JP3260086B2 - 磁気共鳴映像装置 - Google Patents

磁気共鳴映像装置

Info

Publication number
JP3260086B2
JP3260086B2 JP24946696A JP24946696A JP3260086B2 JP 3260086 B2 JP3260086 B2 JP 3260086B2 JP 24946696 A JP24946696 A JP 24946696A JP 24946696 A JP24946696 A JP 24946696A JP 3260086 B2 JP3260086 B2 JP 3260086B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
refrigerant
temperature
fluid
magnetic resonance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24946696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09149893A (ja
Inventor
勝政 荒岡
秀彦 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP24946696A priority Critical patent/JP3260086B2/ja
Publication of JPH09149893A publication Critical patent/JPH09149893A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3260086B2 publication Critical patent/JP3260086B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導コイルとそ
れを冷却するための冷媒等を収納するための低温容器
と、この低温容器を用いた磁気共鳴映像装置(MRI)
に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、磁気共鳴映像装置(以下
MRIと称する)は、核磁気共鳴現象(NMR現象)を
利用して被検体の断層像や血管像等を得る医療用画像診
断装置であり、一様な静磁場中に置かれた被検体にRF
コイルからRF磁場を印加し、被検体内から発生する微
小のNMR信号を受信して疾患の状態をコンピュ−タに
よる画像処理で見ることができる。
【0003】RFコイルは、原子核の励起のために被検
体に高周波の磁場を照射するための照射用のアンテナ
と、再放出されてくるNMR信号検出用のアンテナの機
能を有しており、従来このRF(送受信)コイルは薄板
の銅材で作られている。
【0004】ところで最近、検出感度を高めてより鮮明
な画像を得るために銅材から成るRFコイルを超電導化
することが考えられている。RFコイルを超電導コイル
で形成した場合には、この超電導コイルを超電導状態で
収納しておくための低温容器が必要となる。
【0005】図9に超電導コイルの収納に用いられる一
般的な断熱箱型の低温容器を示す。薄く形成された超電
導コイル1は磁場の影響を受けない非金属である発砲ス
チロ−ル材で構成された容器20の中に設置され、液体
窒素などの冷媒2により冷却される。蓋10も同じよう
に発砲スチロ−ル材で構成され、蓋10の上面は被検体
の横たわるベッドを兼ねているため曲面形状として構成
され、しかもより鮮明な画像を得るために超電導コイル
1と被検体との距離が短くなるように極力薄く構成され
ている。また、検査時間を確保するため容器20の中央
には液体窒素などの冷媒2の貯液空間8が設けられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の断熱箱型の低温
容器では、超電導コイルを冷却するための冷媒の注入時
等の急激な温度変化により、低温容器に熱応力が作用し
て亀裂などが発生し、冷媒が漏れたりして信頼性に欠け
る不具合があった。また、MRIの鮮明な画像を得るた
めに超電導コイルと被検体(患者)との距離が短くなる
ように低温容器の蓋を極力薄く構成しているので、冷媒
の注入後しばらくすると表面温度が低下し、水滴、霜が
発生して検査時間を確保できない(被検体が耐えられな
くなる)状態になり、最悪被検体が凍傷になる危険性が
あった。
【0007】反面、十分な断熱距離を取るためには超電
導コイルと被検体との距離が長くなり、画像性能が低下
してしまうことになった。その他、冷媒の出入口を設け
るとやはり水滴、霜が発生して設置環境上問題があるた
め最初の貯液量で検査時間が決まってしまうなど取扱い
