JP3256953B2 - モノリシック圧電フィルタ - Google Patents
モノリシック圧電フィルタInfo
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Description
ノリシック圧電フィルタに関するものであり、特に周波
数等の電気的特性を微調整するにあたり、信頼性を向上
させたモノリシック圧電フィルタに関するものである。
ルタは、例えばハンディタイプの小型通信機器等の周波
数選択手段として用いられている。従来のモノリシック
圧電フィルタの一般的な構成を図11、図12とともに
説明する。図11はモノリシック圧電フィルタの側面図
で、電極構成を模式的に表しており、図12は図11に
ついてより詳しく示した裏面図である。圧電振動板90
の表面には入力電極91,出力電極92が並列に形成さ
れており、裏面にはこれら入,出力電極に対応した共通
電極93,94が同じく並列に形成されている。これら
電極膜はクロムを下地金属とし、その上部に銀を蒸着し
た構成が用いられている。周波数あるいは周波数通過帯
域等の電気的特性の微調整を行う場合は、共通電極側の
各電極部分d,f並びに各電極間eの領域に適宜所定量
の金属材料(例えば銀)をパーシャル蒸着する。これに
より所望の電気的特性を有するモノリシック圧電フィル
タを得る。なお、図示していないが、上記入出力電極9
1,92はそれぞれ入,出力端子に接続され、共通電極
93,94は共通接続してアース端子に接続され、気密
封止されている。
領域にパーシャル蒸着する場合は、水晶板等の圧電板に
直接パーシャル蒸着を行うために、水晶板と金属膜(金
属材料)との密着性が良好ではなく、後工程にて行う安
定化のためのアニール処理、あるいはリフローソルダリ
ング時に熱エネルギーが運動エネルギーと化し、当該金
属膜の一部が剥がれたり、金属が粉体化して飛散し、調
整後の所望の周波数が変動する等の電気的特性が変動し
てしまうことがあった。
に示すように共通電極97を一体化し、中央部分にも金
属膜の形成された構成も広く用いられているが、後述の
比較データの項でも示すように周波数通過帯域近傍にス
プリアスが生じることがあった。なお、90は圧電振動
板、95は入力電極、96は出力電極である。
れたもので、周波数調整等の電気的特性の微調整のため
に金属膜等の電気的特性調整用材料をパーシャル蒸着し
た場合において、この金属膜が強固に形成され、後工程
のアニール処理、リフローソルダリング等においても、
電極膜が損傷する等の問題の生じない、またスプリアス
の発生しにくい、品質の安定したモノリシック圧電フィ
ルタを提供することを目的とするものである。
めに、本発明によるモノリシック圧電フィルタは、圧電
振動板の表面に入力電極、出力電極を所定の間隔で近接
させて形成し、かつ当該裏面に前記入力電極、出力電極
にそれぞれ対応した2つの共通電極を設け、これら共通
電極間に予め、金属膜を形成しておき、この部分に周波
数調整等の電気的特性調整用材料を形成したことを特徴
としている。金属膜は島状金属膜を複数設ける構成でも
よいし、あるいは薄肉の金属膜でもよい。
心にパーシャル蒸着による電気的特性調整用材料の膜形
成がなされるので、膜強度が低下することはない。すな
わち島状金属膜が圧電振動板と強固に形成されているの
で、この島状電極膜がアンカーとなり、パーシャル蒸着
によって形成された金属膜(電気的特性調整用材料)が
強固な膜形成をするとともに、アニール処理等において
熱エネルギーがこの金属膜に加わっても、金属間結合の
エネルギーが大きいため、金属粒子の飛散が最小限とな
るためと考えられる。
に入力電極、出力電極を所定の間隔で近接させて形成
し、かつ当該裏面に前記入力電極、出力電極にそれぞれ
対応した2つの共通電極を設けることにより共振領域を
形成したモノリシック圧電フィルタにおいて、前記共通
電極間に複数の島状金属膜を設け、当該島状金属膜部分
を中心に電気的特性調整用材料を形成したものである。
島状金属膜の形状は円形、楕円形、長円形、多角形等い
ろんな形状を選ぶことができ、共通電極形成時に同時に
形成すればよい。これにより共通電極と同じ電極材料,
層構成で、同様の膜強度の電極膜を形成することができ
る。なお、これら島状金属膜は共通電極と同じ厚さであ
ってもよいし、薄くてもよい。
の島状金属膜部分にパーシャル蒸着した場合、島状金属
膜を中心に電極膜形成がなされるので、膜強度が低下す
ることはない。しかも、従来のように共通電極が一体化
された構成でないので、パーシャル蒸着後もスプリアス
が励起されにくい。
に入力電極、出力電極を所定の間隔で近接させて形成
し、かつ当該裏面に前記入力電極、出力電極にそれぞれ
対応した2つの共通電極を設けることにより共振領域を
形成したモノリシック圧電フィルタにおいて、前記共通
電極間に共通電極より薄い薄肉金属膜を形成し、当該薄
肉金属膜を中心に電気的特性調整用材料を形成したこと
を特徴とする構成としてもよい。
金属クロム、上部金属銀という電極層構成である場合、
この薄肉金属膜をクロムのみとしてもよい。この薄肉金
属の厚さは500オングストローム以下が好ましく、1
0〜100オングストローム程度の完全には電極膜を形
成していないような微視的に見て島状構造であってもよ
い。
表面に入力電極、出力電極を所定の間隔で近接させて形
成し、かつ当該裏面に前記入力電極、出力電極にそれぞ
れ対応した2つの共通電極を設けることにより共振領域
を形成してなるモノリシック圧電フィルタにおいて、圧
電振動板の表裏面の少なくとも一面の一部あるいは全面
に極薄金属膜を形成し、前記各電極並びに前記極薄金属
膜部分に電気的特性調整用材料を形成したこと特徴とす
る構成としてもよい。また、請求項4に示すように圧電
振動板の表面に入力電極、出力電極を所定の間隔で近接
させて形成し、かつ当該裏面に前記入力電極、出力電極
にそれぞれ対応した2つの共通電極を設けることにより
共振領域を形成してなるモノリシック圧電フィルタにお
いて、圧電振動板の表裏面の少なくとも一面において、
少なくとも前記入力電極と出力電極間及び共通電極間の
両者あるいはいずれか一方含む一部あるいは全面に極薄
金属膜を形成し、当該入力電極と出力電極間及び共通電
極間の両者あるいはいずれか一方を中心として電気的特
性調整用材料を形成したことを特徴とする構成としても
よい。
金属クロム、上部金属銀という電極層構成である場合、
この極薄金属膜をクロムのみとしてもよい。この薄肉金
属の厚さは10〜100オングストロームが好ましく、
完全な電極膜を形成していないような微視的に見て島状
構造であることが必要である。厚くなりすぎると励起エ
ネルギーが低損失で供給され、周波数通過帯域近傍にス
プリアスが形成されやすくなったり、入出力電極側にお
いては、入力信号が電磁波となって出力電極に到達する
直達波の発生が多くなり、電気的特性の悪化をまねくの
で注意が必要である。なお、電気的特性調整用材料は、
島状金属膜あるいは薄肉金属膜あるいは極薄金属膜の上
面の金属材料と密着性の高い材料を用いるとより信頼性
が向上する。また、この電気的特性調整用材料は、金属
膜のみならずフッ化マグネシウム等の絶縁膜であっても
よい。
水晶フィルタを例にとり、図面を参照して説明する。図
1は本発明の第1の実施例を示す水晶板の側面図、図2
は同裏面の平面図、図3は図2の要部拡大図である。水
晶板(圧電振動板)10はATカット水晶板であり、矩
形に加工されている。表面には真空蒸着、スパッタリン
グ等の公知のPVD(PHYSICAL VAPOR DEPOSITION)法
により、入力電極11、出力電極12が並列に並んで所
定の間隔で近接して設けられ、それぞれの電極から水晶
板10の端面に引出電極(図示せず)が引き出されてい
る。裏面には前記入力電極、出力電極11,12に対応
する2つの共通電極13,14が設けられ、それぞれの
電極から水晶板の端面に引出電極13a,14aが引き
出されている。これら共通電極は外部で共通接続されて
いる。共通電極間には長円形の島状金属膜15が複数形
成されている。これら島状金属膜は入出力電極、および
共通電極形成時に同時に形成すればよく、蒸着マスクに
入出力電極用、共通電極用のほかに島状金属膜用の蒸着
窓を形成しておけば、同時に形成することができる。な
お、これら各電極に用いられる電極材料は、例えば下地
金属がクロム、上部金属が銀の例を挙げることができる
が、もちろん金、アルミニウム、ニッケル等他の公知の
電極構成を用いてもよい。
て、電気的特性を所望値範囲内に追い込むために、モノ
リシック水晶フィルタの周波数等電気的特性をモニタリ
ングしながら、必要に応じていずれか一方あるいは両方
の共通電極あるいは島状金属膜部分に例えば電極材料と
して銀をパーシャル蒸着する。図3に示すように、島状
金属膜部分にパーシャル蒸着を行った場合は、パーシャ
ル蒸着された金属材料g(銀)が島状金属膜の複数の部
分並びに水晶板におよぶが、島状金属膜で既に強固な電
極膜が形成されているので、パーシャル蒸着された金属
材料がこの島状金属膜上の電極材料と強固に結合する。
これにより信頼性の高い電極膜形成を行うことができ
る。なお、圧電振動板として水晶板を取り上げたが、圧
電セラミックス、あるいはタンタル酸リチウム等の圧電
単結晶材料を用いてもよい。
金属膜が形成された例を示したが、当該構成に限定され
るものではない。第1の実施例の他の電極構成例を図4
の各図に示す。各図はすべて2つの共通電極23,24
とその間に形成された島状金属膜の例を示している。図
4(a)は共通電極間に縦長の長円形の島状金属膜25
bを複数配置した例、図4(b)は共通電極間に円形の
島状金属膜25cを複数配置した例、図4(c)は共通
電極の対向面に凹凸部分を設けるとともに、共通電極間
に円形の島状金属膜25dを複数配置した例、図4
(d)は共通電極間に複数の円形の島状金属膜25eを
周状に配置した例、図4(e)は共通電極間に複数の円
形の島状金属膜25fをX字状に配置した例である。
水晶フィルタを例示して、図5、図6とともに説明す
る。図5は第2の実施例を示す側面図、図6は同裏面の
平面図である。水晶板(圧電振動板)30はATカット
水晶板であり、矩形に加工されている。表面には入力電
極31、出力電極32が並列に並んで所定の間隔で近接
して設けられ、それぞれの電極から水晶板30の端面に
引出電極(図示せず)が引き出されている。裏面には前
記入力電極31,出力電極32に対応する2つの共通電
極33,34が設けられ、それぞれの電極から水晶板の
端面に引出電極33a,34aが引き出されている。こ
れら共通電極は外部で共通接続されている。これら各電
極に用いられる電極材料は、例えば下地金属がクロム、
その上部にクロムと銀の合金層、そして最上部に銀が蒸
着あるいはスパッタリングにより形成されている。共通
電極間には共通電極よりも薄い薄肉金属膜35が共通電
極と電気的に独立して形成されている。この薄肉金属膜
35は、上述の電極層構成のうちクロム層のみを形成し
ている。それ以上の電極層については、蒸着等の金属被
膜形成時に金属材料の通過を遮断する蒸着マスクに取り
替えることにより、当該薄肉金属膜に形成されないよう
にすればよい。通常、入出力電極および共通電極の厚さ
は500オングストローム〜3000オングストローム
程度であるのに対して、この金属膜電極はクロム層のみ
の10オングストローム〜100オングストローム程度
の薄肉電極としている。
て、電気的特性を所望値範囲内に追い込むために、モノ
リシック水晶フィルタの周波数等の電気的特性をモニタ
リングしながら、必要に応じていずれか一方あるいは両
方の共通電極あるいは薄肉金属膜に例えば電極材料とし
て銀をパーシャル蒸着する。薄肉金属膜部分にパーシャ
ル蒸着を行った場合は、パーシャル蒸着された金属材料
(銀)が薄肉金属膜部分を中心として行われ、場合によ
っては金属材料が水晶板におよぶが、薄肉金属膜で既に
下地金属膜が形成されているので、パーシャル蒸着され
た金属材料がこの薄肉金属膜の電極材料と強固に結合す
る。これにより信頼性の高い電極膜形成を行うことがで
きる。
水晶フィルタを例示して、図7、図8とともに説明す
る。図7は第3の実施例を示す側面図、図8は同裏面の
平面図である。水晶板(圧電振動板)40はATカット
水晶板であり、矩形に加工されている。表面には入力電
極41、出力電極42が並列に並んで所定の間隔で近接
して設けられ、それぞれの電極から水晶板の端面に引出
電極(図示せず)が引き出されている。裏面には前記入
力電極、出力電極41,42に対応する2つの共通電極
43,44が設けられ、それぞれの電極から水晶板の端
面に引出電極43a,44aが引き出されている。これ
ら共通電極は共通接続されている。これら各電極に用い
られる電極材料は、例えば下地金属がクロム、その上部
に銀、そして最上部に金が、蒸着あるいはスパッタリン
グにより形成されている。共通電極間には共通電極より
も格段に薄い極薄金属膜45が形成されている。この極
薄金属膜45は、上述の電極層構成のうちクロム層の一
部のみを共用している。それ以上の電極層については、
蒸着等の金属被膜形成時に金属材料の通過を遮断する蒸
着マスクに取り替えることにより、当該極薄金属膜45
に形成されないようにすればよい。通常、入出力電極お
よび共通電極の厚さは500オングストローム〜300
0オングストローム程度であるのに対して、この金属膜
電極はクロム層のみの10オングストローム〜100オ
ングストローム程度の極薄金属膜であり、完全な電極膜
を形成していないような微視的に見て島状構造で電気的
に浮遊状態であることが必要である。このような構成に
より、極薄金属膜45は共通電極43,44間を導通さ
せる能力を持たない程度に抵抗が高い状態となってお
り、励振エネルギーが供給されにくく、周波数通過帯域
近傍にスプリアスが形成しにくくなっている。
裏面の電極構成において、電気的特性を所望値範囲内に
追い込むために、モノリシック水晶フィルタの周波数等
電気的特性をモニタリングしながら、必要に応じていず
れか一方あるいは両方の共通電極あるいは極薄金属膜に
例えば電極材料として銀をパーシャル蒸着する。極薄金
属膜部分にパーシャル蒸着を行った場合は、パーシャル
蒸着された金属材料(銀)が極薄金属膜部分並びに水晶
板におよぶが、極薄金属膜で既に下地金属膜が形成され
ているので、パーシャル蒸着された金属材料がこの極薄
金属膜の電極材料と強固に結合する。このため信頼性の
高い電極膜形成を行うことができる。
水晶フィルタを例示して、図9、図10とともに説明す
る。図9は第4の実施例を示す表面の平面図、図10は
裏面の平面図である。水晶板(圧電振動板)50はAT
カット水晶板であり、矩形に加工されている。水晶板5
0の表裏面には、各全面に極薄金属膜55が形成されて
いる。この極薄金属膜は真空蒸着、スパッタリング等の
公知のPVD(PHYSICAL VAPOR DEPOSITION)法により
形成されており、その厚さは10〜50オングストロー
ム程度で、完全な電極膜を形成していないような微視的
に見て島状構造で各島状構造は電気的に浮遊状態である
ことが必要である。そして、水晶板50の表面には入力
電極51、出力電極52が並列に並んで所定の間隔で近
接して設けられ、それぞれの電極から水晶板の端面に引
出電極が引き出されている。裏面には前記入力電極、出
力電極51,52に対応する2つの共通電極53,54
が設けられ、それぞれの電極から水晶板の端面に引出電
極が引き出されている。これら共通電極は外部で共通接
続されている。電気的特性を調整する場合は、周波数等
電気的特性をモニタリングしながら、例えば表裏面の楕
円で示す部分g1,g2,g3,g4,g5,g6の少
なくとも一カ所にパーシャル蒸着を施す。このときパー
シャル蒸着は精度誤差からどうしても有る範囲を持って
行われてしまうが、このような場合でも、各電極の周囲
には極薄金属膜55が形成されているためにこのパーシ
ャル蒸着は強固にかつ信頼性が高い状態で形成すること
ができる。
証データを図14(従来品A),図15(従来品B),
図16(本発明品A),図17(本発明品B)に示す。
比較検証に用いた水晶板は縦3.5mm、横5.0mmのA
Tカット水晶板であり、中心周波数を21.4MHzに
設定しており、パーシャル蒸着後の周波数特性を示して
いる。入出力電極、共通電極の電極構成は下地電極にク
ロム、上部に銀が形成された構成であり、全電極厚は2
000オングストロームである。従来品Aは図11,図
12に示した構成で、共通電極が分割された構成であ
り、入出力電極の電極サイズは縦1.5mm、横1.0m
m、共通電極も同サイズとなっている。従来品Bは図1
3に示した構成で、共通電極が一体化された構成であ
り、入出力電極のサイズは従来品Aと同様で、共通電極
は縦1.5mm、横1.0mmである。本発明品Aは第1の
実施例に示した構成の電極構造であり、入出力電極、共
通電極のサイズは従来品Aと同じである。共通電極間に
は長円形の島状金属膜15が8つ縦列配置されている。
本発明品Bは第3の実施例に示した構成の電極構造であ
り、入出力電極、共通電極のサイズは従来品Aと同じで
ある。共通電極間には厚さ約30オングストロームの極
薄金属膜(クロム層)が形成されている。
従来品Aでは中心周波数の右横に現れているスプリアス
は比較的小さいが、従来品Bではこのスプリアスがかな
り強く現れている。これに対して本発明品A,Bともこ
のスプリアスは比較的小さく実用上主振動に悪影響を与
えない程度に抑制されている。なお各図の横軸の周波数
のスパンは2MHzである。
ついて、アニール処理、リフロソルダリング、エージン
グ等の加熱を伴う処理(工程)を行った場合の周波数変
動状況について各製品を検証した。サンプル数は50個
であり、検証データを図18(従来品A),図19(本
発明品A),図20(本発明品B)に示す。これら検証
データから、従来品Aは最初のアニール処理時から大き
く周波数変動が生じており、周波数調整等の電気的特性
の調整効果がなくなっている。これに対して、各本発明
品はいずれも周波数変動が極めて小さく、品質が安定し
ていることが理解できる。
数変動が生じており、周波数調整等の電気的特性の調整
効果がなくなっている。従来品Bは所望の周波数に追い
込むことに成功しているが、周波数通過帯域部分に比較
的大きなスプリアスが発生しており、実用に供すること
ができない状態となっている。本発明品A、Bともに所
望の周波数に追い込むことに成功しており、後工程に伴
う加熱等の影響を受けず、電気的特性が安定しているこ
とが理解できる。
点在しているので、この島状金属膜部分にパーシャル蒸
着した場合、島状金属膜をアンカーとして電極膜が金属
間結合されるので、膜強度が低下することはない。従っ
て、後工程のアニール処理、リフローソルダリング等に
おいても、電極膜が損傷する等の問題の生じない、品質
の安定したモノリシック圧電フィルタを得ることができ
る。しかも、従来のように共通電極が一体化された構成
でないので、上記比較データの項で示したようにパーシ
ャル蒸着後もスプリアスが励起されにくく、所望の電気
的特性を得ることができる。
薄肉金属膜を形成しているので、パーシャル蒸着が極め
て行いやすくなり、しかも従来一体型の共通電極により
発生していたスプリアスが形成されにくくなる。従って
電気的特性並びに品質の安定したモノリシック圧電フィ
ルタを得ることができる。
全面あるいは特定の位置に完全な電極膜を形成していな
いような島状構造の極薄金属膜を形成しているので、パ
ーシャル蒸着等の電気的特性調整材料が、入出力電極間
及び共通電極間あるいはこれら各電極の周囲に形成され
るような場合でも、極薄金属膜のアンカー効果により膜
形成が極めて強固に行われ、かつ後工程の加熱等の影響
を受けず、電気的特性が安定する。もちろん従来見られ
たような実用に悪影響を与えるようなスプリアスの発生
も生じない。
について、島状金属膜あるいは薄肉金属膜あるいは極薄
金属膜の上面の金属材料と密着性の高い材料を用いるこ
とによりパーシャル蒸着が確実に行えるので、より信頼
性が向上する。
通電極 15 島状金属膜 35 薄肉金属膜 45,55 極薄金属膜
Claims (5)
- 【請求項1】 圧電振動板の表面に入力電極、出力電極
を所定の間隔で近接させて形成し、かつ当該裏面に前記
入力電極、出力電極にそれぞれ対応した2つの共通電極
を設けることにより共振領域を形成するとともに、前記
入力電極と出力電極間及び共通電極間の両者あるいはい
ずれか一方の間に複数の島状金属膜を設け、当該島状金
属膜部分を中心に電気的特性調整用材料を形成したこと
を特徴とするモノリシック圧電フィルタ。 - 【請求項2】 圧電振動板の表面に入力電極、出力電極
を所定の間隔で近接させて形成し、かつ当該裏面に前記
入力電極、出力電極にそれぞれ対応した2つの共通電極
を設けることにより共振領域を形成するとともに、前記
入力電極と出力電極間及び共通電極間の両者あるいはい
ずれか一方の間に共通電極より薄い薄肉金属膜を形成
し、当該薄肉金属膜を中心に電気的特性調整用材料を形
成したことを特徴とするモノリシック圧電フィルタ。 - 【請求項3】 圧電振動板の表面に入力電極、出力電極
を所定の間隔で近接させて形成し、かつ当該裏面に前記
入力電極、出力電極にそれぞれ対応した2つの共通電極
を設けることにより共振領域を形成してなるモノリシッ
ク圧電フィルタにおいて、圧電振動板の表裏面の少なく
とも一面の一部あるいは全面に極薄金属膜を形成し、前
記各電極並びに前記極薄金属膜部分に電気的特性調整用
材料を形成したことを特徴とするモノリシック圧電フィ
ルタ。 - 【請求項4】 圧電振動板の表面に入力電極、出力電極
を所定の間隔で近接させて形成し、かつ当該裏面に前記
入力電極、出力電極にそれぞれ対応した2つの共通電極
を設けることにより共振領域を形成してなるモノリシッ
ク圧電フィルタにおいて、圧電振動板の表裏面の少なく
とも一面において、少なくとも前記入力電極と出力電極
間及び共通電極間の両者あるいはいずれか一方を含む一
部あるいは全面に極薄金属膜を形成し、当該入力電極と
出力電極間及び共通電極間の両者あるいはいずれか一方
を中心として電気的特性調整用材料を形成したことを特
徴とするモノリシック圧電フィルタ。 - 【請求項5】 前記電気的特性調整用材料に、島状金属
膜あるいは薄肉金属膜あるいは極薄金属膜の上面の金属
材料と密着性の高い材料を用いたことを特徴とする請求
項1乃至4項いずれかに記載のモノリシック圧電フィル
タ。
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JP5216210B2 (ja) | 2006-12-28 | 2013-06-19 | 日本電波工業株式会社 | 水晶振動片および水晶振動デバイス |
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