JP3259989B2 - 2値と多値の混在符号化画像データ復元方法および装置 - Google Patents

2値と多値の混在符号化画像データ復元方法および装置

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JP3259989B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像を走査し画素単位
にサンプリングして得られる多値画像データを高能率符
号化して蓄積あるいは伝送するための多値画像データの
符号化方法および装置を前提として、それに関連した
値と多値の混在符号化画像データ復元方法および装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】多値画像データの符号化方法としては、
ビット・プレーン符号化法やブロック符号化法などがよ
く知られている。ビット・プレーン符号化法は、多値画
像の2次元データ圧縮の一方法で、各画素の濃度レベル
を2進符号で表現し、その2進符号列の同位ビットにつ
いて2次元のMR(モディファイド・リード)符号化を
行う。この符号化の方法は、上位ビットの2次元的相関
は高いが、低位ビットの相関は少なく、圧縮率は余り良
くない。
【0003】ブロック符号化法は、多階調画像の1次元
または2次元のデータ圧縮の一方法であり、画像を一定
の区間(1次元圧縮のとき)または一定の領域(2次元
圧縮のとき)に分割し、区間毎または領域毎にその平均
濃度レベルと各画素の濃度レベルとの差を順次符号化す
る。
【0004】この方法は、画像の変化特性と無関係に区
間または領域を設定するため、分割境界の前後で画像特
性に相関が有ってもそれを生かせず、圧縮効率は必ずし
も良くない。また、他の多値画像の符号化方法として
は、量子化された符号化ラインの階調レベルの境界を、
参照ラインの境界位置との位置関係を2値画像の符号化
によく使用されるMR(モディファイド・リード)方式
で符号化する方法がある。
【0005】しかし、この方法は、前述のMR方式を適
用するため符号化ラインの階調レベルの境界の一方側の
レベルと、参照ラインの境界の対応する一方側のレベル
が等しい場合の境界位置を垂直符号で符号化する。よっ
て、階調レベルの境界(階調レベルの変化する変化点と
もいえる)位置が参照ラインに対して、位置的にも階調
レベル(濃度レベル)的にも頻度高く変化する多値画像
に対しては、必ずしも高い符号化効率は得られない。
【0006】関連する多値画像の符号化方法としては、
特公平4−7871号公報、特公平3−22752号公
報記載の方法などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の点を考慮して、写真等の多値画像を含む文書などの多
値画像の高能率符号化に適する多値画像データの符号化
方法および装置を前提として、それに関連した2値と多
値の混在符号化画像データ復元方法および装置を提供す
るにある。
【0008】具体的には、画像の主走査方向のみなら
ず、副走査方向についても濃度レベルの相関を利用した
符号化を行うことにより、再現性を損なうことなく、高
い符号化効率が期待でき、伝送時間の短縮と蓄積容量の
減少が期待できる多値画像データの符号化方法および装
を前提として、それに関連した2値と多値の混在符号
化画像データ復元方法および装置を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、2値で符号化された2値画像データ及び
階調(但しMは整数)で符号化された多値画像データか
らなる2値と多値の混在符号化画像データを記録媒体或
いは伝送媒体を介して取り込み、混在符号化画像を復元
する混在符号化画像データ復元装置において、 前記2値
画像データを復号する2値復号化手段(85)及び前記
多値画像データを復号する多値復号化手段(68)と、
2値に対応する濃度を復元する濃度復元手段(87)
M階調の復号化された多値画像をN階調(但しNは
整数で、N≦M)に再量子化し、その際の再量子化画素
周辺の平均濃度が量子化前のそれと等しくなるようにす
るN値誤差拡散手段(69)と、を有することとした。
【0010】
【作用】本発明においては、復元した画像を画素あたり
の階調表現数nd(但しnd<M)のディスプレイで表
示する場合は、前記N値誤差拡散手段の再量子化階調数
Nをndとし、復元した画像を画素あたりの階調表現数
nd(但しnd<M)のディスプレイで表示する場合
は、前記N値誤差拡散手段の再量子化階調数Nをndと
する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は、本発明の前提としての多値画像データ符号
化装置の構成を示すブロック図である。同図において、
1は多値画像データの入力端子、2は多値画像データを
取り込むための多値画像データの入力タイミングに同期
した同期信号入力端子、3は多値画像データを少なくと
も1ライン分記憶する多値画像ラインメモリ、4は多値
画像データより濃度の変化する変化点(変化画素)のラ
イン上の位置とその濃度レベルを検出する変化点検出
部、である。
【0012】5は符号化ラインの符号化する変化点a0,a
1,a2の位置と濃度レベルを記憶する符号化変化点メモリ
部、6は変化点検出部5で検出された符号化ラインの変
化点の情報を一時記憶する符号化ライン変化点メモリ、
7はすでに符号化された参照ラインの変化点の情報を記
憶する参照ライン変化点メモリ、8は変化点a0を基準に
して、参照ライン変化点メモリ7より参照ラインの参照
変化点b1,b2 を検出するb1b2検出部、9は参照変化点b
1,b2 の情報を記憶する参照変化点メモリ部、である。
【0013】10は変化点a1とb2の位置関係よりパスモ
ードか否かを判別するパスモード判別部、11は垂直モ
ード符号化部、12から15は垂直モード符号化部11
を構成する要素で、12は変化点a1とb1の位置関係及び
距離を検出するa1b1距離検出部、13は変化点a1とb1の
濃度レベルの差を検出するa1b1レベル差検出部、14は
a1b1距離検出部12とa1b1レベル差検出部13の検出結
果をもとに垂直モードか否かを判別する垂直モード判別
部、15はa1b1距離検出部12とa1b1レベル差検出部1
3の検出結果をもとに、この2次元的変位に対応した符
号を出力する垂直モード符号テーブル、である。
【0014】16は水平モード符号化部、17から24
は水平モード符号化部16を構成する要素で、17は変
化点a0とa1の距離を検出するa0a1距離検出部、18は変
化点a0とa1の濃度レベル差を検出するa0a1レベル差検出
部、19は変化点a1とa2の距離を検出するa1a2距離検出
部、20は変化点a1とa2の濃度レベル差を検出するa1a2
レベル差検出部、21と22はセレクタ、23は2つの
変化点間の距離(ラン長に対応)に対応した符号を出力
するラン長符号テーブル、24は2つの変化点間の濃度
レベル差に対応した符号を出力するレベル差符号テーブ
ル、である。
【0015】25は2次元符号化データ列の先頭を示す
符号EOL0を出力するEOL0符号発生部、26はパスモード
を示す符号Pを出力するP符号発生部、27は水平モー
ドを示す符号Hを出力するH符号発生部、28は1次元
符号化データ列の先頭を示す符号EOL1を出力するEOL1符
号発生部、29はパスモード判別部10と垂直モード判
別部14の判別結果に対応して15、23、24、2
5、26および27より出力される各符号を選択的に取
り込み、所定の順に配列して出力する2次元符号合成
部、である。
【0016】30はラン長符号テーブル23とレベル差
符号テーブル24およびEOL1符号発生部28より出力さ
れる符号を取り込み、所定の順に配列して出力する1次
元符号合成部、31は2次元符号合成部29と1次元符
号合成部30の出力の一方を選択して出力するセレク
タ、32は本符号化装置の出力端子、33はセレクタ、
34は多値画像ラインメモリのアドレスを制御するアド
レス制御部、34は各部の動作を制御する制御部、36
は同期信号入力端子2の同期信号をもとに符号化したラ
イン数を計数するKラインカウンタ、37はKラインカ
ウンタの値をもとに、1次元か2次元かの符号化方法を
切り替える符号化切替部である。
【0017】次に、この多値画像データ符号化装置の動
作を図1を参照して説明する。この符号化装置は、多値
画像データ入力端子1より供給されるライン単位の多値
画像データを、画素単位毎に端子2に供給される同期信
号をもとに、多値画像ラインメモリ3の所定のエリアに
一時記憶する。
【0018】ライン上の先頭画素からの位置iにおける
画素の濃度レベルをN(i)とすると、アドレス制御部
34はラインの先頭でアドレス値を0にし、1画素取り
込むごとに1インクリメントして、ライン上の画素の配
列順に対応して記憶すべきエリアのアドレス値を発生
し、多値画像ラインメモリ3に1ライン分の各画素の濃
度レベルを記憶する。
【0019】本符号化装置は、この多値画像ラインメモ
リ3に記憶された1ライン分の多値画像データを符号化
ラインとして後述の符号化方法で符号化し、符号化が完
了すると、入力端子1より新たな符号化すべきラインの
多値画像データを取り込む。
【0020】kラインカウンタ36はこの入力ライン数
を計数し、符号化法切替部37によって先頭ラインを含
めkライン毎に符号化方法を切り替える。つまり、先頭
のラインを1次元符号化し、後続の(k−1)ラインを
2次元符号化し、再び次のラインを1次元符号化すると
いうように、kライン毎に1次元符号化処理を行う。
【0021】1次元符号化結果は1次元符号合成部30
よりセレクタ31を介して出力端子32に出力される。
2次元符号化結果は2次元符号合成部29よりセレクタ
31を介して出力端子32に出力される。1ページ分の
ラインの符号化が完了すると、1次元符号合成部30は
EOL1符号発生部28よりEOL1符号を取り込み、この符号
の6連続符号(ページの終了を示すRTC符号)をセレ
クタ31を介して出力端子32に出力する。
【0022】(1次元符号化動作) まず、1次元符号化の動作について説明する。変化点検
出部4は多値画像ラインメモリ3からラインの先頭画素
より読み出し、濃度レベルの変化する画素を変化点とし
て検出し、その変化点の位置i(アドレス制御部34よ
り供給されるアドレス値)と濃度レベルN(i)を符号
化変化点メモリ部5に供給する。例えば、画素位置(i
−1)とiの画素の濃度レベルN(i−1)とN(i)
が異なる場合、画素位置iの画素を変化点として検出す
る。
【0023】ただし、変化点検出部4はラインの先頭画
素の直前に白(最小濃度レベル)画素が仮想的に存在す
るものとして、上記変化点を検出する。また、ラインの
最後の画素の直後に白(最小濃度レベル)画素が存在す
るものとして、この仮想画素はラインの最後の画素の濃
度レベルに依存せず、仮想変化画素(仮想変化点)とし
て検出する。
【0024】図2に変化点検出部4の変化点検出の様子
を示す。この図では、説明の便宜上、1ラインの画素数
を14画素としている。各小枠は1つの画素を示し、枠
内の数値はその画素の濃度レベルを示している。0は白
を意味し、濃度レベルの数値が大きくなるほど黒いこと
を意味する。枠上部の数値は各画素の位置を示し、sは
ラインの先頭画素の直前に設けた仮想白画素、eはライ
ンの最後の画素の直後に設けた仮想変化画素(点)であ
る。
【0025】図2の(1)の場合は、矢印で示したよう
に画素位置3、4、5、8、9及び仮想変化画素eが変
化点として検出される。図2の(2)の場合は、画素位
置0、3、9及び仮想変化画素eが変化点として検出さ
れる。
【0026】変化点検出部4で検出された変化点を各ラ
インの先頭より cj, j=1,2,,N (但し、N は検出変化点の数) とすると、各変化点cjの位置Pj と濃度レベルN(Pj
)の情報がペアになって順に符号化変化点メモリ部5
に供給される。
【0027】以後、変化点cjを cj= (Pj,N(Pj )) と表現する。
【0028】符号化変化点メモリ部5は、符号化変化点
a0メモリ、a1メモリおよびa2メモリで構成され、a0,a1,
a2メモリの順で記憶する変化点のアドレス値(位置Pj
)が大きくなるような関係で、入力される変化点情報
を記憶する。つまり、変化点a0メモリの変化点がcjの場
合、変化点a1メモリには変化点cj+1が、変化点a2メモリ
には変化点cj+2が記憶される。
【0029】1次元符号化の場合は、変化点a0メモリと
変化点a1メモリが使用され、上記の変化点の位置関係
で、入力の変化点情報が2つのメモリに記憶される。な
を、ラインの最初の変化点c1の情報は、a1メモリに記憶
され、a0メモリはラインの先頭画素の直前の位置しラン
長0で濃度レヘ゛ル 0(白)とした仮想白画素を仮想変化
点とするために初期化される。つまり、位置P0 =0
(ライン先頭画素と同じ位置)、濃度レヘ゛ル N(P0 )
=0(白)の様に、初期化される。
【0030】よって、a0メモリには変化点cjが、a1メモ
リには変化点cj+1(j=0,1,2,,N:Nは検出変化点の数、た