が不便であった。
【0008】本発明は上記課題を解決する目的でなさ
れ、表面温度を所定温度範囲に保持可能な低温容器を提
供することを第1の目的としている。また冷媒が漏れる
危険性がなく、信頼性の高い低温容器を提供することを
他の目的としている。また磁場中で使用可能なように非
金属製で構成される低温容器を提供とすることを他の目
的としている。
【0009】また本発明は、被検体に接する容器の表面
温度を所定温度範囲に保持して被検体に悪影響を与えな
い磁気共鳴映像装置を提供することを目的としている。
また、鮮明な画像を得ることのできる磁気共鳴映像装置
を提供することを他の目的としている。
【0010】またこの低温容器をMRI(磁気共鳴映像
装置)に好適な容器とするために被検体接面は水滴、霜
が発生することなく、極薄構造で画像性能を向上させる
ことができるほか取扱いを容易とし、設置環境上問題の
ない低温容器を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために本発明は、超電導機器およびこの超電導機器を冷
却する冷媒を収容するための内側容器と、この内側容器
と微小空間を隔てて該内側容器を覆うように設けられた
外側容器と、前記微小空間に所定温度範囲の流体を通流
させ、前記外側容器の表面温度を所定の温度範囲に保持
するための流体供給手段とを備えたことを特徴とする低
温容器を提供する。
【0012】また、前記流体供給手段は、前記流体の温
度および流量を制御可能に構成されていることを特徴と
するしている。このように構成された低温容器によれば
流体を微小空間に通流させて表面温度を所定温度範囲に
保持することが可能となる。
【0013】また本発明は、一様な静磁場中に置かれた
被検体に高周波磁場および勾配磁場を所定のパルスシー
ケンスにしたがって印加し、前記被検体からの磁気共鳴
信号を検出して映像化する磁気共鳴映像装置において、
前記高周波磁場を印加するための超電導コイルおよびこ
の超電導コイルを冷却する手段を収容するための内側容
器と、この内側容器と微小空間を隔てて該内側容器を覆
うように設けられた外側容器と、前記微小空間に所定温
度範囲の流体を通流させ、前記外側容器の表面温度を所
定の温度範囲に保持するための流体供給手段とを備えた
ことを特徴とする磁気共鳴映像装置を提供する。
【0014】このように構成された磁気共鳴映像装置
は、被検体に接する容器の表面温度を所定温度範囲(常
温)に保持して被検体に悪影響を与えることがない。ま
た、前記内側容器および外側容器は非金属材から構成さ
れていることを特徴としている。
【0015】また、前記流体供給手段は、前記流体の温
度および流量を制御可能に構成されていることを特徴と
するしている。また、前記内側容器を繊維強化プラスチ
ックで一体成形して構成したことを特徴としている。
【0016】また、前記超電導コイルの冷却手段として
冷媒を用い、この冷媒の供給および回収手段を設けたこ
とを特徴としている。また、前記冷媒の供給および回収
手段は、三重同心管状に形成され、最内管は前記内側容
器内部に形成された前記冷媒のガス空間に接続して冷媒
入口、その外側の管は前記冷媒ガス空間に接続して冷媒
出口、最外管は前記微小空間に接続して流体の排出口と
してそれぞ構成したことを特徴としている。
【0017】また、前記微小空間の大気側面は熱伝達を
促進するような凹凸形状に形成し、反対側面は滑らかに
形成したことを特徴としている。また、容器部分及び固
定ねじなどFRP(繊維強化プラスチック)を主体とし
た非金属材料で構成し、冷媒を保持する最内側を均一な
薄板のFRP材による一体成形とし、その外側をポリウ
レタンなどの断熱材で囲み、さらにその外側に微小空間
を設け、最外壁はFRP板による構成とする。
【0018】また、特に被検体接面側は冷媒に接する内
側及び最外壁ともに均一な薄板のFRP材による曲面を
持つ一体成形とし、その薄板間には微小空間を設けると
ともに最小限の断熱支持柱を挟んで接合し、極薄の積層
構造としている。さらに前記微小空間は空気または窒素
ガス等の流体が適切な流量配分で流れる通路面積と長さ
を有し、出入口に連接している。また、この空間の大気
側面は熱伝達を促進するような凹凸にし、逆に冷媒側の
面は滑らかにしている。その他、冷媒の出入口は蓋の最
内側面に微小な冷媒ガス空間ができる位置で容器側面に
配置し、冷媒入口を最内管、その外側が冷媒出口管、最
外部が前記微小空間を流れてきた空気または窒素ガス等
の流体の出口通路となる三重同心構造としている。しか
も、前記微小空間に流す流体の入口には温度と流量を制
御できる供給システムを接続し、冷媒の出入口も供給量
制御システム及び回収システムを接続していることを特
徴としている。
