JP3259311B2 - 誤り検出方法及び誤り訂正方法 - Google Patents

誤り検出方法及び誤り訂正方法

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JP3259311B2
JP3259311B2 JP04196092A JP4196092A JP3259311B2 JP 3259311 B2 JP3259311 B2 JP 3259311B2 JP 04196092 A JP04196092 A JP 04196092A JP 4196092 A JP4196092 A JP 4196092A JP 3259311 B2 JP3259311 B2 JP 3259311B2
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  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばディジタル記録
再生装置に用いて好適な誤り検出方法及び誤り訂正方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオPCM信号等は、ディジタル
技術を用いて伝送、あるいは記録・再生する系で発生す
る誤りを検出して誤り訂正する誤り検査訂正符号を用い
て誤り訂正を行って誤り訂正能力の低下の防止に努めて
いる。例えば、記録媒体である磁気テープにディジタル
オーディオ信号を記録する場合、誤り訂正符号として1
符号ブロック毎に完結するクロスインターリーブと伝送
路上のデータブロック毎に付加された誤り検出符号とを
併用するものがある。
【0003】上記1符号ブロック毎に完結するクロスイ
ンターリーブは、ブロック完結型の符号を用いている。
このブロック完結型の符号は、例えば回転ヘッドにより
磁気テープ上に斜めに複数個の記録トラックを形成する
記録再生系で1本の記録トラックの記録内容を1ブロッ
クとして取り扱うことができることから上記ディジタル
記録再生装置においてよく用いられる。
【0004】ディジタルオーディオ信号の誤り訂正符号
は、再生時に磁気テープ上で連続する所定数のデータワ
ード毎に誤り検査符号、例えば巡回符号の一つであるC
RC(CRC:Cyclic Redundancy Check)符号により誤りの
有無を検査している。さらに、ディジタルオーディオ信
号はこの検査結果をフラグとして各データワードに付随
させてメモリ(RAM)に書き込んで上記フラグを参照
しながら、クロスインターリーブの復号を行っている。
【0005】上述したディジタルオーディオ信号の復号
時に、例えば一度使用された磁気テープを再度使用して
記録を行った場合、磁気テープ上に消し残りによる消去
以前のディジタルオーディオ信号のデータが再生されて
しまうことがある。上記消し残りのデータは、この消し
残りのブロックについて見れば以前のデータとして正し
い記録がなされているものであるから、CRC検査を行
っても誤りとして検出されず、正しいデータとしてこの
復号時における誤りとしては見逃されてしまうことにな
る。
【0006】また、非常に小さな確率であるが、誤りの
パターンによって上記CRC符号は誤りを見逃してしま
う虞れもある。従って、実際に誤りであるのもかからわ
ず、正しいデータとして上記メモリに書き込まれてしま
うデータブロックが出てくることになる。このような誤
ったデータ用いて再生してしまうことによって再生信号
は、異常音を含んで再生音質を著しく低下させてしまう
虞れがある。
【0007】このような再生時の再生音質等の問題対策
のため、本件出願人は特願昭58−第108867号、
特願昭58−第108868号及び特願昭60−501
36号の明細書及び図面において上記誤りのデータワー
ドを検出する誤り検出方法とこの誤り検出に伴う誤り訂
正方法について提案している。これらの誤り検出方法
は、先ず、CRC符号のみならず、斜めにクロスインタ
ーリーブの2個の誤り訂正符号系列(P系列及びQ系列
と称される)でパリティ検査を行う。
【0008】次の誤り検出手順において、上記パリティ
検査の結果に応じて上記両者の系列でデータワードにパ
リティエラーが検出されたか、または一方の系列でパリ
ティエラーが検出され、かつ他方の系列においてCRC
エラーがあるために検査不能であったデータワードは、
パリティエラーのデータワードと判断する方法である。
また、少なくとも上記一方の系列においてパリティエラ
ーの検出されなかったデータワードは、正しいデータワ
ードと判断するという誤り検出方法である。
【0009】このパリティエラーの判断結果を用いて、
パリティエラーのデータブロックが特定される。このパ
リティエラーを有するデータブロックを特定する誤り検
出方法は、次に示す方法を提案している。
【0010】第1の方法は、磁気テープ上のデータブロ
ック内にパリティエラーと判断されたデータワードが1
データワードでもあれば上記データブロック内の全デー
タワードを誤りとみなして誤りの指標であるポインタを
セットする方法である。
【0011】第2の方法は、磁気テープ上のデータブロ
ック内にパリティエラーと判断されたデータワードが1
データワード以上あり、かつ正しいと判断されたデータ
ワードが1データワードもなければ、上記データブロッ
ク内の全データワードに誤りの指標であるポインタをセ
ットする方法である。
【0012】また、第3の方法は、磁気テープ上のデー
タブロック内に誤りと判断されたデータワードが1つ以
上あって、かつ正しいと判断されるデーたワードが1つ
以上あるときに上記データブロック内の全データワード
に正しいか、誤りか、あるいは未決定を示す指標である
ポインタをセットして誤りを検出する方法を提案してい
る。
【0013】これらの提案によって、各データの誤りの
データワードの検出を行うことができる。特に、第3の
方法を用いることにより、正しいデータワードを誤りデ
ータワードとみなすことを最小限にすると共に、誤った
データワードは確実にエラーとして扱って誤り訂正する
ことができ、繰り返し回数を少なくして訂正能力の低下
を防止する点に利点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記第1の
方法は、パリティエラーのデータブロックの近くにCR
Cエラーや他のパリティエラーがある場合、正しいデー
タブロックまで誤りとして誤りのポインタをセットして
しまうことがある。従って、元々誤りを有するデータワ
ード、または正しいにもかかわらず誤認された誤りのデ
ータワードは、全て訂正されずに誤りとして残ることに
なる。この誤りを含むデータワードは再生時において平
均値補間処理、あるいは前値ホールドにより補正される
が、音質は悪化してしまう。
【0015】また、上記第2の方法を使用すると、パリ
ティエラーのデータブロックの特定をすることができ、
上記第1の方法に比べて正しいデータを不必要に誤りと
して扱うことを防ぐことができる。このため、この第2
の方法の方が有利である。
【0016】しかしながら、もしパリティエラーが発生
しているデータブロック内の1データワードが本来の正
しいデータワードと偶然一致した場合や2個の誤り訂正
符号系列、いわゆるP系列及びQ系列上に2つのデータ
ワードの排他的論理和(EX-OR)出力が本来の正しい2つ
のデータワードの排他的論理和出力と偶然一致した場合
に、上記データワードが含まれる系列上の他のデータワ
ードが全てセーフ(誤りがないと検査されること)であ
れば、上記系列のパリティ検査の結果はセーフとみなさ
れてしまう。
【0017】従って、上記第2の方法は、誤りが生じて
いるデータブロックに対して誤りのポインタをセットす
ることができずに、パリティエラーを見逃してしまうこ
とになる。さらに、この見逃された誤りを有するデータ
ワードを使用して誤り訂正を繰り返すと、誤訂正が拡大
してしまう。この誤訂正により発生する異常音は、大変
耳障りな音である。この誤訂正は絶対に取り除かれなけ
ればならない。上記誤訂正を取り除くために、上記第1
の方法を用いて誤りの指標を示すポインタをセットして
やる必要がある。
【0018】このようにして偶然の一致による誤りの見
逃しが生じているとき、再生時に上記異常音を防ぐため
第1の方法を用い、他のほとんどのデータワードがパリ
ティエラーの場合、平均値補間や前値ホールドによる音
質の劣化を防ぐため、上記第2の方法を用いることが望
ましい。
【0019】しかしながら、上述した偶然の一致による
見逃しが発生しているかどうかは、実際に誤り訂正の処
理を実行してみないと発見することができない。このた
め、誤り検出方法は、上記第1の方法と上記第2の方法
のいずれを用いる方が再生するディジタルデータにとっ
て有効か最初から決定することができない。
【0020】敢えて最初に第2の方法で繰り返し誤り訂
正を行いながら、この誤り訂正中に誤りの見逃しが発見
された場合、これまでに行われた復号の結果は全て無効
にして上記第1の方法で最初から誤り訂正がやり直され
ることになる。このとき、この誤り訂正方法では、上述
したように無効とされた処理時間が全く無駄になってし
まい、有効な誤り訂正の処理時間が少なくなってしま
う。すなわち、これによる誤り訂正の処理時間の短縮化
はP系列及びQ系列を交互に繰り返す回数が少なくなる
ことになり、誤り訂正能力が著しく低下してしまう。
【0021】そこで、前記第3の方法は、これらの問題
点を鑑みて正しいデータワードを誤りのデータワードと
みなすことを最小限に抑えて誤り検出しながら確実に誤
り訂正する方法として提案するものである。しかしなが
ら、第3の方法で行う未決定のポインタを駆使しように
も未検査データブロックにおいて、あるCRCセーフの
データブロック内の各データワードを通るすべてのP系
列及びQ系列にCRCエラーが1つ以上あって、かつパ
リティチェックが全くできなかった場合、上記未検査ブ
ロックが未決定のポインタからパリティエラーなのか、
あるいはセーフなのか決定することはできない。
【0022】ここで、未検査データブロックにおいて、
データブロック内の各データワードをセーフとして扱い
ながら、上記データブロック中にパリティエラーを含ん
でいた場合、上記パリティエラーは見逃されてしまう。
このため、前述したようにこの誤りを含むデータワード
を用いて誤り訂正を繰り返し行うと、誤訂正が広がって
しまい、大変耳障りな異常音の発生の防止を行うことが
できない。
【0023】逆に、未検査データブロックの各データワ
ードがセーフにもかかわらずパリティエラーとして扱い
ながら、ある程度のCRCエラーが検出されると、ブロ
ック中のかなりの部分は、未決定のポインタが付された
未検査領域になってしまう。これにより、上記データブ
ロックはセーフでありながらエラーと誤認されたデータ
ワードを大量に発生する。このため、このデータブロッ
クのエラー量が誤り訂正可能なエラー量、すなわち訂正
能力を大幅に越えてしまうので、平均値補間や前値ホー
ルド等の各処理を受けることになる。上記各処理によっ
て再生時の音質が悪化してしまうことは、既に述べた通
りである。
【0024】この第3の方法も上記第2の方法と同様に
パリティエラーの見逃し等は誤り訂正を実際に実行して
みなければ発見されない。このため、この第3の方法も
最初からパリティエラーとするかセーフとするか決定す
ることができない。また、上述したように未検査データ
ブロックをセーフとして扱って誤り訂正を進め、誤り訂
正中にパリティエラーの見逃しを発見した場合、第2の
方法の場合と同様に異常音や処理に要した時間を無駄に
してしまう等の問題だけでなく、見逃しの発見時点より
以前の誤り訂正は、正しいと仮定したデータワード中に
誤訂正の可能性が含まれていることを意味する。このた
め、見逃しのチェックを行う上で上記誤り訂正以前の誤
りの指標であるエラーポインタを全て保存しておく必要
が生じる。また、再び最初からの誤り訂正行うにあたり
上記誤り訂正に要する時間が少なくなってしまうことか
ら、上記データブロックに対する誤り訂正能力は、前述
した第2の方法の場合と同様に誤り訂正回数の減少によ
り著しく低下してしまうことになる。
【0025】そこで、本発明は上述の実情に鑑み、従来
の方法よりもさらにセーフのデータワードを誤りのデー
タワードとみなす量を最小限にして誤り訂正能力の向上
と誤訂正の防止を図ることができる誤り検出方法及び誤
り訂正方法の提供を目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明に係る誤り検出方
法は、ディジタル信号の所定ビットによりデータワード
を形成し、このデータワードの連続する所定数をデータ
ブロックとし、データブロック内の系列による誤り検査
訂正符号が設けられたディジタル信号を復号するブロッ
ク完結型の誤り検出方法において、誤り検査又は誤り訂
正の後に、データブロック内のデータワードに対して、
複数のデータワード内に誤りを含むことを示す誤りレベ
ル又は含まないことを示す誤りレベル以外に、誤りを含
むか否か確定しない未確定であることを示す誤りレベル
の指標を付けることにより、上述の課題を解消する。
【0027】ここで、さらに上述した課題を容易に解決
させるために上記複数の指標の誤りレベルは、誤りとな
