JP3258348B2 - Hiv感染阻害剤 - Google Patents

Hiv感染阻害剤

Info

Publication number
JP3258348B2
JP3258348B2 JP21663191A JP21663191A JP3258348B2 JP 3258348 B2 JP3258348 B2 JP 3258348B2 JP 21663191 A JP21663191 A JP 21663191A JP 21663191 A JP21663191 A JP 21663191A JP 3258348 B2 JP3258348 B2 JP 3258348B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hiv
present
inhibitor
cells
hiv infection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21663191A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06183994A (ja
Inventor
三男 本多
浩 鈴木
清 保川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIRECTOR-GENERAL OF NATIONAL INSTITUTE OF INFECTIOUS DISEASES
Tosoh Corp
Original Assignee
DIRECTOR-GENERAL OF NATIONAL INSTITUTE OF INFECTIOUS DISEASES
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIRECTOR-GENERAL OF NATIONAL INSTITUTE OF INFECTIOUS DISEASES, Tosoh Corp filed Critical DIRECTOR-GENERAL OF NATIONAL INSTITUTE OF INFECTIOUS DISEASES
Priority to JP21663191A priority Critical patent/JP3258348B2/ja
Publication of JPH06183994A publication Critical patent/JPH06183994A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3258348B2 publication Critical patent/JP3258348B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インタ−ロイキン−6
(IL−6)、IL−6の産生を誘導する物質若しくは
IL−6の産生能力を付与され又はIL−6の産生能力
を増強された細胞を有効成分として含む、HIV感染阻
害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】AIDS(後天的免疫不全症候群、以下
エイズという)は、HIV(Human Immunodeficiency V
irus)の感染が原因で起こる疾患である。
【0003】エイズ患者では、T細胞表面抗原であるC
D4が陽性のT細胞群が著しく減少していることが報告
されており( H.K.Lyerly ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A.84巻、p4601 、1987年)、これが種々の免疫疾患に
関与すると考えられているものの、HIV感染から発病
に至までのメカニズムは不明である。
【0004】近年になり、エイズ患者の増加が社会問題
になっているが、エイズを克服するためには、発病した
エイズの治療は勿論、エイズの予防即ちHIV感染の阻
害が重要である。
【0005】IL−6はサイトカインと呼ばれる蛋白質
の一つであり、標的細胞上のIL−6レセプタ−と結合
することにより、重要な生理活性を誘導する等、広く細
胞の増殖、分化に関与している。
【0006】IL−6については、エイズ患者に頻発に
発病するカポジ肉腫がIL−6を産生し、そのIL−6
に反応して増殖すること( S.A.Mile ら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.U.S.A. 87巻、p4068 、1990年)、エイズ患者血
清中のその濃度が症状の進行とともに増加すること(本
多ら、J.Immunol. 145巻、p4059 、1990年及びE.C.Bree
n ら、J.Immunol. 142巻、p4248 、1990年)が報告され
ているのみであり、HIVの細胞への感染に対するIL
−6の作用、とりわけHIVの細胞への感染をIL−6
が阻害するということについては知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】エイズに関しては、こ
れといった確立された治療法や予防法が確立されていな