【0019】このような構成によれば、容器部分及び固
定ねじなどFRP(繊維強化プラスチック)を主体とし
た非金属材料で構成し、冷媒を保持する最内側を均一な
薄板のFRP材による一体成形としたことで応力集中し
にくい構造となり、急激な温度変化による熱応力は緩和
され冷媒(液体窒素等)が漏れる危険性がなく、磁場中
で使用可能な完全非金属製となる。また、被検体接面側
は冷媒に接する内側及び最外壁ともに均一な薄板のFR
P材による曲面を持つ一体成形とし、その薄板間には微
小空間を設けるとともに最小限の断熱支持柱を挟んで接
合し、極薄の積層構造とし、さらに前記微小空間は空気
または窒素ガス等の流体が適切な流量配分で流れる通路
面積と長さを有し、出入口に連接しており、この空間の
大気側面は熱伝達を促進するような凹凸にし、逆に冷媒
側の面は滑らかにしているため冷媒の冷熱は前記微小空
間を流れる温度、流量が制御された流体に伝わり、その
まま出口から放出され、蓋表面はさほど温度低下するこ
とがなく、水滴、霜も発生せず、かつ極薄構造を可能と
し、画像性能を向上させることができる。
【0020】その他、冷媒の出入口は蓋の最内側面に微
小な冷媒ガス空間ができる位置で容器側面に配置され、
冷媒入口を最内管、その外側が冷媒出口管、最外部が前
記微小空間を流れてきた流体の出口通路となる三重同心
構造とし、しかも、前記微小空間に流す流体の入口には
温度と流量を制御できる供給システムを接続し、冷媒の
出入口も供給量制御システム及び回収システムを接続し
ているため容器部分を含めどこにも水滴、霜が発生しな
い安全で設置環境上問題のない、連続的検査を可能とす
る取扱いの容易なシステムを構築している。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の代表的な実
施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の
実施の形態の一例に係り、低温容器の本体部を示す構造
モデル断面図、図2は、その低温容器の冷媒出入口部分
の詳細図である。また図3は、低温容器および低温容器
へ冷媒を供給するシステムを含めた低温容器全体システ
ム系統図である。
【0022】これらの図に示すように、本発明の低温容
器の本体部は、大きく別けて容器20と蓋10とから構
成されている。容器20内には、薄いテープ状の酸化物
超電導コイル1が収納設置され、この超電導コイル1は
同様に容器20内に収容された液体窒素などの冷媒2に
より冷却されている。この容器20は、冷媒2を保持す
る内槽(最内側の薄板)21が繊維強化プラスチック
(以下FRPと称す)材により熱的局部応力集中を緩和
するために一体成形されており、この内槽21の外側を
ポリウレタン等の断熱材22で囲み、さらにその外側に
隙間を設けて微小空間23を形成し、最外壁24はFR
P材の板を組合わせて接着した構成としている。
【0023】なお、容器20には後述する通りの流体供
給口16および、冷媒の出入口17が形成されている。
蓋側10は内側板11および最外壁板12の双方がそれ
ぞれ薄板のFRP材を一体成形することにより構成さ
れ、その内側板11と最外壁板12の間には隙間を設け
て微小空間13を形成すると共にFRP材から成る断熱
支持柱14を挟んで接着し、薄板−空間−薄板の積層構
造としている。断熱支持柱14は被検体の荷重に耐えら
れる必要最低限の数だけ設けられている。
【0024】また蓋10部分は、本発明の低温容器をM
RIに適用した場合にMRIの分解能を向上させるため
に、蓋10の表面に接する被検体と容器20内に収納さ
れる超電導コイル1とを可能な限り接近させる必要があ
るため、上記積層構造は6mm以下程度として超電導コ
イル1と被検体との距離を6mm程度に保持する構造と
している。
【0025】なお、蓋10の表面は被検体に接するため
被検体に合わせた曲面を有する形状に成形されている。
そして、蓋10と容器20とをシリコンーゴムパッキン
を挟んでFRP材から成る固定ねじ30により密閉して
固定する構造としている。このように、蓋10と容器2
0とを着脱可能に構成しているのは、内部に収納した超
電導コイル1の保守点検を容易とするために容器20側
と蓋10側とに容易に分離可能とするためである。
【0026】また、蓋10側の微小空間13において
は、この微小空間13の大気側面12bは熱伝達を促進
するような凹凸を形成し、逆に冷媒2側の面11bは滑
らかにしている。
【0027】なお、図4には蓋10の部分拡大図を示
す。被検体が接触する最外壁板12の外側面12cは、
被検体の一般的な体形に合わせて曲面に形成されてい
る。最外壁板12の内側面12bは、流体15からの熱
伝達を促進するため凹凸(例えば波状)に形成されてい
