JP3258639B2 - 新規生理活性ペプチド及びその用途 - Google Patents

新規生理活性ペプチド及びその用途

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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な生理活性ペプ
チド及びその用途に関し、更に詳細には、ヒト型脳性ナ
トリウム利尿ペプチド及びこれを含有する高血圧症、浮
腫性疾患、心不全、腎不全等の循環器系疾患治療剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】最近、ブタ脳からペプチドが単離、構造
決定され、その構造及び生理活性作用が心房性ナトリウ
ム利尿ペプチド(以下ANPと略す)とよく似ていること
から、脳性ナトリウム利尿ペプチド(Brain Natriureti
c Peptide;以下BNPと略す)と命名された〔須藤ら,Na
ture,332,78-80(1988)〕。BNPは生体の体液容量、電
解質バランス及び血圧の調節に関与しており、これによ
り生体ではANPとBNPによる2重の調節機構が存在するこ
とが示された。
【0003】一方、このブタBNPのcDNAがクローニング
され、ブタBNPの前駆体の構造が明らかにされている
〔前川ら;Biochem. Biophys. Res. Commun., 157(1),
410-416(1988)〕。更にこのブタBNPのcDNAをプローブと
してヒトBNPのcDNAがクローニングされ、その構造解析
によりヒトBNPのアミノ酸配列が推定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒトBN
Pが単離もしくは合成された報告はなく、どのような作
用あるいは活性を有しているのか不明である。従ってこ
のヒトBNPを合成し、その生物活性を公知のナトリウム
利尿ペプチドと比較し、その有用性を探索することは、
医薬品開発上、抗体産生等の副作用を回避する意味で重
要である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記ヒト
BNPのアミノ酸配列の推定に基づき、新規物質であるヒ
トBNP誘導体を合成し、その薬理作用についてさらに検
討を進めたところ、これらの物質が既知のナトリウム利
尿ペプチドが有する平滑筋弛緩作用、ナトリウム利尿作
用を有することを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、式(1)
【0007】
【化2】
【0008】で表わされる生理活性ペプチド又はその
塩、及びこれを含有する循環器系疾患治療剤を提供する
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、XがH-Gly-Ser-
Gly-であるペプチド(1)をヒトBNP-26と称し、XがH-Ser
-Pro-Lys-Met-Val-Gln-Gly-Ser-Gly-であるペプチド(1)
をヒトBNP-32と称することがある。
【0010】なお、本明細書において、ペプチド中の略
称は、当該分野において一般に使用されるものであり、
次の意味を有する。
【0011】 Asp:L-アスパラギン酸 Ser:L-セリン Gly:グリシン Cys:L-システイン Phe:L-フェニルアラニン Arg:L-アルギニン Leu:L-ロイシン Ile:L-イソロイシン Asn:L-アスパラギン Val:L-バリン Tyr:L-チロシン
【0012】本発明のペプチド(1)は、ペプチド合成に
常用される固相法又は液相法〔例えば、泉屋信夫ら著
「ペプチド合成」1984年,丸善(株)発行;日本化学会
編「生化学実験講座(I)/タンパク質の化学」4巻,20
8〜495頁,1977年,東京化学同人発行等〕によって製造
することができる。
【0013】例えば固相法によって本発明ペプチド(1)
を合成する場合、使用するアミノ酸のα-アミノ基は9-
フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)、ア
スパラギン酸のβ-カルボキシル基はtert-ブチル基(tB
u基)、アルギニンのグアニジノ基は4-メトキシ-2,3,6-
トリメチルベンゼンスルホニル基(Mtr基)、セリンの
水酸基はtert-ブチル基(tBu基)、システインのチオー
ル基はアセトアミドメチル基(Acm基)、ヒスチジンの
イミダゾール基はトリチル基(Trt基)、リジンのε-ア
ミノ基はtert-ブチルオキシカルボニル基(Boc基)で保
護することが好ましい。また、使用する不溶性樹脂は、
p-アルコキシベンジルアルコール樹脂(Wang Resin)が