いのが現状である。
【0008】そこで本発明は、HIV感染を阻害すると
いう、IL−6が有する、従来知られていない特性を利
用したHIVの感染阻害剤を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、IL−6
の従来知られていない特性、即ちIL−6がHIVの感
染を阻害する特性を有することを見出だし、この特性を
利用することで本発明を完成する至った。
【0010】即ち本発明は、IL−6を有効成分とする
HIV感染阻害剤であり、IL−6の産生を誘導するI
L−6産生誘導物質を有効成分とするHIV感染阻害剤
であり、更にはIL−6の産生能力を付与され又はIL
−6の産生能力を増強された細胞を含むHIV感染阻害
剤である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】IL−6は、細胞膜上に存在するIL−6
レセプタ−(ヒトIL−6レセプタ−については特開平
2−288898号、K.Yamasakiら、Science 47巻、p8
25、1988年等、マウスIL−6レセプタ−については特
願平2−215886号等)に結合することでその生理
活性を発現し得るものである。従って本発明で使用する
IL−6は、天然に生産されたIL−6、遺伝子工学的
に生産されたIL−6及び化学的に合成されたIL−6
のいずれであっても、実際に投与されるものに対して生
理活性を発現し得るものであれば制限はない。
【0012】遺伝子工学的にIL−6を生産するには、
CHO細胞で例示される動物細胞や大腸菌で例示される
微生物を宿主として使用し、これにIL−6を暗号化す
るcDNAを導入するなどすれば良い(ヒトIL−6に
ついては、特開昭63−157996号、特開平1−5
03354号等、ラットIL−6については、特開平2
−195885号)。
【0013】本発明のHIV感染阻害剤は、それが投与
されるものの体重1kgに対し、およそ10μ gから10mg程
度のIL−6を含んでいれば十分である。また、その投
与方法は、例えば静脈内投与、筋肉内投与又は経皮投与
等の非経口的投与方法によることが好ましい。
【0014】本発明の阻害剤は、例えば生理食塩水、ブ
ドウ糖液、マンニト−ル、メチルセルロ−ス又はゼラチ
ン等と混合して得られる常用の賦活剤を使用することで
製剤化が可能である。また、本発明のHIV感染阻害剤
は、凍結乾燥して保存することも可能であるが、凍結乾
燥した場合には、使用に先立って生理食塩水、5%程度
のブドウ糖液又はリンゲル液等の等張液で再溶解して使
用すれば良い。
【0015】IL−6を有効成分とする本発明の阻害剤
は、IL−6の他に可溶性IL−6レセプタ−(特願平
1−9774号等)を作用増強剤として含んでいること
が好ましい。可溶性IL−6レセプタ−は、IL−6と
結合することにより、細胞にIL−6の生理活性を伝達
することが可能だからである。
【0016】ところで、HIV患者に頻繁に発病するカ
ポジ肉腫は、IL−6を産生し、これに反応して増殖す
ることが報告されている。従って、本発明のHIV感染
阻害剤は、カポジ肉腫を発病していない者に投与するこ
とが好ましい。
【0017】本発明のHIV感染阻害剤は、IL−6そ
れ自体を有効成分とする上述のような阻害剤の他に、I
L−6の産生を誘導するIL−6産生誘導物質を有効成
分とするものである。
【0018】このような阻害剤は最終的に、体内におけ
るIL−6の濃度を上昇させ、IL−6そのものを投与
したのと同様の効果を達成する。具体的にIL−6産生
誘導物質として、IL−1(M.Kohaseら、Mol.Cell.Bio
l. 7巻、p273、1987年)やTNF(M.Kohaseら、Mol.Ce
ll.Biol. 7巻、p273、1987年)に代表されるサイトカイ
ン、NFIL−6(S.Akira ら、EMBO J.9巻、p 1897、
1990年)等のDNA結合蛋白質、ポリA・T等のオリゴ
ヌクレオチド又はシクロヘキシミド等の有機化合物が例
示できる。
【0019】上記のようなIL−6産生誘導物質を有効
成分とする本発明のHIV感染阻害剤は、それを生体に
投与した場合に、投与されたものの体重1kgに対し、お
よそ10μg から10mg程度のIL−6を誘導できるIL−
6産生誘導物質を含んでいれば良い。
【0020】IL−6産生誘導物質を有効成分とする阻
害剤においても、可溶性IL−6レセプタ−を作用増強
剤として含むことが好ましい。また、カポジ肉腫を発病
していない者に投与することが好ましい。
【0021】本発明は更に、IL−6の産生能力を付与
され又はIL−6の産生能力を増強された細胞を含むH
IV感染阻害剤である。このような阻害剤も、IL−6
そのものを投与し又はIL−6産生誘導物質を投与した
場合と同様に、生体におけるIL−6の濃度を上昇させ
ることが可能であり、最終的に、IL−6の特定の性質
により、HIVの感染を阻害することが可能である。
【0022】このような本発明のHIV感染阻害剤の一
例として、それを投与しようとするものの細胞を事前に
採取し、これにIL−6を暗号化する遺伝子及びそれを