る。内側板11の外側面11bは、冷媒2からの熱拡散
を抑制するために滑らかに形成されている。
【0028】上記の通り蓋10の部分、容器20の部
分、断熱支持柱14および固定ねじ30等の低温容器の
構成部材をFRP(繊維強化プラスチック)を主体とし
た非金属材料で構成し、MRIの磁場の影響を受けない
ようにしている。
【0029】なお、容器20および蓋10に形成された
微小空間23,13は冷媒2の冷熱により凝固しないよ
うに乾いた空気または窒素ガス等の流体15が適切な流
量配分で流れる通路面積と長さを有し、流体供給口16
および冷媒の出入口部17に連接している。つまり流体
供給口16から微小空間13,23内に、乾いた空気ま
たは窒素ガス等の流体15を供給し、微小空間13,2
3内を通流(循環)した流体15は冷媒の出入口部17
から外部に排出される。冷媒の出入口部17は後述する
ように3重管構造を成し、冷媒2の出入口であると共に
流体15の出口を兼用した構成である。
【0030】この時の流体15の温度は常温程度以上の
高温度とし、蓋10の上面温度を常温近傍に保ち、被検
体(患者)が裸で長時間にわたって蓋10の上に横たわ
ることが可能な断熱方式を採用している。
【0031】本発明者等は、蓋10の部分を上記の通り
内側板11を2mm,最外壁板12を2mm、微小空間
13を2mmの厚さとして各々構成し、また容器20内
に収容した液体窒素と内側板11との間の距離を0.5
mmになるように液体窒素を収容し、次の通りの実験を
試みた。
【0032】まず本発明の実施例として、微小空間13
に流体15として温度45℃に保持した乾いた空気を4
5m3 /hの流量で送風した。この状態で蓋10の表面
温度分布を赤外線映像装置による全体表面温度分布と熱
電対による20箇所の定点測定により測定したところ、
表面温度は20℃〜30℃の温度分布を示した。
【0033】一方、比較例として微小空間13に流体1
5を流さない場合には、蓋10の表面温度は同様の測定
結果により9℃〜−72℃の温度分布を示した。なお、
この時の液体窒素の蒸発量から熱侵入量を推測すると、
比較例における流体15を流さない場合には約35W、
また本発明実施例における45℃の空気を流した場合に
は54W程度と推測でき、温度の高い流体15を循環さ
せるのは熱侵入の観点からは明らかに不利であるが、こ
の低温容器をMRI等に適用し、例えば被検体(患者)
が蓋10の上に横たわる場合を想定すると、蓋10の表
面温度分布が上記の通り20℃〜30℃の温度分布であ
れば、被検体が長時間にわたって裸で横たわる場合にも
十分対応できる。
【0034】もちろん上記に示した流体15の温度、流
量等は一例であり、この値に限定されるものではなく、
蓋10に必要な温度分布が得られるように適宜設定され
るものである。
【0035】なお、容器20側に形成された微小空間2
3においては、流体15を供給しても蓋10の表面温度
に直接影響を与えないので、この微小空間23を設けな
くとも本発明の低温容器が実現されのは明白である。
【0036】なお、上記実施例の通り容器20側にも微
小空間23を設け、極微量の流体15を流すように構成
した理由は、万一液体窒素が洩れたときのドレン口25
を容器20の最下部に設け、安全対策を施したためであ
る。なお、容器20側に形成された微小空間23に流す
流体15の量は蓋10側に形成された微小空間13に流
す流体15の量と比較すると格段に少なくて良い。
【0037】次に、冷媒の出入口部17の構造について
説明する。図2に示すように冷媒の出入口部17は3重
管構造となっている。この3重管構造は、前述した通り
に冷媒2の出入口であると共に流体15の出口を兼用し
た構成である。
【0038】つまり、冷媒入口4、および冷媒出口5は
蓋10の最内側面に微小な冷媒2のガス空間3ができる
位置で容器20側面に配置され、冷媒入口4を最内管、
その外側の管が冷媒出口5、最外部の管が前述した微小
空間13、23を循環してきた流体15の出口19通路
となる三重管同心構造である。しかも、前記微小空間1
3、23に流体を供給するための流体供給口16には温
度と流量とを制御するためにヒータおよび送風機等から
構成される流体供給システム18を接続し、冷媒の出入
口4、5には冷媒供給量制御システム6および回収シス
テム7を接続している。回収システム7は、冷媒2とし
て液体窒素等を用いた場合に、MRIを病院に設置した
場合を想定すると窒素ガスを一旦回収した方が望ましい
との配慮に基づいて設けている。
【0039】次に図5を参照して、本発明の低温容器に
係る他の実施の形態について説明する。図5は、MRI
に適用するのに特に適した低温容器の例である。
【0040】図5に示した低温容器が図1に示した低温
容器と異なる部分は、蓋10を構成し、被検体と接する
