JP3257832B2 - 音声認識装置用騒音低減回路 - Google Patents

音声認識装置用騒音低減回路

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JP3257832B2 JP23730092A JP23730092A JP3257832B2 JP 3257832 B2 JP3257832 B2 JP 3257832B2 JP 23730092 A JP23730092 A JP 23730092A JP 23730092 A JP23730092 A JP 23730092A JP 3257832 B2 JP3257832 B2 JP 3257832B2
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和也 佐古
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音声を認識し機器を制御
することを目的とする音声認識装置に関し、特に本発明
では認識率を向上するために音声に含まれる騒音を除去
することに関する。
【0002】
【従来の技術】従来このような技術として、音声認識を
行う際に騒音環境下では認識率が非常に低下するのでこ
の低下を防止するために、以下に説明するものがあっ
た。図3は従来の音声認識装置用騒音低減回路を示す図
である。図3に示す音声認識装置用騒音低減回路は、除
去すべき騒音が混入する音声を捕捉し電気信号に変換す
る音声捕捉用マイクロフォン1と、騒音のみを捕捉し電
気信号に変換する騒音捕捉用マイクロフォン2と、該騒
音捕捉用マイクロフォン2に接続され前記音声捕捉用マ
イクロフォン1が出力する音声信号に混入する騒音信号
をキャンセルする信号を形成する適応型フィルタ3と、
前記音声捕捉用マイクロフォン1の音声信号と前記適応
型フィルタ3の信号を反転したキャンセル信号とを加算
して音声信号を形成する加算器4と、該加算器4の出力
信号を最小二乗法により処理し前記適応型フィルタ3の
フィルタ係数を自動的に変更する適応型アルゴリズム形
成手段5とを具備する。
【0003】かくして騒音捕捉用マイクロフォン2から
入力された騒音信号が適応型フィルタ3を通過後音声捕
捉用マイクロフォン1から入力された音声+騒音信号か
ら引き算され音声信号のみが出力され、音声認識装置の
認識率が向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、音声認識装
置を車両に搭載して従来の音声認識装置用騒音低減回路
により車室内の騒音をキャンセルするため、前記音声捕
捉用マイクロフォン1に混入する騒音にできるだけ近い
ものを検出しようすると、前記騒音捕捉用マイクロフォ
ン2を車室内またはその近傍に設置せざるを得ない。す
なわち騒音捕捉用マイクロフォン2の設置位置により音
声の混入を避けられない。このため適応型フィルタ3に
より取り出したい音声信号までもキャンセルされ、認識
率が低下するという問題があった。
【0005】したがって本発明はクオリティーの高い騒
音だけを取り出して混入騒音をキャンセルし音声の認識
率を高かめて車室内で走行騒音の影響を受けずに音声認
識により車内機器の動作を可能にする音声認識装置用騒
音低減回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解
決するために、車両の室内で話者の音声を捕捉する音声
捕捉用マイクロフォンと、前記室内の騒音を捕捉する騒
音捕捉用マイクロフォンとを有し前記騒音を除去する音
声認識装置用騒音低減回路に、振動センサ、第1の適応
型フィルタ手段及び第2の適応型フィルタ手段を設け
る。
【0007】前記振動センサは該車両の騒音源である車
体から振動信号を検出する。前記第1の適応型フィルタ
手段は該振動センサで検出される振動信号により前記騒
音捕捉用マイクロフォンで捕捉される騒音信号に混入す
る音声信号を除去し騒音信号のみを取り出す。前記第2
の適応型フィルタ手段は該第1の適応型フィルタ手段か
ら取り出された騒音信号により前記音声捕捉用マイクロ
フォンに混入する騒音を除去し音声のみを取り出す。
【0008】
【作用】本発明の音声認識装置用騒音低減回路によれ
ば、車両の騒音源である振動信号が検出され、検出され
る振動信号により前記騒音捕捉用マイクロフォンで捕捉
される騒音信号に混入する音声信号が除去され騒音信号