だしc0は上記仮想変化点)が、変化点が入力される毎に
記憶される。この様子を図3に示している。図中の符号
化変化点メモリ部5への入力変化点c1,c2,,,c6は、図2
の(1)で示した符号化ラインに於いて検出した変化点
c1,c2,,,c6である。
【0031】水平モード符号化部16は1次元符号化時
の場合は、符号化変化点メモリ部5のa0メモリおよびa1
メモリより出力される検出順的に隣接する変化点情報を
もとに、順次、水平モードの符号化をする。a0メモリ出
力の変化点をcj,a1 メモリ出力の変化点をcj+1とし cj = {Pj, N( Pj)} cj+1= {Pj+1,N( Pj+1)} ただし、{a,N(a)}の a はライン上の位置を示し、N
(a)はライン上位置aの画素の濃度レベル値を示す。
【0032】 Pj<Pj+1 とすると、a0a1距離検出部17は(Pj+1 −Pj )の演
算を行い、変化点cjからcj+1までの距離Δaj を検出す
る。 Δaj =Pj+1 −Pj つまり、変化点cjから変化点cj+1の直前の画素まで連続
する同一濃度レベルの画素列のラン長Δaj を検出す
る。
【0033】a0a1レベル差検出部18は、N( Pj+1)−
N( Pj)の演算を行い、変化点cjと変化点cj+1の画素の
濃度レベル差Δnj を検出する。 Δnj =N( Pj+1)−N( Pj) 多値画像データの濃度レベル値を最小0(白)から最大
n(黒)とすれば、濃度レベル差は−nからnの値を取
り得る。
【0034】図4は、1次元符号化時の水平モード符号
化部16(図1)の変化点間のラン長と濃度レベル差の
検出の動作および1次元符号化コード列を示す説明図で
ある。図4の(1),(2)のそれぞれの(b) に、図1
のa0a1距離検出部17による変化点間のラン長と、a0a1
レベル差検出部18による変化点間の濃度レベル差の検
出結果の様子を示す。なを、変化点列は、図2で示した
符号化ラインにおいて検出した変化点列である。
【0035】a0a1距離検出部17で検出された変化点間
のラン長Δa0 は、順次、セレクタ21を介してラン長
符号化テーブル23に供給され、ラン長Δa0 に対応し
た符号R(Δa0 )に変換される。符号R(Δa0 )
は、ファクシミリで用いられるMH(モテ゛ィファイト゛・ハフマン)
符号などの様に、発生頻度の高いラン長に対して短い符
号語を割り当てた符号によって構成する。MH符号の様
にメイクアップ符号とターミネイト符号とで構成しても
良い。
【0036】a0a1レベル差検出部18で検出された変化
点間の濃度レベル差Δn0 は、順次、セレクタ22を介
してレベル差符号化テーブル24に供給され、レベル差
Δn0 に対応した符号L(Δn0 )に変換される。符号
L(Δn0 )も上記と同様に、発生頻度の高いレベル差
に対して短い符号を割り当てた符号によって構成する。
【0037】つまり、1次元符号化は、変化点を、隣接
する変化点間のラン長Δa0 と濃度レベル差Δn0 にそ
れぞれ対応する符号R(Δa0 )と符号L(Δn0 )の
両者で、R(Δa0 )+L(Δn0 )の如く符号化す
る。
【0038】ラン長符号テーブル23の出力符号R(Δ
a0 )とレベル差符号テーブル24の出力符号L(Δn
0 )は、1次元符号合成部30に供給される。1次元符
号合成部30は、1次元符号化ラインの先頭にてEOL1符
号発生部28からの符号EOL1を取り込み、以後順次供給
される符号R(Δa0 )とL(Δn0 )を取り込み、所
定の配列にして出力する。
【0039】図4の(c) に、1次元符号化合成部30よ
り出力される1次元符号化列の例を示す。図4の(d)
に、ラン長符号語を、図10の(2)に示すように、M
H符号の黒ランレングス符号語、レベル差符号語を、図
10の(1)に示す符号語とした場合の符号化データ列
を示す。また、図4の(b) に示した様に、1ラインの符
号R(Δa0 )によるラン長の総和は1ラインの画素数
に対応し、1ラインの符号L(Δn0 )の総和は最小濃
度レベルの0(白)になる。
【0040】これは、1ラインを復号化した時、両者を
チェックすることにより伝送時、あるいは記憶再生時の
誤りを検出するためである。1次元符号合成部30より
出力される1次元符号列は、セレクタ31を介して本符
号化装置の出力端子である32より出力され、伝送ある
いは記憶装置などに記憶される。セレクタ31は、前述
の符号化法切替部37によって、1次元符号化時には1
次元符号合成部30からの符号列が選択されるように制
御される。
【0041】また、セレクタ21、22は、符号化切替
部37と制御部35によって制御される(制御線は図示
していない)。1次元符号化時には、セレクタ21はa0
a1距離検出部17の出力を選択するように、セレクタ2
2はa1a2距離検出部19の出力を選択するように制御さ
れる。
【0042】(2次元符号化動作) 上記の様に1次元符号化が行われると、次の連続する
(k−1)個のラインは2次元符号化が行われる。2次
元符号化に先だって、符号化されたライン(1次元符号
化ラインも含めて)の変化点情報(各変化点の位置iと
その画素の濃度レベルN(i))は符号化ライン変化点
メモリ6を介して、次ラインの符号化に際し、参照ライ
ン変化点メモリ7に供給され記憶される。つまり、参照
ライン変化点メモリ7には、符号化すべきラインの直前
に符号化された参照ラインの変化点の情報が記憶され
る。
【0043】図5に、図2の(1)に示した符号化ライ
ンに於いて検出した変化点の、参照ライン変化点メモリ
7に於ける記憶の様子を示す。図中のAj はラインの先
頭より検出したj 番目の変化点情報を記憶するメモリの
アドレス値を示す。このアドレス値は変化点毎に所定値
増加させて次の変化点情報を対応するエリアに記憶す
る。
【0044】また、EOF (エンド・オブ・ファイル)は
参照ライン変化点情報の終了を示すコードである。よっ
て、b1b2検出手段8は、先頭アドレス値A1 より所定値
毎にアドレス値を増加させることによって、対応する変
化点の情報(位置と濃度レベル)を読み出す。また、読
み出した情報がEOF コードであれば、以後その参照ライ
ンには変化点が存在しないことを検知する。
【0045】これらのアドレス制御は図示しない参照ラ
イン変化点メモリ・アドレス制御部によって制御され
る。符号化ライン変化点メモリ6も同様な形式で検出し
た符号化ラインの変化点情報を記憶する。
【0046】2次元符号化は、多値画像ラインメモリ3
の新たな符号化ラインを、参照ライン変化点メモリ7に
記憶されている変化点情報をもとに符号化する。まず、
2次元符号化の原理を説明する。2次元符号化の場合
は、符号化ライン上の変化点である符号化変化点a0,a1,
a2および参照ライン上の変化点である参照変化点b,b2を
次のように定義する。
【0047】(用語の定義) 変化点・・・ ライン上で画素の濃度レベルが直前の画素の
濃度レベルと異なる画素。符号化変化点a0・・・ 符号化ラ
イン上の変化点で、他の変化点を定義する点。ラインの
先頭に於いては、ライン先頭画素の直前に配置した仮想
画素。その後のa0の位置は直前の符号化モード(後述す
る)により定義される。
【0048】符号化変化点a1・・・ 符号化ライン上の変化
点で前記a0より右の最初の変化点。符号化変化点a2・・・
符号化ライン上の変化点で前記a1より右の最初の変化
点。参照変化点b1・・・ 参照ライン上で前記a0より右にあ
りa0と濃度レベルの異なる画素で、存在する場合はその
最初の変化点、存在しない場合は参照ライン上の最後の
画素の直後の仮想変化点。参照変化点b2・・・ 参照ライン
上で前記b1より右にある変化点で、存在する場合はその
最初の変化点、存在しない場合は参照ライン上の最後の
画素の直後の仮想変化点。
【0049】上記に対応する変化点情報を、多値画像ラ
インメモリ3の符号化ラインの画素列より、変化点検出
部4によって、符号化変化点a0,a1,a2を検出し、参照ラ
イン変化点メモリ7に記憶されている参照ラインの変化
点情報より、b1b2検出部8によって、参照変化点b,b2を
検出し、符号化変化点メモリ部5および参照変化点メモ
リ部9の対応するメモリに記憶する。これらの参照変化
点との位置および濃度レベル差に応じて符号化変化点を
次の手順によって符号化して行く。
【0050】(手順A) a1の左側にb2が存在する場合はパスモード符号化を行
い、a0をb2の直下の符号化ライン上の画素位置に移行さ
せる。なを、a1の直上にb2が存在する場合は、パスモー
ド符号化を行わないで手順Bに移行する。
【0051】(手順B) a1の左側にb2が存在しない場合は、a1とb1の距離Δa
と、a1とb1の濃度レベル差Δn を、 Δa =Pa1−Pb1 Δn =N(Pa1)−N(Pb1) によって検出し、位置の差Δaと濃度レベル差Δnの2
次元的変位(Δa, Δn)が所定の範囲内にある場合、
垂直モード符号化を行って a0 をa1の位置に移行させ
る。2次元的変位(Δa, Δn)が所定の範囲内にない
場合、水平モード符号化を行ってa0をa2の位置に移行さ
せる。
【0052】(始端画素・終端画素の処理)は次のよう
にする。各符号化ラインの最初のa0は、仮想的に最初の
画素の直前に置き、白画素(最小濃度レベル)とする。
また、各符号化ラインの符号化は、最後の実在の画素の
直後に位置する仮想変化画素(最小濃度レベル)の位置
が符号化されるまで続ける。
【0053】パスモード符号化は、パスモードを示す符
号P を出力するのみで変化点の符号化はしない。即ち、
パスモード符号語:P 垂直モード符号化は、符号化変化点a1と参照変化点b1の
距離Δa と、濃度レベル差Δn の2次元的変位(Δa,Δ
n )に対応した符号V(Δa,Δn )で符号化変化点a1を
符号化する。即ち、垂直モード符号語:V(Δa,Δn)
【0054】水平モード符号化は、水平モード符号化を
示す符号H と、符号化変化点a0からa1までのラン長Δa
0 を示す符号R(Δa0 )と、a0とa1の濃度レベル差Δ
n0を示す符号L(Δn0 )と、符号変化点a1からa2ま
でのラン長Δa1 を示す符号R(Δa1 )と、a1とa2の
濃度レベル差Δn1 を示す符号L(Δn1 )とで、符号
化変化点a1,a2 を符号化する。 即ち、水平モード符号語:H+R(Δa0)+L(Δn0)+R(Δa1)+
L(Δn1)
【0055】図6に、本符号化装置の符号化手順のフロ
ー、特に2次元符号化手順のフローを示している。図6
に於いては、符号化変化点a2を垂直モードの判定が否定
的な場合に検出するようにしているが、a1検出時に、引
き続きa2を予め検出するようにしてもよい。
【0056】上記の2次元符号化を具体例を用いて、そ
の動作を説明する。すでに符号化された参照ラインの画
素列と、新たに符号化する符号化ラインの画素列を、図
7の(1-2) と(2) のような画素列とすると、2次元符号
化は、すでに検出され参照ライン変化点メモリ7に記憶
されている参照ライン変化点情報をもとに、符号化ライ
ンを次の様にして符号化する。
【0057】なを、図7の(1-2) の参照ラインの画素列
は、図2の(1) 、図4の(1) と同じで、参照ライン変化
点メモリには、図5および図7の(1-1) に示す変化点情
報が記憶されている。
【0058】変化点検出部4は、1次元符号化で説明し
た様に、濃度レベルの変化する画素を変化点として検出
する。図7の符号化ラインの場合は、まず最初に画素位
置3の画素が変化点として検出される。その次には画素
位置4の画素が変化点として検出される。
【0059】この2つの変化点が、符号化変化点メモリ
部5に供給されると、符号化変化点メモリ部5は、最初
の変化点情報をa1メモリに、次の変化点情報をa2メモリ
に記憶する。また、ラインの先頭に於いては、2次元符
号化の場合、a0メモリは、ラインの先頭の直前に仮想的
に設けた最小濃度レベル(白)の仮想画素の位置および
濃度レベルとなるように初期化される。
【0060】つまり、ラインの先頭においては、符号化
変化点メモリ部5のa0メモリはラインの先頭画素の直前
に配置した仮想画素の情報が、a1メモリには第1(最初
に検出した)の変化点情報、a2メモリには第2(次に検
出した)の変化点情報が記憶される。
【0061】b1b2検出部8は、このa0メモリの変化点の
位置情報をもとに、この変化点より右(アドレス的に大
きい)にある参照ライン上の最初の変化点b1(参照変化
点b1)とその右にある変化点b2(参照変化点b2)を参照
ライン変化点メモリ7より検出し、参照変化点メモリ部
9に供給する。この場合、a0メモリの変化点の位置がs=
-1なので、 bi= (Pj , N(Pj ) とすると、参照
変化点b1=(3,2)、参照変化点b2=(4,3)が検出され、b1は
参照変化点メモリ部9のb1メモリに、b2は参照変化点メ
モリ部9のb2メモリに記憶される。
【0062】この時の符号化変化点メモリ部5のa0,a1,
a2メモリと、参照変化点メモリ部9のb1,b2 メモリの各
符号化変化点a0,a1,a2と、参照変化点b1,b2 の画素位置
の関係を図7の(3)の1)に示す。1)の場合は
【0063】 a0=(0,0) a1=(3,1) b1=(3,2) a2=(4,2) b2=(4,3) となる。