最外壁板をシリコン系ゴムやフッ素系ゴム等の柔軟なゴ
ムで形成した最外壁マット12aとした点にある。
【0041】図1に示した低温容器では、蓋10を構成
する内側板11と最外壁板12の双方を薄板のFRP材
で一体成形し、最外壁板12の表面は被検体に接するた
め被検体に合わせた曲面を有する形状に成形されてい
た。この曲面形状は被検体の標準的な体格に合わせて形
成されているが、被検体はその身長、胸囲、体重等の体
格による固体差(個人差)が大きく、全ての被検体にフ
ィットするような形状に成形することは困難な場合が多
い。
【0042】したがって、特に本発明の低温容器をMR
Iに適用して多数の被検体を無差別に検査するような場
合には、図5に示すように最外壁マット12aをフッ素
系ゴムやシリコン系ゴム等の柔軟で耐久性に優れたゴム
を用いて構成し、どのような被検体の形状にもフィット
するように構成する。このように構成することにより被
検体の体格の個人差(形状差)をカバーし、被検体に不
快感を与えず優しい診断を行うことが可能となる。
【0043】次に図6を参照して、本発明の低温容器に
係る他の実施の形態について説明する。図6もMRIに
適用するのに特に適した低温容器の例であり、図5に示
した低温容器の変形例に相当する。この例では図5に示
した蓋10を構成する最外壁マット12aの形状を工夫
し、被検体を包み込むことが可能なように筒状に形成し
た最外壁マット12cとしている。また、図1および図
5に示した例で、所定温度、所定流量の流体15を微小
空間23,13に流していたが、この図6に示した例で
は、被検体に近い側の微小空間13を設けずに、内側板
11の上に直接的に筒状に形成された最外壁マット12
cを載置し、この最外壁マット12c内に流体15を循
環させるための流体供給口12dと流路を形成してい
る。また、図6に示した例では微小空間23に流体15
を供給しているが、この微小空間23を省略して供給は
行わないように構成しても良い。なお、図6では最外壁
マット12cを組込んだ低温容器全体を示している。
【0044】この筒状に形成された最外壁マット12c
も、フッ素系ゴムやシリコン系ゴム等の柔軟で耐久性に
優れたゴムを用いて構成したり、またキルティング等を
施したエアーマット等を用いて構成し、どのような被検
体の形状にもフィットするように構成する。なお、最外
壁マット12cを筒状に形成して被検体を筒内部に収容
して検査を行うようにしているため、被検体を動かない
ように固定する効果も有している。
【0045】なお、筒状に形成された最外壁マット12
c内に流体15を通流させる場合には多少圧力を加えて
通流させることが望ましく、また最外壁マット12cの
容器20側は極力薄く構成することが望ましい。
【0046】次に、上記に説明した本発明の低温容器を
MRIに適用した場合の発明について図7を参照して説
明する。図7は、オープンタイプ(解放型)のMRIが
示されている。このMRIには、周知の通り複数のコイ
ルが用いられているが、大きく分けて本体に設けられ磁
場を印加するコイル40と、被検体が横たわる寝台(ベ
ッド)42に設けられるRFコイルである超電導コイル
1とから構成されており、RFコイルである超電導コイ
ル1は、前述した低温容器に収納されている薄型の超電
導コイル1に相当する。
【0047】磁場を印加するコイル40は、従来と同様
に一様な静磁場を印加するための主コイル、磁場の乱れ
を補正するための補正コイルおよび勾配(傾斜)磁場を
印加するための傾斜磁場コイル等から成り、このオープ
ンタイプMRIは、主コイルが解放型に構成され、被検
体を解放空間に位置させることができることから被検体
への圧迫感を抑制する構成となっている。
【0048】RFコイルは超電導コイル1として構成さ
れ、原子核の励起のために被検体に高周波の磁場(高周
波磁場)を照射するための照射用のアンテナと、再放出
されてくるNMR信号検出用のアンテナの機能を有して
いる。この超電導コイル1は前述した本発明の低温容器
に収納され、被検体の横たわる寝台(ベッド)42に設
けられており、このRFコイルである超電導コイル1
は、磁場を印加するコイル40の磁場中に置かれて使用
される。
【0049】MRIには、上記の磁場を印加するコイル
40とRFコイルである超電導コイル1とに加えて図示
は省略するが、コンピュータ制御システムが設けられて
おり、このコンピュータ制御システムは、例えばCP
U、アレイプロセッサ、HDD(磁気ディスク装置)等
を備えることにより、撮影条件の設定、画像再構成、画
像表示、画像処理、フィルミング、画像データの保存等
のMRIシステム操作に係わる全ての処理を制御するよ
うに構成されている。
【0050】上記構成のMRI(磁気共鳴イメ−ジング