る確率の順に応じて設定し、データブロック内の誤りの
可能性を条件に応じて徐々に明らかにさせていくことが
できる。
【0028】また、伝送媒体上で連続するデータワード
の所定数をデータブロックとし、上記データブロック内
の系列による第1の誤り検査符号を設けると共に、上記
データブロック内の他の系列に対して第2及び第3の誤
り検査訂正符号の符号化がなされた誤り検出方法におい
て、上記第1の誤り検査符号によって誤りが検出されな
いデータブロック内のいずれのデータワードも上記第2
及び第3の誤り検査訂正符号の系列で検査不能のとき、
上記データブロック内の全データワードに一つの誤りレ
ベルを示す指標を付すことにする。この誤りレベルを示
す指標であるエラーポインタは、エラーポインタの記号
Uで表される。このように設定を行うことにより、誤り
の見逃しを最小限にしている。
【0029】上記系列内の最も誤りレベルの高いデータ
ワードの誤り訂正に際して同じ系列内の上記データワー
ド以外の他のデータワードをすべて正しいと仮定して訂
正したとき、上記誤り訂正されたデータワードに対して
新たに付す指標を上記の正しいと仮定したデータワード
内で最も誤りレベルの高いデータワードに付されている
指標と同じ指標を付すことにより、誤りの可能性のレベ
ルを限定している。
【0030】また、ある誤りレベルを含んでいる一つの
系列において、誤り訂正中に1回でも誤りが検出された
とき、誤り訂正後に検出された誤りレベルよりも高い誤
りレベルの指標を有するデータワードは全て誤りとみな
して誤り検出することにより、誤りの見逃しを最小限に
する。
【0031】さらに、誤り訂正中に誤りを検出するため
に系列内の各データワードに対応して付されている各誤
りレベル毎に1ビットの指標を設けることにより、誤り
検出における検出効率を上げている。
【0032】また、本発明に係る誤り訂正方法は、ディ
ジタル信号の所定ビットによりデータワードを形成し、
このデータワードの連続する所定数をデータブロックと
し、データブロック内の系列による第1の誤り検査符号
が設けられ、データワードを複数に分割すると共に、分
割された一方と他方に対して第2及び第3の誤り検査訂
正符号の符号化を全く同じに行っているブロック完結型
のディジタル信号を復号する誤り訂正方法において、第
1の誤り検査符号を用いて誤り検出を行った後、第2及
び第3の誤り検査訂正符号で誤りが検出されなかったと
きの誤り訂正を、他方に対して誤り検出を行わずに他方
の第1の誤り検査符号の結果を用いた誤り訂正のみを行
うことにより、上述した課題を解決する。
【0033】ここで、例えば上記第1の誤り検査符号
は、CRC検査符号を用い、また、上記第2及び第3の
誤り検査訂正符号は、それぞれP及びQのパリティ検査
符号を用いている。
【0034】また、本発明に係る誤り訂正方法は、ディ
ジタル信号の所定ビットによりデータワードを形成し、
このデータワードの連続する所定数をデータブロックと
し、データブロック内の系列による誤り検査訂正符号が
設けられたブロック完結型のディジタル信号を復号する
誤り訂正方法において、誤りのデータワードを含む全て
のデータワードの排他的論理和をとっておくと共に、誤
り訂正すべきデータワードを確定させた後に誤り訂正す
べきデータワードと排他的論理和の結果との排他的論理
和をとって得られる誤り訂正データを用いて誤り訂正す
ることにより、上述した課題を解決する。
【0035】本発明に係る誤り訂正方法は、ディジタル
信号の所定ビットによりデータワードを形成し、このデ
ータワードの連続する所定数をデータブロックとし、デ
ータブロック内の系列による第1の誤り検査符号が設け
られ、データワードに対して第2及び第3の誤り検査訂
正符号の符号化を全く同じに行っているブロック完結型
のディジタル信号を復号する誤り訂正方法において、誤
り検査の後に、データブロック内のデータワードに対し
て、複数のデータワード内に誤りを含むことを示す誤り
レベル又は含まないことを示す誤りレベル以外に、誤り
を含むか否か確定しない未確定であることを示す誤りレ
ベルの指標を付ける第1のステップと、未確定の誤りレ
ベルの指標に対して第2又は第3の系列で誤り訂正を1
回、又は誤りレベルの指標の書き換えを行う第2のステ
ップと、第2又は第3の系列で誤り訂正、又は指標の書
き換えが行われたデータワードを通る第2又は第3の系
列による誤り訂正処理を行う第3のステップとを有し、
誤り訂正が続く限り第2のステップと第3のステップと
を交互に繰り返して誤り訂正を行うことにより、上述し
た課題を解決する。
【0036】特に、未確定の誤りレベルを有するデータ
ワードは、誤りの可能性を順次チェックと書き換え及び
誤り訂正が効率よく行われることになる。
【0037】ブロック完結型のディジタル信号を復号す
る誤り訂正方法において、特に、限定された時間内に誤
り検出及び誤り訂正を行うプログラムの最初に、繰り返
して誤り訂正を行う処理以外の処理を配し、繰り返して
誤り訂正を行う処理を最後に配することにより、上述し
た課題を解決する。
【0038】ここで、例えば上記必須の処理は、12ビ
ットのデータを16ビットに伸張処理が相当する。この
処理を最初に行うことにより、12ビットのまま信号を
再生してしまう虞れを回避している。
【0039】
【作用】本発明に係る誤り検出方法は、ディジタル信号
の所定ビットによりデータワードを形成し、このデータ
ワードの連続する所定数をデータブロックとし、データ
ブロック内の系列による誤り検査訂正符号が設けられた
ディジタル信号を復号するブロック完結型の誤り検出方
法において、誤り検査又は誤り訂正の後に、データブロ
ック内のデータワードに対して、複数のデータワード内
に誤りを含むことを示す誤りレベル又は含まないことを
示す誤りレベル以外に、誤りを含むか否か確定しない未
確定であることを示す誤りレベルの指標を付けることに
より、誤り検出の結果、セーフとエラーの両方の可能性
のあるデータを未確定のまま誤りの指標を付して保留に
して誤り訂正を行うと共に、複数の各誤りレベルの指標
を参照しながら指標の誤りレベルの組み合わせに応じた
各条件により、保留の未確定のデータを効率的にセーフ
とエラーを判別する。
【0040】本発明の誤り訂正方法は、条件に応じて上
記誤り検出処理を飛ばしたり、誤りの可能性を有するデ
ータワードを全てチェックして誤りのあるデータワード
に対して誤り訂正し、また、この誤り訂正が続く限り上
記各ステップを交互に繰り返して短時間で誤り訂正を行
うことにより、より確度の高い誤り検査を実現して誤り
訂正能力の向上を図っている。
【0041】
【実施例】以下、本発明に係る誤り検出方法及び誤り訂
正方法の一実施例について図面を参照しながら説明す
る。
【0042】この一実施例は、例えば回転ヘッドにより
1データワードが16ビットからなるディジタルオーデ
ィオ信号を磁気テープに記録し、この記録されたディジ
タルオーディオ信号を磁気テープから再生する場合の誤
り検査及び誤り訂正に対して本発明を適用したものであ
る。
【0043】先ず、本発明の一実施例において用いる誤
り検査訂正符号の符号ブロック構成について説明する。
この一つの符号ブロックは、例えば一つのデータブロッ
クが2データワードからなる上記ディジタルオーディオ
信号のデータ領域D1、D2及び2データワードからな
る誤り訂正符号系列(P系列及びQ系列と称される)の
パリティP、Qの計4データワードで構成し、さらに、
このデータブロックを34ブロック集めて構成してい
る。
【0044】図1は、この符号ブロック全体の構成を示
している。上記符号ブロックは、ブロック内で完結する
ブロック完結型のクロスインターリーブを施している。
ここで、クロスインターリーブにおいて上記誤り訂正符
号系列の一方であるP系列は、図1の実線で示してい
る。図1から明らかなように上記P系列は、5ブロック
毎のブロックに含まれるデータワードD1、D2及びパ
リティQの3データワードをそれぞれ(mod.2)の加算
し、さらに例えば単純パリティの符号化を施したものP
に対して(mod.2)の加算をして得られるものである。す
なわちP系列は、
【0045】
【数1】
【0046】で表される帰還型の単純パリティを用いて
いる。
【0047】また、他方のQ系列は、図1に示す破線に
なる。上記Q系列は、4ブロック毎のブロックに含まれ
るデータワードD1、D2及びパリティPの3データワ
ードをそれぞれ(mod.2)の加算し、さらにに例えば単純
パリティの符号化を施したものQに対して(mod.2)の加
算をして得られるものである。すなわちQ系列は、
【0048】
【数2】
【0049】で表される帰還型の単純パリティを用いて
いる。このように符号ブロック内に含まれるデータワー
ド(2×34)個の各々は、互いに異なる組合せのP系
列及びQ系列に含まれる。
【0050】上述のディジタルオーディオデータは、磁
気テープ上において図2に示すデータブロック毎の構成
で記録がされている。上記データブロックは、各ブロッ
ク毎にブロック同期信号(SYNC) 及びブロックアドレス
(ADRS) が先頭に付加されると共に、順次データワード
D1、D2、パリティP、Q及び上記パリティP、Qに
対する誤り検査のためのCRC符号で構成している。こ
の構成を用いて回転ヘッドにより磁気テープに順次、デ
ータの記録が行われる。
【0051】また、ディジタルオーディオデータの再生
時において磁気テープから再生されたデータは、上記C
RC符号による誤り検査の処理を受け、メモリ(RA
M)に書き込まれる。メモリ上において書き込まれた1
データワードは先ず、4ビットのビットフラグP0、P
1、P2及びP3と2ビットからなるエラーポインタを
示すビットPT1、PT2が12ビットのデータの前に
付加されている。上記P2、P3とPT1、PT2は同
時に使用されないので、メモリ上の同じビットを用いて
いる。上記12ビットのデータは最上位ビットMSB から
最下位ビットLSBの順に書き込んでいる。
【0052】また、上記ビットフラグP2、P3は、P
系列用に用い、上記ビットフラグP0、P1は、Q系列
用に用いている(図3を参照)。次に、メモリに書き込
まれた1データブロックの再生データは、パリティの検
査処理を受ける。
【0053】このような各部におけるデータ構成を背景
にした上で本発明の誤り検出方法及び誤り訂正方法につ
いて図4に示す概略的なフローチャートを参照しながら
説明する。この誤り検出方法及び誤り訂正方法は、基本
的にCRC符号とP系列及びQ系列の単純パリティを用
いて行っている。すなわちCRC符号は、磁気テープ上
の1トラック分のデータを既にチェックして書き込まれ
ている。また、上記各系列の単純パリティは、帰還型の
単純パリティを用いている。
【0054】誤り訂正において、例えば4データワード
の中で1データワードに誤りがある場合、誤り訂正でき
ることは明らかである。しかしながら、2データワード
の誤りが検出された場合、誤り訂正を行えないことも明
らかである。
【0055】これ以外に上記CRCエラーが全てセーフ
であるにもかかわらず、全てのデータの排他的論理和を
とったときゼロにならなかったならば、パリティエラー
が上記4データワードの中のいずれかに存在する可能性
についてしかこの誤り検査からは知ることができない。
これは、用いているパリティが単純パリティのために生
じてしまう。しかしながら、この誤り検査は、クロスイ
ンターリーブを用いていることからP系列及びQ系列に
ついて誤り検出することができる。この誤り検査方法
は、このクロスインターリーブと上記CRC符号を用い
た検査の関係の両方をうまく利用して組合せて行ってい
る。
【0056】この一例として4データワードのあるP系
列のパリティが、誤りを示すがQ系列のパリティはセー
フを示す場合、上記あるP系列のパリティは、偶然にパ
リティエラーを示していたに過ぎずセーフであることが
判るといった具合である。
【0057】このように組合わせるだけでは、データ再
生において例えばCRCワードが例えば24ビットから
なる場合、 -24 と極めて小さな確率ではあるが、デー
タ誤りの見逃しを起こしたり、必要以上に誤りとみなし
て訂正能力を低下させてしまうことがある等の原因があ
った。
【0058】そこで、上記2つの主要な原因を両立させ
る誤り検出方法及び誤り訂正方法が本発明の提案であ
る。すなわち、エラーかもしれないし、あるいはセーフ
かもしれないデータワードに対して最初にエラー、ある
いはセーフであると確定してしまうのでなく、誤りの可
能性を秘めたデータワードとして扱い、それに応じた未
確定のエラーポインタを付し未確定のまま誤り訂正を行
い最後にデータワードのエラーか否かの状態を決定する
方法である。
【0059】本発明の誤り検出方法及び誤り訂正方法
は、前記ディジタルオーディオ信号を復号するブロック
完結型の誤り検出方法において、上記データブロック内
のデータワードに対して誤り検査、または誤り訂正後に
複数の上記データワード内に誤りを含むか否か確定しな
い未確定の誤りレベルを含む指標であるエラーポインタ
Uを付けている。
【0060】上記複数の未確定の誤りレベルを含む指標
は、それぞれエラーポインタE、N、U、Sを設定して
いる。また、上記エラーポインタは、エラーの可能性の
