。別途、8を加熱融解し、約40℃で10
を添加し、均一溶解させ、11の一部(10パーツ)に
添加し均一に溶解する。次に9を11の一部(20パー
ツ)に添加し均一溶解後、これを前記の溶液に加え、最
後に11の残部で全体として100.00mlに調製し
均一に攪拌する。
【0090】 〈パーマ剤1剤の分析結果〉 1.チオ乳酸量 :1.01M 2.フリーアルカリ量 :0.54N 3.モノエタノールアミン量 :0.83M 4.pH/25℃ :9.10 5.モル濃度比(1)(モノエタノールアミン塩)/(チオ乳酸量) :0.822 6.モル濃度比(2) (チオ乳酸モノエタノールアミン塩)/(チオ乳酸塩) :0.55
【0091】(比較例7)実施例7の比較例として、以
下の配合のパーマ剤1剤を調製した。製法は実施例7に
準ずる。
【0092】 コールド二浴式パーマ剤1剤(チオグリコール酸系パーマ剤1剤) 組成 配合量(W/V%) ──────────────────────────────────── 1.チオグリコール乳酸アンモニウム塩液 18.42 (チオ乳酸として50%含有) 2.モノエタノールアミン 1.73 3.炭酸水素アンモニウム 0.70 4.アンモニア水試薬特級(28%〜30%) 1.54 5.ターピナルSL 0.05 (ヘンケル社製:ヒドロキシエタンジホスホン酸) 6.アノンBL 0.80 (日本油脂社製:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン) 7.エマレックス520 0.50 (日本エマルジョン社製:ポリオキシエチレン(20E.O.)オレイルエー テル) 8.ポリマーJR−400 (ユニオンカーバイド社製:カチオニックセルロース) 0.20 9.香料 0.10 10.精製水 バランス ──────────────────────────────────── 合 計 100.00ml
【0093】 〈パーマ剤1剤の分析結果〉 1.チオグリコール酸量 :1.02M 2.フリーアルカリ量 :0.63N 3.pH/25℃ :9.10
【0094】次に、実施例7、比較例7に使用するパー
マ剤2剤として、以下を調製した。
【0095】 ゴールド二浴式パーマ剤2剤 組成 配合量(W/V%) ──────────────────────────────────── 1.臭素酸ナトリウム酸 5.00 2.リン酸水素二ナトリウム 0.10 3.リン酸二水素カリウム 0.10 4.トーレ・シリコーンSM8702C 5.00 (トーレダウコーニング社製:アモジメチコーンエマルジョン) 5.防腐剤 適量 6.精製水 バランス ──────────────────────────────────── 合 計 100.00ml
【0096】上記の実施例7、比較例7及びパーマ剤2
剤を用い、ウェーブ効果及び毛髪損傷を評価した。パー
マ1剤は30℃下、5分、10分、15分、20分及び
30分と変え、パーマ2剤は全部30℃下20分とし
た。結果を表5に示す。
【0097】
【表5】 実施例7のウェーブ効果、毛髪損傷 1剤処
理時間の影響 2剤処理時間:20分
【0098】
【表6】 比較例7のウェーブ効果、毛髪損傷、1剤処
理時間の影響
【0099】実施例7は1剤処理時間10〜15分以降
(No.2、3、4、5)は、ウェーブ効果は一定値を
示し、毛髪損傷は僅かに程度が進むものの、緩やかなも
のであった。このことは、実際にサロンでありがちなオ
ーバープロセスに対し、ウェーブのかかりすぎや、毛髪
損傷を招く危険が極めて少ない、理想的なパーマ剤とい
える。
【0100】一方、比較例7は1剤処理時間10〜15
分以降(No.7、8、9、10)は、ウェーブ効果で
特にヘアコイル長がむしろ長くなってゆき、かつ、毛髪
損傷はかなり進行してゆくことが解る。このことは、チ
オグリコール酸を主剤とするパーマ剤で、特にpH>
9.0のものは1剤処理時間の至適時間(この場合約1
0分位)は、極めて狭く、実際にサロンにおける施術に
おいては、毛髪チェックやテストカールなど、慎重なる
施術が要求されるのである。
【0101】(実施例8) 加湿二浴式パーマ剤1剤(いたんだ髪用) 組成 配合量(W/V%) ──────────────────────────────────── 1.チオ乳酸アンモニウム塩液 6.38 (チオ乳酸として60%含有) 2.チオ乳酸モノエタノールアミン塩液 11.69 (チオ乳酸として40%含有) 3.ジチオジ乳酸ジアンモニウム塩液 10.00 (チオ乳酸として40%含有) 4.モノエタノールアミン 1.50 5.炭酸水素アンモニウム 2.50 6.ターピナルSL 0.10 (ヘンケル社製:ヒドロキシエタンジホスホン酸) 7.ラウリルアミドプロピルベタイン(35%) 1.00 8.グリセリン 5.00 9.エマレックス520 0.50 (日本エマルジョン社製:ポリオキシエチレン(20E.O.)オレイルエー テル) 10.香料 0.15 11.精製水 バランス ──────────────────────────────────── 合 計 100.00ml [製法]11の一部(60パーツ)に1〜8を添加し均
一に溶解する。別途、9を加熱融解し、約40℃で10
を添加し均一溶解後、11の一部(30パーツ)に添加
し均一に溶解する。これを前記の溶液に加え、最後に1
1の残部で全体として100.00mlに調製し均一に
攪拌する。
【0102】 〈パーマ剤1剤の分析結果〉 1.チオ乳酸量 :0.85M 2.ジオチオ乳酸量 :4.03W/V% 3.フリーアルカリ量 :0.56N 4.モル濃度比(1) :0.808 (フリーとしての及び対イオンとしてのモノエタノールアミン)/(チオ乳酸塩) 5.モル濃度比(2) :0.55 (チオ乳酸モノエタノールアミン塩)/(チオ乳酸塩)
【0103】本品80mlをヒトの全頭に施術し、キャ
ップ後ドライヤー下に10分経過後水洗い1分を行い、
実施例7の2剤100mlを振りかけ、室温下15分経
過させ、最後にロッドを外し、髪を水洗し、タオルドラ
イした。ウェーブに弾力があり、パーマ臭もなくつやや