診断装置)に用いられる送受信(RF)超電導コイル1
用の低温容器として上記した本発明の低温容器を用いた
場合においては、容器側20は冷媒2を保持する内槽
(最内側の薄板)21を均一厚なFRP材による一体成
形としたことで応力集中しにくい構造となり、急激な温
度変化による熱応力は緩和され液体窒素などの冷媒2が
漏れる危険性がなく、また全てFRP(繊維強化プラス
チック)を主体とした非金属材料で構成されているため
MRIの磁場中で使用可能となる。
【0051】また、蓋10側および容器20側に設けた
微小空間13、23には、流体供給口16から空気また
は窒素ガス等の流体15が適切な流量配分で流れるた
め、冷媒2の冷熱はこの流体15に伝わり、そのまま出
口19から放出され、蓋10表面はさほど温度低下する
ことがなく、水滴、霜も発生せず、かつ極薄構造を可能
とし、MRIの画像性能を向上させることができる。
【0052】その他、冷媒入口4を最内管、その外側の
管が冷媒出口5、最外部が微小空間13、23を流れて
きた流体15の出口19通路となる三重同心管構造とし
ている。しかも、微小空間13、23に流す流体供給口
16には温度と流量とを制御できる供給システム18を
接続し、冷媒の出入口4、5には供給量制御システム6
および回収システム7を接続している。したがって、容
器部分を含めどこにも水滴、霜が発生しない安全で設置
環境上問題がなく、連続的検査を可能とする取扱いの容
易なシステムを構築している。
【0053】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形
して適用することができる。例えば頭部などの自在な断
層像を得るためには図8に示すような円筒形断熱容器と
して本発明の低温容器を構成することも可能である。こ
の場合は、内円筒側が被検体に接触する接面となり、冷
媒2を保持する内側11及び最外壁12ともに均一な薄
板のFRP材による円筒状の一体成形とし、その薄板間
には微小空間13を設けるとともに最小限の断熱支持柱
14を挟んで接合し、極薄の積層構造としている。ま
た、空気または窒素ガス等の流体15は内側微小空間1
3を循環し、端部で折り返して外側微小空間23を通っ
て上部出口17から放出されるため、前記実施例と同様
の作用、効果が得られる。
【0054】また、上記発明の実施の形態においては、
超電導コイル1として薄いテープ状の酸化物超電導コイ
ルを用いていたが、テープ状に限定されるものでは無
く、また酸化物超電導に限定されるものでも無い。また
酸化物超電導コイルを用いた関係で冷媒2としては液体
窒素を用いたが、従来からの化合物超電導体等を用いれ
ば液体ヘリウムを使用する必要がある。また、超電導コ
イル1を冷媒2中に収容して浸漬冷却する基本的な冷却
方法の他に、液体冷媒2を全く使用せずに超電導コイル
1を冷凍機を用いて直接的に冷却することも可能であ
る。この場合には超電導コイル1に例えば小型のGM冷
凍機などから冷媒ガスを供給し、冷媒ガスを用いて間接
的に超電導コイルを冷却する構成を採用できる。
【0055】また、本発明の低温容器は上記に具体的に
説明したMRIに適用できる他に、種々の超電導機器に
応用できる。例えば、クリーンルーム内で半導体ウェハ
等を搬送するために酸化物超電導体のピン止め効果を利
用した浮上式の搬送装置等に適用すれば、搬送装置に水
滴、霜も発生せず薄型のシステムを構成できる。
【0056】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて具体的に説明し
たように本発明によれば、低温容器の表面温度を所定温
度範囲に制御できるので、磁気共鳴映像装置に用いた場
合にも被検体に不快感を与えることがない。
【0057】さらに低温容器の表面温度が低下すること
がないので、水滴、霜も発生せず、安全で設置環境上問
題のないシステムを構築できる。また極薄構造が可能と
なるので、磁気共鳴映像装置の画質を向上させることが
可能となる。
【0058】また、応力集中しにくい構造で、急激な温
度変化による熱応力は緩和され冷媒が漏れる危険性がな
く、また非金属材で構成した場合には磁気共鳴映像装置
の磁場中で使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る低温容器の本体部を示す構造モ
デル断面図。
【図2】 図1に示した本発明の低温容器の冷媒出入口
部分の詳細図。
【図3】 本発明に係る低温容器全体のシステム系統
図。
【図4】 本発明の低温容器の蓋の部分拡大図。
【図5】 本発明の他の実施の形態に係る低温容器の本
体部を示す構造モデル断面図。
【図6】 本発明の他の実施の形態に係る低温容器の本
体部を示す構造モデル断面図。
【図7】 本発明の磁気共鳴映像装置を示す概略全体