【0064】パスモード判別部10は、符号化変化点メ
モリ部5のa1メモリの符号化変化点a1と、参照変化点メ
モリ9のb2メモリの参照変化点b2の位置関係より、パス
モードか否かを判別する。つまり、参照変化点b2が符号
化変化点a1の位置の左側(アドレス的に小さい)にある
か否かを検出する。図7の(3)の1)の場合は、b2はa1
の右側にあるのでパスモードには該当しない。このパス
モード判別部10の否定的判別結果は2次元符号合成部
29に供給される。
【0065】垂直モード符号化部11は、符号化変化点
a1と参照変化点b1の情報をもとに垂直モードか否かを判
別後、垂直モードに該当する場合、符号化変化点a1を垂
直モード符号で符号化する。a1の位置をPa1, 濃度レベ
ルをN(Pa1)、b1の位置をPb1, 濃度レベルをN(P
b1)とし、 符号化変化点a1= (Pa1,N(Pa1)) 参照変化点 b1= (Pb1,N(Pb1)) すると、
【0066】a1b1距離検出部12は、a1とb1の位置的距
離(方向を含む)Δa として、Δa=Pa1−Pb1 を検
出する。a1b1レベル差検出部13は、a1とb1の濃度レベ
ル差Δn として、Δn =N(Pa1)−N(Pb1) を検
出する。
【0067】図7の(3)の1)の場合は、a1=(3,1),b1=
(3,2) なので、 距離Δa =3-3=0 レベル差Δn =1-2=-1 2次元的変位(Δa,Δn )=(0,-1) となる。
【0068】垂直モード判別部14は、a1b1距離検出部
12の検出結果Δa と、a1b1レベル差検出部13の検出
結果Δn の2次元的変位(Δa,Δn )が所定の範囲内に
あるか否かを判別する。
【0069】a1とb1の距離Δa と濃度レベル差Δn の2
次元的変位(Δa,Δn )に対して、どこまでを垂直モー
ドとするかによって、2次元符号化時の符号化効率が異
なってくる。多値画像に対して、2次元的変位(Δa,Δ
n )の発生頻度の高いものを垂直モードにして、発生頻
度順に短い符号語を割当て、発生頻度の低いものは水平
モードで符号化すべきである。
【0070】でないと、発生頻度の低い2次元的変位ま
で垂直モードに含め、垂直モードの場合数を多くする
と、発生頻度の低い変位は符号語長が長くなり、水平モ
ード符号化より符号語長が長くなり、符号化効率が低下
する。垂直モードで符号化する2次元的変位(Δa,Δn
)の領域は、様々な設定が可能である。その例を図8
に示す。
【0071】図8の(a) は、垂直モードで符号化する2
次元的変位の領域を、距離Δa が-3から3 の範囲でかつ
濃度レヘ゛ル 差Δn が-3から3 の範囲の領域としたもので
ある。この場合は、距離Δa と濃度レベル差Δn が独立
に変化する場合を想定したものである。(b) は、距離Δ
a の絶対値が大きくなると濃度レベル差は小さいという
確率が高い場合を想定したものである。
【0072】図8の(c) は、距離Δa と濃度レベル差Δ
n は、一方が大きければ他方は小さいという確率が高い
場合を想定したものである。なを図8では、-3から3 ま
での範囲としたが、この数値に限定されるものではな
く、図8はあくまで、垂直モードで符号化する2次元的
変位の領域の形状を示したものである。ここでは、説明
の便宜上、図8の(b) に示す領域を垂直モードで符号化
する領域として以後説明する。つまり、距離Δa が-1か
ら1 の範囲でかつ濃度レベル差Δn が-1から1 までの範
囲と、Δa が-3から3 の範囲でかつΔn=0 の範囲におい
て、符号化変化点a1を垂直モードで符号化する。
【0073】図7の(3)の1)の場合は、距離Δa =0
、レベル差Δn =-1で、2次元的変位(0,-1)は上記
の垂直モードの符号化領域内にあるので、垂直モード判
別結果は肯定的となる。よって、2次元的変位(0,-1)
は垂直モード符号テーブル15で対応する符号語V(0,
-1)に符号化される。また、垂直モード判別結果は2次
元符号合成部29に供給される。
【0074】垂直モード符号テーブル15は、上記距離
Δa と濃度レベル差Δn の2次元的変位(Δa,Δn )を
入力にして、この入力の2次元的変位(Δa,Δn )に対
応した符号V(Δa,Δn )を出力し、2次元符号合成部
29に供給する。
【0075】図7の(3)の1)の場合は、符号V(0,-
1)を出力する。垂直モード符号化は、図8の(b) に示
した垂直モード領域において、発生頻度の高い順に短い
符号語を割当た符号構成で、たとえば2値のMR符号化
方式における垂直モード符号と同様なもので構成する。
【0076】符号化変化点a1が上記のように垂直モード
で符号化されると、新たな符号化変化点a0を先のa1の画
素に修正し、この新たなa0を基準にa1,a2 及びb1,b2 を
変化点検出部4およびb1b2検出部8によって検出し、符
号化変化点メモリ部5および参照変化点メモリ部9の所
定のメモリに記憶する。この新たな符号化変化点と参照
変化点の位置関係を図7の(3)の2)に示す。
【0077】2)の場合は a0=(3,1) a1=(4,2) b1=(4,3) a2=(5,4) b2=(5,4) となる。
【0078】この2)の場合も、パスモード判別部10の
判別結果はb2はa1の右側に位置するので否定的となり、 a1b1距離Δa=4-4=0 a1b1レベル差Δn=2-3=-1 2次元的変位(Δa,Δn )=(0,-1) となり、2次元的変位は垂直モード符号化領域内なので
垂直モードで符号化され、符号V(0,-1)が2次元符号
合成部29に供給される。
【0079】垂直モードでa1が符号化されたので、同様
にして、新たなa0を先のa1の位置に修正し、符号化変化
点と参照変化点を更新する。更新結果を図7の(3)の
3)に示す。3)の場合は a0=(4,2) a1=(5,4) b1=(5,4) a2=(10,0) b2=(8,2) となる。
【0080】この3)の場合もパスモード判別部10の判
別結果は、b2はa1の右側に位置するので否定的となり、 a1b1距離Δa=5-5=0 a1b1レベル差Δn=4-4=0 2次元的変位(Δa,Δn )=(0,0) となり、この3)の場合も垂直モードでV(0,0 )に符号
化される。
【0081】さらに次の符号化変化点および参照変化点
は、図7の(3)の4)のようになる。4)の場合は a0=(5,4) a1=(10,0) b1=(8,2) a2=(14,0) b2=(9,0) となる。
【0082】この場合、b2がa1の左側に位置するのでパ
スモードとなり、パスモード判別部10の判別結果が2
次元符号合成部29に供給される。パスモード符号化後
は、新たなa0は、先のb2の位置に修正され、このa0を基
準に符号化変化点および参照変化点が更新される。更新
結果を図7の(3)の5)に示す。
【0083】5)の場合は a0=(9,4) a1=(10,0) b1=(14,0) a2=(14,0) (b2=(14,0) ) となる。
【0084】この場合もパスモード判別部10の判別結
果は、b2はa1の右側に位置するので否定的となり、 a1b1距離Δa=10-14=-4 a1b1レベル差Δn=0-0=0 2次元的変位(Δa,Δn )= (-4,0) となり、2次元的変位は垂直モード符号化領域外となる
ので、その旨の垂直モード判別部14の否定的判別結果
が2次元符号合成部29に供給される。
【0085】そして、水平モード符号化部16におい
て、符号化変化点a1とa2が水平モードで符号化される。
水平モード符号化部16は、まずa0a1距離検出部17に
てa0とa1の距離Δa0として、 Δa0= Pa1- Pa0=10-9=
1 つまり、a0からa1の直前の画素まで連続する同一濃
度レベルの画素列のラン長を検出し、セレクタ21を介
してラン長符号テーブル23に供給する。
【0086】ラン長符号テーブル23は、1次元符号化
と同じく、入力のラン長Δa0に対応した符号R(Δa0)
= R(1 )を出力する。a0a1レベル差検出部18は、a0
とa1の濃度レベル差Δn0として、Δn0= N(a1)- N
(a0)=0-4=-4 を検出し、セレクタ22を介してレベ
ル差符号テーブル24に供給する。レベル差符号テーブ
ル24は、1次元符号化と同じく、入力の濃度レベル差
Δn0に対応した符号L(Δn0)= L(-4)を出力する。
【0087】ラン長符号テーブル23とレベル差符号テ
ーブル24の出力符号R(1 )とL(-4)は、2次元符
号合成部29にそれぞれ供給される。さらに、a1a2距離
検出部19は、a1とa2の距離Δa1として、Δa1= Pa2-
Pa1=14-10=4 つまり、a1からa2の直前の画素まで連続
する同一濃度レベルの画素列のラン長を検出し、セレク
タ21を介してラン長符号テーブル23に供給する。
【0088】ラン長符号テーブル23は、このラン長に
対応した符号R(Δa1)=R(4 )を出力する。また、
a1a2レベル検出部20は、a1とa2の濃度レベル差Δn1と
して、Δn1= N(a2)- N(a1)=0-0=0 を検出し、セ
レクタ22を介してレベル差符号テーブル24に供給す
る。レベル差符号テーブル24は、入力の濃度レベル差
Δn1に対応した符号L(Δn1)= L(0 )を出力する。
これらのラン長符号R(4 )とレベル差符号L(0 )
は、それぞれ2次元符号合成部29に供給される。
【0089】つまり、2次元符号化時の水平モード符号
化部16は、符号化変化点a1とa2を、a0とa1間のラン長
Δa0と濃度レベル差Δn0と、a1とa2間のラン長Δa1と濃
度レベル差Δn1を対応する符号で、 R(Δa0)+L
(Δn0)+R(Δa1)+L(Δn1)のように符号化す
る。
【0090】5)の場合は、 R(1 )+L(-4)+R(4 )+L(0 )となる。 この水平モード符号化が終了すると、新たなa0は先のa2
の位置に修正される。この時、新たなa0の位置が終端部
の仮想画素位置に対応するので、この符号化ラインの符
号化は終了となる。
【0091】2次元符号合成部29は、各2次元符号化
ラインの先頭に於いて、以後の符号列が2次元符号化さ
れた符号列である旨を示すEOL0符号を、EOL0符号発生部
25より取り込む。
【0092】そして、以後パスモード判別部10と垂直
モード判別部14の判別結果に応じて、P符号発生部2
6からのパスモードを示すP符号、垂直モード符号化部
11より出力される垂直符号V(Δa,Δn )、H符号発
生部27からの水平モードを示すH符号、および水平モ
ード符号化部16より出力される水平符号R(Δa0)+L(
Δn0)+R(Δa1)+L( Δn1) (ただし、Δa0はa0とa1の距
離、Δn0はa0とa1の濃度レベル差、Δa1はa1とa2の距
離、Δn1はa1とa2の濃度レベル差)を選択的に取り込
み、符号化順に各符号を配列し、セレクタ31を介し
て、本符号化装置の出力端32より出力する。
【0093】具体的には0)2次元符号化ラインの先頭
において、EOL0符号発生部25からの符号EOL0を取
り込む。 1)パスモード判別部10の判別結果が肯定的な場合
は、P符号発生部26からの符号Pを取り込む。
【0094】2)パスモード判別部10の判別結果が否
定的で垂直モード判別部14の判別結果が肯定的な場合
は、垂直モード符号化部11からの垂直符号V(Δa,Δ
n )を取り込む。 3)パスモード判別部10と垂直モード判別部14の判
別結果がともに否定的な場合は、H符号発生部27から
の符号Hと水平モード符号化部16からの水平符号R(Δ
a0)+L( Δn0)+R(Δa1)+L( Δn1) を取り込む。
【0095】図7の(1-2) の参照ラインに対する(2) の
符号化ラインの2次元符号化結果の2次元符号列を図7
の(4) に示す。
【0096】図9に、2次元符号化における各符号化モ
ードと対応する符号語をまとめて示す。垂直モードの符
号語は、垂直モードの2次元的変位(Δa,Δn )の領域
を図8の(b) の領域にした場合で、符号語自身はその1
例である。ここでは、濃度レベル差Δn =0における垂
直符号語 V(-3,0),V(-2,0),V(-1,0),V(0,0),V(1,0),
V(2,0),V(3,0) は、MR符号化方式の垂直モード符号語 V-3, V-2, V-1, V0,V1,V2,V3 に一致させている。
【0097】これによって、従来のファクシミリの符号
化装置との共用化をはかり、多値画像の符号化装置の規
模の増大を避けるとともに、従来ファクシミリへの適用
の容易化を図っている。
【0098】図10の(1)に、濃度レベル差符号L
(Δn)の1例を示す。この符号語は濃度レベル差Δn の
絶対値が大きいほど、発生頻度が少ないとして割当た符
号語で、これに限定されるものでない。例えば、濃度レ
ベル差Δn の絶対値が所定値以上の場合は、レベル差そ
のものを2進符号で符号化するようにしてもよい。この
場合、2進符号の旨を示す符号を2進符号の前に付加す
ることによって、通常の符号か2進符号かを区別すれば
よい。図7の(5) に、図9、図10で示した符号語の場
合の符号化データ列を示す。
【0099】以上説明したように、本発明の前提として
の多値画像符号化装置は、写真などの多値画像において