かで、なめらかなウェーブ毛に仕上がった。
【0104】
【発明の効果】以上詳細に説明してきたように、本発明
によれば、従来より知られ使用されているチオグリコー
ル酸塩系パーマ剤やシステイン系パーマ剤に比べ、多く
の優れた特徴を持たせることが可能となる。
【0105】請求項1の発明によれば、安全性が高く、
パーマ臭のうち特に毛髪に作用している間に発生する硫
化水素量が極めて少く、ウェーブ効果が高まりかつその
割には毛髪損傷が少なく、パーマ臭のうち特にアンモニ
アの刺激臭が少なくマイルドで、パーマ処理後の髪の感
触がなめらかになるパーマ剤1剤を得ることが可能とな
る。
【0106】請求項2の発明によれば、請求項1におけ
る発明のチオ乳酸及びその塩の総量を0.3〜2.2M
とすることにより、より適切なウェーブ効果を得ること
が可能となる。
【0107】請求項3の発明によれば、製造が最も容易
に、また経済的にパーマ剤1剤を得ることが可能とな
る。
【0108】請求項4の発明によれば、パーマのかかり
過ぎ防止効果(オートストップ効果)を得ることが可能
となる。
【0109】請求項5の発明によれば、本発明の特徴を
損なわない範囲で、パーマ剤1剤の性格を変えたり、ま
た経済的な効果も得られる。
【0110】請求項6の発明によれば、ウェーブ効果の
促進、施述時間の短縮、ウェーブ効果の調整が可能とな
る。
【0111】請求項7の発明によれば、パーマ剤1剤の
有用性を高めることができる。
【0112】請求項8の発明によれば、コールド二浴
式、加温二浴式、用時調製発熱二浴式、及びコールド又
は加温二浴式縮毛矯正剤のいづれの施術法においても有
用なパーマ剤1剤を得ることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−69717(JP,A) 特開 昭63−255215(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/09

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チオ乳酸アンモニウム塩、チオ乳酸モノ
    エタノールアミン塩、チオ乳酸イソプロパノールアミン
    塩、チオ乳酸の中から選ばれる一種又は二種以上の組み
    合わせから成る還元剤と、 モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アン
    モニア水の中から選ばれる一種又は二種以上の組合せか
    ら成るアルカリ剤とを含み、 フリーとして及び/又はチオ乳酸の対イオンとして含ま
    れるモノエタノールアミン及び/又はイソプロパノール
    アミンの総量が、チオ乳酸及び/又はチオ乳酸塩の総量
    に対してモル濃度比で0.3〜1.0の範囲内に調製さ
    、pHが7.5〜9.5の範囲内の水溶液であること
    を特徴とするパーマネントウェーブ剤第1剤。
  2. 【請求項2】 チオ乳酸アンモニウム塩、チオ乳酸モノ
    エタノールアミン塩、チオ乳酸イソプロパノールアミン
    塩、チオ乳酸の総量が0.3〜2.2M、フリーとして
    存在するアルカリ量が0.8規定以下であることを特徴
    とする請求項1に記載のパーマネントウェーブ剤第1
    剤。
  3. 【請求項3】 チオ乳酸モノエタノールアミン塩とチオ
    乳酸アンモニウム塩の含有比がモル濃度比でチオ乳酸モ
    ノエタノールアミン塩:チオ乳酸アンモニウム塩=0.
    25:0.75〜1.00:0の範囲内であることを特
    徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のパーマネ
    ントウェーブ剤第1剤。
  4. 【請求項4】 チオ乳酸の酸化体であるジチオジ乳酸又
    はその塩を更に含むことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載のパーマネントウェーブ剤第1剤。
  5. 【請求項5】 還元剤として、チオグリコール酸アンモ
    ニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン塩、シ
    ステイン又はその塩、N−アセチルシステイン、並びに
    これらの酸化体の中から選ばれる一種又は二種以上の組
    合せを更に含有することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載のパーマネントウェーブ剤第1剤。
  6. 【請求項6】 尿素、アルキル尿素、グアニジン、グア
    ニジン塩、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノ
    ール、ベンジルアルコール、ラウリルベタインの中から
    選ばれる一種又は二種以上の組合せを更に含有すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のパー
    マネントウェーブ剤第1剤。
  7. 【請求項7】 添加剤としてアミノシリコーン又はその
    エマルジョン、カチオン性高分子、アミノ酸、ペプチ
    ド、プロテイン、金属イオン封鎖剤、油分、界面活性
    剤、香料、色素の中から選ばれる一種又は二種以上の組
    合せを更に含有することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載のパーマネントウェーブ剤第1剤。
  8. 【請求項8】 施術法としてヒトの頭髪に使用し、コー
    ルド二浴式、加温二浴式、用時調製発熱二浴式、コール
    ド又は加温式縮毛矯正法のいずれかであることを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1項に記載のパーマネント
    ウェーブ剤第1剤。
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