JP3251558B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3251558B2
JP3251558B2 JP36901398A JP36901398A JP3251558B2 JP 3251558 B2 JP3251558 B2 JP 3251558B2 JP 36901398 A JP36901398 A JP 36901398A JP 36901398 A JP36901398 A JP 36901398A JP 3251558 B2 JP3251558 B2 JP 3251558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置、特に広
範な電源電圧と電源の種類に対応できる微細素子で構成
された高集積の半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ラップトップパソコンや電子手帳
に代表される携帯型電子情報機器、磁気媒体を用いずに
音声録音を行なう固体録音機やイメージを記録する固体
カメラ(電子スチルカメラ)などに代表される携帯型電
子メディア機器が市場に現われはじめている。これら携
帯型電子機器が広く普及するためには、電池動作、ある
いは電池による情報保持動作(バッテリーバックアッ
プ)が可能な超高集積回路(以下ULSIと略す)の実
現が鍵になる。また他方、より高性能の電子計算機を実
現するための大容量補助記憶装置として、磁気ディスク
よりも高速のアクセスが可能な半導体ディスクに対する
ニーズが高まっている。半導体ディスクには、電池によ
る情報保持動作が可能な超大容量のメモリLSIが必要
になる。
【0003】これら用途に用いるULSIには、以下が
要求される。(1)広範な電源電圧範囲(1〜5.5
V)での動作。これにより、多種類の電源、例えば現在
のTTL互換デジタルLSIの標準電源電圧である5
V、あるいは将来のTTL互換デジタルLSIの標準電
源電圧の候補の一つである3.3V、リチウムなどを用
いた一次電池の代表的な出力電圧である3〜3.6V、
カドミウムとニッケルによる二次電池の代表的な出力電
圧である1.2V、などに対して一つのチップで対応す
ることができる。
【0004】(2)電源電圧の時間変化(短期あるいは
長期)への対応。これにより、電池の電圧の経時変化
や、標準動作とバッテリバックアップ動作間の移行時の
電源切り換えに伴って生じる電圧変動を受けても誤動作
を起こす心配がなくなる。
【0005】(3)動作時あるいはバッテリバックアッ
プ動作時における消費電力の低減。これらにより、小形
のバッテリによっても長時間、動作させることができ
る。
【0006】(4)過渡電流の低減。これにより、電池
の電圧の過渡変動を小さくすることができ、誤動作を防
止できる。
【0007】広い電源電圧範囲で動作するマイクロプロ
セッサの製品の例は(株)日本電気4ビットマイクロプ
ロセッサ ハンドブック 148ページに記載されてい
る。製品型名はμPD7507SCである。このマイク
ロプロセッサの動作電源電圧範囲は2.2〜6.0Vであ
る。また、最小2Vでデータメモリの情報を保持するこ
とができる。同様に、スタティックメモリにおいても、
推奨動作電源電圧は5V、情報保持(リテンション)時
は2Vというのが一般的である。
【0008】電池バックアップ用のダイナミックメモリ
としては、情報保持(リフレッシュ)時の消費電流を低
減した例が、アイ・イー・イー・イー・ジャーナル・オ
ブ・ソリッド・ステート・サーキッツ,第23巻,第1
号,第12〜第18頁(1988)(IEEE Jounal
of Solid-State Circuits, Vol.23, No.1, pp.12
−18, February 1988)において論じられてい
る。この場合の標準動作電源電圧と情報保持時の電源電
圧は、ともに5Vである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した、マイクロプ
ロセッサやスタティックメモリにおいては、2〜5Vと
いう広い動作電源電圧範囲を有するものの、電源電圧=
5Vを中心に設計されているため、許容された電源電圧
変動範囲(通常は±10%)以外での動作に対しては、
動作速度(マイクロプロセッサの場合は最高クロック周
波数、スタティックメモリの場合はアクセス時間に相
当)は保証されておらず、とくに低い電源電圧では、動
作速度は著しく低下するのが通例である。また、動作速
度の電源電圧依存性も製品によりまちまちであるため、
システムを構成するLSIのうち最も遅い動作速度に一
致させねばならず、5V以外での動作では、必要な性能
が得られなかったり、低い電源電圧におけるシステム設
計を著しく困難にしたりしていた。また、これらLSI
は最低動作電源電圧が2.2Vであるため、前述した多
種の電源の全てに対応することができず、システム構成
上の制約を受けていた。
【0010】また、前述したダイナミックメモリをシス
テムに組み込む場合を考えると、その最小電源電圧は
4.5Vとなり、前述した多種の電源への対応がさらに
困難になる。とりわけ、標準動作電源電圧と情報保持時
の電源電圧との間に差がないため、電源切り換え回路の
構成が非常に複雑になり、情報保持を難しくしていた。
【0011】半導体素子の微細化は急速に進展してお
り、0.5ミクロン以下の加工技術を用いれば、ある程
度のシステムを1チップ上に集積した。いわゆるシステ
ムLSIを構成することも可能になってきている。こう
したシステムLSIにおいては、それを構成する各LS
Iブロックの動作電源電圧範囲、動作速度が整合してい
ることが要求される。しかし、前述したとうり、従来の
LSIを組合せただけでは、このようなシステムLSI
を構成することはできなかった。
【0012】本発明の目的の一つは、多種の電源電圧に
対応でき、消費電力が小さく、微細加工に見合った素子
性能を活かすことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明の代表的なもの
の一つを例示すれば以下の通りである。即ち、N形第1
MOSFETとキャパシタをそれぞれに含む複数のダイ
ナミック形メモリセルと、N形第2MOSFETを含む
第1回路とを有する半導体装置であって、前記半導体装
置は、P形半導体基板に形成され、前記複数のダイナミ
ック形メモリセルの前記N形第1MOSFETは、N形
第1半導体領域により前記P形半導体基板と分離された
P形第2半導体領域に形成され(たとえば図27)、前
記N形第2MOSFETは、N形第3半導体領域により
前記P形半導体基板と分離されるとともに前記第2半導
体領域とは独立したP形第4半導体領域に形成され(た
とえば図33)、前記P形第2半導体領域は、第1電位
にバイアスされ、前記P形第4半導体領域は、前記第2
MOSFETのソースに接続され、前記第2MOSFE
Tのソースは接地電位よりも高い第2電位で動作せしめ
られ、前記第3半導体領域は前記第2電位よりも高電位
の第3電位にバイアスされ、前記P形半導体基板には、
前記半導体装置に外部から供給される電源電圧の基準と
なる前記接地電位が結合され、前記第1電位は前記接地
電位よりも低い電位とする。
【0014】 上記の構成により、P形基板から分離され
たP形第4半導体領域に形成された第2MOSFET
は、そのソースと当該第4半導体領域を接続してそのソ
ース電位により第4半導体領域をバイアスすることがで
きる。従って、第2MOSFETのソースが接地電位よ
りも高い電位で動作する場合に、そのしきい値電圧につ
いて過剰な基板効果を受けることが軽減される。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるLSIチップ
の基本概念を説明する実施例である。同図で1はLSI
チップであり、一般に、情報記憶機能あるいは情報処理
機能を有するLSIチップを指し、ダイナミック型、ス
タティック型などのランダムアクセスメモリ(RAM)
あるいはシリアルアクセスメモリ(SAM)あるいはリ
ードオンリメモリ(ROM)などのメモリLSI、さら
には、マイクロプロセッサ(MPU)、メモリマネジメ
ントユニット(MMU)、浮動少数点演算ユニット(F
PU)のようなロジックLSI、さらには、それらを複
数集積したシステムLSIなどの、いずれの形式のLS
Iチップでもよい。また、その構成素子はバイポーラ型
トランジスタ、MIS型トランジスタ、これらの素子の
組合せ、あるいはシリコン以外の材料、例えばガリウム
砒素の素子を用いても良い。2は外部電源電圧の降下を
検出して電池によるバックアップ状態に移行させる電源
回路の例である。このような電源回路により、商用電源
の瞬断によりVEXTが低下しても、LSIチップに蓄え
られた必要な情報の消失を防止できる。この中で、3は
電源電圧の降下検出回路、SWは情報保持時に電池から
外部電源端子に電流が流れるのを防止するためのスイッ
チ、4はスイッチの制御信号、Bは電池、VBTはその電
圧であり、情報保持モードにおいてはこの電池を電源と
してチップ全体は動作する。Dは通常動作時に電池に電
流が流入するのを防止するためのダイオードである。こ
の電源回路により、通常動作においては、VEXTが、情
報保持時においては、VBTがチップの電源端子(PAD
1)に印加される。
【0016】さて、この例では、通常動作と情報保持動
作の違いをLSIチップ上の検出手段により検出する。
ここで5a、5bは主たる回路ブロック、5はそれらの
集合、6はチップ外部から入力した電源電圧VCCを各回
路ブロックの電源電圧VCL1、VCLnに変換するための電
源電圧変換回路である。6のなかで、6a、6cは通常
動作時用の変換回路、6b、6dは情報保持時用の変換
回路を示している。一般に、情報保持時においては通常
動作時に比べて、回路の動作電圧や動作電流は小さくて
すむため、電源電圧を供給する電圧変換回路の消費電流
を小さくして駆動能力を落しても支障がない。これによ
り、主たる回路ブロックの低消費電流化と相まって、L
SIチップ全体の消費電流を著しく低減することが可能
になる。なお、この例では2つの電圧変換回路を切り換
える方式を示したが、変換回路の数は3つ以上であって
もかまわない。また、1つの電圧変換回路を用いて、そ
の出力電圧や消費電流を変化させてもかまわない。
【0017】SW6a、SW6cはVCCがVCL1やVCLn
にほぼ等しい値にまで低下した場合、電源電圧VCCを直
接、回路ブロックに印加するためのスイッチである。ス
イッチを用いることにより、電圧変換回路をオフにし
て、さらに消費電流を低減することができる。なお、以
上の例では、スイッチと複数の電圧変換回路とにより電
源電圧変換回路を構成した例について述べたが、同様の
効果が得られれば、1つの電圧変換回路を用いてもかま
わない。また、同図中9は基準電圧VLの発生回路であ
る。この電圧を基に内部電源電圧VCL1やVCLnを発生す
る。8は情報保持動作状態であることを示す信号PDの
発生回路である。PDの発生方法としてはいくつか考え
られるが、ここでは電源電圧VCCと参照電圧VCXとを比
較し、前者が後者よりも小さいときにPDを出力すると
いう方法を用いている。
【0018】10はリミッタ・エネーブル信号LMの発
生回路である。電源電圧が内部電源電圧よりも高く、電
圧変換回路(電圧リミッタ)を動作させるときには高電
圧(“1”)を、外部電源電圧が内部電源電圧に等しい
ところまで低下したときには低電圧(“1”)をそれぞ
れ出力する。後者の場合には電源電圧を直接回路ブロッ
クに印加すると同時に、電圧変換回路を動作させず、消
費電流を小さく抑える。図に示した例では、電源電圧V
CCと参照電圧VLXとを比較し、前者が後者よりも大きい
ときにLMを出力している。2つの信号PDとLMとに
より電源電圧変換回路の出力電圧や消費電流などを切り
換えることができる。また、図中7は入出力バッファ、
11はチップ外部と制御信号やデータの授受を行うため
の入出力バス、12はチップ内部にあって回路ブロック
間で制御信号やデータの授受を行うための内部バスであ
る。入出力バッファはレベル変換回路を兼ねており、チ
ップ内部の論理信号振幅と外部の論理信号振幅が一致し
なくても、制御信号やデータの受け渡しをすることがで
きる。また、情報保持動作状態においては、チップ外部
と内部の間で制御信号やデータの受け渡しをする必要が
ないため、情報保持状態信号PDにより入出力バッファ
をオフする。
【0019】図2は電源電圧VCCと内部電源電圧VCLの
関係の一例を示す図である。同図で、横軸は電源電圧V
CC、縦軸は内部電源電圧VCLに対応する。ここでは、標
準電源電圧を3〜3.6V、情報保持時の電源電圧を1
〜2V、標準動作時と情報保持時の切り換えを行うため
の参照電圧VCXを2.5Vとしたが、標準電源電圧の最
小値VCC(min)、情報保持時の電源電圧の最大値VBT(ma
x)、参照電圧VCXとの間に VBT(max)<VCX<VCC(min) なる関係が成り立てば、ここに示した値でなくともかま
わない。また、標準動作時における内部電源電圧VCLは
1.5Vとしたが、電源電圧VCCを越えない範囲で、回
路の動作性能に応じた適当な電圧値に設定して差し支え
ない。また、この例においては、1.5V以下の電源電
圧において電源電圧VCCを直接、内部回路に印加するた
め、VLXの値を1.5Vにしている。
【0020】このLSIチップにおいて、電源電圧VCC
が時間的に変化した場合の、内部電源電圧VCL、2つの
制御信号LM、PDのそれぞれの時間変化の例を図3に
示す。ここでは時間t0〜t3にかけて、電源電圧VCCが
3.5V〜1Vに低下し、時間t4〜t7にかけて、電源
電圧VCCが1〜3.5Vに上昇する場合を考えている。
電源電圧VCCがVCX=2.5Vよりも小さくなるt1〜t
6の期間、信号PDが高電圧(“1”)になり、チップ
は情報保持状態となる。また、電源電圧VCCがVLX=
1.5Vよりも小さくなるt2〜t5の期間、信号LMは
低電圧(“0”)になり、チップには電源電圧VCCが直
接、印加される。なお、ここに示した電圧値はひとつの
例であり、他の電圧の組合せでも同様に適用できる。
【0021】図4および図5には、リミッタ・エネーブ
ル信号LMを発生する方法および回路の構成の一例を示
す。信号LMは、電源電圧VCCを低下させていったとき
に、内部電源電圧VCLにはじめて等しくなるところで高
電圧(“1”)から低電圧(“0”)に遷移させてやれ
ばよい。この例では、電源電圧VCCに比例する電圧β×
VCC(0≦β≦1)と参照電圧VLとを比較回路により
比較し、前者が大きいときに高電圧(“1”)、前者が
小さいときに低電圧(“0”)を出力している。このよ
うに電源電圧VCCに比例する電圧を用いて高電圧と低電
圧の間の電圧を入力とすることにより、比較回路の電圧
増幅率を大きくとることができるなど、回路動作上、都
合が良い。例えば、β=0.5、VL=0.75Vの場合、
VLX=1.5Vとなり、電源電圧VCCが1.5V以上のと
きにリミッタ・エネーブル信号LMが高電圧(“1”)
となり、電圧変換回路が動作する。ここで、電源電圧V
CCに比例する電圧は抵抗分割などにより発生することが
できる。
【0022】図6および図7には、情報保持状態信号P
Dを発生する方法および回路の構成の一例を示す。基本
的には、前述したLM発生回路と同様な回路で構成でき
る。この場合、電源電圧VCCに比例する電圧α×VCC
(0≦α≦1)は比較回路の反転入力端子に入力する。
例えば、α=0.5、VL=0.75Vの場合、VCX=2.