は、画素単位における濃度レベルの変化は緩やかで、注
目画素の濃度レベルはその周辺画素の濃度レベルとほぼ
等しく、差があってもわずかであるという性質を利用し
たものである。
【0100】つまり、本発明の前提としての多値画像符
号化装置は、符号化ライン上の濃度が変化する変化点の
位置は、すでに符号化された参照ライン上の変化点の位
置の近傍に存在し、しかも両変化点の濃度レベル差も小
さいという性質を利用し、参照ライン上の変化点と符号
化ラインの変化点の位置の差Δa と、濃度レベルの差Δ
n の2次元的変位(Δa,Δn )を、発生頻度の高いもの
ほど符号語長の短い符号語を割当、符号化変化点を符号
化することによって、再現性を損なうことなく、高い圧
縮率を期待することができる。
【0101】また、本符号化方式は、従来のファクシミ
リにおける白黒2値のMR符号化方式を基本に、多値画
像に拡張したものであるので、従来のMR方式と親和性
が高く、多値画像を多値レベルのまま符号化して伝送す
るファクシミリ機能を追加する上で、それほど装置規模
を増大させることなく、実現できる利点がある。
【0102】また、以上の説明では、色情報を含まない
画像情報の場合について説明したが、カラー画像にも
R、G、BあるいはY、I、Qの個々の色成分ごとに、
あるいは特定の色成分のみに、前述の多値符号化方法を
適用すれば、カラー画像の高能率符号化あるいは高能率
伝送が可能となる。
【0103】(参考例) 図11は、本発明の実施例の理解に役立つ参考例の構成
を示すブロック図である。この参考例は、文字・線画や
写真などの多値画像を読取り符号化して蓄積あるいは伝
送する画像伝送装置(例えばファクシミリ装置)に適用
したものである。
【0104】図11において、50は原稿を読み取る1
次元読取センサ、51は読取センサ50の出力をディジ
タル化するADC(アナログ・ディジタル・コンバー
タ)、52は読取センサ50の画素感度のバラツキおよ
び原稿を照射する光源のムラを補正するシェーディング
補正部、53はシェーディング補正後の少なくとも1ラ
イン分の画像データを一時記憶する前ライン多値画像メ
モリ、54はシェーディング補正部52の出力の画像デ
ータより原稿の白ピーク値を検出する白ピーク検出部、
である。
【0105】55は現ラインの注目画素とその前後周辺
の画素および前ライン多値画像メモリ53より供給され
る周辺画素の濃度レベルをもとに、線画のエッジ部を強
調するエッジ強調部、56は注目画素とその前後周辺の
画素および前ライン多値画像メモリ53より供給される
周辺画素の濃度レベルをもとに、注目画素の濃度レベル
を平滑化処理をする平滑化部、57は平滑化後の濃度レ
ベルをそのレベルに応じて所定のレベルに変換するガン
マ補正部、である。
【0106】58は現ラインの注目画素とその前後周辺
の画素および前ライン多値画像メモリ53より供給され
る周辺画素の濃度レベルをもとに、注目画素が文字・線
画などの2値画像の領域の画素か、写真などの多値画像
の領域の画素かを判別する像域判別部、59は2値/多
値量子化部、60と61は2値/多値量子化部59を構
成する要素で、60はエッジ強調部55の出力値を白ピ
ーク検出部54の検出値におうじて2値量子化(最大濃
度レベルか最小濃度レベルかに)する2値量子化部、6
1は2値量子化部60とガンマ補正部57の出力のいず
れかを像域判別部58に判別結果に応じて選択し出力す
るセレクタ、である。
【0107】62はセレクタ61より出力される画像デ
ータを一時記憶するラインバッファメモリ、63は前述
の第1の実施例の多値画像データ符号化装置(図1に示
した)の機能を有する多値符号化部、66は多値符号化
部63の出力端子32より出力される多値符号化データ
を蓄積する蓄積メモリである。64は蓄積メモリの多値
符号化データを変調して回線65に送出するモデムであ
る。
【0108】68は回線65より受信しモデム64で復
調され蓄積メモリ66一時記憶された受信多値符号化デ
ータを、多値符号化部63とは逆の復号化を行い多値画
像を復元する多値復号化部、69は復号化された多値画
像データの各画素の濃度レベルをN値に量子化し、量子
化時の誤差を周辺の画素に拡散し、入力の平均濃度レベ
ルとN値量子化後の平均濃度レベルをほぼ一致させるN
値誤差拡散部、70はN値誤差拡散結果の画像を表示す
るディスプレイ、71はN値誤差拡散結果を印字するプ
リンタ、72はディスプレイ70とプリンタ71の画素
当たりの表示階調数nに対応して、それぞれ表示、印字
のためのN値誤差拡散部69のN値を可変するN値制御
部である。
【0109】この参考例は、読取センサ50で読み取っ
た画像信号を、像域判別部58で、注目画素が文字・線
画などの2値画像の領域に属するか、写真など多値画像
の領域に属するかを検出し、2値画像領域に属する場合
は、注目画素の濃度レベルに応じて、注目画素を白(最
小濃度レベル)あるいは黒(最大濃度レベル)に2値量
子化し、
【0110】多値画像領域に属する場合は、注目画素の
濃度レベルをそのまま出力する2値/多値量子化部59
によって選択的に2値量子化し、この選択的に2値量子
化された画像データに対して、先に示した多値符号化を
行う多値符号化部63によって多値符号化するものであ
る。そして、蓄積メモリ66に一時記憶あるいはモデム
63を介して回線65より相手受信装置に送信するもの
である。
【0111】また、多値符号化された画像データを受信
した場合は、多値復号化部68で復号化後、N値誤差拡
散部69において、ディスプレイ70およびプリンタ7
1の階調表現能力数nに対応して、画素当たりn値の階
調を持たせた疑似中間調化を行い、表示あるいは印字を
行うものである。
【0112】参考例の動作を説明する。読取センサ50
は原稿をライン単位で読取り、画素単位にその読取レベ
ル(アナログ値)を動作タイミング制御部67からの読
取クロックに同期して出力する。ADCは読取クロック
に同期して、各画素の読取レベルをディジタルに量子化
し、シェーディング補正部52に供給する。
【0113】シェーディング補正部52は、読取センサ
50の画素の感度バラツキおよび原稿を照射する光源の
ムラを補正する。このため、シェーディング補正部52
は、予め、読取センサ50で白基準原稿を読み取り量子
化された1ライン分の画像データ(シェーディング波形
と称す)を記憶しておき、このシェーディング波形をも
とに、原稿のライン上(主走査上)の位置に対応して、
読取画素の量子化値(濃度レベル)を補正する。
【0114】このシェーディング補正結果は白ピーク検
出部54、エッジ強調部55、平滑化部56、前ライン
多値画像メモリ53および像域判定部58に供給され
る。各部の画素データの取り込みは図示しない制御タイ
ミング信号に同期して取り込む。
【0115】前ライン多値画像メモリ53は、シェーデ
ィング補正結果を順次取り込み、現ラインの入力に対し
て、それ以前の少なくとも1ライン分の画像データを一
時記憶する。この前ライン多値画像メモリ53は、現ラ
インの注目画素の位置に対応して、前ラインの注目画素
周辺の画素のデータをエッジ強調部55、平滑化部56
および像域判定部58に供給する。
【0116】エッジ強調部55は、図12の(1)に示
すように、ハッチを施した現ラインの注目画素と、その
周辺画素の濃度レベルに対して、図のように重み係数a,
b,c,d,e,f を掛け、その総和として注目画素の濃度レベ
ルを決定する。重み係数は周辺画素に対しては、負の値
(a,b,c,d,f) を、注目画素には正の値(e) を与え、重み
係数の総和が1となるように配分する。
【0117】これによって、注目画素と周辺画素の濃度
レベルの差が大きいとその差をより強調し、結果として
線画などの白黒変化境界部が強調されることになる。こ
のエッジ強調結果は、2値/多値量子化部59を構成す
る2値量子化部60に供給され、2値(最大濃度レベル
あるいは最小濃度レベル)に量子化される。
【0118】白ピーク検出部54は、入力の画素の濃度
レベルより、白側のピーク値(濃度レベルでは最小値)
を検出する。検出の応答性は白側への変化には速く、検
出ピーク値より黒側の濃度レベルの場合は緩やかに黒側
にピーク値を変化させる特性を持つ。この白ピーク検出
結果は2値量子化部59に供給される。
【0119】2値量子化部60は白ピーク検出部54の
検出結果の白ピーク値に応じて、2値化のいき値を変
え、エッジ強調された画像データを2値量子化する。つ
まり、白ピーク値が最小濃度レベル値(純白)の場合
は、いき値は純白と純黒の中間的濃度レベルとし、白ピ
ーク値が黒側に変化した場合はいき値も所定の割合で黒
側に変化させる。これは、原稿の地濃度を白とみなし、
地濃度上にある文字・線画を2値化するためである。
【0120】2値量子化部60の2値量子化結果はセレ
クタ61の一方の入力端子に供給される。平滑化部56
は、図12の(2)に示すように、ハッチを施した現ラ
インの注目画素と、その周辺画素の濃度レベルに対し
て、図のように重み係数a,b,c,d,e,f を掛け、その総和
として注目画素の濃度レベルを決定する。重み係数は注
目画素および周辺画素に対して正の値を与え、重み係数
の総和が1となるように配分する。これによって、画素
単位の濃度レベルの変化を平滑化する。平滑化の度合い
は重み係数の与え方によって異なる。
【0121】なを、平滑化用のフィルタの周辺画素の領
域は、図12の(2)に限定されるものではなく、網点
よりなる多値画像の場合は、その網点の周期をカバーす
る周辺画素領域を用いて、網点周期内の平均濃度を検出
するように平滑化する必要がある。ここでは、説明の便
宜上、原理を示すため、図のような3*2画素領域とし
た。
【0122】この平滑化後の画像データはガンマ補正部
57によって、図12の(3)に示すように、入力の濃
度レベルに応じて、濃度レベルが補正さる。図では3種
の補正特性を示している。これは、多値画像の濃度特性
を記録特性や、記録後の画像のメリハリを考慮して行
う。ガンマ補正部57の補正結果はセレクタ61の他方
の入力端子に供給される。
【0123】像域判定部58は、図13の(1)に示す
ように、現ラインの注目画素(H )と現ラインの周辺画
素(F,G,I,J )と前ラインの周辺画素(A,B,C,D,E )の
濃度レベルをもとに、注目画素が文字・線画などの2値
画像領域に属するか、写真(網点画像も含む)などの多
値画像領域に属するかを検出する。
【0124】判別方法は、図13の(2)、(3)およ
び(4)に示すように、図12の(2)に示したのと等
価な平滑化フィルタを画素単位に移動させ、それぞの平
滑化結果の濃度レベルN(G),N(H) 、およびN(I)を求め、
N(H)とN(G)の差、N(H)とN(I)の差のいずれかが所定値以
上の場合は、注目画素は2値画像領域に属すると判定
し、そうでない場合は、多値画像領域に属すると判定す
る。
【0125】平滑化後の濃度レベルをもとに判定するの
は、網点画像の網点の黒と網点間の白の濃度レベル変化
を2値画像領域と誤判定するのを避けるためである。よ
って、ここでの平滑化フィルタも平滑化部56の平滑化
フィルタと同様に、網点周期内の平均的濃度レベルを検
出するものである。
【0126】なを、像域判定は、上記の方法に限定され
るものではなく、各種の判定方法を用いることができ
る。例えば、特開平2−292956号公報、特公平3
−62355号公報記載のように、網点の周期性に着目
し、まず網点画像領域を検出し、その後、特開昭58−
115975号公報記載のように、線画と写真(網点画
像を除く)の濃度レベル変化量と変化の頻度の差を利用
して、線画と写真画に判別し、結果として、文字・線画
の2値画像領域と写真(網点画像を含む)などの多値画
像領域とを判別するようにしてもよい。
【0127】このようにして、注目画素の領域を判別す
ると、その判別結果はセレクタ61の制御端子に供給さ
れる。セレクタ61は、像域判別結果が2値画像領域の
場合、2値量子化部60の2値量子化結果を選択し、ラ
インバッファメモリ62に供給する。像域判別結果が多
値画像領域の場合は、ガンマ補正部57の補正結果を選
択し、ラインバッファメモリ62に供給する。
【0128】ラインバッファメモリ62は、読取センサ
50の読取速度と多値符号化部63およびモデム64の
回線65への送出速度との差を吸収するバッファ的役割
をはたすメモリである。このラインバッファメモリ62
の記憶量が一定量以上になると、動作タイミング制御部
67は読取センサ50のライン読取を一時停止し、多値
符号化部63で符号化されラインバッファメモリ62の
記憶量が一定値以下になると読取を再開する。
【0129】ラインバッファメモリ62への記憶および
読み出しは動作タイミング制御部67の制御タイミング
によって制御される。読み出しの制御タイミングは多値
符号化部63にも供給される。ラインバッファメモリ6
2の出力画像データは、多値符号化部63に供給され多
値符号化される。多値符号化部63の符号化方法は、
説明した符号化方法である。多値符号化部63の構成
は、図1に示した構成である。
【0130】2値画像領域を最小濃度レベル(白)と最
大濃度レベル(黒)に2値量子化しているので、2値画