のみが取り出される。このためクオリティーの高い騒音
だけを取り出すことが可能になる。取り出された騒音信
号により前記音声捕捉用マイクロフォンに混入する騒音
が除去され音声のみが取り出される。したがって混入し
た騒音をキャンセルし音声の認識率が高かめられ車室内
で走行騒音の影響を受けずに音声認識により車内機器の
動作が可能になる。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。図1は本発明の実施例に係る音声認識装置を
用いた制御システムを示す図である。本図に示すよう
に、音声認識装置を用いた制御システムは、車両の車室
内300の話者の音声を捕捉する二つの音声捕捉用マイ
クロフォン200と、車室内内の騒音を捕捉する騒音捕
捉用マイクロフォン201と、車両の騒音源である振動
を検出する振動センサ202と、該音声捕捉用マイクロ
フォン200からの音声の方向、音源からの距離から話
者を識別する話者方向距離判定部203と、該話者方向
距離判定部203に接続される自動利得制御(AGC)
部204と、騒音捕捉用マイクロフォン201、振動セ
ンサ202により自動利得制御(AGC)からの信号に
混入する騒音をキャンセルする音声認識用騒音低減回路
205と、該音声認識用騒音低減回路205に接続され
騒音がキャンセルされた音声を登録されたどの単語に一
致するかを認識する音声認識部206と、該音声認識部
206で認識された単語に基づき制御信号を形成する各
種制御部207と、該各種制御部207を介して認識さ
れた単語を音声に合成する音声合成部208と、該音声
合成部208に接続され合成された音声を再生するスピ
ーカ209と、前記各種制御部207により制御される
オーディオ210と、エアコンデショナー211と、電
話212と、ナビゲーション213と、オートドライブ
214等を含む。
【0010】図2は本発明の実施例に係る音声認識装置
用騒音低減回路を示す図である。本図に示す音声認識装
置用騒音低減回路205は、話者方向距離判定部203
及び自動利得制御(AGC)部204を介在した音声捕
捉用マイクロフォン200、騒音捕捉用マイクロフォン
201及び振動センサ202にそれぞれ接続されアナロ
グ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器(Analo
g To Digital Converter) 21、22及び23とを具備
する。音声捕捉用マイクロフォン200には音声が主と
した中に騒音が従として含まれ、騒音捕捉用マイクロフ
ォン201には騒音が主とした中に音声が従として含ま
れ、振動センサ202は車室外で生じる、例えば騒音源
であるエンジンの振動により検出される騒音のみが含ま
れる。また音声認識装置用騒音低減回路は第1の適応型
フィルタ手段10と第2の適応型フィルタ手段11とを
含む。該第1の適応型フィルタ手段10おいては該A/
D変換器23に接続される第1の適応型フィルタ24は
前述のようにFIRフィルタからなり、振動センサ20
2から得られた振動による騒音の音圧、位相を調整す
る。その一方がA/D変換器22に接続され他方が第1
の適応型フィルタ24に接続される加算器25は騒音捕
捉用マイクロフォン201の信号と第1の適応型フィル
タ24の反転した出力信号とを加算する。該加算器25
に接続される適応アルゴリズム形成手段26は該加算器
25の出力信号を学習同定法により処理し第1の適応型
24のフィルタ係数を自動的に更新する。この更新によ
り、第1の適応型フィルタ24では騒音捕捉用マイクロ
フォン201から音声が除去される。また車室内の騒音
は振動源から離れているので振動信号とは伝達特性分だ
け相違しているから、振動信号は第1の適応型フィルタ
24により車室内の騒音と等音圧、同位相に形成され、
加算器25に反転して出力される。前記振動センサ20
2を設けるのは車室内の騒音がほとんど車室外から入っ
てくるものであり、その意味では車体もほぼ同様に振動
していると考えられるからである。
【0011】ここで前記適応型アルゴリズム形成手段2
6では、時間nにおける第1の適応型フィルタ24のフ
ィルタ係数ベクトルをベクトルCn とし、フィルタタッ
プベクトルをベクトルTn とすると、以下のような学習
同定法によりベクトルCn+1が更新されている。 ベクトルCn+1 =ベクトルCn +α・en ・ベクトルT
n /|ベクトルTn | 2 αは収束条件であり、en は加算器25の出力信号であ
る。
【0012】したがって、騒音捕捉用マイクロフォン2
01に捕捉された騒音と混入音声、振動センサ202に
捕捉される騒音のうち相関の強い騒音だけが第1の適応
型フィルタ24から取り出されることになる。次に第2
の適応型フィルタ手段11においては第1の適応型フィ
ルタ24の出力に接続される第2の適応型フィルタ27
は同様にFIRで形成され第1の適応型フィルタ24か
らの騒音の音圧、位相を調整する。その一方がA/D変
換器21に接続され他方が第2の適応型フィルタ24に
接続される加算器28は音声捕捉用マイクロフォン20
0の信号と第2の適応型フィルタ27の反転した出力信
号とを加算する。該加算器28に接続される適応アルゴ
リズム形成手段29は該加算器28の出力信号を学習同
定法により処理し第1の適応型24のフィルタ係数を自
動的に更新する。この更新により、第2の適応型フィル
タ27では騒音捕捉用マイクロフォン200から音声が
除去された騒音信号が形成される。適応型アルゴリズム
形成手段29では前述と同様にして第2の適応型フィル
タのフィルタ係数が自動的に更新される。
【0013】したがって、本実施例によれば、音声捕捉
用マイクロフォン200に捕捉された音声と混入騒音、
第1の適応型フィルタ24により抽出された騒音のうち
相関に強い騒音だけが第2の適応型フィルタ27から取
り出され、加算器28から音声信号だけが取り出すこと
が可能になる。このため騒音だけを捕捉するマイクロフ
ォン位置の制約が少なくなり、騒音の中から取り出す音
声がより正確になり音声認識率が向上する。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両の騒音源である振動信号を検出し、検出される振動信
号により前記騒音捕捉用マイクロフォンで捕捉される騒
音信号に混入する音声信号を除去し騒音信号のみを取り
出すようにしたので、クオリティーの高い騒音だけを取
り出すことが可能になる。さらに取り出された騒音信号
により前記音声捕捉用マイクロフォンに混入する騒音を
除去し音声のみを取り出すようにしたので、混入した騒
音をキャンセルし音声の認識率が高められ車室内で走行
騒音の影響を受けずに音声認識により車内機器の動作が
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る音声認識装置を用いた制
御システムを示す図である。
【図2】本発明の実施例に係る音声認識装置用騒音低減
回路を示す図である。
【図3】従来の音声認識装置用騒音低減回路を示す図で
ある。
【符号の説明】
10…第1の適応型フィルタ手段 11…第2の適応型フィルタ手段 200…音声捕捉用マイクロフォン 201…騒音捕捉用マイクロフォン 202…振動センサ 205…音声認識用騒音低減回路 206…音声認識装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−257200(JP,A) 特開 平3−274097(JP,A) 特開 平6−284490(JP,A) 特開 平3−256100(JP,A) 特開 昭58−49994(JP,A) 特開 平3−295400(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 21/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の室内で話者の音声を捕捉する音声
    捕捉用マイクロフォン(200)と、前記室内の騒音を
    捕捉する騒音捕捉用マイクロフォン(201)とを有し
    前記騒音を除去する音声認識装置用騒音低減回路であっ
    て、 該車両の騒音源である車体から振動信号を検出する振動
    センサ(202)と、 該振動センサ(202)で検出される振動信号により前
    記騒音捕捉用マイクロフォン(201)で捕捉される騒
    音信号に混入する音声信号を除去し騒音信号のみを取り
    出す第1の適応型フィルタ手段(10)と、 該第1の適応型フィルタ手段(10)から取り出された
    騒音信号により前記音声捕捉用マイクロフォン(20
    0)に混入する騒音を除去し音声のみを取り出す第2の
    適応型フィルタ手段(11)とを備えることを特徴とす
    る音声認識装置用騒音低減回路。
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