5Vとなり、電源電圧VCCが2.5V以下のときに情報
保持状態信号PDが高電圧(“1”)となり、情報保持
状態になる。ここで、電源電圧VCCに比例する電圧は抵
抗R1とR2の抵抗分割により発生している。抵抗R1と
R2は半導体基板中に形成された不純物拡散層やポリシ
リコン、さらにはMIS−FETのチャネル抵抗などい
ずれを用いて構成しても構わない。
【0023】図8は、スタティックメモリをその一部に
含むLSIに本発明を適用した一実施例を示している。
図中、5cはスタティックメモリのメモリセルアレー、
5dは論理回路等の情報保持を必要としない回路ブロッ
クであり、それぞれの電源電圧はVCL2およびVCL1であ
る。メモリセルは4つのNチャネルMOS-FET T6〜T9
と2つの抵抗素子R7、R8とからなっている。抵抗値を
Rとすると、1つのメモリセルあたりに流れる電流値は
VCL2/Rとなる。したがって、情報保持時には雑音余
裕(ノイズマージン)が確保できる範囲内で電圧値をで
きるだけ下げることが望ましい。図9に示すように、こ
の例では、標準動作時のVCL2を1.5V、情報保持例の
VCL2を1Vとしている。論理回路ブロック5dはイン
バータや論理ゲートなどにより構成されている。図中、
矢印の付いているT11、T13はPチャネルMOS-FET、そ
の他のT10、T12はNチャネルMOS-FETを示している。
情報保持時には、これら論理回路は動作させる必要がな
いため、電源電圧を供給する必要がない。したがって、
ここでは標準動作時のVCL1を1.5V、情報保持時のV
CL1を0Vとしている。内部電源電圧VCL2およびVCL1
は電源電圧変換回路6eあるいはスイッチとして動作す
るPチャネルMOS-FET T1 とにより供給される。電源
電圧変換回路は、差動増幅回路A1、差動増幅回路の動
作電流を制御するためにもうけられた抵抗R3と2つの
NチャネルMOS-FET T3、T4、差動増幅回路の反転入
力端子への帰還量を制御するためにもうけた3つの抵抗
R4〜R6とPチャネルMOS-FET T5、およびスイッチと
して動作するPチャネルMOS-FETT2、とから構成されて
いる。電源電圧が高く、内部電源電圧をVCCから降下さ
せる場合には、リミッタ・エネーブル信号LMが高電圧
(“1”)になる。この時、T1がカットオフする、と
同時にT3が導通し、差導増幅回路A1にバイアス電流が
供給され、非反転入力電圧VLに比例した電圧が出力さ
れる。これと反対に、信号LMが低電圧(“0”)の時
には、T3がカットオフし、差動増幅回路にバイアス電
流が供給されなくなる。そのため、電源電圧VCCが直
接、内部電源電圧として出力される。情報保持動作時に
は情報保持信号PDが高電圧(“1”)になる。この時
には、トランジスタT2 がカットオフし、回路ブロック
5dへの電源供給を停止する。一方、T4 がカットオフ
し、差動増幅回路のバイアス電流の値は抵抗R3 によっ
て決まるようになる。情報保持状態においてメモリセル
アレーが消費する電流は非常に小さく、かつ時間的にほ
ぼ一定の直流電流とみなすことができる。したがって、
差動増幅回路の負荷駆動能力は標準動作時に比べて格段
に小さくてもよく、バイアス電流を著しく低下させて
も、動作上、支障がない。また同時にT5 を導通させ、
差動増幅回路の帰還量を大きくすることにより、情報保
持動作時の内部電源電圧を下げている。これにより、情
報保持時のチップ全体の消費電流を著しく低減すること
ができる。なお、この例では、VL=0.75V、R4=
R6=3R5としている。このときのVCL2の値は、標準
動作時で1.5V、情報保持時で1.0Vとなる。
【0024】図9は電源電圧VCCと内部電源電圧VCL2
およびVCL1の関係の一例を示している。同図で、横軸
は電源電圧VCC、縦軸は内部電源電圧VCLである。ここ
では図2の例と同様、標準電源電圧を3〜3.6V、情
報保持時の電源電圧を1〜2V、標準動作時と情報保持
時の切り換えを行うための参照電圧VCXを2.5Vとし
た。標準動作時における内部電源電圧VCL2およびVCL1
は1.5V、情報保持時における内部電源電圧VCL2 は
1Vとしたが、それぞれ電源電圧VCC を越えない範囲
で、回路の動作性能に応じた適当な電圧値に設定して差
し支えない。
【0025】このLSIチップにおいて、電源電圧VCC
が時間的に変化した場合の、内部電源電圧VCL2 およ
びVCL1、2つの制御信号LM、PDのそれぞれの時間
変化の例を図10に示す。ここでは、時間t0〜t2にか
けて、電源電圧VCCが3.3〜2Vに低下し、時間t3
〜t5にかけて、電源電圧VCCが2〜3.3Vに上昇する
場合を考えている。電源電圧VCCがVCX=2.5Vより
も小さくなるt1〜t4の期間、信号PDが高電圧
(“1”)になり、チップは情報保持状態となる。ま
た、この時間範囲において電源電圧VCCは1.5Vよ
りも小さくならないため、信号LMは高電圧(“1”)
のままである。
【0026】以上述べた実施例によれば、標準動作時に
おいては高速に動作し、情報保持時においては必要最低
限の電力で情報を保持することのできるスタティックメ
モリあるいは、スタティックメモリをその一部に含むL
SIを実現することができる。なお、以上の実施例で
は、高抵抗負荷によるスタティックメモリセルを用いた
例について述べたが、その他にも例えば、2つのCMO
Sインバータと2つの選択トランジスタとからなるCM
OS型メモリセルや、2つのNANDゲートあるいはN
ORゲートを用いたラッチ回路などにより記憶回路を構
成する場合にも同様に本発明を適用できる。
【0027】図11は、ダイナミックメモリに本発明を
適用した一実施例を示している。図中、5eは1.5V
以下の電源電圧で動作するダイナミックメモリであり、
一つのメモリセルは、NチャネルMOS-FET T18 および
蓄積容量CS1により構成されている。13はメモリセル
アレー、14はロウ・アドレス・バッファ、15はカラ
ム・アドレス・バッファ、16はロウ・アドレス・スト
ローブ(RAS)入力バッファ、17はカラム・アドレ
ス・ストローブ(CAS)入力バッファ、18はライト
・エネーブル(WE)入力バッファ、19はデータ入力
バッファ、20はデータ出力バッファ、21はロウ・ア
ドレス・ストローブ(RAS)信号をもとに制御クロッ
クを発生するクロック発生回路、22はカラム・アドレ
ス・ストローブ(CAS)信号をもとに制御クロックを
発生するクロック発生回路、23は書き込みクロック発
生回路、24はリフレッシュ(RFSH)信号発生回
路、25はリフレッシュアドレス発生回路、26はリフ
レッシュアドレスと外部入力アドレスの切り換えを行う
マルチプレクサである。ダイナミックメモリでは蓄積容
量CS1に電荷を蓄えることにより情報を記憶しているた
め、情報保持時においても、周期的に信号電荷を読出し
て再書き込みをおこなう、いわゆるリフレッシュ動作が
必要となり、メモリセルアレー以外の一部周辺回路も動
作させる必要がある。また、十分な雑音余裕を確保する
ためには、情報保持時においても標準動作時と同等の信
号電荷量を確保する必要がある。そこで、この例では、
図12に示すように、情報保持時と標準動作時の内部電
源電圧を変化させず、1.5V(一定)としている。情
報保持時においてはチップ外部との入出力を行う必要が
ないため、全ての入出力バッファ14〜20は信号PD
によりカットオフしている。また、マルチプレクサを信
号PDにより制御し、情報保持時にはリフレッシュアド
レス発生回路により出力されるアドレスに切り換えてい
る。リフレッシュ動作時には、信号RFSHが高電圧
(“1”)になる。この信号はリフレッシュアドレス発
生回路に入力され、リフレッシュアドレスを順次、増加
または減少させる。同時に、RFSHはクロック発生回
路21を起動し、リフレッシュに必要なクロックを発生
する。内部電源電圧VCL は電源電圧変換回路6fおよ
びスイッチとして動作するPチャネルMOS-FET T14と
により供給される。電源電圧変換回路は、差同増幅回路
A2、差動増幅回路の動作電流を制御するためにもうけ
られた抵抗R9と3つのNチャネルMOS-FET T15、T1
6、T17、差動増幅回路の反転入力端子への帰還量を制
御するためにもうけた2つの抵抗R10、R11とから構成
されている。電源電圧が高く、内部電源電圧をVCCから
降下させる場合には、リミッタ・エネーブル信号LMが
高電圧(“1”)になる。この時、T14がカットオフす
る、と同時にT15が導通し、差動増幅回路A2にバイア
ス電流が供給され、非反転入力の電圧VLに比例した電
圧が出力される。これと反対に、信号LMが低電圧
(“0”)の時には、T15がカットオフし、差動増幅回
路にバイアス電流が供給されなくなる。そのため、電源
電圧VCCが直接、内部電源電圧として出力される。情報
保持動作時には情報保持信号PDが高電圧(“1”)に
なる。この時にはT16をカットオフし、差動増幅回路の
バイアス電流の値を抵抗R9によって決めている。情報
保持状態で、かつ周辺回路が動作していない期間は消費
電流が小さい。したがって、差動増幅回路の負荷駆動能
力は標準動作時に比べて格段に小さくてもよく、バイア
ス電流を著しく低下させても、動作上支障がない。リフ
レッシュ動作時には、信号RFSHを電圧変換回路6に
フィードバックしてT17を導通させ、差動増幅回路のバ
イアス電流を標準動作時と同程度の値としている。こう
することにより、リフレッシュ動作期間中、データ線の
充放電や周辺回路の動作に必要な電源電流を供給するこ
とができる。したがって、情報保持時においても、雑音
余裕を低下させることなくチップ全体の消費電流を著し
く低減することができる。なお、この例では、VL=0.
75V、R10=R11としてVCL=1.5Vを得ている
が、この他の電圧値や抵抗値の組合せでも構わない。
【0028】このLSIチップにおいて、電源電圧VCC
が時間的に変化した場合の、内部電源電圧VCL、2つの
制御信号LM、PD、リフレッシュ信号RFSH、およ
び差動増幅回路のバイアス電流値のそれぞれの時間変化
の例を図12に示す。ここでは、時間t0〜t2にかけ
て、電源電圧VCCが3.3〜2Vに低下し、時間t3〜t
5にかけて、電源電圧VCC が2〜3.3Vに上昇する場
合を考えている。電源電圧VCCがVCX=2.5Vよりも
小さくなるt1〜t4の期間、信号PDが高電圧
(“1”)になり、チップは情報保持状態となる。ま
た、この時間範囲において電源電圧VCCは1.5Vより
も小さくならないため、信号LMは高電圧(“1”)の
ままである。情報保持期間中、リフレッシュ動作時に
は、標準動作時と同程度のバイアス電流IB1を流し、そ
れ以外は十分小さな値IB2を流している。
【0029】以上述べた例では、同じアドレス・バスか
らロウ・アドレスとカラム・アドレスを時間的に切り換
えて取り組む。いわゆるアドレス・マルチプレクス方式
を用いているが、全てのアドレスを同時に取り込む一般
的な方式を用いても本発明を同様に適用できる。また、
特願昭63−148104や特願昭63−222317
に述べられているような、プレートを駆動してデータ線
の電圧振幅を低減するダイナミックメモリを用いること
により、より低消費電力メモリを実現することができ
る。
【0030】図13(a)および(b)は情報保持時に
おけるリフレッシュ信号RFSHのタイミングの一例を
示している。ここでは、4096サイクルで全メモリア
レーをリフレッシュする場合の例を示している。電源電
圧を、例えば1.5V以下にまで低下させることによ
り、メモリ全体の消費電流を大幅に下げることができる
ため、64Mb程度の大容量のメモリであっても、リフ
レッシュサイクルを4096から増やす必要がなくな
り、システムを構成しやすくなる。情報保持状態に移行
して最初の4096サイクルで集中リフレッシュ、すな
わち比較的短い周期TC1で信号RFSHを発生させてい
る。これは、標準動作時におけるリフレッシュ制御がR
FSHによる内部リフレッシュとは無関係であるためで
ある。こうした初期化を行うことにより、状態が移行す
る前後でリフレッシュ周期の仕様を満たさなくなる危険
性を回避することができる。図13(a)では、集中リ
フレッシュの後、一定の周期TC2で信号RFSHを発生
させている。これに対して同図(b)では、周期TC3で
集中リフレッシュを繰り返している、集中リフレッシュ
中の信号RFSHの周期は、最初の集中リフレッシュと
同じ値TC1にしている。これは他の値でも差し支えない
が、信号発生回路の構成上、同じ値にしたほうが都合が
良い。
【0031】図14は図13(a)の例にたいするリフ
レッシュ周期TC2のチップ温度依存性の一例を示してい
る。チップ温度と情報保持時間の関係は、例えばアイ・
イー・イー・イー・トランザクションズ・オン・エレク
トロン・デバイセズ、第35巻、第8号、第1257〜
1263頁(1987)(IEEE Transactions on
Electron Devices, Vol.35,No.8, pp.1257−1
263,August 1987)において論じられている。
これによれば、チップ温度が0〜100℃まで変化した
ときの情報保持時間の変化は約3桁である。したがっ
て、リフレッシュ周期TC2を図14のように変化させれ
ば、実際の情報保持特性に合わせることができる。情報
保持状態においては、チップの消費電力は極めて小さく
なるため、環境温度とチップ温度との差はほとんどな
い。したがって、低い環境温度で使用することにより、
リフレッシュ周期を伸ばし、さらに低電力化することが
できる。これにより、電池を電源とする携帯型電子機器
などに搭載するのに適したダイナミックメモリを供する
ことができる。なお、図14のような温度依存性を有す
る発振回路は特開昭60−136088に述べられてい
る。
【0032】図15は図13(b)の例において、リフ
レッシュ不良が発生したときの例を示している。図にお
いて、横軸はリフレッシュ周期、縦軸は累積不良度数で
ある。リフレッシュ周期TC3に対して、1ビットのみ不
良となっている。メモリのごく一部のみが不良の場合、
不良メモリセルを、あらかじめチップ上に設けておいた
予備のメモリセルで置換することにより修復する、いわ
ゆる欠陥救済技術がある。この技術は、例えば、アイ・
イー・イー・イー・ジャーナル・オブ・ソリッド・ステ
ート・サーキッツ、第16巻、第5号、第479〜48
7頁(1981)(IEEE Journal of Solid-State
Circuits, Vol.16,No.5,pp.479−487,19
81)において論じられている。この技術は図15のよ
うなリフレッシュ不良に対しても同様に適用できる。し
かし、従来の欠陥救済技術では、予備のメモリセルを必
要とするため、チップ面積の増大を招くという欠点があ
った。図16,図17,図18に示したのは、予備のメ
モリセルを用いないリフレッシュ不良救済技術の例であ
る。これは、図15においてリフレッシュ周期TC3で不
良となるメモリセルのみを、それよりも短い周期、例え
ばTC4でリフレッシュするというものである。以下、図
16〜18を用いて説明する。図16はこの不良救済技
術を用いたときの、情報保持時におけるリフレッシュ信
号RFSHのタイミングの一例を示している。ここで
は、アドレス1がリフレッシュ不良である場合を考えて
いる。図に示すように、ひとつの集中リフレッシュから
次の集中リフレッシュの間、周期TC4でアドレス1をリ
フレッシュしている。こうすれば、全アドレスを短い周
期TC4でリフレッシュする場合に比べて消費電流を著し
く低減することができる。各リフレッシュ周期の間には
4096×TC1≦TC4≦TC3が成り立つ必要がある。図
17はリフレッシュアドレスおよびリフレッシュ信号R
FSHを発生する回路構成の一例、図18はその動作タ
イミングを示している。図17において、OSCはクロ
ックφ0を発生する発振器、DV1,DV4,DV3 はク
ロックφ0 の整数倍の周期を有するクロックφ1,φ4,
φ3 を発生する分周器、30は13ビットのシンクロナ
ス・カウンタ、31はリフレッシュアドレス発生回路、
32はリフレッシュ信号(RFSH)発生回路、I1は
インバータ、G1はANDゲート、G2 はORゲートを
それぞれ示している。カウンタはクロックφ1 により動
作し、Reset端子に高電圧(“1”)が印加され、カウ
ンタ出力が全て低電圧(“0”)にリセットされた状態
から計数を開始する。出力が4097になると出力Q12
が高電圧(“1”)となり、計数を停止する。図中e
はカウンタ・エネーブル信号である。カウンタの動作
中、eは高電圧(“1”)であるため、リフレッシュア
ドレス発生回路の出力ar0〜ar11にはカウンタの出力
Q0〜Q11が出力される。カウンタが停止した後、eは
低電圧(“0”)となり、ar0〜ar11 には不良アドレ
スaS0〜aS11 が出力される。同様に、カウンタの動作
中はクロックφ1 が、カウンタ停止後はクロックφ4、
がそれぞれリフレッシュ信号発生回路から出力される。
これにより、カウンタの動作中は周期TC1で4096回
集中リフレッシュを行い、カウンタ停止後は周期TC4で
不良アドレスのみをリフレッシュすることができる。な
お、ここでは一つの不良アドレスのみを救済する例につ
いて述べたが、複数の不良アドレスを救済する場合につ
いても、同様に本発明が適用できる。
【0033】以上述べた実施例によれば、標準動作時に
おいては高速に動作し、情報保持時においては必要最低
限の電力で情報を保持することのできるダイナミックメ
モリあるいは、ダイナミックメモリをその一部に含むL
SIを実現することができる。さらには、従来ダイナミ
ックメモリで問題となっていた電源電圧変動にたいして
も、図11、12に示したように、内部回路を例えば
1.5Vのような低電圧で動作させることにより、外部
電源電圧が大きく変化しても、安定に動作させることが
できる。
【0034】いままで述べてきた実施例においては、標
準動作状態と情報保持動作状態の違いをLSIチップ上
に設けた検出手段により検出していたが、動作状態をチ
ップ外部からコントロールしても構わない。図19は情
報保持状態への移行を外部からコントロールする、本発
明の他の一実施例を示している。この中で、4bはチッ
プ外部から入力される情報保持状態信号、1Bは図1の
LSIチップと同様、情報記憶機能あるいは情報処理機
能を有するLSIチップ、PAD3は情報保持状態信号
を受信するためのボンディングパッドをそれぞれ示して
いる。図1のLSIチップと異なる点は、チップ上に検
出手段と情報保持状態信号の発生手段を設ける必要がな
いことである。このチップを図1のLSIチップとは別
に設計しても良いし、一つのチップを設計し、ボンディ
ングの切り換えやアルミニウム配線のマスタスライスで
分けてもかまわない。
【0035】図20は図19のLSIチップを電池Bを
電源として動作させる場合を示している。電池の電圧値
は、その種類により1〜3.6Vなどの広範囲に分布す
る。したがって、情報保持状態への移行を電圧変化で検
出する方法に比べて、システムが外部からコントロール
できるほうが都合が良い。図21は内部電源電圧VCLの
電源電圧VCCに対する依存性を示している。この例で
は、標準電源電圧範囲を1〜3.6Vとし、1.5〜3.