像領域では、変化点は、白から黒への変化画素および黒
から白への変化画素となる。濃度レベルの変化は正負の
最大値となる。1次元符号化時の濃度レベル差および2
次元符号化時の水平モード符号化時の濃度レベル差に対
応する符号を、この最大濃度レベル変化の発生頻度に対
応して、符号語長を設定すれば、従来の2値のMR符号
化とほぼ同等の高い符号化効率で符号化することができ
る。
【0131】また、2次元符号化時の垂直モード符号化
においては、符号化ラインの白(黒)への変化点a1を、
参照ラインの白(黒)への参照変化点b1との位置の差と
濃度レベルの差で符号化するが、濃度レベルの差は0で
あるので、結果的には位置の差に対応する符号語で符号
化される。これは従来のMR符号化方法と一致すること
になる。
【0132】これらの各符号化モードにおける符号化テ
ーブルの符号語は、扱う画像、2値画像領域をどの程度
含んだ画像かによって、各符号語の発生頻度は異なる。
扱う画像に対応して、また、ある程度扱う画像を想定し
て、そのときの発生頻度に対応して、符号語の符号語長
を決めるようにしておけば良い。これによって、2値画
像領域では、従来のMR符号化とほぼ同じ高い符号化効
率で符号化することができる。
【0133】また、多値画像領域は、前述したように、
濃度レベルの変化する変化点を参照ラインの参照変化点
との位置の差と濃度レベルの差の2次元的変位に対応し
た符号語で符号化するので、濃度変化の緩やかな多値画
像を高い符号化効率で符号化することができる。多値符
号化結果は、蓄積メモリ66に一時蓄積されモデム64
を介して回線65に送出される。以上が参考例の読取、
画像処理、符号化、蓄積、伝送の動作である。
【0134】次に多値符号化された画像の受信時の動作
を説明する。回線65より受信されモデム64で復調さ
れた多値符号化データは、蓄積メモリ66を介して多値
復号化部68にて多値画像データに復号化される。この
復号化方法は多値符号化部63の符号化方法に対する復
号化方法である。
【0135】図14は、多値復号化部68の構成を示す
ブロック図である。同図において、6801は、多値復
号化部68の多値符号化データ入力端子、6802は多
値符号化データをビット単位に記憶するシフトレジス
タ、6803はEOL1符号とEOL0符号を検出するEOL1/0符
号検出部、である。
【0136】6804は2次元符号化における符号化モ
ードを示すP 符号とH 符号を検出する2次元符号化モー
ド符号検出部、6805は垂直モード符号化データV
(Δa,Δn )を検出し復号化する垂直モード復号部、6
806は水平モード符号化データR(Δa0), L(Δn
0), R(Δa1), L(Δn1)を、R(Δa0), L(Δn
0), R(Δa1), L(Δn1)の順で検出し、それぞれ
復号化する水平モード復号部、である。
【0137】6807は復号化ラインの復号の基準とな
る基準変化点a0を記憶する基準変化点a0メモリ、681
0は前ライン変化点メモリ6811より、参照変化点b
1,b2を基準変化点a0に対応して検出するb1b2検出部、6
809は参照変化点b1とb2を一時記憶する参照変化点b1
b2メモリ、6808は基準変化点a0、参照変化点b1,b2
および2次元符号化モード検出部6804の検出結果と
その結果に対応して出力される垂直モード復号部680
5と水平モード復号部6806の復号化結果をもとに、
変化点a1、a2を算出する変化点算出部、である。
【0138】6812は変化点算出部6808で算出し
た現ライン(復号化ライン)の変化点を一時記憶する現
ライン変化点メモリ、6824は復号化ラインのライン
の終了を検出するライン終了検出部、6815は1次元
符号化ラインの受信エラーを検出する受信エラー検出
部、6816から6821は受信エラー検出部6815
を構成する要素で、6816は1次元符号化ラインの各
ラン長の総和を検出するラン長総和検出部、6817は
前記ラン長の総和値と1ラインの所定画素数値rとの一
致を検出する一致検出部、6819は1次元符号化ライ
ンの各変化点間の濃度レヘ゛ル 差の1ライン分の総和を検
出するレベル差総和検出部、6820は前記レベル差総
和値が0か否かを検出する一致検出部、6821は前記
一致検出部6817と6820の検出結果がともに肯定
的か否かを検出するアンド論理部、である。
【0139】6813は現ライン変化点メモリ6812
の変化点情報をもとに、復号化ラインの多値画素列を復
元する画素復元部、6814は復元された復号化ライン
の多値画素列を記憶する多値画像ラインメモリ、682
2は多値復号化部68の出力端子、6823は各部の動
作を制御する制御部である。
【0140】次に、この多値復号化部68の動作を、図
15から図19の動作フロー図を参照しながら説明す
る。図15は、多値復号化部68の全体動作を示したフ
ロー図である。
【0141】多値復号化部68は、多値符号化データの
入力端子6801より供給される多値符号シフトレジス
タ6802にビット単位で取り込む。EOL1/0検出部68
03は、EOL1符号とEOL0符号を多値符号シフトレジスタ
6802の出力より検出する。このいずれかの符号を検
出するまで、多値符号シフトレジスタ6802の内部デ
ータをビット単位でシフトし、同時に入力端子6801
より新たなデータを取り込んで行く。
【0142】EOL1/0検出部6803でEOL1符号を検出す
ると、多値復号化部68は、EOL1符号に続く1ライン分
の符号化データを1次元復号化処理を行う。1次元復号
化処理後、この1次元復号化処理に於いて、受信エラー
が無く、またRTC符号(ページ終了符号)が検出され
ない場合(ページの終了でない場合)は、再び、EOL1/0
検出部6803にて、EOL1符号とEOL0符号を検出する。
【0143】検出した符号がEOL0符号の場合は、引き続
く符号化データを2次元復号化処理を行う。このEOL1符
号、EOL0符号を各ラインの先頭として、ライン単位の復
号化処理を、ページ終了信号(RTC符号)を検出する
まで行う。RTC符号検出は図11には図示していない
がRTC検出部によって行う。
【0144】1次元復号化処理および2次元復号化処理
において、受信エラーなどのエラーを検出した場合は、
所定のエラー処理を行い、EOL1/0検出部6803にて、
EOL1符号を検出するまで、符号化データ入力端子より新
たな符号化データを取り込む。
【0145】EOL1符号を検出すると、1次元符号化処理
を行う。このエラーに対応する処理は、2次元符号化処
理は前ライン(参照ライン)の変化点を基準に符号化ラ
インの変化点を符号化しているので、1次元符号化ライ
ンの復号および2次元符号化ラインの復号化において、
エラーがあると、このエラーが次のラインに伝搬するこ
とになるので、次の1次元符号化ラインを検出するまで
は、正しく復号化された最後のラインを繰り返し出力す
るようにして、エラーによる表示・印字を避ける処理を
行う。このような処理は、各部のエラー検出結果をもと
に動作制御部6823の制御によって行われる。
【0146】(1次元復号化処理) 次に、EOL1符号検出後の1次元復号化処理の動作を説明
する。図16に1次元復号化処理の動作手順を示す。
【0147】EOL1/0検出部6803は、EOL1符号を検出
すると、1次元符号化ラインの1次元復号化処理に先だ
って、基準変化点a0メモリ6807、ラン長総和検出部
6816およびレベル差総和検出部6819を初期化す
る。基準変化点a0メモリ6807は、画素位置をPj 、
画素位置Pj の濃度レベルをN(Pj )とすると、記憶
値a0は a0=(P0 、N(P0 ))=(0、0) のように、仮想変化画素に初期化される。
【0148】なを、j は復号化ラインの先頭からj 番目
の変化点を意味する。ラン長総和検出部6816は、検
出値suma=0に、レベル差総和検出部6819は検出値su
mn=0に初期化される。また、EOL1/0検出部6803は、
水平モード復号部6806に1次元復号化処理の開始を
指示する。
【0149】1次元復号化処理における水平モード復号
部6806は、多値符号化シフトレジスタ6802よ
り、符号化データを取り込み、まず、ラン長符号R(Δ
aj)を検出する。ここで、Δajは、j 番目とj+1 番目の
変化点間のラン長である。この検出は、各ラン長符号と
対応するラン長とを入力と出力に対応させたラン長復号
テーブル(図10の(2) )をもとに、多値符号シフトレ
ジスタ6803からのビット単位の符号列より、ラン長
復号テーブルに存在するラン長符号R(Δaj)を検出
し、対応するラン長Δajを得る。そして、得られたラン
長Δajを変化点算出部6808に供給する。
【0150】次に、水平モード復号部6806は、ラン
長符号検出後の符号化データ列より、同様にして、図1
0の(1)に示したレベル差復号テーブルをもとに、レ
ベル差符号L(Δnj)を検出し、対応するレベル差Δnj
を変化点算出部6808に供給する。Δnjは、j 番目と
j+1 番目の変化点間の濃度レベル差である。
【0151】このように、ラン長Δajとレベル差Δnjの
検出をペアでラインの終了まで繰り返し行う。このラン
長とレベル差の検出に於いて、各テーブルに該当するラ
ン長符号あるいはレベル差符号が検出できなかった場合
は、受信時あるいは蓄積メモリへの記憶・再生時に符号
誤りを生じたものと判断し、エラーフラグをセットして
この1次元復号化処理を終了する。
【0152】具体的には、水平モード復号部6806は
このエラーの旨を動作制御部6823に知らせ、動作制
御部6823が、図15の手順のようにエラー時の全体
の動作を制御する。ここで、1次元符号化ラインの符号
データ列を、図4の(1)の(d) に示した符号データ列
とすると、水平モード復号部6806は、EOL1符号後
の"10"をラン長符号として、引き続く"0011"をレベル差
符号として検出し、対応するラン長Δa1=3 、レベル差
Δn1=2を変化点算出部6808に供給する。
【0153】この検出を順次繰り返して検出結果を変化
点算出部6808に供給する。この符号列の場合は、ラ
ン長とレベル差の検出結果は、図4の(1)の(b) のよ
うになる。変化点算出部6808は、水平モード復号部
6806よりペアで供給されるラン長Δajとレベル差Δ
njをもとに、順次変化点を算出していく。
【0154】具体的には、最初に供給されるラン長Δa1
とレベル差Δn1と基準変化点a0メモリの基準画素の位置
P0 と濃度レベルN(P0 )より、最初の算出変化点C1
の位置P1 と濃度レベルN(P1 )を P1 =P0 +Δa1 N(P1 )=N(P0 )+Δn1 C1=(P1 ,N(P1 )) のように算出する。
【0155】そして、この算出変化点の情報を現ライン
変化点メモリ6812に供給するとともに、基準変化点
a0メモリ6807の記憶値a0を a0=C1 のように、更新する。
【0156】このように、変化点算出部6808は、順
次、水平モード復号部6806よりペアで供給されるラ
ン長Δajとレベル差Δnjと、基準変化点a0メモリの記憶
値a0 a0=(Pj ,N(Pj )) より、j+1 番目の変化点Cj+1を Pj+1 =Pj +Δaj N(Pj+1 )=N(Pj )+Δnj Cj+1=(Pj+1 ,N(Pj+1 )) のように算出し、結果を現ライン変化点メモリ6812
に供給するとともに、基準変化点a0メモリ6807をCj
+1の変化点情報に更新する。
【0157】この変化点算出は、ライン終了検出部68
24にて、基準変化点a0メモリ6807の記憶変化点の
位置Pj が1ラインの所定画素数r以上かを検出し、検
出結果が肯定的になるまで継続する。あるいは、図16
のフロー図に示したようにラン長の総和値sumaがr以上
になった時をライン終了と判断するようにしてもよい。
【0158】この1ライン分の変化点Cjの算出の結果、
図4の(1)の(d) の符号列に対しては、現ライン変化
点メモリ6812には、図5に示したように、各変化点
Cjの位置Pj と濃度レベルN(Pj )がペアで記憶され
ることになる。画素復元部6813は、後述の受信エラ
ー検出部6815にてエラーが無いと検出された現ライ
ン変化点メモリ6812の変化点情報をもとに、復号化
ラインの多値画素列を多値画像ラインメモリ6814上
に復元する。
【0159】現ライン変化点メモリ6812の記憶変化
点情報を図5とすると、つぎのように多値画素列を復元
する。まず、ラインの先頭から、最初の変化点C1= (P
1 ,N(P1 ))=(3,2)の位置P1=3の直前の画素まで
を、濃度レベル0の画素列にする。変化点C1位置P1=3
から次の変化点C2=(4,3)の位置P2 =4の直前の画素ま
でを、濃度レベルN(P1 ))= 2の画素にし、変化点
C2位置P2 =4から変化点C3位置P3 =5の直前の画素
までを、濃度レベルN(P2 ))= 3の画素にする。
【0160】このように、順次、変化点Cj=(Pj ,N
(Pj ))の位置Pj から変化点Cj+1=(Pj+1 ,N
(Pj+1 ))の位置Pj+1 の直前の画素までを、濃度レ
ベルN(Pj )の画素で復元する。この画素復元部68
13による画素復元結果は、図4の(a) のようになる。