図。
【図8】 本発明の他の実施例に係る円筒形の低温容器
を示す断面図。
【図9】 従来の代表的な低温断熱箱型容器を示す断面
図。
【符号の説明】
1 超電導コイル(超電導機器) 2 冷媒 3 冷媒ガス空間 4 冷媒入口 5 冷媒出口 6 供給量制御システム 7 回収システム 10 蓋 11 内側板(内側容器) 12 最外壁板(外側容器) 13 微小空間 14 断熱支持柱 15 ガス 16 ガス供給口 17 冷媒の出入口 18 ガス供給システム(ガス供給手段) 20 容器 21 内槽(内側容器) 22 断熱材 23 微小空間 24 最外壁(外側容器) 40 磁場を印加するコイル 42 寝台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/05 - 5/055

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一様な静磁場中に置かれた被検体に高周波
    磁場および勾配磁場を所定のパルスシーケンスにしたが
    って印加し、前記被検体からの磁気共鳴信号を検出して
    映像化する磁気共鳴映像装置において、 前記高周波磁場を印加し、前記磁場共鳴信号を受信する
    ための超電導コイルと、 前記超電導コイルを冷却する冷媒を収容し、前記超電導
    コイルがこの冷媒に浸される冷媒容器と、 前記冷媒容器と微小空間を隔てて、前記冷媒容器を覆う
    ように設けられ、前記被検体と接触する低温容器と、 前記低温容器の表面温度を、所定の温度範囲に保持する
    ために、前記微小空間に流体を流通させるための流通手
    段と、 を設けることを特徴とする磁気共鳴映像装置。
  2. 【請求項2】前記流通手段は、前記流体の温度を調整す
    る手段と、前記流体の流量を調整する手段と、を設ける
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映像装置。
  3. 【請求項3】前記冷媒容器は、繊維強化プラスチックで
    一体成形して構成したことを特徴とする請求項1記載の
    磁気共鳴映像装置。
  4. 【請求項4】前記微小空間は、前記冷媒容器の外側面
    と、前記低温容器の内側面とにより挟まれ、前記内側面
    は、前記流体からの熱伝達を促進するような凹凸形状に
    形成され、前記外側面は、前記冷媒からの熱拡散を抑制
    するために滑らかになっていることを特徴とする請求項
    1記載の磁気共鳴映像装置。
  5. 【請求項5】前記冷媒容器からもれる冷媒を排出するた
    めの排出部を設けることを特徴とする請求項1記載の磁
    気共鳴映像装置。
JP24946696A 1995-09-28 1996-09-20 磁気共鳴映像装置 Expired - Fee Related JP3260086B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24946696A JP3260086B2 (ja) 1995-09-28 1996-09-20 磁気共鳴映像装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-250411 1995-09-28
JP25041195 1995-09-28
JP24946696A JP3260086B2 (ja) 1995-09-28 1996-09-20 磁気共鳴映像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09149893A JPH09149893A (ja) 1997-06-10
JP3260086B2 true JP3260086B2 (ja) 2002-02-25

Family

ID=26539306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24946696A Expired - Fee Related JP3260086B2 (ja) 1995-09-28 1996-09-20 磁気共鳴映像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3260086B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6556012B2 (en) 2000-01-21 2003-04-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic resonance imaging apparatus