発現するのに必要な遺伝子を導入し、再び生体に戻す方
法が例示できる。この方法においては、特にリンパ球を
利用すると良い。
【0023】IL−6の産生能力を付与され又はIL−
6の産生能力を増強された細胞を含む阻害剤において
も、投与されたものの体重1kgに対し、およそ10μg か
ら10mg程度のIL−6を産生し又は増産できるようにそ
の産生能力や細胞数等を調整すれば良い。また更には可
溶性IL−6レセプタ−を作用増強剤として含むことが
好ましく、またカポジ肉腫が発病していない患者に投与
することが好ましい。この点については、これまでに説
明した他のHIV感染阻害剤と同様である。ところで好
ましくIL−6レセプタ−を作用増強剤として使用する
場合に、このような本発明の阻害剤では、細胞ついて同
時に可溶性IL−6レセプタ−の産生能力を付与しても
良い。
【0024】これまで説明してきた本発明のHIV感染
阻害剤は、特にHIVに限らずに、他の例えばチンパン
ジ−やSCIDマウスにおいてヒトエイズと類似した症
状を引き起こす、HIVに類似したウイルスの感染に対
しても効果を有することが容易に考えられる。
【0025】また、本発明のHIV阻害剤のうち、例え
ばヒトに投与するものであればヒトIL−6レセプタ−
と結合し得るIL−6、該IL−6の産生誘導物質若し
くは該IL−6の産生能力を付与され又は該IL−6の
産生能力を増強された細胞のいずれかを含めば良く、例
えばマウスに投与するものであればマウスIL−6レセ
プタ−と結合し得るIL−6、該IL−6の産生誘導物
質若しくは該IL−6の産生能力を付与され又は該IL
−6の産生能力を増強された細胞のいずれかを含めば良
い。
【0026】ここで、ヒトに投与する本発明の阻害剤を
例にして記載すれば、この阻害剤に含まれ得るIL−6
やこの阻害剤によりヒト体内で生産されるIL−6等は
ヒトIL−6レセプタ−と結合し得るものであれば、例
えマウスやラット等のヒト以外の動物に由来するIL−
6であっても制限はない。しかし、ヒト体内において投
与され又は産生されたIL−6の抗原性という問題を考
慮し、ヒトに対してはヒトIL−6又はヒトIL−6の
生産能力を付与された細胞等を使用することが好まし
い。
【0027】本発明の阻害剤の作用増強剤として使用す
る可溶性IL−6レセプタ−についても同様に、投与さ
れたものの細胞にIL−6の生理活性を伝達し得るもの
であれば特別の制限はないが、抗原性等の問題から、投
与しようとするものに由来するIL−6レセプタ−の細
胞貫通領域を欠失した分子を使用すると良い。
【0028】本発明により提供されるHIV感染阻害剤
は、後の実施例で示されるようにHIVの細胞への感染
を阻害するばかりでなく、HIV感染細胞におけるHI
Vの増殖を阻害する効果をも有する。従って本発明の阻
害剤は、単にHIVの細胞への感染を阻害し得る薬剤で
はなく、HIV感染からエイズの発病を抑制し得る阻害
剤としても有用な薬剤である。
【0029】
【実施例】以下に本発明のHIV感染阻害剤をより詳細
に説明するために実施例を記載するが、これら実施例は
本発明の一例であり、本発明を限定するものではない。
【0030】なお、本実施例で使用したIL−6は、As
agoeらの方法(Biotechnology 、6巻、p806、1988年)
に従って遺伝子工学的に製造したヒトIL−6である。 実施例1 ヒトマクロファ−ジへのHIVの感染に対す
るIL−6の阻害効果 ヒトマクロファ−ジ様細胞株U937(大日本製薬株式
会社製)を、RPMI1640を用いて5%CO、3
7℃の通常条件下で培養し、HIVの一種であるROD
(本多ら、J.Immunol.145 巻、p4059 、1990年)を1細
胞当たり5000ウイルスを添加した。
【0031】細胞へのウイルスの添加に続き、種々の濃
度となるようにIL−6を添加した後、6日間細胞を培
養した。このとき、IL−6の効果をより明確に調べる
目的で、IL−6の代わりに培養に用いた培養液を添加
する操作も行った。
【0032】培養終了後、培養上清中のリバ−ストラン
スクリプタ−ゼ(RT)活性及びp24抗原の量を測定
した。RT活性は、HIV等のレトロウイルスが持つ逆
転写酵素を定量的に示すこと(Spire.B ら、Lancet、p1
88からp189、1985年)から、またp24抗原は、HIV
が持つコア蛋白であること(T.Matsumoto.Immunohaemat
ology 、10巻、p320からp324、1988年)からHIV感染
を示すパラメ−タ−として広く一般に使用されている。
【0033】RT活性は、Alen,J.Smithらの方法(J.Vi
rology, 64巻,p2743-2750,1990年)に従い、ラジオアイ
ソト−プラベルした一本鎖DNAが、培養上清中に含ま
れるRTによりmRNAを鋳型とする二本鎖核酸の合成
の際に取り込まれる量により測定し、一方、p24抗原
濃度は、p24抗原濃度測定キット(アボット社製、H
IV−p24ELISAキット)を使用して測定した。
【0034】なお、ヒトマクロファ−ジ様細胞株U93