【0161】受信エラー検出部6815は、1次元復号
化処理中の水平モード復号部6806より出力される各
変化点間のラン長Δajとレベル差Δnjをもとに、1次元
符号化データ列中の誤りをつぎのように検出する。ラン
長総和検出部6816は、ライン先頭にて初期化された
ラン長総和検出値sumaにΔajを順次加算して1ライン分
のラン長の総和を検出する。また、レベル差総和検出部
6819は、ライン先頭にて初期化されたレベル差総和
検出値sumnにΔnjを順次加算して1ライン分のレベル差
の総和を検出する。
【0162】一致検出部6817は、ラン長総和検出値
sumaと1ラインの所定画素数rとの一致を検出し、一致
検出部6820は、レベル差総和検出値sumnが0か否か
を検出する。1次元符号化時において、ラインの先頭の
直前に配置した白の仮想画素とラインの終端直後の白の
仮想変化点を含めて、変化点間の距離(ラン長)と濃度
レベル差を符号化しているので、ラン長総和は、1ライ
ンの画素数rに、濃度レベル差の総和は0になるはずで
ある。
【0163】よって、少なくとも1つの一致検出値の検
出結果が否定的の場合、1次元符号化データ中に誤りが
あると判断し、この旨を動作制御部6823に知らせ
る。動作制御部6823は、次の受信エラーのない1次
元復号化ラインの変化点算出が完了するまで、画素復元
部6813の動作を停止せしめる。つまり、画素復元部
はエラーのない復号化ラインの画素を多値画像ラインメ
モリ6814上に復元する。
【0164】復号化ラインの画素復元が完了すると、現
ライン変化点メモリ6812の変化点情報は、次の符号
化ラインの復号化のために前ライン変化点メモリ681
1に転送され、同様な形式で記憶される。
【0165】(2次元復号化処理) 次に、EOL0符号検出後の2次元復号化処理の動作を説明
する。図17に2次元復号化処理の動作手順を示す。
【0166】EOL1/0検出部6803は、EOL0符号を検出
すると、2次元符号化ラインの2次元復号化処理に先だ
って、基準変化点a0メモリの記憶値a0を、1次元復号化
処理と同様に、 a0=(Pa0、N(Pa0))=(0、
0) のように、仮想変化画素に初期化する。
【0167】b1b2検出部6810は、多値符号化部63
のb1b2検出部8と同様に、基準変化点a0メモリの変化点
a0を基準に、参照変化点b1とb2を前ライン変化点メモリ
6811より検出し、その変化点情報を参照変化点b1b2
メモリ6809のb1メモリ、b2メモリに記憶する。ま
た、EOL1/0検出部6803は、EOL0符号を検出すると、
2次元符号化モード符号検出部6804の動作開始を指
示する。2次元符号化モード符号検出部6804は、EO
L0符号に引き続く符号列が、P 符号(パスモードを示す
符号)かH 符号(水平モードを示す符号)か、それ以外
(垂直モードで符号化された垂直符号語)かを検出す
る。
【0168】以下、2次元符号化モード符号検出部68
04が、(1)P符号を検出した場合、(2)H符号を
検出した場合、および(3)P、H符号でない場合の動
作について説明する。(1)P符号を検出した場合は、
その旨を変化点算出部6808にしらせる。変化点算出
部6808は、P符号を検出した場合(パスモード復号
の場合)、基準変化点a0と参照変化点b2を a0= (Pa0,N(Pa0)) b2= (Pb2,N(Pb2))
【0169】とすると、新たな基準変化点a0を a0= (Pb2,N(Pa0)) のように、濃度レベルは旧a0と同じくし、位置をb2の位
置にして、基準変化点a0メモリ6807の記憶値を更新
する。(これは、図17の"a0=b2の直下" に相当する処
理である)
【0170】(2)H符号を検出した場合は、図18に
示す水平モード復号化手順で水平モード復号化処理を行
い、基準変化点a0を後述するa2で更新する。具体的に
は、2次元符号化モード符号検出部6804は、水平モ
ード復号部6806の動作開始を指示する。水平モード
復号部6806は、H 符号に引き続く符号列より、1次
元復号化処理時と同様に、ラン長符号R(Δa0)とレベ
ル差符号L(Δn0)をラン長復号テーブル、およびレベ
ル差復号テーブルをもとに検出し、対応するラン長Δa
0、レベル差Δn0を変化点算出部6808に供給する。
【0171】上記と同様に、引き続く符号列よりラン長
符号R(Δa1)とレベル差符号L(Δn1)を検出し、ラ
ン長Δa1とレベル差Δn1を変化点算出部6808に供給
する。変化点算出部6808は、H符号を検出した場合
(水平モード復号の場合)、基準変化点a0即ち、a0=
(Pa0,N(Pa0)) と、Δa0およびΔn0より、変化
点a1を a1= (Pa0+Δa0,N(Pa0)+Δn0)=(Pa1,N(Pa1)) のように算出し、
【0172】さらにa1と、Δa1およびΔn1より、変化点
a2を、a2= (Pa1+Δa1,N(Pa1)+Δn1)=(Pa
2,N(Pa2)) のように算出する。この算出結果
は、現ライン変化点メモリ6812に供給されるととも
に、変化点a2情報は、新たな基準変化点a0として、基準
変化点a0メモリ6807に記憶される。
【0173】(3)P、H符号でない場合は、図19に
示す垂直モード復号化手順で垂直モード復号化処理を行
い、基準変化点a0を後述するa1で更新する。具体的に
は、2次元符号化モード符号検出部6804は、垂直モ
ード復号部6805の動作開始を指示する。垂直モード
復号部6805は、符号化データ列より、図9に示した
垂直符号V(Δa ,Δn )と2次元的変位(Δa ,Δn
)を対応させた垂直復号テーブルをもとに、垂直符号
を検出し、対応する2次元的変位(Δa ,Δn )を変化
点算出部6808に供給する。
【0174】変化点算出部6808は、P、H符号でな
い場合(垂直モード復号の場合)、参照変化点b1として b1= (Pb1,N(Pb1)) と、Δa およびΔn より、変化点a1を a1= (Pb1+Δa ,N(Pb1)+Δn )=(Pa1,N(Pa1)) のように算出する。
【0175】この変化点a1情報は、現ライン変化点メモ
リ6812に供給されるとともに、新たな基準変化点a0
として、基準変化点a0メモリ6807に記憶される。以
上のように、2次元復号化処理は、2次元符号化モード
符号検出部6804で符号化モードを検出し、対応する
復号化処理を行い、変化点を算出し、これを現ライン変
化点メモリ6812に記憶するとともに基準変化点a0を
更新し、このa0に対応して、b1b2検出部6810は参照
変化点b1,b2 を検出し、次の復号化処理の準備をする。
この繰り返しを、ライン終了検出部6824にて、基準
変化点a0の位置が1ラインの所定画素数r以上になるま
で行う。
【0176】水平モード復号部6806および垂直モー
ド復号部6805において対応する符号を検出できなか
った場合は、符号化データ列の受信エラーを生じたもの
として、その旨を動作制御部6823に知らせる。動作
制御部6823は、このエラーのない復号化ラインの現
ライン変化点メモリ6812に記憶されている変化点情
報をもとに、画素復元部6813により、多値画像ライ
ンメモリ6814上に画素列を復元させる。
【0177】2次元符号化ラインの符号化データ列を図
7の(5) 、参照ラインの変化点を図中の(1-1) とする
と、上記の2次元復号化処理により、図中の(2) に示す
画素列が復元されることになる。以上のようにして、多
値復号化部68によって復元された多値画像は、ライン
単位にN値誤差拡散部69に供給され、ディスプレイ7
0およびプリンタ71の画素当たりの階調表示能力nに
対応して、n値量子化される。
【0178】図20はN値誤差拡散部69の構成を示す
ブロック図である。同図において、6901はN値誤差
拡散部69の多値画像データの入力端子、6902は量
子化数Nを制御するn値制御信号入力端子、6903は
加算部、6904はN値量子化部、6905はN値量子
化部6904の入力濃度レベル値と量子化後の濃度レベ
ル値の差を算出する誤差算出部、である。
【0179】6906は誤差拡散フィルタ部、6907
から6913は誤差拡散フィルタ部6906を構成する
要素で、6907はすくなくとも1ライン分の各画素の
量子化誤差を記憶する誤差ラインメモリ、6908、6
909はタイミング合わせ用のディレイ手段、691
0、6911および6912は各入力の量子化誤差値に
対応した補正値を出力する重み付け部、6913は重み
付け部6910と6912および6913の各出力を加
算する加算部、6914はN値誤差拡散部69の出力端
子である。
【0180】N値誤差拡散部69は、多値画像データ入
力端子6901より多値画像データXi,j(i は副走査方
向位置、j は主走査方向位置)を取り込み、加算部69
03にて、誤差拡散フィルタ部6906の出力値ESi,j
と加算してN値量子化部6904に供給する。N値量子
化部6904は、n値制御信号入力端子6902より供
給されるn値制御値nに対応して、入力値Di,jをn値に
量子化する。
【0181】誤差算出部6905はN値量子化部690
4の入力値Di,jと量子化後の値Yi,jの差Ei,jを、 Ei,j
=Di,j-Yi,j のように算出し、誤差拡散フィルタ部69
06に供給する。この量子化誤差Ei,jは、ディレイ69
08を介して重み付け部6910に供給されるととも
に、誤差ラインメモリ6907に供給され一時記憶され
る。
【0182】誤差ラインメモリ6907は、入力画素値
Xi,jの画素位置j に対応して前ラインの量子化誤差Ei-
1,jとEi-1,j+1を出力し、Ei-1,jをディレイ6909を
介して重み付け部6911に、Ei-1,j+1を重み付け部6
912に供給する。重み付け部6910、6911およ
び6912は各入力の量子化誤差値に補正係数a,b,c を
乗算した補正値を出力する。これらの各重み付け部の出
力値は、加算部6913で加算され、加算部6903で
入力値Xi,jに加算される。
【0183】誤差拡散フィルタ6906の出力値(加算
部6913の出力値)をESi,j とすると、 ESi,j=a*Ei,j-1 + b*Ei-1,j + c*Ei-1,j+1 ただし、a+b+c ≦1 となり、加算部6903の出力値Di,jは Di,j=Xi,j + Ei,j となる。このDi,jがN値量子化部6904でn値に量子
化され、量子化値Yi,jが出力端子6914より出力され
る。
【0184】図21は、このN値誤差拡散部69の動
作、特に誤差拡散フィルタ部6906の誤差の拡散の様
子を示す説明図で、i は副走査方向位置、j は主走査方
向位置を示す。図中(a)に示すように、量子化する注
目画素をSi,j(×印)とすると、(1) に示す前ラインの
画素Si-1,jの量子化誤差(誤差ラインメモリに記憶され
ている値)Ei-1,jが補正係数bで補正され注目画素Si,j
の濃度レベルに加算される。
【0185】同様に、前ラインの画素Si-1,j+1の量子化
誤差Ei-1,j+1が補正係数cで補正され注目画素に加算さ
れる。さらに、現ラインの注目画素の直前の画素Si,j-1
の量子化誤差Ei,j-1が注目画素に加算される。言い替え
ると、図中(b)に示すように注目画素(×印)の量子
化誤差が補正係数a,b,c で補正されたものが周辺の画素
に配分される。このように、量子化誤差を周辺画素に拡
散していくので、N値量子化前後の画像の平均濃度を一
致させることができる。
【0186】図22は、N値量子化部6904の構成を
示すブロック図である。同図において、69041はN
値量子化部6904の入力端子、69042は入力端子
69041の入力値Di,jを2値に量子化する2値量子化
テーブル、69043はDi,jを3値に量子化する3値量
子化テーブル、69044はDi,jをN値に量子化するN
値量子化テーブル、69045は各テーブルの量子化出
力をn値制御値入力端子6902の値nに対応したn値
量子化テーブルの量子化出力を選択し、出力するセレク
タ、6914はN値量子化部69の出力端子である。
【0187】図では2、3およびN値量子化テーブルの
みを示しているが、実際には2からNまでの複数の量子
化テーブルを有する。量子化入力値Di,jは、各量子化テ
ーブルに入力され各n値量子化値がセレクタ69045
に供給される。例えば、量子化入力値を0〜255とす
ると、3値量子化テーブル69043は、入力値に対応
して3値(0、128、255)のいずれかの値を出力
する。セレクタ69045はn値制御値nに対応してn
値量子化テーブルの量子化値Yi,jを選択し、出力端子6
914に出力する。
【0188】n値制御値nは、N値制御部72より供給
される。N値制御部72は、接続されているディスプレ
イ70とプリンタ71の1画素当たりの階調表現能力に
応じて、n値を出力する。
【0189】例えば、ディスプレイ70の階調数をnd
、プリンタ71の階調数をnp 、N値誤差拡散部69
の入力階調数をni とし、 np <nd ≦ni とすると、ディスプレイ70で多値画像を再現表示する
場合は、制御値nをndにし、プリンタ71で多値画像
を再現印字する場合は、制御値nをnp に設定する。