6VのときにはVCL=1.5V、1〜1.5Vのときには
VCL=VCCとしている。こうすることにより、1〜3.
6Vといった広い電源電圧範囲にわたって内部電源電圧
の変化を小さく抑えることができ、動作速度や消費電
流、動作余裕といった動作性能の電源電圧依存性がほと
んどないLSIを実現することができる。また、電源電
圧を変化させることなく、必要に応じて情報保持状態へ
移行させることができるため、システムの状態に応じて
不必要な電力消費を抑え、電池で動作する電子機器の動
作時間を長くすることができる。
【0036】図1や図19に示した電池バックアップ回
路をチップ上に取り込み、電源の切り換えをチップ上で
おこなうようにしたLSIの構成例を図22に示す。こ
の図で、1Cは図1のLSIチップと同様、情報記憶機
能あるいは情報処理機能を有するLSIチップ、40は
電源切り換え回路、41は電源降下検出回路、SL、SB
は電源降下検出回路が発生する切り換え信号、SW40
a、SW40bは切り換え信号SL、SBにより電源の切り換
えを行うスイッチ、PAD4は電池の電圧を印加するた
めのボンディングパッドをそれぞれ示している。このよ
うに、電源の切り換えをチップ上で行うことにより、シ
ステム(ボード)に電池バックアップ回路を実装する必
要がなくなり、部品点数が削減でき、製造コストや実装
密度を改善できる。また、LSIの特性に応じた電源切
り換え回路を搭載できるため、ユーザは電源切り換え時
に問題となる電源電圧の過渡変動を気にする必要がなく
なり、使い易いチップを提供することができる。図23
は電源切り換え回路40の具体的な構成例を示してい
る。図において42、43は差動増幅回路、44、45
はその出力T19、T20 は電源の切り換えを行うスイッ
チに相当するPチャネルMOS-FET、46は電源切り換え
回路の出力である。以下、この回路の動作を説明する。
差動増幅回路42の非反転入力と反転入力にはそれぞれ
VCCとVBTに比例する電圧γVCCとγVBTを印加する。
同様に、差動増幅回路43の非反転入力と反転入力には
それぞれVBTとVCCに比例する電圧γVBTとγVCCを印
加する。ここでγは0≦γ≦1を満たす比例定数である
が、差動増幅回路の電圧ゲインと出力振幅を十分とれる
ような値にすることが望ましい。比例する電圧は抵抗分
割により得ることができる。差動増幅回路42、43の
出力44、45はT19、T20のゲートに印加される。は
じめにVCC>VBTの場合を考える。このとき、出力44
には高電圧(VCC)が、出力45には低い電圧(〜γV
CC−VT)が出力され、T19は非導通、T20は導通状態
になる。したがってVINTとしてVCCが出力される。同
様にVCC<VBTの場合、出力44には低い電圧(〜γV
BT−VT)が、出力45には高電圧(VBT)がそれぞれ
出力され、T19は導通、T20は非導通状態になる。その
結果、VINTとしてVBTが出力される。この回路はVCC
かVBTの一方が0Vの場合でも同様に動作するため、ど
ちらか一方の電源しか供給しない場合にも、供給された
電圧がそのまま内部回路の電源電圧として出力される。
図24はVINTのVCC依存性の一例をVBT=1.5Vの場
合に対して示している。VCC>1.5VのときにはVINT
=VCC、VCC<1.5VのときにはVINT=1.5Vが得
られている。図に示されるように、VINTは連続的に変
化しており、LSIの動作に悪影響を及ぼすようなキン
クは発生していない。以上の実施例に示されるように、
比較的簡単な回路で電源切り換え回路を構成できるた
め、これを一つのLSI上に搭載しても、チップ面積の
増加は僅かである。ここでは、MOS-FETを用いて構成し
た例を示したが、他の、たとえばバイポーラトランジス
タを用いても同様に実現することができる。
【0037】以上の実施例では、主たるLSI回路ブロ
ックが1.5V以下で動作するLSIチップの基本概念
を説明してきた。以下では、主にダイナミックメモリを
取り上げ、より詳細な実施例を説明する。一般に、他の
論理LSIやスタティックメモリに比べて、ダイナミッ
クメモリは低電圧動作が難しいとされてきた。その第一
の理由は、蓄積電圧と蓄積容量の積できまる信号電荷量
が低電圧化により減少し、信号対雑音比が低下するため
である。そのために、パッケージや金属配線などに含ま
れる微量の放射性物質から放出されるアルファ線の照射
により発生する雑音電荷や、メモリセルに流入する熱的
や非熱的なリーク電流による雑音電荷に対する雑音余裕
(マージン)の確保が難しいと考えられてきた。これら
の問題点は次の二つの方法の何れかにより解決すること
ができる。
【0038】(1)低い電源電圧(例えば1.5V)に
おいても、従来と同程度のメモリセル蓄積信号電圧(例
えば、低電圧=0V、高電圧=3V)が得られるような
回路を用いる。この場合、メモリセルの蓄積容量は従来
と同程度の値(例えば30〜40fF(フェムト・ファ
ラッド))で良い。
【0039】(2)回路方式は従来のままとする代わ
り、メモリセルの蓄積容量を電源電圧にほぼ反比例して
増大させる。例えば電源電圧=1.5Vのときの、メモ
リセルの蓄積容量は60〜80fFとする。上記方法の
うち、(1)については、ワード線とデータ線の他に、
メモリセルのプレートを駆動することにより、データ線
の振幅よりも大きな信号振幅をメモリセルに蓄積する方
法が特願昭63−148104や特願昭63−2223
17に示されている。(2)については、蓄積容量を従
来に比べて飛躍的に増大させる技術が特願昭60−26
7113やシンポジウム オン ブイエルエスアイ テ
クノロジー、ダイジェスト オブ テクニカル ペーパ
ーズ、第29〜30頁(1988)(1988 Symposi
um on VLSI Technology, Digest of Technical Pap
ers, pp.29−30,1988)に述べられている。
【0040】これらの技術を適用することによって、安
定な動作に必要な蓄積信号電荷を確保することができ
る。低電圧動作のための第2の課題は高速動作と低消費
電流を同時に実現することである。第3の課題は低電圧
動作回路と高電圧動作回路の同一チップ上への集積を可
能にする素子あるいは回路の実現である。第3の課題
は、高電圧電源と低電圧電源の電圧値の比が2倍以上に
なると特に問題となってくる。一つのチップ上に高電圧
用と低電圧用の二種類の素子を形成することにより第3
の課題を解決する例が特願昭56−57143に示され
ている。この技術によれば、低電圧電源用と高電圧電源
用のそれぞれに対して最適な素子で回路を構成できる
が、LSIの製造工程が複雑になるという欠点がある。
以下の実施例では、第2の課題を克服し、最小の電源電
圧が1Vでも動作する手段、および製造工程を複雑にす
ることなく第3の課題を解決する方法について説明す
る。これらによりダイナミックメモリの動作電源電圧を
1〜1.5V程度にまで低電圧化でき、ダイナミックメ
モリあるいはダイナミックメモリをその一部に含むLS
Iチップの高集積化、高速化、低消費電力化を同時に実
現できる。また、バッテリ動作あるいはバッテリバック
アップ動作において要求される仕様を満たすことができ
る。
【0041】はじめに、第2の課題を克服する手段につ
いて説明する。なお、以下に相補形のMOS-FET(Complem
entary MOS=CMOS)を用いる例を示すが、同様
の効果が得られれば、バイポーラトランジスタや接合型
FET、あるいはシリコン以外の素子を用いても構わな
い。図25(a)は、NチャネルMOS-FETゲート・ソース間
電圧VGSとドレイン電流IDの関係を示している。この
関係は、(i)IDの平方根がVGSにほぼ比例する平方
根領域と、(ii)よりVGSの小さな領域でIDがVGSの
指数関数に比例するサブスレッショルド領域とに分けら
れる。図中VT1は、(ii)の領域を無視し、電流電圧特
性を平方根で近似できるとしたときに、ドレイン電流が
流れ始める、いわゆるゲートしきい値電圧である。ま
た、VT0は回路動作上、ドレイン電流がほぼ零とみなせ
るゲートしきい値電圧の他の定義である。ゲート幅を1
0ミクロンとしたとき、VGS=VT0のときのドレイン電
流は10nA程度、VGS=VT1のときのドレイン電流は
1μA程度である。VT1とVT0の差はおおよそ0.2V
である(VT1>VT0)。実際のMOS-FETの電流駆動能力
にはVGS−VT1が関係し、待機状態での静的な電流には
VT0が関係する。以下の例では、LSIの主たる回路に
用いる素子のしきい値電圧をVT1=0.3V(したがっ
てVT0は約0.1V)となるように設定した。これによ
り、電源電圧の半分の電圧(例えば0.5V)でMOS-FET
を導通させる必要のあるセンスアンプや差動増幅回路を
動作させることができ、電源電圧=1Vまで全ての回路
を動作させることができる。また、これにより、チップ
全体の待機電流を10μA程度に抑えることができる。
また、各種製造工程のばらつきにより、しきい値電圧が
±0.1V程度ばらついても、電源電圧=1Vでの回路
動作を実現するとともに、チップ全体の待機電流を10
0μA以下に抑えることができる。また電源電圧=1V
でも十分な動作速度が得られるように、チャネル長=
0.3ミクロンとした。図25(b)は、2つのNチャネル
MOS-FET(CaseI,CaseII)に対するゲートしきい値電
圧VT1のチャネル長依存性を示している。ここに、Case
Iは従来のダイナミックメモリ(以下DRAMと略す)で
一般的な、基板バイアス電圧を印加する場合の条件、Ca
seIIは本発明で用いた、基板バイアス電圧を印加しない
条件に対応した素子の特性を示している。CaseIではV
BS=−1Vのときに、CaseIIではVBS=0Vのときにゲ
ートしきい値電圧VT1が0.3Vになるようにしてい
る。CaseIIの素子には以下の3つの問題がある。
【0042】(1)チャネル長の変動に対するゲートし
きい値電圧の変動が大きく、CaseIに比べて制御性が劣
るため短チャネル化が難しい。
【0043】(2)基板バイアス電圧はチップ上に設け
られた基板バイアス電圧発生回路によりつくられるが、
その電圧値は製造ばらつきによりばらつき、かつ動作す
る回路の個数により、その値が時間的に大きく変動す
る。ゲートしきい値電圧は基板バイアス電圧により大き
く変調を受けるため、低電圧動作で要求されるようなゲ
ートしきい値電圧の仕様を精度良く満たすことができな
い。
【0044】(3)電源投入時には基板バイアス電圧が
0Vであるため、基板効果によりゲートしきい値電圧が
0.3Vより低い値、例えば0Vになっている。
【0045】と同時に、基板はほぼフローティング状態
であるためVCCとの容量結合により基板電圧が過渡的に
上昇し、ゲートしきい値電圧はマイナスとなる。このた
め周辺回路のMOS-FETが導通状態になになるため、大き
な過渡電流が流れる。本発明では、基板電圧をVSS=0
Vに固定しているため、ゲートしきい値電圧の制御性に
優れ、かつ電源投入時の過渡電流の小さなLSIチップ
を提供することができる。さらには、回路動作中の基板
電圧の変動をほとんど零にすることができるため、基板
電圧からの容量結合雑音を大幅に減少させることができ
る。なお、しきい値電圧を精度良く設定する他の手段を
用いれば、従来と同様に基板バイアス電圧を印加しても
構わない。
【0046】図26は、最小電源電圧1Vでも動作する
ダイナミックメモリの、主たる回路に用いた素子のゲー
ト酸化膜厚tOX、電気的なチャネル長(実効チャネル
長)Leff、ゲートしきい値電圧VT1、VT0を示してい
る。ここで、括弧内に示した値は、製造ばらつきなどに
よる変動の範囲を示している。
【0047】図27は、本発明のダイナミックメモリチ
ップの断面構造の一部を示している。従来のダイナミッ
クメモリで基板にマイナスの電圧を印加していた理由
は、以下の3つである。
【0048】(1)入力あるいは出力に外部からリンギ
ングなどによるマイナスの電圧が印加された場合、少数
キャリアである電子が基板に注入される。この電子は基
板内を拡散して、その一部がメモリセルの電荷蓄積部に
達し、リフレッシュ特性を悪化させる。この少数キャリ
アの基板への注入を防止する。
【0049】(2)基板にマイナスの電圧を印加するこ
とにより、n-拡散層とp基板の間の接合容量を減少さ
せ、負荷容量を減らす。これにより、回路の高速動作と
低消費電力化を図る。
【0050】(3)基板にマイナスの電圧を印加するこ
とにより、チャネル下の空乏層が広がり、チャネル部の
ポテンシャルが基板電圧による変調を受けにくくなる。
これにより、ゲートしきい値電圧が基板電圧の変動の影
響を受けにくくなる。別の言い方をすると、ゲートしき
い値電圧の基板効果係数が小さくなり、ダイナミックメ
モリの一部の回路の動作上、都合が良い。これらのう
ち、(3)については、CMOS−LSIの二重ウェル
構造化の傾向とともに、基板電圧を印加することの効果
が薄らいできている。したがって、(1)と(2)を解
決することが、重要となる。CMOS−LSIにおい
て、複数の基板電圧の印加が可能となる基板構造が特開
昭62−119958に示されている。この構造と、本
発明による低電圧LSIを組合せることにより、前述し
た目的を達成し、耐雑音性に優れ、高速、低消費電力の
低電圧LSIを構成することができる。以下、本発明の
基板構造の断面図を用いて、その実施例を説明する。図
27において、P形のシリコン基板の不純物濃度は約1
×1015cm+3である。この基板中に2回の異なる工程に
よって形成された2種類のNウェル(N1,N2)、お
よび1種類のPウェルを形成する。各ウェルの不純物濃
度は例えば、N2ウェルが1×1016cm+3、N1ウェル
とPウェルが5×1016cm+3程度であるが、素子の寸法
に応じてこれらの値は変化させても構わない。図中、5
0は能動領域間の電気的分離を行うための厚い酸化膜
(膜厚は約500nm)、51は蓄積容量を形成するた
めの第1のポリシリコン電極、52はMOS-FETのゲート
電極となる第2のポリシリコン電極、53、54はこれ
ら厚い酸化膜やポリシリコン電極をマスクとして自己整
合的に形成したN形の不純物拡散層(不純物濃度は約2
×1020cm+3)、55、56、57はこれと同様に形成
されたP形の不純物拡散層(不純物濃度は約2×1020
cm+3)をそれぞれ示している。P基板は拡散層56によ
り接地電位(VSS)に固定している。メモリセルの蓄積
容量や選択トランジスタTN3,TN4はN2ウェルにより
基板と電気的に分離されたPウェル中に形成する。Pウ
ェルには拡散層57により第2の基板電位VBP2を印加
する。またN2ウェルには、それに電気的に接するN1
ウェルと拡散層54により第2のNウェル電位VBN2を
印加する。またVBS=0Vで動作させる周辺回路のNチ
ャネルMOS-FET TN1はP基板中に、PチャネルMOS-FET
TP1はN1ウェル内に、それぞれ形成する。また、周辺
回路のNチャネルMOS-FET TN2はメモリセルアレーとは
別の、P基板と電気的に分離されたPウェル内に形成し
ている。こうすることにより、入出力回路などマイナス
の電圧や、Nウェルの電圧よりも高い電圧が外部から入
力される可能性のある場合、そのオーバシュートあるい
はアンダーシュート量に応じた、独立した基板電圧を印
加することができる。このように、メモリセルアレーが
形成されるPウェルをP基板と電気的に分離することに
は、他に以下の効果がある。
【0051】(1)メモリセルアレーのPウェルをマイ
ナス電位にバイアスすることにより、データ線容量を低
減し信号対雑音比を改善できる。
【0052】(2)メモリセルアレーを覆ったN2ウェ
ルが基板中を拡散してくる少数キャリアのバリアーとな
る。これにより、雑音電荷の蓄積容量部への収集を抑止
でき、耐雑音性が改善される。
【0053】以上述べたように、図27に示したような
基板構造を用いることにより、メモリセルアレーの安定
動作と、周辺回路の高速化と低消費電力化を同時に実現
することができる。なお、以上の説明では、P基板を用
いる場合について述べたが、N基板を用いても同様な効
