JP3255275B2 - 下水汚泥等から亜鉛化合物を溶出させる方法 - Google Patents
下水汚泥等から亜鉛化合物を溶出させる方法Info
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Description
工程から発生する汚泥中に含有する重金属類化合物を除
去する方法に関し、特に、汚泥固形物から亜鉛を溶出さ
せることを狙いとするものである。
る汚泥中には、カドミウム、ニッケル、クロム、銅、亜
鉛などの有害重金属類が含まれており、特に亜鉛の含有
量が多い。
は、有害重金属類の除去または低減処理を行なわないま
ま薬剤を用いて汚泥調質を行ない、機械脱水を行なった
後、脱水ケーキを焼却処分、または脱水ケーキのままで
の埋立投棄処分及びコンポスト化による緑農地還元が行
なわれている。
類を含む廃棄物が多量に集積されるものとなり、周辺自
然環境を汚染するなどの問題がある。特に、コンポスト
等で緑農地へ肥料または土壌改良剤として用いる場合
は、土壌への蓄積による作物及び人蓄の影響を考慮しな
ければならない。
最も含有量の多いものは亜鉛であり、汚泥等を用いたコ
ンポスト製品及び土壌改良剤についての亜鉛含有量が問
題視されているが、現状では、これ等の重金属類や亜鉛
の除去、低減は実施されていない。
害重金属類を含む汚泥を緑農地へ肥料または土壌改良剤
として再利用する場合、最も多量に含有する亜鉛を支障
のない規準値以下に除去または低減させる方法を提供す
るものである。下水汚泥等から、亜鉛及びその他の金属
化合物を除去するには、汚泥固形物中に含まれる金属化
合物を酸またはアルカリ剤などを用いて水中に溶出させ
る必要がある。
させる方法として、硫酸、塩酸などの強酸を用いて溶解
させる方法が通常行なわれるが、これ等の方法は長時間
の溶出操作を継続させても、溶解、溶出は非常に不充分
なものにしかならない。この現象は、汚泥中に含まれる
金属化合物が、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩などの無機化
合物の他に、キレート化合物等の有機金属錯体を形成し
ているものも有り、キレート化合物、及び有機金属錯体
は、無機化合物に比較して非常に安定であり、強酸を用
いても、ほとんど溶解しないことに起因している。
金属錯体の機能を破壊または不安定化させて、酸での溶
解を促進させる方法として、空気を用いて長時間曝気す
る方法、またはオゾンや塩素ガスを用いる方法がある
が、空気を用いて長時間曝気する方法は、設備容量が膨
大となり、しかも、その効果が非常に不安定である。
気体を用いるため取り扱いが面倒であるとともに、気−
液反応であるためロスが大きく薬剤コストがかさみ経済
的に不利となるなど、いづれの方法も実用的には問題点
が多い。
量の多い亜鉛化合物を、従来の様な、硫酸または塩酸及
びオゾン、塩素ガスなどを多量に用いることなく、汚泥
に塩化第二鉄を汚泥PHが約4以下となる程度に添加混
合し、塩化第二鉄を添加した被処理液を不溶性電極を用
いて短時間電解処理することによって、汚泥中の亜鉛化
合物の殆んどを溶出させることが出来る方法を提供する
ものである。
類の中にでも無機化合物は比較的容易に酸に溶解する。
しかし、キレート化合物、有機金属錯体を形成している
化合物は、安定で硫酸、塩酸等を用いても容易に溶解し
ない。汚泥中の有害重金属類、特に多量に含まれる亜鉛
を除去または低減させるためには、このキレート化合物
及び有機金属錯体をも破壊して溶解させる必要がある。
有機物を主体とする汚泥等に含まれる金属化合物を溶解
させるには、硫酸または塩酸の代りに塩化第二鉄を用い
るのが有効であることを見出した。
破壊または不安定化して、酸での溶解を促進させるに
は、オゾンまたは塩素を用いての酸化させる方法が既知
である。このオゾン、塩素ガスなどの気体及び塩素剤を
用いる方法は、取り扱いの方法、経時変化による劣化、
気−液反応によるロスの多大などの問題点があることを
前記した。
短時間で汚泥中の金属化合物、特に亜鉛を溶出させる方
法は、まず、汚泥に塩化第二鉄を添加し、亜鉛が溶解す
るに充分なるように汚泥PHを約4以下とする。この汚
泥を不溶性電極(チタン基板に酸化ルテニウムとルチル
をコーティングしたもの)を用いた電解槽で2A/l以
上の電流濃度で短時間(10〜30分間)電解処理を行
なう。
加されている塩化第二鉄より生成していた塩酸から、非