7はヒトマクロファ−ジから調製された細胞株であっ
て、細胞表面抗原や増殖能力という性質からヒトマクロ
ファ−ジ細胞と同等のものであることが認めされた細胞
(ATCC CRL-1593 )である。
【0035】結果を図1及び図2に示す。図1はRT活
性に関し、IL−6濃度に応じて培養上清中のRT活性
が低下することが示されている。図2はp24抗原に関
し、IL−6により培養上清中のp24抗原の濃度が低
下することが示されている。
【0036】これらの結果は、HIVとIL−6が共存
する場合に、IL−6によりHIVの細胞への感染が阻
害されることを示している。 実施例2 IL−6のHIV感染阻害効果に対する抗ヒ
トIL−6レセプタ−抗体又は抗IL−6抗体の効果 実施例1と同様にヒトマクロファ−ジ様細胞株U937
を培養し、RODウイルスを添加し、更に種々の濃度の
IL−6を添加した。このとき、抗ヒトIL−6レセプ
タ−モノクロ−ナル抗体PM−1(Y.Hirataら、J.Immu
nol. 143巻、p2900、1989年)又は抗ヒトIL−6モノ
クロ−ナル抗体MH166(T.Matsudaら、Eur.J.Immun
ol.18巻、p951、1988年)を添加した。
【0037】培養終了後、培養上清中のRT活性及びp
24抗原の量を、実施例1に記載したのと同様の方法で
調べた。
【0038】結果を図3及び図4に示す。図3はRT活
性に関し、RT活性を低下させるという実施例1で示さ
れたIL−6の効果がMH166又はPM−1抗体の添
加により中和されたことが示されている。図4はp24
抗原に関し、p24抗原の濃度を低下させるという実施
例1で示されたIL−6の効果がMH166又はPM−
1抗体の添加により中和されたことが示されている。 実施例3 HIV感染者由来の末梢血リンパ球に対する
IL−6の効果 HIV感染者より採取した末梢血から、フィコ−ルを用
いた通常の比重遠心法によりリンパ球画分を分離し、T
25フラスコ中で、10%牛胎児血清を添加したRPM
I1640を用いて5%CO、37℃の通常条件下で
培養した。
【0039】培養開始後1週間してリンパ球がブラスト
化した段階で、培養液に10 U/mlとなるようにIL−
6を添加し、更に6日間培養を行った。またこのとき、
IL−6の代わりに10%牛胎児血清を添加したRPM
I1640を添加する操作も行った。
【0040】培養終了後、培養上清中のp24抗原の量
を、実施例1に記載したのと同様の方法により調べた。
【0041】結果を図5に示す。図5によれば、IL−
6を添加していない場合には14ng/mlであったp24
抗原の濃度が、IL−6を添加することで6ng/mlに低
下することが分かる。
【0042】この結果は、IL−6を有効成分とする本
発明のHIV感染阻害剤が、単にHIVの細胞への感染
を阻害するのみではなく、HIV感染細胞におけるHI
Vの増殖をも阻害するという驚くべき事実を示すもので
ある。
【0043】また、本実施例の結果は、実施例1又は実
施例2におけるIL−6の感染阻害効果が、ヒトマクロ
ファ−ジ様細胞株U937に特有の効果ではないことを
示している。
【0044】
【発明の効果】本発明は、IL−6の有する特定の性質
を利用する、HIV感染阻害剤を提供するものである。
【0045】HIVは、近年大きな社会問題となってい
るエイズを引き起こすウイルスであり、このウイルスの
感染を阻害(予防)できれば、エイズの発病自体を阻害
(予防)することが可能なのである。
【0046】これまでのところ、IL−6がどのような
メカニズムでHIVの感染を阻害するかは不明である
が、エイズが治療又は予防方法の確立が急がれる疾患で
あるだけに、本発明の意義は大きい。
【0047】本発明のHIV感染阻害剤は、HIVと共
存した場合にはHIVにより細胞が感染するのを阻害す
る効果を有し、更に驚くべきことには、HIVにより感
染した細胞においては、感染細胞中でのHIVの増殖を
阻害する効果をも有する。
【0048】従って本発明のHIV感染阻害剤は、HI
Vの細胞への感染を阻害する効果を通してエイズの予防
を実現し、HIV感染細胞におけるHIVの増殖を阻害
する効果を通してHIVの感染症状の進行更にはHIV
感染後のエイズの発病を阻害(予防)を実現する。
【0049】本発明の阻害剤は、IL−6を有効成分と
するか、IL−6の産生を誘導するIL−6産生誘導物
質を有効成分とするか若しくはIL−6の産生能力を付
与され又はIL−6の産生能力を増強された細胞を含む
ものであり、いずれの場合にも、直接的には対象である
ヒト又は動物の体内におけるIL−6の濃度を上昇させ
る作用を通して以上説明した効果を達成するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1における、細胞培養
上清中のRT活性を示すものである。縦軸は測定された
RT活性を示す。第1から第8のカラムはそれぞれ、I
L−6の代わりに培養液を添加したもの(1)、0.006U
/mlとなるようにIL−6を添加したもの(2)、0.07
5U/mlとなるようにIL−6を添加したもの(3)、0.