好ましい。保護アミノ酸の縮合はジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)法、1,3-ジイソプロピルカルボジイ
ミド(DIC)による活性エステル法、DCCによる酸無水物
法、ジフェニルリン酸アジド法(DPPA)法等を用いるの
が好ましい。しかし、アミノ酸の保護基は上記のものに
限定されるものではなく、例えば使用するアミノ酸のα
-アミノ基はtert-ブチルオキシカルボニル基(Boc基)
で保護してもよい。
【0014】固相法による本発明ペプチド(1)の製造
は、例えば以下のようにして行なわれる。まずC末端ア
ミノ酸であるHisの保護誘導体Fmoc-His(Trt)-OHをp-ア
ルコキシベンジルアルコール樹脂に導入し、以後対応す
る保護アミノ酸を順次結合させ、保護ペプチド樹脂を合
成する。次いで、ピペリジン及びトリフルオロ酢酸(TF
A)による処理、ピペリジン及びトリメチルシリルブロ
マイド(TMSBr)による処理〔Chem. Pharm. Bull., 35
(9), 3880(1987)〕等により、樹脂からのペプチドの切
断とAcm基以外の保護基の除去を同時に行ない、システ
インのチオール基にAcm基を有するペプチド〔CYS(Acm)-
ペプチド〕を得る。次にこれをヨウ素で酸化することに
より、チオールの保護基を脱離させると同時に、ペプチ
ド分子内の2つのシステインのチオール基によるジスル
フィド結合を形成させることにより、粗合成ペプチドを
得る。
【0015】得られた粗合成ペプチドの精製は、常法、
例えばゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、逆相
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により行うこと
ができる。
【0016】なお、本発明ペプチド(1)は、塩酸、硫
酸、燐酸等の無機酸や蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、
フマル酸、マレイン酸等の有機酸を用いて、常法に従っ
て酸付加塩とすることができる。
【0017】本発明のペプチド又はその塩の投与に際し
ては、ペプチド系医薬の投与に使用されている方法、す
なわち静脈注射、筋肉内注射、皮下注射、あるいは舌下
投与、鼻内投与、直腸投与を採用することができる。ま
たこのペプチドを危険な又は有害な副作用を生じさせる
ことなく投与できる量は、0.5μg/kg〜100mg/kgの範囲
が好ましい。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】実施例1 〔A〕ペプチドヒトBNP-26及びヒトBNP-32の合成:
【0020】(1) 保護ペプチド樹脂の合成 保護ペプチド樹脂の合成においては、各構成アミノ酸の
α-アミノ基はすべて9-フルオレニルメチルオキシカル
ボニル基(Fmoc基)で保護し、活性な側鎖のうち、アス
パラギン酸のβ-カルボキシル基はtert-ブチル基(tBu
基)で、アルギニンのグアニジノ基は4-メトキシ-2,3,6
-トリメチルベンゼンスルホニル基(Mtr基)で、セリン
の水酸基はtert-ブチル基(tBu基)で、システインのチ
オール基はアセトアミドメチル基(Acm基)で、ヒスチ
ジンのイミダゾール基はトリチル基(Trt基)で、リジ
ンのε-アミノ基はtert-ブチルオキシカルボニル基(BO
C基)で保護した。また、樹脂としては、保護Hisを導入
したp-アルコキシベンジルアルコール樹脂1.0gを用い
た。
【0021】保護アミノ酸の縮合にあたっては、樹脂に
結合している保護ペプチドの末端のアミノ基の保護基で
あるFmoc基をピペリジンで室温下6分間処理することを
2回繰り返し、ほぼ完全に除去した。ついでこの脱Fmoc
化で遊離したアミノ基を目的のペプチドのアミノ酸配列
における次に位置するアミノ酸のFmoc保護誘導体のカル
ボキシル基と縮合した。この保護アミノ酸の縮合におい
ては、Fmoc-アミノ酸1mmolを1-ヒドロキシベンズトリ
アゾールの存在下、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド
(DIC)と処理することにより縮合した。この操作によ
って反応が完結してしない場合は、同じ操作を繰り返し
た。なお、反応の進行及び完結はニンヒドリンによるカ
イザーテストでモニターした。
【0022】このようにして、Fmoc-Gly-Ser(tBu)-Gly-
Cys(Acm)-Phe-Gly-Arg(Mtr)-Lys(Boc)-Met-Asp(tBu)-Ar
g(Mtr)-Ile-Ser(tBu)-Ser(tBu)-Ser(tBu)-Ser(tBu)-Gly
-Leu-Gly-Cys(Acm)-Lys(Boc)-Val-Leu-Arg(Mtr)-Arg(Mt