レベルを高い順に記号で示すとE、N、U、Sの順に設
定している。これらのエラーポインタを付けておき、後
述する条件に応じてエラーポインタを付け替える処理を
行うことにより、従来に比べて誤り訂正能力の向上と誤
訂正の防止を図っている。
【0061】また、完結した符号ブロックの状況を示す
エラーフラグは、パリティエラーフラグPER の他に未決
定のエラーフラグNER 、未検査のエラーフラグUER をそ
れぞれ設定している。
【0062】最初にこの誤り検出方法及び誤り訂正方法
に基づく各ステップにおける処理について概略的に説明
する(図4を参照)。ステップS10でブロック完結型
における符号ブロックの誤り検出及び誤り訂正の処理を
開始してステップS11に進む。
【0063】ここで、ブロック完結型の符号ブロックに
おけるデータ構造において奇数の数字が付されているデ
ータワードの集まりを奇数(ODD) 系列、また、偶数の数
字が付されているデータワードの集まりを偶数(EVEN)系
列と称する。
【0064】ステップS11の奇数(ODD) 系列における
パリティフラグのセーブ処理(SAVE.PF(OD)) では、レジ
スタに格納されている前のブロック完結型のデータブロ
ックにおいて奇数系列における3ビットのエラーレベル
に応じた第1のエラーフラグPER 、第2のエラーフラグ
NER 及び第3のエラーフラグUER をメモリに格納してセ
ーブしてステップS12に進む。この3つのパリティエ
ラーフラグは、後述する繰り返し誤り訂正処理(COR.RP
T) までの処理においてセットされている。。
【0065】上記エラーフラグは、符号ブロック全体に
対して誤り訂正状態を監視するために用いている。上記
第1のエラーフラグPER(Parity ERror flag の略) は、
符号ブロック全体に対するパリティエラーの有無を示し
ている。上記第2のエラーフラグNER は、未決定のエラ
ーフラグ(Non-decided ERror flag の略) を示してい
る。また、第3のエラーフラグUER は、上記符号ブロッ
ク全体に対する未検査状態を示すフラグ(Un-checked ER
ror flagの略) を示している。
【0066】ステップS12でのデータの伸張処理(EXP
ND(OD)) は、例えば12ビットに圧縮された音声データ
を元のリニアな16ビットのデータに戻す処理を行って
いる。この奇数系列は、後述するステップS26の直前
に誤り訂正が行われた完結ブロックに対して伸張処理を
施す。この伸張処理に際して上記ブロック完結型のデー
タブロックの奇数系列に対する上記エラーフラグNER 、
UER と各データワードの訂正後に付された上記エラーポ
インタS、U、N、Eからデータワードをセーフにする
かエラーにするかが決められる(後述する表1を参
照)。
【0067】ここで、奇数系列におけるエラーレベルを
最後にエラーか否かを決定した後に予め設定した処理条
件に応じてエラーフラグを書き換える必要が生じる。し
かしながら、書き換えが生じたときその度に書き換えの
ためメモリをアクセスするのは無駄であり、この後何か
の処理でアクセスするときに次いでに行えばよい。従っ
て、誤り訂正後の処理は、このデータの伸張処理を行
う。
【0068】また、このデータの伸張処理をこのフロー
チャートの後段に配したとき、このデータの伸張処理が
途中で例えば誤り検出及び誤り訂正の処理時間を越えて
しまう事態が発生すると伸張されないままのデータが残
ってしまう。このように少なくともステップS12にお
ける奇数系列のデータ伸張処理と後述するステップS1
4の偶数系列のデータ伸張処理を必須の処理としてこの
フローチャートにおける早い時期に行う必要性が出てく
る。このデータの伸張処理を誤り検出及び誤り訂正処理
の早期に行えば、たとえ、この処理以降で上記誤り訂正
処理の所定時間を越えて各処理が途中で打ち切りになっ
ても12ビットの圧縮されたデータを再生してしまうこ
とが回避することができる。
【0069】この各データワードの誤りに関する情報、
例えば“セーフ”や“エラー”の確定は、後述する表1
の条件で決められる。ここで、セーフのデータワード
は、圧伸規則に従って16ビットに伸張する。また、エ
ラーのデータワードは、16進表示で“7FFF”と置
いた後で補間させる。但し、伸張データレベルの大きい
部分は値が飛び飛びになっているため、上記“7FF
F”をデータ値として使用できない。これらに従って処
理を行った後、ステップS13に進む。
【0070】ステップS13の偶数(EVEN)系列における
パリティフラグのロード処理(LOAD.PF(EV)) では、レジ
スタに格納されている前のブロック完結型のデータブロ
ックの偶数系列における3ビットのエラーレベルに応じ
たエラーフラグNER 及びエラーフラグUER をメモリから
レジスタにロードする。偶数系列における上記エラーフ
ラグNER 、UER は、後述する偶数系列のエラーフラグPE
R 、NER 、UER 等の各データをメモリに格納する処理(S
AVE.IGNR(EV)) で格納して待避しておいたエラーフラグ
UER 、NER をロードしてステップS14に進む。
【0071】ステップS14における偶数系列のデータ
の伸張処理(EXPND(EV)) は、上記ステップS12の伸張
処理(EXPND(OD)) と同じ処理を偶数系列に対して行って
ステップS15に進む。以後上記ステップS15〜S2
0までの各処理は、偶数系列に対する処理である。
【0072】ステップS15のP系列のチェック処理(C
HK.P(EV)) は、P系列の9データワードを読み出してC
RCエラーかどうかを調べると共に、12ビットからな
るデータ部の排他的論理和を順にとる。
【0073】ここで、上記エラーポインタは、4ビット
で構成している。上記エラーポインタは、CRC符号が
セーフを示す場合ブロック内の各データワードに対して
4ビットの値を“0101”にする。また、上記エラー
ポインタは、CRC符号がエラーを示す場合ブロック内
の各データワードに対して4ビットの値を“1111”
にする。このエラーポインタは、上位2ビットをP系
列、下位2ビットをQ系列で使用する。
【0074】上記P系列の9データワードは、データフ
ォーマットより例えば左右に偶数データD2L 、D
R 、D4L 、・・・、D8L 、D8R の8データワー
ドと奇数番号の1データワードのパリティPEVから構成
している。また、後述するステップS22で行う奇数に
おけるP系列のチェックもこのステップS15と同様に
D1L 、D1R 、D3L 、・・・、D7L 、D7R の8
データワードと1データワードのパリティPODを用いて
行われる。
【0075】上記CRCエラーのチェックを行うと共
に、後述する条件に応じたP系列のエラーポインタへの
書き込みやパリティエラーフラグのセットを行ってステ
ップS16に進む。
【0076】ステップS16のQ系列のチェック処理(C
HK.Q(EV)) は、Q系列の10データワードを読み出して
CRCエラーかどうかを調べると共に、12ビットから
なるデータ部の排他的論理和を順にとって、ステップS
15と同様にエラーポインタの書き込みやパリティエラ
ーフラグのセットを行ってステップS17に進む。
【0077】このステップS16においてチェック処理
に用いるQ系列の10データワードは前ステップS15
で上述した8データワードに2データワードのPEV及び
EVパリティで構成している。
【0078】ステップS17のブロックチェック処理(B
LK.CHK(EV)) は、CRCブロックの10データワードを
読み出し、P系列とQ系列の検査結果に応じて中間変数
c、p、sをセットする。このそれぞれ1ビットからな
る上記3つの中間変数c、p、sの組合わせに応じて、 エラーポインタSは、確定したセーフの指標 エラーポインタUは、誤りの確率の低いデータワードと
して未検査にする指標 エラーポインタNは、誤りの確率の高いデータワードと
して未決定にする指標 エラーポインタEは、確定したエラーの指標 として設定し、上記CRCブロック内の全データワード
に書き込んでいる。
【0079】後述する誤り訂正においてこのエラーポイ
ンタを参照しながら、さらに誤りの見逃しがないように
して以降に続く各誤り訂正方法に基づく誤り訂正処理を
行う。
【0080】ステップS18のQ系列の全ブロックに対
して一通り誤り訂正を行う処理(COR.Q1(EV))は、Q系列
の10データワードを順次読み出し、上記エラーポイン
タの状況に応じて5ビットのフラグを新たに設けてセッ
トする。
【0081】ステップS19の繰り返し誤り訂正処理(C
OR.RPT(EV)) は、P系列の最初の系列をベースブロック
として訂正を開始する。この繰り返し誤り訂正処理は、
検査の誤りレベルの指標に対してP系列、またはQ系
列で誤り訂正を1回、または誤りレベルの指標の書き換
えを行うステップと、上記P系列、またはQ系列で誤り
訂正、または上記指標の書き換えが行われたデータワー
ドを通る上記P系列、またはQ系列による誤り訂正処理
を行うステップとを、誤り訂正が続く限り上記各ステッ
プを交互に繰り返して誤り訂正を行う。
【0082】例えば、この繰り返し誤り訂正処理におい
て、処理手順は、P系列で誤り訂正が可能な場合、上記
誤り訂正されたデータワードを通るQ系列の誤り訂正を
行い、さらに、誤り訂正が可能な場合は、この誤り訂正
されたデータワードを通るP系列の誤り訂正を行い、こ
の誤り訂正が続く限りP系列、Q系列を交互に繰り返し
ている。
【0083】また、上記繰り返し誤り訂正処理において
途中で誤り訂正ができなくなった場合、誤り訂正は次の
P系列を新たなベースブロックとして再び誤り訂正を行
う。この処理によって理論的に誤り訂正可能なデータワ
ードは全て誤り訂正を行ってステップS20に進む。
【0084】ステップS20のメモリに格納セーブする
処理(SAVE.IGNR(EV)) は、ステップS19の処理終了後
のエラーフラグPER 、NER 、UER の3ビットをレジスタ
からメモリに格納する。このとき、上記メモリにエラー
フラグPER とUER との論理和をとった値を反転したフラ
グINV.PER+UER の値もセーブする。
【0085】ステップS21では、CRCブロックにお
いて偶数系列と奇数系列は全く同じ誤り訂正系列で構成
されていることを利用して上記ステップS20で格納し
たフラグINV.PER+UER を読み出して上記値INV.PER+UER
=1のとき、奇数系列における誤りをパリティエラーを
無視してCRCエラーの訂正だけで行うことができるの
で、ステップS25にジャンプする。また、エラーフラ
グNER =1のとき、上記フラグINV.PER+UER はゼロにな
り、パリティエラーを無視してCRCエラーの訂正だけ
で行うことができない。このため、前述した偶数系列の
ステップS15〜S17に相当する奇数系列の各誤り検
出処理は図4に示すステップS22〜S24に移行して
誤りがチェックされる。
【0086】奇数系列におけるステップS25のQ系列
の全ブロックに対して一通り誤り訂正を行う処理(COR.Q
1(OD))は、前述したステップS18と同じくQ系列の1
0データワードを順次読み出し、上記エラーポインタの
状況に応じて5ビットのフラグを新たに設けて値をセッ
トする。
【0087】ステップS26の繰り返し誤り訂正処理(C
OR.RPT(OD)) は、前述したステップS19と同じく未
の誤りレベルの指標に対してP系列、またはQ系列で
誤り訂正を1回、または誤りレベルの指標の書き換えを
行うステップと、上記P系列、またはQ系列で誤り訂
正、または上記指標の書き換えが行われたデータワード
を通る上記P系列、またはQ系列による誤り訂正処理を
行うステップとを、誤り訂正が続く限り上記各ステップ
を交互に繰り返して誤り訂正を行う。この処理によって
理論的に誤り訂正可能なデータワードは全ての誤り訂正
が行われてステップS27に進む。
【0088】ステップS27でこのブロック完結型にお
ける符号ブロックの誤り検出及び誤り訂正の処理を終了
する。このようにして例えば回転ヘッドの1トラック分
の誤り訂正処理が終了したので、次の符号ブロックの誤
り訂正処理へ進む。
【0089】この誤り検出及び誤り訂正の処理の流れを
示す図4のフローチャートは、奇数系列をステップS1
1、S12及びS22〜S26と偶数系列をステップS
13〜S20に分けた上で、これら2つの系列の中でプ
ログラムの最初に必須の処理、例えばステップS12及
びS14を配して各系列のデータ伸張処理を行い、この
後に誤り訂正における各誤り検出処理や誤り訂正におけ
る繰り返し処理をプログラムの動作の後段に配して効率
的な誤り検出及び誤り訂正を行うことによって、誤り検
査における誤りか否かの判定の効率化による処理時間の
短縮化及び再生データの確度の向上を実現させている。
【0090】次に、前記した各処理における誤り検査及
び誤り訂正について順次に詳述していく。先ず、最初に
前記第1〜第3のエラーフラグPER 、NER 、UER を基に
してエラーポインタへの変換を行う処理、すなわちステ
ップS12の奇数系列のデータの伸張処理(EXPND(OD))
について説明する。
【0091】一つのCRCブロックにおいてエラーレベ