15 U/mlとなるようにIL−6を添加したもの(4)、
0.3U/mlとなるようにIL−6を添加したもの(5)、
0.45 U/mlとなるようにIL−6を添加したもの
(6)、0.6U/mlとなるようにIL−6を添加したもの
(7)、30 U/mlとなるようにIL−6を添加したもの
(8)の結果を示す。本図によれば、HIVのRT活性
は共存するIL−6の濃度に依存して低下することが分
かり、HIVの細胞への感染及び感染細胞におけるHI
Vの増殖がIL−6により阻害されることが示されてい
る。
【図2】図2は、本発明の実施例1における、細胞培養
上清中のp24抗原の濃度を示すものである。縦軸はp
24抗原の濃度(ng/ml)を示す。第1から第8のカラ
ムは、それぞれ図1おける第1から第8のカラムと同様
の操作を行った場合についての結果を示すものである。
本図によれば、p24抗原の濃度は共存するIL−6に
より低下することが分かり、HIVの細胞への感染及び
感染細胞におけるHIVの増殖がIL−6により阻害さ
れていることが示されている。
【図3】図3は、本発明の実施例2における、細胞培養
上清中のRT活性を示すものである。横軸は測定された
RT活性を示す。縦軸に記載した第1から第9のカラム
はそれぞれ、IL−6の代わりに培養液を添加したもの
(1)、30 U/mlとなるようにIL−6を添加したもの
(2)、0.6U/mlとなるようにIL−6を添加したもの
(3)、MH166モノクロ−ナル抗体を2μ g/mlと
なるように添加したもの(4)、IL−6及びMH16
6抗体をそれぞれ30 U/ml、2μ g/mlとなるように添
加したもの(5)、IL−6及びMH166抗体をそれ
ぞれ0.6U/ml、2μ g/mlとなるように添加したもの
(6)、PM1モノクロ−ナル抗体を2μg/mlとなる
ように添加したもの(7)、IL−6及びPM1抗体を
それぞれ30U/ml、2μ g/mlとなるように添加したも
の(8)、IL−6及びPM1抗体をそれぞれ0.6U/m
l、2μ g/mlとなるように添加したもの(9)の結果
を示している。先に図1において説明したように、HI
VのRT活性は共存するIL−6の濃度に依存して低下
するが、抗IL−6抗体(MH166)又は抗IL−6
レセプタ−抗体(PM1)が共存した場合には、このよ
うな現象は消失することが分かる。
【図4】図4は、本発明の実施例2における、細胞培養
上清中のp24抗原の濃度を示すものである。横軸はp
24抗原の濃度(ng/ml)を示し、各カラムは図3にお
いて説明したような操作についての結果を示すものであ
る。本図からは、MH166抗体又はPM1抗体が存在
する場合には、IL−6によるp24抗原の濃度の低下
現象は消失することが分かる。
【図5】図5は、本発明の実施例3の結果を示すもので
ある。図中横軸はp24抗原の濃度(ng/ml)を示すも
のである。第1のカラムは、IL−6の代わりに培養液
を添加したものであり、第2のカラムは10 U/mlとなる
ようにIL−6を添加した場合の結果を示すものであ
る。本図によれば、IL−6のp24抗原の濃度を減少
させる作用は、HIVとIL−6が共存した場合にのみ
観察されるのではなく、既にHIVに感染した細胞に対
しても観察されることが分かる。このことは、本発明の
HIV感染阻害剤がHIV感染細胞におけるウイルスの
増殖を阻害するという驚くべき事実を明確に示すもので
ある。
フロントページの続き 特許法第30条第1項適用申請有り 宮坂信之 編「最新 医学からのアプローチ1 サイトカイン」株式会社メジ カルビュー社発行(1991年5月30日)P.96−109 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 38/00 A61K 35/12 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インターロイキン−6を有効成分とするH
    IV感染阻害剤。
  2. 【請求項2】インターロイキン−6の産生能力を付与さ
    れ又はインターロイキン−6の産生能力を増強された細
    胞を含むHIV感染阻害剤。
JP21663191A 1991-08-02 1991-08-02 Hiv感染阻害剤 Expired - Fee Related JP3258348B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21663191A JP3258348B2 (ja) 1991-08-02 1991-08-02 Hiv感染阻害剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21663191A JP3258348B2 (ja) 1991-08-02 1991-08-02 Hiv感染阻害剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06183994A JPH06183994A (ja) 1994-07-05
JP3258348B2 true JP3258348B2 (ja) 2002-02-18