果を期待することができる。ただ、本発明が対象とする
バッテリ動作やバッテリバックアップ動作においては、
電源電圧が大きく変動する環境での使用を考慮しなけれ
ばならない。N基板を用いた場合、N基板には系の最高
電圧VCCが印加される。したがって、電源電圧が大きく
変動した場合、N基板の電位も変動し、N基板との容量
結合により回路各部に雑音を誘起する。これらの理由か
ら、本発明の目的には図27に示したP基板を用いる構
造が適している。
【0054】図28〜30には、本発明によりさらに低
電圧化することが可能な情報保持機能を有するLSI回
路の例を示している。図28は周辺回路の一例である。
図中60は電源電圧VCL1で動作する回路ブロック、6
1は電源電圧VCL2で動作する回路ブロック、VBP1は回
路ブロック61のNチャネルMOS-FETの基板バイアス電
圧、VBN1は回路ブロック61のPチャンネルMOS-FETの
基板バイアス電圧をそれぞれ示している。回路ブロック
60は情報保持時に動作させる必要のない部分で情報保
持時にはVCL1=0Vとなる。回路ブロック61は情報
保持時にも動作させる必要がある部分でVCL2の値は動
作状態によらず一定である。電源電圧=0.5V程度ま
で回路を動作させるためには、しきい値電圧VT1を0〜
0.1V程度にする必要がある。このときには、回路が
動作せず、ゲート・ソース間電圧が0VのときにもMOS-
FETには1μA程度の電流が流れ、チップ全体では10
mAという大きな電流値になる。情報保持時の消費電流
を低減するためには、この静的な電流を低減することが
必要である。一般に、情報保持時は標準動作時に比べて
動作速度は遅くても良い。そこで、この例では基板電圧
を制御することにより、情報保持時のMOS-FETのしきい
値電圧を標準動作時に比べて導通しにくい方向(Nチャ
ネルMOS-FETのしきい値電圧は高く、PチャネルMOS-FET
のしきい値電圧は低く)に変化させている。図29はN
チャネルMOS-FETの基板電圧VBP1の発生回路の構成例、
図30はその動作タイミング図である。なお、ここでは
便宜上VCL2=1.5Vの場合について述べるが、先に述
べたように、0.5〜1V程度の低い電源電圧のときに
特に有効である。図29において、62はイーバータI
2〜I3とNANDゲートG3とにより構成したリング発
振器、63はダイオード接続された2つのMOS-FET T4
0、T41と容量CB1とにより構成したチャージパンプ回
路、T42、T43はNチャネルMOS-FETT44はPチャネルM
OS-FETをそれぞれ示している。標準動作時、すなわちP
Dが低電圧(“0”)のときには、リング発振器とチャ
ージパンプ回路は動作しない。同時にMOS-FET T44が
導通し、ノードN1が高電圧(“1”)であるためMOS-F
ET T42が導通してVBP1は接地電位になる。一方、情
報保持時、すなわちPDが高電圧(“1”)のときに
は、MOS-FET T43が導通し、ノードN1がVBP1と同じ
電位になるため、MOS-FET T42がカットオフする。同
時に、リング発振器とチャージパンプ回路が動作し、V
BP1にはマイナスの電圧が出力される。なお、メモリセ
ルアレーには常に基板バイアス電圧を印加している。以
上、述べたように、1V以下の低電圧電源で動作させる
際、基板バイアス電圧を制御することにより、標準動作
時には高速性を、情報保持時には低消費電力を実現する
ことができる。なお、ここでは説明を省略したが、この
発明はVBN1を発生する回路にも同様に適用できる。
【0055】以下の説明では、先に述べた基板構造を用
いた低電圧動作ダイナミックメモリの具体的な回路構成
を説明する。図31はダイナミックメモリの回路構成を
示している。図中、MA1,MA2はメモリセルアレ
ー、DA1はダミーセルアレー、W0〜Wmはワード線、
D0,D0 ̄,Dn,Dn ̄はデータ線、DW0,DW1はダ
ミーワード線、XDはワード線選択回路、DWDはダミ
ーワード線選択回路、T52〜T55は左マットMA1とセ
ンスアンプの接続を制御する左マット選択トランジス
タ、SHRLはその選択信号、T56〜T59は右マットM
A2とセンスアンプの接続を制御する右マット選択トラ
ンジスタ、SHRRはその選択信号、PR0〜PRnは非
選択時にデータ線の電圧を電位Pに設定するプリチャー
ジ回路、φP ̄はプリチャージ信号、SA0〜SAnはデ
ータ線上の微小信号電圧を増幅するセンスアンプ、CS
NとCSPはセンスアンプのコモンソース駆動信号、C
Dはコモンソース駆動回路、YG0〜YGnはデータ線と
コモンI/O線の接続を行うYゲート、YDECはYア
ドレス選択回路、Y0〜YnはY選択信号、DiBは入力
データに応じてコモンI/O線を駆動するデータ入力バ
ッファ、DoBはコモンI/O線の信号電流を増幅して
出力するデータ出力バッファである。メモリセルの蓄積
容量CS2の値は先にも述べたように60〜80fF程
度、データ線容量の値は250〜300fF程度であ
る。これにより、データ線の振幅を1.5Vとしたとき
の読出し信号電圧は150mV程度になり、センスアン
プの動作に十分な信号電圧を得ることができる。
【0056】図32は電源電圧1.5Vのときのデータ
読出し時のおける各部の電圧波形を示している。なお、
以下の説明ではメモリセルからの読出し動作の場合で、
かつワード線W0が選択された場合を考える。データ線
のプリチャージ電圧、セル蓄積容量の対向電極(プレー
ト)の電圧は電源電圧の半分の0.75Vとしている。
これにより、(1)データ線の充放電時やプリチャージ
時に発生する容量結合雑音を最小に抑えるとともに、
(2)蓄積容量を形成する絶縁膜に印加される電圧を最
小に抑えて薄膜化することにより、蓄積容量の増大を実
現している。メモリセルに高電圧(1.5V)を書き込
むために、ワード線W0および左マット選択信号SHR
Lには、2.2Vを印加し、トランジスタT50およびT5
2が非飽和領域で動作するようにしている。YゲートのM
OS-FETが飽和領域で動作するよう、コモンI/O線は
1.2Vになるようにしている。このような低い電源電
圧でも動作するコモンI/O線の信号の増幅器としては
特願昭63−141703に述べられているような電流
検出形のものが適している。この型の増幅器を用いれ
ば、(1)コモンI/O線の電圧レベルを電源電圧近く
まで大きくすることができ、かつ(2)コモンI/O線
の信号振幅を小さく(例えば50mV)できるので、Y
選択信号Y0を印加して信号を読出す際の動作マージン
を大きくすることができる。また、メモリへの書き込み
は、従来と同様にI/O線をデータ入力バッファDiB
で駆動することにより行なえる。情報保持時において
は、情報を外部に読出す必要がないため、図中破線で示
したように、Y選択信号Y0は低電圧(“0”)のまま
である。また、Yアドレス選択回路、データ入力バッフ
ァ、データ出力バッファなどの動作させる必要がない。
さらに、センスアンプのコモンソース駆動回路の駆動能
力を低下させ、データ線電圧の時間変化率を低下させて
いる。これにより、情報保持時においてはデータ線の充
放電に伴うピーク電流の値を低減する。このような制御
を行うことにより、電池などのような内部インピーダン
スが高い電源を使用しても、電源電圧の過渡的な低下に
よりLSIが誤動作することを防止できる。以下には、
このような低電圧ダイナミックメモリを実現するために
重要な次の回路について説明する。
【0057】(1)1/2 VCL 発生回路。
【0058】(2)ワード線駆動回路。
【0059】(3)コモンソース駆動回路。
【0060】図33(a)は1/2VCL発生回路の回路
構成を示している。図中、T60,T62はNチャネルMOS-
FET、T61,T63はPチャネルMOS-FET、R20,R21はバ
イアス電流を設定するための抵抗である。抵抗の値の比
は、ノードN4およびノードPの電圧がVCL2のほぼ半
分になるように選ぶ。容量CD1〜CD4は電源電圧が変動
しても、それに追従するように設けられたスピードアッ
プ・コンデンサである。これらの値の間にはCD1≒CD
2、CD3≒CD4が成り立っている。各トランジスタの基
板とソースを接続し、基板バイアス効果によりしきい値
電圧が高くならないようにしている。このときの各トラ
ンジスタのしきい値電圧VT1の絶対値は約0.3Vであ
る。もし、基板をソースでなく系の最高電圧に接続する
と、基板バイアス効果によりしきい値電圧VT1の絶対値
は0.5Vよりも大きくなるため、電源電圧VCL2=1V
では動作しなくなる。このように、低電圧で動作する回
路では基板電圧の与え方が最小電源電圧を規定する。図
27に示した基板構造を用いると基板とソースの接続が
容易に行える。図33(b)はNチャネルMOS-FET T60,
T62の断面構造図を示している。65はN2ウェルの電
位を与えるためのn-拡散層、66はPウェルの電位を
与えるためのp-拡散層、67,68はNチャネルMOS-F
ETのソースおよびドレインとなるn-拡散層である。外
部配線によりMOS-FETの基板電圧を与えるp-拡散層66
をソースに接続している。N2ウェルには系の最高電
圧、ここではVCL2を印加する。この例に示されるよう
に、MOS-FETを基板と電気的に分離されたPウェル内に
形成することができるため、しきい値電圧の基板効果の
影響を受けない、低電圧動作に適した回路を構成するこ
とができる。なお、ここに示した例に限らず、差動増幅
回路その他のソースを接地電位より高い電圧で動作させ
る回路には、同様に本実施例が適用できる。
【0061】図34(a)はワード線駆動回路の回路構
成、同図(b)にはその動作タイミングを示している。図
中、T82はメモリセルトランジスタ、CS3は蓄積容量、
T80,T81はNチャネルMOS-FETである。この回路は一
般に自己昇圧(セルフブースト)回路と呼ばれる。Sに
はワード線選択回路の選択信号が入力される。この電圧
レベルは選択時には高電圧(例えば1.5V)、非選択
時には低電圧(0V)となる。したがって、ノードN7
には選択時にはVCL−VT0(VT0はT81のしきい値電
圧)が、非選択時には0Vが印加される。選択信号が確
定した後、Xにはメモリセルトランジスタを十分にオン
できるように、電源電圧よりも高いパルス電圧(例えば
2.2V)印加する。非選択時にはMOS-FET T80は導通
しないが、選択時にはT80のゲート容量の結合により、
ノードN7は高い電圧に昇圧(ブースト)される。ワー
ド線に、Xに印加されるパルス電圧をそのまま出力する
ためには、ノードN7の電圧はXに印加されるパルス電
圧よりも、さらに高い電圧、例えば2.2+VT1(VT1
はT80のしきい値電圧)に昇圧(ブースト)される必要
がある。MOS-FETの基板電位を接地電位にすると、基板
効果によりしきい値電圧が上昇するため、特にVCLが
1.5V以下の低電圧電源ではワード線に所定の振幅が
得ることが難しい。ここでは、MOS-FETのしきい値電圧
を十分低い値とするために、基板電位を信号駆動側(こ
の例では選択信号Sや、パルス電圧X)のドレインに接
続した(ここで、便宜上、ドレインは信号駆動の印加さ
れる端子と定義した)。このMOS-FETの断面構造図と、
その等価回路をそれぞれ図35(a)および(b)に示す。素
子の断面構造は図33(b)に示したものと全く同じであ
るが、その結線が異なっている。Pウェルの電位がドレ
インの電位と一致しているため、図35(b)の左に示す
ように、ドレインをコレクタおよびベースとし、ソース
をエミッタとするバイポーラトランジスタが接続された
ことと等価になる。実際には、コレクタとベースが接続
されているためバイポーラトランジスタはダイオードと
して動作し、図35(b)の右に示すような等価回路で表
現される。したがって、ドレインがソースの電圧よりも
高いときには、基板電圧がソースに対して正にバイアス
されたMOS-FETとダイオードDLとが並列に接続され、逆
にドレインがソースの電圧よりも低いときにはダイオー
ドDLは逆バイアスされてカットオフし、基板電圧が低
電圧側のドレインに接続されたMOS-FETだけが動作す
る。したがって、後者の場合に比べて、前者の場合のほ
うのしきい値電圧が低くなり、MOS-FETは導通しやすく
なる。と同時にドレインとソースの電圧差が0.7V以
上のときにはダイオードが導通するため、前者の場合、
さらに電流が流れ易くなる。したがって、図34(b)に
おいて、ワード線を駆動するときのMOS-FET T80、T8
1のしきい値電圧を低い値にすることができ、低い電源
電圧においても、駆動信号Xをワード線にそのまま出力
することができる。このような非対称特性は、特に自己
昇圧回路などに適用したときに効果が大きいが、その他
の、例えばパスゲートや基板バイアス電圧発生回路のチ
ャージパンプ回路に用いる整流回路などに適用しても、
同様に低電圧電源での動作が改善される。
【0062】図36(a)および(b)は、それぞれコモンソ
ース駆動回路の構成の一実施例を示す図である。同図
(a)において、T85、T86はコモンソースを駆動するN
チャネルMOS-FET、G5はANDゲートである。標準動作
時には信号PD ̄が高電圧(“1”)となり、コモンソ
ース駆動信号φCSの入力に同期して、T85,T86が共に
導通する。一方、情報保持時にはPD ̄が低電圧
(“0”)となり、φCSの入力に対してT85のみが導通
する。したがって、T85とT86のコンダクタンスを適当
に選択することにより、標準動作時には動作速度を優先
し、情報保持時には動作速度を犠牲にする代わりにピー
ク電流を低減することができる。図36(b)において、
T90はコモンソースを駆動するNチャネルMOS-FET、T9
1、T93、T94はNチャネルMOS-FET、T92はPチャネル
MOS-FET、G6はNANDゲート、G7はANDゲート、
R25はT94にバイアス電流を供給するための抵抗をそれ
ぞれ示している。標準動作時には信号PDが低電圧
(“0”)となりT93がカットオフする。φCSの入力に
同期して、ノードN8の電圧はVCLになりT90を駆動す
る。情報保持時には信号PDが高電圧(“1”)となり
T92がカットオフする。φCSの入力に同期してT93が導
通し、ノードN8の電圧はT94のゲート電圧に一致す
る。このとき、T90とT94とにより電流ミラー回路を構
成するため、コモンソースの駆動電流は(VCL−VT1)
/R25に比例する値になる。ここでは比例係数はT90と
T94のチャネルコンダクタンスの比で決まる。このよう
な駆動回路を用いることにより、情報保持時には、一定
の制御された電流で駆動されるため、電池の内部インピ
ーダンスに起因する電源電圧の過渡的な低下を招くこと
なく、安定な動作を実現することができる。なお、ここ
に示した電流ミラー回路以外にも、情報保持時に駆動電
流を制御できれば、他の手段を用いても構わない。
【0063】以上の実施例で述べたような基板構造、素
子の定数、回路構成により、最小の電源電圧=1Vでの
動作を保証するダイナミックメモリを実現することがで
きる。また、図31に示したI/O線およびYゲートの
回路構成の他に、読出し時と書き込み時に対して別々に
コモンI/O線を設けることにより、読出し時と書き込
み時の動作マージンをさらに向上させる方法が特開昭6
1−142594や特開昭61−170992に記述さ
れている。この方法を適用することにより、1V程度の
低い電源電圧でも、素子ばらつきの影響を受けずに安定
に動作するメモリ回路を実現することができる。
【0064】以上、1.5V以下の低い内部電源電圧で
動作する主たるLSI回路ブロックの構成例をメモリを
例にとって説明してきた。図1に示すようなLSIチッ
プを実現するためには、これ以外に、高い外部電源電圧
(例えば3〜5V)で動作する回路の実現が必須であ
る。このような回路には少なくとも以下のものがある。 (1)基準電圧発生回路、(2)電圧変換(降下)回
路、(3)入力回路、(4)出力回路。
【0065】図26に示したように、1.5V以下の低
い内部電源電圧で動作する主たるLSI回路ブロックに
は、動作速度を確保する目的で、最先端の加工技術(た