【0190】このように、ディスプレイ、プリンタの階
調数に合わせて量子化し、多値画像を再現するので、デ
ィスプレイ70、プリンタ71の表示、印字能力を最大
限生かした多値画像を得ることができる。(参考例の効
果)
【0191】以上説明したように、本発明の参考例
は、(1) 文字・線画などの2値画像領域の画素をその画
素の濃度レベルに応じて白(最小濃度レベル)あるいは
黒(最大濃度レベル)に2値化するので、この領域で
は、変化点は白から黒への変化画素と黒から白への変化
画素の2種類となり、濃度レベル差符号L(Δn )の内
Δn の正負の最大値に対する符号語を短い符号長の符号
語に割り当てることにより、この2値画像領域は、先に
説明した多値画像符号化方法で従来のMR符号とほぼ同
じ符号化効率で符号化できる。
【0192】つまり、多値画像領域の高い符号化効率を
期待できるとともに、2値画像領域は、エッジ強調によ
り鮮明な2値画にされ、しかも従来とほぼ同じ高い符号
化効率を得ることができる。また、(2) 多値符号化され
た画像あるいは受信された多値画像は、ディスプレイ、
プリンタの表示・印字階調数nに対応して、N値誤差拡
散法によりn値に量子化し、多値画像を表示・印字する
ので、表示・印字階調能力を生かした最良の多値画像を
得ることができる。
【0193】(実施例) 図23は、本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。この実施例は、文字・線画や写真などの多値画像
を読取り符号化して蓄積あるいは伝送する画像伝送装置
(例えばファクシミリ装置)である。
【0194】具体的には、図24の(1)に示すよう
に、2値画像領域と多値画像領域が混在する多値画像原
稿を読取り、(2)に示す多値画像領域を白化した2値
画像と(3)に示す2値画像領域を白化した多値画像の
2面に分離し、分離された2値画像面を従来のMR符号
化で、分離された多値画像面を先の参考例で示した多値
画像符号化方法で符号化し、2値MR符号化ラインデー
タと多値符号化ラインデータをペアにして1ライン分を
構成し、伝送するようにしたものである。
【0195】図23において、図11の参考例と同一の
機能を有するものは同一の番号を付している。80は、
像域判定部58による注目画素の像域判定結果が2値画
像の場合、2値量子化部60の2値量子化値を選択出力
し、判定結果が多値画像の場合、最小濃度レベル(白)
を選択出力するセレクタ、81は像域判定結果が、2値
の場合、最小濃度レベル(白)を選択出力し、判定結果
が多値画像の場合、ガンマ補正部57の補正結果を選択
出力するセレクタ、である。
【0196】82はセレクタ80の出力値を画素単位に
一時記憶する2値ラインバッファメモリ、83は2値ラ
インバッファメモリ82からの出力を従来のMR符号化
法(2値MR符号化と称す)で符号化する2値MR符号
化部、84は2値MR符号化部83の符号化結果と多値
符号化結果を選択して出力するセレクタ、85は蓄積メ
モリ66からの2値MR符号化データを復号化する2値
MR復号化部、86は2値MR復号化部の復号化結果を
少なくとも1ライン分記憶する(1画素当たり1ビット
で)2値ラインメモリ、である。
【0197】87は2値ラインメモリ86の出力値(1
/0)に対応し、最大濃度レベルあるいは最小濃度レベ
ルを出力する濃度復元部、88は濃度復元部87の出力
濃度レベル値とN値誤差拡散部69の出力濃度レベル値
を画素単位に加算して出力する濃度加算部である。
【0198】本実施例の動作を説明する。ここでは、
の参考例の動作と異なる部分を主に説明する。原稿を読
取センサ50で読取り、A/D変換後シェーディング補
正された読取ラインの濃度レベルを、図25の(1)と
し、この読取ラインと前ラインの読取結果をもとにした
像域判定部58の判定結果を、図25の(2)示す判定
結果とすると、セレクタ80とセレクタ81は、この像
域判定結果に対応して、次のように制御される。
【0199】セレクタ80は、図25の(3)に示すよ
うに、像域判定結果が2値画像領域の時、エッジ強調部
55でエッジ強調され2値量子化部60で2値量子化さ
れた結果を選択し出力する。像域判定結果が多値画像領
域の時は、白(濃度レベル最小値)を選択し出力する。
つまり、セレクタ80は、多値画像領域を白化した2値
画像データ(1画素当たり1ビット)を出力する。
【0200】セレクタ81は、図25の(4)に示すよ
うに、像域判定結果が2値画像領域の時、白(濃度レベ
ル最小値)を選択し出力する。像域判定結果が多値画像
領域の時は、平滑化部56で平滑化されガンマ補正部5
7で濃度補正された結果を選択し出力する。つまり、セ
レクタ81は2値画像領域を白化した多値画像データ
(1画素当たり複数ビット)を出力する。
【0201】セレクタ80の出力は2値ラインバッファ
メモリに一時記憶され、セレクタ81の出力はラインバ
ッファメモリ62に一時記憶される。2値MR符号化部
83は、2値ラインバッファメモリ82より出力される
2値画像データをライン単位にMR符号化する。MR
(モディファイド・リード)符号化は、ファクシミリな
どで一般的に使用される2値画像の符号化方法で、ここ
では説明を割愛する。
【0202】多値符号化部63は、ラインバッファメモ
リ62より出力される多値画像データをライン単位に多
値符号化する。符号化方法は先に説明した符号化方法で
ある。図23の(4)と(5)に、各読取ラインに対す
る2値MR符号化と多値符号化の様子を示す。(4)が
2値MR符号化、(5)が多値符号化の1/2次元符号
化のラインを示している。図ではkファクター値=4の
場合を示している。
【0203】図に示すように、ラインiの2値画像デー
タを2値MR符号化における1次元符号化(いわゆるM
H符号化)をし、多値画像データを多値符号化における
1次元符号化をする。次のラインi+1,i+2、i+
3の2値画像データを2値MR符号化における2次元符
号化(MR)をし、多値画像データを多値符号化におけ
る2次元符号化をする。上記4ラインの処理を繰り返し
ていく。
【0204】図26の(1)に示すように、各読取ライ
ンiの2値MR符号化部83による2値MR符号化デー
タ(a)と多値符号化部63による多値符号化データ
(A)は、セレクタ84を介して、図26の(2)に示
すような順で、蓄積メモリ66に供給される。つまり、
読取ライン毎に、2値MR符号化データに引き続き多値
符号化データがセレクタ84を介して蓄積メモリ66に
一時記憶される。
【0205】図中のEOL1は2値MR符号化において、引
き続く符号化データ列が1次元符号化された符号化デー
タ列であることを示す符号、EOL0は2値MR符号化にお
いて、引き続く符号化データ列が2次元符号化された符
号化データ列であることを示す符号、EOLM1 は多値符号
化において、引き続く符号化データ列が1次元符号化さ
れた符号化データ列であることを示す符号、EOLM0 は多
値符号化において、引き続く符号化データ列が2次元符
号化された符号化データ列であることを示す符号であ
る。
【0206】これらの符号化された符号化データ列は、
伝送の場合は、蓄積メモリ66より、図26の(2)に
示した順でモデム64を介して回線65に送出される。
上記の様に符号化された多値画像を受信した場合は、受
信符号化データは蓄積メモリ66を介して、復号化のた
めに2値MR符号化部85と多値復号化部68に図26
の(2)の順で供給される。
【0207】また、自身の装置で画像を符号化し、一旦
蓄積メモリ66に記憶し、オフラインで復元(いわゆる
オフラインのCOPY動作)の場合も、同様に(2)の
順で蓄積メモリ66より読み出し、2値MR符号化部8
5と多値復号化部68に供給される。
【0208】2値MR復号化部85は、EOL1符号および
EOL0符号を検出し、引き続く符号化データ列を2値MR
復号化を行う。EOL1符号を検出後は、引き続く符号化デ
ータ列を、1次元復号化処理(いわゆるMH復号)を行
い、EOL0符号を検出後は、引き続く符号化データ列を、
2次元復号化処理(MR復号)を行う。復号化結果は2
値ラインメモリ86にライン単位で一時記憶される。
【0209】2値ラインメモリ86の2値画像データ
(1画素当たり1ビットで、白/黒を表現)は、濃度復
元部87にて、各画素の記憶値に対応して、最小濃度レ
ベル値(白)あるいは最大濃度レベル値(黒)が復元さ
れる。この最小濃度レベル値と最大濃度レベル値は、多
値画像の符号化における最小濃度レベル値、最大濃度レ
ベル値と同じ値で、例えば、多値画像を濃度レベル0
(白)から濃度レベル63(黒)で符号化した場合は、
最小濃度レベル値は0、最大濃度レベル値は63とな
る。濃度復元部87の2値画像の濃度復元結果は、濃度
加算部88に供給される。
【0210】多値復号化部68は、EOLM1 符号およびEO
LM0 符号を検出し、(図14に示した多値復号化部68
のEOL1/0符号検出部6803の検出符号を、EOL1符号を
EOLM1 符号に、EOL0符号をEOLM0 符号に変更して)引き
続く符号化データ列を多値復号化を行う。EOLM1 符号を
検出後は、引き続く符号化データ列を1次元復号化処理
を行い、EOLM0 符号を検出後は、引き続く符号化データ
列を2次元復号化処理を行う。
【0211】多値復号化部68にて多値復号化された結
果は、N値誤差拡散部69において、N値制御部72か
らのn値制御値nに対応して、n値に再量子化され濃度
加算部88に供給される。濃度加算部88では、N値誤
差拡散部69からのn値量子化された復号化ラインiの
多値画像データ(最小濃度レベルから最大濃度レベルま
での値を取り得る)と、2値ラインメモリ86に一時記
憶され、濃度復元部87で濃度復元された復号化ライン
iの2値画像データ(最小濃度レベルか最大濃度レベル
かのいずれかの値をとる)が、対応する画素単位に加算
される。
【0212】これによって、2値画像と多値画像が分離
され、独自に符号化されていたものが、ここで合成さ
れ、読取画像あるいは受信画像が復元される。濃度加算
部88の出力は、ディスプレイ70あるいはプリンタ7
1に供給され画像が再現される。
【0213】図27に2値画像と多値画像の復号化後か
ら、両者の合成に至る様子を示す。(1)は2値MR復
号化結果で、各画素は白画素か黒画素かを示す1ビット
で表現されている。図では黒画素を1で、白画素を0で
示している。(2)は濃度復元結果で、黒画素の場合は
最大濃度レベル値、白画素の場合は最小濃度レベル値と
なる。(3)はN値誤差拡散結果で、(4)は濃度加算
部88による(2)の2値画像領域と(3)の多値画像
領域の濃度加算結果である。
【0214】図27の(5)は、N値誤差拡散部69に
おけるn値を(3)の場合より小さく(粗く)した場合
の多値画像の再量子化結果で、(6)は先の(2)の2
値画像と(5)の多値画像を濃度加算して、両者を合成
した結果である。
【0215】(実施例の効果) 以上説明したように、本実施例では、2値画像と多値画
像の混在する画像を2値画像領域と多値画像領域に分離
し、多値画像領域を白化した2値画像面と2値画像領域
を白化した多値画像面を、それぞれ画像の性質に対応し
た符号化効率の高い符号化方法で符号化できるので、ト
ータルとして高い符号化効率が期待でき、画像の蓄積に
おけるメモリ容量の低減を図ることができるとともに、
画像伝送においても伝送時間の短縮化を図ることができ
る。
【0216】特に、白化領域の符号化においては、変化
点が存在しないので、2次元符号化時にはこの白化領域
による符号量の増大は無い。1次元符号化時に、この白
領域のラン長を表現する符号が必要となるが、kファク
タ値を大きくすることにより増加の割合は微小にするこ
とができる。むしろ、それぞれ画像の性質に対応した符
号化方法をとることによってトータルの符号化効率の向
上を図ることが期待できる。
【0217】また、2値画像領域と多値画像領域を分離
して、蓄積あるいは伝送するので、画像復元時に多値画
像の濃度特性(いわゆるガンマ特性)を、受信側におい
て、ディスプレイ70あるいはプリンタ71の濃度特性
に合わせるように、あるいは受信側の好みに応じて、加
工修正することも可能になる。また、2値画像の濃度も
多値画像とは独立に白、黒の濃度、色を変化させること
も可能となる。このように、性質の異なる画像を分離し
て蓄積、伝送するので、画像復元時に、2値画像と多値
画像を独立に、様々な修正加工が可能となる。
【0218】多値符号化、多値復号化方法は前述の符号
化方法に限定されるものではなく、様々な多値符号化方
法を用いることができる。例えば、DCT(ディスクリ
ート・コサイン・トランスフォーム)などのように、8
*8画素を単位にした符号化方法を用いて、多値画像領
域を符号化してもよい。
【0219】図28は、2値画像領域を前述の2値MR
符号化で符号化し、多値画像領域をDCTで符号化する
場合の読取ラインの符号化の様子を示している。DCT
による多値画像符号化は(2)に示すように、例えば、
8ラインを大きな単位にして、このなかの画素群を8*
8の単位でDCT符号化し、この8ライン分のDCT符
号化結果を(3)に示すように、2値符号化の8ライン