ルの可能性の高い順にエラーレベルは高いものとしてエ
ラーポインタE、N、U、Sを設定する。このステップ
S12で示したエラーポインタのセットに用いるビット
フラグはP3、P2、P1及びP0と4ビットで構成し
ていることは既に述べた。この誤り検出及び誤り訂正に
おいて各データワードに対するビットフラグは、最初に
予め“1111”に設定している。この後、例えば奇数
系列において各データワードがエラーか、あるいはセー
フかの判断基準は、エラーフラグNER 、UER と上記フラ
グP2、P3の組合せで表1に示す
【0092】
【表1】
【0093】分類に従って各エラーレベルに対応するエ
ラーポインタE、N、U、Sを設定すると共に、各デー
タワードを確定していく。
【0094】上記表1について説明すると、上記エラー
フラグPER 、NER 、UER の値に依存することなく、表1
に示すビットフラグ(P3,P2)が(0,0)を示す
とき、このデータワードは、“セーフ”の状態を表す。
このとき、このエラーポインタをSで表す。このような
“セーフ”の状態は、例えばCRC検査チェックによる
CRCエラー及び各P、Q系列においてパリティエラー
が一つも検出されなかった場合がある。
【0095】表1に示すビットフラグ(P3,P2)が
検査の状態Uを示す値(0,1)、かつエラーフラグ
UER =0のとき、上記エラーフラグNER の値に依存する
ことなく、このデータワードは“セーフ”の状態を表
す。また、ビットフラグ(P3,P2)が未検査の状態
Uを示す値(0,1)、かつ上記エラーフラグUER =1
のとき、このデータワードは“エラー”の状態にある。
このような未検査の状態を示すエラーポインタUは、例
えば後述するようにP系列でもQ系列でもパリティエラ
ーが未検査であるような場合等に設定される。
【0096】また、表1に示すビットフラグ(P3,P
2)が未決定の状態Nを示す値(1,0)、かつエラー
フラグUER =NER =0のときだけ、このデータワードは
“セーフ”の状態となる。また、ビットフラグ(P3,
P2)が未決定の状態Nを示す値(1,0)、かつ上記
エラーフラグUER =0、かつエラーフラグNER =1のと
き、及び未決定の状態Nを示す値(1,0)、かつ上記
エラーフラグUER =1のとき、このデータワードは“エ
ラー”の状態を示す。この未決定の状態Nは、例えばデ
ータブロック内にパリティエラーのデータワードとセー
フのデータワードの両方が存在する場合等にセットされ
る。
【0097】最後に、表1に示すビットフラグ(P3,
P2)が確定したエラー状態Eを示す値(1,1)のと
き、上記エラーフラグNER 、UER の値に依存することな
く、明らかにこのデータワードは“エラー”状態が確定
する。このようなデータワードは、例えばCRCエラー
有った場合、またはCRCエラーが検出されないが、
P系列あるいはQ系列のパリティエラーが検出された中
でセーフのデータワードがなかった場合等がある。
【0098】このデータの伸張処理は、ステップS14
のQ系列についても同様にフラグP、Pに応じてセ
ーフの状態とエラーの状態を分類している(ここで、表
は省略する)。
【0099】上述したようにセーフの状態のデータワー
ドは、圧伸規則に応じて16ビットの伸張処理が施され
る。また、エラー状態のデータワードは、16進表示で
“7FFF”と置いて後段において補間処理している。
【0100】次に、P系列のチェック処理(CHK.P) は、
ステップS15やステップS22において行っている処
理である。ここで、エラーポインタの状態を示す上記4
ビットからなるビットフラグは、CRC検査チェックに
おいてCRCセーフのデータブロックの各データワード
に対して“0101”にしている。これに応じて符号ブ
ロックの状態を示すエラーフラグPER の1ビットは、ゼ
ロにしてリセットしておく。また、CRCエラーのデー
タブロックの各データワードに対して最初の設定のまま
“1111”にしている。
【0101】この符号ブロックにおいてP系列のデータ
ワードは、前述したように9データワードをメモリから
読み出してCRC検査を行うと共に、上記データワード
のデータ部分12ビットを最初の値はゼロに設定して上
記9個のデータワードの最初のデータワードと排他的論
理和をとり、この結果と次のデータ部分12ビットと排
他的論理和を順次とっていわゆるシンドロームを作成し
ている。以下、この処理の条件処理について説明する。
【0102】この条件処理は、2通りある。第1の条件
処理は、9データワードをCRC検査する途中にCRC
エラーが検出された場合、このエラーの検出された時点
でこれ以後の上記CRC検査処理を無駄と判断して打ち
切りにして何もしない。この処理はプログラムでリター
ン(RET) 処理に相当する。この処理によってP系列にお
けるビットフラグの値(P3,P2)は、(0,1)、
または(1,1)のままになる。この処理は、時間短縮
及び回路の消費電力の低減に役立つ。
【0103】第2の条件処理は、上記9データワードの
全てのCRC検査の結果がCRCセーフの場合、上述し
たデータ部分12ビットの排他的論理和をとっている。
このとき、この9データワードの排他的論理和の結果が
ゼロか否かを判別している。この判定条件において全て
のデータワードとの排他的論理和の結果がゼロの場合、
例えば条件フラグZEROバーの値を“1”にセットすると
共に、パリティセーフとしてP系列におけるビットフラ
グの値(P3,P2)は、検査した9データワード全て
に対して(0,0)を書き込む。
【0104】また、全てのデータワードとの排他的論理
和の結果がゼロでない場合、上記条件フラグZEROバーの
値を“0”にセットすると共に、パリティエラーとして
P系列におけるビットフラグの値(P3,P2)は、検
査した9データワード全てに対して(1,0)を書き込
む。このパリティエラーのとき、エラーフラグPER 、NE
R の値は“1”にセットする。
【0105】次に行うQ系列のチェック処理(CHK.Q)
は、ステップS16やステップS23において行ってい
る処理である。この処理も上述したP系列のチェック処
理(CHK.P) と同様に処理する。すなわち第1の条件処理
は、10データワードをCRC検査する途中にCRCエ
ラーが検出された場合、このエラーの検出された時点で
これ以後の上記CRC検査処理を無駄と判断して打ち切
りにして何もしない。このとき、Q系列におけるビット
フラグの値(P1,P0)は、(0,1)、または
(1,1)のままになる。
【0106】第2の条件処理は、上記10データワード
の全てのCRC検査の結果がCRCセーフの場合、上述
したデータ部分12ビットの排他的論理和をとってい
る。このとき、この10データワードの排他的論理和の
結果がゼロか否かを判別している。この判定条件におい
て排他的論理和の結果がゼロの場合、条件フラグZEROバ
ーの値を“1”にセットすると共に、パリティセーフと
してQ系列におけるビットフラグの値(P1,P0)
は、検査した10データワード全てに対して(0,0)
を書き込む。
【0107】また、排他的論理和の結果(シンドロー
ム)がゼロでない場合、条件フラグZEROバーの値を
“0”にセットすると共に、パリティエラーとしてQ系
列におけるビットフラグの値(P1,P0)は、検査し
た10データワード全てに対して(1,0)を書き込
む。このパリティエラーが発生しているとき、エラーフ
ラグPER 、NER の値は“1”にセットする。
【0108】次に、ブロックチェック処理(BLK.CHK(E
V)) は、ステップS17やステップS24で行われる処
理である。この処理は、図1に示すように前述したP系
列及びQ系列による斜め方向の誤り検査処理に対して1
データブロックに対して行う縦方向の誤り検査処理であ
る。
【0109】この処理は、後述する表2及び表3に示す
2段階処理を経て行っている。この2段階処理にあたり
ブロックチェック処理は、3つの中間変数c、p、sを
用いている。最初にブロックチェック処理は、それぞれ
上記中間変数c、p、sの値をブロック毎にゼロにセッ
トする。上記中間変数cは、第1段階における結果の中
でデータワードに対するCRCエラーを示すフラグに相
当する。上記中間変数pは、第1段階における結果の中
でデータワードに対するパリティエラーを示すフラグに
相当する。また、上記中間変数sは、第1段階における
結果の中でデータワードに対するセーフを示すフラグに
相当する。
【0110】第1の段階におけるブロックチェック処理
は、表2に示す検査分類で行う。以下に表2を参照しな
がら、第1の段階におけるブロックチェック処理の検査
結果について説明する。先ず、第1の段階においてCR
Cブロック内の10データワードを読み出す。奇数系列
について例を挙げると、この10データワードは、ある
奇数番号の左右のデータ、すなわちD1L 、D1R 、D
L 、D3R 、POD、D5L 、D5R 、D7L 、D
R 、QODを順次に読み出している。
【0111】次に、この読み出したデータワードのビッ
トフラグの値が示す前述したP系列及びQ系列の検査結
果に応じて上記中間変数がセットされる。この中間変数
の設定は、下表
【0112】
【表2】
【0113】に示す通りである。
【0114】この条件処理は、ビットフラグ(P3,P
2,P1,P0)の値が(1,1,1,1)すなわちP
系列とQ系列の両方がCRCエラーのとき、中間変数は
c=1をセットする。
【0115】また、パリティエラーが存在することを示
すデータワードの分類は、3つの場合がある。すなわち
第1の場合は、ビットフラグ(P3,P2,P1,P
0)の値が(1,0,1,0)で、P系列とQ系列の両
方がパリティエラーを有する場合を示す。第2の場合
は、ビットフラグ(P3,P2,P1,P0)の値が
(1,0,0,1)で、P系列においてパリティエラー
が検出され、Q系列が検査不能の場合を示す。最後に、
第3の場合は、ビットフラグ(P3,P2,P1,P
0)の値が(0,1,1,0)で、P系列が検査不能
で、Q系列においてパリティエラーが検出された場合を
示す。
【0116】このデータワードがセーフを示す分類は、
5つの場合がある。すなわち第1の場合は、ビットフラ
グ(P3,P2,P1,P0)の値が(1,0,0,
0)、すなわちP系列にパリティエラーを有しながら、
Q系列はパリティセーフの場合を示す。第2の場合は、
ビットフラグ(P3,P2,P1,P0)の値が(0,
1,0,0)、すなわちP系列が検査不能でありなが
ら、Q系列はパリティセーフの場合を示す。
【0117】第3の場合は、ビットフラグ(P3,P
2,P1,P0)の値が(0,0,1,0)、すなわち
P系列がパリティセーフで、他方のQ系列にパリティエ
ラーがある場合を示す。また、第4の場合は、ビットフ
ラグ(P3,P2,P1,P0)の値が(0,0,0,
1)、すなわちP系列がパリティセーフで、他方のQ系
列が検査不能の場合を示す。
【0118】最後の第5の場合は、ビットフラグ(P
3,P2,P1,P0)の値が(0,0,0,0)、す
なわちP系列及びQ系列のパリティが共にセーフの場合
である。
【0119】また、最後の欄に示すビットフラグ(P
3,P2,P1,P0)の値が(0,1,0,1)を示
すとき、データワードはP系列及びQ系列の両方が検査
不能の場合を示す。この共に検査不能の状態に対して上
記中間変数は何もセットしない。
【0120】このブロックチェック処理における第2の
段階は、上記データブロック内の全データワードに対し
て誤り検査、または誤り訂正後に誤りのレベルに応じた
複数の指標であるエラーポインタS、N、Eを付けると
共に、上記データワード内に誤りを含むか否か確定しな
いデータブロック内の上記データワードに対して未検査
を示す指標を新たな指標としてエラーポインタUを設定
して付ける処理を行う。この各エラーポインタの設定
は、上述した分類で付けた中間変数の値の組合わせに応
じて各データワードのエラーポインタを付け替え処理を
行っている。
【0121】この第2の段階におけるブロックチェック
処理は、上記CRCブロック内の全データワードにおい
て中間変数に応じた表3に示す分類
【0122】
【表3】
【0123】を行ってエラーポインタが上記CRCブロ
ック内の全データワードに書き込まれる。ここで、上記
表3において記号Xは、上記中間変数の値が“1”でも
“0”でもかまわず、無関係を意味している。
【0124】表3に示す新たなエラーポインタは、上段
から順にエラーレベルの高い順序に記号E、N、U及び
Sで表す。この中間変数に応じたエラーポインタの分類
を上記表3を参照しながら説明する。ビットフラグ(P
3,P2,P1,P0)はもはや不要なので、付け替え
るエラーポインタ(PT2,PT1)は(P3,P2)
に重ね書きする。
【0125】上記エラーポインタの記号Eは、2つの場
合でセットされる。第1の場合は、中間変数p及びsの
いかんにかかわらず、中間変数cがc=1のとき2ビッ
トのエラーポインタ(PT2,PT1)の値は(1,
1)にして明らかにエラーの確定した状態を示す。ま
た、第2の場合は、中間変数(c,p,s)の値が
(0,1,0)のとき、すなわちCRCセーフであるが
パリティエラーのデータワードが含まれ、パリティセー
フのデータワードがない場合、上記エラーポインタ(P