とえばゲート長0.3ミクロン以下に相当)による素子
を使用する。こうした微細な素子では、ゲート耐圧やド
レイン耐圧が低下し、高い外部電源電圧(例えば3〜5
V)での動作が困難になる。これに関しては、たとえば
アイ・イー・ディ・エム・テクニカル・ダイジェスト、
第386頁〜第389頁(1988)、(IEDM Te
chnical Digest, pp.386−389,1988)に記
述されている。長期間にわたる信頼性を考慮すると、1
0nmのゲート酸化膜に印加可能な電圧は約4Vであ
る。したがって、ゲート酸化膜に印加できる。最大電界
強度Emaxは4MV/cm程度の値になる。近似的にはEm
axの値はゲート酸化膜厚に依存せず、ほぼ変化しないと
考えて良い(実際には、ゲート酸化膜を薄くすると、多
少大きくなる傾向にある)。この値を図26に示した素
子(ゲート酸化膜厚tox=6.5nm)に適用すると、
ゲートに印加可能な最大電圧は2.7Vとなる。したが
って、この素子を高い外部電源電圧(例えば3〜5V)
で動作させることができない。これを解決する手段に
は、以下の2つが考えられる。
【0066】(1)先の説明で触れたように、内部電源
電圧で使用する素子の他に、外部電源電圧での動作す
る、より厚いゲート酸化膜を有する素子を同一チップ上
に集積する。
【0067】(2)内部電源電圧で使用する素子のみに
より構成する。このとき、外部電源電圧が直接、素子に
印加されないよう回路的な工夫を施す。
【0068】(1)の方法は特願昭56−57143に
記載されている。しかし、この方法ではLSIの製造工
程が複雑になるため、製造コストが上昇する。また素子
形成上、最も重要なゲート酸化膜形成時に多くの工程が
挿入されるため、不純物や欠陥を導入する確率が高くな
り、素子の信頼性を低下させるという問題がある。以下
には、(2)の方法により、高い外部電源電圧で動作す
る回路を実現する例を述べる。なお、以下の例では相補
形のMOS-FET(CMOS)を用いた例について説明する
が、その他の、例えばバイポーラトランジスタや接合形
トランジスタを用いても、あるいはこれらとMOS-FETを
複合して用いる場合、さらには、シリコン以外のガリウ
ム砒素などの半導体材料を用いる場合についても同様に
適用できる。
【0069】図37(a)は本発明によるインバータ回路
の構成例を示している。図中、T100,T102はNチャネ
ルMOS-FET、T101、T103はPチャネルMOS-FET、in1、
in2はそれぞれ第1、第2の同相入力端子、out1、out
2はそれぞれ第1、第2の同相出力端子、Outは第3の
出力端子、Vn、VpはそれぞれNチャネルおよびPチャ
ネルMOS-FET用のバイアス電源電圧を示している。Vnお
よびVpは、例えば図37(b)に示すような外部電源電圧
依存性を有する。この例では、VCC≧2VのときにVn
=2V、Vp=VCC−2Vとなる。これにより出力端子o
ut1の電圧は最大でもVn−VTNとなるため、トランジ
スタT100のゲート酸化膜に印加される最大電圧はVn−
VTNに制限される。同様に、トランジスタT101のゲー
ト酸化膜に印加される最大電圧はVCC−Vp−|VTP|
に制限される。ここに、VTNはT102、VTPはT103のゲ
ートしきい値電圧である。2つの出力端子out1、out2
の信号レベルはそれぞれ0〜Vn−VTN、VCC−Vp−|
VTP|〜VCCとなり、これらが次のインバータの入力in
1,in2をそれぞれ駆動する。また、第3の出力Outに
は0〜VCC、すなわちフル振幅を出力することができ
る。
【0070】このインバータによりインバータ列を構成
したときの、各ノードの電圧および各トランジスタのゲ
ート酸化膜に印加される最大電圧は図38(b)に示した
ようになる。この回路構成により、例えばVn=Vp=1
/2VCCのときには、どのトランジスタにおいても、ゲ
ート酸化膜に印加される最大電圧は1/2VCCに、また
同時にドレイン/ソース間に印加される最大電圧は1/
2VCC+VTN、あるいは1/2VCC+|VTP|に制限さ
れる。実際には、インバータの動作マージンを確保する
観点から、電源電圧の低いところではVnおよびVCC−
Vpは一定にするのが好ましい。また、スイッチング時
の出力電圧の過渡的な変化に対してもドレイン/ソース
間に大きな電圧が印加されぬよう、T102およびT103の
チャネルコンダクタンスはそれぞれT100およびT101の
チャネルコンダクタンスよりも大きくすることが望まし
い。
【0071】以上説明したように、この構成により素子
の最大電圧の2倍程度の電源電圧まで、素子特性を劣化
させずに動作する回路を実現することができる。なお、
図37(a)に示した例では、NチャネルMOS-FETの基板電
位は系の最低電圧、すなわち、VSSに、PチャネルMOS-
FETの基板電位は系の最高電圧、すなわちVCCに接続し
ているが、先に述べた基板構造を用い各トランジスタの
基板をソースに接続すれば、基板効果によるしきい値電
圧の変動を抑制することができ、より低い電源電圧でも
動作する回路を実現することができる。したがって、本
発明を適用すれば、6.5nm程度の薄い酸化膜を用い
たMOS-FETのみでも電源電圧=5Vでも安定に動作する
LSIを提供することができる。
【0072】図39(a)に示したのは、基板とソース
を接続し低電源電圧で動作特性を改善したインバータを
複数段接続したインバータ列(インバータ・チェイン)
の構成例である。従来のCMOSインバータ列と同様、
インバータ間にレベル変換回路を置くことなく、そのま
ま接続することが可能である。これにより、例えば出力
バッファなどのように大きな負荷駆動能力を必要とする
ドライバ回路を構成することができる。段数nを偶数で
あるとすると、その入力および出力波形は図39(b)に
示すようになる。この例ではVCC=4V、Vn=2V、
Vp=2Vとしている。この回路では、次段のインバー
タを駆動する出力信号の振幅が、電源電圧によらずほぼ
一定(1.7V)である。このため、次段のインバータ
のゲート容量を充放電するMOS-FETの駆動能力が電源電
圧に依存しなくなり、入力から出力までの遅延時間(t
1−t0)が、電源電圧によらずほぼ一定となる。したが
って、例えばメモリLSIのアクセス時間は1.5〜5
Vという広い電源電圧範囲でもほとんど変化しないた
め、システムを構成する上で、好都合なLSIチップを
提供することができる。
【0073】図40(a)、(b)は図37(b)に示したバイ
アス電圧Vn、Vpの発生回路の構成例である。図中、チ
ャネル部を太線で示したT114〜T117は高いしきい値電
圧を有するNチャネルMOS-FET、T112、T113はバイア
ス電流を供給するMOS-FET、72はT112とT113のゲー
ト電圧を発生し最適なバイアス電流を設定するためのバ
イアス発生回路、CN1、CP1はデカップル容量である。
バイアス電流の値は抵抗R30およびT113とT112のチャ
ネルコンダクタンスの比とにより設定する。高いしきい
値電圧を有するNチャネルMOS-FETは、ゲート酸化膜を
形成した後、レジストをマスクとしてイオン注入により
P形不純物を導入する等の手段により形成する。この例
では、しきい値電圧の値を1Vにしている。また、先に
示した基板構造を用い、かつ基板をソースに接続するこ
とにより、しきい値電圧の基板効果による変動をなく
し、設定精度を上げている。また、MOS-FET T112、T
113は電流源として動作する。この構成により、電源電
圧VCCが2V以上のときには、Vnの値は高いしきい値
電圧のおよそ2倍の値(約2V)となり、VCCが2V以
下のときには電源電圧VCCにほぼ等しくなる。同様に、
電源電圧VCCが2V以上のときには、Vpの値はおよそ
VCC−2Vとなり、VCCが2V以下のときにはほぼ0V
になる。
【0074】図40(b)はバイアス電圧発生回路の他の
構成例である。ここには、Vn発生回路のみを示してい
るが、Vp発生回路も同様に構成できる。図中、T123は
高いしきい値電圧を有するNチャネルMOS-FET、T121は
バイアス電流を供給するPチャネルMOS-FET、T120とR
31はT121のゲート電圧を発生し最適なバイアス電流を
設定するためのバイアス発生回路、CN1はデカップル容
量、R32、R33は抵抗である。T123のしきい値電圧の
値をVTEとすると、Vnの値はVTE×(R32+R33)/
R33となる。したがって、R32とR33の比を変えること
でVnの値をVTE以上の任意の値に設定することができ
る。これらにより、図37(b)の特性を有するバイアス
電圧を発生することができる。なお、この例に示した抵
抗にはMOS-FETのチャネル、不純物拡散層、ポリシリコ
ンなどの配線層などのいずれを用いても構わない。
【0075】さて、通常のLSIでは、最終製造工程の
後に、通常動作で用いられる電圧より高い電圧を故意に
回路内の各トランジスタに印加し、ゲート酸化膜不良な
どでもともと故障の発生しやすいトランジスタを初期に
見つけるエージングテストを実施し、信頼性を保証して
いる。図41(a)はこのエージングテストに適したバイ
アス電圧Vn、Vpの与え方の一実施例を示す図である。
この例では、VnとVpの大小関係の逆転するところより
も高い電源電圧(この例では4V)では、Vn=Vp=1
/2 VCCとしている。こうすることにより、エージン
グテスト時には、電源電圧に比例してVnやVpが増加す
るようにしている。また、その値を電源電圧の半分にす
ることにより、例えば図38(a)に示す各トランジスタ
間で最大電圧がほぼ等しくなるようにして、ストレスが
一部のトランジスタに集中するのを防止している。
【0076】図41(b)はバイアス電圧Vn、Vpを発生
する回路の構成の一実施例を示している。図中、72は
2つのノードN9とN10の電圧を比較し、その最大値を
出力する最大値出力回路、T140、T141は高いしきい値
電圧を有するNチャネルMOS-FET、R36はMOS-FETにバイ
アス電流を供給するための抵抗、R38とR39は電源電圧
を分圧して1/2VCCを得るためのものであり、R36≒
R39である。また、最大値出力回路は差動増幅回路A10
とA11、PチャネルMOS-FET T142、T143、ノードN1
1の接地側へのインピーダンスが無限大となるのを防ぐ
ために設けられた抵抗R37とにより構成している。最大
値出力回路の動作は、例えば、アイ・イー・イー・イー
・ジャーナル・オブ・ソリッド・ステート・サーキッ
ツ、第23巻、第5号、第1128〜1132頁(19
88)(IEEE Jounal of Solid-State Circuits,
Vol.23, No.5,pp.1128−1132,October
1988)に述べられている。ノードN9には電源電圧
によらずほぼ一定の電圧(この例では2V)が入力され
る。一方、ノードN10には電源電圧の半分の値が入力さ
れる。したがって、電源電圧が4V以下のときには、こ
れら2つの電圧の最大値である2VがノードN11に出力
され、電源電圧が4V以上のときには、1/2VCCが出
力される。バイアス電圧Vpの発生回路も同様に構成す
ることができる。なお、この例ではノードN9の電圧値
として2Vの場合を考えたが、ゲート酸化膜の最大印加
可能電圧に合わせて、適当な値に設定して良い。
【0077】特願昭63−125742には、MOS-FET
のしきい値電圧の差を利用した定電圧発生回路が示され
ている。図42はこれを改良し、ゲート酸化膜に印加可
能な電圧より高い外部電源電圧でも動作するようにした
定電圧発生回路の構成例を示している。図中75は、こ
の目的のために新たに挿入した部分であり、T151はN
チャネルMOS-FET、T152はPチャネルMOS-FETである。
これにより、先に説明したインバータと同様、回路中の
どのトランジスタにおいても、その最大印加電圧を外部
電源電圧の半分程度に低下させることができる。この回
路で発生する定電圧の値は特願昭63−125742に
おいて説明されている通り、2つのNチャネルMOS-FET
T149とT150のしきい値電圧の差VT1(T149)−VT1
(T150)になる。T149は図40に示したのと同様、高
いしきい値電圧を有するトランジスタである。この例で
は、VT1(T149)=1.05V、VT1(T150)=0.3
Vとして、出力電圧Vref=0.75Vを得ている。
【0078】図43は、本発明による差動増幅回路の構
成例を示している。同図において、T161とT162は差動
信号を入力する2つのNチャネルMOS-FET、T160は差動
増幅回路にバイアス電流を供給するためのNチャネルMO
S-FET、B1はそのバイアス電流を設定するための信号、
T163とT164はカレントミラー型の負荷を構成する2つ
のPチャネルMOS-FETである。通常の差動増幅回路で
は、ノードN13とN15、ノードN14と出力out2を接
続するが、ここでは図中76、77で示した回路ブロッ
クを付加し、ゲート酸化膜に印加可能な電圧より高い外
部電源電圧でも動作するようにしている。
【0079】図43(a)では、76を2つのNチャネルM
OS-FET T165とT166、およびPチャネルMOS-FET T1
67とにより構成している。これにより、トランジスタ
T161とT162のドレイン(N13、N14)に印加される電
圧を最大でも Vn−VTN1に、トランジスタ T164の
ドレイン(out2)に印加される電圧を最小でもVp
+|VTP1|に制限する。ここに、VTN1およびVTP1は
それぞれ、NチャネルおよびPチャネルMOS-FETのしき
い値電圧を表している。なお、VnやVpとしては、先の
実施例と同様、図37(b)や図41(a)に示した電源電圧
依存性を有するバイアス電圧をそのまま用いることがで
きる。さて、図43(a)に示した差動増幅回路が小信号
増幅回路として動作する場合、すなわち2つの入力レベ
ルに大きな差がなく、トランジスタ T161とT162が共
に飽和領域で動作する場合には、ノード14の電圧値は
ほぼVn−VTN1となる。したがって、図43(b)に示す
ようにトランジスタ T167を省略してもトランジスタ
T164のゲートとドレイン間に大きな電圧差が生じな
い。小信号増幅回路としてのみ用いる場合には、構成が
簡単な図43(b)の回路方式が適している。これらの差
動増幅回路の出力out2の信号レベルは図37(a)に示し
たインバータの出力out2の信号レベルと等しく、差動
増幅回路の出力でインバータの入力in2を直接駆動でき
るため、これらを組合せて回路を構成するのに都合が良
い。以上の差動増幅回路の構成例では、入力In
(+)、In(−)の電圧レベルがVn−VTN1以下のと
き、大きな電圧ゲインが得られるという特性がある。こ
れとは逆に、Vp+|VTP1|より高い入力電圧レベルで
動作させるときには、差動増幅回路を構成するNチャネ
ルのMOS-FETをPチャネルに、PチャネルのMOS-FETをN
チャネルに、それぞれ置き換えて、低い電圧レベル(図
37(a)に示したインバータの出力out1の信号レベル)
の出力を得るような構成にすれば良い。このときにも、
先の構成の場合と同様な効果が得られる。次に、この差
動増幅回路をLSIチップの回路に適用した例を述べ
る。
【0080】図44〜46は、内部電源電圧VCLの基準
となるVL(基準電圧)発生回路に本発明を適用した例
を示している。図44において、80は図1の9に相当
するVL(基準電圧)発生回路、A15は差動増幅回路、
R50、R51は、その増幅率を設定するための抵抗であ
る。また、VL発生回路は、図42において説明した定
電圧(Vref)発生回路81、エージングテストのとき
に標準動作時の電圧よりも高い電圧を発生するためのエ
ージング用電圧(VA)発生回路82、VrefとVAを比
較し、大きい方の電圧を出力する最大値出力回路83、
スイッチ84、から構成される。情報保持時において
は、エージングテストの電圧特性は必要ないため、最大
値出力回路を非動作状態にするとともに、スイッチを閉
じてVrefを直接出力している。さて、この例では、Vr
ef=0.75V、VA=1/5VCCとし、電源電圧が3.