常に活性度の高い塩素イオン及び次亜塩素酸が生成す
る。この塩素イオンまたは、次亜塩素酸からの塩素によ
って、キレート化合物及び有機金属錯体が破壊または不
安定化されて、塩化第二鉄の酸化が相乗して、汚泥中の
金属化合物、特に亜鉛が殆んど溶出する。
目的とする処理方法であるが、当然亜鉛と同族元素(カ
ドミウム、水銀)など性質が類似する金属元素をも溶出
除去されるものとなる。以上の様に本方法は、汚泥に塩
化第二鉄を添加し、短時間電解処理するだけで、容易に
汚泥中の亜鉛を溶出させることができる。
される金属化合物の酸化溶解については、塩化第二鉄が
硫酸、塩酸以上の酸化力を持っている。すなわち、電解
処理により、汚泥に添加されている塩化第二鉄から、活
性度の高い塩素イオン及び次亜塩素酸が生成し、汚泥固
形物中のキレート化合物及び有機錯体の機能を不安定化
して、塩化第二鉄による酸化溶解を促進させることがで
きるのである。また、生成する塩素によって、塩化第二
鉄が還元されて生成する塩化第一鉄は酸化され再び塩化
第二鉄となり、汚泥のPH及び酸化還元電位が保持され
る。
性状の混合生汚泥に硫酸のみを用いて、汚泥中の亜鉛を
溶出させた場合と、硫酸を添加した汚泥を電解処理した
場合と、塩化第二鉄を添加した汚泥を電解処理した場合
の各々の被処理液を3時間撹拌混合を継続し、1時間毎
に被処理液をサンプリングして亜鉛の溶出率を調べた結
果は表−2の通りであった。
加して電解処理を行った場合は、亜鉛の溶出率は3時間
で50〜55%の溶出率しか得られなかったが、塩化第
二鉄を添加して電解処理を行なったものは、1時間の混
合撹拌でも80%以上の溶出率を得ることができた。こ
れは、電解によって生成した塩素及び次亜塩素酸がキレ
ート化合物及び有機金属錯体を破壊または不安定化させ
て溶出を促進する作用に基づいている。
Claims (1)
- 【請求項1】 亜鉛の他に、カドミウム、ニッケル、ク
ロム、銅等の重金属の化合物を含有する汚泥等から、重
金属類を水中に溶出させてこれを固液分離して汚泥固形
物中の重金属類を除去する方法において、汚泥に塩化第
二鉄を添加し、汚泥PHを4.0以下としたのち、食塩
水の電解に用いる不溶性電極を用いた電解槽で10〜3
0分間電解処理し、その被処理液を攪拌して下水汚泥等
から亜鉛化合物を溶出させる方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21533096A JP3255275B2 (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 下水汚泥等から亜鉛化合物を溶出させる方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21533096A JP3255275B2 (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 下水汚泥等から亜鉛化合物を溶出させる方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1034194A JPH1034194A (ja) | 1998-02-10 |
JP3255275B2 true JP3255275B2 (ja) | 2002-02-12 |
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ID=16670514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP21533096A Expired - Fee Related JP3255275B2 (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 下水汚泥等から亜鉛化合物を溶出させる方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3255275B2 (ja) |
-
1996
- 1996-07-25 JP JP21533096A patent/JP3255275B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH1034194A (ja) | 1998-02-10 |
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