T2,PT1)の値も(1,1)にセットすると共に、
NERをゼロにする。このエラーポインタは上記CRCブ
ロックの全データワードにエラーが確定した状態を書き
込む。
【0126】次に、上記エラーポインタの記号Nは、中
間変数(c,p,s)の値が(0,1,1)のとき、す
なわちCRCセーフであるがパリティエラーのデータワ
ードを含み、パリティセーフのデータワードを有する場
合のCRCブロックの状態は、明らかにエラーと確定で
きないものの、エラーの確率が高いデータワードが含ま
れているとして未決定を示す。このとき、上記エラーポ
インタ(PT2,PT1)の値は(1,0)にセットす
る。このエラーポインタは上記CRCブロックの全デー
タワードに未決定の値(1,0)が書き込まれる。
【0127】また、本発明において誤りの見逃しをより
少なくするために未検査のエラーポインタを設定してい
る。このエラーポインタの記号はUとして上記未決定の
エラーポインタNに比較してエラーの確率の低い未検査
状態のデータワードを想定してセットしている。すなわ
ち、中間変数(c,p,s)の値が(0,0,0)のと
きである。このCRCブロックの状態は、上記中間変数
から上記表2に示すP系列及びQ系列が共に検査不能の
未検査状態を示す。上記エラーポインタ(PT2,PT
1)の値は(0,1)にセットする。このエラーポイン
タの記号Uにおいて上記CRCブロックの全データワー
ドは、未検査の値(0,1)が書き込まれる。
【0128】上記エラーポインタSの状態は、中間変数
(c,p,s)の値が(0,0,1)のとき、すなわち
CRCブロック内にCRCエラーが検出されず、少なく
ともP系列、またはQ系列のいずれか一方の系列がセー
フの状態にある場合としている。このとき、上記エラー
ポインタ(PT2,PT1)の値は(0,0)にセット
する。このエラーポインタの記号Sにおいて上記CRC
ブロックの全データワードは、セーフの値(0,0)、
すなわちセーフのエラーポインタが書き込まれる。
【0129】このように上記誤りのレベルを示す指標を
誤りを含む可能性の高い確率の順に応じた誤りのレベル
をデータブロック内の全データワードに付して未決定、
あるいは未検査の状態に対しては以後の誤り訂正等の各
処理を行う中で後述する誤り検出があった時点でこのC
RCブロックの状態の個々のデータワードのエラーポイ
ンタを確定させると共に、後段の誤り訂正処理に応じて
書き換えを行うことにより、誤り検査における誤りか否
かの判定の効率化と誤りの見逃し量を最小限にすること
ができ、確度の向上が図られている。
【0130】このように4つに分類したエラーポインタ
に応じてCRCブロック内のデータワードの状態を最小
限に設定した上で誤り訂正処理は、前述したステップS
18から開始する。ステップS18では、Q系列の全ブ
ロックに対して一通り誤り訂正を行う処理(COR.Q1)を行
っている。
【0131】この誤り訂正処理は、Q系列の10データ
ワードを順次読み出し、設定した上記2ビットからなる
エラーポインタに応じて後述する誤り訂正を行うと共
に、以下に述べるパリティ検査を含めた各種の誤り訂正
処理をデータワード単位で行う。
【0132】先ず、表4に示すこの誤り訂正処理におい
て未決定のエラーフラグNER と未確定のイネーブルフラ
グUEN 及び各データワードに既に書き込まれているエラ
ーポインタの組合せで各データワードのエラーポインタ
状態を分類する。この組合せによるエラーポインタは、
下表
【0133】
【表4】
【0134】に示す分類を行う。ここで、上記未確定の
イネーブルフラグUEN は、後述する無視を示すフラグIG
NRが“1”の場合、この値が“0”になることを示して
いる。
【0135】表4において上記エラーフラグNER の値が
“1”の場合、前述したステップS12とS14の伸張
処理においてエラーポインタ(PT2,PT1)の値が
(1,0)のデータワードを誤りと判断して確定する処
理をこの処理でも用いる(表1を参照)。誤り訂正時も
この処理を有効に用いて消費電力の低減を図る。同様の
処理は上記エラーポインタ(PT2,PT1)の値が
(0,1)のデータワードに対しても上記エラーフラグ
UEN の値がゼロの条件と表1の関係から、エラーフラグ
NER の値に関係なくセーフの状態を確定させて処理す
る。
【0136】また、エラーポインタの値が(1,1)及
び(0,0)の場合は、上記エラーフラグNER や上記未
確定のイネーブルフラグUEN の値に関係なく、エラーを
示すEとセーフを示すSがそれぞれ設定される。
【0137】このような設定を行うのは、表4に示すエ
ラーポインタの値が(0,1)のとき、前述したように
ステップS21の判断において例えば奇数系列でパリテ
ィチェックの処理段階、すなわちステップS22〜S2
4までの各処理段階を飛ばすジャンプ処理が可能な場合
あるからである。
【0138】ここで、CRCセーフで(0,1)、CR
Cエラーで(1,)の値既に各データワードに書き
込まれているが、これらの値をそのままにしてエラーポ
インタの付け替え処理を飛ばす場合、(0,1)をセー
フ(0、0)とみなして訂正処理を行う。
【0139】このQ系列の誤り訂正処理(COR.Q1)は、上
述したようにQ系列の10データワード順次読み出し
て誤り訂正処理を行うために、各データワードに対して
付された上記エラーポインタを用いて誤り訂正を行う。
上記エラーポインタを用いた誤り訂正処理は、誤りを確
定させて誤り訂正する手順を踏む上で、例えば上述した
エラーの可能性を含んだエラーレベルに応じた未決定や
検査の指標を付し、セーフとエラーとを決め兼ねるあ
いまいさを含んだ状態として設定し、そのデータワード
を正しいデータワードとして誤り訂正処理を行ってい
る。
【0140】ここで、この誤り訂正処理は、処理条件と
して誤り訂正中に1回でも誤りが検出されたとき、誤り
訂正後に検出された誤りレベルよりも高い誤りレベルの
エラーポインタを有するデータワードは全て誤りとみな
して誤り訂正を行う方法をとる必要がでてくる。この条
件をさらに発展させて各データワードのセーフか否かの
確定を行うために、上記2ビットからなるエラーポイン
タに応じて各1ビットずつ5種類のエラーフラグを新た
に設定する
【0141】この5ビットからなる上記エラーフラグ
は、Q系列のそれぞれの系列に対して誤り訂正を行う中
で、エラーポインタEが1データワード以上検出された
とき、エラーフラグE-flagは“1”をセットする。次
に、エラーポインタNが1データワード以上検出された
とき、エラーフラグN-flagは“1”をセットする。ま
た、上記エラーポインタNが2データワード以上検出さ
れたとき、エラーフラグWN-flag は“1”をセットす
る。同様にして、エラーポインタUが1データワード以
上検出されたとき、エラーフラグU-flagは“1”をセッ
トする。また、上記エラーポインタUが2データワード
以上検出されたとき、エラーフラグWU-flag は“1”を
セットする。これら5ビットすべては、このステップに
おける誤り訂正処理のそれぞれの系列の最初の段階にお
いて値をリセットしておく。
【0142】誤り訂正処理において
【0143】
【表5】
【0144】上記表5に示す訂正すべきデータワードの
アドレスを覚えるか否かを示すワード・ストローブWD・
STB 及び誤り訂正処理を打ち切り処理を示すリターンR
ETは、上記エラーフラグE-flagとエラーポインタに応
じていかなる値を選択するかを示している。
【0145】表4においてエラーポインタSが入力され
ている場合、上記ワード・ストローブWD・STB 値は、上
記エラーフラグE-flagの値が“1”であっても“0”で
あってもその値に無関係に“0”にして誤り訂正処理を
継続する。
【0146】また、表4に示すエラーフラグE-flagの値
が“0”、かつ入力されているエラーポインタがU、
N、またはEの場合、上記ワード・ストローブWD・S
TBの値は、“1”にセットしてデータワードのアドレ
スを覚えて誤り訂正処理を継続する。
【0147】表4に示すエラーフラグE-flagの値が
“1”、かつ入力されているエラーポインタがU、また
はNの場合、上記ワード・ストローブWD・STB の値は、
既に誤りが検出されたことを踏まえて“0”にセットし
て誤り訂正処理を継続する。
【0148】最後に、エラーフラグE-flagの値が
“1”、かつ入力されているエラーポインタがEの場
合、上記ワード・ストローブWD・STB の値は、“1”に
セットする。しかしながら、エラーフラグE-flagがQ系
列のそれぞれの系列中で2つ以上検出された場合、ワー
ド・ストローブWD・STB の値にかかわらず誤り訂正処理
は不可能なため、誤り訂正処理を打ち切る。このとき、
リターンRETは“1”がセットされる。上記ワード・
ストローブWD・STB の値を“1”にセットする理由は後
述において説明する。この選択した値に応じて後述する
誤り訂正処理の条件が14通りできる(表5や表6に示
す区分a〜nを参照)。
【0149】この誤り訂正処理において、単純パリティ
を用いているからブロック内に1つ誤りが存在すると
き、読み出したデータワードの排他的論理和EX-OR をと
れば、上記排他的論理和EX-OR の出力は誤り訂正データ
を示している。すなわちエラーが発生しているデータワ
ード以外のデータワードがセーフと確定している場合で
ある。
【0150】ところが、上記データワードは、“エラ
ー”や“セーフ”の確定したものでなく、前述したエラ
ーポインタが示すようにエラーを起こす確率を有するデ
ータワードを含んでいる。このため、単に全てのデータ
ワードをセーフとして扱ってしまった場合、誤りを見逃
して訂正能力を低下させてしまうことになる。
【0151】そこで、この誤り訂正処理における最初の
処理は、Q系列の全データワードを読み出して取り敢え
ず各データワードの上記排他的論理和EX-OR をとる。こ
の処理によってどのデータワードに対して誤りが発生し
ているか誤り検出を行うと共に、この結果から誤り訂正
を行うべきかが判明する。換言すれば、Q系列の全デー
タワードを読み出して誤り訂正処理を行うまで誤り訂正
可能なデータワードが決まらないことを意味している。
このようにしてQ系列の全データワードのシンドローム
が得られる。
【0152】次の処理は、上記誤り訂正を行う必要のあ
る、すなわちエラーアドレスERADのデータワードだけを
もう一度読み出すと共に、この再び読み出したデータワ
ードに対して排他的論理和EX-OR をとるという処理であ
る。このように誤りの発生しているデータワードに対し
て2回排他的論理和EX-OR をとることによって、このデ
ータワード自身だけが、Q系列の全データワードの中で
読まれなかったことと同じ処理が行われたことになる。
【0153】これにより、Q系列の全データワードにお
いてこの2回排他的論理和EX-OR をとった結果のデータ
ワードは、誤りが発生しているデータワードに対する誤
り訂正データになる。
【0154】実際のこの処理における例えば上記ワード
・ストローブWD・STB の値は、表6に示す誤り訂正処理
のエラーポインタの付け替えが必要なデータワードに対
して“1”をセットする。この後で、上記ワード・スト
ローブWD・STB の値が“1”のデータワードのアドレス
は、エラーポインタの付け替えが必要なエラーアドレス
ERADとして覚え込む。この覚え込まれたエラーアドレス
ERADのデータワードだけが、再び読み出されて排他的論
理和EX-OR がとられる。この処理によってエラーアドレ
スERADのデータワードの誤り訂正データが生成される。
このようにして生成された誤り訂正データは、上記エラ
アドレスERADに書き込まれて誤りの発生しているデータ
ワードに対する誤り訂正を終了する。
【0155】この一連の誤り訂正処理は、まとめると表
6に示す処理条件に応じて14通りに分類することがで
きる。表6に示す上記処理条件におけるパラメータは、
3つのエラーポインタE、N、U及び排他的論理和の出
力値である。表6に示す14通りに分類は、上記Q系列
においてそれぞれの系列中に検出される個数で下表の通
【0156】
【表6】
【0157】決めている。上記エラーポインタの個数に
よる分類を行う上で、前記において設定したした5つの
エラーフラグE-flag、N-flag、WN-flag 、U-flag、WU-f
lag を用いると各条件に応じて再びチェックを行うこと
なく、各条件を早く簡単にチェックできて有効なことは
明らかである。
【0158】このQ系列の誤り訂正処理における各分類
について各パラメータに従って表6を参照しながら説明
する。区分aは、エラーポインタE、N、Uが全てゼロ
のとき、すなわち全てセーフの場合である。このとき、
上記排他的論理和の出力は“1”でも“0”でもよくこ
のレベルに無関係であり、エラーアドレスポインタをア
クセスすることも必要ない。このため区分aの場合、誤
り訂正処理は、打ち切り(すなわちリターンRET
“1”)にして次の系列の誤り訂正処理に進む。このよ
うなリターン処理は、上述したエラーポインタ及び誤り
訂正データの書き換えが行われずに、エラーアドレス書
込ERAD WR が禁止を示しているときに行われる。
【0159】区分bは、エラーポインタUだけが1個検
出されると共に、排他的論理和の出力値がゼロのときを
示している(ただし、他のエラポインタE、Nの個数は
ゼロ)。このとき、表6に示すエラーアドレス書込ERAD
WR は、エラーアドレスERADのデータワードに対するエ
ラーポインタUだけをSに変更して誤り訂正処理を継続
する。この誤り訂正処理によってデータワードはセーフ
と判断される。
【0160】区分cは、区分bの条件の中で排他的論理
和がゼロでない場合である。排他的論理和がゼロでない
ことによって、このデータワードは誤り検出されたこと
を示す。このときの処理は、区分bのデータワードに対
するエラーポインタUをSに変更すると共に、上述した
誤り訂正データ生成処理をこのデータワードに施して誤
り訂正処理を継続する。この誤り訂正処理によってデー
タワードはセーフに訂正される。
【0161】このようにエラーフラグE=0、かつエラ
ーフラグU>0、かつ排他的論理和EX-OR の出力がゼロ
でないとき、エラーフラグUER は“1”をセットする。
【0162】次に、区分d、eは、共に区分bの条件と
同様のエラポインタE、Nの個数はゼロの中でエラーポ
インタUが2個以上検出された場合である。上記区分
d、eは、排他的論理和がゼロの場合と排他的論理和が
ゼロでない場合をそれぞれ示している。
【0163】この区分d、eは、誤りの可能性があるが
セーフともエラーとも確定できないので、データをその
ままにして後段の誤り訂正処理に委ねるためエラーアド
レス書込ERAD WR は禁止にしてこの誤り訂正処理を打ち
切って次の系列の誤り訂正処理に進む。また、区分eの
場合は、上述した条件からエラーフラグUER の値を
“1”にセットする。
【0164】区分fは、エラーポインタE、Uが検出さ
れず、エラーポインタNが1個だけ検出されると共に、
排他的論理和の出力値がゼロのときを示している。上記
排他的論理和の出力値がゼロから誤りがないと判断して
エラーポインタNだけSに変更して誤り訂正処理を継続
する。
【0165】一方、区分gは、区分fと同じ条件の中で
排他的論理和の出力値がゼロでないときを示している。
このときの処理は、区分gのデータワードに対するエラ
ーポインタNをSに変更すると共に、上述した誤り訂正
データ生成処理をこのデータワードに施して誤り訂正処
理を継続する。この誤り訂正処理によってデータワード
はセーフに訂正される。
【0166】このようにエラーフラグE=0、かつエラ
ーフラグN>0、かつ排他的論理和EX-OR の出力がゼロ
でないとき、エラーフラグNER は“1”をセットする。
【0167】区分h、iは、エラーポインタE、Uが検
出されず、エラーポインタNが2個以上検出されると共
に、それぞれ排他的論理和がゼロの場合と排他的論理和
がゼロでない場合を示している。この両区分h、iは、
誤りの可能性があるがセーフともエラーとも確定できな
いので、データをそのままにして後段の誤り訂正処理に
委ねるためエラーアドレス書込ERAD WR は禁止にしてこ
の誤り訂正処理を打ち切ってステップS19の繰り返し
誤り訂正処理に進む。また、区分iの場合は、上述した
条件からエラーフラグNER の値を“1”にセットする。
【0168】区分j、kは、エラーポインタEが検出さ
れず、エラーポインタN、Uが1個以上検出されると共
に、それぞれ排他的論理和がゼロの場合と排他的論理和
がゼロでない場合をそれぞれ示している。この両区分
j、kは、誤りの可能性があるがセーフともエラーとも
確定できないので、データをそのままにして後段の誤り
訂正処理に委ねるためエラーアドレス書込ERAD WR は禁
止にしてこの誤り訂正処理を打ち切って次の系列の誤り
訂正処理に進む。区分kは、前述した条件によってエラ
ーフラグUER 、NER の両方を共に、“1”がセットされ
る。
【0169】区分lは、エラーポインタN、Uが検出さ
れず、エラーポインタEだけが1個検出された場合、排
他的論理和の値にかかわらず、1個しか誤りが検出され
なかったことから前述した誤り訂正処理を単に行うこと
ができる。すなわち、このときの処理は、区分lのデー
タワードに対するエラーポインタEをSに変更すると共
に、上述した誤り訂正データ生成処理をこのデータワー
ドに施して誤り訂正処理を継続する。この誤り訂正処理
によってデータワードはセーフに訂正される。
【0170】区分mは、エラーポインタNが検出され
ず、エラーポインタEだけが1個検出され、かつエラー
ポインタUが1個以上検出された場合、排他的論理和の
値にかかわらず、未確定のデータワードとして誤り訂正
処理を施す。このときの処理は、上記区分mの誤りが発
生しているデータワード以外を正しいデータワードとみ
なして誤り訂正処理が行われている。この仮定に基づき
誤り訂正されたデータワードは、正しいとしても少なく
とも、ここで検出されていたエラーポインタの記号Uが
示すエラーレベル以下のエラーレベルを秘めていること
になる。従って、この誤り訂正処理は、上記データワー
ドに対するエラーポインタEをUに変更すると共に、上
述した誤り訂正データ生成処理をこのデータワードに施
して誤り訂正処理を継続することになる。
【0171】最後の区分nは、ある一つの系列における
誤り訂正を行うと共に、エラーレベルに応じたエラーポ
インタを付け替える処理である。すなわち区分nは、こ
のQ系列内の最もエラーレベルの高いCRCエラーを示
すエラーポインタEのデータワードを誤り訂正する際
に、同じ系列内の上記データワード以外の他のデータワ
ードをすべて正しいと仮定して誤り訂正したとき、上記
エラーポインタEを有するデータワードに対して付すエ
ラーポインタは、上記誤りを有するデータワード以外の
データワード内で最もエラーレベルの高いデータワード
に付されているエラーポインタと同じエラーポインタN
を付している。このように処理することによって後段で
行われる誤り検出及び誤り訂正に寄与している。
【0172】すなわち、この区分nは、エラーポインタ
U及び排他的論理和の値にかかわらず、エラーポインタ
Eだけが1個検出され、かつエラーポインタNが1個以
上検出された場合、未決定のデータワードとして前述し
た誤り訂正処理を施す。このときの処理は、上記区分n
のデータワードに対するエラーポインタE以外に存在す
るエラーポインタの中でより高いエラーレベルであるエ
ラーポインタNを付すように変更すると共に、上述した
誤り訂正データ生成処理をこのデータワードに施して誤
り訂正処理を継続する。この理由は、上記区分mで説明
したことと同じ理由による。
【0173】この各処理を施すことによって、上記エラ
ーアドレスERADのデータワードは、表6に示すそれぞれ
エラー、未決定及び未検査を示すエラーポインタE、
N、Uから正しいとされる新たなエラーポインタ値(P
T2,PT1)への付け替え及び誤り訂正データの書き
換え、あるいは上記新たなエラーポインタ値(PT2,
PT1)への付け替えだけの書き込みを行って誤り訂正
の確度を高めることに貢献している。
【0174】このように誤り訂正中に1回でも誤りが検
出されたとき、誤り訂正後に検出された誤りレベルより
も高い誤りレベルの指標を有するデータワードは全て誤
りとみなして誤り検出を行うため新たなフラグを設定す
ることにより、各誤りに対する処理の効率を上げて各デ
ータワードに対して付されているエラーポインタの確度
も共に高め、さらに後段で行われる繰り返し誤り訂正処
理に寄与している。
【0175】なお、ステップS21での判別処理は、奇
数系列で無視を行うかどうかを示すフラグIGNRの値が
“1”の場合、ジャンプしてステップS25に移行す
る。このように奇数系列におけるQ系列の誤り訂正処理
を実行する場合もエラーポインタの各ビットフラグ(P
3,P2)は、条件においてCRCセーフのとき、
(0,1)を示し、CRCエラーのとき、(1,1)を
示すことから、それぞれエラーポインタは、SとEを示
す。以後の誤り訂正処理は、前記表6に示す各区分に沿
って同様に進めることができる。この理由については後
述するメモリにデータを格納セーブさせる処理(SAVE.IG
NR) において説明する。
【0175】次に、ステップS19やステップS26で
行われる繰り返しによる誤り訂正処理について図5を参
照しながら説明する。
【0176】繰り返し誤り訂正処理(COR.RPT) は、従来
からのエラーE及び未決定のエラーポインタNに対する
繰り返し誤り訂正処理に加えて、前記した表6に示す前
述したQ系列の全ブロックに対して一通り誤り訂正を行
う処理(COR.Q1)で未検査のエラーレベルのエラーポイン
タUに対してQ系列、またはP系列で誤り訂正を1回、
またはエラーポインタの書き換えを行うステップと、上
記P系列、または上記Q系列で誤り訂正、または上記エ
ラーポインタUの書き換えが行われたデータワードを通
る上記Q系列、またはP系列による誤り訂正処理を行う
ステップとを誤り訂正が続く限り、上記各ステップを交
互に繰り返して誤り訂正を行う処理である。
【0177】この繰り返し誤り訂正処理(COR.RPT) につ
いて詳述すると、この処理は、例えばP系列に関して最
初のデータワードD1のブロックを系列のベースブロッ
クと称して誤り訂正を開始する。上記ベースブロック
は、図1よりP系列及びQ系列のそれぞれに34個のベ
ースブロックが存在する。
【0178】この誤り訂正処理P1 、この1系列内の
エラーのデータワードが1データワードのみの場合にこ
のエラーのデータワードを誤り訂正する。この誤り訂正
処理によってエラーポインタUは、Sに訂正する。ま
た、単に上記エラーポインタUをSに訂正する処理だけ
が行われる。
【0179】また、この1系列内の全ワードが正しい
か、または2データワード以上のエラーのデータワード
が存在するとき、何の処理も行わない。
【0180】P系列に関する第1回目の誤り訂正処理
1 が最初のベースブロックについてなされる。誤り訂正
ができた場合、Q系列の第2回目の誤り訂正処理
2 は、誤り訂正されたデータワードを含むQ系列に関し
て行われる。
【0181】さらに、誤り訂正処理 2 において誤り訂
正が可能ならば、この誤り訂正されたデータワード、あ
るいはエラーポインタの書き換えを行ったデータワード
を含むP系列に関する第2回目の誤り訂正処理 2 を行
う。以下、このように誤り訂正が続く限り、P系列とQ
系列に関する誤り訂正処理を交互に繰り返して行う。
【0182】上記誤り訂正処理 1 以降の誤り訂正処理
において、1系列内に2データワード以上のエラーを有
するデータワードが存在するか、または全くエラーのデ
ータワードがない場合、誤り訂正はできなくなってしま
う。このとき、ここまで続けてきた連鎖的な誤り訂正処
理は打ち切ると共に、次のP系列の第2番目のベースブ
ロックについて第1回目の誤り訂正処理P 1 が行われ
る。このP系列の第2番目のベースブロックにおいて以
後、上述と同様の連鎖的な誤り訂正処理がなされる。
【0183】このように各ステップの動作を誤り訂正が
続く限り繰り返してP系列の第34番目のベースからの
誤り訂正処理が終了した時点でこの完結したブロックに
おける符号ブロックの誤り訂正処理が全て終了する。こ
のとき、理論的に誤り訂正できるデータワードは全て訂
正して誤り訂正能力を向上させている。
【0184】図1に示した磁気テープ上のディジタルオ
ーディオデータのデータ構成は簡単に説明するためデー
タ領域をD1、D2の2つしか記載していない例を挙げ
ている。しかしながら、実際のデータ領域は奇数系列と
偶数系列で左右のデータを考慮して共に8個ずつ有して
いる。図5は、この中のデータ領域において左右の区別
を無視してデータ4個だけを用いて模式的にこの繰り返
し誤り訂正処理について示したものである。
【0185】図5に示すより具体的な例は、n番目のベ
ースについて、誤り訂正処理Q1 がなされると共に、黒
丸で示すデータワードW11、W22、W13がエラー
のデータワードを示している。
【0186】n番目のベースブロックのQ系列において
データワードW11だけがエラーのデータワードであ
る。この誤り訂正Q1 において、このデータワードW1
1のエラーが訂正される。
【0187】次に、データワードW11を含むP系列の
誤り訂正処理P2 がなされる。このP系列ではデータワ
ードW22のみがエラーのデータワードである。従っ
て、このデータワードのエラーが誤り訂正される。
【0188】このデータワードW22を含むQ系列の誤
り訂正処理Q2 がなされた後、このQ系列中の1データ
ワードのデータワードW13のエラーが誤り訂正され
る。そして、このデータワードW13を含むP系列の誤
り訂正処理P3 が行われる。しかしながら、上記データ
ワードW13を含むP系列にエラーのデータワードは1
個もなく、これ以上誤り訂正処理が続けられない。従っ
て、n+1番目のベースブロックのQ系列の誤り訂正処
理に移行する。
【0189】このように処理の動作を連鎖的に行うこと
によって、従来の方法に比べて誤り訂正を全ブロックに
対して4回繰り返す時間(例えばP1 →Q1 →P2 →Q
2 )以内に全ての誤り訂正を完了させることができる。
【0190】前述したこの誤り訂正処理が、理論的に誤
り訂正可能なエラーのデータワードを全て訂正できる理
由について説明する。先ず、誤り訂正が可能な場合は、
最初から1系列内に1個のデータワードしか誤りがなか
った場合と、1系列内で2データワードが誤っているが
上記2データワード中の一方のデータワードが他の系列
によって誤り訂正されてエラーのデータワードが1個に
なった場合の2通りしかない。
【0191】前者の誤り訂正の場合、エラーのデータワ
ードは.誤り訂正処理P1 と誤り訂正処理Q1 とが全ブ
ロックに関してなされているので、必ず誤り訂正され
る。また、後者の誤り訂正の場合、エラーのデータワー
ドは、誤り訂正処理 1 によってエラーのデータワード
が1個だけになったものは、誤り訂正処理 1 が全ての
ブロックに関してなされるので、直後ではないにしても
必ず誤り訂正される。誤り訂正処理 1 以降の誤り訂正
処理によってエラーのデータワードが1個だけになった
ものは、直後に必ず誤り訂正されるからである。
【0192】次に、エラーが発生しているデータワード
の誤り訂正が(ブロック数×4回)で済む理由について
説明する。ここで、一系列によって誤り訂正が可能なデ
ータワードは1個しかできない。従って、誤り訂正処理
の回数を多くしてもP系列及びQ系列を合わせて(ブロ
ック数×2個)のデータワードしか誤り訂正することが
できない。また、前述したこの繰り返し誤り訂正処理の
第2のステップにおける誤り訂正処理 1 に関する誤り
訂正処理の回数は、各ベースブロック毎に〔(誤り訂正
したデータワード数)+1〕となる。従って、この繰り
返し誤り訂正処理の第2のステップにおける誤り訂正処
理の合計回数は、〔(ブロック数)+(誤り訂正したデ
ータワード数)〕となる。
【0193】また、この繰り返し誤り訂正処理の第1の
ステップにおける誤り訂正処理 1 は、全てのベースブ
ロックについてなされているので、上記第1のステップ
及び上記第2のステップの誤り訂正処理の回数を合計し
た処理回数Gは、G=(ブロック数)×2+(誤り訂正
したデータワード数) ・・・(3)の関係で示され
る。
【0194】上記式(3)の第2項(誤り訂正したデー
タワード数)は、上記第2のステップで誤り訂正された
データワードの数を意味している。この(誤り訂正した
データワード数)は、上記式(3)の第1項(ブロック
数)×2の値より必ず小さい値である。
【0195】従って、誤り訂正処理における合計処理回
数Gは、 G≦(ブロック数)×4 ・・・(4) という関係が成立する。上記式(4)の意味するところ
は、(ブロック数×4回)の誤り訂正処理回数に相当す
る処理時間を用意すれば、全てのエラーを訂正させるこ
とができる。
【0196】このことを踏まえて、最悪のパターンとし
てエラーポインタEのデータワードをエラーポインタ
N、またはUに訂正してから、再度上記エラーポインタ
N、またはUをエラーポインタSに訂正させる場合を考
えると、上述したように1つの系列で最大の訂正回数
は、2回訂正されることになる。このとき、誤り訂正に
要する処理時間は、P系列及びQ系列の両方を合わせた
訂正回数である(ブロック数×4回)と、誤り訂正でき
なくなる回数である(ブロック数)と、前述したQ系列
の誤り訂正処理(COR.Q1)における(ブロック数)を合計
した(ブロック数×6回)以内に必ず誤り訂正処理が終
了することになる。
【0197】ここで、エラーポインタNを訂正してエラ
ーポインタUにする方法を採用したと仮定すると、誤り
訂正処理において符号ブロックが最悪のパターンの場
合、エラーポインタEからエラーポインタNへ、上記エ
ラーポインタNからエラーポインタUへ、さらに、上記
エラーポインタUからエラーポインタSへと訂正が行わ
れる。すなわち、一系列の誤り訂正において3回訂正す
る必要を考えなければならない。
【0198】従って、合計した誤り訂正における処理時
間は、3回訂正が必要であるが前記合計回数(ブロック
数×6回)の内に1回分が含まれているから2回分を加
算した(ブロック数×8回)以内に終了させることが想
定される。
【0199】ところが、この誤り訂正処理の合計処理時
間を(ブロック数×8回)にすると、ディジタルオーデ
ィオ信号を再生するとき、この誤り訂正処理時間が上記
最悪のパターンにおいて再生時に誤り訂正処理に要する
と想定した処理時間内に終了しない場合が生じてしまう
虞れがある。
【0200】そこで、本発明の誤り訂正方法は、誤り訂
正処理時間の短縮化を図るために、例えばある系列にエ
ラーポインタEが1データワードだけ存在すると共に、
エラーポインタNとエラーポインタUの混じった上記エ
ラーポインタEのデータワード以外のデータワードから
誤り訂正した場合、前記表6の区分nに示したようにエ
ラーレベルの高いNを誤り訂正後のエラーポインタに設
定している。しかしながら、エラーポインタEが全ブロ
ック内で検出されずに、エラーポインタNが1個だけ検
出され、かつ残りのデータワードのエラーポインタがU
を含んでいる表6に示す区分j、kの場合は、エラーポ
インタNをエラーポインタUへの訂正を行わない。
【0201】特に、エラーポインタN、Uが混じった系
列においてパリティエラーが検出された上記区分kの場
合は、エラーフラグNER だけでなく、エラーフラグUER
も“1”をセットする。表6に示す条件処理に応じた誤
り訂正処理を行う際に、これらの2つのエラーフラグNE
R 、UER と4つのエラーポインタE、N、U、Sをセッ
トして前述したデータの伸張処理において示した表1に
示す条件との組合せを用いて誤り検出すると共に、上記
処理時間内に全て誤り訂正処理が完了するように誤り訂
正の効率化を図っている。
【0202】このように各処理を行うことによってこの
一連の誤り訂正処理は、誤り訂正の見逃しを最小限に抑
えながら、誤り訂正能力を向上させることができる。ま
た、この誤り訂正処理においてエラーポインタの記号を
Sに訂正するために要する処理時間も前述した条件設定
及び誤り訂正処理によって(ブロック数×6回)以内で
終了させることができる。
【0203】次に、この誤り検出及び誤り訂正処理によ
り図4に示した概略的なフローチャートにおいて例えば
偶数系列の誤り訂正処理が全て終了してステップS20
に移行する。このステップS20は、メモリにデータを
格納セーブする処理( SAVE.IGNR)である。これは、後段
のステップにおいて行われる奇数系列の誤り検出及び誤
り訂正処理において偶数系列の誤り検出及び誤り訂正処
理で確定させたエラーフラグ等の情報が壊されてしま
う。このために上記偶数系列の誤り検出及び誤り訂正処
理で生成された情報をメモリに待避させる必要が生じ
る。
【0204】この処理において待避させる情報の具体的
な一例は、このステップS20の直前まで行われていた
偶数系列の誤り訂正処理の終了した時点での3ビットの
エラーフラグPER 、NER 、UER の値がレジスタに入って
いるので、このエラーフラグPER 、NER 、UER の値と、
上記エラーフラグPER と上記エラーフラグUER の論理和
をとった値をさらに反転させた1ビットからなるフラグ
INV.PER+UER をそれぞれメモリにセーブしている。
【0205】また、上記エラーフラグNER 、UER は、上
述したようにステップS14の偶数系列におけるデータ
の伸張処理(EXPAND(EV))においてエラーの確定する指標
として用いる。ステップS14で3つのエラーフラグPE
R 、NER 、UER の組合せ条件を検討してみると、前記表
1に示したように6通りの場合がある。
【0206】ここで、フラグINV.PER+UER をセーブして
いるのは、ステップS21において前の偶数系列内に誤
りがなかった場合、奇数系列に対して処理をステップS
25にジャンプさせて時間の短縮化を図るためである。
このため、この3つのエラーフラグPER 、NER 、UER を
用いると、系列内に誤りの有無が容易に知ることができ
る。この誤りの有無は上記エラーフラグのいずれも
“1”でなかったことを調べれば判る。すなわち、この
上記エラーフラグのいずれも“1”でないことを示すフ
ラグIGNRの値によってステップS21では、ジャンプを
行うか否かの判断を行っている。
【0207】上記エラーフラグPER 、NER 、UER の組合
せ条件から、エラーフラグのいずれも“1”でないこと
の検出処理が少なく済ませられる条件を包括的に検討す
ると、上記エラーフラグNER の値が“1”のとき、エラ
ーフラグPER の値は必ず“1”になることが判る。この
事実を利用すると、全てのエラーフラグが立っていない
状況は、上記エラーフラグPER と上記エラーフラグUER
の論理和をとった値をさらに反転させた1ビットで表す
ことができることになる。
【0208】ステップS21において一時待避したフラ
グINV.PER+UER をメモリから読み出して例えば他のサブ
ルーチンで用いられているフラグIGNRに情報を置換して
与えている。このフラグIGNRの値が“1”のとき、全て
のエラーフラグが立っていないと判断してステップS2
5にジャンプする。また、上記フラグIGNRの値が“0”
のとき、パリティエラーが偶数系列のブロック内に検出
されたことを示している。このため、奇数系列の誤り検
出及び誤り訂正処理における誤り検出処理、すなわちス
テップS22(CHK.P(OD))、ステップS23(CHK.Q(O
D))及びステップS24(BLK.CHK(OD))は、順次行われ
る必要が生じる。
【0209】ここで、この奇数系列の誤り検出の必要性
が生じる理由について説明する。ディジタルオーディオ
信号を磁気テープから再生するとき、このディジタルオ
ーディオデータの系列で隣接するデータの奇数系列と偶
数系列は、フォーマットから磁気テープ上において5ト
ラック(あるいは5V)ずつ離れている。
【0210】従って、この再生時に同じCRCブロック
の偶数系列のデータに対する奇数系列のデータは、偶数
系列のデータと同じ状況を示してメモリ上において5ト
ラック分多い数値のアドレスに書き込まれることにな
る。このため、ブロック完結型を示すあるトラックの偶
数系列にパリティエラーが検出されたならば、このパリ
ティエラーは、上記トラックの5トラック後にある奇数
系列にもパリティエラーが存在することを意味するから
である。
【0211】そこで、この関係を利用すると、データワ
ードを偶数系列と奇数系列の複数に分割した一方と、例
えば偶数系列に対して全く同じP系列及びQ系列の誤り
検査訂正符号の符号化を行う場合に上記P系列及び上記
Q系列の誤り検査符号で誤りが検出されなかったときの
誤り訂正は、他方の、例えば奇数系列に対して誤り検出
を行わずに上記CRC検査符号の結果だけを用いて誤り
訂正を行うことができることになる。
【0212】具体的な例を挙げると、先ず、メモリから
偶数系列においていずれもフラグが立っていないことを
示す情報であるフラグINV.PER+UER は、奇数系列におい
て5トラック分遅延させて読み出している。次に、フラ
グINV.PER+UER =フラグIGNRとしてフラグIGNRが“1”
を示すとき、上記5トラック後の奇数系列は誤り検出を
行わず、すなわち奇数系列内のパリティエラーを無視し
てCRCエラーの誤り訂正だけを行うようにステップS
25に進む。
【0213】このように系列内のデータワードを偶数系
列と奇数系列の複数に分割した一方の系列の情報に応じ
て後段に用意されている各誤り検査処理を省くことがで
き、大幅に誤り訂正に要する時間の短縮化を図ることが
できる。
【0214】以上のように誤り検出及び誤り訂正を行う
ことによって、セーフのデータワードを誤りとみなした
り、誤りのデータワードをセーフとみなす見逃しを最小
限にすることができ、例えば平均値補間処理や前値ホー
ルド等の処理を行うことを少なく抑えると共に、誤りの
データワードの見逃しも減らすことで誤訂正の防止を図
ることができる。これは、上記見逃しによる誤訂正の広
がりで生じる異常音の発生を防止して訂正能力の向上も
同時に実現する。
【0215】また、誤り訂正においてデータワードを奇
数系列(ODD)と偶数系列(EVEN)の複数に分割して全く同
じパリティP、Qの誤り検査・訂正符号の符号化を行っ
ている場合、一方の系列においてパリティP、Qの誤り
検査符号に誤りが検出されなかったとき、他方の系列の
パリティP、Qの誤り検査符号に対する誤り検査を行わ
ずにCRC符号の結果を用いた誤り訂正だけを行うだけ
でもほとんどの場合における誤り訂正を略々完了させる
ことができる。これにより、この誤り訂正方法は誤り訂
正の処理時間の短縮化を実現し、消費電力も減らしてい
る。
【0216】また、本発明の誤り訂正方法によれば、誤
りのデータワードを含む全てのデータワードの排他的論
理和をとっておくと共に、誤り訂正すべきデータワード
を確定させた後に上記誤りのデータワードと再び排他的
論理和をとって得られる誤り訂正データを用いて誤り訂
正することにより、誤り訂正を要するデータワードを効
率よく訂正することができる。
【0217】上記未確定の指標であるエラーポインタに
対して例えばQ系列において1回の誤り訂正、または上
記エラーポインタの書き換えを処理を行い、P系列では
誤り訂正、または上記エラーポインタの書き換えを行っ
たデータワードを通る上記Q系列で誤り訂正処理を行っ
て、誤り訂正が続く限り上記両処理を交互に繰り返し行
うことによって、短時間で訂正可能な全てのデータワー
ドを訂正することができる。このため、再生時のデータ
は訂正能力の向上につながり、消費電力も減少させてい
る。
【0218】上記ブロック完結型のディジタル信号を復
号する誤り訂正方法において、限定された時間内に誤り
検出及び誤り訂正を行うプログラムの最初に必須の処理
を配し、誤り訂正における繰り返し処理を最後に配する
ことにより、例えばデータ伸張処理が行われず、圧縮さ
れたデータのまま信号として再生されることを防止する
ことができる。
【0219】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る誤り検出方法によれば、ディジタル信号の所定
ビットによりデータワードを形成し、このデータワード
の連続する所定数をデータブロックとし、データブロッ
ク内の系列による誤り検査訂正符号が設けられたディジ
タル信号を復号するブロック完結型の誤り検出方法にお
いて、誤り検査又は誤り訂正の後に、データブロック内
のデータワードに対して、複数のデータワード内に誤り
を含むことを示す誤りレベル又は含まないことを示す誤
りレベル以外に、誤りを含むか否か確定しない未確定で
あることを示す誤りレベルの指標が付されるため、セー
フのデータワードを誤りとみなしたり、誤りのデータワ
ードをセーフとみなす見逃しを最小限にすることができ
る。
【0220】上記複数の指標の誤りレベルは、誤りとな
る確率に応じて設定することにより、誤り検査の効率を
上げることができる。
【0221】伝送媒体上で連続するデータワードの所定
数をデータブロックとし、上記データブロック内の系列
による第1の誤り検査符号を設けると共に、上記データ
ブロック内の他の系列に対して第2及び第3の誤り検査
訂正符号の符号化がなされた誤り検出方法において、上
記第1の誤り検査符号によって誤りが検出されないデー
タブロック内のいずれのデータワードも上記第2及び第
3の誤り検査訂正符号の系列で検査不能のとき、上記デ
ータブロック内の全データワードに一つの誤りレベルを
示す指標を付すことにより、例えば平均値補間処理や前
値ホールド等の処理を行うことを少なく抑えると共に、
誤りのデータワードの見逃しも最小限に減らすことで誤
訂正の防止を図ることができる。これらの誤り検査方法
により、上記見逃しによる誤訂正の広がりで生じる異常
音の発生を防止して訂正能力の向上も同時に実現するこ
とができる。
【0222】また、上記系列内の最も誤りレベルの高い
データワードの誤り訂正に際して同じ系列内の上記デー
タワード以外の他のデータワードをすべて正しいと仮定
して訂正したとき、上記誤り訂正されたデータワードに
対して新たに付す指標を上記の正しいと仮定したデータ
ワード内で最も誤りレベルの高いデータワードに付され
ている指標と同じ指標を付すことにより、誤りの可能性
のレベルを限定して誤り訂正処理時間を短縮化すること
ができる。
【0223】ある誤りレベルを含んでいる一つの系列の
誤り訂正方法において、誤り訂正中に1回でも誤りが検
出されたとき、誤り訂正後に検出された誤りレベルより
も高い誤りレベルの指標を有するデータワードは全て誤
りとみなすして誤り検出することにより、誤りの見逃し
を最小限にすることができる。
【0224】さらに、誤り訂正中に誤りを検出するため
に系列内の各データワードに対応して付されている各誤
りレベル毎に1ビットの指標を設けることにより、誤り
検出における効率を上げることができる。
【0225】また、本発明の誤り訂正方法によれば、第
1の誤り検査符号を用いて誤り検出を行った後、第2及
び第3の誤り検査訂正符号で誤りが検出されなかったと
きの誤り訂正を、他方に対して誤り検出を行わずに他方
の第1の誤り検査符号の結果を用いた誤り訂正のみを行
うことにより、殆どの場合における誤り訂正を略々想定
している処理時間内に完了させることができる。これに
より、この誤り訂正方法は、誤り訂正の処理時間の短縮
化を実現し、消費電力も減らすことができる。
【0226】また、本発明の誤り訂正方法によれば、誤
りのデータワードを含む全てのデータワードの排他的論
理和をとっておくと共に、誤り訂正すべきデータワード
を確定させた後に誤り訂正すべきデータワードと排他的
論理和の結果との排他的論理和をとって得られる誤り訂
正データを用いて誤り訂正することにより、誤り訂正を
要するデータワードを効率よく訂正できる。
【0227】また、本発明の誤り訂正方法によれば、誤
り検査の後に、データブロック内のデータワードに対し
て、複数のデータワード内に誤りを含むことを示す誤り
レベル又は含まないことを示す誤りレベル以外に、誤り
を含むか否か確定しない未確定であることを示す誤りレ
ベルの指標を付ける第1のステップと、未確定の誤りレ
ベルの指標に対して第2又は第3の系列で誤り訂正を1
回、又は誤りレベルの指標の書き換えを行う第2のステ
ップと、第2又は第3の系列で誤り訂正、又は指標の書
き換えが行われたデータワードを通る第2又は第3の系
列による誤り訂正処理を行う第3のステップとを有し、
誤り訂正が続く限り第2のステップと第3のステップと
を交互に繰り返して誤り訂正を行うことにより、誤り検
出方法において設定した未確認の誤りレベルを有するデ
ータワードの誤り検出を行いながら、再生時のデータ
は、訂正能力の向上と誤り訂正の処理時間の短縮化を実
現し、消費電力も減らすことができる。
【0228】このブロック完結型のディジタル信号を復
号する誤り訂正方法によれば、限定された時間内に誤り
検出及び誤り訂正を行うプログラムの最初に、繰り返し
て誤り訂正を行う処理以外の処理を配し、繰り返して誤
り訂正を行う処理を最後に配することにより、例えばデ
ータ伸張処理が行われず、圧縮されたデータのまま信号
として再生されるようなことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気テープに記録されたブロック完結型のディ
ジタルオーディオデータのクロスインタリーブにおける
符号ブロックの構成を説明する模式的な図である。
【図2】図1に示した符号ブロック内の1データブロッ
クの構成を説明するための模式的な図である。
【図3】図1及び図2に示したメモリ上の1データワー
ドの構成を説明するための模式的な図である。
【図4】本発明に係る誤り検出方法及び誤り訂正方法の
一実施例における概略的な動作を示すフローチャートで
ある。
【図5】本発明に係る誤り訂正方法におけるP系列とQ
系列を交互に繰り返し処理して誤り訂正する手順を説明
するための模式的な図である。
【符号の説明】
E、N、U、S・・・・・・・・エラーポインタの記号 PER 、NER 、UER ・・・・・・・エラーフラグ IGNR・・・・・・・・・・・・・フラグ PT1、PT2・・・・・・・・エラーポインタの各ビ
ット P3、P2・・・・・・・・・・P系列の検査結果を示
すビット P1、P0・・・・・・・・・・Q系列の検査結果を示
すビット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 13/00 G11B 20/00 H04L 1/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル信号の所定ビットによりデー
    タワードを形成し、このデータワードの連続する所定数
    をデータブロックとし、上記データブロック内の系列に
    よる誤り検査訂正符号が設けられたディジタル信号を復
    号するブロック完結型の誤り検出方法において、誤り検査又は誤り訂正の後に、上記データブロック内の
    データワードに対して、複数の上記データワード内に誤
    りを含むことを示す誤りレベル又は含まないことを示す
    誤りレベル以外に、誤りを含むか否か確定しない未確定
    であることを示す 誤りレベルの指標を付けることを特徴
    とする誤り検出方法。
  2. 【請求項2】 上記複数の指標の誤りレベルは、誤りと
    なる確率の順に応じて設定することを特徴とする請求項
    1記載の誤り検出方法。
  3. 【請求項3】 伝送媒体上で連続するデータワードの所
    定数をデータブロックとし、上記データブロック内の系
    列による第1の誤り検査符号を設けると共に、上記デー
    タブロック内の他の系列に対して第2及び第3の誤り検
    査訂正符号の符号化がなされた誤り検出方法において、 上記第1の誤り検査符号によって誤りが検出されないデ
    ータブロック内のいずれのデータワードも上記第2及び
    第3の誤り検査訂正符号の系列で検査不能のとき、上記
    データブロック内の全データワードに1つの誤りレベル
    を示す指標を付すことを特徴とする請求項1記載の誤り
    検出方法。
  4. 【請求項4】 上記系列内の最も誤りレベルの高いデー
    タワードの誤り訂正に際して同じ系列内の上記データワ
    ード以外の他のデータワードを全て正しいと仮定して訂
    正したとき、上記誤り訂正されたデータワードに対して
    新たに付す指標を上記の正しいと仮定したデータワード
    内で最も誤りレベルの高いデータワードに付されている
    指標と同じ指標を付すことを特徴とする請求項1記載の
    誤り検出方法。
  5. 【請求項5】 ある誤りレベルを含んでいる1つの系列
    において、誤り訂正中に1回でも誤りが検出されたと
    き、誤り訂正後に検出された誤りレベルよりも高い誤り
    レベルの指標を有するデータワードは全て誤りとみなし
    て誤り検出することを特徴とする請求項1記載の誤り検
    出方法。
  6. 【請求項6】 ある誤りレベルを含んでいる1つの系列
    において、誤り訂正中に誤りを検出するために系列内の
    各データワードに対して付されている各誤りレベル毎に
    1ビットの指標を設けることを特徴とする請求項5記載
    の誤り検出方法。
  7. 【請求項7】 ディジタル信号の所定ビットによりデー
    タワードを形成し、このデータワードの連続する所定数
    をデータブロックとし、上記データブロック内の系列に
    よる第1の誤り検査符号が設けられ、上記データワード
    を複数に分割すると共に、分割された一方と他方に対し
    て第2及び第3の誤り検査訂正符号の符号化を全く同じ
    に行っているブロック完結型のディジタル信号を復号す
    る誤り訂正方法において、上記第1の誤り検査符号を用いて誤り検出を行った後、 上記第2及び第3の誤り検査訂正符号で誤りが検出され
    なかったときの誤り訂正を、上記他方に対して誤り検出
    を行わずに上記他方の第1の誤り検査符号の結果を用い
    た誤り訂正のみを行うことを特徴とする誤り訂正方法。
  8. 【請求項8】 ディジタル信号の所定ビットによりデー
    タワードを形成し、このデータワードの連続する所定数
    をデータブロックとし、上記データブロック内の系列に
    よる誤り検査訂正符号が設けられたブロック完結型のデ
    ィジタル信号を復号する誤り訂正方法において、 誤りのデータワードを含む全てのデータワードの排他的
    論理和をとっておくと共に、誤り訂正すべきデータワー
    ドを確定させた後に上記誤り訂正すべきデータワードと
    上記排他的論理和の結果との排他的論理和をとって得ら
    れる誤り訂正データを用いて誤り訂正することを特徴と
    する誤り訂正方法。
  9. 【請求項9】 ディジタル信号の所定ビットによりデー
    タワードを形成し、このデータワードの連続する所定数
    をデータブロックとし、上記データブロック内の系列に
    よる第1の誤り検査符号が設けられ、上記データワード
    に対して第2及び第3の誤り検査訂正符号の符号化を全
    く同じに行っているブロック完結型のディジタル信号を
    復号する誤り訂正方法において、誤り検査の後に、上記データブロック内のデータワード
    に対して、複数の上記データワード内に誤りを含むこと
    を示す誤りレベル又は含まないことを示す誤りレベル以
    外に、誤りを含むか否か確定しない未確定であることを
    示す誤りレベルの指標を付ける第1のステップと、 上記 未確定の誤りレベルの指標に対して第2又は第3の
    系列で誤り訂正を1回、又は誤りレベルの指標の書き換
    えを行う第2のステップと、 上記第2又は第3の系列で誤り訂正、又は上記指標の書
    き換えが行われたデータワードを通る上記第2又は第3
    の系列による誤り訂正処理を行う第3のステップとを有
    し、 誤り訂正が続く限り上記第2のステップ第3のステッ
    プとを交互に繰り返して誤り訂正を行うことを特徴とす
    る誤り訂正方法。
  10. 【請求項10】 限定された時間内に誤り検出及び誤り
    訂正を行うプログラムの最初に、上記繰り返して誤り訂
    正を行う処理以外の処理を配し、上記繰り返して誤り訂
    正を行う処理を最後に配することを特徴とする請求項9
    記載の誤り訂正方法。
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