r)-His(Trt)-樹脂を合成した。この段階でこのものを一
部取り出し、前述の方法に従って保護ペプチドの末端の
アミノ基の保護基であるFmoc基を除去し、H-Gly-Ser(tB
u)-Gly-Cys(Acm)-Phe-Gly-Arg(Mtr)-Lys(Boc)-Met-Asp
(tBu)-Arg(Mtr)-Ile-Ser(tBu)-Ser(tBu)-Ser(tBu)-Ser
(tBu)-Gly-Leu-Gly-Cys(Acm)-Lys(Boc)-Val-Leu-Arg(Mt
r)-Arg(Mtr)-His(Trt)-樹脂(以下、保護ヒトBNP-26樹
脂という)を670mg得た。
【0023】残りをさらにN端延長の反応にかけ、Fmoc
-Ser(tBu)-Pro-Lys(Boc)-Met-Val-Gln-Gly-Ser(tBu)-Gl
y-Cys(Acm)-Phe-Gly-Arg(Mtr)-Lys(Boc)-Met-Asp(tBu)-
Arg(Mtr)-Ile-Ser(tBu)-Ser(tBu)-Ser(tBu)-Ser(tBu)-G
ly-Leu-Gly-Cys(Acm)-Lys(Boc)-Val-Leu-Arg(Mtr)-Arg
(Mtr)-His(Trt)-樹脂を得た。次いで前述の方法に従っ
て保護ペプチドの末端のアミノ基の保護基であるFmoc基
を除去し、H-Ser(tBu)-Pro-Lys(Boc)-Met-Val-Gln-Gly-
Ser(tBu)-Gly-Cys(Acm)-Phe-Gly-Arg(Mtr)-Lys(Boc)-Me
t-Asp(tBu)-Arg(Mtr)-Ile-Ser(tBu)-Ser(tBu)-Ser(tBu)
-Ser(tBu)-Gly-Leu-Gly-Cys(Acm)-Lys(Boc)-Val-Leu-Ar
g(Mtr)-Arg(Mtr)-His(Trt)-樹脂(以下保護ヒトBNP-32
樹脂という)を1.5g得た。
【0024】(2) Cys(Acm)-ヒトBNP-26の合成 保護ヒトBNP-26樹脂600mgをチオアニソール2.4mlと共に
反応器中に入れ、トリフルオロ酢酸(TFA)20ml、トリ
メチルシリルブロマイド(TMSBr)2.6ml及びエタンジチ
オール2.4mlを加え、0℃で3時間反応させた。反応終
了後、エーテル200mlで洗ってアニソールを除去し、1
N酢酸20mlで生成物を抽出した。樹脂及び不溶物を遠心
分離でとりのぞき、氷冷しながら1Mフッ化ナトリウム
(NaF)1mlを加え、5%アンモニア水でユニバーサル
試験紙上pH約8に調整して30分放置した。その後、再び
1N酢酸を加えてpH5に再調整し、更に水で10倍に希釈
した。これを60mlのODS樹脂〔LC-Sorb(ケムコ製)〕を
充填したカラム(φ3cm×8.5cm)に吸着させ、0.1N酢
酸でよく洗浄した後、0.1%TFAを含む60%アセトニトリ
ル200mlで溶出した。アセトニトリルを減圧下留去後、
凍結乾燥して300mgの粗Cys(Acm)-ヒトBNP-26を得た。
【0025】このものを1N酢酸9mlに溶かし、9回に
分けて逆相HPLCにかけた〔カラム:ヌクレオシル120-5C
18,φ20mm×250mm,流速5ml/分,溶媒系:(A) 水:
アセトニトリル:10%TFA=90:10:1,(B) 水:アセ
トニトリル:10%TFA=40:60:1,(A):(B)=90:10
から(A):(B)=55:45までの120分間の直線グラジエン
ト〕。この操作を9回繰り返し57〜61分のところに溶出
されるメインピークを分取した。この分画を、減圧下ア
セトニトリルを留去後、凍結乾燥を行ない、Cys(Acm)-
ヒトBNP-26を96.0mg得た。
【0026】(3) ヒトBNP-26の合成 ヨウ素227mgを95%酢酸50mlに溶かし、1N塩酸80μlを
加えたもの(以下A液という)を用意した。
【0027】また、クエン酸2.1g、L-アスコルビン酸57
5mgを2N水酸化ナトリウム10mlに溶かし、水を加えて5
0mlとしたもの(以下B液という)を用意した。
【0028】89.0mgのCys(Acm)-ヒトBNP-26を90%酢酸
5mlに溶かしたものをA液30mlに室温下撹拌しながら滴
下し、20分間さらに撹拌した。その後、B液をヨウ素の
かっ色が消えるまで滴下した。このものに水500mlを加
えて希釈し、30mlのODS樹脂〔LC-Sorb(ケムコ製)〕を
充填したカラム(φ2cm×9.5cm)に吸着させた。これ
を0.1N酢酸でよく洗浄した後、0.1%TFAを含む60%ア
セトニトリル60mlで溶出した。アセトニトリルを減圧留
去後、凍結乾燥し、粗ヒトBNP-26を60.0mg得た。このも
のを1N酢酸4mlに溶かし、4回に分けて逆相HPLCにか
けた〔カラム:ヌクレオシル120-5C18,φ20mm×250m
m,流速5ml/分,溶媒系;(A) 水:アセトニトリル:1
0%TFA=90:10:1,(B) 水:アセトニトリル:10%TF
A=40:60:1,(A):(B)=90:10から(A):(B)=55:4
5までの120分間の直線グラジエント〕。この操作を4回
繰り返し、62〜66分のメインピークを分取した。この分
画を、減圧下アセトニトリルを留去後、凍結乾燥して、
25mgのヒトBNP-26を得た。
【0029】(4) Cys(Acm)-ヒトBNP-32の合成 保護ヒトBNP-32樹脂700mgを前記(2)と同様に、チオアニ
ソールと共にTFA、TMSBr及びエタンジオールにより、樹
脂からの脱離、脱保護を行ない、さらに逆相HPLCによる
精製によりCys(Acm)-ヒトBNP-32を60.0mg得た。
【0030】(5) ヒトBNP-32の合成 60.0mgのCys(Acm)-ヒトBNP-32を前記(3)と同様に、ヨー
ドによる脱Acm、環化を行ない、粗ヒトBNP-32を20.0mg
得た。次にこのものを1N酢酸4mlに溶かし、4回に分
けて逆相HPLCにかけた〔カラム:ヌクレオシル120-5C1
8,φ20mm×250mm,流速5ml/分,溶媒系;(A) 水:ア
セトニトリル:10%TFA=90:10:1,(B) 水:アセト
ニトリル:10%TFA=40:60:1,(A):(B)=90:10か
ら(A):(B)=55:45までの120分間の直線グラジエン
ト〕。この操作を4回繰り返し、61〜64分のメインピー
クを分取した。減圧下アセトニトリルを留去後、凍結乾
燥し、5mgのヒトBNP-32を得た。
【0031】〔B〕物理化学的性質 上記〔A〕において得られたヒトBNP-26及び32の物理化
学的性質は、次の通りであった。
【0032】(a) 性状:白色粉末
【0033】(b) 溶媒に対する溶解性:水、酸性水溶
液、酢酸に可溶。クロロホルム、ベンゼン、エチルエー
テル、ヘキサンに不溶。
【0034】(c) 酸性、中性、塩基性の別:塩基性
【0035】(d) アミノ酸組成:表1の通り。
【0036】
【表1】
【0037】試験例1 <平滑筋弛緩作用> 本発明のペプチドの平滑筋弛緩作用について検討した結
果を次に示す。
【0038】(1) 試験方法 4〜7日齢のヒヨコの直腸を摘出し、長さ1.5cmの筋標
本とした。これを、3mlオルガンバス中、95%O2−5%
CO2ガスを通じ、32℃に保温したクレブス−ヘンスレイ
ト栄養液〔カルバコール(2×108M)を含む〕2.5ml中
に浸した。この筋標本に0.5gの静圧をかけ、約30分静置
して筋の自動運動が安定したところで被験物質としてヒ
トBNP-26を100ng投与し、投与後6〜8分間の筋の弛緩
を測定した。測定後すみやかにオルガンバスを洗い、20
〜30分おいて、被験物質としてヒトBNP-32を200ng用い
て上記操作を繰り返した。被験物質は所定量を生理食塩
水に溶解して用いた。
【0039】(2) 結果 その結果、図1及び2に示すように、本発明ペプチドは
100〜200ngの投与で強い平滑筋弛緩活性を示した。
【0040】
【発明の効果】本発明のペプチド又はその塩は優れた平
滑筋弛緩作用を有し、さらに利尿及びナトリウム利尿作
用、血圧降下作用を有し、かつヒト由来であるため安全
性が高く、例えば心臓性浮腫、腎臓性浮腫、肝性浮腫、
肺浮腫、高血圧症、うっ血性心不全、急性及び慢性腎不
全等の治療薬として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒヨコ直腸標本に本発明のヒトBNP-26を100ng
投与した場合の弛緩長さの経時変化を示す図である。
【図2】ヒヨコ直腸標本に本発明のヒトBNP-32を200ng
投与した場合の弛緩長さの経時変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高島 美加 東京都墨田区業平5丁目5番12号 第一 化学薬品株式会社 東京技術センター内 (72)発明者 松尾 壽之 宮崎県宮崎郡清武町大字木原6653番地 (56)参考文献 特表 平3−505280(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/575 A61K 38/16 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG) CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 で表わされる生理活性ペプチド又はその塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の生理活性ペプチド又はそ
    の塩を含有する循環器系疾患治療剤。
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