US6954068B1 (en) 2000-01-21 2005-10-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic resonance imaging apparatus
ES2510290B2 (es) * 2013-03-20 2015-04-30 Emilio PALOMO PINTO Sistema de refrigeración autónomo, portátil y autorefrigerante, basado en la utilización de un depósito estanco, conteniente de un gas licuado a presión, empleado como vaporizador, como consecuencia de la evaporación controlada de dicho GLP

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09149893A (ja) 1997-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5442289A (en) Biomagnetometer having flexible sensor
US8676282B2 (en) Superconducting magnet coil support with cooling and method for coil-cooling
US7772842B2 (en) Dedicated superconductor MRI imaging system
US8628238B2 (en) Insulation test cryostat with lift mechanism
US8723522B2 (en) Superconductor RF coil array
US8593146B2 (en) Cryogenically cooled superconductor gradient coil module for magnetic resonance imaging
US20100066367A1 (en) Integrated Superconductor MRI Imaging System
US8598881B2 (en) Magnetic resonance imaging system with thermal reservoir and method for cooling
US5061680A (en) Superconducting biomagnetometer with remote pickup coil
JP5016600B2 (ja) 超電導磁石、磁気共鳴イメージング装置、及びクライオクーラの冷却能力算出方法
JP2009172129A (ja) 超伝導磁石装置および磁気共鳴イメージング装置
US20130063148A1 (en) Cryogenically Cooled Whole-Body RF Coil Array and MRI System Having Same
US20160291104A1 (en) Magnetic resonance imaging apparatus
EP1767148B1 (en) Maintenance method for a magnetic resonance imaging device
JP3260086B2 (ja) 磁気共鳴映像装置
CN102062844B (zh) 适用于磁共振成像的低温冷却的超导体梯度线圈模块
WO2013172148A1 (ja) 磁気共鳴イメージング装置、磁気共鳴イメージング装置用ガス回収装置、および、磁気共鳴イメージング装置の運転方法
US7358735B2 (en) NMR probe head with heated housing
JP4034429B2 (ja) 生体磁気計測装置
JP2000051169A (ja) 生体磁気計測装置
US5694775A (en) Magnetic resonance diagnostic apparatus
JP2645346B2 (ja) 低温物性試験装置
JPH05267728A (ja) クライオスタット
Lin et al. A temperature-stable cryo-system for high-temperature superconducting MR in-vivo imaging
JP3743385B2 (ja) 心磁測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081214

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees