JP3258388B2 - 画像出力機器 - Google Patents

画像出力機器

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JP3258388B2
JP3258388B2 JP25893092A JP25893092A JP3258388B2 JP 3258388 B2 JP3258388 B2 JP 3258388B2 JP 25893092 A JP25893092 A JP 25893092A JP 25893092 A JP25893092 A JP 25893092A JP 3258388 B2 JP3258388 B2 JP 3258388B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真プロセスを応
用したデジタルカラー複写機、あるいはデジタルカラー
プリンタをはじめとする画像形成出力機器に関する。
【0002】
【従来技術】電子写真プロセスを応用した複写機やプリ
ンタ等では、回転する円筒状の感光体の表面や、ベルト
状に形成した感光体を走行させその表面に順次静電潜像
を形成し、形成した静電潜像に黒、及びカラー画像であ
れば各色のトナーを付着させて現像しそれを紙面に転写
して画像を得るようにしている。ここで、画像出力装置
における感光体ドラムや、ベルト状感光体の駆動ローラ
を回転体と称することにする。
【0003】そのため、何らかの影響で感光体に速度の
変動が生じると出力された画像にジッタや画像ムラが生
じる。このことは、感光体への書き込みを半導体レーザ
の走査によって行わせるデジタル方式の電子写真技術に
おいては特に顕著に現れ、感光体の回転の速度変動が書
き込み系の副走査方向の速度変動となり書き込みライン
の間隔に微妙なずれを生じさせて画像品質を著しく低下
させる原因となっていた。
【0004】一方、従来複写機やプリンタ等の駆動系の
設計は、駆動対象を、製品仕様から導かれたラインスピ
ード、回転数等の数値を満足させながら、許容されるス
ペースとの関係で適正配置を探ることに力点が置かれて
いた。すなわち動力源からの動力を駆動対象までどのよ
うに伝達するか、動力伝達の機械要素として何を用いる
かと言うようなことが大きな関心事であった。
【0005】したがって、できあがった製品に段ムラ、
回転ムラが発生すると原因を探り感光体の駆動軸の軸受
けを焼結品に変更したり、感光体の駆動軸にフライホイ
ールを連結させたり、感光体の回転軸にばねと摩擦部材
を組み合わせたブレーキを取り付けたり、歯車精度を向
上させたり、種々のねじり角を持つはすば歯車を使用す
る等という対策がとられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、デジタ
ル方式の画像出力機器の開発では、性能が向上するにつ
れ、レーザによる書き込みによる1ドットラインの再現
性が厳密に求められ、駆動系に要求される精度も急速に
厳しいものになった。ここで要求される精度は、レーザ
による書き込みの副走査方向の均一性が視覚系の可視感
度との関係で保証されるレベルであり、これを達成する
にあたっては、感光体駆動の高精度化が最大の技術課題
である。
【0007】駆動系の速度変動の主原因は、モータの回
転軸1回転あたりの速度変動と、歯車の1回転成分及び
1歯成分の絶対値が大きいことと、それらの変動成分と
その高調波成分が駆動系の固有振動数との関係で共振現
象を起こしていることであることが判明した。
【0008】図6に従来機の駆動系の速度変動パワース
ペクトルを示す。これによると、機械固有のラインスピ
ードに基づき歯車一歯による変動成分は、モータに直結
した歯車で176Hz、第2軸で64Hz、ドラムに直
結した歯車で25Hzのものを有し、その高調波成分と
して50Hzのものが現れている。またモ−タ−に直結
した歯車の一回転成分として22Hzを有し、その高調
波として44Hzが現れている。
【0009】一方、図7に駆動系の固有振動数を数値的
にとらえるための伝達関数の測定例を示す。この場合の
測定はデュアルチャンネルのFFTアナライザにインパ
クト加振ハンマの出力と、感光体ドラムの一端に回転方
向の加速度変動が測定できるように取り付けた圧電型ピ
ックアップセンサの出力を接続し、それぞれのフーリエ
スペクトルの比を求める方法で行った。この図7から、
本駆動系の固有振動数のピークが45Hz付近にあり、
伝達関数のレベルの高い領域が30〜60Hz付近まで
広がりを見せていることがわかる。
【0010】上記変動成分スペクトルと伝達関数とを重
ね合わせたのが図8である。この図からわかるように、
本駆動系は、伝達関数のピークと、変動成分及びその2
次高調波が存在する周波数領域の位置が重なりあってい
る。すなわち、本駆動系は変動成分を増幅させている
(共振を起こしている)系であることが判明した。
【0011】実際、本駆動系を有する機械3台について
実測値を調べてみると感光体の回転変動は5〜8%の値
を示していた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するため、モータや歯車など発生源での速度変動を
低減させることは前提として、更にこれに加え、駆動伝
達系での変動成分の伝達という点に着目し、伝達関数、
共振、固有振動数の概念を取り入れ、しかも、伝達され
た変動をいかに減衰させるかという点を考慮して、画像
出力装置を次のように構成した。
【0013】まず、回転体駆動系の共振を回避するため
に、回転体駆動系の固有振動数と、回転体駆動系に伝達
される変動成分の周波数の一致を防止することにした。
一般に、固有振動数ωは次の式で表現される。
【0014】
【数1】 式中Kは駆動系のねじり剛性、Iは慣性モーメントであ
る。共振の回避のためにKあるいはIの値を変更するこ
とによりωの値を変えることができる。共振の回避とい
う観点からはωを回転駆動系の変動成分に対し、大きく
してもよいし、また小さくしてもよい。ωを大きくする
方法としては、Kを大きくするか、Iを小さくすること
で実現できる。また、ωを小さくするためには、Iを大
きくするか、Kを小さくすると実現できる。
【0015】図9及び図10は図8に示したデータの駆
動系について、構造変更により固有振動数を大きい値
と、小さい値に移動させた場合の、駆動系の回転変動の
パワースペクトルと伝達関数の実測値について、図8と
同様に、重ね合わせを行ったものである。また、図11
は、以上の3つの駆動系についての伝達関数のピークの
値を比較したものである。図11における駆動系の低剛
性化の構造変更は、駆動系のねじり剛性Kの値を小さく
するものである。
【0016】図9、図10、図11のデータを比較し
て、考えられることは、共振の回避のために、固有振動
数を移動させるために駆動系のねじり剛性Kを小さくし
固有振動数をより低周波側に移動させる構造変更の場合
には、固有振動数の移動と共に伝達関数が小さくなって
いくことである。これは、固有振動数の移動のための構
造変更にともない、その柔軟構造化のために減衰要素の
増加が見られ、回転変動を駆動系そのものが吸収するよ
うな構造に移行するためと考えられる。
【0017】以上の結果、共振の回避のための固有振動
数の移動を実施する場合、駆動系のねじり剛性Kを小さ
くする構造変更が、回転速度の変動の伝達ゲインの大き
さの変化を伴い駆動系の速度変動を低減することに有利
でかつ効果的であることがわかる。
【0018】そこで本発明では、このような考え方に基
づき、回転体駆動系の固有振動数を低下させることと
し、その手段として、回転体を回転させる1部分を細径
にした駆動軸とこの回転体とを、駆動歯車に近い側の回
転体のフランジと駆動軸とは回動自在にし、駆動歯車と
遠い側のフランジと駆動軸とを結合させることとした。
【0019】
【作用】駆動歯車と遠い側で駆動軸と回転体のフランジ
とを連結させ駆動軸の有効長さを大きくしたことと、駆
動軸の1部を細径にしたので駆動系の剛性Kを小さく設
定することができ、その結果、数1で表される回転体駆
動系の固有振動数が低下するので、固有振動数と周波数
領域における変動成分の分離ができ、回転体駆動系の共
振を防止して回転体の速度変動を減少できる。更に、回
転体駆動系の剛性Kを小さくしたので、柔構造化の達成
により回転体駆動系の伝達ゲインが小さくなったことに
より回転体駆動における速度変動のレベルを小さくでき
る。これらにより、出力された画像品質を大きく向上さ
せことが実現できる。又、装置を小型化し、低コスト、
更にはシステム全体の信頼性を向上できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0021】図4に本発明の回転体を用いた電子写真画
像出力機器の全体を示す。この電子写真画像出力機器3
1は内部に回転体としての感光体ドラム2,現像部3、
感光体ドラム2を駆動する駆動機構等が取り付けられて
いる。
【0022】図2に感光体ドラム2と駆動機構4を示
す。駆動機構4は駆動用モータ5とそれに連結した歯車
群6からなり、歯車群6の最終歯車10に感光体ドラム
2の駆動歯車11が連結している。
【0023】感光体ドラム2は,円筒状のアルミニウム
母材からなり、図1に示すように両端にフランジ12a
及び12bが取り付けられ、側面に有機感光材料が塗布
してある。フランジ12a等の中心には、駆動軸13が
通してあり、この駆動軸13は、滑り軸受け21やボー
ルベアリングに回動自在に支持され且つ1部分Lが細径
になっており、前述した駆動歯車11が軸端に取り付け
られ、この駆動歯車11が最終歯車10に噛み合ってい
る。
【0024】そして、フランジ12a及び12bのう
ち、駆動歯車11の側のフランジ12aは駆動軸13に
固定されておらず、回転自在となっており、図面によれ
ば駆動軸13とフランジ12aとは直接接触している
が、この接触部分に滑り軸受けやボールベアリングを介
在させてもよい。他方のフランジ12bと駆動軸13は
ピン15により一体に固定されている。
【0025】このように、駆動歯車11側のフランジ1
2aと駆動軸13とを回転自在とし、駆動歯車11と遠
い側のフランジ12bで駆動軸13と連結したことか
ら、感光体ドラム2と、駆動軸13と、駆動歯車11か
らなる回転体駆動系の剛性が小さくなり、これによりこ
の回転体駆動系の固有振動数が低下する。
【0026】したがって、この固有振動数を適宜な値に
設定することができ、駆動機構4で発生した変動成分の
周波数との関係で固有振動数と変動成分とを分離させる
ことができ、感光体ドラム2の共振を防止でき、感光体
ドラム2を速度変動を生じさせることなく滑らかに回転
させて出力される画像品質を著しく向上させることがで
きる。
【0027】更に、剛性を低下させる構造変更の結果、
感光体ドラム2の伝達ゲインが低下できるので、最終歯
車10から入力される速度変動が減衰されやすくなり、
感光体ドラムの回転速度の変動を抑えることができる。
【0028】更に、以上は回転体が感光体ドラム2であ
ったが、感光体が回転体でなくともよく、図3、図5に
示すように、ベルト状感光体25を有し、このベルト状
感光体25を駆動する駆動ローラ26を本発明の回転体
とした画像出力装置でもよい。図3の実施例はその点で
図1の実施例と同一である。この場合においても、駆動
ローラ26を速度変動なく回転させることができ、した
がってベルト状感光体25を一定の速度で移送できるの
で、出力する画像品質を著しく向上させることができ
る。
【0029】更に、駆動ローラ26に上記第1実施例の
ごとく、滑り軸受けやボールベアリングを、駆動軸に固
定しない側のフランジ12aと駆動軸13の間に取り付
けてもよい。この場合にも、上述したと同様な効果が得
られる。
【0030】以上述べたように、駆動歯車11に近い側
のフランジ12aと駆動軸13とを回転自在にし、駆動
歯車11から遠い側のフランジ12bを駆動軸13に連
結させることにより駆動系の剛性を下げ、固有振動数を
下げて、駆動系に伝達される速度変動の周波数と一致さ
せないようにしたので、感光体ドラム2、あるいはベル
ト状感光体25の共振を防止でき、よって感光体を速度
変動を生じさせず一定の速度で回転、もしくは移送で
き、これにより画像品質を著しく向上できる。又、剛性
を下げたことから感光体ドラム2、もしくは駆動ローラ
26の伝達ゲインが低下し、変動が伝達されにくくな
る。更に、コンパクトな機構で実現でき装置を小型化
し、コストを下げることができ、またシステム全体の信
頼性を著しく向上させることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の画像出力装置によれば、駆動モ
ータに接続されて駆動される一部分が細径の駆動軸と、
この駆動軸に連結して一定速度で回転される回転体から
なる駆動系において、駆動軸に取り付けられた駆動歯車
と近い側のフランジと駆動軸とを回転自在にし、この駆
動歯車から遠い側のフランジと駆動軸とを連結させてこ
の回転体駆動系の剛性を下げたことによりこれらの固有
振動数を下げ、駆動モータ及びこれに連結する歯車の回
転によって発生する変動成分の周波数と一致しないよう
に設定したので、回転体の共振が防止でき回転体を速度
変動なく回転させることができる。
【0032】また、剛性を少なくするための構造変更に
より、駆動系の伝達ゲインを下げることができ、変動の
伝達を抑え、回転体の速度変動をより小さくすることが
できる。その結果、画像品質、特に書き込み系の副走査
方向に発生する段ムラ、ピッチムラと呼ばれる画像ムラ
が低減し、画像品質の著しい向上が得られた。
【0033】又、従来技術では機構が複雑で大型化して
いた装置を、簡単でコンパクトな機構により実現でき、
且つこのことによりコストダウンが図れた。更に、機構
が簡素化したことにより、システム全体の信頼性を著し
く向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる感光体駆動系の実施例を示す断
面図である。
【図2】回転体駆動系の全体を示す斜視図である。
【図3】本発明の感光体駆動系の他の実施例を示す断面
図である。
【図4】本発明にかかる電子写真画像出力機器を示す断
面図である。
【図5】本発明にかかる電子写真画像出力機器を示す断
面図である。
【図6】従来の感光体ドラムの速度変動のパワースペク
トルを示すグラフである。
【図7】従来の感光体駆動系の伝達関数を示すグラフで
ある。
【図8】従来の感光体ドラムの速度変動パワースペクト
ルと感光体駆動系の伝達関数を合わせ示したグラフであ
る。
【図9】固有振動数を大きくした場合の感光体駆動系の
伝達関数と感光体の速度変動パワースペクトルとを合わ
せ示したグラフである。
【図10】固有振動数を大きくした場合の感光体駆動系
の伝達関数と感光体の速度変動パワースペクトルとを合
わせ示したグラフである。
【図11】各駆動径の伝達関数のピークの値を示すグラ
フである。
【符号の説明】
2 感光体ドラム 11 駆動歯車 12 フランジ 13 駆動軸 25 ベルト感光体 26 駆動ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−288183(JP,A) 特開 平2−115861(JP,A) 実開 昭55−71355(JP,U) 実開 昭61−61566(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/00 550 G03G 21/00 350 - 352 G03G 21/16 - 21/18 F16F 15/00 - 15/36 H04N 1/04 H04N 1/31

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体及び当該回転体を回転させるため
    の駆動軸からなる駆動系と、当該駆動系を回転させるた
    めのモータ及び駆動伝達系とを有する画像出力機器にお
    いて、前記モータ及び駆動伝達系で発生する変動成分の
    周波数と、前記駆動系の固有振動数とが一致しないよう
    に、前記回転体と前記駆動軸とを前記駆動伝達系に近い
    側で回転自在にするとともに当該駆動伝達系に遠い側に
    おいて一体に固定し、且つ、前記駆動軸の部分を細径
    にしたことを特徴とする画像出力機器
  2. 【請求項2】 前記回転体が感光体ドラムであることを
    特徴とする請求項1に記載の画像出力機器
  3. 【請求項3】 前記回転体がベルト状感光体を駆動する
    駆動ローラであることを特徴とする請求項1に記載の
    像出力機器
JP25893092A 1992-09-02 1992-09-02 画像出力機器 Expired - Lifetime JP3258388B2 (ja)

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JPH0683252A JPH0683252A (ja) 1994-03-25
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