75V以上のときにエージングテストの状態になるよう
にしている。すなわち、電源電圧が3.75V以下のと
きにはVL=0.75V、3.75V以上のときにはVL=
1/5VCCが出力される。またR50=R51として増幅率
を2に設定し、電源電圧が3.75V以下のときにはVC
L=1.5V、3.75V以上のときにはVL=2/5Vcc
が内部電源電圧として回路に印加されるようにしてい
る。
【0081】各電圧の外部電源電圧VCC依存性を図45
に示す。これにより内部回路の電源電圧として、標準動
作状態(例えば電源電圧が3〜3.6V)では1.5V、
エージングテスト状態(例えば電源電圧が5.3V)で
は2.1Vが得られる。図46はVL(基準電圧)発生回
路の、より詳細な構成例を示している。同図において9
0は最大値出力回路、T179はスイッチとして動作する
NチャネルMOS-FETである。最大値出力回路は2つの作
動増幅回路90aおよび90b、それぞれの差動増幅器
の出力により駆動されるPチャネルMOS-FET T177とT1
78、T177とT178のゲート酸化膜に印加される電圧を緩
和するためのPチャネルMOS-FET T177、出力端N22の
対接地インピーダンスを低くするためのNチャネルMOS-
FET T175とから構成される。ここで、2つの差動増幅
器90aおよび90bは図43(a)に示したものと同
じである。また最大値出力回路の構成も図41(b)に
示したものと基本的には同じである。この構成により、
ゲート酸化膜の最大印加可能電圧よりも大きな電源電圧
で動作する最大値出力回路を得ることができる。なお、
情報保持状態ではトランジスタT179を導通させVrefを
そのままVLとして出力している。また最大値出力回路
を非動作とすることにより消費電流を低減している。
【0082】図47は、図1において述べたリミッタ・
エネーブル信号(LM)発生回路の構成を示している。
同図において、A12とA13は図43(a)に示したものと
同じ構成のシングルエンド型の差動増幅回路、95は差
動増幅回路の2つの出力を入力とし、電源電圧差に等し
い大きな信号を出力するダブルエンド型の差動増幅回路
を示している。ダブルエンド型の差動増幅回路は、2つ
の入力でそれぞれ駆動されるPチャネルMOS-FET T180
とT181、そのゲート酸化膜に印加される電圧を緩和す
るためのPチャネルMOS-FET T184とT185、交叉結合
させた2つのNチャネルMOS-FET T182とT183、その
ゲート酸化膜に印加される電圧を緩和するためのNチャ
ネルMOS-FET T186とT187、出力の反転する速度を加
速するために設けたスピードアップ容量CC1とCC2とに
より構成している。この中で、スピードアップ容量は回
路の応答速度を決めるものであり、用途に応じて省略し
ても基本的な動作が損なわれることはない。
【0083】以下、図48に示した動作タイミング図を
用いて、その動作を説明する。なお以下の説明では、標
準動作状態での内部電源電圧VCLが1.5Vの場合(VL
=0.75V)を考える。図に示すように外部電源電圧
VCCが4Vから1Vに低下するとすると、VCCの半分の
電圧が0.75Vを交叉する時刻t0において差動増幅回
路A12およびA13の出力(ノードN25およびN26)の電
圧が反転する。これにより、トランジスタT180 はカッ
トオフ状態、T181 はオン状態に移行し、ノードN28
の電圧がVCC まで上昇する。これに同期してノードN3
0 の電位がVn−VTN1(VTN1はT187のしきい値電圧)
まで上昇し、ノードN29 さらにはノードN27 の電位を
接地電位に引き落す。これにより、ダブルエンド型の差
動増幅回路の出力N27 およびN28 の電圧は反転し、そ
れぞれ0VおよびVCC=1Vになる。図48は、動作を
模式的に示したものであるが、実際には、これら一連の
動作は、電源電圧の変化に比べて十分短い時間に行なわ
れる。そのため、電源電圧の変化が回路動作に悪影響を
及ぼすことはない。また、チップ内の電源配線に意識的
に容量を設けることにより電源電圧の変化をコントロー
ルし、回路動作への影響をより低く抑えることができ
る。以上は外部電源電圧を降下させる場合について述べ
たが、逆に、外部電源電圧を上昇させる場合にも同様に
動作する。
【0084】さて、本発明によるLSIチップを他のL
SIや半導体素子とともに用いてシステムを構成する場
合、それらの間でやりとりする信号の入出力レベルの整
合をとる必要がある。単一電源(一般的には5V)で動
作するLSIにおける標準的な入出力レベルとしてもの
は、以下の2つがある。(a)TTLレベル、(b)C
MOSレベル。
【0085】このうち、TTLレベルでは、高電圧
(“1”)出力(VOH)の値は2.4V以上でなければ
ならない。したがって、電源電圧が2.4V以下で使用
する際には、CMOSレベルをもちいるか、新たに入出
力レベルの規格を設ける必要がある。従来のLSIやT
TL論理回路などと共にシステムを構成する場合、前述
した入出力レベルとの互換性をとることが重要な要素に
なる。互換性をとることによりレベル変換回路が不要と
なり、部品点数が減少してシステムのコスト低減につな
がる。また、耐雑音性や速度などの回路性能が向上し、
最大のパフォーマンスを発揮することができる。そこ
で、以下では、従来の入出力レベルとの互換性を保った
入出力回路構成を備えた本発明の実施例を説明する。本
発明によれば、1つのチップを用いて、設計変更を行わ
ずに以下の3つの製品仕様を実現できる。
【0086】(1)標準動作時(例えば電源電圧VCCが
4.5〜5.5Vあるいは3〜3.6Vなど)ではTTL
レベルで入出力を行う。必要に応じてVCC の低下(例
えば電源電圧VCC が1.0〜2.5V)などをチップ内
で検出して情報保持(バッテリバックアップ)を行う。
【0087】(2)電源電圧VCC が、例えば1.0〜
5.5Vで動作し、入出力はCMOSレベルで行う。必
要に応じてVCCの低下(例えば電源電圧VCCが1.0〜
2.5V)などをチップ内で検出するか、外部からの制
御信号などにより情報保持(バッテイバックアップ)を
行う。
【0088】(3)電源電圧VCC が、例えば1.0〜
5.5Vで動作し、電源電圧の値によってチップが自動
的に入出力レベルを切り換える。例えば、電源電圧VCC
が2.5〜5.5VのときはTTLレベル、電源電圧が
1.0〜2.5VのときはCMOSレベルで入出力を行
う。
【0089】図49(a)は、1つのチップを用いて、配
線やボンディングによる切り換えを行ない、上記(1)
と(2)の2つの製品を実現する例を、図49(b)は、
電源電圧の値の変化を自動的に検知し、入出力レベルを
切り換える製品の実現例をそれぞれ示している。図49
(a)において、1はLSIチップ、5は内部電源電圧
(例えば1.5V)動作するLSI回路ブロック、PA
DTはTTLレベル用の入出力パッド、PADCはCMO
Sレベル用の入出力パッド、IB1およびOB1はTTL
レベル用の入力バッファと出力バッファ、IB2および
OB2はCMOSレベル用の入力バッファと出力バッフ
ァ、SW1は2つの入力バッファの出力のいずれかを低
電圧動作LSI回路ブロックに入力するかを選択するた
めのスイッチ、SW0は低電圧動作LSI回路ブロック
の出力を2つの出力バッファのいずれに入力するかを選
択するためのスイッチをそれぞれ示している。この切り
換えを実際のLSIにおいて行なう方法としては、アル
ミニウムなどの配線によるマスタスライスがある。これ
はアルミニウムなどの配線層を形成する際に、配線パタ
ーンの転写を行なうためのマスクを上記スイッチに対応
して2通り用意し、製品に応じてマスクを使い分けると
いう方法である。さらに、入出力レベルに対応した2種
類のボンディングパッドをLSI上に設けておいて、そ
の内の一方にボンディングすることにより、2つの製品
を作り分けることができる。また、一つのボンディング
パッドを設けておいて、アルミニウムなどの配線による
マスタスライスにより入出力バッファとの接続を切り換
えても良い。
【0090】図49(b)はそれぞれ1つの入/出力バッ
ファの入出力レベルを切り換える方法を示している。同
図中、PADXは入出力パッド、IB3およびOB3は入
力バッファと出力バッファ、96は電源電圧に応じて各
バッファの入出力レベルを制御する入出力レベル設定回
路をそれぞれ示している。これについては、より具体的
な構成例を後で説明する。以上の構成により、先に述べ
た3つの製品仕様を1つのチップにより実現することが
でき、製品のコストの面からも、また、ユーザの使い勝
手の面からも都合が良い。 なお、以上の例では入出力
の同一の端子から行なう、いわゆるI/Oコモン方式の
例を述べたが、この他にも、入力のみの場合にも、また
出力のみの場合にも、本発明が同様に適用できる。以
下、出力バッファ、入力バッファ、入力保護回路のそれ
ぞれの具体的な構成例を説明する。なお、以下の実施例
では、内部回路に用いる薄い(例えば6.5nm)ゲー
ト酸化膜を有するMOS-FETにより回路を構成する場合を
説明するが、1つのLSIチップ中に動作電圧に応じた
2種類のゲート酸化膜を有するMOS-FETを用いる場合に
ついても、本発明は同様に適用できる。
【0091】出力バッファを構成する際には、内部の低
い信号振幅(例えば1.5V)から外部の高い信号振幅
(例えばTTLレベルの2.4V、電源電圧が5Vのと
きのCMOSレベルである5V)へと振幅を変換する必
要がある。はじめに、CMOSレベルの出力信号を得る
回路構成の例を説明する。図50(a)は、内部回路の低
い信号振幅in1を入力とし、高い信号振幅Outを出力す
る振幅変換回路の構成例を示している。図の中で、98
は図37(a)に示したインバータ回路、N31およびN32
はそれぞれ図37(a)のin2とin1に対応する2つの入
力、Outはインバータの出力、T190はN32を駆動する
NチャネルMOS-FET、T191はノードN32の最大電圧を制
限してT190のゲート酸化膜に印加される電圧を緩和す
るNチャネルMOS-FET、T192は同様にノードN31の最小
電圧を制限するPチャネルMOS-FET、R65 は抵抗をそれ
ぞれ示している。この中で、トランジスタT190 と抵抗
R65 にて抵抗負荷のインバータ回路を構成している。
抵抗負荷とすることにより、低電圧側の1つの入力か
ら、低電圧側と高電圧側の2つの出力を得ることができ
る。
【0092】次に、図50(b)を用いて、この回路の動
作を説明する。なお以下の例では、電源電圧が5V、バ
イアス電圧Vn およびVpがともに2.5Vの場合を考え
ている。入力in1が0Vのとき、トランジスタT190は
カットオフし、ノードN31は抵抗R65 により電源電圧
5Vに引き上げられている。またノードN32はVn(2.
5V)からトランジスタT191のしきい値電圧(例えば
0.5V)分だけ低下した値(2V)になっている。し
たがって、インバータ98の出力Outの電圧は0Vであ
る。時間t0において入力in1が0Vから1.5Vに立ち
上がると、トランジスタT190 は導通し、ノードN31
はVp(2.5V)にトランジスタT192 のしきい値電圧
の絶対値(例えば0.5V)分だけ高い値(3V)に、
ノードN32は0Vに引き落され、出力Outは5Vまで上
昇する。時間t1 において、入力in1が1.5Vから0
Vに下がったときも、これと同様に出力Outは5Vから
0Vに変化する。このように、この回路構成により、
1.5Vの入力信号振幅に対して、出力バッファで必要
とされる5Vの出力信号振幅が得られる。また、この回
路では、どのトランジスタにも最大で2.5V程度の電
圧しか印加されないため、薄いゲート酸化膜(例えば
6.5nm)を用いたMOS-FETでも電源電圧5Vで安定に
動作する回路を構成することができる。
【0093】図51(a)は、コンプリメンタリの低振幅
信号in1およびin1 ̄を入力とし、高い信号振幅Outを
出力する振幅変換回路の他の構成例、同図(b)はその
動作タイミングを示している。図中、102は図47に
示したものと同様の構成のダブルエンド入力、ダブルエ
ンド出力の差動増幅回路、100と101は図37(a)
に示したものと同じインバータ回路を示している。ここ
でもちいたダブルエンド出力の差動増幅回路は定常状態
では電流がながれないため、先に示した例に比べて、よ
り、低消費電力の回路を実現できる。また、最終出力段
のインバータを構成する各トランジスタの基板(バック
ゲート)をNチャネルではマイナス(−2V)に、Pチ
ャネルでは電源電圧(5V)に対してプラス(7V)に
バイアスしている。これにより、例えば、インピーダン
スの不整合によるアンダーシュートやオーバーシュート
が出力に現われても、PN接合が順方向にバイアスされ
るのを防ぐことができる。したがって、少数キャリアの
基板への注入(少数キャリアがメモリセルの電荷蓄積ノ
ードまで拡散するとリフレッシュ特性を悪くする)、寄
生サイリスタがオンすることによるラッチアップなどを
防止できる。以上、本発明によれば、内部回路の低振幅
信号(例えば1.5V)からCMOSレベルの高振幅信
号(例えば5V)を出力する回路が容易に構成すること
ができる。
【0094】一般に、システムを構成する際には、一つ
のデータバスに複数のLSIの出力を接続し、選択され
たLSIの出力だけがバスを駆動するようにしている。
こうした制御を行なうためには、選択されないLSIの
出力インピーダンスを無限大にすることが望ましい。従
来のLSIでは、出力のレベルとして、高電圧、低電
圧、そしてどちらにも駆動しない(出力インピーダンス
は無限大)という3つの出力(トライステート)特性を
持たせていた。このような特性を得るためには、出力を
駆動するか(低インピーダンス)、しないか(無限大イ
ンピーダンス)という制御を行なう必要がある。この制
御のための信号は外部から入力される出力エネーブル信
号(Output Enable=OE)やチップセレクト信号
(Chip Select=CS)などのいずれかから発生され
る。従来の出力回路では、これら信号と出力データとの
論理をとり、その結果得られた信号により最終段のトラ
ンジスタを駆動する、というやり方で、トライステート
特性を実現していた。本発明において同様の出力回路を
構成する場合、低電源電圧で論理回路を動作させ、外部
電源電圧で動作する回路には論理回路を用いないという
構成もありうるが。しかし、その場合には、論理回路か
ら出力までの間に入る振幅変換回路やインバータの段数
が増え、例えば、OE信号から出力までの遅延時間が増
大したり、高電圧側のトランジスタを駆動するタイミン
グと低電圧側のトランジスタを駆動するタイミングに差
が生じて、過渡的に大きな電流が流れるという欠点があ
る。これに対して、外部電源電圧で論理回路を構成でき
れば、より設計の自由度が増し、回路性能の面からも好
ましい。以下には、外部電源電圧で論理回路を構成した
一実施例を説明する。なお、この論理回路は出力バッフ
ァ以外にも、外部電源電圧で動作する各種回路の制御信
号を発生する手段としても有効である。
【0095】図52は本発明による2入力のNAND回
路の構成例を示している。図52(a)のA入力は同図(b)
のin1Aおよびin2Aに、B入力はin1Bおよびin2B
にそれぞれ対応する。各入力信号のうち、in1Aとin2
A、またin1Bとin2Bは図37(a)のin1およびin2
と同様、同相で変化する。図52(b)において、トラン
ジスタT200とT201は低電圧側の入力信号in1Aおよび
in1Bにより駆動され、トランジスタT202とT203は高
電圧側の入力信号in2Aおよびin2Bにより駆動され
る。トランジスタT204とT205は図37(a)のT202とT
203と同様、ゲート酸化膜に印加可能な電圧よりも高い
電圧で動作させるために設けたものである。この構成に
より、2つの入力が共に高レベルのときにのみ、出力は
低レベルとなるNANDゲートの機能が得られる。この
ように通常のCMOSのNAND回路に加えて2つのト
ランジスタを追加するのみで、微細なトランジスタを高
い電源電圧で用いることができる。なお、ここでは2入
力のNAND回路を例にとって説明したが、その他の、
例えばNOR回路や排他的論理和回路、3入力以上の上
記論理回路、また、複数の論理回路の出力を入力とし
て、種々の複合論理を出力する複合ゲート、さらには、
ラッチ回路やフリップフロップ回路などの順序回路にも
同様に本発明が適用できる。
【0096】図53(a)は、この論理回路を用いたトラ
イステート出力バッファの構成の一例を示している。図
53(b)は、それを論理記号により簡単化して示したも
のである。同図においてG12は2入力のNAND回路、
G13は2入力のNOR回路、T210およびT211は出力回
路を構成するNチャネルとPチャネルのMOS-FETであ
る。アウトプットエネーブル信号OEが高電圧のときに
は、出力Doには入力doと同じデータがバッファから
出力され、OEが低電圧のときには入力のデータ如何に
よらずT210 のゲートは低電圧に、T211のゲートは高
電圧に固定されるため、出力Doはフローティング(イ
ンピーダンスがほぼ無限大)になる。図53(a)は、外
部電源電圧の値よりも低い耐圧の微細な素子を用いて構
成した、同じ機能を有する回路の具体的な構成例であ
る。同図において、112はNAND回路、113はN
OR回路、114は出力回路、110と111は図51
(a)の102と同じ振幅変換回路である。振幅変換回路
は内部回路からの低い電源電圧側の低振幅信号do1、oe
1、oe1 ̄をもとに、112や113を動作させるため
に必要な高い電源電圧側の信号do2、oe2、oe2 ̄を発
生する。ここに示したように、本発明によれば、微細な
素子を用いても、その耐圧を越える外部電源電圧で動作
する論理回路を構成でき、トライステート出力回路など
の遅延時間や過渡電流を低減することができる。
【0097】次にCMOSレベルの入力回路の例を図5
4により説明する。同図において、115は図37(a)
に示したものと同じインバータ、T220およびT221 は
入力に大きな信号振幅が印加されてもトランジスタT22
2 およびT223 のゲート酸化膜に印加される電圧を酸化
膜耐圧以下に制限するためのトランジスタ、Xは入力信
号である。この図において、入力に高い電圧(例えば5
V)が印加されても、ノードN40にかかる電圧はVn−
VT1(T220)、すなわち2V程度に制限される。ま
た、同様に入力に低い電圧(例えば0V)が印加されて
も、ノードN41にかかる電圧の最小値は3V程度であ
り、各トランジスタに印加される電圧を電源電圧の半分
程度にまで低下させることができる。また、この回路の
出力の一つであるx1 ̄の信号振幅は約2Vであるか
ら、これをそのまま低電源電圧で動作する内部回路の入
力とすることができる。
【0098】以上の実施例では、CMOSレベルの出力
回路および入力回路の例を説明した。次に、電源電圧の
値によって自動的にTTLレベルとCMOSレベルを切
り換える入力回路および出力回路の例を図55に示す。
同図においてPADIは入力パッド、PAD0は出力パッ
ド、IPDは静電気による接合やゲートの破壊を防ぐた
めの入力保護素子、IB5は入力バッファ、OB5は出力
バッファをそれぞれ示している。なお、入力保護素子に
ついては後で詳しく説明する。入力バッファIB5は、
CMOSインバータを構成する2つのMOS-FET TIN1と
TIP1、CMOSインバータの電源電圧をバイアス電圧
Vn1により決まる所定の値以下に制限するためのNチャ
ネルMOS-FET TIN2、CMOSインバータの入力電圧を
同様に所定の値以下に制限するためのNチャネルMOS-FE
T TIN0、から構成される。また、出力バッファOB5
は、図37(a)に示したのと同様のインバータ116、
内部回路からの低振幅信号doutをもとにインバータの
駆動信号d1およびd2を発生する振幅変換回路11
7、インバータの出力電圧をバイアス電圧Vntにより決
まる所定の値以下に制限するためのNチャネルMOS-FET
TON2、から構成されている。なお図53に示したのと
同様に、出力エネーブル信号との論理を取ることによ
り、トライステート出力特性を有するバッファを構成で
きることは言うまでもない。さて、これら回路におい
て、バイアス電圧Vn1の値を電源電圧に応じて適当に変
化させると、高い電源電圧ではTTLレベル、低い電源
電圧ではCMOSレベルで入出力を行なうことができ
る。
【0099】図56は、バイアス電圧Vn1の値の電源電
圧VCCに対する依存性の一例を示している。図におい
て、VOLとVOHはそれぞれ“0”と“1”に対応するT
TLの出力レベル、VILとVIHはそれぞれ“0”と
“1”に対応するTTLの入力レベルを示している。通
常のTTL論理ゲートにおけるこれらの値は、TOL=
0.4V、VOH=2.4V、VIL=0.8V、そしてVIH
=2.0Vである。また、バイアス電圧Vn1 の値は、電
源電圧が2.5V以上のときには3V、電源電圧が2.5
V以下のときにはTIN0が非飽和領域で動作するよう
に、例えばVCC+0.5Vとなるように制御している。
始めに、出力バッファ回路の動作から説明する。ノード
N48の電圧は、低電圧(“0”)を出力するときには0
V、高電圧(“1”)を出力するときにはVCCとなる。
したがって、低電圧出力時には電源電圧の値によらず0
VがDoutに出力される。一方、高電圧出力時のDoutの
電圧値は図56に示す様に電源電圧VCCの値に依存し、
VCC≧3VのときにはVn1−VT1(TON2)、VCC<3
VのときにはVCCになる。これにより、電源電圧が3V
以上では、TTLレベルの出力特性を満たす出力電圧振
幅を得ることができる。なお、このように出力電圧が
2.5V以下になるように制限することにより、大きな
負荷容量を充放電する際の電源電流を必要最小限に低減
することができる。
【0100】次に、入力バッファ回路の動作を説明す
る。TIN1とTIP1とにより構成されるCMOSインバー
タの電源電圧はトランジスタTIN2のソース端子から供
給される。したがって、その値は、電源電圧が3V以上
のときには2.5V、3V以下のときには0Vとなる。
一方、電源電圧が3V以上のときにはインバータの入力
電圧は2.5V以下になるように制限され、3V以下の
ときにはDinに入力された電圧がそのまま印加される。
この回路構成により、電源電圧が例えば1Vから5.5
Vまで大きく変化しても、上記インバータの電源電圧と
入力信号の最大振幅はほぼ等しくなる。インバータを構
成する2つのトランジスタのチャネルコンダクタンスを
ほぼ等しく設定しておけば、インバータの論理しきい値
電圧は電源電圧の2分の1になる。したがって、電源電
圧が3V以上のときの論理しきい値電圧は約1.25
V、3V以下のときの論理しきい値電圧はVCC/2とな
り、ある電圧(この例では3V)を境界にして、それ以
上の電源電圧ではTTLレベル、それ以下の電源電圧で
はCMOSレベルで動作する入力バッファを提供するこ
とができる。以上述べたように、本発明によれば、広い
動作電源電圧範囲を有するLSIにおいて、その電源電
圧値における最適な入出力レベルでの動作が可能とな
る。これにより、最大のノイズマージンを最小の消費電
力で実現できる。なお、出力バッファにおいて、3つの
トランジスタTON0、TON1、そしてTON2の各基板(バ
ックゲート)を共通にしている。こうすることにより、
出力端子に高電圧のサージが加えられたときに、その電
荷を大きな電流により高速に放電することができる。こ
れは、後で説明する入力保護素子におけるクランプMOS-
FETの動作と同じで、ブレークダウンにより基板電位が
上昇した際に、接地電位との間に存する寄生バイポーラ
トランジスタをオンしやすくするためである。これによ
り、微細な素子を用いても出力端子の静電破壊耐圧を向
上させることができる。なお、以上の実施例の中で、N
チャネルMOS-FETの基板電圧VBP1 の値は、入力電圧が
マイナスになった(アンダーシュート)ときにPN接合
が順方向にバイアスされないよう、マイナスの値(例え
ば−3V)にするのが通例であるが、順方向電流が流れ
るのを許容すれば、0Vでも構わない。また、Nチャネ
ルMOS-FETはP形基板の中に形成しても、あるいは、図
27に示すようにP基板と電気的に絶縁されたPウェル
中に形成しても良い。後者の場合、Pウェルの抵抗が基
板の抵抗より低いため、寄生バイポーラトランジスタが
オンしやすくなり、静電破壊耐圧を高める効果がある。
【0101】上記実施例では、電源電圧よりも高いバイ
アス電圧Vn1を発生させる必要がある。このようなバイ
アス電圧を用いずに入力バッファを構成する例を図57
に示す。同図において、入力バッファIB6 は2つの回
路ブロック、IB6a およびIB6b より構成される。I
B6a は図55の入力バッファIB5 と同じ回路構成で
ある。また、IB6bはIB6aの出力を内部回路を駆動す
るのに都合の良い電圧レベルに変換する回路である。I
B6bにおいて、T231 とT232 はCMOSインバータを
構成する2つのMOS-FET、T232はdinが低電圧のときノ
ードN52 の電位を内部電源電圧VCLまで引き上げるた
めのPチャネルMOS-FET、T230はノードN52が高電圧に
なったときに、N52 からN51 への電流が逆流するのを
防ぐためのNチャネルMOS-FETである。この回路構成に
おけるバイアス電圧Vn2 の電源電圧VCC に対する依存
性を図58に示す。電源電圧3V以上のときには3V
(一定)、電源電圧が3V以下のときには電源電圧VCC
に等しくなるようにしている。この回路の動作を2つの
場合に分けて説明する。図59は電源電圧VCC が5
V、内部電源電圧VCL が1.5Vの場合の各部の動作波
形を示している。入力の電圧が低電圧(例えば0.4
V)のときには、ノードN51の電圧はVn2−VT1(TIN
5)(例えば2.5V)、ノードN52の電圧はVCL(1.
5V)になり、dinには低電圧(0V)が出力される。
入力の電圧が低電圧(例えば0.4V)から高電圧(例
えば2.4V)に変化すると、ノードN50 の電圧はそれ
に追従して上昇し、ノードN51の電圧を0Vに引き落
す。T230のチャネルコンダクタンスはT233 のそれよ
りも大きく設定されており、ノードN52の電圧もほぼ0
Vまで引き落され、dinの値はVCL(1.5V)まで上
昇する。これと逆に、入力の電圧が高電圧(例えば2.
4V)から低電圧(例えば0.4V)に変化すると、ノ
ードN50 の電圧はそれに追従して降下し、ノードN51
の電圧をVn2−VT1(TIN5)(例えば2.5V)まで引
き上げる。これにより、ノードN52 の電圧はVCL−VT
1(T230)(例えば1.2V)まで引き上げられ、din
を0Vに引き落す。これによりT233 がオンし、ノード
N52の電圧をVCL−VT1(T230)からVCL(1.5V)
まで引き上げる。このように、T232 によりノードN52
に帰還させているため、N52 の電圧振幅は電源電圧と
同じになり、T231とT232とで構成されるCMOSイン
バータに貫通電流が流れなくすることができる。
【0102】次に、図60は電源電圧VCCと内部電源電
圧VCL が共に1.5Vの場合の各部の動作波形を示して
いる。入力の電圧が低電圧(例えば0V)のときには、
ノードN51 の電圧はVn2−VT1(TIN5)(例えば1.
2V)、ノードN52の電圧はVCL(1.5V)になり、
din には低電圧(0V)が出力される。入力の電圧が
低電圧(例えば0V)から高電圧(例えば1.5V)に
変化すると、ノードN50の電圧はVn2−VT1(TIN5)
(例えば1.2V)まで上昇し、ノードN51 の電圧を0
Vに引き落す。T230のチャネルコンダクタンスはT233
のそれよりも大きく設定されており、ノードN52の電
圧もほぼ0Vまで引き落され、dinの値はVCL(1.5
V)まで上昇する。これと逆に、入力の電圧が高電圧
(例えば1.5V)から低電圧(例えば0V)に変化す
ると、ノードN50 の電圧はそれに追従して0Vまで降
下し、ノードN51の電圧をVn2−VT1(TIN5)(例え
ば1.2V)まで引き上げる。これにより、ノードN52
の電圧はVCL−VT1(T230)(例えば1.2V)まで引
き上げられ、dinを0Vに引き落す。これによりT233
がオンし、ノードN52の電圧をVCL−VT1(T230)か
らVCL(1.5V)まで引き上げる。このように、電源
電圧が低く、IB6aの出力振幅が電源電圧以下の場合で
あってもノードN52 の電圧振幅は電源電圧と同じにな
るため、T231とT232とで構成されるCMOSインバー
タには貫通電流が流れない。以上述べたように、電源電
圧より高いバイアス電圧を用いなくても、その入出力レ
ベルを電源電圧の値に応じて切り換える入出力バッファ
を実現することができる。
【0103】最後に、微細な素子により構成されたLS
Iにおいて、入力のサージから内部回路の素子を保護す
る入力保護素子の構成例を図61に示す。同図におい
て、PADI は信号を入力する入力パッド、120は半
導体基板中に形成された不純物拡散層間のパンチスルー
を利用して、サージによる高い電圧を接地電位に逃して
やるための第1の保護素子、121はノードN60 の電
圧を、ある所定の電圧以下に制限するためのゲートクラ
ンプ素子、R70はパッドに印加された高電圧とクランプ
電圧との差を吸収するための抵抗である。ゲートクラン
プ素子は、直列接続された2つのNチャネルMOS-FET T
PD1およびTPD2、そして寄生素子を利用したバイポーラ
トランジスタQ1とから構成されている。TPD1 のゲー
トには前述した回路と同様、バイアス電圧Vnを印加
し、TPD2 のドレインにゲート酸化膜耐圧を越える電圧
がかかるのを防いでいる。TPD2 のゲートは接地し、通
常動作中は2つのMOS-FETを通して電流が流れないよう
にしている。
【0104】ゲートクランプ素子の平面構造を図62
に、そのA,A′における断面構造を図63に、それぞ
れ示す。図62において、122および123は互いに
電気的に絶縁され半導体基板中に形成された電気的に活
性な領域、124および125はポリシリコンなどを材
料とするゲート電極、126から130までは電気的に
活性な領域中に形成された不純物拡散層、あるいはゲー
ト電極に上部の金属配線から電気的な接続を行なうため
に絶縁膜を貫通して設けられたコンタクト孔、131か
ら134まではアルミニウムなどを材料とする金属配線
をそれぞれ示している。また、図63において、50は
半導体基板中の電気的活性領域の間を電気的に絶縁する
ために基板の酸化などにより形成された厚い絶縁膜、1
39と140はゲート電極を成すポリシリコン、135
から138までは上記絶縁膜あるいはゲート電極をマス
クとして自己整合的に基板中に形成した不純物拡散層、
141は不純物拡散層やゲート電極と上部に位置する金
属配線間の電気的な絶縁を行なうために形成した厚い絶
縁膜、をそれぞれ示している。図の構造において、配線
132にはクランプされる端子(ノードN60)、配線1
33および134には接地端子(VSS)、配線133に
はバイアス電圧Vn を、それぞれ印加する。図63にお
いて、P基板をベースとする3つのNPN形の寄生バイ
ポーラトランジスタQ1a、Q1b、そしてQ1cが存在す
る。図61のQ1はこれらを代表して示したものであ
る。次に、この素子の動作を説明する。ノードN60に印
加された電圧が、不純物拡散層136と基板との間に形
成されるPN接合の逆方向耐圧を越えると、接合の降伏
による電流がP基板の電位を上昇させ、先の寄生バイポ
ーラトランジスタをオンさせる。これにより、不純物拡
散層136と135、あるいは138との間に大きなコ
レクタ電流が流れ、ノードN60の電荷を引き抜き、その
電位をクランプする。これらのうち、Q1bとQ1cは直列
に接続されるため、Q1aに比べてコレクタ電流は小さく
なる。したがって、実効的には最初に降伏を起こし、寄
生バイポーラトランジスタをオンさせるのはMOS-FETが
行ない、その後、大きなコレクタ電流を流すのは寄生バ
イポーラトランジスタQ1a が行なう。このように、ノ
ードN60の近くにトランジスタの不純物拡散層とは別の
不純物拡散層を配し、それを接地することにより、寄生
バイポーラトランジスタのコレクタとエミッタの実効的
な距離を短くし、寄生バイポーラトランジスタが動作し
たときのコレクタ電流を大きくとることができる。この
ように、クランプする端子の近くに接地された不純物拡
散層を配する構成は、入力保護素子のみならず、出力の
保護素子としても適用できる。また、この例では、ゲー
トクランプ素子をP基板中に形成したが、図27に示す
ような構造で、基板と電気的に分離されたPウェル中に
形成しても良い。こうすることにより、ベースとPウェ
ルの抵抗値が高くなり、寄生バイポーラトランジスタが
オンしやすくなり、クランプの効果をさらに高めること
ができる。なお、P基板またはPウェルのバイアス電圧
VBP1 の値は、マイナスの値(例えば−3V)にするの
が通例であるが、入力のアンダーシュートに対して順方
向電流が流れるのを許容すれば、0Vでも構わない。ま
た、この実施例ではP基板を用いた例について説明した
が、N基板を用いても、Pウェル中に同素子を形成すれ
ば同様に本発明が適用できる。
【0105】以上、各実施例によって本発明の詳細を説
明したが、本発明の適用範囲はこれらに限定されるもの
ではない。例えば、ここでは主にメモリ回路を主体に記
述してが、本明細書冒頭にも述べたように、メモリLS
I、論理LSI、あるいは、これらを組合せた複合LS
I、あるいはその他のLSI全てに適用可能である。ま
た、使用する素子の種類についても、p型、n型の両M
OSトランジスタを使用したLSI、バイポーラトラン
ジスタを用いたLSI、接合型FETをを用いたLS
I、CMOSトランジスタとバイポーラトランジスタを
組合せたBiCMOS型のLSI、さらにはシリコン以
外の材料、例えばガリウム砒素などの基板に素子を形成
したLSIなどでも、そのまま適用できる。
【0106】
【発明の効果】本願発明の代表的な一発明の効果は以下
の通りである。即ち、本願の代表的な発明の一つは、N
形第1MOSFETとキャパシタをそれぞれに含む複数
のダイナミック形メモリセルと、N形第2MOSFET
を含む第1回路とを有する半導体装置であって、前記半
導体装置は、P形半導体基板に形成され、前記複数のダ
イナミック形メモリセルの前記N形第1MOSFET
は、N形第1半導体領域により前記P形半導体基板と分
離されたP形第2半導体領域に形成され、前記N形第2
MOSFETは、N形第3半導体領域により前記P形半
導体基板と分離されるとともに前記第2半導体領域とは
独立したP形第4半導体領域に形成され、前記P形第2
半導体領域は、第1電位にバイアスされ、前記P形第4
半導体領域は、前記第2MOSFETのソースに接続さ
れ、前記第2MOSFETのソースは接地電位よりも高
い第2電位で動作せしめられ、前記第3半導体領域は前
記第2電位よりも高電位の第3電位にバイアスされ、前
記P形半導体基板には、前記半導体装置に外部から供給
される電源電圧の基準となる前記接地電位が結合され、
前記第1電位は前記接地電位よりも低い電位とする。こ
の発明では、P形基板から分離されたP形第4半導体領
域に形成された第2MOSFETは、そのソースと当該
第4半導体領域を接続してそのソース電位により第4半
導体領域をバイアスすることができる。従って、第2M
OSFETのソースが接地電位よりも高い電位で動作す
る場合に、そのしきい値電圧について過剰な基板効果を
受けることが軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本概念を説明する実施例の図。
【図2】 本発明の基本概念を説明する実施例の図。
【図3】 本発明の基本概念を説明する実施例の図。
【図4】 本発明の基本概念を説明する実施例の図。
【図5】 本発明の基本概念を説明する実施例の図。
【図6】 本発明の基本概念を説明する実施例の図。
【図7】 本発明の基本概念を説明する実施例の図。
【図8】 本発明をスタティックメモリに適用した実施
例の図。
【図9】 本発明をスタティックメモリに適用した実施
例の図。
【図10】 本発明をスタティックメモリに適用した実
施例の図。
【図11】 本発明をダイナミックメモリに適用した実
施例の図。
【図12】 本発明をダイナミックメモリに適用した実
施例の図。
【図13】 本発明をダイナミックメモリに適用した実
施例の図。
【図14】 本発明をダイナミックメモリに適用した実
施例の図。
【図15】 本発明をダイナミックメモリに適用した実
施例の図。
【図16】 本発明をダイナミックメモリに適用した実
施例の図。
【図17】 本発明をダイナミックメモリに適用した実
施例の図。
【図18】 本発明をダイナミックメモリに適用した実
施例の図。
【図19】 本発明の基本概念を説明する他の実施例の
図。
【図20】 本発明の基本概念を説明する他の実施例の
図。
【図21】 本発明の基本概念を説明する他の実施例の
図。
【図22】 本発明の基本概念を説明する他の実施例の
図。
【図23】 本発明の基本概念を説明する他の実施例の
図。
【図24】 本発明の基本概念を説明する他の実施例の
図。
【図25】 本発明を構成する素子の具体的実施例の
図。
【図26】 本発明を構成する素子の具体的実施例の
図。
【図27】 本発明を構成する半導体基板の具体的実施
例の図。
【図28】 情報保持時の消費電力を低減するための具
体的実施例の図。
【図29】 情報保持時の消費電力を低減するための具
体的実施例の図。
【図30】 情報保持時の消費電力を低減するための具
体的実施例の図。
【図31】 低電圧で動作するダイナミックメモリの具
体的実施例の図。
【図32】 低電圧で動作するダイナミックメモリの具
体的実施例の図。
【図33】 低電圧で動作するダイナミックメモリの具
体的実施例の図。
【図34】 低電圧で動作するダイナミックメモリの具
体的実施例の図。
【図35】 低電圧で動作するダイナミックメモリの具
体的実施例の図。
【図36】 低電圧で動作するダイナミックメモリの具
体的実施例の図。
【図37】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図38】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図39】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図40】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図41】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図42】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図43】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図44】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図45】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図46】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図47】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図48】 微細な素子のゲート耐圧以上の電圧で動作
させる各種回路の具体的実施例の図。
【図49】 入出力回路の構成の基本概念を示す実施例
の図。
【図50】 出力回路の具体的実施例の図。
【図51】 出力回路の具体的実施例の図。
【図52】 出力回路の具体的実施例の図。
【図53】 出力回路の具体的実施例の図。
【図54】 入力回路の具体的実施例の図。
【図55】 入力回路の具体的実施例の図。
【図56】 入力回路の具体的実施例の図。
【図57】 入力回路の具体的実施例の図。
【図58】 入力回路の具体的実施例の図。
【図59】 入力回路の具体的実施例の図。
【図60】 入力回路の具体的実施例の図。
【図61】 入力保護素子の具体的実施例の図。
【図62】 入力保護素子の具体的実施例の図。
【図63】 入力保護素子の具体的実施例の図。
【符号の説明】
1…LSIチップ、5…内部回路部、6…電圧変換回
路、7…入出力回路、8…情報保持状態検出回路、9…
基準電圧発生回路、10…リミッタエネーブル信号発生
回路、11…外部入出力バス、12…内部入出力バス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/8242 H01L 27/04 B 27/04 G (56)参考文献 特開 昭62−119958(JP,A) 特開 昭62−183161(JP,A) 特開 昭53−12280(JP,A) 特開 昭58−192359(JP,A) 特開 昭62−155555(JP,A) 特開 昭63−232363(JP,A) 特開 昭60−130138(JP,A) 特開 昭60−98670(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N形第1MOSFETとキャパシタをそれ
    ぞれに含む複数のダイナミック形メモリセルと、N形第
    2MOSFETを含む第1回路とを有する半導体装置で
    あって、 前記半導体装置は、P形半導体基板に形成され、 前記複数のダイナミック形メモリセルの前記N形第1M
    OSFETは、N形第1半導体領域により前記P形半導
    体基板と分離されたP形第2半導体領域に形成され、 前記N形第2MOSFETは、N形第3半導体領域によ
    り前記P形半導体基板と分離されるとともに前記第2半
    導体領域とは独立したP形第4半導体領域に形成され、 前記P形第2半導体領域は、第1電位にバイアスされ、 前記P形第4半導体領域は、前記第2MOSFETのソ
    ースに接続され、前記第2MOSFETのソースは接地電位よりも高い第
    2電位で動作せしめられ、前記第3半導体領域は前記第
    2電位よりも高電位の第3電位にバイアスされ、 前記P形半導体基板には、前記半導体装置に外部から供
    給される電源電圧の基準となる前記接地電位が結合さ
    れ、前記第1電位は前記接地電位よりも低い電位である
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記N形第1半導体領域は、前記P形半導体基板の一主
    面に形成された第1Nウェルであり、 前記P形第2半導体領域は、前記第1Nウェル内に形成
    された第1Pウェルであり、 前記N形第3半導体領域は、前記P形半導体基板の一主
    面に形成された第2Nウェルであり、 前記P形第4半導体領域は、前記第2Nウェル内に形成
    された第2Pウェルであることを特徴とする半導体装
    置。
  3. 【請求項3】N形第1MOSFETとキャパシタをそれ
    ぞれに含む複数のダイナミック形メモリセルと、N形第
    2MOSFETを含む第1回路とを有する半導体装置で
    あって、 前記半導体装置は、P形半導体基板に形成され、 前記複数のダイナミック形メモリセルの前記N形第1M
    OSFETは、N形第1半導体領域により前記P形半導
    体基板と分離されたP形第2半導体領域に形成され、 前記N形第2MOSFETは、N形第3半導体領域によ
    り前記P形半導体基板と分離されるとともに前記第2半
    導体領域とは独立したP形第4半導体領域に形成され、 前記P形第2半導体領域は、第1電位にバイアスされ、 前記P形第4半導体領域は、前記第2MOSFETのソ
    ースに接続され、 前記半導体装置は、N形第3MOSFETを含む第2回
    路を更に有し、 前記N形第3MOSFETは、N形第5半導体領域によ
    り前記P形半導体基板と分離されるとともに前記第2及
    び第4半導体領域とは独立したP形第6半導体領域に形
    成され、 前記P形第6半導体領域は、前記第3MOSFETのド
    レインに接続されると共に前記第5半導体領域に接続さ
    れることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記N形第1半導体領域は、前記P形半導体基板の一主
    面に形成された第1Nウェルであり、 前記P形第2半導体領域は、前記第1Nウェル内に形成
    された第1Pウェルであり、 前記N形第3半導体領域は、前記P形半導体基板の一主
    面に形成された第2Nウェルであり、 前記P形第4半導体領域は、前記第2Nウェル内に形成
    された第2Pウェルであることを特徴とする半導体装
    置。
  5. 【請求項5】N形第1MOSFETとキャパシタをそれ
    ぞれに含む複数のダイナミック形メモリセルと、N形
    MOSFETを含む回路とを有する半導体装置であっ
    て、前記半導体装置は、P形半導体基板に形成され、 前記複数のダイナミック形メモリセルの前記N形第1M
    OSFETは、N形第1半導体領域により前記P形半導
    体基板と分離されたP形第2半導体領域に形成され、 前記N形第3MOSFETは、N形第5半導体領域によ
    り前記P形半導体基板と分離されるとともに前記P形
    2半導体領域とは独立したP形第6半導体領域に形成さ
    れ、 前記P形第2半導体領域は、第1電位にバイアスされ、 前記P形第6半導体領域は、前記第2MOSFETのド
    レインに接続されると共に前記第5半導体領域に接続さ
    れることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記第3MOSFET
    は、前記半導体装置に含まれるチャージパンプ回路で用
    いる整流回路に適用されることを特徴とする半導体装
    置。
  7. 【請求項7】請求項5または6のいずれかにおいて、 前記N形第1半導体領域は、前記P形半導体基板の一主
    面に形成された第1Nウェルであり、 前記P形第2半導体領域は、前記第1Nウェル内に形成
    された第1Pウェルであり、 前記N形第5半導体領域は、前記P形半導体基板の一主
    面に形成された第3Nウェルであり、 前記P形第6半導体領域は、前記第3Nウェル内に形成
    された第3Pウェルであることを特徴とする半導体装
    置。
  8. 【請求項8】請求項5から7のいずれかにおいて、前記
    P形半導体基板には、前記半導体装置に外部から供給さ
    れる電源電圧の基準となる接地電位が結合され、前記第
    1電位は前記接地電位よりも低い電位であることを特徴
    とする半導体装置。
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