分の符号化データに続き、対応する8ライン分のDCT
符号化データを蓄積、伝送するようにしても、同様な効
果を得ることができる。
【0220】(変形実施例) 前述の実施例に関連した説明では、多値画像領域を白化
した2値画像面と2値画像領域を白化した多値画像面の
2面に分離したが、1つの読取面で2値画像領域と多値
画像領域で符号化方法を変えるようにしても、同様な効
果を期待することができる。
【0221】図29はこの符号化方法を示す図で、
(1)の2値と多値画像の混在画像に対して、図29の
(2)のように、像域判定結果に応じて対応する符号化
処理をライン内で変え、符号化処理をする。ここでは、
kファクタ値=4の場合を示しており、ラインiとi+
4..のように4ライン毎にそれぞれ1次元符号化を行
う。
【0222】図29の(2)のラインi+1では、多値
符号化処理が1次元符号化処理を経ずにいきなり2次元
符号化処理から始まることになるが、(前ラインが1次
元符号化処理するラインであったが、多値画像領域が存
在しなかったのでこういう状況が発生した。)、2次元
多値符号化は、前ラインの2値画像の2値化処理後(最
小濃度レベルか最大濃度レベルかに量子化されたデー
タ)の値をもとに、対応する参照変化点b1,b2 を求め、
現ラインi+1を多値符号化する。
【0223】また、ラインi+6のように前ラインの多
値画像領域が終了して、現ラインでは2値画像領域にな
り、これを2値の2次元符号化をする場合は、2値の2
次元符号化では、変化点間の多値の濃度レベル差の概念
はないので、垂直符号化はできないが、対応する画素列
を水平モードで符号化することによって2値の2次元符
号化を行うことができる。
【0224】このようにして符号化処理した各ラインの
符号化データ列の例を、図29の(3)に示す。図中の
EOL1,EOL0 符号は、引き続く符号化データ列が2値の1
次元、2次元符号化データ列であり、かつ新たなライン
の先頭であることを示す符号。EOL1-C,EOL0-C 符号は、
引き続く符号化データ列が2値の1次元、2次元符号化
データ列であるが、新たなラインの先頭ではないことを
示す符号。EOLM1,EOLM0 符号は、引き続く符号化データ
列が多値の1次元、2次元符号化データ列であり、かつ
新たなラインの先頭であることを示す符号。EOLM1-C,EO
LM0-C 符号は、引き続く符号化データ列が2値の1次
元、2次元符号化データ列であるが、新たなラインの先
頭ではないことを示す符号である。
【0225】これらの符号化データ列は、図29の
(3)のように、読取ライン順に蓄積あるいは伝送す
る。この符号化された画像データの復号化は、EOL1、EO
L0、EOLM1、およびEOLM0 符号を検出することにより、
新たなラインの復号化を開始し、各種のEOL 符号を検出
し対応する復号化方法で復号化処理を行う。
【0226】2値画像領域は最小濃度レベルか最大濃度
レベルのいずれかの値に濃度復元し、多値領域は復号化
された濃度レベルそのままにした復号化ラインの画像デ
ータをN値誤差拡散部でn値に再量子化してディスプレ
イあるいはプリンタに表示・印字して画像を再現する。
2値画像領域は最小濃度レベルか最大濃度レベルかに2
値量子化され、濃度復元されているのでN値誤差拡散処
理をしても量子化誤差は発生せず入力2値化画像は変化
しない。多値画像領域の画像がn値量子化されるのみで
ある。
【0227】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
2値画像と多値画像の混在する画像を、2値画像領域と
多値画像領域に分離し、多値画像領域を白化した2値画
像面と2値画像領域を白化した多値画像面を、それぞれ
画像の性質に対応した符号化効率の高い符号化方法で符
号化できるので、トータルとして高い符号化効率が期待
でき、画像の蓄積におけるメモリ容量の低減を図ること
ができるとともに、画像伝送においても伝送時間の短縮
化を図ることができる。
【0228】また性質の異なる画像を分離して蓄積、伝
送するので、画像復元時に、2値画像と多値画像を独立
に、様々な修正加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提としての多値画像符号化装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】図1の変化点検出部4の変化点検出動作を説明
する説明図である。
【図3】1次元符号化時の符号化変化点メモリ部5のa
0,a1 メモリの変化点情報の記憶動作を示す説明図であ
る。
【図4】1次元符号化時の水平モード符号化部16の変
化点間のラン長と濃度レベル差の検出の動作および1次
元符号化コード列を示す説明図である。
【図5】参照ライン変化点メモリおよび符号化ライン変
化点メモリの変化点情報の記憶方法を示す説明図であ
る。
【図6】本発明の前提としての1次元および2次元符号
化の動作の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の前提としての2次元符号化の動作およ
び2次元符号化コード列を示す説明図である。
【図8】垂直モードで符号化する2次元的変位の領域例
を示す説明図である。
【図9】2次元符号化時の符号化モードと符号化される
画素および符号語を示す説明図である。
【図10】本発明の前提としての濃度レベル差符号の例
を示す説明図である。
【図11】本発明の参考例を含む多値画像電送装置の構
成を示すブロック図である。
【図12】図11のエッジ強調部55、平滑化部56お
よびガンマ補正部57の動作を説明する説明図である。
【図13】図11の像域判定部58の動作を説明する説
明図である。
【図14】図11の多値復号化部68の構成を示す説明
図である。
【図15】多値復号化部68の多値復号化手順を示すフ
ローチャートである。
【図16】多値復号化部68の1次元復号化手順を示す
フローチャートである。
【図17】多値復号化部68の2次元復号化手順を示す
フローチャートである。
【図18】多値復号化部68の水平モード復号化手順を
示すフローチャートである。
【図19】多値復号化部68の垂直モード復号化手順を
示すフローチャートである。
【図20】図11のN値誤差拡散部69の構成を示すブ
ロック図である。
【図21】量子化誤差の拡散様子を示す説明図である。
【図22】N値量子化部6904の構成を示すブロック
図である。
【図23】本発明の一実施例を含む多値画像電送装置の
構成を示すブロック図である。
【図24】2値画像領域と多値画像領域を分離し2値画
像と多値画像面の2面に読取画像を分離する様子と各面
に対する符号化方法を示す説明図である。
【図25】読取ラインを像域判定結果によって2値画像
面と多値画像面に分離する様子を示す説明図である。
【図26】2値画像面と多値画像面の符号化データ例と
その蓄積および伝送の順を示す説明図である。
【図27】2値画像面の復号化ラインの復号化結果と多
値画像面の復号化ラインの復号化結果とその濃度加算に
よる合成の様子を示す説明図である。
【図28】2値画像面をMR符号化、多値画像面をDC
T符号化するときの符号化の様子と各符号化結果の蓄積
あるいは伝送時の伝送順を示す説明図である。
【図29】読取ライン内で2値画像領域と多値画像領域
で符号化方法を変えた場合の符号化の方法と符号化結果
の伝送時に符号化方法を識別する識別符号を付加する様
子を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・ 多値画像入力端子、3・・・ 多値画像ラインメモ
リ、4・・・ 変化点検出部、5・・・ 符号化変化点メモリ
部、7・・・ 参照ライン変化点メモリ、8・・・ b1b2検出
部、9・・・ 参照変化点メモリ部、10・・・ パスモード判
別部、11・・・ 垂直モード符号化部、14・・・ 垂直モー
ド判別部、12・・・ a1b1距離検出部、13・・・a1b1レベ
ル差検出部、15・・・ 垂直モード符号テーブル、16・・
・ 水平モード符号化部、17・・・ a0a1距離検出部、18
・・・ a0a1レベル差検出部、23・・・ ラン長符号テーブ
ル、24・・・ レベル差符号テーブル、25・・・ EOL0符号
発生部、26・・・ P 符号発生部、27・・・ H 符号発生
部、28・・・ EOL1符号発生部、29・・・ 2次元符号合成
部、30・・・ 1次元符号合成部、32・・・ 多値符号化装
置の出力端子、50・・・ 読取センサ、52・・・ シェーデ
ィング補正部、53・・・ 前ライン多値画像メモリ、54
・・・ 白ピーク検出部、55・・・ エッジ強調部、56・・・
平滑化部、57・・・ ガンマ補正部、58・・・ 像域判定
部、59・・・ 2値/多値量子化部、60・・・ 2値量子化
部、61・・・ セレクタ、63・・・ 多値符号化部、66・・
・ 蓄積メモリ、64・・・ モデム、68・・・ 多値復号化
部、69・・・ N値誤差拡散部、70・・・ ディスプレイ、
71・・・ プリンタ、72・・・ N値制御部、6803・・・
EOL1/0符号検出部、6804・・・ 2次元符号化モード符
号検出部、6805・・・ 垂直モード復号部、6806・・
・ 水平モード復号部、6807・・・ 基準変化点a0メモ
リ、6808・・・ 変化点算出部、6809・・・ 参照変化
点b1b2メモリ、6810・・・ b1b2検出部、6811・・・
前ライン変化点メモリ、6813・・・ 画素復元部、68
15・・・ 受信エラー検出部、6816・・・ ラン長総和検
出部、6819・・・ レベル差総和検出部、6904・・・
N値量子化部、6905・・・誤差算出部、6907・・・
誤差ラインメモリ、6903、6913・・・ 加算部、6
910、6911、6912・・・ 重み付け部、6904
2・・・ 2値量子化テーブル、69043・・・ 3値量子化
テーブル、69044・・・ N値量子化テーブル、690
2・・・ n値制御値入力端子、69045・・・ セレクタ、
80、81・・・セレクタ、83・・・ 2値MR符号化部、
85・・・ 2値MR復号部、87・・・ 濃度復元部、88・・
・ 濃度加算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/41 - 1/419 G09G 5/00 H04N 1/40 - 1/409

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2値で符号化された2値画像データ及び
    M階調(但しMは整数)で符号化された多値画像データ
    からなる2値と多値の混在符号化画像データを記録媒体
    或いは伝送媒体を介して取り込み、混在符号化画像を復
    元する混在符号化画像データ復元方法において前記2値画像データを2値復号化手段(85)により復
    号する段階と、前記多値画像データを多値復号化手段
    (68)により復号する段階と、2値に対応する濃度を
    濃度復元手段(87)により復元する段階と、N値誤差
    拡散手段(69)により、M階調の復号化された多値画
    像をN階調(但しNは整数で、N≦M)に再量子化し、
    その際の再量子化画素周辺の平均濃度が量子化前のそれ
    と等しくなるようにする段階と、を含み、 復元した画像を画素あたりの階調表現数nd(但しnd
    <M)のディスプレイで表示する場合は、前記N値誤差
    拡散手段の再量子化階調数Nをndとし、画素あたりの
    階調表現数np(但しnp≠nd)のプリンタに印刷す
    る場合は、前記N値誤差拡散手段の再量子化階調数Nを
    npとして多値画像を復元し、2値画像と合成して表示
    或いは印刷を可能にしたことを特徴とする混在符号化画
    像データ復元方法。
  2. 【請求項2】 2値で符号化された2値画像データ及び
    M階調(但しMは整数)で符号化された多値画像データ
    からなる2値と多値の混在符号化画像データを記録媒体
    或いは伝送媒体を介して取り込み、混在符号化画像を復
    元する混在符号化画像データ復元装置において、 前記2値画像データを復号する2値復号化手段(85)
    及び前記多値画像データを復号する多値復号化手段(6
    8)と、 2値に対応する濃度を復元する濃度復元手段(87)
    M階調の復号化された多値画像をN階調(但しNは整数
    で、N≦M)に再量子化し、その際の再量子化画素周辺
    の平均濃度が量子化前のそれと等しくなるようにするN
    値誤差拡散手段(69)と、を有し、 復元した画像を画素あたりの階調表現数nd(但しnd
    <M)のディスプレイで表示する場合は、前記N値誤差
    拡散手段の再量子化階調数Nをndとし、画素あたりの
    階調表現数np(但しnp≠nd)のプリンタに印刷す
    る場合は、前記N値誤差拡散手段の再量子化階調数Nを
    npとして多値画像を復元し、2値画像と合成して表示
    或いは印刷を可能にしたことを特徴とする混在符号化画
    像データ復元装置。
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