Family

ID=16691463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21663191A Expired - Fee Related JP3258348B2 (ja) 1991-08-02 1991-08-02 Hiv感染阻害剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3258348B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996012503A1 (fr) * 1994-10-21 1996-05-02 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Remede contre des maladies provoquees par la production d'il-6

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06183994A (ja) 1994-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Villinger et al. Comparative sequence analysis of cytokine genes from human and nonhuman primates.
Subramanian et al. Oral feeding with ethinyl estradiol suppresses and treats experimental autoimmune encephalomyelitis in SJL mice and inhibits the recruitment of inflammatory cells into the central nervous system
Kedzierska et al. Cytokines and HIV-1: interactions and clinical implications
Morimoto et al. CXC chemokine ligand 10 neutralization suppresses the occurrence of diabetes in nonobese diabetic mice through enhanced β cell proliferation without affecting insulitis
RU2411042C2 (ru) Композиции и способы для лечения острого респираторного синдрома (sars)
AU2007249223B2 (en) Methods for treating autoimmune diseases using a TACI-Ig fusion molecule
AU758576B2 (en) Chemokines with amino-terminal modifications
US5543143A (en) Method for activating macrophages/monocytes
JP2023514659A (ja) 免疫原性が低下した修飾インターフェロン-アルファ-2
EP2167038B1 (en) Use of taci-ig fusion protein such as atacicept for the manufacture of a medicament for treating lupus erythematosus
Anz et al. Activation of melanoma differentiation-associated gene 5 causes rapid involution of the thymus
JP5198848B2 (ja) マクロファージ遊走阻止因子阻害剤を用いる、1型糖尿病処置
JP3258348B2 (ja) Hiv感染阻害剤
EA006881B1 (ru) ПРИМЕНЕНИЕ АКТИВАТОРОВ gp130 ПРИ ДИАБЕТИЧЕСКОЙ НЕВРОПАТИИ
Glabinski et al. Treatment with soluble tumor necrosis factor receptor (sTNFR): Fc/p80 fusion protein ameliorates relapsing-remitting experimental autoimmune encephalomyelitis and decreases chemokine expression
US6899869B2 (en) Method of preparing an animal model for interstitial pneumonia
US20110269229A1 (en) Methods of inhibiting viral replication
ES2533253T3 (es) Uso de inhibidores de IL-18 en trastornos de hipersensibilidad
Hogan et al. β (CC)-chemokines as modulators of sleep: implications for HIV-induced alterations in arousal state
D'Elios et al. Interfering with chemokines and chemokine receptors as potential new therapeutic strategies
CN1564696A (zh) 治疗和预防全身炎性反应综合症/败血症的药物组成和方法
CA2514955A1 (en) Compositions for modulating immune cell activity and methods for detection thereof
KR20230169147A (ko) 질환 치료를 위한 방법 및 조성물
JP3585274B2 (ja) インターフェロン−γ産生促進剤
Bryn et al. Inhibition of protein kinase A improves effector function of monocytes from HIV-infected patients

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071207

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081207

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081207

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091207

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees